説明

包装箱

【目的】第4の側板と第1の側板とによって形成される角部の上下端部からの埃や異物の侵入を防止して確実に閉塞状態とすることができる包装箱を提供する。
【構成】第1の側板3乃至第4の側板6が互いに直角に折り曲げられて第4の側板6の一側縁の接着片15が第1の側板3の外側面に接着された包装箱1において、内フラップ7,8と外フラップ13,14とを重合して水平に折り曲げた際に、第1の側板3と第4の側板6とによる角部の上下端部に形成される穴19,20を覆い塞ぐ突起16,17を、第1の側板3と第1の側板3の上下端縁に連設された内フラップ7,8との夫々の境界に設ける。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、包装箱に関し、特に直方体状或いは立方体状の複数の物品を包装するのに好適な包装箱の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
バター等の直方体状或いは立方体状の製品を出荷輸送する際に、これらの製品を所定数量ずつまとめて包装するためのダンボール製の包装箱が知られている。
【0003】
この種の包装箱はA形ダンボール箱と言われ、図6及び図7に示すように、一方向に連なる四枚の矩形状の第1乃至第4の側板23,24,25,26を、各側板23,24,25,26の境界に沿って設けられた折目線n,o,pを介して互いに直角に折り曲げ、第4の側板26の一側縁に折目線qを介して連設された接着片27を第1の側板23の外側面に接着することにより四角筒状の胴部39が形成されている。このように接着片27が第1の側板23の外側に接着されて胴部39が形成される方式は外グルーと言われ、その内部の縦断面形状及び横断面形状が長方形或いは正方形となるように形成され、包装箱の内面に張り合わせの段差等が設けられていない形状に形成されるので、バター等の直方体状或いは立方体状の製品を複数まとめて隙間なく収納することができる。
【0004】
そして、第1及び第3の側板23,25の上下端縁には折目線r,s,t,uを介して内フラップ28,29,30,31が、第2及び第4の側板24,26の上下端縁には折目線v,w,x,yを介して外フラップ32,33,34,35が設けられており、各内フラップ28,29,30,31を折目線r,s,t,uに沿って折り曲げた後、外フラップ32,33,34,35を折目線v,w,x,yに沿って折り曲げて各内フラップ28,29,30,31上に重合して胴部39が閉塞される。
【0005】
通常、この種の包装箱をAフルートダンボール(JIS規格)によって形成する場合には、第2の側板24及び第4の側板26の各下端縁と各外フラップ33,35との境界の折目線w,yは、第1の側板23及び第3の側板25の各下端縁と各内フラップ29,31との境界の折目線s,uよりも3mm下方に位置して形成されており、これによって内フラップ29,31に外フラップ33,35が重合された際に内フラップ29,31の肉厚寸法を考慮して外フラップ33,35を折目線w,yに沿って折り畳む作業を円滑に行えるようにされていると共に、精度の高い閉塞状態が得られるようにされている。また、第1の側板23と第2の側板24とで形成される角部、第2の側板24と第3の側板25とで形成される角部、第3の側板25と第4の側板26とで形成される角部における各側板23,24,25,26の下端縁の内フラップ29,31と外フラップ33,35との間隔は7mmとされ、更に、外フラップ33,35の折目線w,yから内フラップ29,31の折目線s,uにわたる各角部には傾斜部36が設けられている。これによって内フラップ29,31上に外フラップ33,35を重合させたときに前記各角部の上下端の各隅部に隙間が発生しないようにされている。
【0006】
一方、各側板23,24,25,26の上端縁と各フラップ28,32,30,34との境界の折目線r,v,t,xは直線状に形成されており、各フラップ28,32,30,34の間隔は7mmとされている。折目線r,v,t,xは、各フラップ28,32,30,34が前記製品の出し入れの際に胴部39の外方に折り返されることを考慮して、各フラップ28,32,30,34を内方及び外方に折り曲げ自在とするように折り曲げ幅を比較的広く形成されている。
【0007】
また、前記接着片27は、第4の側板26の側縁から6.5mmの位置に折目線qを備え、第4の側板26の上下端(折目線x及び折目線y)から夫々6mmの間隔を存した位置から第4の側板26の側縁に一体に連設されている。
【0008】
通常、前記接着片27を第1の側板23の外側面に接着する作業は図示しない自動機械によって行われる。しかし、接着片27が第1の側板23の所定の接着位置に接着されても、各フラップ28,29,30,31,32,33,34,35によって胴部39の上下を閉塞したとき、図8に示すように、第4の側板26と第1の側板23とによって形成される角部の上下端部には、夫々直径約5mmの穴37,38が形成されてしまう。更に、精度の高い自動機械によって前記接着片27を第1の側板23の外側面に接着しても、接着片27が第1の側板23の所定の接着位置から上下にずれることはしばしば起こることであり、例えば、接着片27が所定の接着位置より下方に2mm程度ずれて接着された場合には、第4の側板26と第1の側板23とによって形成される角部の上端部の穴37が直径約8mmに広がって形成されてしまう。そして、このような穴37,38からは、埃や異物が侵入するおそれがあり、包装箱の閉塞状態が低下する不都合があった。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
かかる不都合を解消して、本考案は、第4の側板と第1の側板とによって形成される角部の上下端部からの埃や異物の侵入を防止して確実に閉塞状態とすることができる包装箱を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本考案の第1の態様は、ダンボール板紙によって形成され、一方向に連なる四枚の矩形状の第1乃至第4の側板を、各側板の境界に沿って設けられた折目線を介して互いに直角に折り曲げ、第4の側板の一側縁に折目線を介して連設された接着片を第1の側板の外側面に接着して四角筒状の胴部を形成し、前記第1及び第3の側板の夫々の上下端縁に沿って折目線を介して連設された一対の各内フラップを、夫々折目線に沿って内方に水平に折り曲げ、前記第2及び第4の側板の夫々の上下端縁に沿って折目線を介して連設された一対の各外フラップを、夫々折目線に沿って各内フラップの外方に重合して水平に折り曲げて前記胴部を閉塞する段ボール製の包装箱において、前記第1の側板と該第1の側板の上端縁に連設された内フラップとの境界に、前記第4の側板と該第4の側板の上端縁に連設された外フラップとの境界に向かって突出する突起を設け、前記第1の側板と該第1の側板の下端縁に連設された内フラップとの境界に、前記第4の側板と該第4の側板の下端縁に連設された外フラップとの境界に向かって突出する突起を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、本考案の第2の態様は、少なくとも、前記第2及び第4の側板の下端縁に沿った各外フラップの折目線を、前記第1及び第3の側板の下端縁に沿った各内フラップの折目線よりも、各内フラップの肉厚寸法に対応して下方位置に設け、前記第1の側板と該第1の側板の下端縁に連設された内フラップとの境界に、前記第4の側板と該第4の側板の下端縁に連設された外フラップとの境界に向かって突出する突起を設けたことを特徴とする。
【0012】
本考案の第3の態様は、前記第2の態様において、前記第2及び第4の側板の上端縁に沿った各外フラップの折目線と、前記第1及び第3の側板の上端縁に沿った各内フラップの折目線とを直線状に設け、前記第1の側板と該第1の側板の上端縁に連設された内フラップとの境界に、前記第4の側板と該第4の側板の上端縁に連設された外フラップとの境界に向かって突出する突起を設けたことを特徴とする。
【0013】
【作用】
第1の態様においては、接着片が第1の側板の所定位置に接着され、各内フラップ及び各外フラップによって胴部が閉塞されたとき、第1の側板と該第1の側板の上端縁に連設された内フラップとの境界に設けられた突起が、第4の側板と該第4の側板の上端縁に連設された外フラップとの境界に向かって突出状態にあり、第1の側板と該第1の側板の下端縁に連設された内フラップとの境界に設けられた突起が、第4の側板と該第4の側板の下端縁に連設された外フラップとの境界に向かって突出状態にあるので、第4の側板と第1の側板との角部の上下端部に形成された上下の穴が、各突起によって確実に覆い塞がれる。接着片が第1の側板の所定位置から上下の何れかにずれた場合には、ずれた方向と逆方向の前記角部の一端部に広がって形成された穴も何れか一方の突起によって覆われるので穴の径は比較的小さくなる。
【0014】
第2の態様の包装箱は、少なくとも、前記第2及び第4の側板の下端縁に沿った各外フラップの折目線が、前記第1及び第3の側板の下端縁に沿った各内フラップの折目線よりも、各内フラップの肉厚寸法に対応して下方位置に設けられているものである。このような包装箱においては、接着片が第1の側板の所定位置に接着されても、第4の側板と第1の側板との角部の下端部に前記折目線の高低差に対応する段差が発生するが、この段差によって角部の下端部に穴が形成されても、第1の側板と該第1の側板の下端縁に連設された内フラップとの境界に設けられた突起が、第4の側板と該第4の側板の下端縁に連設された外フラップとの境界に向かって突出状態にあるので該穴が確実に覆われる。接着片が第1の側板の所定位置より上方にずれて、第4の側板と第1の側板との角部の下端部の穴が比較的大きく形成されても該穴は突起によって覆われるので穴の径は比較的小さくなる。
【0015】
第3の態様の包装箱は、前記第2及び第4の側板の下端縁に沿った各外フラップの折目線が、前記第1及び第3の側板の下端縁に沿った各内フラップの折目線よりも、各内フラップの肉厚寸法に対応して下方位置に設けられていると共に、前記第2及び第4の側板の上端縁に沿った各外フラップの折目線と、前記第1及び第3の側板の上端縁に沿った各内フラップの折目線とが直線状に設けられているものである。このような包装箱においては、前述したように第4の側板と第1の側板との角部の下端部に折目線の高低差に対応する段差が発生する。そして、接着片が第1の側板の所定位置より上方にずれて、第4の側板と第1の側板との角部の下端部の穴が比較的大きく形成された場合には、第1の側板と該第1の側板の下端縁に連設された内フラップとの境界に設けられた突起が、第4の側板と該第4の側板の下端縁に連設された外フラップとの境界に向かって突出状態にあって該穴を確実に覆う。また、接着片が第1の側板の所定位置より下方にずれたときには、折目線の高低差が相殺されるので、第4の側板と第1の側板との角部の下端部の穴は比較的小さく形成され、しかも第1の側板と該第1の側板の下端縁に連設された内フラップとの境界に設けられた突起が確実に該穴を覆い塞ぐ。
一方、このとき、第4の側板と第1の側板との角部の上端部の穴は比較的大きく形成されてしまうが、第1の側板と該第1の側板の下端縁に連設された内フラップとの境界に設けられた突起が、第4の側板と該第4の側板の下端縁に連設された外フラップとの境界に向かって突出状態にあるので、該穴は突起によって確実に覆い塞がれる。
【0016】
【実施例】
本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本考案の第1の実施例を示す斜視図、図2は第1の実施例の包装箱の展開図、図3は第1の実施例の包装箱の要部の側面図、図4は第2の実施例の包装箱の展開図、図5は第3の実施例の包装箱の展開図である。
【0017】
本考案の第1の実施例の包装箱1は、図1に示すように、A形ダンボール箱でありAフルートダンボール板紙(板厚4mm)によって形成されている。該包装箱1は、図2に示すように、大略矩形状の板紙2を組み立てることによって形成される。該板紙2は、第1の側板3、第2の側板4、第3の側板5、第4の側板6が夫々折目線a,b,cを介して一方向に連なり、第1の側板3と第3の側板との夫々の上下端縁に沿って折目線d,e,f,gを介して内フラップ7,8,9,10が、第2の側板4と第4の側板6との夫々の上下端縁に沿って折目線h,i,j,kを介して外フラップ11,12,13,14が、夫々連設されている。折目線d,f及び折目線h,jは同一の直線状に位置して形成されており、折目線e,g及び折目線i,kも共に同一の直線状に位置して形成されている。各折目線d,e,f,g,h,i,j,kは3mmの幅寸法で延設されており、各フラップ7,8,9,10,11,12,13,14が内外何れの方向にも折り曲げ自在となっている。互いに隣合う内フラップ7,8,9,10と外フラップ11,12,13,14との間には夫々7mmの間隔が形成されている。
【0018】
第4の側板6の右側縁には接着片15が連設されており、該接着片15には、第4の側板6の右側縁から6.5mmの間隔を存して上下に延びる折目線mが形成されている。また、接着片15の上端は、第4の側板6の上端縁(折目線j)から3mmの間隔を存して下方に位置し、接着片15の下端は、第4の側板6の下端縁(折目線k)から3mmの間隔を存して上方に位置している。
【0019】
第1の側板3と、第1の側板3の上下端に連設された内フラップ7,8との夫夫の境界には一対の突起16,17が設けられている。突起16,17は、外方への突出寸法が3mm、上下方向の幅寸法が8mmに形成されている。
【0020】
以上のように形成された板紙2を組み立てる場合には、各側板3,4,5,6を夫々折目線a,b,cを介して直角に折り曲げ、更に、第4の側板6に連設された接着片15を折目線mを介して第1の側板3の外面に重合するように折り曲げて、該接着片15を第1の側板3の外面に接着固定する。これによって、図1に示すように、胴部18が形成され、上下に位置する夫々の内フラップ7,8,9,10と外フラップ11,12,13,14と(図1及び図2参照)を、折目線d,e,f,g,h,i,j,kに沿って内方に折り曲げて包装箱1を形成する。接着片15を第1の側板3の外面に接着する作業は、実際には、図示しない自動機械によって行われる。即ち、第2の側板4と第3の側板5との境界の折目線bを介して折り曲げて、第1の側板3及び第2の側板4を平坦な状態で、第3の側板5及び第4の側板6に重合する。これによって、第1の側板3の側端縁と第4の側板6の側端縁とが一致し、第4の側板6の側端縁から外方に張り出した状態の接着片15に接着剤を塗布した後に、該接着片15を折目線mに沿って第1の側板3の外面に折り返して接着する。このように、先ず、包装箱1は自動機械によって偏平な状態で形成される。包装箱1は、未使用時には偏平な状態で保管や輸送が行われる。
【0021】
そして、包装箱1に物品を収納する際には、第1の側板3と第2の側板4との境界の折目線aと、第3の側板5と第4の側板6との境界の折目線cとを折り曲げつつ、隣合う各側板3,4,5,6同士が互いに直角になるように筒状に形成して胴部18を形成する。次いで、第1の側板3及び第3の側板5の夫々の下端縁に連設された内フラップ8,10をその先端が対向する方向に折目線e,gを介して水平に折り曲げ、第2の側板4及び第4の側板6の夫々の下端縁に連設された外フラップ12,14をその先端が当接する方向に折目線i,kを介して水平に折り曲げて外フラップ12,14を内フラップ8,10に重合する。これによって胴部18の下方が閉塞されて底部が形成される。そして、胴部18の上方から図示しない物品を入れる。このとき、各側板3,4,5,6の上端縁に連設された内フラップ7,9と外フラップ11,13とが邪魔になる場合には、折目線d,h,f,jが内方外方の何れの方向にも折り曲げ自在となっているので、内フラップ7,9と外フラップ11,13とを胴部18の外方に折り返して胴部18の上方を開放する。該胴部18は、図1に示すように、接着片15が第1の側板3の外側に接着されて外グルーと言われる形状に形成されているので、第1の側板3の内側面は平坦に形成されており、バター等の直方体或いは立法体に形成された物品を収納する場合に特に好適とされている。
【0022】
次いで、図1に示すように、第1の側板3及び第3の側板5の夫々の上端縁に連設された内フラップ7,9をその先端が対向する方向に折目線d,fを介して水平に折り曲げ、第2の側板4及び第4の側板6の夫々の上端縁に連設された外フラップ11,13をその先端が当接する方向に折目線h,jを介して水平に折り曲げて外フラップ11,13を内フラップ7,9に重合する。これによって包装箱1は閉塞状態となる。
【0023】
このとき、図3(a)及び(b)に示すように、第1の側板3と該第1の側板3の上端縁に連設された内フラップ7との境界に設けられた突起16は、第4の側板6と該第4の側板6の上端縁に連設された外フラップ13との境界に向かって突出状態にある。また、第1の側板3と該第1の側板3の下端縁に連設された内フラップ8との境界に設けられた突起17においても、第4の側板6と該第4の側板6の下端縁に連設された外フラップ14との境界に向かって突出状態にある。これによって、第4の側板6と第1の側板3との角部の上下端部に形成された上下の穴19,20が、各突起16,17によって確実に覆い塞がれる。そしてまた、前述した自動機械による接着片15の第1の側板3への接着のときに、不用意に接着片15が第1の側板3の接着されるべき位置から上下の何れかにずれた場合には、ずれた方向と逆方向の前記角部の一端部(例えば、接着片15が第1の側板3の接着位置より下方にずれた場合には前記角部の上端部)に比較的広く形成されてしまった穴19或いは20も何れか一方の突起16或いは17によって覆われるので穴19或いは20の径は比較的小さくなる。なお、接着片15がずれた方向と同方向の前記角部の他端部は、形成される穴20或いは19の径は比較的小さくなり、しかも、突起17或いは16によって覆われるので、閉塞状態は更に向上する。このように、前記突起16,17が、第4の側板6と第1の側板3との角部の上下端部に形成された上下の穴19,20を覆い塞いで穴19,20からの塵や埃の侵入を確実に防止することができる。
【0024】
次に、本考案の第2の実施例について説明する。本実施例の包装箱においては、前記第1の実施例と同様に、図4に示すAフルートダンボール板紙(板厚4mm)21を組み立てることによって形成される。また、板紙21は、第1の側板3、第2の側板4、第3の側板5、第4の側板6が夫々折目線a,b,cを介して一方向に連なり、第1の側板3と第3の側板との夫々の上下端縁に沿って折目線d,e,f,gを介して内フラップ7,8,9,10が、第2の側板4と第4の側板との夫々の上下端縁に沿って折目線h,i,j,kを介して外フラップ11,12,13,14が、夫々連設されている。各側板3,4,5,6の上端縁の折目線d,f及び折目線h,jは同一の直線状に位置して形成されている。各折目線d,h,f,jは3mmの幅寸法で延設されており、各フラップ7,9,11,13が内外何れの方向にも折り曲げ自在となっている。それに対して、各側板3,4,5,6の下端縁の折目線e,gと折目線i,kとは同一の直線上にはなく、第2の側板4及び第4の側板6の下端縁に沿った各外フラップ12,14の折目線i,kが、第1の側板3及び第3の側板5の下端縁に沿った各内フラップ8,10の折目線12,14よりも3mm下方位置に設けられている。このように、内フラップ8,10の折目線e,gと外フラップ12,14の折目線i,kとの位置に高低差を設けることにより、内フラップ8,10の外側に外フラップ12,14が重合されたとき、内フラップ8,10の肉厚の寸法を存して外フラップ12,14が折り曲げられ、外フラップ12,14の折り曲げ作業が容易となると共に、精度の高い折り曲げ状態となる。
【0025】
また、互いに隣合う内フラップ7,8,9,10と外フラップ11,12,13,14との間には夫々7mmの間隔が形成されている。
【0026】
第1の実施例と同様に、第4の側板6の右側縁には接着片15が連設されている。該接着片15の下端は、第4の側板6の下端縁(折目線k)から3mmの間隔を存して上方に位置しており、この位置は、前記各内フラップ8,10の折目線e,gの位置に対応している。
【0027】
第1の側板3と、第1の側板3の下端に連設された内フラップ8との境界には突起17が設けられている。突起17は、外方への突出寸法が3mm、上下方向の幅寸法が8mmに形成されている。
【0028】
そして、本実施例の包装箱は図示しないが図1を参照して、前記第1の実施例と同様にして板紙21が組み立てられて包装箱として使用可能な状態となる。このような包装箱においては、接着片15が第1の側板の所定位置に接着されても、第4の側板6と第1の側板3との角部の下端部に前記折目線e,gと折目線i,kとの高低差に対応する3mmの段差が発生し、これによって前記角部の下端部に比較的おおきな穴が形成される。しかし、第1の側板3と該第1の側板3の下端縁に連設された内フラップ8との境界に設けられた突起17が、第4の側板6と該第4の側板6の下端縁に連設された外フラップ14との境界に向かって突出状態にあるので穴は該突起17によって確実に覆われる。また、接着片15を前述したように自動機械によって接着する際に誤差が生じ、接着片15が第1の側板3の所定位置より上方にずれた場合には、第4の側板6と第1の側板3との角部の下端部の穴が比較的大きく形成されるが、この場合にも突起17が該穴を確実に覆って穴の径を比較的小とすることができる。
【0029】
第3の実施例は、図5に展開状態の板紙22を示すように、前記第2の実施例の板紙21において第1の側板3と第1の側板3の上端に連設された内フラップ7との境界に突起16を設けたものである。該突起16は、外方への突出寸法が3mm、上下方向の幅寸法が8mmに形成されている。なお、該突起16以外の部分の構成は第2の実施例の板紙21と同一であるので詳しい説明は省略する。
【0030】
本実施例においても、前述したように第4の側板6と第1の側板3との角部の下端部については、図示しないが、折目線e,g,i,kの高低差から穴が比較的大きく形成されるが、この穴は第1の側板3と該第1の側板3の下端縁に連設された内フラップ8との境界に設けられた突起17が確実に覆う。そして特に、接着片が第1の側板3の接着されるべき位置より下方にずれたときには、第4の側板6と第1の側板3との角部の下端部の穴は比較的小さく形成されるうえ突起17が確実に覆い塞いで塵や埃の侵入を阻止する。一方、このとき、第4の側板6と第1の側板3との角部の上端部の穴は比較的大きく形成されてしまう。しかし、第1の側板3と該第1の側板3の上端縁に連設された内フラップ7との境界には突起16が設けられているので、第4の側板6と該第4の側板6の上端縁に連設された外フラップ13との境界に向かって該突起16が突出して該穴は覆い塞がれるので該穴からの塵や埃の侵入は確実に阻止される。
【0031】
【考案の効果】
以上のことから明らかなように、本考案は、第4の側板に連設された接着片が第1の側板の外側に接着されて胴部が形成された包装箱において、各内フラップ及び各外フラップによって胴部が閉塞されたとき、第1の側板と第4の側板とによって形成される角部の上下端部に穴が形成されても、第1の側板と該第1の側板の上端縁に連設された内フラップとの境界と、第1の側板と該第1の側板の下端縁に連設された内フラップとの境界とに設けられた夫々の突起が穴を覆い塞ぐので、該穴からの埃や異物の侵入を防止することができる。
【0032】
また、接着片が第1の側板の所定位置から上下の何れかにずれて接着されたことによって、ずれた方向と逆方向の前記角部の一端部に比較的大きな穴が形成されても、前記突起によって穴を覆って埃や異物の侵入を阻止することができる。
【0033】
また、前記第2及び第4の側板の下端縁に沿った各外フラップの折目線が、前記第1及び第3の側板の下端縁に沿った各内フラップの折目線よりも、各内フラップの肉厚寸法に対応して下方位置に設けられているために、第4の側板と第1の側板との角部の下端部に穴が形成されても、該穴は前記突起に覆い塞がれるので、埃や異物の侵入を防止することができる。
【0034】
従って、本考案によれば、第4の側板と第1の側板とによって形成される角部の上下端部からの埃や異物の侵入を防止して確実に閉塞状態とすることができる包装箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例を示す斜視図。
【図2】第1の実施例の包装箱の展開図。
【図3】第1の実施例の包装箱の要部の側面図。
【図4】本考案の第2の実施例の包装箱の展開図。
【図5】本考案の第3の実施例の包装箱の展開図。
【図6】従来の包装箱の斜視図。
【図7】従来の包装箱の展開図。
【図8】従来の包装箱の一部の拡大図。
【符号の説明】
1…包装箱、3…第1の側板、4…第2の側板、5…第3の側板、6…第4の側板、7,8,9,10…内フラップ、11,12,13,14…外フラップ、15…接着片、16,17…突起、18…胴部。

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】ダンボール板紙によって形成され、一方向に連なる四枚の矩形状の第1乃至第4の側板を、各側板の境界に沿って設けられた折目線を介して互いに直角に折り曲げ、第4の側板の一側縁に折目線を介して連設された接着片を第1の側板の外側面に接着して四角筒状の胴部を形成し、前記第1及び第3の側板の夫々の上下端縁に沿って折目線を介して連設された一対の各内フラップを、夫々折目線に沿って内方に水平に折り曲げ、前記第2及び第4の側板の夫々の上下端縁に沿って折目線を介して連設された一対の各外フラップを、夫々折目線に沿って各内フラップの外方に重合して水平に折り曲げて前記胴部を閉塞する段ボール製の包装箱において、前記第1の側板と該第1の側板の上端縁に連設された内フラップとの境界に、前記第4の側板と該第4の側板の上端縁に連設された外フラップとの境界に向かって突出する突起を設け、前記第1の側板と該第1の側板の下端縁に連設された内フラップとの境界に、前記第4の側板と該第4の側板の下端縁に連設された外フラップとの境界に向かって突出する突起を設けたことを特徴とする包装箱。
【請求項2】ダンボール板紙によって形成され、一方向に連なる四枚の矩形状の第1乃至第4の側板を、各側板の境界に沿って設けられた折目線を介して互いに直角に折り曲げ、第4の側板の一側縁に折目線を介して連設された接着片を第1の側板の外側面に接着して四角筒状の胴部を形成し、前記第1及び第3の側板の夫々の上下端縁に沿って折目線を介して連設された一対の各内フラップを、夫々折目線に沿って内方に水平に折り曲げ、前記第2及び第4の側板の夫々の上下端縁に沿って折目線を介して連設された一対の各外フラップを、夫々折目線に沿って各内フラップの外方に重合して水平に折り曲げて前記胴部を閉塞する段ボール製の包装箱において、少なくとも、前記第2及び第4の側板の下端縁に沿った各外フラップの折目線を、前記第1及び第3の側板の下端縁に沿った各内フラップの折目線よりも、各内フラップの肉厚寸法に対応して下方位置に設け、前記第1の側板と該第1の側板の下端縁に連設された内フラップとの境界に、前記第4の側板と該第4の側板の下端縁に連設された外フラップとの境界に向かって突出する突起を設けたことを特徴とする包装箱。
【請求項3】前記第2及び第4の側板の上端縁に沿った各外フラップの折目線と、前記第1及び第3の側板の上端縁に沿った各内フラップの折目線とを直線状に設け、前記第1の側板と該第1の側板の上端縁に連設された内フラップとの境界に、前記第4の側板と該第4の側板の上端縁に連設された外フラップとの境界に向かって突出する突起を設けたことを特徴とする請求項2記載の包装箱。

【図2】
image rotate


【図1】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【登録番号】第3010278号
【登録日】平成7年(1995)2月15日
【発行日】平成7年(1995)4月25日
【考案の名称】包装箱
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−12783
【出願日】平成6年(1994)10月18日
【出願人】(390022895)株式会社トーモク (45)