説明

包装箱

【課題】 装飾品として飾っておくことができ、且つ十分鑑賞に堪えうるものとなる包装箱を提供する。
【解決手段】 カード12が、広重の浅草金龍山の浮世絵の写しであるのに対し、他方のカード11が、同じ場所の現代の風景画であるカードを表裏両面に取り付けた箱体本体10に対し、該箱体本体10の背になる部分に背表紙片13を取り付けてなる包装箱1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば観光土産用などに使用される、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本文化の海外への浸透と共に、海外から観光客が来日する機会が増えている。それに伴って、日本文化の関心がより高まる傾向にある。
【0003】
そのような観光客の増加と共に、土産も購入される機会が増え、様々な土産品が出回るようになった。
【0004】
その土産物が、和服や手拭い、扇子などの、物である場合、それは、装飾品として飾られ、日本での観光を再び思い起こさせ、再び日本への観光の誘因となるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、その土産物が、飲食物である場合、飲食した後は、何も残らず、容器などの不要なものは、そのまま捨てられてしまうのが普通である。
【0006】
そこで、本出願の発明者等は、それぞれの地での観光を再び想起させることができる形態の土産物のあり方について、鋭意研鑽し、その結果、土産物の包装をある形態とすることにより、仮に飲食物のような土産物であっとしても、飲食した後、捨てられずに、装飾品として残せるものとして、本発明の構成を創案するに至った。
【0007】
また、お土産に限らず、飾れる包装容器として広くどのようなものにも適用できて、装飾品として鑑賞に堪えられるものを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る包装箱の構成は、対となるカードを表裏両面に取り付けた箱体本体に対し、該箱体本体の背になる部分に背表紙片を取り付けてなることを基本的特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、包装の中身の有無及び内容にかかわらず、その包装箱単体、或いは複数ある場合でも、それを立てかけておくことにより、背表紙片が、ハードカバーの本のように見えて、装飾品として飾っておくことができ、且つその表裏両面のいずれかにあるカードを見ることで、他方のカードについても、連想できたり、関心を持てたりして、十分鑑賞に堪えうるものとなる。
【0010】
該包装箱が、任意の物品の包装用に用いられるならば、該箱体本体の表裏面に取り付けられるカードは、鑑賞に堪えうるものであり、且つその土地(その物品が販売等される地)に関連するものが良く、例えば、カードの一方が、任意の場所の浮世絵の写しであるのに対し、他方のカードは、同じ場所の現代の風景画である等の、工夫が施されることにより、そのような対比的な画像の持つ印象が、見る者の関心を引きつけることになる。ここで「対になる」とは、画像や、文字、その他の文様などの柄で、上記のような対比的な意味を持ち、一方を見れば他方との関連を知りたくなるものを言う。
【0011】
また、この包装箱は、各種催し物、例えばコンサート等において販売されるグッズ等の包装用に用いれば、その際の感動をいつまでも思い出に止めておくことができるようになる。
【0012】
さらに、これらのカードは、後述するように、該箱体本体の表裏両面に切り欠き部を設け、該切り欠き部にカードの一部を係止させて、箱体本体の表裏両面にそれぞれ取り付けられるようにすると良い。元々カードの柄(内容)に大きな意味を持つため、ものによっては、包装の中身の内容如何に拘わらず、対となる該カードを、売れ筋の対のカードに取り替えれば良く、包装箱表面に画像や、文字、その他の文様などの柄が印刷されてしまった場合と異なり、売れ筋でないものが在庫として残ることがない。
【発明の効果】
【0013】
以上のような本発明に係る包装箱の構成によれば、包装の中身の有無及び内容にかかわらず、その包装箱単体、或いは複数ある場合でも、それを立てかけておくことにより、背表紙片が、ハードカバーの本のように見えて、装飾品として飾っておくことができ、且つその表裏両面のいずれかにあるカードを見ることで、他方のカードについても、連想できたり、関心を持てたりして、十分鑑賞に堪えうるものとなるという優れた効果を奏し得る。
【0014】
上記カードの一方が、任意の場所の浮世絵の写しであるのに対し、他方のカードは、同じ場所の現代の風景画であるような工夫が施されることにより、そのような対比的な画像の持つ印象が、見る者の関心を引きつけることになる。
【0015】
さらに、上記カードは、該箱体本体の表裏両面に切り欠き部を設け、該切り欠き部にカードの一部を係止させて、箱体本体の表裏両面にそれぞれ取り付けられるようにすることで、元々カードの柄(内容)自身に意味があるため、ものによっては、包装の中身の内容如何に拘わらず、対となる該カードを、売れ筋の対のカードに取り替えてしまうことによって、包装箱表面に画像や、文字、その他の文様などの柄が印刷されてしまった場合と異なり、売れ筋でないものが在庫として残ることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、土産物用に本発明の包装箱が用いられた場合の、一実施例構成を示す斜視図である。また図2は、その反対面側から見た場合の斜視図である。
【0018】
これらの図に示すように、本実施例に係る包装箱1は、中身に饅頭などを入れる容器状の箱体であって、箱体本体10の表裏両面には、後述するように、対となるカード11と12が取り付けられると共に、該箱体本体10の背になる部分に背表紙片13が取り付けられている。
【0019】
これらのカード12と11は、それぞれ、一方12が、広重の浅草金龍山の浮世絵の写しであるのに対し、他方のカード11は、同じ場所の現代の風景画である。従って、そのような江戸時代の浅草金龍山の様子と、同じ場所の現代の様子との、対比的な画像の持つ印象が、見る者の関心を引きつけることになる。
【0020】
また背表紙片13は、主に上記絵柄の説明やその地域についての種々の説明(広重がこの浮世絵を描いた頃の浅草金龍山の様子と現代における同じ浅草金龍山の様子)が記載されており、さらに、これらがシリーズもので、他にも同種のカードの対になっているものがあることが、説明書きに記されており、そのシリーズものの商標的なマークについても記してある。
【0021】
箱体本体10の表裏両面に切り欠き部14aと14bが、また同じく切り欠き部15aと15bが斜向かいの位置に設けられており、これらの切り欠き部14a、14b、15a及び15bに、上記カード11と12の対抗する角部が係止され、箱体本体10の表裏両面に、カード11及び12が、それぞれ取り付けられている。元々カード11及び12は、その絵柄で表された内容に大きな意味があるため、土産物によっては、包装の中身の内容如何に拘わらず、対となる該カード11及び12について、売れ筋の対のカードに取り替えれば良く、包装箱1表面に画像や、文字、その他の文様などの柄が印刷されてしまった場合と異なり、売れ筋でないものが在庫として残ることがなくなる。
【0022】
本実施例の場合は、カード11及び12の変更にあわせて、背表紙片13についても、絵柄の変更に伴って、説明書きの内容が変わるため、それを変更する必要がある。ただし、どの背表紙片13にも、これらがシリーズもので、他にも同種のカードの対になっているものがあることが、説明書きに記され、そのシリーズものの商標的なマークについて記してあるだけで、該背表紙片13に、上記絵柄の説明やその地域についての種々の説明が記載されていない場合は、上記変更の必要もない。
【0023】
以上詳述した本実施例の構成によれば、包装する土産物の中身の有無及び内容にかかわらず、その包装箱1が単体、或いは複数ある場合でも、それを立てかけておくことにより、背表紙片13が、ハードカバーの本のように見えて、装飾品として飾っておくことができ、且つその表裏両面のいずれかにあるカード11又は12を見ることで、他方のカード12又は11についても、連想できたり、関心を持てたりして、十分鑑賞に堪えうるものとなる。
【実施例2】
【0024】
実施例2に係る包装箱の構成は、アイドルグループのコンサートで販売されるグッズの包装用に用いられる物である。アイドルグループのコンサートで販売されるグッズは、一般的にペンライトや内輪が多いが、その他種々のものが販売される。これらのものは、定型的な形や大きさの物ではなく、これらを購入したファンにとっては、同じアイドルグループのコンサートに足を運ぶ度に、色々なグッズが増え、それらを飾っておくにしても、バラバラの感想は否めない。
【0025】
そこで、それらグッズの包装箱に、本実施例に係る包装箱が用いられることで、背表紙片13が、ハードカバーの本のように見えて、装飾品として飾っておくことができるようになる。
【0026】
本実施例では、実施例1に示す包装箱1とほぼ同じ構成が用いられているが、箱体本体10の表裏両面に取り付けられる対になるカード11及び12が、デビュー当時の特定のアイドルの写真と、そのアイドルの現代の写真とが、用いられている。そのような対比的な写真の持つ印象が、アイドルグループのファンの関心を引きつけることになる。或いは、片側に、特定のアイドルの写真と、今回のコンサートの演目が記載されたものが取り付けられていても良い。
【0027】
尚、本発明の包装箱は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の包装箱は、土産物の包装の他、飾れる包装容器として広くどのようなものにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】土産物用に本発明の包装箱が用いられた場合の一実施例構成を示す斜視図である。
【図2】その反対面側から見た場合の斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1 包装箱
10 箱体本体
11、12 カード
13 背表紙片
14a、14b、15a、15b 切り欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対となるカードを表裏両面に取り付けた箱体本体に対し、該箱体本体の背になる部分に背表紙片を取り付けてなる包装箱。
【請求項2】
上記箱体本体の表裏両面に取り付けられたカードの一方が、任意の場所の浮世絵の写しであるのに対し、他方のカードは、同じ場所の現代の風景画であることを特徴とする請求項1記載の包装箱。
【請求項3】
上記箱体本体の表裏両面のカードは、該表裏両面に切り欠き部を設け、該切り欠き部にカードの一部を係止させて、箱体本体の表裏両面にそれぞれ取り付けられることを特徴とする請求項1又は2記載の包装箱。

【図1】
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【図2】
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