説明

包装袋

【課題】付属品が袋内部空間に収容される被包装物に直接触れることがなく、付属品を保持する追加資材を必要としない又はその使用量を低減できる包装袋を提供することである。
【解決手段】包装袋10は、第1フィルム層20及び第2フィルム層21を含むラミネートフィルム11により、第1フィルム層20を袋の内側として被包装物50が収容される袋内部空間である収容部13を形成してなる。包装袋10は、第1フィルム層20と第2フィルム層21との層間の一部に形成された付属品収容部15(点線で囲んだ部分)と、付属品収容部15を構成する第2フィルム層21の一部をカットして形成される取り出し口16とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂フィルムにより被包装物が収容される袋内部空間を形成してなる包装袋が広く使用されている。該包装袋の一例としては、袋の上縁部、下縁部、及び裏面部の三方をヒートシールした所謂ピロー袋が挙げられ、袋内部空間に収容される被包装物の一例としては、菓子等の食料品やトイレタリー製品等の日用品が挙げられる。
【0003】
このような包装袋には、サンプルや調味料、説明書、キャンペーングッズ、アンケートはがき等の付属品を添付することがある。付属品の添付方法としては、付属品を被包装物と共に袋内に収容する方法、付属品を保持する粘着テープやタックラベルを袋の外面に貼着する方法(例えば、特許文献1参照)等が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009‐202928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、付属品を被包装物と共に袋内に収容する方法では、付属品が被包装物に直接触れるため、例えば、衛生面で問題がある。また、付属品を保持するタックラベル等を袋の外面に貼着する方法では、別途タックラベル等の部材が必要になるため、例えば、コスト面で問題がある。また、袋から付属品がとれてしまうおそれがある。
【0006】
即ち、本発明の目的は、付属品が袋内部空間に収容される被包装物に直接触れることがなく、付属品を保持する追加資材を必要としない又はその使用量を低減でき、且つ袋から付属品がとれることのない包装袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る包装袋は、第1フィルム層及び第2フィルム層を含むラミネートフィルムにより、第1フィルム層を袋の内側として被包装物が収容される袋内部空間である収容部を形成してなる包装袋において、第1フィルム層と第2フィルム層との層間の一部に形成された付属品が収容される付属品収容部と、付属品収容部を構成する第2フィルム層の一部をカットして形成される付属品の取り出し口とを有することを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、第1フィルム層と第2フィルム層との層間を利用して付属品を収容できる。このため、付属品を保持するための追加資材を必要とせず、また流通過程等において袋から付属品がとれ難い。また、収容部と付属品収容部とは、第1フィルム層により隔離されているため、被包装物と付属品とが直接触れることがない。さらに、付属品収容部を構成する第2フィルム層の一部をカットして形成された取り出し口により、収容部を開封することなく付属品を付属品収容部から容易に取り出すことができる。
【0009】
本発明に係る包装袋において、取り出し口に設けられる蓋部を有することが好ましい。
当該構成によれば、流通過程等において、付属品収容部から付属品が抜け出ることを防止できる。
【0010】
本発明に係る包装袋において、蓋部は、取り出し口を覆って、ラミネートフィルム上に剥離可能に貼着されたタックシートとすることができる。
当該構成によれば、タックシートにより取り出し口が覆われるため、流通過程等において、付属品収容部から付属品が抜け出ることをより高度に防止できる。
【0011】
また、本発明に係る包装袋は、第1フィルム層及び第2フィルム層を含むラミネートフィルムにより、第1フィルム層を袋の内側として被包装物が収容される袋内部空間である収容部を形成してなる包装袋において、第1フィルム層と第2フィルム層との層間の一部に形成された付属品が収容される付属品収容部と、付属品収容部を構成する第2フィルム層に設けられる付属品の取り出し口を形成可能な開封手段とを有することができる。
【0012】
上記構成によれば、開封手段により付属品収容部を構成する第2フィルム層に取り出し口を形成できるため、付属品を付属品収容部から容易に取り出すことができる。
【0013】
本発明に係る包装袋において、ラミネートフィルムは、第1フィルム層と第2フィルム層との間に接着層を有し、付属品収容部は、第1フィルム層と第2フィルム層との層間の一部に、該接着層を設けないことにより形成されることが好ましい。
当該構成によれば、第1フィルム層と第2フィルム層との層間の一部に接着層を設けないという簡便な方法により、付属品収容部を形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る包装袋によれば、付属品が袋内部空間に収容される被包装物に直接触れることがない。また、付属品を保持するための追加資材を必要としない、又はその使用量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態である包装袋を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態である包装袋を示す斜視図であって、付属品収容部の取り出し口を開いた状態を示す図である。
【図3】図1のA‐A線に係る要部断面を模式的に示す図である。
【図4】図1のB‐B線に係る要部断面を模式的に示す図である。
【図5】図3において、付属品を付属品収容部に収容した状態を示す。
【図6】図4において、付属品を付属品収容部に収容した状態を示す。
【図7】本発明の実施形態である包装袋の第1の変形例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態である包装袋の第2の変形例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態である包装袋の第3の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である包装袋10を詳細に説明する。
当該実施形態では、所謂ピロー包装袋を例示するが、本発明の適用は、当該形態に限定されず、所謂平袋、サイドガゼット袋、スタンディング袋など、その他の公知形態にも適用できる。また、説明の便宜上、切欠き14が形成されたエンドシール部12a側を包装袋10の「上」とし(もう一方のエンドシール部12a側が「下」)、上下方向に沿ったシール部が形成される側を包装袋10の「裏」とする(「裏」に対向する側が「表」)。
【0017】
まず、図1,2を参照して、包装袋10の構成を詳説する。
図1,2は、第1フィルム層20及び第2フィルム層21を含むラミネートフィルム11により、第1フィルム層20を袋の内側として被包装物50が収容される袋内部空間である収容部13を形成してなる包装袋10において、第1フィルム層20と第2フィルム層21との層間の一部に形成された付属品収容部15(点線で囲んだ部分)と、付属品収容部15を構成する第2フィルム層21の一部をカットして形成される取り出し口16とを有する包装袋10を示す。図1,2の1点鎖線は、被包装物50、付属品100を収容した場合のそれぞれの外形を示す想像線である。
【0018】
図1,2に示すように、包装袋10は、ラミネートフィルム11から構成される袋である。包装袋10は、1枚のラミネートフィルム11の端縁同士を裏面部11bで重ね合わせて、袋の上縁部、下縁部、及び裏面部11bの3箇所で接合部を形成した所謂ピロー包装袋である。このようにして包装袋10は、接合部として、2つのエンドシール部12aと、裏面シール部12bとを有する。エンドシール部12a及び裏面シール部12bは、ラミネートフィルム11の内面同士を所謂ヒートシールして形成されることが好適である。ラミネートフィルム11に、これらシール部を形成することで、密閉された袋内部空間である被包装物50の収容部13が形成される。
【0019】
包装袋10は、収容部13を開封して被包装物50を取り出すときに利用される切欠き14を有する。つまり、切欠き14は、収容部13の開封手段であり、ラミネートフィルム11の切断起点となる。図1,2に示す例では、上縁部のエンドシール部12aの一部をV字状にカットして切欠き14が形成されている。なお、切欠き14は、複数の包装袋10が上下方向につながった長尺体の状態で形成されるため、下端部のエンドシール部12aに切欠き14の形状に対応するV字状の凸部が形成されている。
【0020】
包装袋10は、付属品100を収容する付属品収容部15と、付属品100の取り出し口16と、取り出し口16に設けられた蓋部17とを有する。付属品収容部15は、第1フィルム層20と第2フィルム層21との層間の一部を互いに接合しないことにより形成される(後述の図3参照)。つまり、付属品収容部15は、第1フィルム層20と第2フィルム層21との非接合部である。取り出し口16は、付属品収容部15を構成する第2フィルム層21の一部に形成される開口部であり、該第2フィルム層21の非接合部の一部にカット線18を切り込んで形成される。蓋部17もカット線18により形成される。
【0021】
図1,2に例示する形態では、裏面部11bを構成するラミネートフィルム11の一部に、上下方向に細長く延びた平面視略矩形形状の付属品収容部15が形成されている。一方、付属品収容部15以外の部分では、第1フィルム層20と第2フィルム層21とが互いに接合されている。
【0022】
また、取り出し口16は、蓋部17により開閉される付属品収容部15の開口部であり、付属品収容部15の上部に形成される。下端側に膨らんだ略U字状に切り込まれ、付属品収容部15の左上端角部に一端が、付属品収容部15の右上端角部に他端がそれぞれ交わったカット線18により、取り出し口16が形成されている。取り出し口16は、カット線18と、カット線18の両端を結ぶ直線とに囲まれており、平面視略台形形状を呈する。本実施形態では、カット線18の両端を結ぶ直線と付属品収容部15の上端とが一致している。
【0023】
また、蓋部17は、取り出し口16と同様に、カット線18と、カット線18の両端を結ぶ直線とに囲まれた部分であり、平面視略台形形状を呈する。つまり、取り出し口16と蓋部17とは、同一形状、同一サイズである。例えば、包装袋10の流通過程では、蓋部17が取り出し口16を塞いでいるが(図1参照)、蓋部17は、付属品収容部15の上端で上方に折り曲げることができ、これにより取り出し口16が開放される(図2参照)。なお、蓋部17を折り曲げると、開放された取り出し口16から第1フィルム層20(ドット部分)の表面が表れる。
【0024】
次に、図3,4を参照し、ラミネートフィルム11の積層構造について詳説する。
図3,4は、図1のA‐A線に係る要部断面、B‐B線に係る要部断面をそれぞれ示す。
【0025】
図3,4に示すように、ラミネートフィルム11は、第1フィルム層20と、印刷層23を有する第2フィルム層21と、第1フィルム層20と第2フィルム層21との間に設けられて両層を接合する接着層22とを含む。包装袋10では、第1フィルム層20が袋の内側、即ち収容部13側に配置される。また、印刷層23は、第2フィルム層21の内面側に形成することが好適である。本明細書では、各層において、袋の内側を向いた面を「内面」、袋の外側を向いた面を「外面」とする。
【0026】
ここで、接着層22は、第1フィルム層20と第2フィルム層21との層間で剥離できない程度に両層を接合する。層間で剥離できない程度とは、人の手では剥離が困難である程度を意味する。
【0027】
ラミネートフィルム11の厚みは、50μm〜200μmであることが好ましく、60μm〜100μmであることがより好ましい。第1フィルム層20及び第2フィルム層21の厚みは、例えば、10μm〜100μmに設定できる。接着層22の厚みは、0.5〜30μmであることが好ましく、5μm〜25μmであることがより好ましい。印刷層23の厚みは、1〜10μmであることが好ましい。
【0028】
付属品収容部15は、第1フィルム層20と第2フィルム層21との層間の一部に、接着層22を設けないことにより形成される。そして、付属品収容部15の周囲は、接着層22で囲まれていることが好適である。付属品収容部15では、第1フィルム層20と第2フィルム層21とが両層の積層方向(即ち、ラミネートフィルム11の厚み方向)に対して互いに離間可能であり、付属品100を収容できる空間を形成できる。
【0029】
付属品収容部15のサイズは、接着層22の形成範囲(面積)を変更することで、付属品100のサイズ等に応じて適宜調整できる。但し、包装体としての基本的な機械的特性を維持するため、接着層22が設けられて第1フィルム層20と第2フィルム層21とが互いに接合される部分の面積は、付属品収容部15の面積よりも広くなるように設定される。また、付属品収容部15の形状は、接着層22の形成パターンを変更することで、付属品100の形状等に応じて適宜調整できる。
【0030】
付属品収容部15には、第2フィルム層21のみを切断するカット線18が形成されている(図4参照)。カット線18は、取り出し口16及び蓋部17を形成するための非環状の切断線であり、ラミネートフィルム11を袋の外側からハーフカットすることで形成できる。取り出し口16及び蓋部17のサイズ、形状は、カット線18の形態を変更することで適宜調整できる。
【0031】
ラミネートフィルム11等に適用可能な材料を例示する。
【0032】
ラミネートフィルム11には、耐衝撃性や耐磨耗性など、包装体としての基本的な機械的特性を備えることが要求される。また、ラミネートフィルム11には、ヒートシール性も要求される。本実施形態において、第1フィルム層20には、ヒートシール性を付与するシーラントフィルムが用いられており、第2フィルム層21には、包装体としての基本的な機械的特性を付与するために熱可塑性フィルムが用いられている。高いガスバリア性が要求される場合には、例えば、第1フィルム層20や第2フィルム層21がバリア層を積層されているものを用いてもよい。
【0033】
シーラントフィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のヒートシール性の熱可塑性樹脂から構成される延伸又未延伸フィルムが例示できる。
【0034】
前記熱可塑性フィルムとしては、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)など)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリアミド系樹脂(ナイロン−6、ナイロン−66など)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルスルフォン(PES)及びエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等の熱可塑性樹脂から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
【0035】
バリア層(例えば、ガスバリア性や光バリア性を有する層)としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルムに、アルミニウム等の金属、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物などを蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。また、蒸着フィルムを用いる代わりに、第1フィルム層20や第2フィルム層21に金属や無機化合物などを直接蒸着してもよい。
【0036】
接着層22は、特に限定されることなく種々の接着剤を用いて形成できる。例えば、スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体やスチレン‐ブタジエン‐スチレンブロック共重合体などの合成ゴム系、アクリル樹脂系、オレフィン樹脂系、ウレタン樹脂系、紫外線硬化樹脂系、エチレン‐酢酸ビニル共重合体などの接着剤を使用できる。
【0037】
印刷層23は、特に限定されることなく種々の印刷インキを用いて形成できる。例えば、所望の顔料や染料と、ビヒクルと称されるバインダ樹脂(アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、及びポリアミド樹脂等)と、有機溶剤(エステル系溶剤、アルコール系溶剤、及びケトン系溶剤等)と、添加剤(ワックス、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、分散剤、及び消泡剤等)とを混合したものを印刷インキとして使用できる。印刷層23は、被包装物50の商品名や原材料・使用上の注意事項等の商品説明、その他各種デザインなどを表示する。
【0038】
なお、第1フィルム層20及び第2フィルム層21は、積層構造であってもよい。上記実施形態では、第1フィルム層20としてシーラントフィルム(シーラント層)を用いた形態を例示したが、例えば、第1フィルム層20は、熱可塑性フィルムとシーラントフィルムとが積層されたフィルムを使用してもよく、また、シーラントフィルムにバリア層が積層されたフィルムや、熱可塑性フィルム、バリア層、及びシーラント層が積層されたフィルムを使用してもよい。
また、上記実施形態では、第2フィルム層21として内面側に印刷層23を有する熱可塑性フィルムを用いた形態を例示したが、第2フィルム層21は、さらに、印刷層23の内面側にバリア層を有する構成であってもよく、印刷層23を有していないものであってもよい。
但し、バリア層を設ける場合には、第2フィルム層21に設けると、付属品100の取り出し口16の形成によってバリア性が損なわれるおそれがあるため、第1フィルム層20に形成することが好ましい。
【0039】
次に、図5,6を参照し、付属品100の収容形態について詳説する。
図5,6は、付属品100を付属品収容部15に収容した状態をそれぞれ示す。
【0040】
図5に示すように、付属品収容部15を構成する第1フィルム層20と第2フィルム層21との層間に付属品100が収容される。付属品収容部15では、第1フィルム層20と第2フィルム層21とが互いに接合されていないため、例えば、付属品100を取り出し口16から挿入すると、両層がラミネートフィルム11の厚み方向に対して互いに離間するように撓み、層間に存在する空間が大きくなって、ラミネートフィルム11よりも厚みのある付属品100を収容することが可能となる。
【0041】
図6に示すように、蓋部17が設けられる部分においても、蓋部17を構成する第2フィルム層21と、対向する第1フィルム層20とがラミネートフィルム11の厚み方向に対して互いに離間するように撓む。そして、蓋部17と第1フィルム層20との間に、付属品100を収容可能な空間が形成される。
【0042】
実施形態では、ラミネートフィルム11よりも厚みのある細長いスティック状(図1,2参照)の付属品100を例示しているが、付属品100の形態はこれに限定されない。付属品100の具体例としては、サンプル(インスタントコーヒー等)や調味料(ドレッシング、マスタード等)の入った小袋、食器類(スプーン、フォーク、スポイト等)、お手ふき、ガム用すて紙、納書、アンケートはがきなどが挙げられる。また、被包装物50としては、食料品(インスタントコーヒー、サラダ、ソーセージ、アメやガム等の菓子など)や医薬品が例示できる。
【0043】
上記構成を備える包装袋10の製造方法を例示する。
【0044】
まず初めに、第1フィルム層20の長尺体と、第2フィルム層21の長尺体とを準備し、例えば、第1フィルム層20の一方の面上に凸版印刷機等を使用して上記接着剤を部分的に塗工し接着層22を形成する。このとき、後工程で付属品収容部15となる部分には、接着剤を塗工せず接着層22を形成しない。また、第2フィルム層21の一方の面上には、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等の公知の方法により印刷層23が形成されている。
【0045】
続いて、第1フィルム層20の長尺体と、第2フィルム層21の長尺体とを、接着層22と印刷層23とが互いに対向するように重ね合わせて接合し、ラミネートフィルム11の長尺体を得る。第1フィルム層20にシーラントフィルムを用いる場合には、シーラントフィルムがラミネートフィルムの内面となるように積層する。こうして、第1フィルム層20と第2フィルム層21との層間の一部に、付属品収容部15が形成される。
【0046】
続いて、付属品収容部15を構成する第2フィルム層21に、カット線18を切り込んで、取り出し口16及び蓋部17を形成する。そして、付属品収容部15、取り出し口16、及び蓋部17が形成されたラミネートフィルム11の長尺体を巻き取り、製袋機に供給可能なロール形態とする。
【0047】
続いて、ラミネートフィルム11の長尺体(ロール形態)を製袋機に供給し、被包装物50を包装して包装袋10を形成する。製袋工程では、ラミネートフィルム11の長尺体の第1フィルム層20が袋の内側に配置されるように該長尺体の端縁同士を裏面部11bで重ね合わせて、裏面シール部12bをヒートシールにより形成した後、2つのエンドシール部12aを形成する。このとき、被包装物50をラミネートフィルム11で包んでから各シール部を形成してもよいし、1つのエンドシール部12aと裏面シール部12bとを形成した状態で被包装物50を袋内に充填してから残りのエンドシール部12aを形成してもよい。こうして、複数の包装袋10が上下方向につながった包装袋10の連続体が得られる。該連続体は、エンドシール部12aで個々の包装袋10にカットされる。
【0048】
最後に、包装袋10の付属品収容部15に付属品100を収容する。付属品100は、例えば、手作業により取り出し口16から挿入される。こうして、収容部13に被包装物50が収容され、付属品収容部15に付属品100が収容された包装袋10が得られる。
【0049】
以上のように、包装袋10は、ラミネートフィルム11を構成する第1フィルム層20と第2フィルム層21との層間の一部に形成された付属品収容部15により付属品100を収容できる。なお、付属品100は、取り出し口16から容易に取り出すことができる。取り出し口16には、第2フィルム層21の一部から構成される蓋部17が設けられているため、流通過程等において、付属品収容部15から付属品100が抜け出ることを防止できる。
【0050】
包装袋10によれば、付属品100を保持するための追加資材を必要としないため、例えば、資材コストを抑えることができる。また、被包装物50と付属品100とは、第1フィルム層20により隔離されていて直接触れることがないため、例えば、衛生上の問題を防止できる。
【0051】
上記実施形態は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。
以下、設計変更例(変形例)を示す。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素には、同じ符号を付して重複する説明を省略する。
【0052】
図7は、変形例である包装袋10xにおいて、付属品収容部15x及びその近傍を拡大して示す平面図である。図7に示すように、付属品収容部15xは、平面視略正方形状を呈する。また、付属品収容部15xには、その上部に略V字状のカット線18xが切り込まれて、平面視略三角形状の取り出し口16x及び蓋部17xが形成されている。そして、(取り出し口16xを覆う蓋部17xと、カット線18xとを覆うように第2の蓋部であるタックシート30が、第2フィルム層21xの外面上に貼着されている。これにより、付属品100xが付属品収容部15xから抜け出すことを防止できると共に、再封が可能になる。なお、タックシート30には、糊抑え処理した摘み部31を形成できる。
【0053】
図8は、変形例である包装袋10yにおいて、付属品収容部15y及びその近傍を拡大して示す平面図である。図8に示すように、付属品収容部15yの上部には、環状のカット線18yによってその内側の領域が切り取られて、平面視略楕円形状の取り出し口16yが形成されている。そして、包装袋10yでは、第2フィルム層21の一部から構成される蓋部17が設けられていない。但し、取り出し口16yを覆う蓋部として、摘み部31yを含むタックシート30yが、第2フィルム層21yの外面上に貼着されている。これにより、付属品100yが付属品収容部15yから抜け出すことを防止できると共に、再封が可能になる。タックシート30yは、取り出し口16yに対応する部分に、接着力を抑える処理(例えば、被覆層を設ける等)がされていてもよい。
【0054】
図9は、変形例である包装袋10zにおいて、付属品収容部15z及びその近傍を拡大して示す平面図である(同図では、ミシン目線32を点線で示し、ミシン目線32以外の付属品収容部15zの輪郭線は実線とする)。図9に示すように、付属品収容部15zには、取り出し口16が形成されていない。但し、付属品収容部15zの右上端角部には、開封起点部として略L字状のカット線18zが形成されており、カット線18zから付属品収容部15zの上端及び左右両端に沿ってミシン目線32が形成されている。カット線18z及びミシン目線32は、付属品100zの取り出し口を形成するための開封手段であり、第2フィルム層21zのみに形成されている。これにより、例えば、付属品収容部15zの右上端角部を摘み、ミシン目線32に沿って付属品収容部15zを構成する第2フィルム層21zを切断でき、付属品100zの取り出し口を形成することができる。
【0055】
包装袋10zは、例えば、ラミネートフィルムを形成するときに、第1フィルム層の接着層が形成されていない部分に付属品100zを載置した状態で、第1フィルム層と第2フィルム層21zとを接合し、その後、カット線18z及びミシン目線32を形成して得られる。なお、開封手段としては、カット線18zのみから構成されてもよく(即ち、ミシン目線32を有さない構成)、或いはミシン目線32の代わりに第2フィルム層21yをハーフカットするハーフカット線を用いてもよい。
【0056】
また、上記では、接着層22を設けないことにより、付属品収容部15を形成するものとして説明したが、第1フィルム層20の全面に接着層22を形成した後、接着層22上に非接着層を設けることで付属品収容部15を形成してもよい。非接着層は、例えば、シリコーン樹脂やワックス類等の剥離剤を含むインキを用いて形成できる。或いは、所謂熱ラミネートによりラミネートフィルム11を作製し、第1フィルム層20と第2フィルム層21との層間の一部を熱ラミネートしないことにより付属品収容部15を形成してもよい。
【0057】
また、上記では、包装袋10の裏面部11bに付属品収容部15を形成するものとして説明したが、付属品収容部15は、表面部11aに形成されてもよく、表面部11a及び裏面部11bの両方に形成されてもよい。或いは、表面部11a又は裏面部11bに、複数の付属品収容部15が形成されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10 包装袋、11 ラミネートフィルム、11a 表面部、11b 裏面部、12a エンドシール部、12b 裏面シール部、13 収容部、14 切欠き、15 付属品収容部、16 取り出し口、17 蓋部、18 カット線、20 第1フィルム層、21 第2フィルム層、22 接着層、23 印刷層、30 タックシート、31 摘み部、32 ミシン目線、50 被包装物、100 付属品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フィルム層及び第2フィルム層を含むラミネートフィルムにより、第1フィルム層を袋の内側として被包装物が収容される袋内部空間である収容部を形成してなる包装袋において、
第1フィルム層と第2フィルム層との層間の一部に形成された付属品が収容される付属品収容部と、
付属品収容部を構成する第2フィルム層の一部をカットして形成される付属品の取り出し口と、
を有することを特徴とする包装袋。
【請求項2】
請求項1に記載の包装袋において、
取り出し口に設けられる蓋部を有することを特徴とする包装袋。
【請求項3】
請求項2に記載の包装袋において、
蓋部は、取り出し口を覆って、ラミネートフィルム上に剥離可能に貼着されたタックシートであることを特徴とする包装袋。
【請求項4】
第1フィルム層及び第2フィルム層を含むラミネートフィルムにより、第1フィルム層を内部側として被包装物が収容される袋内部空間である収容部を形成してなる包装袋において、
第1フィルム層と第2フィルム層との層間の一部に形成された付属品が収容される付属品収容部と、
付属品収容部を構成する第2フィルム層に設けられた付属品の取り出し口を形成可能な開封手段と、
を有することを特徴とする包装袋。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1に記載の包装袋において、
ラミネートフィルムは、第1フィルム層と第2フィルム層との間に接着層を有し、
付属品収容部は、第1フィルム層と第2フィルム層との層間の一部に、該接着層を設けないことにより形成されることを特徴とする包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−103762(P2013−103762A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251297(P2011−251297)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】