包装装置
【課題】充填物が入れられた袋を振動する一対の整形板で押圧することによって、扁平な形状で均一な厚さ寸法の包装体を製造できる包装装置を提供する。
【解決手段】支持部材23の両端部にはエアシリンダー25、26がそれぞれ備えられ、エアシリンダー25、26にそれぞれ備えられた一対の整形板37、37は、コイルバネ41によって米Rが入れられた袋Sを挟んで逆ハの字の姿勢に保持されている。この一対の整形板37、37の裏面にはバイブレーター39が取り付けられ、バイブレーター39によって一対の整形板37、37が振動させられる。この一対の整形板37、37によって袋Sが押圧されると、米Rが袋Sを介して振動させられ、米Rどうしが互いに押し合った状態にならず、流動性が確保される。従って、一対の整形板37、37で米Rを押圧しても米Rは袋S内の上端側へ移動でき、扁平な形状で均一な厚さ寸法の包装体Pが製造できる。
【解決手段】支持部材23の両端部にはエアシリンダー25、26がそれぞれ備えられ、エアシリンダー25、26にそれぞれ備えられた一対の整形板37、37は、コイルバネ41によって米Rが入れられた袋Sを挟んで逆ハの字の姿勢に保持されている。この一対の整形板37、37の裏面にはバイブレーター39が取り付けられ、バイブレーター39によって一対の整形板37、37が振動させられる。この一対の整形板37、37によって袋Sが押圧されると、米Rが袋Sを介して振動させられ、米Rどうしが互いに押し合った状態にならず、流動性が確保される。従って、一対の整形板37、37で米Rを押圧しても米Rは袋S内の上端側へ移動でき、扁平な形状で均一な厚さ寸法の包装体Pが製造できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装装置に係り、特に被充填物が入れられた袋を整形部材で押圧することによって、扁平で均一な厚さ寸法の包装体を製造する包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載された袋の整形装置を備えた縦型真空包装装置では、互いに対向し、且つ逆ハの字状に配置された一対の整形板が備えられ、一対の整形板の対向領域には充填物としての粉状体又は粒状体が入れられた袋が備えられている。そして、一対の整形板が閉じて、充填物が入れられた袋の下端部から上端部へ向かって順次押圧することにより、充填物が下端部へ片寄るのを少なくして扁平な形状の包装体を製造しようとしている。
【0003】
しかしながら、上記従来の袋の整形装置を備えた縦型真空包装装置では、一対の整形板で単に充填物が入れられた袋を押圧しているだけなので、充填物が互いに押し合った状態になり流動できなくなってしまう。従って、充填物が袋の上端部へ移動せずに片寄った状態のまま押し固められてしまい扁平な形状の包装体を製造することができないという問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開2001−39408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、充填物が入れられた袋を振動する一対の整形板で押圧することによって、扁平な形状で均一な厚さ寸法の包装体を製造できる包装装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、上端が開口し、充填物が入れられた袋を支持する袋支持手段と、前記袋支持手段により支持された袋を挟んで互いに対向して配置される一対の整形部材と、前記一対の整形部材を近接離間する方向へ駆動する整形部材駆動手段と、前記整形部材駆動手段によって前記一対の整形部材が互いに近接する方向へ駆動されると、前記一対の整形部材が袋の下端部から上端部に向かって順次袋に対する押圧面積を増やしていく押圧調整手段と、前記一対の整形部材を振動させる振動手段と、前記一対の整形部材によって押圧された状態のまま充填物が入れられた袋の上端側開口をシールするシール手段とを具備することを特徴とする包装装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した包装装置において、一対の整形部材は硬質部材と弾性部材とが貼り合わされて構成され、前記弾性部材側の面が押圧面になっていることを特徴とする包装装置である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した包装装置において、一対の整形部材は硬質部材によって構成されていることを特徴とする包装装置である。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1または2に記載した包装装置において、一対の整形部材の其々の押圧面には多数の凹部が形成されていることを特徴とする包装装置である。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1または2に記載した包装装置において、一対の整形部材の其々の押圧面は平滑になっていることを特徴とする包装装置である。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかに記載した包装装置において、充填物が入れられた袋内のエアを抜く脱気手段が備えられ、押圧されて袋が扁平になった後、前記脱気手段によって前記袋内のエアが抜かれ、そのままの状態でシール手段によって袋の上端側開口がシールされることを特徴とする包装装置である。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかに記載した包装装置において、一対の整形部材は交換可能になっていることを特徴とする包装装置である。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかに記載した包装装置において、充填物は粒状物であることを特徴とする包装装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の包装装置によれば、振動手段によって一対の整形部材が振動させられるため、この一対の整形部材で袋が押圧されると、袋を介して充填物が振動させられる。このため、袋に入れられた充填物は充填物どうしが互いに押し合った状態にならず、この充填物の流動性が確保される。従って、一対の整形部材で充填物が入れられた袋を押圧しても、充填物は袋内の上端側へ移動可能となり、扁平な形状で均一な厚さ寸法の包装体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明の実施の形態に係る、後述する包装装置1によって製造した包装体Pを示す。
包装体Pは扁平な形状で均一な厚さ寸法に形成されている。この包装体Pは、後述する長方形の袋Sに充填物としての米Rが入れられ、袋Sの四辺がシールされて、袋Sに米Rが封入されて構成されている。
図2で示すように、袋Sと米Rは、米Rの形状が袋Sの表面に現れるほど密着している。
【0016】
以下、包装体Pを製造する包装装置1について説明する。
符号3は本体を示し、本体3の左端部側には充填ノズル5が備えられおり、充填ノズル5は図示しない貯留タンクに接続されている。
この充填ノズル5の下方領域には、整形装置21が設けられており、この整形装置21は、図8に示す左側へ寄った位置(以下、ホームポジションという。)から、図9に示す右側に寄った位置(以下、受け渡しポジションという。)との間で図示しない機構によって往復動作できるようになっている。
【0017】
図3に整形装置21の詳細な構造を示す。
符号23は支持部材を示し、支持部材23の両端部には整形部材駆動手段としてのエアシリンダー25、26がそれぞれ備えられている。
これらエアシリンダー25、26は左右対称の構造となっており、またエアシリンダー25、26にそれぞれ取り付けられる各部材も、左右対称構造となっているので、エアシリンダー25側を代表例として説明し、エアシリンダー26側の構造に取り付けられる各部材については、エアシリンダー25側と同じ符号を付して説明を省略する。
【0018】
符号24はシャフトケースを示し、このシャフトケース24には上下に配された一対のガイドシャフト27、27が出入自在に備えられ、またシャフトケース24には駆動シャフト29が出入自在に備えられている。駆動シャフト29はガイドシャフト27、27の間に配置され、この駆動シャフト29は出入方向へ駆動されるようになっている(図5から図7参照)。
ガイドシャフト27、27と駆動シャフト29の一端部には保持プレート31が設けられ、この保持プレート31の上端部にはクランプ部材30が取り付けられている。このクランプ部材30は互いに対向する側に弾性部材32を有している。
クランプ部材30の下面には、側面視L字形の支持片34が固定され、この支持片34には、ヒンジ35を介して整形部材としての整形板37が揺動自在に取り付けられている。ヒンジ35は取付けネジ36によって支持片34に取り付けられている。従って、取付けネジ36を外せば、整形板37、37を取り外すことができ、後述する他の整形板が固定されたヒンジを取付けネジ36によって支持片34に取り付けることにより、他の整形板に交換可能である。
【0019】
また、保持プレート31には、ベースプレート33が取り付けられている。このベースプレート33の上端部には、この整形板37とベースプレート33の下端部には、押圧調整手段としてのコイルバネ41が介装されており、このコイルバネ41の付勢力によって、整形板37は、その下端部同士が互いに近づく傾斜姿勢に保持されている。すなわち、エアシリンダー25、26にそれぞれ備えられた一対の整形板37、37は、コイルバネ41によって逆ハの字となる姿勢に保たれている。
また、この整形板37の裏面には、振動手段としてのバイブレーター39が取り付けられている。このバイブレーター39は、所定の経路をマスが圧縮空気によって高速運動することにより、振動するものである。
図4に示すように、この整形板37は、硬質部材としてのステンレス板43と弾性部材としてのゴム板45が貼り合わされて構成されており、このゴム板45には多数の凹部47が形成されている。また、このゴム板45の表面が押圧面となっている。
【0020】
符号7、7は袋支持手段としてのクランプ部材を示し、これらクランプ部材7、7は本体3に備えられている。これらクランプ部材7、7は、ホームポジションに位置する整形装置21の上方に配置されている。
さらに、ホームポジションに位置する整形装置21の上方には、脱気手段としての脱気ノズル9が備えられており、この脱気ノズル9は図示しない真空ポンプに接続されている。
また、本体3にはシール手段としてのシール装置10が備えられ、このシール装置10は受け渡しポジションに位置する整形装置21の上方に配置されている。
【0021】
次に、この包装装置1の動作について説明する。
まず、図示しない包装装置1のスイッチをONにし、バイブレーター39を作動させ一対の整形板37、37を振動させる。
図示しない供給装置によって袋Sが供給され、この袋Sはクランプ部材7、7によって保持されて、この袋Sの上端側開口が拡げられる。そして、充填ノズル5から袋S内へ米Rが充填され、この米Rは袋S内の下端部に溜まる。
また、脱気ノズル9が下降して袋Sの上端側開口より袋S内へ進入する。
【0022】
次いで、整形装置21が受け渡しポジションから左方向(以下、A方向という。)へ移動し、ホームポジションで停止する。図5に示すように、この整形装置21は、一対の整形板37、37が袋Sを挟んで互いに対向した位置で停止する。
そして、駆動シャフト29が突出する方向へ駆動され、これに伴いガイドシャフト27、27が同方向へ駆動されて、一対の整形板37、37が互いに近接する方向へ動作する。
図6に示すように、一対の整形板37、37は逆ハの字の姿勢となっているので、米Rが入れられた袋Sの下端部から上端部に向かって順次袋Sに対する押圧面積を増やしながら袋Sを押圧する。従って、米Rは袋Sを介して袋S内の下端部から上端側に向かって押し上げられるように押圧される。
【0023】
上述のように、一対の整形板37、37はバイブレーター39によって振動させられているので、この振動が袋Sを介して米Rに伝えられ、米Rが振動させられる。従って、米Rは整形板37、37により両側面から押圧されても互いに押し合った状態にならず米Rの流動性が確保される。よって、米Rが袋S内の上端側へスムーズに押し上げられて、図7に示すように、米Rは均一な厚さに拡げられる。
一対の整形板37、37の押圧面は多数の凹部47が形成されているので、米Rが袋Sを介して多数の凹部47に入り込んだ状態となり、一対の整形板37、37の振動が米Rに効率よく伝えられる。
【0024】
一方、整形板37、37が互いに近接する方向へ駆動されると袋Sの上端側開口は一対の弾性部材32、32によって閉鎖される。そして、袋S内に進入している脱気ノズル9は、袋Sを介して一対の弾性部材32、32に挟まれた状態となる。一対の弾性部材32、32は脱気ノズル9の形状に弾性変形するため、袋Sの上端側開口は閉じられる。そして、脱気ノズル9によって袋S内のエアが抜かれる。
図8に示すように、整形装置21が若干下側へ移動し、脱気ノズル9は袋Sから抜かれる。そして、一対の整形板37、37は袋Sを保持したままの状態で右方向(以下、B方向という。)へ移動し、図9に示すように、整形装置21は受け渡しポジションで停止する。
【0025】
受け渡しポジションにおいて、袋Sの上端側開口が一対の弾性部材32、32によって隙間のない状態に閉じられたままの状態で、シール装置10によってシールされて、米Rが封入され、包装体Pが製造される。
次いで、駆動シャフト29が引っ込む方向へ駆動し、ガイドシャフト27、27が同方向へ駆動され、一対の整形板37、37が互いに離間する方向へ動作する。これにより一対の整形板37、37の包装体Pを保持した状態が解除され、包装体Pは落下して、図示しないシュートを通り機外へ排出される。
そして、図10に示すように、整形装置21はA方向へ移動し、ホームポジションにおいて上述した動作を行い、そしてB方向へ移動し、上述した動作を行うことによって、連続して包装体Pが製造される。
【0026】
上記の包装装置1では、バイブレーター39によって一対の整形板37、37が振動させられる。従って、一対の整形板37、37によって袋Sが押圧されると、袋Sを介して米Rが振動させられる。これにより、袋Sに入れられた米Rどうしが互いに押し合った状態にならず、米Rの流動性が確保される。従って、一対の整形板37、37で米Rを押圧しても、米Rは袋S内の上端側へ移動でき、扁平な形状で均一な厚さ寸法の包装体Pを製造することができる。
【0027】
上述した実施の形態では充填物としての米Rを用いたが、充填物は粒状物である米Rに限らず茶葉等であってもよい。この場合、一対の整形板49、49は、図11に示すように、押圧面が平滑なステンレス板を単体で使用する。
そして、振動する一対の整形板49、49で茶葉等が入れられた袋を押圧すると、茶葉等は袋内の上端側へスムーズに押し上げられて、平坦な形状で均一な厚さ寸法の包装体が製造される。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の構成に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
図12に示すように、整形板50はステンレス板43とゴム板46が貼り合わされて構成されており、ゴム板46の表面が押圧面となる。この整形板50のゴム板46ように、表面が平滑であってもよい。
すなわち、充填物の種類によって整形板の構成を適宜に変更する。
整形板に取り付けられたバイブレーターは、上記実施の形態に示したものに限られず、モーターに偏心したマスをつけ回転させて、その遠心力によって振動を発生させるものや、電磁石を利用し振動を発生させるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の包装装置は、米や茶葉等の食品に限らず、食品以外の粒状物や、粉状物等を包装するために利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態に係る包装装置によって製造された包装体の斜視図である。
【図2】図1の包装体の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る包装装置に備えられる整形装置の斜視図である。
【図4】図3の整形装置に備えられる整形板の断面図である。
【図5】図3の整形装置の動作を説明するための図である。
【図6】図5に続く動作を説明するための図である。
【図7】図6に続く動作を説明するための図である。
【図8】図3の整形装置がホームポジションに位置する図である。
【図9】図3の整形装置が受け渡しポジションに位置する図である。
【図10】図9の整形装置がホームポジションへ戻る図である。
【図11】図4の整形板の他の実施の形態にかかる断面図である。
【図12】図4の整形板の他の実施の形態にかかる断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 … 包装装置 3 … 本体
5 … 充填ノズル 7 … クランプ部材
9 … 脱気ノズル 10 … シール装置
21 … 整形装置 23 … 支持部材
24 … シャフトケース 25、26 … エアシリンダー
27 … ガイドシャフト 29 … 駆動シャフト
30 … クランプ部材 31 … 保持プレート
32 … 弾性部材 33 … ベースプレート
35 … ヒンジ 37 … 整形板
39 … バイブレーター 41 … コイルバネ
43 … ステンレス板 45 … ゴム板
46 … ゴム板 47 … 凹部
49 … 整形板 50 … 整形板
R … 米 S … 袋
P … 包装体
【技術分野】
【0001】
本発明は包装装置に係り、特に被充填物が入れられた袋を整形部材で押圧することによって、扁平で均一な厚さ寸法の包装体を製造する包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載された袋の整形装置を備えた縦型真空包装装置では、互いに対向し、且つ逆ハの字状に配置された一対の整形板が備えられ、一対の整形板の対向領域には充填物としての粉状体又は粒状体が入れられた袋が備えられている。そして、一対の整形板が閉じて、充填物が入れられた袋の下端部から上端部へ向かって順次押圧することにより、充填物が下端部へ片寄るのを少なくして扁平な形状の包装体を製造しようとしている。
【0003】
しかしながら、上記従来の袋の整形装置を備えた縦型真空包装装置では、一対の整形板で単に充填物が入れられた袋を押圧しているだけなので、充填物が互いに押し合った状態になり流動できなくなってしまう。従って、充填物が袋の上端部へ移動せずに片寄った状態のまま押し固められてしまい扁平な形状の包装体を製造することができないという問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開2001−39408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、充填物が入れられた袋を振動する一対の整形板で押圧することによって、扁平な形状で均一な厚さ寸法の包装体を製造できる包装装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、上端が開口し、充填物が入れられた袋を支持する袋支持手段と、前記袋支持手段により支持された袋を挟んで互いに対向して配置される一対の整形部材と、前記一対の整形部材を近接離間する方向へ駆動する整形部材駆動手段と、前記整形部材駆動手段によって前記一対の整形部材が互いに近接する方向へ駆動されると、前記一対の整形部材が袋の下端部から上端部に向かって順次袋に対する押圧面積を増やしていく押圧調整手段と、前記一対の整形部材を振動させる振動手段と、前記一対の整形部材によって押圧された状態のまま充填物が入れられた袋の上端側開口をシールするシール手段とを具備することを特徴とする包装装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した包装装置において、一対の整形部材は硬質部材と弾性部材とが貼り合わされて構成され、前記弾性部材側の面が押圧面になっていることを特徴とする包装装置である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した包装装置において、一対の整形部材は硬質部材によって構成されていることを特徴とする包装装置である。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1または2に記載した包装装置において、一対の整形部材の其々の押圧面には多数の凹部が形成されていることを特徴とする包装装置である。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1または2に記載した包装装置において、一対の整形部材の其々の押圧面は平滑になっていることを特徴とする包装装置である。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかに記載した包装装置において、充填物が入れられた袋内のエアを抜く脱気手段が備えられ、押圧されて袋が扁平になった後、前記脱気手段によって前記袋内のエアが抜かれ、そのままの状態でシール手段によって袋の上端側開口がシールされることを特徴とする包装装置である。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかに記載した包装装置において、一対の整形部材は交換可能になっていることを特徴とする包装装置である。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかに記載した包装装置において、充填物は粒状物であることを特徴とする包装装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の包装装置によれば、振動手段によって一対の整形部材が振動させられるため、この一対の整形部材で袋が押圧されると、袋を介して充填物が振動させられる。このため、袋に入れられた充填物は充填物どうしが互いに押し合った状態にならず、この充填物の流動性が確保される。従って、一対の整形部材で充填物が入れられた袋を押圧しても、充填物は袋内の上端側へ移動可能となり、扁平な形状で均一な厚さ寸法の包装体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明の実施の形態に係る、後述する包装装置1によって製造した包装体Pを示す。
包装体Pは扁平な形状で均一な厚さ寸法に形成されている。この包装体Pは、後述する長方形の袋Sに充填物としての米Rが入れられ、袋Sの四辺がシールされて、袋Sに米Rが封入されて構成されている。
図2で示すように、袋Sと米Rは、米Rの形状が袋Sの表面に現れるほど密着している。
【0016】
以下、包装体Pを製造する包装装置1について説明する。
符号3は本体を示し、本体3の左端部側には充填ノズル5が備えられおり、充填ノズル5は図示しない貯留タンクに接続されている。
この充填ノズル5の下方領域には、整形装置21が設けられており、この整形装置21は、図8に示す左側へ寄った位置(以下、ホームポジションという。)から、図9に示す右側に寄った位置(以下、受け渡しポジションという。)との間で図示しない機構によって往復動作できるようになっている。
【0017】
図3に整形装置21の詳細な構造を示す。
符号23は支持部材を示し、支持部材23の両端部には整形部材駆動手段としてのエアシリンダー25、26がそれぞれ備えられている。
これらエアシリンダー25、26は左右対称の構造となっており、またエアシリンダー25、26にそれぞれ取り付けられる各部材も、左右対称構造となっているので、エアシリンダー25側を代表例として説明し、エアシリンダー26側の構造に取り付けられる各部材については、エアシリンダー25側と同じ符号を付して説明を省略する。
【0018】
符号24はシャフトケースを示し、このシャフトケース24には上下に配された一対のガイドシャフト27、27が出入自在に備えられ、またシャフトケース24には駆動シャフト29が出入自在に備えられている。駆動シャフト29はガイドシャフト27、27の間に配置され、この駆動シャフト29は出入方向へ駆動されるようになっている(図5から図7参照)。
ガイドシャフト27、27と駆動シャフト29の一端部には保持プレート31が設けられ、この保持プレート31の上端部にはクランプ部材30が取り付けられている。このクランプ部材30は互いに対向する側に弾性部材32を有している。
クランプ部材30の下面には、側面視L字形の支持片34が固定され、この支持片34には、ヒンジ35を介して整形部材としての整形板37が揺動自在に取り付けられている。ヒンジ35は取付けネジ36によって支持片34に取り付けられている。従って、取付けネジ36を外せば、整形板37、37を取り外すことができ、後述する他の整形板が固定されたヒンジを取付けネジ36によって支持片34に取り付けることにより、他の整形板に交換可能である。
【0019】
また、保持プレート31には、ベースプレート33が取り付けられている。このベースプレート33の上端部には、この整形板37とベースプレート33の下端部には、押圧調整手段としてのコイルバネ41が介装されており、このコイルバネ41の付勢力によって、整形板37は、その下端部同士が互いに近づく傾斜姿勢に保持されている。すなわち、エアシリンダー25、26にそれぞれ備えられた一対の整形板37、37は、コイルバネ41によって逆ハの字となる姿勢に保たれている。
また、この整形板37の裏面には、振動手段としてのバイブレーター39が取り付けられている。このバイブレーター39は、所定の経路をマスが圧縮空気によって高速運動することにより、振動するものである。
図4に示すように、この整形板37は、硬質部材としてのステンレス板43と弾性部材としてのゴム板45が貼り合わされて構成されており、このゴム板45には多数の凹部47が形成されている。また、このゴム板45の表面が押圧面となっている。
【0020】
符号7、7は袋支持手段としてのクランプ部材を示し、これらクランプ部材7、7は本体3に備えられている。これらクランプ部材7、7は、ホームポジションに位置する整形装置21の上方に配置されている。
さらに、ホームポジションに位置する整形装置21の上方には、脱気手段としての脱気ノズル9が備えられており、この脱気ノズル9は図示しない真空ポンプに接続されている。
また、本体3にはシール手段としてのシール装置10が備えられ、このシール装置10は受け渡しポジションに位置する整形装置21の上方に配置されている。
【0021】
次に、この包装装置1の動作について説明する。
まず、図示しない包装装置1のスイッチをONにし、バイブレーター39を作動させ一対の整形板37、37を振動させる。
図示しない供給装置によって袋Sが供給され、この袋Sはクランプ部材7、7によって保持されて、この袋Sの上端側開口が拡げられる。そして、充填ノズル5から袋S内へ米Rが充填され、この米Rは袋S内の下端部に溜まる。
また、脱気ノズル9が下降して袋Sの上端側開口より袋S内へ進入する。
【0022】
次いで、整形装置21が受け渡しポジションから左方向(以下、A方向という。)へ移動し、ホームポジションで停止する。図5に示すように、この整形装置21は、一対の整形板37、37が袋Sを挟んで互いに対向した位置で停止する。
そして、駆動シャフト29が突出する方向へ駆動され、これに伴いガイドシャフト27、27が同方向へ駆動されて、一対の整形板37、37が互いに近接する方向へ動作する。
図6に示すように、一対の整形板37、37は逆ハの字の姿勢となっているので、米Rが入れられた袋Sの下端部から上端部に向かって順次袋Sに対する押圧面積を増やしながら袋Sを押圧する。従って、米Rは袋Sを介して袋S内の下端部から上端側に向かって押し上げられるように押圧される。
【0023】
上述のように、一対の整形板37、37はバイブレーター39によって振動させられているので、この振動が袋Sを介して米Rに伝えられ、米Rが振動させられる。従って、米Rは整形板37、37により両側面から押圧されても互いに押し合った状態にならず米Rの流動性が確保される。よって、米Rが袋S内の上端側へスムーズに押し上げられて、図7に示すように、米Rは均一な厚さに拡げられる。
一対の整形板37、37の押圧面は多数の凹部47が形成されているので、米Rが袋Sを介して多数の凹部47に入り込んだ状態となり、一対の整形板37、37の振動が米Rに効率よく伝えられる。
【0024】
一方、整形板37、37が互いに近接する方向へ駆動されると袋Sの上端側開口は一対の弾性部材32、32によって閉鎖される。そして、袋S内に進入している脱気ノズル9は、袋Sを介して一対の弾性部材32、32に挟まれた状態となる。一対の弾性部材32、32は脱気ノズル9の形状に弾性変形するため、袋Sの上端側開口は閉じられる。そして、脱気ノズル9によって袋S内のエアが抜かれる。
図8に示すように、整形装置21が若干下側へ移動し、脱気ノズル9は袋Sから抜かれる。そして、一対の整形板37、37は袋Sを保持したままの状態で右方向(以下、B方向という。)へ移動し、図9に示すように、整形装置21は受け渡しポジションで停止する。
【0025】
受け渡しポジションにおいて、袋Sの上端側開口が一対の弾性部材32、32によって隙間のない状態に閉じられたままの状態で、シール装置10によってシールされて、米Rが封入され、包装体Pが製造される。
次いで、駆動シャフト29が引っ込む方向へ駆動し、ガイドシャフト27、27が同方向へ駆動され、一対の整形板37、37が互いに離間する方向へ動作する。これにより一対の整形板37、37の包装体Pを保持した状態が解除され、包装体Pは落下して、図示しないシュートを通り機外へ排出される。
そして、図10に示すように、整形装置21はA方向へ移動し、ホームポジションにおいて上述した動作を行い、そしてB方向へ移動し、上述した動作を行うことによって、連続して包装体Pが製造される。
【0026】
上記の包装装置1では、バイブレーター39によって一対の整形板37、37が振動させられる。従って、一対の整形板37、37によって袋Sが押圧されると、袋Sを介して米Rが振動させられる。これにより、袋Sに入れられた米Rどうしが互いに押し合った状態にならず、米Rの流動性が確保される。従って、一対の整形板37、37で米Rを押圧しても、米Rは袋S内の上端側へ移動でき、扁平な形状で均一な厚さ寸法の包装体Pを製造することができる。
【0027】
上述した実施の形態では充填物としての米Rを用いたが、充填物は粒状物である米Rに限らず茶葉等であってもよい。この場合、一対の整形板49、49は、図11に示すように、押圧面が平滑なステンレス板を単体で使用する。
そして、振動する一対の整形板49、49で茶葉等が入れられた袋を押圧すると、茶葉等は袋内の上端側へスムーズに押し上げられて、平坦な形状で均一な厚さ寸法の包装体が製造される。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の構成に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
図12に示すように、整形板50はステンレス板43とゴム板46が貼り合わされて構成されており、ゴム板46の表面が押圧面となる。この整形板50のゴム板46ように、表面が平滑であってもよい。
すなわち、充填物の種類によって整形板の構成を適宜に変更する。
整形板に取り付けられたバイブレーターは、上記実施の形態に示したものに限られず、モーターに偏心したマスをつけ回転させて、その遠心力によって振動を発生させるものや、電磁石を利用し振動を発生させるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の包装装置は、米や茶葉等の食品に限らず、食品以外の粒状物や、粉状物等を包装するために利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態に係る包装装置によって製造された包装体の斜視図である。
【図2】図1の包装体の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る包装装置に備えられる整形装置の斜視図である。
【図4】図3の整形装置に備えられる整形板の断面図である。
【図5】図3の整形装置の動作を説明するための図である。
【図6】図5に続く動作を説明するための図である。
【図7】図6に続く動作を説明するための図である。
【図8】図3の整形装置がホームポジションに位置する図である。
【図9】図3の整形装置が受け渡しポジションに位置する図である。
【図10】図9の整形装置がホームポジションへ戻る図である。
【図11】図4の整形板の他の実施の形態にかかる断面図である。
【図12】図4の整形板の他の実施の形態にかかる断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 … 包装装置 3 … 本体
5 … 充填ノズル 7 … クランプ部材
9 … 脱気ノズル 10 … シール装置
21 … 整形装置 23 … 支持部材
24 … シャフトケース 25、26 … エアシリンダー
27 … ガイドシャフト 29 … 駆動シャフト
30 … クランプ部材 31 … 保持プレート
32 … 弾性部材 33 … ベースプレート
35 … ヒンジ 37 … 整形板
39 … バイブレーター 41 … コイルバネ
43 … ステンレス板 45 … ゴム板
46 … ゴム板 47 … 凹部
49 … 整形板 50 … 整形板
R … 米 S … 袋
P … 包装体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端が開口し、充填物が入れられた袋を支持する袋支持手段と、前記袋支持手段により支持された袋を挟んで互いに対向して配置される一対の整形部材と、前記一対の整形部材を近接離間する方向へ駆動する整形部材駆動手段と、前記整形部材駆動手段によって前記一対の整形部材が互いに近接する方向へ駆動されると、前記一対の整形部材が袋の下端部から上端部に向かって順次袋に対する押圧面積を増やしていく押圧調整手段と、前記一対の整形部材を振動させる振動手段と、前記一対の整形部材によって押圧された状態のまま充填物が入れられた袋の上端側開口をシールするシール手段とを具備することを特徴とする包装装置。
【請求項2】
請求項1に記載した包装装置において、一対の整形部材は硬質部材と弾性部材とが貼り合わされて構成され、前記弾性部材側の面が押圧面になっていることを特徴とする包装装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載した包装装置において、一対の整形部材は硬質部材によって構成されていることを特徴とする包装装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載した包装装置において、一対の整形部材の其々の押圧面には多数の凹部が形成されていることを特徴とする包装装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載した包装装置において、一対の整形部材の其々の押圧面は平滑になっていることを特徴とする包装装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載した包装装置において、充填物が入れられた袋内のエアを抜く脱気手段が備えられ、押圧されて袋が扁平になった後、前記脱気手段によって前記袋内のエアが抜かれ、そのままの状態でシール手段によって袋の上端側開口がシールされることを特徴とする包装装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載した包装装置において、一対の整形部材は交換可能になっていることを特徴とする包装装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載した包装装置において、充填物は粒状物であることを特徴とする包装装置。
【請求項1】
上端が開口し、充填物が入れられた袋を支持する袋支持手段と、前記袋支持手段により支持された袋を挟んで互いに対向して配置される一対の整形部材と、前記一対の整形部材を近接離間する方向へ駆動する整形部材駆動手段と、前記整形部材駆動手段によって前記一対の整形部材が互いに近接する方向へ駆動されると、前記一対の整形部材が袋の下端部から上端部に向かって順次袋に対する押圧面積を増やしていく押圧調整手段と、前記一対の整形部材を振動させる振動手段と、前記一対の整形部材によって押圧された状態のまま充填物が入れられた袋の上端側開口をシールするシール手段とを具備することを特徴とする包装装置。
【請求項2】
請求項1に記載した包装装置において、一対の整形部材は硬質部材と弾性部材とが貼り合わされて構成され、前記弾性部材側の面が押圧面になっていることを特徴とする包装装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載した包装装置において、一対の整形部材は硬質部材によって構成されていることを特徴とする包装装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載した包装装置において、一対の整形部材の其々の押圧面には多数の凹部が形成されていることを特徴とする包装装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載した包装装置において、一対の整形部材の其々の押圧面は平滑になっていることを特徴とする包装装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載した包装装置において、充填物が入れられた袋内のエアを抜く脱気手段が備えられ、押圧されて袋が扁平になった後、前記脱気手段によって前記袋内のエアが抜かれ、そのままの状態でシール手段によって袋の上端側開口がシールされることを特徴とする包装装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載した包装装置において、一対の整形部材は交換可能になっていることを特徴とする包装装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載した包装装置において、充填物は粒状物であることを特徴とする包装装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−111411(P2010−111411A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285034(P2008−285034)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(391024744)不双産業株式会社 (25)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(391024744)不双産業株式会社 (25)
【Fターム(参考)】
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