説明

包装箱

【課題】複数の側板を横方向に折曲げ可能に連結した板状体を組立てて成る包装箱において、使用後における包装箱の解体を容易にする。
【解決手段】底部を閉塞する底板26およびその内側に重なる内フラップ29、30の側板12,13、14との連結位置の折曲げ線を破断線を兼ねた折曲げ線25、28から構成するとともに、底板26の一方の肩の部分に切欠き32を形成し、これに対して底板26の上記切欠き32から成る破断用開口36の部分を閉塞する内フラップ29には、開口形成用破断線33を形成しておく。そして上記破断用開口36を通して内フラップ24の根元側の部分を開口形成用破断線33によって破断し、破断用開口36を通して底板26の内側に手を入れてこの底板26を内フラップ29、30とともに破断線を兼ねた折曲げ線25、28のところで破断して側板から分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装箱に係り、とくに横方向に連結された側板の内の互いに対向する一対の側板の下端に底板を構成する外フラップが折曲げ可能に連設され、しかも外フラップが連設された側板と直交するように配される他の一対の側板の下端に内フラップが折曲げ可能に連設され、内フラップを内側に折曲げ、この内フラップと重合うように外フラップを折曲げて底部開口を閉じるようにした包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボールを直方体状に組立てた包装箱が各種の物品の梱包や搬送のために広く用いられている。例えばJIS(日本工業規格)Z1507には、各種の形態の段ボール製の包装箱の形式が記載されている。これらの包装箱の内、コード番号0201の包装箱は、4枚の側板を横方向に折曲げ可能に連結した板状体を折曲げて組立てられるようになっており、4枚の側板の内の互いに対向する一対の側板の上端および下端には、蓋板および底板を構成する外フラップが折曲げ可能に連設され、しかも上記4枚の側板の内の互いに対向する他の一対の側板の上端および下端に内フラップが折曲げ可能に連設されている。ここで下端側の内フラップを内側に折曲げ、この内フラップと重合うように下端側の外フラップを折曲げて底部開口が閉じられる。そして内容物を収納した後に、上端側の内フラップを内側に折曲げ、この内フラップと重合うように上端側の外フラップを折曲げることによって上部開口が閉じられるようになる。
【0003】
このようなコード番号0201の段ボールから成る包装箱は、上面と下面とにそれぞれクラフトテープを貼着するか、接着剤によって封緘している。ここで蓋板側の開封方法については各種の考案が存在するものの、このような包装箱を使用した後にこれを解体するための方法については有効な提案がなされていない。
【0004】
封緘方法としてホットメルトあるいはコールドグルーの接着剤を使用しているコード0201型の段ボールから成る包装箱を解体する場合には、底面側の底板を構成する外フラップの突合わせ部の隙間に指を入れ、接着部位を剥がすようにしている。隙間を設けるために指を差込むための切込み等の加工を施すことがあるが、内容物が脱落する危険性があるために、大きな切込みや切込みを形成する切断誘導部を設けることが困難である。とくに蓋板側の開封については問題がないものの、内容物の重量が加わる底板側にこのような解体方法を利用する場合には制約が発生する。また底板を構成する外フラップと内フラップの糊付け部を剥がす行為は変わらないために、接着力の強い接着剤を使用する場合に、剥がすために大きな力が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−262549号公報
【特許文献2】特開2010−159070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明の課題は、使用した後に容易に解体することができる包装箱を提供することである。
【0007】
本願発明の別の課題は、使用した後に解体すると、包装箱が偏平に折畳まれるようにした包装箱を提供することである。
【0008】
本願発明の別の課題は、使用した後に、底板を除去して解体できるようにした包装箱を提供することである。
【0009】
本願発明のさらに別の課題は、使用した後に、底板側の所定の部位に手を入れて底板を側板から分離して解体することができるようにした包装箱を提供することである。
【0010】
本願発明の上記の課題および別の課題は、以下に述べる本願発明の実施の形態によって明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の主要な発明は、側板を横方向に折曲げ可能に連結した板状体を折曲げて組立てるとともに、前記側板の内の互いに対向する一対の側板の下端に底板を構成する外フラップが折曲げ可能に連設され、前記外フラップが連設された側板以外の他の側板の下端に複数の内フラップが折曲げ可能に連設され、前記内フラップを内側に折曲げ、該内フラップと重合うように外フラップを折曲げて底部開口を閉じるようにした箱であって、
前記外フラップおよび前記内フラップの対応する側板の下端との間の折曲げ位置に解体用破断線が形成され、
前記底板を構成する前記外フラップに切欠きが形成され、前記複数の内フラップの内の前記切欠きと重合う内フラップには両端がこの内フラップの前記側板との間の折曲げ線と交わる開口形成用破断線が形成され、前記内フラップの前記側板との間の折曲げ線と前記開口形成用破断線とによって囲まれる領域の少なくとも一部が前記外フラップを突合わせたときに前記切欠きによって形成される前記外フラップの開口内に露出する包装箱に関するものである。
【0012】
ここで、前記開口形成用破断線が前記切欠きによって形成される前記外フラップの開口の縁に沿ってその外側に位置してよい。また前記内フラップの前記側板との間の折曲げ線と前記開口形成用切断線とによって囲まれる領域の外側の部分が前記外フラップの内表面に糊付けされてよい。ここで糊付けには、ホットメルト等の接着剤による接合を含むものとする。また前記開口形成用切断線の一部が前記切欠きによって形成される前記外フラップの開口を横切るようにしてよい。また前記内フラップの前記側板との間の折曲げ線と前記開口形成用切断線とによって囲まれる領域であって前記側板との間の折曲げ線に対して反対側の部分が前記外フラップと重合っていてよい。また前記内フラップの前記側板との間の折曲げ線と前記開口形成用切断線とによって囲まれる領域であって両側の部分が前記外フラップと重合っていてよい。
【0013】
また、この包装箱の前記側板が、互いに対向する一対の長辺側側板と、互いに対向する一対の短辺側側板と、前記長辺側側板および前記短辺側側板よりも横方向の寸法が小さく前記長辺側側板および前記短辺側側板に対して斜めに前記長辺側側板と前記短辺側側板との間に配されているコーナ側板とを具備し、前記一対の長辺側側板の下端に底板を構成する前記外フラップが連設されるとともに、前記一対の短辺側側板の内の一方の短辺側側板の下端に前記開口形成用破断線が形成された内フラップが連設されてよい。またこの包装箱の前記側板が、横方向の寸法が互いに等しい6枚の側板から構成され、互いに対向する一対の前記側板の下端に底板を構成する前記外フラップが連設されるとともに、他の前記側板の下端に前記開口形成用破断線が形成された前記内フラップが連設されてよい。
【発明の効果】
【0014】
本願の主要な発明は、側板を横方向に折曲げ可能に連結した板状体を折曲げて組立てるとともに、前記側板の内の互いに対向する一対の側板の下端に底板を構成する外フラップが折曲げ可能に連設され、前記外フラップが連設された側板以外の他の側板の下端に複数の内フラップが折曲げ可能に連設され、前記内フラップを内側に折曲げ、該内フラップと重合うように外フラップを折曲げて底部開口を閉じるようにした箱であって、
前記外フラップおよび前記内フラップの対応する側板の下端との間の折曲げ位置に解体用破断線が形成され、
前記底板を構成する前記外フラップに切欠きが形成され、前記複数の内フラップの内の前記切欠きと重合う内フラップには両端がこの内フラップの前記側板との間の折曲げ線の両端と交わる開口形成用破断線が形成され、前記内フラップの前記側板との間の折曲げ線と前記開口形成用破断線とによって囲まれる領域の少なくとも一部が前記外フラップを突合わせたときに前記切欠きによって形成される前記外フラップの開口内に露出する包装箱に関するものである。
【0015】
従ってこのような包装箱によれば、底板を構成する外フラップの切欠きによって形成される開口内に露出する内フラップの側板との間の折曲げ線と開口形成用破断線とによって囲まれる領域の少なくとも一部を押すことによって、内フラップが開口形成用破断線に沿って破断される。従ってこの破断された部位を通して外フラップの内側に手を入れて外フラップを外方に引くと、外フラップおよび内フラップの対応する側板の上端または下端との間の折曲げ位置に形成された解体用破断線によって外フラップおよび内フラップが破断され、外フラップと内フラップとが一緒になって側板から分離されることになる。従ってこれにより、底部開口を閉じる底板が側板から分離された状態で包装箱が解体されるようになる。とくに横方向に連結された側板の部分は、角筒を押潰したように偏平に折畳まれるために、解体されると偏平な状態になり、その処理および処分が容易になるとともに、保管する際にスペースを要しなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】包装箱を組立てるための打抜かれた段ボールの展開平面図である。
【図2】同包装箱の組立て斜視図である。
【図3】組立てられた包装箱を上下逆様にした状態の斜視図である。
【図4】同包装箱の底面図である。
【図5】内フラップの開口形成用破断線の部分を破断した状態の斜視図である。
【図6】開口形成用破断線を破断した後に外フラップから成る底板を内フラップと一緒に解体用破断線に沿って破断する状態を示す斜視図である。
【図7】解体された包装箱の外観斜視図である。
【図8】変形例の包装箱の図4と同様の底面図である。
【図9】さらに別の変形例の図4と同様の底面図である。
【図10】別の実施の形態の包装箱を組立てるための段ボールの展開平面図である。
【図11】組立てられた包装箱の上下を逆様にした状態の外観斜視図である。
【図12】同包装箱の底面図である。
【図13】さらに別の実施の形態の包装箱を組立てるための段ボールの展開平面図である。
【図14】同組立てられた包装箱の上下を逆様にした状態の外観斜視図である。
【図15】同包装箱の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本願発明を図示の実施の形態によって説明する。図1は本実施の形態の包装箱を組立てるために打抜かれた段ボールの展開平面図を示しており、この段ボール10は、横方向に沿って長辺側側板11、短辺側側板12、長辺側側板13、短辺側側板14を備え、これらの側板11〜14が折曲げ線15を介して折曲げ可能に連結されている。また左端の長辺側側板11の左端には折曲げ線16を介して接合片17が連設されている。
【0018】
次に上記長辺側側板11、13の上端には、折曲げ線21を介して蓋板22が連設されている。これらの蓋板22の突出長は、上記短辺側側板12、14の幅の半分の値になっており、閉じたときに互いに突合わされるようになっている。また短辺側側板12、14の上端には、折曲げ線23を介して内フラップ24が折曲げ可能に連設されている。
【0019】
長辺側側板11、13の下端には、破断線を兼ねた折曲げ線25を介して底板26が折曲げ可能に連設されている。これらの底板26の突出長は、短辺側側板12、14の幅の半分の値になっており、底板26を互いに閉じたときにそれらの先端部が突合わされるようになっている。また短辺側側板12、14の下端には、破断線を兼ねた折曲げ線28を介して内フラップ29、30がそれぞれ折曲げ可能に連設されている。
【0020】
さらにこの段ボール10は、下端側の底板26の片側の肩の部位に切欠き32が形成されている。また短辺側側板12の下側に連設された内フラップ29には、開口形成用破断線33がほぼU字状に折曲って形成されている。この開口形成用破断線33の両端は、上記破断線を兼ねた折曲げ線28に一致している。また下側の内フラップ29、30には、それぞれホットメルトまたはコールドグルーから成る糊35が4条にわたって形成されており、底部を閉じる際にこれらの糊35によって内フラップ29、30と底板26とを互いに糊付けするようにしている。
【0021】
図2は図1に示す段ボール10を折曲げて組立てられた包装箱を示している。段ボール10によって包装箱を組立てる場合には、折曲げ線15に沿って4枚の側板11、12、13、14を互いに四角筒状に折曲げる。そして折曲げ線16の先端側の接合片17を反対側の短辺側側板14の端部に接合して糊付けする。この後に外表面の所定の位置に4条にわたって糊35が塗布された内フラップ29、30を内側に折曲げるとともに、さらにその外側に底板26を折曲げるようにし、底板26の内表面と内フラップ29、30の外表面とを互いに糊付けして接合する。それによって底部開口が図2に示すように底板26および内フラップ29、30によって閉じられるようになる。
【0022】
このような包装箱の特徴は、図3および図4に示すように、この包装箱を上下逆様にした場合に、底板26の一方の肩の部分に形成されている切欠き32が互いに整合し、これによってほぼU字状の破断用開口36が形成されることである。このような破断用開口36は、底板26と重合う内フラップ29によって閉じられている。ここで内フラップ29には上記破断用開口36の外縁よりもやや外側に沿って延びるように開口形成用破断線33が延びて形成されている。そしてこの開口形成用破断線33が破断されない状態においては、上記破断用開口36は内フラップ29によって閉じた状態になっている。
【0023】
この包装箱を使用した後に解体をする場合には、図5に示すように、底板26の切欠き32から成る破断用開口36の部分の内フラップ29を強く内側へ押す。するとこの内フラップ29の開口形成用破断線33の部分が破断される。従って図6に示すように、開口形成用破断線33によって内フラップ29が破断されて破断用開口36が開放された状態で、この破断用開口36の部分に手を入れ、内フラップ29が内側に糊付けされたままの底板26を上方に引張る。すると底板26および内フラップ29、30は、破断線を兼ねた折曲げ線25および28に沿って破断される。すなわちこの包装箱は、図7に示されるように、底の部分が完全に4枚の側板11〜14から分離された状態になる。
【0024】
このように、内フラップ29の開口形成用破断線33によってこの内フラップ29の一部を破断して破断用開口36を形成し、この開口36を利用して底板26と内フラップ29とを一緒に破断して除去すると、包装箱は図7に示すような状態になり、4枚の側板11〜14には蓋板22と上端側の内フラップ24とが連結された四角筒状の状態になる。従って、折曲げ線15のところで長辺側側板11、13と短辺側側板12、14とを真直ぐにすることにより、偏平に折畳まれる。また底板26はその内側の内フラップ29、30と連結された状態で偏平な板状体のままで分離される。また、内フラップ29の開口形成用破断線33によって破断されたU字状の部分もまた内フラップ29の根元部分の破断線を兼ねた折曲げ線28のところで短辺側側板12から分離されることになる。
【0025】
このように本実施の形態の包装箱は、底板26と重合う内フラップ29から容易に穴があけられるように開口形成用破断線33をこの内フラップ29に形成している。底板26の切欠き32から成る破断用開口36は、箱の大きさに応じて、一部の指が入る大きさ、大部分の指が入る大きさ、片手が入る大きさ、あるいは両手が入る大きさ等の適宜の値を採用することができる。ここで内容物の重量によって開口形成用破断線33の部分が破れないように、開口形成用破断線33は、底板26の切欠き32から成る破断用開口36よりも外側に沿って形成されており、通常の梱包状態においては開口形成用破断線33は外に露出していない(図3、図4参照)。
【0026】
糊剤や接着剤の発達によって、底板26を閉じる糊剤35として、極めて接着力の強いホットメルトやコールドグルー等が使用される傾向にあるが、強い接着力を有する糊35を用いた場合においても、使用済みの包装箱を容易に解体することができ、その際に大きな力を要することはない。
【0027】
次に変形例を図8により説明する。この変形例においては、底板26の切欠き32によって形成される破断用開口36に対して、内フラップ29の開口形成用破断線33の一部が露出するようになっており、破断用開口36と開口形成用破断線33とがそれらの一部が互いに交差するようにしている。このような構成によると、破断用開口36を介して内フラップ29の開口形成用破断線33の部分を破断する際の力が軽減されることになる。
【0028】
図9はさらに別の実施の形態を示しており、ここでは底板26の切欠き32から成る破断用開口36に対して、開口形成用破断線33が内フラップ29の先端側の部分において破断用開口36内に露出するようにしている。この場合においても、開口形成用破断線33が破断用開口36に露出しているために、この開口形成用破断線33によって内フラップ29の一部を破断する作業の際における力を軽減することが可能になる。
【0029】
次に別の実施の形態を図10〜図12によって説明する。この実施の形態は、包装箱のコーナの部分が斜めのコーナ側板40によって構成され、8角形の形状をなす包装箱に関するものである。なお基本的な構成は上記第1の実施の形態と同様なので、相違する部分のみを説明する。
【0030】
この実施の形態においては、図10に示すように、横方向に互いに連結される長辺側側板11、13と短辺側側板12、14との間に、コーナ側板40が配されるようになっている。すなわち長辺側側板11と短辺側側板12との間、短辺側側板12と長辺側側板13との間、長辺側側板13と短辺側側板14との間にはそれぞれコーナ側板40が配されており、折曲げ線15を介して折曲げ可能に連結される。短辺側側板14の右端にはさらに折曲げ線15を介してコーナ側板40が連結される構造になっている。
【0031】
しかも長辺側側板11、13の下端にはそれぞれ一側部に切欠き32を備える外フラップ26が破断線を兼ねた折曲げ線25を介して連結されている。また短辺側側板12、14の下端には、破断線を兼ねた折曲げ線28を介して内フラップ29、30が連設されている。そして一方の内フラップ29には、開口形成用破断線33が形成されている。
【0032】
このような段ボール10を折曲げて組立てると、図11に示すような8角形の包装箱が組立てられる。ここで底板26を構成する外フラップの切欠き32によって破断用開口36が形成されるとともに、この開口36の内側に位置する内フラップ29の開口形成用破断線33の内側の領域が上記破断用開口36に臨むようになる。なお図12から明らかなように、開口形成用破断線33の一部は、破断用開口36の中に露出している。
【0033】
従って上記破断用開口36の部分であって開口形成用破断線33の内側の部分を押すことによって、内フラップ29の開口形成用破断線33が破断され、これによって開口が形成される。従って内フラップ29、30が内側に糊付けされた外フラップ26から成る底板が内フラップ29、30とともに、破断線を兼ねた折曲げ線25、28のところで破断されて底部が完全に分離されるようになり、これによって上記第1の実施の形態と同様の解体が可能になる。
【0034】
次に別の実施の形態を図13〜図15によって説明する。この実施の形態に係る包装箱は、図13に示す段ボール44を折曲げて組立てられる。
【0035】
図13の段ボール44によって組立てられる包装箱は、横方向の寸法が互いに等しい6枚の側板45、46、47、48、49、50を備えており、これらが折曲げ線51を介して互いに折曲げ可能に連結されている。そして左端の側板45の端部にはさらに折曲げ線52を介して接合片53が折曲げ可能に連結されている。
【0036】
側板46、49の上端には、折曲げ線55を介して台形状の蓋板56が折曲げ可能に連結されている。また側板45、47、48、50の上端には折曲げ線57を介して内フラップ58が折曲げ可能に連結されている。また側板46、49の下端には、破断線を兼ねた折曲げ線59によって底板60が折曲げ可能に連結されている。また側板45、48の下端には、破断線を兼ねた折曲げ線61を介して内フラップ62、63がそれぞれ連結されている。上記底板60の側部には切欠き65が形成されている。また底板63には開口形成用破断線66が形成されている。
【0037】
このような構成に係る段ボール44を組立てると、図14に示すような6角形の包装箱が形成される。ここで図14は、上下逆様にして底面を上側にし、とくに底板60に形成される切欠き65による破断用開口67を露出した状態を示している。なお図15に示すように、内フラップ62、63は底板60に対して、糊68によって接合されている。
【0038】
このような包装箱においても、上記底板60の切欠き65によって破断用開口67が形成されるようになり、この破断用開口67と重なるように配される内フラップ63には開口形成用破断線66が形成されている。従って破断用開口67の部分を強く内側へ押込むと、内フラップ63の開口形成用破断線66が破断されて開口が形成されることになる。従ってこの開口を利用して内フラップ62、63が糊68によって接合された底板60を上方に引くことによって、底板60、内フラップ62、63が破断線を兼ねた折曲げ線59、61のところで完全に側板45〜50から分離されることになり、これによって包装箱が解体される。従ってこのような構成においても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能になる。
【0039】
以上本願発明を図示の実施の形態によって説明したが、本願発明は上記実施の形態によって限定されることなく、本願発明の技術的思想の範囲内において各種の変更が可能である。例えば底板26に形成される切欠き32から成る破断用開口36の形状や、あるいはまた内フラップ29の開口形成用破断線33の位置については、包装箱内に入れる物品の重量等に応じて各種の設計変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本願発明の包装箱は、各種の物品を入れて運搬したり保管したりする際に用いられる段ボール製の包装箱に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
10 段ボール
11 長辺側側板
12 短辺側側板
13 長辺側側板
14 短辺側側板
15、16 折曲げ線
17 接合片
21 折曲げ線
22 蓋板
23 折曲げ線
24 内フラップ
25 破断線を兼ねた折曲げ線
26 底板
28 破断線を兼ねた折曲げ線
29、30 内フラップ
32 切欠き
33 開口形成用破断線
35 糊
36 破断用開口
40 コーナ側板
44 段ボール
45〜50 側板
51、52 折曲げ線
53 接合片
55 折曲げ線
56 蓋板
57 折曲げ線
58 内フラップ
59 破断線を兼ねた折曲げ線
60 底板
61 破断線を兼ねた折曲げ線
62、63 内フラップ
65 切欠き
66 開口形成用破断線
67 破断用開口
68 糊

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側板を横方向に折曲げ可能に連結した板状体を折曲げて組立てるとともに、前記側板の内の互いに対向する一対の側板の下端に底板を構成する外フラップが折曲げ可能に連設され、前記外フラップが連設された側板以外の他の側板の下端に複数の内フラップが折曲げ可能に連設され、前記内フラップを内側に折曲げ、該内フラップと重合うように外フラップを折曲げて底部開口を閉じるようにした箱であって、
前記外フラップおよび前記内フラップの対応する側板の下端との間の折曲げ位置に解体用破断線が形成され、
前記底板を構成する前記外フラップに切欠きが形成され、前記複数の内フラップの内の前記切欠きと重合う内フラップには両端がこの内フラップの前記側板との間の折曲げ線と交わる開口形成用破断線が形成され、前記内フラップの前記側板との間の折曲げ線と前記開口形成用破断線とによって囲まれる領域の少なくとも一部が前記外フラップを突合わせたときに前記切欠きによって形成される前記外フラップの開口内に露出する包装箱。
【請求項2】
前記開口形成用破断線が前記切欠きによって形成される前記外フラップの開口の縁に沿ってその外側に位置する請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記内フラップの前記側板との間の折曲げ線と前記開口形成用切断線とによって囲まれる領域の外側の部分が前記外フラップの内表面に糊付けされている請求項1または請求項2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記開口形成用切断線の一部が前記切欠きによって形成される前記外フラップの開口を横切る請求項1に記載の包装箱。
【請求項5】
前記内フラップの前記側板との間の折曲げ線と前記開口形成用切断線とによって囲まれる領域であって前記側板との間の折曲げ線に対して反対側の部分が前記外フラップと重合っている請求項1に記載の包装箱。
【請求項6】
前記内フラップの前記側板との間の折曲げ線と前記開口形成用切断線とによって囲まれる領域であって両側の部分が前記外フラップと重合っている請求項1に記載の包装箱。
【請求項7】
この包装箱の前記側板が、互いに対向する一対の長辺側側板と、互いに対向する一対の短辺側側板と、前記長辺側側板および前記短辺側側板よりも横方向の寸法が小さく前記長辺側側板および前記短辺側側板に対して斜めに前記長辺側側板と前記短辺側側板との間に配されているコーナ側板とを具備し、前記一対の長辺側側板の下端に底板を構成する前記外フラップが連設されるとともに、前記一対の短辺側側板の内の一方の短辺側側板の下端に前記開口形成用破断線が形成された内フラップが連設されている請求項1に記載の包装箱。
【請求項8】
この包装箱の前記側板が、横方向の寸法が互いに等しい6枚の側板から構成され、互いに対向する一対の前記側板の下端に底板を構成する前記外フラップが連設されるとともに、他の前記側板の下端に前記開口形成用破断線が形成された前記内フラップが連設されている請求項1に記載の包装箱。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−201396(P2012−201396A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68142(P2011−68142)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000158312)岩谷産業株式会社 (137)
【出願人】(507028826)富士の湧水株式会社 (5)
【出願人】(506100990)日本トーカンパッケージ株式会社 (41)
【Fターム(参考)】