説明

包装袋のシール方法、包装袋、包装袋のシール装置、および製袋装置

【課題】 夾雑物が一箇所に集中したり、夾雑物の量が多い場合であってもシール強度を確保できる包装袋のシール方法を提供する。
【解決手段】 内容物が充填された包装袋の開口部をシールするシール方法であって、包装用フィルムに当接する表面に凹凸を有し、且つその凹部が少なくとも前記開口部の周縁部の延在方向Tと交差する方向に連続するように形成されたシール部材を用いて前記開口部の周縁部を熱シールしたのち、前記開口部の周縁部の延在方向Tに沿って、冷却しつつ強いシールを行って、複数の冷却シール部10を形成できるように設けられた冷却シール部材を用いて前記開口部の周縁部を冷却シールする。これにより、前記シール部材の凹部に対応して擬似シール部8が形成されるので、夾雑物7を擬似シール部8に逃がすことができる。また、冷却シールによるシール部10によって、開口部を確実に封止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物が充填された包装袋の開口部をシールするシール方法、このシール方法によって封止された包装袋、内容物が充填された包装袋の開口部を封止するために用いられる包装袋のシール装置、および、このシール装置を備えた製袋装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、包装用フィルムからなる包装袋に内容物(例えば液体や粘稠物等)を充填したのち包装袋の開口部をシールして(例えばヒートシールによる)密封することが広く行われている。この際、包装袋の開口部に内容物が夾雑物として介在すると、夾雑物の水分がシール時の熱で気化し、膨張によりシール部が発泡するおそれがある。また、夾雑物が包装袋の開口部に介在することによってフィルム同士の溶融が妨げられ、充分なシール強度が得られないことがある。
このため、特許文献1においては、熱シールの後に超音波シールを行い、超音波の振動によって夾雑物を拡散して樹脂中に封じ込める方法が開示されている。
また、特許文献2には、両フィルムの熱融着層同士が十分に融着した完全融着域と、熱融着層がわずかに融着する不完全融着域とを、ヒートシール部の幅方向に交互に形成することで、夾雑物を不完全融着域に逃し、完全融着域によってシール強度を確保する方法が開示されている。
【特許文献1】特開平10−24908号公報
【特許文献2】特開2000−203530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載の方法の場合、夾雑物が一箇所に集中したり、開口部に介在する夾雑物の量が多い場合には、夾雑物の分散や封じ込めが充分に行われず、シール強度が確保できない場合がある。
特許文献2に記載の方法の場合、夾雑物が一箇所に集中したり、開口部に介在する夾雑物の量が多い場合には、夾雑物が不完全融着域に収まりきらず、その両側の完全融着域に侵入するおそれがある。この場合、完全融着域に侵入した夾雑物がシーラントの溶融中に加熱され、夾雑物中の水分が気化して膨張し、発泡によってシール強度が確保できない場合がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、夾雑物が一箇所に集中したり、夾雑物の量が多い場合であってもシール強度を確保できる包装袋のシール方法、このシール方法によって封止された包装袋、内容物が充填された包装袋の開口部を封止するために用いられる包装袋のシール装置、および、このシール装置を備えた製袋装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は、内容物が充填された包装袋の開口部をシールするシール方法であって、包装用フィルムに当接する表面に凹凸を有し、且つその凹部が少なくとも前記開口部の周縁部の延在方向と交差する方向に連続するように形成された熱シール部材を用いて前記開口部の周縁部を熱シールしたのち、前記開口部の周縁部の延在方向に沿って、冷却しつつ強いシールを行って、複数の冷却シール部を形成できるように設けられた冷却シール部材を用いて前記開口部の周縁部を冷却シールすることを特徴とする包装袋のシール方法を提供する。
前記熱シールは、周囲を前記凹部に囲まれる1個以上の凸部を有する熱シール部材を用いて行うことが好ましい。
前記熱シールは、前記開口部の周縁部の延在方向に沿う横方向にも連続している凹部を有する熱シール部材を用いて行うことが好ましい。
前記冷却シールの後に、さらに超音波シール部材を用いて前記開口部の周縁部を超音波シールすることが好ましい。
前記超音波シールは、網目状の超音波シール部を形成できるように設けられた超音波シール部材を用いて行うことが好ましい。
前記超音波シールは、前記冷却シール部の延在方向に対して斜交する超音波シール部を形成できるように設けられた超音波シール部材を用いて行うことが好ましい。
【0006】
また、本発明は、内容物が充填され、開口部が、上述の包装袋のシール方法によって封止されていることを特徴とする包装袋を提供する。
また、本発明は、内容物が充填された包装袋の開口部をシールするために用いられるシール装置であって、包装用フィルムに当接する表面に凹凸を有し、且つその凹部が少なくとも前記開口部の周縁部の延在方向と交差する方向に連続するように形成された熱シール部材と、前記熱シール部材による熱シールの後に、前記開口部の周縁部の延在方向に沿って、冷却しつつ強いシールを行って、複数の冷却シール部を形成できるように設けられた冷却シール部材とを備えることを特徴とする包装袋のシール装置を提供する。
この包装袋のシール装置においては、さらに、前記冷却シール部材による冷却シールの後に、超音波シール部を形成できるように設けられた超音波シール部材を備えることが好ましい。
また、本発明は、上述の包装袋のシール装置を備えることを特徴とする製袋装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱シールの際に包装用フィルムに当接する熱シール部材が、少なくとも前記開口部の周縁部の延在方向と交差する方向に連続する凹部を有するので、液状の夾雑物が開口部に介在し、突沸発泡した場合に、包装用フィルムが熱シール部材の凹部側に膨らみ、包装袋の内容物収納室または包装袋の開口部の外側に連通する空間を形成することができる。従って、夾雑物が一箇所に集中したり、開口部に介在する夾雑物の量が多い場合であっても、夾雑物を円滑に内容物収納室に散逸させたり、分散させることができる。
熱シールの後に、冷却しつつ強いシールを行う冷却シールを行うことにより、発泡した夾雑物が冷却凝縮されつつ圧迫されるので、発泡跡を強固にシールすることができる。また、本発明では、冷却シールによって開口部の周縁部の延在方向に沿ってシール部を複数形成するので、夾雑物が分散され、開口部を確実に封止することができる。
そして、冷却シールの後に、さらに、超音波シールを行うことにより、夾雑物をより細かく分散させ、残留した夾雑物をシール樹脂層に埋め込み、開口部をより確実に封止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、包装袋の一例を示す図面であり、図1(a)は正面図、図1(b)は縦断面図、図1(c)は横断面図である。また、図2はこの包装袋の開口部をシールする前の状態の一例を示す断面図である。
図1に示す包装袋1は、少なくとも包装袋1の最内層となる表面に、熱接着性樹脂からなるシーラント層を有する包装用フィルム2を製袋して、内容物3が収容される内部空間(内容物収納室)4を画成したものである。
図2に示すように、包装袋1は、該包装袋1の内容物収納室4に液体や粘稠体等の内容物3を充填した後、開口部5の周縁部(開口縁部)6において複数枚の包装用フィルム2,2を向かい合わせてシールすることにより、密封される。
包装袋1の形態としては、製袋および/または密封にシールが必要なものであれば特に限定されるものではない。本発明は、例えば、三方シール袋、四方シール袋、合掌貼りのスティックタイプ袋、ピロータイプ包装袋(背貼袋)、ガゼット袋、平袋、スタンディングパウチなど、各種形態に適用可能である。
【0009】
包装用フィルム2としては、単層のプラスチックフィルム、共押出により多層のプラスチックを積層させた積層フィルム、アルミ箔などの金属箔や紙等をプラスチックとラミネートしたラミネートフィルムなどを用いることができる。シール前の包装用フィルム2の様態としては、例えば、1枚または複数枚のシート、チューブ、袋体などを例示することができる。本発明は、1枚の包装用フィルムを折り重ねてシールする場合にも、複数枚の包装用フィルムを重ね合わせてシールする場合にも、適用可能である。
包装用フィルムに用いられるプラスチックとしては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、エチレン―酢酸ビニル共重合体、PETなどのポリエステル樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。
シーラント層となる熱接着性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン―酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、接着性ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、ポリブチレンなどの熱可塑性プラスチックが例示できる。
【0010】
包装袋1の開口部5をシールして封止する際には、包装用フィルム2,2間に内容物3が介在して夾雑物となることがある。そこで、本発明のシール方法によって包装袋1の開口部5をシールすることにより、夾雑物が一箇所に集中したり、夾雑物の量が多い場合であってもシール強度を確保できることができる。
開口部のシール強度は、特に限定されるものではなく、例えば包装袋の寸法や用途などによって異なるが、すべてのシール工程が完了した後のシール強度として、例えば2〜3kg/15mmまたはそれ以上とすることが好ましい。
【0011】
以下、図3〜図7を参照して、本発明に係る包装袋のシール方法を説明する。なお、図3(a),(b),(c)は、図1(a)のA部で示すように、包装袋1の開口縁部6の一部を拡大した部分拡大正面図である。図4(a)は、熱シール部材の一形態例を示す部分斜視図である。図4(b)は、熱シール部材の他の形態例を示す部分斜視図である。図5(a)は、熱シール部材の断面形状の一例を示し、開口縁部の延在方向Tに対応する方向に沿う断面図である。図5(b)は、熱シール部材間に挟まれた包装用フィルムの状態の一例を説明する断面図である。図6は、熱シール部と超音波シール部の幅の関係の一例を示す図面である。図7は、本発明の製袋装置の概略構成の一例を示す斜視図である。
【0012】
図7に示す製袋装置20において、符号21は、帯状の包装用フィルム2をその長手方向に沿って筒状に曲げるフィルム成形手段である。また、符号23は、包装用フィルム2の側縁部同士を熱シールして縦シール部2aを形成する縦シール装置である。符号24は、包装用フィルム2が閉塞するように、包装用フィルム2の長手方向に対して直交する横方向にシールして横シール部2bを形成する横シール装置である。符号25は、横シール部2bが形成された筒状の包装用フィルム2内に内容物3を充填する充填ノズルである。
【0013】
ここで、フィルム成形手段21としては、包装用フィルム2が通過するフィルム通過口22を有する板状に形成された成形板が用いられている。この種の成形板21は、フィルム通過口22を通過した包装用フィルム2をフィルム通過口22の周縁に沿って湾曲させ、包装用フィルム2の両側の側縁部同士を重ね合わせて筒状に成形することができるようになっている。
【0014】
縦シール装置23は、一対の縦シール部材を備え、これら縦シール部材で包装用フィルム2の側縁部同士を挟み込んで熱シールすることにより、包装用フィルム2に縦シール部2aを形成するようになっている。
横シール装置24は、包装用フィルム2を熱シールする熱シール部材12,15と、包装用フィルム2を冷却しつつ強くシールする冷却シール部材17と、包装用フィルム2を超音波シールする超音波シール部材18とを備えて構成されている。
充填ノズル25は、筒状に成形された包装用フィルム2内に内容物3を供給するためのもので、図示した製袋装置20では、成形板21のフィルム通過口22を貫通して、包装用フィルム2に挿通されるように配設されている。
【0015】
図7に示す製袋装置20を用いて、内容物3の充填とともに包装袋1を製造するには、まず、帯状の包装用フィルム2を下方に引き取りながら、成形板21のフィルム通過口22に通過させることによって、包装用フィルム2を筒状に湾曲させる。次いで、縦シール装置23を用いて、包装用フィルム2の側縁部同士を熱シールし、縦シール部2aを形成することによって包装用フィルム2を筒状にする。
さらに、横シール装置24を用いて、包装用フィルム2をその長手方向に対して直交する横方向に、順次、熱シール、冷却シールおよび超音波シールして横シール部2bを形成する。また、充填ノズル25により、縦シール部2aが形成された包装用フィルム2内に内容物3を充填する。
【0016】
横シール装置24での横シール部2bの形成と内容物3の充填が完了したのち、図示しない切断装置(カッター)によって横シール部2bが両断されるように包装用フィルム2を切断することにより、図1に示すように、内部に内容物3が充填された包装袋1を得ることができる。
本発明の包装袋1においては、包装袋1の開封性を改善するために、ノッチ1aやミシン目などの易開封化手段を設けることができる。このような易開封化手段の形成は、包装用フィルム2から各包装袋1を分離する前や分離と同時に、または分離した後に、行うことができる。
【0017】
上記の製袋装置20において、横シール装置24には、本発明のシール装置を用いることができる。以下、横シール装置24およびこの横シール装置24を用いた本形態例のシール方法について詳しく説明する。
本形態例のシール方法における包装袋1の開口部5は、図2に示すように、筒状に成形された包装用フィルム2の上方に開口した部分であり、当該包装袋1の上下に、二点鎖線で示すように、包装用フィルム2がつながったままの状態となっている。
なお、本発明のシール方法は、予め開口部5を有する包装袋1を製造して分離した後、内容物3を充填して開口部5を密封する場合にも用いることができる。
【0018】
本形態例のシール方法においては、まず、図3(a)に示すように、包装袋1の開口部5を熱シールする。この熱シール工程においては、図4,図5に示すように、包装用フィルム2に当接する側の表面に凹凸を有する熱シール部材12を用いて包装用フィルム2を熱シールする。熱シール部材12の凹部13は、少なくとも包装袋1の開口部5の周縁部6の延在方向Tと交差する方向に連続するものである。
熱シール部材12の凹凸のパターンは、例えば図4(a)に示すように、開口縁部6の延在方向Tと交差する方向に延びる縦縞状とすることができるが、より好ましくは、図4(b)に示すように、周囲を凹部13に囲まれる1個以上の凸部14を有する。さらに、熱シール部材12の凹部13は、開口縁部6の延在方向Tに沿う横方向にも連続していることが好ましい。凸部14の形状は、正方形、長方形、菱形、三角形、四角形、六角形、円形、楕円形など任意の形状が採用可能であり、特に限定されるものではない。
【0019】
凹部13の深さd(図5(a)参照)は、包装用フィルム2の全体の厚さ、シーラント層の厚さ、加熱温度等の製造条件に応じて適宜決定し得るが、図5(b)に示すように、包装用フィルム2が熱シール部材12の凹部13側に膨み、包装用フィルム2間に隙間16が生じるか、または、隙間16が生じなくても強くシールされない程度に弱く押圧されるために充分な深さとする。凹部13の深さdは、例えば、包装用フィルム2の厚さの3倍程度とすることができる。
図5においては、凹部13を有する熱シール部材12と対向して配置される他方の熱シール部材15は、平らな表面を有するものとなっているが、本発明は特にこれに限定されるものではなく、両シール部材の表面に凹凸があってもよい。
【0020】
図5(b)に示すように、凹凸を有する熱シール部材12を用いて包装用フィルム2を熱シールすることにより、凹部13に対応する箇所は押圧力が小さくなり、凸部14に対応する箇所は押圧力が大きくなる。つまり、熱シール部材12の表面の凹凸に対応して、包装用フィルム2を加圧する圧力に分布が生じる。このため、包装用フィルム2が熱シール部材12の凹部13側に膨み、包装用フィルム2間に隙間16が生じ、あるいは凹部13側に膨むことはなく、隙間16が生じなくても、シールの不完全な擬似シール部8が生じる。また、熱シール部材12の凸部14で圧迫された箇所は、熱シールにより充分にシールされて、熱シール部9となる。
なお、包装用フィルム2の擬似シール部8および熱シール部9のパターンは、熱シール部材12の凹部13および凸部14のパターンと必ずしも一致するものではなく、例えば、凸部14が当接した箇所の周囲に若干熱シール部9が拡がる場合などがありうる。
【0021】
擬似シール部8は、シールが不完全ではあるが、熱シール時の熱伝導により加熱されてシール可能となっていることが必要である。この観点からは、凹部13を有する熱シール部材12と対向して配置される他方の熱シール部材15は、平らな表面を有するものとなっていることが好ましい。
擬似シール部8は、少なくとも、開口縁部6の延在方向T(図1,図3参照)と交差する方向に連続するようにする。このように構成することによって、夾雑物7が開口部5に介在した場合に、包装用フィルム2が熱シール部材12の凹部13側に膨らみ、包装袋1の内部空間4または包装袋1の開口部5の外側に連通する空間を形成することができる。特に、本発明を縦ピロー充填機に適用した場合には、空間が上下いずれに連通しても包装袋1の内部に夾雑物7を逃がすことになるので好適である。より好ましくは、開口縁部6の延在方向Tに沿う横方向にも連続していることが好ましい。図3に示す形態では、熱シール部9は、擬似シール部8に囲まれるように、点状に多数点在している。
【0022】
本形態例においては、擬似シール部8が開口縁部6の延在方向Tおよびそれに直交する方向に連続している。これにより、擬似シール部8に生じた包装用フィルム2間の隙間16に夾雑物7を逃がし、夾雑物7を擬似シール部8に分散させることができる。従って、夾雑物7が一箇所に集中したり、開口部5に介在する夾雑物7の量が多い場合であっても、夾雑物7を円滑に分散させることができ、夾雑物7が熱シール部9に侵入することが抑制され、熱シール部9では、包装用フィルム2同士が強固に融合できる。
【0023】
熱シール工程の後、冷却しつつ強くシールする冷却シール工程を行う。冷却シールは、熱シール工程によって包装袋1の開口縁部6が熱を帯び、シーラントの樹脂が溶融しているうちに開始する必要がある。開口部5の周縁部6の延在方向Tに沿って延在する複数の冷却シール部10を形成できるように冷却シールを行う。このような冷却シールを行う装置としては、例えば、図示は省略するが、複数の連続する凸条を備える金属等の金型からなる冷却シール部材を用いることができる。冷却シール部材の内部に冷却水循環路等の冷却手段が内蔵された冷却シール装置を用いることが好ましい。冷却シール工程は冷却シール部材を対にして包装袋1の開口縁部6に当接させ、該冷却シール部材で包装用フィルム2を挟み込み、挟圧しながら冷却することによって冷却シールを行うことができる。
冷却シールにより、包装用フィルム2のシーラント層同士が圧迫され、かつ冷却されるので、シーラント層の熱接着性樹脂が冷却固化してシール強度が向上される。また、熱シール工程時に加熱された夾雑物が冷却シール工程において冷却されるので、夾雑物中の水分を凝縮させて発泡を抑制することができる。
【0024】
図3(b)に示すように、冷却シール工程においては、冷却シールによるシール部10(以下、冷却シール部10ということがある。)を複数、開口縁部6の延在方向Tに沿って形成する。
このように、縞状の冷却シール部10を形成することにより、夾雑物7が冷却シール部10間に分散されるので、熱や経時で変質した夾雑物7が包装袋1の内部空間4に収容された内容物3と混入したり、あるいは連続して製袋充填される包装袋1の開口縁部6を切断して各包装袋1を分離したときに、その切断個所から夾雑物7がこぼれ落ちたり、にじみ出したりすることはない。
縞状の冷却シール部10を形成するには、例えば、包装用フィルム2に当接する表面に縞状に複数の突条を有する冷却シール部材17を用いることにより、行うことができる。
【0025】
冷却シール部10のシールは、包装袋1の開口部5を封止するため、内容物3が漏れないような強度および幅を確保する。夾雑物7が存在する近傍の冷却シール部10は万が一、内容物3や夾雑物7の通過を完全に阻止できない場合でも、冷却シール部10が複数並んで設けられることにより、内容物3や夾雑物7の漏れを確実に防止できる。
冷却シール部10の間隔は、その間に夾雑物7を閉じ込められる程度に確保することが望ましい。熱シール工程における擬似シール部8が前記開口縁部6の延在方向Tにも連続するものである場合は、図3(b)に示すように、点在する熱シール部9の間隔よりも大きくして、擬似シール部8の前記開口縁部6の延在方向Tのつながりを保てるようにすると、夾雑物7の前記開口縁部6の延在方向Tに沿った分散が容易になるので、好ましい。
【0026】
本発明においては、必須のものではないが、冷却シール工程の後に、さらに包装袋1の開口部5の周縁部6に超音波シールを行うことが好ましい。
超音波シール部材18は、超音波を発生するホーン18aと、該ホーン18aに対向して配置されたアンビル18bを備える。超音波シールは、ホーン18aとアンビル18bとの間に包装袋を挟み込み、ホーン18aから伝達される超音波振動によって包装袋の素材内部に熱を発生させ、夾雑物7を排除および/または破砕して樹脂中に埋込みつつ、包装用フィルム同士を溶着させてシールするものである。
【0027】
図6に示すように、超音波シールによって形成されるシール部11(以下、超音波シール部11ということがある。)が形成される領域の幅は、熱シール部9が形成される領域の幅よりも狭くすることもできる。なお、図6は、図1(a)に示す包装袋1が複数、上下に連結された状態における横シール部2bを示す。また、図6において熱シール部9が形成される領域は縦向きのハッチングにより、また、超音波シール部11が形成される領域は網目状のハッチングにより、それぞれ図示している。
超音波シール部11の幅を熱シール部9の幅より狭くすることにより、超音波シール部11が熱シール部9からはみ出すことが避けられる。つまり、超音波シール部11が熱シール部9よりはみ出した場合に、熱シールされていない部分に超音波シールの振動及び高圧力が直接加わるとフィルム2のシール層樹脂の一部が粉砕されたり、その際に生じ得るフィルム2の微細な破片が内容物3に混入したりするおそれがあるが、このような問題を防止することができる。
【0028】
図3(c)に示すように、超音波シール部11は網目状であることが好ましい。ここで、網目状とは、菱目、角目、千鳥型などがあり、網目状には格子状も含まれる。これにより、擬似シール部8が超音波シール部11の網目に囲まれた狭い領域に分断されるので、個々の領域に夾雑物7を更に細かく分散して封じ込めることができる。
さらには、超音波シール部11は、冷却シール部10の延在方向に対して斜交する方向に形成することが好ましい。このように構成することによって、超音波シール部11と冷却シール部10とで囲繞される領域にも夾雑物7を細かく分散して封じ込めることができる。なお、図3(c)では冷却シール部10と超音波シール部11との交差角度は約45°であるが、特にこれに限定されるものではない。
上記のような所定のパターンを有する超音波シール部11を形成するには、例えば、ホーンおよびアンビルの表面に前記所定のパターンに合わせてエッジ(凸部)を設け、ホーンの凸部とアンビルの凸部との位置を合わせて両者の凸部同士の間に包装用フィルム2を挟み込むことで行うことができる。ホーンとアンビルの凸部同士を噛み合わせることにより、途切れの無い、超音波シール部11を、所定のパターンのとおりに形成することができる。凸部を設けるのはホーンまたはアンビルのいずれか一方でもよい。
【0029】
超音波シールを行うことにより、シール部の本数が多くなるので、開口部のフィルム間をより確実に封止することができる。特に超音波シール部11の形状を網目状としたり、超音波シール部11を冷却シール部10の延在方向に対して斜交する方向に形成すると、網目中および超音波シール部11と冷却シール部10とで囲繞される領域にも夾雑物7を分散させることができる。
また、従来のシール方法においては、例えば合掌貼りタイプの包装袋やガゼット袋などのように、包装用フィルムの重なり枚数が異なる箇所(例えば2枚の部分と4枚の部分)があって段差が生じる場合に、フィルムの段差部にスルーホールが生じて内容物の漏洩や外部の雑菌等の侵入などのおそれがあった。しかし、上述のシール方法によれば、冷却シールと超音波シールとにより開口部をシールするので、スルーホールのない確実な封止が可能になる。
【0030】
また、超音波シールによって夾雑物7を排除および/または破砕して樹脂中に埋込み、開口部の密封をより完全にすることができる。
従来、超音波シールにおいては、超音波シールの振動及び高圧力が加わることにより、特に包装袋が軟質包装材料からなるときには包装用フィルム2の樹脂そのものが粉砕されたりしてシール部分やその端縁の強度が低下する場合がある。しかし、本形態例では、超音波シールの前に熱シールおよび冷却シールが行われているので、包装用フィルム2同士が強固に接着され、樹脂層の不必要な振動が抑えられており、超音波シールの振動や高圧力に耐えることができる。
【0031】
本形態例の包装袋1を開封する際には、ノッチ1aから横シール部2bを横方向(図1(a)の水平方向)に切り裂くようにカットし、内容物3の排出口となる切り口を開ける。内容物3が経口医薬品や飲食物等である場合には、得られた切り口から内容物3を使用者の口に直接流し出して摂取することもできる。
従来は、切り口が斜めにずれて、開封時に内容物がこぼれたり、切り口を下向きにして内容物3を出すときに内容物が思わぬ方向に排出されたりといった不都合が生じることがあった。これに対して本形態例の包装袋1の場合、冷却シール部が開口部の周縁部の延在方向に沿って水平方向に形成されているので、切り口が冷却シール部の横線に沿って延びるようにカットの方向が案内され、切りやすく、正常な飲み口を容易に得ることができるように改善される。
【0032】
以上説明したように、本形態例に係る包装袋のシール方法およびシール装置によれば、夾雑物が一箇所に集中したり、開口部に介在する夾雑物の量が多い場合であっても、夾雑物を擬似シール部内に、あるいは擬似シール部を通じて連通した包装袋の内部空間に、逃すことができるので、夾雑物を円滑に分散させることができる。
熱シールの後に冷却シールを行うことにより、夾雑物が冷却されるので、発泡を抑制することができる。また、冷却シールにより、開口部の周縁部の延在方向に沿って複数の強固な冷却シール部を形成するので、包装袋の開口部を確実に封止することができる。
【0033】
さらに、冷却シールの後に超音波シールを行うことにより、開口部のシール強度を一層強くすることができる。また、超音波シールによって夾雑物を排除および/または破砕して樹脂中に埋込み、開口部の密封をより完全にすることができる。
本形態例の製袋装置によれば、包装袋の製造と内容物の充填を一つの装置で行うことができる。
【0034】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記の実施の形態例においては、包装袋として、内容物が充填される内部空間(収納室)と、収納室に通じる開口部を1つずつ有する包装袋の例を示したが、本発明は、複数の収納室を有する包装袋、複数の開口部を有する包装袋などに適用することも可能である。
開口部を複数もつ包装袋の場合、本発明のシール方法は、内容物の充填後に開口部をシールする場合に適用することができる。従って、シールにより閉鎖される開口部のほかに、例えば、キャップ付きスパウトのようにシール以外の手段で閉鎖され得る口を有する包装袋の場合には、本発明の技術思想がシールにより閉鎖される開口部に適用されれば、本発明の範囲に含まれるものである。
【実施例】
【0035】
厚さ9μmのアルミニウム箔(Al)を中間層とし、アルミニウム箔の一方の面に厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)が積層され、アルミニウム箔の他方の面に厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)と厚さ50μmのポリエチレン(PE)がドライラミネートで積層されたPET/Al/PET/PEの4層積層フィルムを包装用フィルムとして使用した。袋の内面がPEになるようにして図1に示す合掌貼りのスティックタイプ袋を形成した。包装袋の外寸法は幅約25mm,長さ約130mmとした。
【0036】
包装袋内に、流動性およびフィルム間の隙間への浸透性が強い液状物質と、結晶化度の高い物質とを含む混合物からなる内容物を充填したのち、図3(a)に示すように、開口部の熱シールを行った。
熱シール部材としては、図4(b)、図5(a)に示すように、格子状の凹部13とそれに囲まれる点状の凸部14を有し、凹部13の深さdが約300μmの熱シール部材を用いた。ここで、凸部14の一辺の長さは約600μmとし、凸部14同士の間隔(凹部13の幅)は約600μmとした。
【0037】
熱シール後、図3(b)に示すように、冷却シールにより、縞状の冷却シール部10を形成した。
ここで、冷却シール部材17としては、包装用フィルム2に当接する側の表面に、幅が約200μm、間隔が約2000μmで、複数の突条が平行に26本突設された部材を用いた。
【0038】
さらに冷却シールの後、図3(c)に示すように、超音波シールにより、冷却シール部10と45°の角度で交差する格子状の超音波シール部11を形成した。
ここで、超音波シール部材18としては、ホーン18aおよびアンビル18bの表面に、幅が約200μm、間隔が約1400μmで、複数の突条が網目状に交差するように突設された部材を用いた。超音波発振を継続する保持時間は、約0.25秒とした。
【0039】
これにより、夾雑物7は相互に交差するシール部10,11の間に分散された。夾雑物7の分散状態は、シール部の拡大映像によって検証し確認した。しかも、各シール部9,10,11ではシーラント層は相互に溶融し合い、基材の劣化や内容物の漏れも無く、強固なシール強度が得られた。内容物の漏れについては、−0.092MPaの圧力における真空減圧と、90kgf/cm(ただし90kgf=882N)の圧力による加圧耐圧とによって検証し、確認した。すなわち、包装袋の完全な封止が可能となった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、例えば、包装用フィルムからなる包装袋に内容物(例えば液体、粘稠物、粉体、顆粒等)を充填したのち包装袋の開口部を封止することに利用することができる。特に、水分やアルコール等、熱シール時の加熱によって気化する液状物質、または、それらと結晶化する成分もしくは固形物を含有する内容物を充填包装するに際して、開口部のシールが夾雑物シールとなった場合に、液状物質の突沸膨張によるシール部の発泡を抑制し、残留する結晶や固形物を円滑に分散して、充分なシール強度を確保するために有用である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】包装袋の一例を示す(a)正面図、(b)縦断面図、(c)横断面図である。
【図2】包装袋の開口部をシールする前の状態を示す縦断面図である。
【図3】本発明のシール方法の一実施形態例を説明する図面であり、(a)熱シール後の状態、(b)冷却シール後の状態、(c)超音波シール後の状態を示す説明図である。
【図4】(a)熱シール部材の一形態例を示す部分斜視図である。(b)熱シール部材の他の形態例を示す部分斜視図である。
【図5】(a)熱シール部材の断面形状の一例を示す断面図である。(b)熱シール部材間に挟まれた包装用フィルムの状態の一例を説明する断面図である。
【図6】熱シール部と超音波シール部の幅の関係の一例を示す図面である。
【図7】本発明の製袋装置の概略構成の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1…包装袋、2…包装用フィルム、3…内容物、4…内部空間(内容物収納室)、5…開口部、6…開口部の周縁部(開口縁部)、7…夾雑物、8…擬似シール部、9…熱シールによるシール部(熱シール部)、10…冷却シールによるシール部(冷却シール部)、11…超音波によるシール部(超音波シール部)、12…一方の熱シール部材、13…熱シール部材の凹部、14…熱シール部材の凸部、15…他方の熱シール部材、16…フィルム間の隙間、17…冷却シール部材、18…超音波シール部材、20…製袋装置、21…成形板(フィルム成形手段)、22…フィルム通過口、23…縦シール装置、24…横シール装置、25…充填ノズル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が充填された包装袋の開口部をシールするシール方法であって、
包装用フィルムに当接する表面に凹凸を有し、且つその凹部が少なくとも前記開口部の周縁部の延在方向と交差する方向に連続するように形成された熱シール部材を用いて前記開口部の周縁部を熱シールしたのち、
前記開口部の周縁部の延在方向に沿って、冷却しつつ強いシールを行って、複数の冷却シール部を形成できるように設けられた冷却シール部材を用いて前記開口部の周縁部を冷却シールすることを特徴とする包装袋のシール方法。
【請求項2】
前記熱シールは、周囲を前記凹部に囲まれる1個以上の凸部を有する熱シール部材を用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の包装袋のシール方法。
【請求項3】
前記熱シールは、前記開口部の周縁部の延在方向に沿う横方向にも連続している凹部を有する熱シール部材を用いて行うことを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋のシール方法。
【請求項4】
前記冷却シールの後に、さらに超音波シール部材を用いて前記開口部の周縁部を超音波シールすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の包装袋のシール方法。
【請求項5】
前記超音波シールは、網目状の超音波シール部を形成できるように設けられた超音波シール部材を用いて行うことを特徴とする請求項4に記載の包装袋のシール方法。
【請求項6】
前記超音波シールは、前記冷却シール部の延在方向に対して斜交する超音波シール部を形成できるように設けられた超音波シール部材を用いて行うことを特徴とする請求項4または5に記載の包装袋のシール方法。
【請求項7】
内容物が充填され、開口部が、請求項1ないし6のいずれかに記載の包装袋のシール方法によって封止されていることを特徴とする包装袋。
【請求項8】
内容物が充填された包装袋の開口部をシールするために用いられるシール装置であって、
包装用フィルムに当接する表面に凹凸を有し、且つその凹部が少なくとも前記開口部の周縁部の延在方向と交差する方向に連続するように形成された熱シール部材と、
前記熱シール部材による熱シールの後に、前記開口部の周縁部の延在方向に沿って、冷却しつつ強いシールを行って、複数の冷却シール部を形成できるように設けられた冷却シール部材とを備えることを特徴とする包装袋のシール装置。
【請求項9】
さらに、前記冷却シール部材による冷却シールの後に、超音波シール部を形成できるように設けられた超音波シール部材を備えることを特徴とする請求項8に記載の包装袋のシール装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の包装袋のシール装置を備えることを特徴とする製袋装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−44704(P2006−44704A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−225432(P2004−225432)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【出願人】(393027121)株式会社ファブリカトヤマ (27)
【出願人】(000224101)藤森工業株式会社 (292)
【Fターム(参考)】