説明

包装米飯の製造方法

【課題】極めて短時間での包装米飯の炊飯方法において、炊飯時に容器内の内容物が周囲に飛散することがない製造方法を提供することを技術的課題とする。
【解決手段】所定量の米を、上方が開口した容器に投入する米供給工程と、所定量の炊飯水を前記容器に充填する加水工程と、加圧された状態のチャンバー内で加圧蒸気及びマイクロ波の照射による二つの熱源を同時に使用して前記米を炊飯する炊飯工程と、前記炊飯工程後に補充炊飯水を投入する給水工程と、前記給水工程後に容器を密封包装する工程と、を含む包装米飯の製造方法であって、前記炊飯工程の前工程に、前記容器内の米粒の層に溝を形成する溝形成工程を設けたことを特徴とし、また、前記チャンバー内に加圧蒸気を投入する前に、加圧空気を投入することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浸漬工程も含め、極めて短時間で製造可能な包装米飯の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、一人前ずつ包装された加工米飯を電子レンジで数分間加熱するか、熱湯中で十数分間加熱するだけでご飯ができあがる加工米飯が登場している。これは包装米飯(無菌パック米飯)と称される商品で、独身者や共働きの家庭に普及してきている。
【0003】
従来、この種の包装米飯は以下のように製造されている。すなわち、耐熱性の合成樹脂性容器に一人前の米と水とを充填し、前記米をマイクロ波や蒸気による熱によって炊飯し、炊飯後、容器内のガス置換を行って密封し、商品とする。
【0004】
このようにして製造された包装米飯は、容器が密封された状態で流通されるので微生物汚染が防止され、また、ガス置換を行っているため脱酸素剤が不要となるといったメリットがある。
【0005】
上記包装米飯の製造方法のうち、短時間で製造することを目的としたものがある(特許文献1参照)。このものは、米及び炊飯水を容器に充填し、その容器を、加圧した雰囲気中でマイクロ波の照射により100℃を超える温度まで加熱し、加熱後、大気圧まで減圧させる間に前記容器内の炊飯水を激しく沸騰(突沸)させてムラなく炊飯するといった、包装米飯の製造方法である。
【0006】
しかし、特許文献1に記載の包装米飯の製造方法では、短時間で炊飯を行うことが可能であるが、前記減圧時の炊飯水の突沸現象により、容器内の内容物が周囲に飛散してしまい、特に、おねば等の粘着力の強いものが容器のフランジ部分に付着し、密封のためのフィルムのシール時に、前記付着物を取り除く必要が生じた。また、炊飯時に容器のフランジ部分に生じる結露水も取り除く必要がある。
【0007】
このため、浸漬時間も含めて極めて短時間で炊飯を行うことが可能な包装米飯の製造方法において、炊飯時に容器のフランジ部分におねば等の汚れや結露水が付着することのない製造方法が強く望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−295834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記問題点にかんがみ、極めて短時間での包装米飯の炊飯方法において、炊飯時に容器内の内容物が周囲に飛散することがない製造方法を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記問題を解決するために、所定量の米を、上方が開口した容器に投入する米供給工程と、所定量の炊飯水を前記容器に充填する加水工程と、加圧された状態のチャンバー内で、加圧蒸気及びマイクロ波の照射による二つの熱源を同時に使用して前記米を炊飯する炊飯工程と、前記炊飯工程後に補充炊飯水を投入する給水工程と、前記給水工程後に容器を密封包装する工程と、を含む包装米飯の製造方法において、前記炊飯工程の前工程に、前記容器内の米粒の層に溝を形成する溝形成工程を設ける、という技術的手段を講じた。
【0011】
また、所定量の米を、上方が開口した容器に投入する米供給工程と、所定量の炊飯水を前記容器に充填する加水工程と、加圧された状態のチャンバー内で、加圧蒸気及びマイクロ波の照射による二つの熱源を同時に使用して前記米を炊飯する炊飯工程と、前記炊飯工程後に補充炊飯水を投入する給水工程と、前記給水工程後に容器を密封包装する工程と、を含む包装米飯の製造方法において、前記炊飯器工程で前記チャンバー内に加圧蒸気を投入する前に、加圧空気を投入する、という技術的手段を講じた。
【0012】
さらに、前記溝形成工程において、前記容器の上方から挿入棒を挿入し、該挿入棒を前記容器に対して相対的に移動させることで前記溝を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の炊飯方法では、炊飯時に発生する蒸気の逃げ道となる溝を米粒の層に形成するので、その溝が前記蒸気の通り道となり、炊飯時に容器内の米粒やおねばが容器外に飛び散ることを防ぐことができる。このため、容器のフランジ部分におねば等の汚れが付着することがない。
【0014】
また、本発明の包装米飯の製造方法は、マイクロ波及び加圧蒸気のよる二つの熱源を同時に使用するにあたり、加圧蒸気の投入前に加圧空気を投入してチャンバー内を加圧するので、前記チャンバー内を昇圧するために必要な加圧蒸気の量を減少させることができ、前記チャンバー内に発生する結露水の量を減少させることができる。このため、炊飯時に結露水が容器のフランジ部分に付着するのを防ぐ効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の包装米飯の製造装置に係る概略平面図である。
【図2】同製造装置における容器自動供給部、紫外線殺菌部、米計量充填部、溝形成部、加圧炊飯部及び撹拌部等の構造を示す概略図である。
【図3】加圧炊飯部を構成する加圧加熱装置9の概略断面図である。
【図4】容器開口部の密封シールを行う密封包装部の構造を示す概略図である。
【図5】加熱加圧殺菌部(レトルト殺菌)の構成を示した側断面図である。
【図6】炊飯工程を説明するためのフローチャートである。
【図7】炊飯工程における加圧条件、マイクロ波照射条件及びトレー内温度の関係を示した加熱条件の制御グラフである。
【図8】容器内に充填した炊飯水の液面を示した図である。
【図9】溝形成部の概略図である。
【図10】容器内の米粒の層に溝が形成された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の包装米飯の製造装置に係る概略平面図であり、図2は同製造装置における容器自動供給部、紫外線殺菌部、米計量充填部、溝形成部、加圧炊飯部及び撹拌部等の構造を示す概略図であり、図3は前記加圧炊飯部に用いる加圧加熱装置の構造を示すための概略断面図であり、図4は同一チャンバー内で真空冷却、ガス置換及び容器開口部の密封シールを行う密封包装部の構造を示す概略図である。
【0017】
図1及び図2において、符号1は本発明に係る包装米飯の製造装置であり、符号2は容器自動供給部である。容器自動供給部2は、耐熱性の合成樹脂性容器(容器)2cを多数積み重ねるとともに、複数列(例えば、4列)で待機させておく容器貯留部2aと、該容器貯留部2a下部から各列の容器を1枚ずつ自動で取り出す容器供給部2bとからなり、容器2cは横4列で連続的にコンベア装置3に供給される。
【0018】
コンベア装置3は、一対のスプロケット3a,3b及び補助スプロケット3c,3dにチェーン3eが巻回されており、該チェーン3eに、容器受けパレット3f…が間隙をおいて多数取り付けられている。該容器受けパレット3f…は、1枚のパレット3fに横4列、縦1列で4個の容器2c…が収容可能であり、複数個の容器2c…を整列させながら順次搬送させる構成になっている。
【0019】
容器受けパレット3fには、容器2cの下部を嵌め込むための孔が形成されており、容器2cは、前記孔に嵌め込まれた状態で容器受けパレット3fに収容される構造となっている。なお、パレットに収容される容器の個数は、4個に限定されるわけではなく、包装米飯の製造規模や条件によって、適宜増減させればよい。
【0020】
容器自動供給部2の次の工程には、紫外線殺菌部4が設けられ、容器内を紫外線によって殺菌する。なお、この工程の前又は後に異物吸引装置等を用いて容器2c内の塵埃や異物を吸引除去することが望ましい。
【0021】
紫外線殺菌部4の次の工程には、米計量充填部5が設けられ、容器2cに所定量、例えば一人前の米が充填される(米供給工程)。米計量充填部5には、高速で計量・排出が可能な公知の組み合わせ計量機を採用すればよい。図2に示すように、原料である洗米済みの米は、中央上部のホッパ5aに投入され、中央の円錐フィーダ5bにより側部に設けられた中間ホッパ5cに供給される。中間ホッパ5cでは所定量の原料を貯留した後、複数の計量ホッパ5dに排出される。そして、目標の重量値となすべく複数の計量ホッパ5dの計量値が組み合わされ、組み合わせに合致した原料が集合シュート5e、排出バルブ5f、ホッパ5gを経て各容器2cに供給されることになる。
【0022】
なお、原料の米は、容器2cの底部に層厚が一様になるように投入するとよい。この様にすることで、マイクロ波を用いた加熱による加熱ムラを防ぐことができる。
【0023】
米計量充填部5に供給する原料としては、市販されている無洗米が好ましいが、精白米、胚芽残存率の高い胚芽米、分搗き米及び玄米でもよい。精白米、胚芽米、分搗き米など洗米が必要なものは、あらかじめ所定の水分まで脱水又は乾燥し、米計量充填部5に滞留しないよう調製しておく必要がある。
【0024】
米計量充填部5の次の工程には、1次加水部6が設けられ、該1次加水部6のノズル6aから容器2cに炊飯水が充填される。充填する炊飯水の量は、容器2c内の米を炊飯するために必要な従来の量の半分以下、1/7〜1/10程度でよい。これは本発明が、容器を開口したまま炊飯し、熱源の一つである加圧蒸気の含有する水分を炊飯水に利用するからである。また、充填する炊飯水の量を必要最低限まで削減することで、加熱エネルギーを最小限にして加熱効率(生産効率)を向上させることができる。
【0025】
なお、1次加水部6での1次加水工程における炊飯水の充填量は、従来に比べ1/10程度まで削減できるが、製造する包装米飯が目的とする米飯の硬さ等により適宜決定すればよい。
【0026】
また、後述の炊飯工程での熱効率を考慮して、炊飯水に温水を使用することが望ましく、50℃以上、より望ましくは60℃〜80℃程度の炊飯水を使用すればよい。常温の炊飯水を使用することも可能であるが、前記炊飯工程での加熱時間が長くなってしまう。このため、本発明では別途加温装置(図示しない)を設け、炊飯水を所定の温度まで加熱してから容器2cに該炊飯水を投入している。
【0027】
1次加水部6の次の工程には、溝形成部12が設けられている。該溝形成部12では容器2cに投入され積層している米粒の層に溝を形成する。
【0028】
ここで、溝形成部12について図9を用いて説明する。図9は、溝形成部12の概略図であって、符号55は下端部分を容器内に差し込む挿入棒である。挿入棒55は横フレーム57に接続されており、図示していない駆動手段によって横フレーム57に沿って容器2cの搬送方向に対して前後方向へ相対的に移動可能に構成されている。また、横フレーム57は縦フレーム56に接続されており、図示していない駆動手段によって縦フレーム56に沿って上下方向に移動可能に構成されている。つまり、挿入棒55は下側の先端を容器2c内に出し入れ可能であって、前記先端が容器2c内に挿入されている状態で、容器2c内を前後方向に移動可能な構成となっている。なお、前後方向ではなく左右方向に移動させてもよく、さらに、容器2cを挿入棒55に対して前後方向又は左右方向に移動可能に構成しても良い。
【0029】
溝形成部12の次の工程には、加圧炊飯部25が設けられ、該加圧炊飯部25で、マイクロ波及び加圧蒸気の2つの熱源によって容器2c内の米の炊飯が行われる。
【0030】
ここで、加圧炊飯部25を構成する加圧加熱装置9について図3を用いて説明する。図3は、加圧加熱装置9の概略断面図である。符号30は油圧シリンダであって、該油圧シリンダ30の昇降動作によりベース板31が支柱32に沿って昇降する。ベース板31の上面には複数の支持体34が立設しており、該支持体34により下チャンバー35が支持されている。符号36はマイクロ波発振装置であって、導波管37により上チャンバー38に接続されている。下チャンバー35は、油圧シリンダ30の昇降動作により上方に押し上げられる構造になっており、押し上げられた時に、下チャンバー35の上方に位置する容器受けパレット3fを挟み込む状態で、上チャンバー38に押し付けられる。上チャンバー38及び下チャンバー35には、それぞれ容器2cを収容できる大きさの窪みが設けられており、該窪みにより、下チャンバー35が押し上げられた時に、密封された空間であるチャンバー40が形成される。本実施例においては、1枚の容器受けパレット3fに、横4列に4個の容器2cが収容されていることから、チャンバー40も横4列に4個同時に形成される。なお、図3は、チャンバー40が形成された状態を示している。
【0031】
チャンバー40には、上方に導波管37が接続されており、マイクロ波発振装置36で発振されたマイクロ波が導波管37を経て照射される。なお、本実施例においては、一つのチャンバー40に対して、二つのマイクロ波発振装置36から3kWの出力のマイクロ波(周波数:2.5GHz、波長:12cm)がそれぞれ照射される構造としている。
【0032】
なお、マイクロ波発振装置36の出力は3kWに限定されるものではなく、無菌包装米飯の製造条件により適切な出力に変更すればよい。また、上チャンバー38には、照射されたマイクロ波が外部に漏れないようにするためにチョーク39が設けられている。
【0033】
チャンバー40内には、送管42から加圧蒸気又は加圧空気が投入される構造となっている。該送管42は切換弁60に接続されており、切換弁60には、送管61及び62が接続されている。
【0034】
送管62には、別途設けられた空気圧縮機(エアーコンプレッサ)が接続されており、該空気圧縮機で発生させた加圧空気は、減圧弁63、電磁弁64、圧力計65及び切換弁60を経てチャンバー40内に送られる。また、チャンバー40内に投入する加圧空気の圧力は、目標とするチャンバー40内の内圧よりも若干高めに設定してやればよい。
【0035】
送管61には、別途設けられた蒸気発生装置(ボイラー)及び蒸気クリーン装置(図示していない)が接続されており、該蒸気発生装置で発生させた加圧蒸気は、蒸気クリーン装置を通してから、減圧弁43、電磁弁44、圧力計45及び切換弁60を経てチャンバー40内に送られる。
【0036】
本発明では、加圧蒸気を直接、食品である米に接触させるので、蒸気クリーン装置を設けている。また、チャンバー40内に投入する加圧蒸気の圧力は、目標とするチャンバー40内の内圧よりも若干高めに設定してやればよい。
【0037】
なお、チャンバー40と導波管37との接続部には、遮蔽板が配設されている(図示していない)。この遮蔽板は、当然、マイクロ波は透過するが、蒸気や加圧空気は漏れないものを用いている。
【0038】
また、容器受けパレット3fを挟み込む状態で下チャンバー35を上チャンバー38に押し付けることで形成されるチャンバー40内から加圧蒸気及び加圧空気が漏れるのを防ぐために、パッキン41が設けられている。このパッキン41によってチャンバー40の気密性が維持される。
【0039】
チャンバー40内の気圧を下げる場合、送管46からチャンバー40内の加圧蒸気を排出する。送管46は、別途設けられた電磁弁47、スピードコントローラ48及び電磁弁49に接続されており、これら電磁弁47、スピードコントローラ48及び電磁弁49を制御することによりチャンバー40内の圧力を所定の速度で降圧することができる。また、下チャンバー35は油圧シリンダ30の昇降運動により上下方向に動くため、送管46はフレキシブルなものを用いている。
【0040】
加圧炊飯部25の次の工程には、具材供給部27(具材供給工程)を配設する(図1及び図2参照)。該具材供給部27は、図2に示すように、各容器2c内に各種具材を計量供給するために、具材タンク27aから任意量の具材が計量供給可能に構成してある。
【0041】
具材供給工程で具材が供給された容器2cは、2次加水部10に送られる(図1及び図2参照)。2次加水部10では、具材を米飯と撹拌にするために必要となる撹拌水がノズル10aから充填される(2次加水工程)。前記撹拌水を多く充填した方が撹拌を行いやすいが、その反面、撹拌時に容器内の内容物が周囲に飛散しやすくなるため、撹拌の容易性と飛散防止とを考慮した撹拌水の充填量とする。
【0042】
また、製造する包装米飯の食味を考慮し、温度が50℃〜60℃の撹拌水を使用することが望ましい。このため、本発明では、別途加温装置を設け(図示していない)、撹拌水を所定の温度まで加熱してから容器2cに該撹拌水を投入している。当然、常温の撹拌水を使用することもできる。なお、前記撹拌水は水に限定されず、調味液又は調味液と水との混合液を使用してもよい。
【0043】
本実施例では、具材を供給する具材供給工程の次に撹拌水を充填する2次加水工程を設けているが、具材供給工程と2次加水工程とは順番を入れ替えても何ら問題はない。
【0044】
撹拌水投入後、容器2cは撹拌部26に送られ、撹拌部26にて容器2c内の米飯と具材とが撹拌される。なお、ここでの撹拌は機械を使用してもよいし、手作業により撹拌してもよい。
【0045】
撹拌工程後、次の3次加水部11にて、各容器2cに仕上げ炊飯用及び炊飯調整用(米飯の硬さ調整用)の炊飯水を補充するために、所定量の補充炊飯水をノズル11aから容器2cに供給可能に構成されている。
【0046】
3次加水部11の次の工程には、密封包装部7が設けられている。なお、3次加水部11の容器排出側と密封包装部7との間には、容器移送装置8、横送りコンベア13及び押し込み手段29が配設されており、3次加水部11から排出された各容器2c(仮製品)が密封包装部7まで移送されるようにしてある。前記押し込み手段29は、移送されてきた容器2cを密封包装部7に押し出し供給するためのものである(図1参照)。
【0047】
容器移送装置8は、複数個のローラに巻回されたコンベアベルトと、エアシリンダにより水平方向に往復動可能な押し込み機構と、該押し込み機構に取り付けられた押し込み部材とから構成され、横4列で搬送された容器2c…を横送りコンベア13に移送する役目をする。
【0048】
なお、図1においては、製造装置1を「コ」の字状に配置するために横送りコンベア13を設けているが、設置面積が大きく、折り返し不要の場合は横送りコンベア13を省略することができる。
【0049】
横送りコンベア13により搬送された容器2cは、押し込み装置29によって、製品供給装置15に送られ、製品整列装置16によって、横4列、縦1列でパレットに整列して収容される。
【0050】
密封包装部7は、チャンバー24内において、容器2cに対してガス置換して上方開口部を密閉シール処理するものである。密封包装部7は、コンベア装置18を備え、該コンベア装置18の上流側から、放射温度計19、チャンバー24が順次配設され、チャンバー24内には、線シール部20、ローレットシール部21及び容器フランジ冷却部22が順次配設されている。
【0051】
前記コンベア装置18は、一対のスプロケット18a,18bにチェーン18cが巻回されており、該チェーン18cには、容器受けパレット18d…が間隙をおいて多数取り付けられている。前記各容器受けパレット18d…には、容器2cを四つ横4列、縦1列状態に並設するための保持穴(図示せず)が四つ並設されている。
【0052】
前記放射温度計19は、容器2c内の温度を検知するように構成してある。前記チャンバー24については、前記容器2cを供給し、当該チャンバー24内を窒素ガスや炭酸ガス等で充満させることで、容器2c内のガス置換をするとともに、容器2cの上方開口部を密閉シール包装できるように構成してある。
【0053】
前記ローレットシール部21は、前記線シール部20で密閉シール包装された容器2cのシール面の捲れ防止のために、当該容器2cのシール面の周縁部をローレットシールするためのものである。さらに、前記容器フランジ冷却部22は、ローレットシールした前記容器2cのシール面の周縁部を冷却するためのものである。
【0054】
なお、上記製造フローにおいては、各容器2cは内部に米が入った状態で上方が開放状態となる区間があり、このままの状態では雑菌などの異物が混入するおそれがあるので、雑菌等の異物混入を防止するために、密封包装部7にて密封包装が行われるまでの各工程をクリーンブース10内にて行うことが望ましい。
【0055】
前記密封包装部7の次の工程には、加熱加圧殺菌部23が配設されている(図1及び図5参照)。該加熱加圧殺菌部23は、前工程で上方開口部が密閉シールされた容器2cを加熱加圧殺菌部23に入れて殺菌処理する工程である。
【0056】
該加熱加圧殺菌部23は公知の装置(レトルト殺菌装置)を用いればよい。例えば、(株)日阪製作所製の高温高圧調理殺菌装置(商品名:フレーバーエース)を用いることができる。加熱加圧殺菌部23は、図5に示すように、開閉扉23aを有し室内を密閉状態にできる処理槽23bを備える。そして、該処理槽23bには、加圧空気を密閉室内に供給する加圧空気供給管23cが接続されるほか、密閉室内の加圧空気を排気する排気管23d、温水タンク23gから密閉室内に熱水を供給する熱水供給管23e及び密閉室内で使用後の熱水を排出する配水管23fがそれぞれ接続されたものとなっている。
【0057】
前記処理槽23bで殺菌処理をする場合には、複数の前記容器2cを並べた整列皿を多段にしてこれを処理槽23bに入れた後、後述する加熱加圧条件で制御運転する。上記は熱水中に容器2cを浸漬する熱水加熱式のものであるが、このほか、加熱蒸気を室内に充満せて加熱させる蒸気加熱式のものを使用してもよい。
【0058】
以下、上記のような包装米飯の製造装置1を用いて包装米飯を製造する方法について説明する。
【0059】
図1及び図2に示すように、容器自動供給部2から容器2cが取り出されて容器受けパレット3f…に供給され、容器2cは横4列、縦1列で整列されて順次搬送される。
【0060】
そして、紫外線殺菌部4により容器2cが殺菌された後、米計量充填部5に至る。なお、この工程の前後において、異物吸引装置等によって容器2c内の異物を除去するようにしてもよい。
【0061】
米計量充填部5においては、容器2c内にあらかじめ減菌された所定量の米が順次計量・充填される。包装米飯(パック米飯)は個食用(一人用)の製造が主であり、充填する米の量は、65グラム〜100グラム程度である。本実施例では約74gの米を充填した。
【0062】
次いで、容器2c内には、1次加水部6で、あらかじめ殺菌された約70℃の炊飯水(温水)が各容器2cの中に順次計量・充填される。本実施例では約7.4g(cc)の炊飯水を充填した。
【0063】
炊飯水が充填された容器2cは、溝形成部12に送られる。溝形成部12では、容器2c内に投入された米粒の層に溝を形成する溝形成工程が行われる。
【0064】
前記溝形成工程について、図10を用いて説明する。図10は、溝形成部12にて容器2c内の米粒の層に溝58,59が形成された状態を示している。溝形成部12に米粒及び炊飯水が投入された容器2cが送られてくると、挿入棒55が縦フレーム56に沿って下降し、挿入棒55の下側の先端66が容器2c内の米粒層に挿入される。その際、先端66が容器2cの底面に接近することが望ましい。ただし、先端66が容器2cの底面に接するのは好ましくない。挿入棒55が容器2c内の米粒層に挿入されると、挿入棒55は横フレーム57に沿って容器2cの搬送方向に対して前方向、後ろ方向又は前後方向のいずれかに方向に移動する。その際、挿入棒55の先端66が容器2c内の米粒層に挿入されている状態であるので、前記移動により前記米粒層に溝が形成される。
【0065】
なお、挿入棒55が米粒層を移動しやすく、そして、米粒が損傷しないように、挿入棒55の断面は丸状とするのが好ましい。また、挿入棒55の径は、1.5mm〜3.0mm程度である。
【0066】
ところで、図9において一本の挿入棒55が示されているが、本実施例では、容器2cの搬送方向に対して垂直に交差する方向に二本の挿入棒55を設置しており、これら二本の挿入棒55の先端66が同時に容器2c内の米粒層に挿入されることになる。よって、容器2c内の米粒の層に二つの溝が形成されることになる。なお、挿入棒55の数は二本に限定されるわけではなく、製造方法に合わせて適宜変更すればよい。
【0067】
溝形成工程にて米粒の層に溝が設けられた容器2cは、加圧炊飯部25に送られる。加圧炊飯部25では、極めて短時間で容器2c内に充填された米に前記炊飯水を吸水させることを含む炊飯工程が行われる。
【0068】
この炊飯工程について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、前記炊飯工程を説明するためのフローチャートであり、図7は、炊飯工程におけるチャンバー40内の内圧及び炊飯水温度の変動を示している。
【0069】
まず、加圧炊飯部25に配設されている加圧加熱装置9に送られてきた容器2cを、下チャンバー35を押し上げることで形成されるチャンバー40内に収容し(ステップS1)、チャンバー40が形成された時点で、減圧弁65により圧力が調整された加圧空気を、電磁弁64を開いて切換弁60を経由してチャンバー40内に送り、チャンバー40内を加圧空気で所定の内圧となるまで加圧する(ステップS2)。投入する加圧空気による前記加圧は、チャンバー40内の内圧が、後工程の加圧蒸気による加圧の半分程度となるまで行う。本実施例では0.15MPaとなるまで行っている。図7に示すように、0.15MPaまで加圧するのに要する時間は、チャンバー40の形成後、約1秒である。
【0070】
前記所定の内圧までチャンバー内の圧力が高まった時点で電磁弁64を閉じて加圧空気の投入を止め、減圧弁43を開くとともに切換弁60を切り換えて、圧力が調整された加圧蒸気を、電磁弁44を開いて送管42によりチャンバー40内に送り、チャンバー40内を加圧蒸気で加圧する(ステップS4)。
【0071】
本発明では、チャンバー内の圧力を、加圧蒸気を投入する前に加圧空気により昇圧させるので、投入する加圧蒸気の量を減少させることができ、この効果により発生する結露水の量を削減させることが可能となる。
【0072】
投入する加圧蒸気による前記加圧は、チャンバー40内の内圧が、0.2〜0.5MPa、好ましくは0.25〜0.4MPa、より好ましくは0.3MPa〜0.38MPa程度になるように行う。本実施例では、チャンバー40内の内圧を0.32MPaまで加圧する。図7に示すように、0.32MPaまで加圧するのに要する時間は約6秒である。
【0073】
チャンバー40内の内圧と、加熱する炊飯水の沸点とには密接な関係があり、前記気圧が高ければ当然沸点も高くなり、前記圧力値が低ければ沸点も低くなる。沸点が高くなりすぎると食味低下の原因となるおそれがあり、沸点が低いと米の浸漬(炊飯水の吸水)が短時間では十分に行えないので、これらを考慮して適切な加圧によるチャンバー40内の内圧を決定する必要がある。
【0074】
また、加圧空気の投入終了後、マイクロ波発振装置36によるマイクロ波の照射を開始する(ステップS3)。したがって、ステップS4とステップS3とは同時に開始されることになる。なお、ステップS4とステップS3とを時間差を設けてそれぞれ開始してもよいが、短時間で炊飯工程を行うためには、同時に開始することが望ましい。
【0075】
マイクロ波の照射による加熱に加え、加圧蒸気による加熱による二つの熱源での同時加熱によって、容器2c内の炊飯水を100℃を超える温度、好ましくは102℃〜140℃、より好ましくは140℃まで加熱する(ステップS5(加熱工程))。チャンバー40内は加圧されているため、炊飯水を100℃を超える温度に加熱することが可能である。本実施例では、チャンバー40内の内圧を0.32MPaまで上げているので、水の沸点も上がり、140℃まで炊飯水の温度が上昇する。そして、この温度を維持した状態で所定の時間、炊飯(加熱)する。
【0076】
前記時間は、容器2cに投入した米の量、炊飯水の沸点又は目的とする炊飯後の米飯の硬さ等の条件により適宜設定されるものである。本実施例では、図7に示すように、前記時間を14秒に設定している。なお、チャンバー40内の内圧が0.32MPaの時のチャンバー40内の蒸気の温度も140℃となる。
【0077】
マイクロ波の照射による所定の時間(本実施例では19秒)の加熱後、マイクロ波の照射を停止するとともに、電磁弁44を閉じ、電磁弁47を開いて、スピードコントローラ48の制御によって、徐々にチャンバー40内の内圧を大気圧まで下げていく(ステップS6(降圧工程))。降圧開始から7秒程度経過した時点で大気圧になるように、チャンバー40内の内圧を下げる(ステップS7)。その際、降圧の途中の時点で電磁弁49を開き、チャンバー40内を確実に大気圧と同レベルまで減圧する。実際には、電磁弁49を開いてからチャンバー40内の圧力が常圧まで低下するのに2秒程度の時間が必要である。
【0078】
チャンバー40内の内圧を常圧(大気圧)まで急激に降圧させると、チャンバー40内の沸点が100℃まで下がるため、容器2c内の炊飯水の沸点も降圧に伴って下がる。このため、マイクロ波の照射停止後であっても、容器2c内の100℃を超える温度まで加熱された炊飯水の沸騰を維持した状態のまま、大気圧までの減圧が可能となる。すなわち、炊飯に必要な熱を効率良く利用することができる。また、容器内の炊飯水の全てを沸騰させるので、沸騰している炊飯水の活発な動きによって容器2c内の米をムラなく均一に炊飯することが可能となる。
【0079】
ところで、本発明では、容器2cに充填する炊飯水の量が少ないことが特徴の一つである。通常、炊飯工程において、図8(a)で示すように炊飯水液面51は、米層よりも上方であり、米は完全に炊飯水に浸かった状態である。しかし、図8(b)に示すように、本発明では、炊飯水の液面52が、米粒層の下方に位置する。このため、炊飯工程で炊飯水が激しく沸騰して蒸発する際に、蒸気が米粒の層を通過する必要があるが、本発明では、炊飯時に米粒の層に溝58,59を形成しているので、これら溝58,59が前記蒸気の通り道となる。したがって、炊飯水より発生した蒸気の沸騰圧によって米粒やおねば等が容器2cの周囲に飛散することを防ぐことができる。
【0080】
本発明の1次加水工程で容器2cに充填される炊飯水の量(重量)は、米供給工程で容器2cに充填する米の量(重量)の半分以下、1/7〜1/10程度でよい。これは本発明が、容器を開口したまま炊飯し、熱源の一つである加圧蒸気の含有する水分を炊飯水に利用するからである。また、充填する炊飯水の量を必要最低限まで削減することで、炊飯工程時に必要な加熱エネルギーを最小限にして加熱効率(生産効率)を向上させることができる。
【0081】
チャンバー40内の内圧が大気圧と同レベルまで降圧された時点で降圧工程は終了する。この時点で、1次加水部6にて充填された炊飯水は全て米粒に吸水されている。このため、加圧加熱装置9から取り出された容器2c内に炊飯水が単体で残留していることはない。判りやすく言い換えれば、容器2cを傾けても炊飯水がこぼれることはない。本発明において、加圧した状態で炊飯工程を行うのは、短時間で原料である米に炊飯水を吸収させるためである。
【0082】
なお、前記炊飯工程に必要な時間は、自由に変更することができるので、米飯の製造条件に合わせて、20秒〜60秒、好ましくは20秒〜40秒の間で適切に変更すればよく、その際、加熱工程及び減圧工程のそれぞれの時間は、適宜変更すればよい。本実施例では、図7に示すように、27秒としている。
【0083】
ところで、本発明では蒸気を使用するので、チャンバー40内に結露水が発生することがある。このため、図示していないが、加圧加熱装置9に結露水を排出するための手段、例えばドレントラップ等を送管46に配設することが望ましい。
【0084】
炊飯工程が終了した容器2cは、コンベア装置3により次の工程である具材供給工程を行う具材供給部27に送られ、適宜、容器2cに具材が供給される。
【0085】
具材供給工程が終了した容器2cは、次の工程である2次加水工程を行うためにコンベア装置3により2次加水部10に送られる。2次加水部10では、あらかじめ減菌された撹拌用の撹拌水が順次計量・充填される。撹拌水が充填された容器2cは、撹拌工程を行う撹拌部26に送られる。
【0086】
撹拌部26では、容器2c内の米飯と前工程で供給された具材との撹拌が行われる。なお、製造する包装米飯が白飯である場合は、具材供給工程、2次加水工程及び撹拌工程を省略することができる。
【0087】
撹拌工程が終了した容器2cは、次の工程である3次加水工程を行うためにコンベア装置3により3次加水部11に送られる。3次加水部では、容器2c内の米飯をレトルト処理するのに必要な量の補充炊飯水が投入される。
【0088】
本実施例では、撹拌工程後に3次加水工程を設けているが、2次加水工程でレトルト処理に必要な量の水を投入することで、3次加水工程を省略することができる。
【0089】
本発明においては、3次加水工程より後の工程を後処理工程としている。この後処理工程には一般的な方法を用いることができる。3次加水工程でレトルト処理に必要な補充炊飯水が供給された容器2cは、容器移送装置8、横送りコンベア13、押し込み装置29、製品供給装置15及び製品整列装置16を経て放射温度計19を通過し、該放射温度計19にて米飯の温度が検知されて製品の温度管理が行われ、この後、次の工程である密封包装部7に搬入される。
【0090】
密封包装部7に送られた容器2cは、容器2cの開口縁(フランジ)が殺菌済フィルム7aでシールされる。このシールを炊飯後に行うのは、炊飯工程でチャンバー40内の内圧を昇圧及び降圧する際に、容器2c内もスムーズに昇圧及び降圧させるためである。
【0091】
密封包装部7では、容器2cのガス置換及び密封包装を行う(図1及び図4)。前記容器2cが密封包装部7のチャンバー24内に搬入されると、まず、チャンバー24の真空発生装置(図示せず)を作動してチャンバー24内を真空状態下まで減圧し、容器2c内の米飯を75℃まで急冷させる。これにより、雑菌の繁殖を抑えるとともに、ガス置換の効率を高めることができる。前記減圧時には、当然、容器2c内の空気も吸い出される。次いで、真空状態下のチャンバー24内に窒素ガスや炭酸ガスを充満させてガス置換が行われる。
【0092】
ガス置換後の容器2cは、チャンバー24内の線シール部20でフランジの全周がシールされる。ローレットシール部21では捲れ防止のローレットシールが容器2cに施され、次いで、容器フランジ冷却部22にて冷却して容器2cの完全な密封包装が完了する。
【0093】
密封包装済みの容器2cは、図1及び図5に示したように、例えば、作業員やロボット等によって整列皿上に複数個並べられる一方、この整列皿は、多段状(例えば8段)に重ねる。次いで、この多段状の整列皿(複数のトレー2c)を1ロットとして、前記加熱加圧殺菌部23(レトルト殺菌装置)の処理槽23b内に、開閉扉23aを開けて例えば3ロット(合計24段)分の複数のトレー2cを供給セットし、開閉扉23aを閉めて処理槽23b内を密閉状態にする(図5参照)。次いで、前記処理槽23b内に加圧空気を供給するとともに熱水を供給し、処理槽23b内の温度を例えば115℃まで上昇させて35分間この状態を保持して加熱加圧殺菌処理を施す。これにより、完全に密封包装された容器2c内の米飯は、完全に殺菌処理されるとともに、前記米飯の芯部等の仕上げ炊飯処理がなされ完全アルファ化(アルファ化度100%)したものとなる(水分は60%〜65%程度)。
【0094】
加熱加圧殺菌部23でレトルト処理が完了した容器2cは、処理槽23bから取り出され、除水作業が行われた後、ピンホールチェック及びウェイトチェック等の検査を行ってから包装梱包し、製品として出荷される。
【0095】
上述した包装米飯の製造方法によれば、炊飯工程は27秒間で行うことができる。前記製造方法で最も時間を必要とする工程(レトルト処理を除く)が炊飯工程であるので、一つの工程に要する時間は27秒ということになる。また、上記各工程に必要な時間は、自由に変更することができるので、包装米飯の製造条件に合わせて、適切に変更すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明の製造方法は、包装米飯だけではなく、加熱方法が同様であれば、それ以外の食品の製造方法にも適用できる。
【符号の説明】
【0097】
1 包装米飯の製造装置
2 容器自動供給部
3 コンベア装置
4 紫外線殺菌部
5 米計量充填部
6 1次加水部
7 密封包装部
8 容器移送装置
9 加圧加熱装置
10 2次加水部
11 3次加水部
12 溝形成部
13 横送りコンベア
15 製品供給装置
16 製品整列装置
18 コンベア装置
19 放射温度計
20 線シール部
21 ローレットシール部
22 容器フランジ冷却部
23 加熱加圧殺菌部
24 チャンバー
25 加圧炊飯部
26 撹拌部
27 具材供給部
29 押し込み装置
30 油圧シリンダ
31 ベース板
32 支柱
33 昇降ガイド
34 支持体
35 下チャンバー
36 マイクロ波発振装置
37 導波管
38 上チャンバー
39 チョーク
40 チャンバー
41 パッキン
42 送管
43 減圧弁
44 電磁弁
45 圧力計
46 送管
47 電磁弁
48 スピードコントローラ
49 電磁弁
51 炊飯水液面
52 炊飯水液面
55 挿入棒
56 縦フレーム
57 横フレーム
60 切換弁
61 送管
62 送管
63 減圧弁
64 電磁弁
65 圧力計
66 先端


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の米を、上方が開口した容器に投入する米供給工程と、
所定量の炊飯水を前記容器に充填する加水工程と、
加圧された状態のチャンバー内で、加圧蒸気及びマイクロ波の照射による二つの熱源を同時に使用して前記米を炊飯する炊飯工程と、
前記炊飯工程後に補充炊飯水を投入する給水工程と、
前記給水工程後に容器を密封包装する工程と、
を含む包装米飯の製造方法であって、
前記炊飯工程の前工程に、前記容器内の米粒の層に溝を形成する溝形成工程を設けたことを特徴とする包装米飯の製造方法。
【請求項2】
所定量の米を、上方が開口した容器に投入する米供給工程と、
所定量の炊飯水を前記容器に充填する加水工程と、
加圧された状態のチャンバー内で、加圧蒸気及びマイクロ波の照射による二つの熱源を同時に使用して前記米を炊飯する炊飯工程と、
前記炊飯工程後に補充炊飯水を投入する給水工程と、
前記給水工程後に容器を密封包装する工程と、
を含む包装米飯の製造方法であって、
前記炊飯器工程において、前記チャンバー内に加圧蒸気を投入する前に、加圧空気を投入することを特徴とする包装米飯の製造方法。
【請求項3】
前記溝形成工程において、前記容器の上方から挿入棒を挿入し、該挿入棒を前記容器に対して相対的に移動させることで前記溝を形成することを特徴とする請求項1に記載の包装米飯の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−42699(P2013−42699A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182453(P2011−182453)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【Fターム(参考)】