説明

包装袋の供給用コンベア

【課題】 袋幅の大小に関わらず包装袋を蛇行することなく安定した状態で移送することが可能な包装袋の供給用コンベアを提供すること。
【解決手段】 プーリについては、プーリ軸2,9の中央に配置された主プーリ3,10と当該主プーリの両側に夫々配置されて軸方向に摺動可能に設けた副プーリ4,11とからなり、各プーリ軸に近接して平行に配置された二つの調整軸15,21を連動回転可能に設け、それらの調整軸の中央部を境にしてリード方向が異なるように形成された雄ネジ部に可動部材17,23を夫々螺合させると共に当該可動部材の爪片を副プーリに係合させるように設け、さらに前後に位置する左右の可動部材の上部に案内板30,31を対向するように設け、一方の調整軸に取付けたハンドル26を操作することにより副プーリに掛け渡されたベルトの間隔を案内板と一緒に袋幅の大きさに合わせて調節可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋を一枚ずつ自動包装機のグリップ対に送り込むための給袋装置等に用いられる包装袋の供給用コンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の包装袋の供給装置として、本件出願人にかかるものが特開平10−194238号、特公昭58−28166号公報に開示されている。前者の供給装置は、袋口を下にした多数の包装袋をストッカー部のベルトコンベア上に倒し重ねて供給し、そのベルトコンベアの上方に配置された繰出し手段の繰出しベルトをベルトコンベアより早送りすることにより先頭の包装袋を後続の包装袋から分離して一枚ずつ前方へ送る構造とされている。そのベルトコンベアは、3列のベルト溝が形成されたプーリを機台に所定間隔をおいて配置すると共に丸断面形状のベルトをプーリ間に掛け渡し、機台に設置された駆動モータによりプーリを一定速度で回転させるように設けられている。
【0003】
また、上記供給装置では、所定範囲内の大きさ(例えば、袋幅:100mm〜230mm)の包装袋に対応することができるように設けられており、包装袋の両側縁を案内する左右一対の案内板の対向間隔が袋幅の大きさに合わせるべく変更可能に設けられている。
【0004】
ところが、上記ベルトコンベアの外側に位置するベルトの間隔寸法は、最小の袋幅の包装袋に合わせて一定に設けられている。このため、袋幅の大きい包装袋の場合には、前記案内板のみを袋幅に合うように調整しているところ、包装袋は中央付近でしか支承されないために蛇行しつつ移送されることを免れない。包装袋がベルトコンベアの前進端まで移送されたときに進行方向に対して傾いた状態であると、その傾いた姿勢のまま包装機のグリップ対に送り込まれることになるため、後工程において袋口のシール不良等の不都合を生ずることになる。
【特許文献1】特開平10−194238号公報
【特許文献2】特公昭58−28166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、袋幅の大小に関わらず包装袋を蛇行することなく安定した状態で移送することが可能な包装袋の供給用コンベアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために請求項1に記載した発明は、フレームの前部と後部にプーリを夫々回転自由に軸支し、それらのプーリに掛け渡された複数のベルトを駆動モータによって直線方向に走行自在に設け、そのベルト上に供給される包装袋の両側縁を左右一対の案内板により案内しつつ当該包装袋を前方へ移送するように設けられた包装袋の供給用コンベアであって、前記プーリについては、プーリ軸の中央に配置された主プーリと当該主プーリの両側に夫々配置されて軸方向に摺動可能に設けられた副プーリとからなり、それら主プーリ間及び副プーリ間にベルトを夫々掛け渡し、各プーリ軸に近接して平行に配置された二つの調整軸を連動回転可能に設け、それらの調整軸の中央部を境にしてリード方向が異なるように形成された雄ネジ部に可動部材の雌ネジ部を夫々螺合させると共に当該可動部材に形成された爪片を前記副プーリの一部に係合させるように設け、さらに前後に位置する左右の可動部材の上部に前記案内板を対向するように設け、一方の調整軸に取付けたハンドルを回転操作させることにより副プーリのベルトの間隔を前記案内板と一緒に袋幅の大きさに合わせて調節可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この包装袋の供給用コンベアは、包装袋の側縁を案内する案内板に連動させて外側のベルトの間隔を調節可能とし包装袋を適切な位置で支承するように構成しているので、袋幅の大小に関わらず包装袋を蛇行させることなく安定した状態で移送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の最良の形態例を図面に基づいて説明する。図1は一部を破断して示す概要平面図、図2は図1のA−A線断面図である。
【0009】
図1に示す本発明の包装袋の供給用コンベアCは、図示しない包装袋の供給装置のベルトコンベアに相当するものであるが、単独の包装袋のベルトコンベアとしても利用可能である。ここでいう「包装袋の供給装置」としては、前述した特開平10−194238号公報等に記載されたほぼ水平なベルトコンベアと、そのベルトコンベアの上方に繰出し手段を配置し、袋口を下にした多数の包装袋をベルトコンベア上に倒し重ねて供給し、繰出し手段の繰出しベルトをベルトコンベアより早送りすることにより先頭の包装袋を後続の包装袋から分離して一枚ずつ前方へ送る構造の形式のものをいう。
【0010】
供給用コンベアCのフレーム1は、前後方向に長く平面から見て矩形状に形成されている。そのフレーム1の前部には、中央に配置した主プーリ3と、主プーリ3の両側に夫々配置して軸方向に摺動可能とされた副プーリ4,4とを取付けたプーリ軸2が回転自由に設けられている。その主プーリ3には4列のベルト溝3aを、副プーリ4,4には一つのベルト溝4aが夫々形成されている。また、副プーリ4については、軸穴に形成される溝(図示せず)をプーリ軸2に加工されるスプラインに遊嵌させることにより軸方向に摺動可能に設けられている。フレーム1の下部には駆動モータ5を設置し、この駆動モータ5の出力軸に固定したプーリ6と主プーリ3の外側のベルト溝3aとの間に駆動ベルト7を掛け渡す。
【0011】
同様に、フレーム1の後部には、中央に配置した主プーリ10と、主プーリ10両側に夫々配置して軸方向に摺動可能とされた副プーリ11,11とを取付けたプーリ軸9が回転自由に設けられている。その主プーリ10には3列のベルト溝10aを、副プーリ11,11には一つのベルト溝11aが夫々形成されている。それら主プーリ3,10間には丸断面形状のベルト12を掛け渡し、副プーリ4,11間には丸断面形状のベルト13を掛け渡す。
【0012】
15はプーリ軸2に近接させて前方に平行に配置され、フレーム1に回転自由に設けられた調整軸である。この調整軸15には、その中央部を境にしてリード方向が異なるように雄ネジ部16a,16bが形成され、それらの雄ネジ部16a,16bに、可動部材17,17の雌ネジ部(図示せず)を夫々螺合させる。各可動部材17の後部に形成された左右一対の爪片18,18は、前記副プーリ4の一部たる側面4bに外側からほぼ接触した状態で係合されるように設けられている。19はプーリ軸2の一端部(ベルト12,13の進行方向に向かって右側)に固定されたスプロケットである。
【0013】
21はプーリ軸9に近接させて前方に平行に配置され、フレーム1に回転自由に設けられた調整軸である。この調整軸21には、前記調整軸15と同様に、その中央部を境にしてリード方向が異なるように雄ネジ部22a,22bが形成され、それらの雄ネジ部22a,22bに、可動部材23,23の雌ネジ部(図示せず)を夫々螺合させる。各可動部材23の後部に形成された左右一対の爪片24,24は、前記副プーリ11の側面11bに外側からほぼ接触した状態で係合されるように設けられている。25は調整軸21の一端部(ベルト12,13の進行方向に向かって右側)に固定されたスプロケット、26は調整軸21のフレーム1から外方に突出する軸部に取付けたハンドルである。27は二つの調整軸15,21を連動回転させるためにスプロケット19とスプロケット25との間に掛け渡されたチェンである。
【0014】
前後に位置する左右の可動部材17,23の上部には、図2に示すように、包装袋の両側縁を案内する断面L字形の左右一対の案内板30,31を対向するように設ける。
【0015】
しかして、ハンドル26を回転操作させることにより、二つの調整軸15,21が連動回転して副プーリ4,11のベルト13,13の間隔を案内板30,31と一緒に袋幅の大きさに合わせて調節可能に構成される。
【0016】
つぎに、本発明の包装袋の供給用コンベアCの作動について述べる。
まず、案内板30,31の間隔を供給する包装袋bの幅の大きさに合わせてハンドル26を回転操作させて調節を行なう。このときに主プーリ3,10は移動しないが、副プーリ4,11は案内板30,31と一緒に包装袋bの幅方向に移動する。このため、包装袋bは、100mm程度の小さい袋幅、200mm程度の大きい袋幅に関わらず、その中央裏面を3本のベルト12で、両側縁に近い裏面を外側のベルト13,13で支承される。
しかして、そのベルト12,13上に供給される包装袋bは、側縁を案内板30,31により案内されつつ、駆動モータ5によるベルト12,13の直線走行作動により蛇行することなく円滑に前方へ移送される。
【0017】
以上に述べた通り、この包装袋の供給用コンベアは、包装袋の側縁を案内する案内板に連動させて外側のベルトの間隔を調節可能とし包装袋を適切な位置で支承するように構成しているので、袋幅の大小に関わらず包装袋を蛇行させることなく安定した状態で移送することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は一部を破断して示す概要平面図
【図2】図2は図1のA−A線断面図
【符号の説明】
【0019】
C・・・包装袋の供給用コンベアC
1・・・フレーム
2,9・・・プーリ軸
3,10・・・主プーリ
4,11・・・副プーリ
5・・・駆動モータ
12,13・・・ベルト
15・・・調整軸
16a,16b・・・雄ネジ部
17,23・・・可動部材
18,24・・・爪片
21・・・調整軸
22a,22b・・・雄ネジ部
26・・・ハンドル
30,31・・・案内板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームの前部と後部にプーリを夫々回転自由に軸支し、それらのプーリに掛け渡された複数のベルトを駆動モータによって直線方向に走行自在に設け、そのベルト上に供給される包装袋の両側縁を左右一対の案内板により案内しつつ当該包装袋を前方へ移送するように設けられた包装袋の供給用コンベアであって、
前記プーリについては、プーリ軸の中央に配置された主プーリと当該主プーリの両側に夫々配置されて軸方向に摺動可能に設けられた副プーリとからなり、それら主プーリ間及び副プーリ間にベルトを夫々掛け渡し、各プーリ軸に近接して平行に配置された二つの調整軸を連動回転可能に設け、それらの調整軸の中央部を境にしてリード方向が異なるように形成された雄ネジ部に可動部材の雌ネジ部を夫々螺合させると共に当該可動部材に形成された爪片を前記副プーリの一部に係合させるように設け、さらに前後に位置する左右の可動部材の上部に前記案内板を対向するように設け、一方の調整軸に取付けたハンドルを回転操作させることにより副プーリのベルトの間隔を前記案内板と一緒に袋幅の大きさに合わせて調節可能に構成したことを特徴とする包装袋の供給用コンベア。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−111280(P2006−111280A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−298297(P2004−298297)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(000108281)ゼネラルパッカー株式会社 (65)
【Fターム(参考)】