説明

包装袋の注出口部材

【課題】
従来、包装袋の注出部材の注出口内の内栓は、開栓時に注出口に手が触れる課題がある。また、キャップの回転により開栓をするものでは搬送時等にキャップが回転すると栓が取れてしまう課題がある。また、注出口の先端部のねじ切り用の突起をコ字型のガード部材で保護したものでは、注出口が露呈すると共に製作が面倒である課題がある。
【解決手段】
包装袋に取り付けられる基部1、先端開口部2が密封部材3に密封された筒部4、密封部材3に上端部を連結され筒部4の外周を覆う蓋部材20とからなる注出口部材10において、前記蓋部材20に前記密封部材3に上端部を連結した分割開放片部6を設けると共に、分割開放片部6に開放阻止片部34を設けて、開放阻止片部34と前記筒部4と間に、蓋部材20の回転と分割開放片部6の分離開放を阻止する開放阻止機構30を設けてなる包装袋の注出口部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に収容した流動液体を注出する注出口部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より包装袋に熱融着される注出口部材としては、包装袋に熱融着される基部、ネジ部が形成された筒部及び該筒部に螺合する蓋材とを有するものが使用されている(特許文献1参照。)。
【0003】
また、注出口の先端開口部にねじ切り用の突起を設けると共に、その突起に嵌合するキャップを注出口を構成する筒部全体に被せて設け、キャップを回転させて突起をねじ切るものが提案されている(特許文献2参照。)。
【0004】
また、注出口の先端開口部にねじ切り用の突起を設けると共に、その突起にコ字型のガード部材を設けて、ガード部材の二股の基部を注出口部材の基部に破断可能に連結して突起のねじ切りを防止したものが提案されている(特許文献3参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2000−142769号公報
【特許文献2】特開2006−62752号公報
【特許文献3】特開2006−341908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の場合、注出口内において取っ手付の内栓を引っ張って開栓することから、開栓が面倒であるのみならず注出口に手が触れる衛生上の課題がある。
【0007】
特許文献2の場合、搬送時等にキャップが回転すると突起が簡単に取れてしまう恐れがあると共に、加工が難しい課題がある。
【0008】
特許文献3の場合、注出口が露呈していると共に構造が複雑で製作が面倒である課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、請求項1に記載のように、包装袋に熱融着される基部、先端開口部が密封部材に密封された筒部、密封部材に上端部を連結され筒部の外周を覆う蓋部材、前記蓋部材の前記密封部材と一体な部分に上端部を連結した分割開放片部、分割開放片部の下端部に離脱可能な連結部を介して設けた開放阻止片部、開放阻止片部と前記筒部と一体な部分との間に前記連結部が離脱するまで開放阻止片部の離脱を阻止する開放阻止機構を設けてなる包装袋の注出口部材を提供しようとするものである。なお、分割開放片部の上端部が連結した前記密封部材と一体な部分には、密封部材のみならず該密封部材と一体な蓋部材も含まれるものである。また、筒部と一体な部分には、筒部のみならず該筒部と一体な保護枠部分なども含まれるものである。
【0010】
また、本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載の包装袋の注出口部材において、開放阻止片部を分割開放片部の下端部に切り離して離脱可能に連結してなる包装袋の注出口部材を提供しようとするものである。
【0011】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項1又は2に記載の包装袋の注出口部材において、開放阻止機構が分割開放片部を筒部から離脱する時に開放阻止片部が筒部に残るように設けてなる包装袋の注出口部材を提供しようとするものである。
【0012】
また、本発明は、請求項4に記載のように、請求項1、2又は3に記載の包装袋の注出口部材において、開放阻止機構が開放阻止片部を保護する保護枠部を具備する包装袋の注出口部材を提供しようとするものである。
【0013】
また、本発明は、請求項5に記載のように、請求項1乃至4のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、分割開放片部の外側形状が、密封部材との接続部側から開放端部側まで、長手方向を横断する断面が楕円形状からなる包装袋の注出口部材を提供しようとするものである。
【0014】
また、本発明は、請求項6に記載のように、請求項1乃至5のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、分割開放片部が二片一対からなる包装袋の注出口部材を提供しようとするものである。
【0015】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項1乃至6のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、分割開放片部が蓋部材の一部からなる包装袋の注出口部材を提供しようとするものである。
【0016】
また、本発明は、請求項8に記載のように、請求項6又は7に記載の包装袋の注出口部材において、蓋部材が二片一対の分割開放片部からなる包装袋の注出口部材を提供しようとするものである。
【0017】
また、本発明は、請求項9に記載のように、請求項6、7又は8に記載の包装袋の注出口部材において、蓋部材の二片一対の開放阻止片部を含む分割開放片部をほぼ水平に開放した状態で、筒部の左右側面と分割開放片部の内側を型取る左右の横型と、筒部の内筒部と接続部を含んで密封部材及び分割開放片部の外側を型取る上下の縦型とによってプラスチック成形加工してなる包装袋の注出口部材を提供しようとするものである。
【0018】
また、本発明は、請求項10に記載のように、請求項6乃至9のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、蓋部材の二片一対の分割開放片部が、密封部材との接続部側から開放端部側までの長手方向に沿ってほぼ同一内径を有する包装袋の注出口部材を提供しようとするものである。
【0019】
また、本発明は、請求項11に記載のように、請求項6乃至9のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、蓋部材の二片一対の分割開放片部が、密封部材との接続部側から開放端部側までの長手方向に沿って増大する内径を有する包装袋の注出口部材を提供しようとするものである。
【0020】
また、本発明は、請求項12に記載のように、請求項1乃至11のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、開放阻止機構が、筒部に設けた凸部と、該凸部に嵌合する開放阻止片部に設けた孔部又は凹部とからなる包装袋の注出口部材を提供しようとするものである。
【0021】
また、本発明は、請求項13に記載のように、請求項1乃至12のいずれかに記載の包装袋の注出口部材を具備する包装袋を提供しようとするものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る包装袋の注出口部材によれば、請求項1に記載のように、包装袋に熱融着される基部、先端開口部が密封部材に密封された筒部、密封部材に上端部を連結され筒部の外周を覆う蓋部材、前記蓋部材の前記密封部材と一体な部分に上端部を連結した分割開放片部、分割開放片部の下端部に離脱可能な連結部を介して設けた開放阻止片部、開放阻止片部と前記筒部との間に前記連結部が離脱するまで開放阻止片部の離脱を阻止する開放阻止機構を設けてなる構成を有することにより、筒部の外周を覆う蓋部材は、蓋部材の分割開放片部の下端部に連結した開放阻止片部が筒部に開放阻止機構によって係止されていることによって、開き方向及び回転方向において筒部に固定されているから、蓋部材と一体な密封部材が搬送中などに不用意に開放する恐れはなく、また、筒部に開放阻止機構によって係止されている開放阻止片部に抗して蓋部材の分割開放片部に回転力を加えると、連結部が開放阻止片部から離脱して蓋部材を回転操作することができるようになり、そのまま蓋部材を回転させることにより筒部に固定されていた密封部材を筒部に触れることなく容易に回転して切り取ることができる効果がある一方、蓋部材の分割開放片部から開放阻止片部が分離することによって蓋部材の開放証明が得られるから、逆に開放阻止片部が連結部に連結されて筒部に係止されていることによって注出口部材の未使用証明が得られる効果がある。
【0023】
また、本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載の包装袋の注出口部材において、開放阻止片部を分割開放片部の下端部に切り離して離脱可能に連結してなる構成を有することにより、開放阻止片部と分割開放片部とを切り離した痕跡を残して切り離すことができる効果がある。
【0024】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項1又は2に記載の包装袋の注出口部材において、開放阻止機構が分割開放片部を筒部から離脱する時に開放阻止片部が筒部に残るように設けてなる構成を有することにより、開放阻止片部から分割開放片部を確実に離脱することができると共に、開放阻止片部が筒部に残ることによって使用の事実が明白に表示される効果がある。
【0025】
また、本発明は、請求項4に記載のように、請求項1、2又は3に記載の包装袋の注出口部材において、開放阻止機構が開放阻止片部を保護する保護枠部を具備する構成を有することにより、搬送時等に開放阻止片部の筒部からの離脱を確実に防止することができる効果がある。
【0026】
また、本発明は、請求項5に記載のように、請求項1乃至4のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、分割開放片部の外側形状が、密封部材との接続部側から開放端部側まで、長手方向を横断する断面が楕円形状からなる構成を有することにより、離脱操作時に筒部に対して分割開放片部を持って回転操作するのを容易にする効果がある。
【0027】
また、本発明は、請求項6に記載のように、請求項1乃至5のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、分割開放片部が二片一対からなる構成を有することにより、分割開放片部を分割開放して回転操作するのを容易にする効果がある。
【0028】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項1乃至6のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、分割開放片部が蓋部材の一部からなる構成を有することにより、筒部を覆う蓋部材の一部に設けた分割開放片部によって開放阻止機構を構成できると共に、分割開放片部を開放して回転操作し、密封部材を除去することができる効果がある。
【0029】
また、本発明は、請求項8に記載のように、請求項6又は7に記載の包装袋の注出口部材において、蓋部材が二片一対の分割開放片部からなる構成を有することにより、蓋部材の全体を分割開放片部として分割開放することができる効果がある。
【0030】
また、本発明は、請求項9に記載のように、請求項6、7又は8に記載の包装袋の注出口部材において、蓋部材の二片一対の開放阻止片部を含む分割開放片部をほぼ水平に開放した状態で、筒部の左右側面と分割開放片部の内側を型取る左右の横型と、筒部の内筒部と接続部を含んで密封部材及び分割開放片部の外側を型取る上下の縦型とによってプラスチック成形加工してなる構成を有することにより、注出口部材をプラスチックの成形加工によって一体に製作することができる効果がある。
【0031】
また、本発明は、請求項10に記載のように、請求項6乃至9のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、蓋部材の二片一対の分割開放片部が、密封部材との接続部側から開放端部側までの長手方向に沿ってほぼ同一内径を有する構成を有することにより、分割開放片部の内側を形成する横型の型抜きができることにより、同一内径の分割開放片部をプラスチック成形加工により容易に製作することができる効果がある。
【0032】
また、本発明は、請求項11に記載のように、請求項6乃至9のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、蓋部材の二片一対の分割開放片部が、密封部材との接続部側から開放端部側までの長手方向に沿って増大する内径を有する構成を有することにより、分割開放片部の内側を形成する横型の型抜きが容易にできることにより、開放端部に向かって内径が増大する分割開放片部をプラスチック成形加工により容易に製作することができる効果がある。
【0033】
また、本発明は、請求項12に記載のように、請求項1乃至11のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、開放阻止機構が、筒部に設けた凸部と、該凸部に嵌合する開放阻止片部に設けた孔部又は凹部とからなる構成を有することにより、開放阻止機構を容易に構成することができると共に、係止及び分割開放を確実に行うことができる効果がある。
【0034】
また、本発明は、請求項13に記載のように、請求項1乃至12のいずれかに記載の包装袋の注出口部材を具備する包装袋を提供することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図示する実施例において、本発明に係る包装袋の注出口部材10は、包装袋に熱融着される中空状の基部1、先端開口部2が密封部材3に密封された筒部4、密封部材3に上端部を接続部5で連結され筒部4の外周を覆う蓋部材20とからなる。上記注出口部材10において、前記蓋部材20は前記密封部材3と一体な部分に上端部を連結した状態で開放可能に分割する二片一対の外側断面がほぼ楕円形状の分割開放片部6を具備している。即ち、分割開放片部6の上端部が連結した前記密封部材3と一体な部分には、図示の実施例のように、密封部材3に接続部5で連結した蓋部材20全体を構成する二片一対の分割開放片部6が含まれるのみならず、該密封部材3と一体な蓋部材20のスカート部の一部が蓋部材20に上端部を連結した状態で開放可能に分割する分割開放部分6も含まれるものである。なお、分割開放片部6は図示の実施例の二片一対に限らず一個であっても三個以上であっても良い。また、筒部4は実施例では断面が円形状であるが、楕円形状や多角形状であっても良い。
【0036】
前記分割開放片部6の下端部には切り離し可能な連結部33を介して開放阻止片部34が設けてあり、閉じ状態の分割開放片部6の下端部の開放阻止片部34と前記筒部4と間には、蓋部材20及び分割開放片部6の回転と分割開放を阻止する開放阻止機構30が設けてある。開放阻止機構30は、閉じ状態において開放阻止片部34と筒部4と一体な部分を、簡単には分割開放しないように係止する構成で設けてある。図示の実施例では、互いに離脱困難に係合する、開放阻止片部34に設けた孔からなる凹部31と、該凹部31に嵌合する筒部4に突出して設けた凸部32とからなるが、互いに弾性的に装着可能に嵌合するが抜き取ることが困難な従来公知の凹凸部からなるスナップや掛け止め機構、或いは、面で密着接触する面接着剤や面ファスナーで構成することも可能である。また、開放阻止機構30は、開放阻止片部34と筒部4と一体な部分である保護枠部1cとの間に、簡単には分割開放しないように係止する構成で設けることも可能である。
【0037】
基部1には、図7に記載の包装袋40の注出口部41に溶着したときに、注出口部41の頂板となる頂板部1aが水平方向に張り出して設けてあると共に、図3に記載のように、その上方にほぼ同一形状からなる保護枠部1cがスペース筒部1bを介して設けてある。該スペース筒部1bに前記開放阻止機構30を構成する凸部32とこれに係止される開放阻止片部34が配設してあり、前記保護枠部1cに設けた切り欠き部36内に前記連結部33が収まるように配置してある。なお、図7において、42は袋吊り下げ孔である。
【0038】
密封部材3は、図1乃至図4に記載の如く、長方形状の連結片部3aと筒部4の先端開口部2を覆う蓋片部3bとからなる。接続部5は折曲自在な長板状のヒンジ部材からなり、密封部材3の横側に折曲自在に蓋部材20を構成する二片一対の分割開放片部6を連結し、分割開放片部6を水平方向に開放可能に連結してある。なお、筒部4の先端開口部2の下側にはチューブ等をつなぐ場合に確実に連結するための係止突起7,8等が設けてある。9は筒部4の内側の内筒部である。
【0039】
分割開放片部6は、図示の実施例の場合、図4に記載のようにほぼ楕円形状の蓋部材20を長径に沿った分割線部6aで2分割して設けてあり、二片一対の分割開放片部6が蓋部材20の全体を形成する構成に設けてある。また、図2又は図4において、蓋部材20を構成する二片一対の分割開放片部6の上端水平部には相対して組み合わさる凹凸の係合部6bが設けてあり、開放阻止片部34を連結部33で分割開放片部6から切り離す時に分割開放片部6の閉じ状態を強固に維持する補強材となっている。35は分割開放片部6の外側に設けた滑り止め用の突条である。
【0040】
これに対して、分割開放片部6を、蓋部材20の一部を分割線部により分割して、二片一対の分割開放片部6が蓋部材20の一部を形成する構成に設けることも可能である。なお、図では省略したが、二片一対の分割開放片部6が蓋部材20の一部を形成する構成において、分割開放片部6の上端部が前記密封部材3と一体な蓋部材20にヒンジ状に連結し、蓋部材20に対して該蓋部材20の一部をなす分割開放片部6が開閉可能に連結する構成も含まれるものである。
【0041】
また、閉じた分割開放片部6の接合部分となる分割線部6aにおいては、閉じ状態を確実にするために互いに分割開放可能に係合する接合面部を設けることができる。接合面部としては、従来公知の互いに分割開放可能に係合するL型溝部や凹凸溝部から構成することが可能である。
【0042】
上記の構成により、筒部4に装着した蓋部材20の分割開放片部6が閉じた状態では、蓋部材20は筒部4に開放阻止機構30によって係止されているから、開き方向及び回転方向において蓋部材20は筒部4に固定されて密封部材3が搬送中などに不用意に開放する恐れはなくなる。
【0043】
また、筒部4に開放阻止機構30によって係止されていた蓋部材20の分割開放片部6を持って回転すると、連結部33が切れて開放阻止片部34から引き離されて蓋部材20を回転操作することができるようになるから、そのまま蓋部材20を回転させることにより筒部4に固定されていた密封部材3を筒部4に触れることなく容易に回転して切り取ることができる。
【0044】
また、蓋部材20の分割開放片部6から開放阻止片部34が分離することによって蓋部材20の開放証明が得られ、且つ再び被蓋できない非可逆的な構造を有するから、使用済みの包装袋40を再使用又は誤使用する恐れはなくなり、逆に開放阻止片部6が連結部33に連結されて開放阻止片部34によって筒部4に係止されている状態を確認することによって包装袋40の未使用証明が得られる効果がある。
【0045】
上記の構成からなる本願発明に係る包装袋の注出口部材10は、図5及び図6に記載の如く、蓋部材20の二片一対の分割開放片部6をほぼ水平に開放した状態で、筒部4の左右側面と分割開放片部6の内側を型取る左右の横型51と、筒部4の内筒部9と接続部5を含んで密封部材3及び分割開放片部6の外側を型取る上下の縦型52,53とからなる成形型50によって一体にプラスチック射出成形加工することができる。54は固定型枠である。
【0046】
横型51は左右対称に配置され、成形時には、図5に記載のように閉じた状態で射出成形し、離型できるまでプラスチックが冷却して固化した状態で、図6に記載のように左右にスライドして、筒部4の外側と分割開放片部6の内側部分を成形することができる。51aは分割開放片部6の内側成形型部、51bは開放阻止片部34の成形型、51cは蓋片部3bと接続部5の下側の成形型部、51dは筒部4の外周成形型部、51eは開放阻止機構30の凸部32の成形型部、51fは基部1の成形型部である。
【0047】
上縦型部52は、図5の成形時には横型51の上方にあって、密封部材3と分割開放部6の上側を成形して、固化後に図6に記載のように、上方に移動する。52aは分割開放部6の上側部分を成形する成形型部で、開放阻止機構30の孔状の凹部32を成形する突起状の成形型部52bを具備し、中央部に密封部材3と接続部5の上側を成形する成形型部52cを設けてある。
【0048】
下縦型53は、筒部4の内側を成形する中子からなり、型開時には図6に記載のように、下方にスライドして固定型枠54上に本発明に係る注出口部材10を離型する状態で成形が完了する。
【0049】
上記の図6に記載の一体射出成形加工において、型開きの順序は、先ず、左右の横型51を左右にスライドして開き、次いで上縦型52を上方に移動させてから、下縦型53を下方に移動して、下端部を固定型枠54上に支持された注出口部材10を抜き出すこととなる。
【0050】
このことから、本発明に係る包装袋の注出口部材10は、蓋部材20の二片一対の分割開放片部6の内側形状が横型51の型抜きが可能な形状からなることとなり、分割開放片部6の内側形状は、密封部材3との接続部5側から開放端部側まで、その長手方向を横断する断面が円形、楕円形、三角形、多角形、曲線形、又はそれらの組み合わせからなる形状から構成することができる。分割開放片部6は、密封部材3との接続部5側から開放端部側までの長手方向に沿ってほぼ同一内径を有する形状にすることができることは勿論であるが、その長手方向に沿って増大する内径を有する形状にすることもでき、段差をもって増大する内径にすることも勿論可能である。
【0051】
なお、分割開放片部6の上側の形状は、上縦型52の離型可能な形状であれば良いから、蓋部材20の外側形状として分割開放片部6を自由に設計することができることとなる。
【0052】
本発明の技術的範囲は実施例の記載に限定されないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る注出口部材の一実施例の一使用態様を示す概略縦断正面図。
【図2】その概略平面図。
【図3】その他の使用態様を示す概略側面図。
【図4】図3の概略平面図。
【図5】注出口部材の一実施例の成形時の成形型を示す概略縦断正面図。
【図6】その成形型の型開時の状態を示す概略縦断正面図。
【図7】その実施例の一実施態様を示す概略説明図。
【符号の説明】
【0054】
1 基部
1a 頂板部
1b スペース筒部
1c 蓋受枠部
2 先端開口部
3 密封部材
3a 連結片部
3b 蓋片部
4 筒部
5 接続部
6 分割開放片部
6a 分割線部
6b 取っ手部
7 係止突起
8 係止突起
9 内筒部
10 注出口部材
20 蓋部材
30 開放阻止機構
31 凹部
32 凸部
33 連結部
34 開放阻止片部
35 突条
40 包装袋
41 注出口部
42 袋吊り下げ孔
50 成形型
51 横型
52 上縦型
53 下縦型
54 固定型枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋に取り付けられる基部、先端開口部が密封部材に密封された筒部、密封部材に上端部を連結され筒部の外周を覆う蓋部材、前記蓋部材の前記密封部材と一体な部分に上端部を連結した分割開放片部、分割開放片部の下端部に離脱可能な連結部を介して設けた開放阻止片部、開放阻止片部と前記筒部と一体な部分との間に前記連結部が離脱するまで開放阻止片部の離脱を阻止する開放阻止機構を設けてなる包装袋の注出口部材。
【請求項2】
請求項1に記載の包装袋の注出口部材において、開放阻止片部を分割開放片部の下端部に切り離して離脱可能な連結部を介して連結してなる包装袋の注出口部材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の包装袋の注出口部材において、開放阻止機構が分割開放片部を筒部から離脱する時に開放阻止片部が筒部に残るように設けてなる包装袋の注出口部材。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載の包装袋の注出口部材において、開放阻止機構が開放阻止片部を保護する保護枠部を具備する包装袋の注出口部材。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、分割開放片部の外側形状が、密封部材との接続部側から開放端部側まで、長手方向を横断する断面が楕円形状からなる包装袋の注出口部材。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、分割開放片部が二片一対からなる包装袋の注出口部材。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、分割開放片部が蓋部材の一部からなる包装袋の注出口部材。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の包装袋の注出口部材において、蓋部材が二片一対の分割開放片部からなる包装袋の注出口部材。
【請求項9】
請求項6、7又は8に記載の包装袋の注出口部材において、蓋部材の二片一対の開放阻止片部を含む分割開放片部をほぼ水平に開放した状態で、筒部の左右側面と分割開放片部の内側を型取る左右の横型と、筒部の内筒部と接続部を含んで密封部材及び分割開放片部の外側を型取る上下の縦型とによってプラスチック成形加工してなる包装袋の注出口部材。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、蓋部材の二片一対の分割開放片部が、密封部材との接続部側から開放端部側までの長手方向に沿ってほぼ同一内径を有する包装袋の注出口部材。
【請求項11】
請求項6乃至9のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、蓋部材の二片一対の分割開放片部が、密封部材との接続部側から開放端部側までの長手方向に沿って増大する内径を有する包装袋の注出口部材。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載の包装袋の注出口部材において、開放阻止機構が、筒部に設けた凸部と、該凸部に嵌合する開放阻止片部に設けた孔部又は凹部とからなる包装袋の注出口部材。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載の包装袋の注出口部材を具備する包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−132317(P2010−132317A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310398(P2008−310398)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000234627)シロウマサイエンス株式会社 (40)
【出願人】(000143880)株式会社細川洋行 (130)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】