説明

包装装置

【課題】設置のために広いスペースをとらず、稼働時のエネルギー消費量を削減し、収縮包装作業を効率よく行うことができる包装装置を提供する。
【解決手段】装置本体16内に上側及び下側加熱室24,26を有する。装置本体16の側面に、上側又は下側加熱室24,26に被包装物12を出し入れする搬入出口16aを備える。搬入出口16aから投入される被包装物12を保持する上側及び下側保持部材28,30を備える。上側保持部材28を保持し、搬入出口16aから上側加熱室24内に誘導するとともに、下側保持部材30を保持し、搬入出口16aから下側加熱室26内に誘導するチェーン32を備える。上側及び下側保持部材28,30の移動を駆動制御する駆動手段を備える。駆動手段は、上側保持部材28と下側保持部材30を、互いに進退を反対に駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、商品等の被包装物を熱収縮性フィルムで収縮包装する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品等の被包装物を熱収縮性フィルムで包み、加熱することによって熱収縮性フィルムを収縮させ、被包装物の周面に密着させる収縮包装が行われている。
【0003】
この種の収縮包装を行う包装装置として、例えば特許文献1に開示されているように、被包装物供給手段、フィルム供給手段、及びフィルム被覆手段を用いて被包装物を熱収縮性フィルムで包み、1室式のトンネル炉の加熱収縮室内で被包装物を加熱する熱収縮包装装置がある。この熱収縮包装装置は、複数のベルトコンベアを用いて被包装物を一方向に搬送しながら被包装物を熱収縮性フィルムで包んで収縮包装している。
【0004】
また、包装したフィルムの開口部をシールする装置として、2つ折りの熱収縮性フィルムを用いて、包装状体で互いに直交する2辺の開口部を溶着及び溶断するL型シーラがある。このL型シーラは、例えば、特許文献2に開示されているような、溶断刃、フィルム押さえ、ヒートブロック及び冷却パイプなどで構成されている。
【0005】
この他、より小型の熱収縮装置として、特許文献3に開示されているように、装置本体と、装置本体内の加熱室内に配された水平軸を中心として回転する回転体と、回転体に支持されて水平状態を保ちながら回転体の回転に伴い加熱室内を回動するテーブルと、外部から空いたテーブル上に熱収縮性フィルムで包まれた被包装物を導入するための開口と、加熱室内で加熱された後の被包装物をテーブルから取り出すための開口とを備えた熱収縮包装装置がある。この熱収縮包装装置は、コンベア等の搬送装置や被包装物を熱収縮性フィルムで包むための装置を備えず、装置外形を小型化したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−50041号公報
【特許文献2】特開平5−193626号公報
【特許文献3】特開2002−46716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の熱収縮包装装置は、複数のベルトコンベアが設けられ装置全長が長くなるので、広い設置スペースが必要となる。従って、工場に設置される自動包装ラインなどに用途が限定され、小売りの店舗などの狭いスペースに設置され多品種少量の収縮包装作業を行う用途には不向きである。
【0008】
一方、特許文献3の熱収縮包装装置は、比較的狭いスペースに設置され半自動又は手動で収縮包装を行うものである。しかし、加熱室の内部は、テーブルが回動できるように一定の広い空間を確保しなければならないため、装置外形の小型化にも限界があった。また、被包装物の出入り口が各々あり、広い加熱室内を高温にして加熱性能を維持させる必要があるので、装置稼働中に消費するエネルギー量が比較的大きいという問題があった。さらに、この熱収縮包装装置に被包装物を熱収縮性フィルムで包む機能を付加しようとしても、テーブルが上下方向に移動する構造のため、包装するための装置を設けるスペースを余分に必要とし、構造的に小型化と自動化の両立が難しいものであった。
【0009】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたもので、設置のために広いスペースをとらず、稼働時のエネルギー消費量を削減し、収縮包装作業を効率よく行うことができる包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、熱収縮性フィルムに包まれた被包装物を加熱し、前記熱収縮性フィルムを前記被包装物の周面に密着させる包装装置であって、装置本体内に上下方向に配置された上側加熱室及び下側加熱室と、前記装置本体の側面に設けられ、外部から上側加熱室又は下側加熱室に前記被包装物を出し入れする搬入出口と、前記搬入出口から投入される被包装物を保持する上側保持部材及び下側保持部材と、前記上側保持部材を保持し前記搬入出口の外側と前記上側加熱室内との間を往復動するとともに、前記下側保持部材を保持し前記搬入出口の外側と前記下側加熱室内との間を往復動し、前記上側保持部材と前記下側保持部材とを互いに進退を反対に駆動する駆動手段とを備えた包装装置である。
【0011】
前記駆動手段は、前記上側加熱室と前記下側加熱室との間の前記搬入出口側の位置に設けられた第1スプロケットと、前記上側加熱室の奥側の位置に設けられた第2スプロケットと、前記下側加熱室の奥側の位置に設けられた第3スプロケットと、前記第1乃至第3スプロケットに架け渡され前記上側保持部材と前記下側保持部材を保持したチェーンと、前記チェーンを駆動する駆動装置を備え、前記上側保持部材及び下側保持部材は、前記チェーンの互いに異なる位置に固定され、前記チェーンの移動により互いに反対方向に移動するものである。
【0012】
また、前記上側保持部材又は前記下側保持部材が前記搬入出口側に位置した状態で、前記上側保持部材又は前記下側保持部材上に置かれた前記被包装物を、前記熱収縮性フィルムで包んで開口部をシールするフィルムシール装置を備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明の包装装置は、装置本体内に加熱室を上下方向に配置した構造のため、装置全体の床面積を小さくすることができ、一般的な小売り店舗などの比較的狭いスペースにも容易に設置することができる。しかも、上下の加熱室を交互に使用して熱収縮を行うので、一方の保持部材上の被包装物の熱収縮中に他方の保持部材に、熱収縮性フィルムに次の被包装物を包みシールする作業を行うことができ、熱収縮包装作業の効率が良い。
【0014】
また、被包装物を載せる上側又は下側保持部材を小さく設定することができるので、各加熱室の容積を抑えることができ、各加熱室内を高温状態に維持するのが容易である。さらに、各加熱室には、加熱する被包装物が交互に投入されることになるので、被包装物がない方の加熱室は、その間、加熱動作を停止させることができる。従って、装置稼働中に消費するエネルギー量を削減することができる。
【0015】
また、この包装装置は、収縮包装作業をいわゆる1個流しで行うことができ、タクト・タイムの調節も自在である。従って、1人の作業者による作業効率を高めることができるとともに、作業者が収縮包装を含む複数の作業を並行して行うような生産形態(セル生産方式など)での使用も可能であり、収縮包装作業を含む作業全体の生産性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の一実施形態の包装装置の外観を示す正面図である。
【図2】この実施形態の包装装置の外観を示す右側面図である。
【図3】この実施形態の包装装置の外観を示す左側面図(a)、装置本体内部の第1及び第2加熱室を説明する縦断面図(b)である。
【図4】この実施形態の包装装置の装置本体内部にある駆動手段及び保持部材を示す正面図である。
【図5】この実施形態の包装装置の装置本体内部にある駆動手段及び保持部材の平面図である。
【図6】この実施形態の包装装置のフィルムシール装置の外観を示す正面図(a)、概略斜視図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の一実施形態の包装装置について、図面に基づいて説明する。この実施形態の包装装置10は、商品等の被包装物12を熱収縮性フィルム14で包む機能と、包まれた被包装物12全体を加熱することによって熱収縮性フィルム14を収縮させ、被包装物12の周面に密着させる収縮包装を行う機能とを備えている。
【0018】
包装装置10は、図1〜図3に示すように、略矩形で縦長外形の装置本体16と、装置本体16の側面の搬入出口16aから突出するように設けられたフィルムシール装置18と、ロール状に巻かれた熱収縮性フィルム14を引き出してフィルムシール装置18に向けて送り出すフィルム送り装置20を備え、それらが移動用のキャスタ22aを有する台座部22上に組み付けされている。
【0019】
装置本体16の内部には、図3(b)に示すように、上側加熱室24と下側加熱室26とが上下に区切られて設けられている。2つの加熱室24,26には、内部の空気を循環させる送風装置24a,26aと、内部の空気を加熱するヒータ装置24b,26bとが個々に取り付けられている。
【0020】
さらに、装置本体16の内部には、図4、図5に示すように、熱収縮性フィルム14で包まれた被包装物12が載置される載置面28a,30aを有する上側保持部材28及び下側保持部材30と、上側保持部材28と下側保持部材30を水平状態に支持する左右一対のチェーン32と、2つの保持部材28,30及び一対のチェーン32を駆動制御する図示しない駆動装置とが設けられている。また、搬入出口16aには、装置本体16に突設されたシール台部34が設けられ、後述するシール受け台44等が設けられている。
【0021】
上側保持部材28は、複数のローラを等間隔に配置し両端を板部材で軸支して成る載置面28aを有している。さらに、載置面28aの上記一対の板部材の端部を延長し、途中で載置面28aから上向きに僅かに屈曲した取り付け部28bが一対に設けられている。下側保持部材30も、上側保持部材28と同様に、載置面30aと一対の取り付け部30bが設けられている。ただし、取り付け部30bは、取り付け部28bは反対に、載置面30aから下向きに二段に屈曲している。
【0022】
一対のチェーン32は、搬入出口16a側の開口部両側に配置された第1スプロケット38aと、上側加熱室24の奥側の両側部に位置した第2スプロケット38b、及び下側加熱室26の奥側の両側部に位置した第3スプロケット38cに各々掛け渡されている。この3対のスプロケット38a,38b,38cに掛け渡されたチェーン32は、モータ等を含む図示しない駆動装置によって第1スプロケット38aが回転駆動され、往復運動する。また、第2スプロケット38bと第3スプロケット38cとの間には、補助スプロケット42が付設され、チェーン32のテンションを調節している。
【0023】
一対のチェーン32には、上側保持部材28の両側の取り付け部28bが各々複数のコマに固定され、上側保持部材28が、載置面28aを水平に保って、装置本体16の搬入出口16aの外側に突設されたシール台部34から上側加熱室24内の深い位置まで、ほぼ直線的に移動可能に設けられている。下側保持部材30も、チェーン32の他の箇所に固定された取り付け部30bにより、載置面30aを水平に保って、搬入出口16aの外に突出する位置から下側加熱室26内に深い位置まで、ほぼ直線的に移動可能に設けられている。
【0024】
上側保持部材28と下側保持部材30は、チェーン32の異なる位置であって、互いに所定距離だけ離れた位置に連結されており、駆動装置がチェーン32を移動させることによって同時に移動を開始する。そして、駆動装置の駆動制御によって上側保持部材28の載置面28aを搬入出口16aの外に移動させたときは、下側保持部材30の載置面30aが下側加熱室26内に移動し、反対に、下側保持部材30の載置面30aを搬入出口16aの外に移動させると、上側保持部材28の載置面28aが上側加熱室24内に移動する。
【0025】
フィルム送り装置20は、図1、図2に示すように、台座部22上に設けられ、未収縮の熱収縮性フィルム14が二つ折りにされて巻かれたロール体14aを軸回転自在に下方から支持した支持部20aと、ロール体14aから熱収縮性フィルム14を引き出し、後述するフィルムシール装置18に向けて送り出す図示しない送り部とを備えている。
【0026】
フィルムシール装置18は、図6に示すように、上側保持部材28の載置面28a又は下側保持部材30の載置面30aが、第1スプロケット38aから突出して、搬入出口16aの外側に位置した状態で、シール台部34上に位置するように配置されている。フィルムシール装置18は、シール台部34の周縁部に配置され、Lの字型の固定のシール受け台44を有している。シール受け台44は、内側に上側保持部材28又は下側保持部材30を収容可能な幅に形成され、上側保持部材28又は下側保持部材30が内側に位置した状態で、それらの載置面28a,30aは、シール受け台44の上面と面一に位置する。さらに、フィルムシール装置18には、シール受け台44の上方に位置したコの字型の枠体であって、一対の先端部分が装置本体16内部の回動軸46に軸支され上下に揺動自在な基枠48と、基枠48の側面に下向きに取り付けられ、先端部がシール受け台44と対向するL型シーラ50とが設けられている。基枠48の揺動動作は、手前側の持ち手49を保持して、手動により開閉させるもので、開方向に付勢する昇降機構52により弾性的に開状体を維持可能に設けられている。
【0027】
L型シーラ50の構造は、例えば上述の特許文献2に開示された公知のLシーラ及びシール受け台の構成と同様に、第1シーラ50aと第2シーラ50bでL型の各辺を成し、各シーラ50a,50bは、先端が下向きに取り付けられた幅広の溶断刃及びフィルム押さえ、溶断刃等を加熱するヒートブロック及び冷却パイプなどで構成されている。第1シーラ50aは、コの字型の基枠48の一方の側辺であって、フィルム送り装置20から熱収縮性フィルム14が送り込まれる側の送り方向と直交する一辺に取り付けられ、第2シーラ50bは、同じく基枠48の中辺に取り付けられ、熱収縮性フィルム14の送り方向と平行に配置されている。L型シーラ50の先端部にある溶断刃及びフィルム押さえは、Lの字型のシール受け台44の上面に均等に当接するように取り付けられている。
【0028】
次に、包装装置10の動作について説明する。まず、二つ折りにされた収縮性フィルム14がフィルム送り手段20によって引き出され、図6(b)に示すように、フィルムシール装置18の第1シーラ50aに対してほぼ直角の向きに送り込まれる。二つ折りにされた収縮性フィルム14は、2つ折りの重なりが第2シーラ50b側(図6の手前側)から図示しない治具によって広げられ、作業者が手作業で、被包装物12を広げられたフィルム間に差し入れ、シール受台44内側の下側保持部材30の載置面30a上に載置する。
【0029】
被包装物12が載置されると、持ち手49を保持して基枠48と共にL型シーラ50を下降させ、溶断刃とシール受け台44の間で二つ折りにされた収縮性フィルム14の開口部を挟み、その部分を溶着によりシールするとともに、第1シーラ50a及び第2シーラ50bに挟まれた部分を溶断する。その後、基枠48と共にL型シーラ50を上昇させる。
【0030】
被包装物12は、フィルムシール装置18によってシールされると、図6(b)に示すように、収縮性フィルム14に包まれた状態になる。被包装物12を覆う収縮性フィルム14の溶着部54,56、及び、ロール体14aから連続する収縮性フィル14の端部である溶着部58は、今回のL型シーラ50のシール動作によって溶着された部分であり、溶着部60は、前回のシール動作で溶着された部分である。なお、第2シーラ50bにより溶断された熱収縮性フィルム14の図示しない余剰部は、適宜巻き取られて廃棄される。
【0031】
フィルムシール装置18によるシール動作が終わると、下側保持部材30は、駆動装置の駆動制御によりチェーン32ともに、シール台部34から搬入出口16aを経て下側加熱室26内に移動し、被包装物12がヒータ装置26aによる熱風によって加熱され、被包装物12を包む熱収縮性フィルム14が収縮し、被包装物12の周面に密着する。また、下側保持部材30が下側加熱室26内に移動するのと同時に、上側加熱室24内にあった上側保持部材28がチェーン32の駆動ともに搬入出口16aから出てシール台部34上に移動し、前回投入された被包装物12が収縮包装された状態で外に出てくる。そして、作業者によってその被包装物12が取り出され、図示しない製品収納バケット等に収められる。
【0032】
次に、上側保持部材28の載置面28a上に新たな被包装物12が載置され、収縮包装を行う。このとき、フィルム送り装置20が熱収縮性フィルム14を引き出す動作と、フィルムシール装置18が熱収縮性フィルム14をシールする動作は前回と同様である。
【0033】
フィルムシール装置18によるシール動作が終わると、上側保持部材28が、駆動装置の駆動制御によりチェーン32とともにシール台部34から上側加熱室24内に移動し、被包装物12がヒータ装置24aによって加熱され、被包装物12を包む熱収縮性フィルム14が収縮し、被包装物12の周面に密着する。また、上側保持部材28が上側加熱室24内に移動するのと同時に、下側加熱室26内にあった下側保持部材30がチェーン32ともにシール台部34に移動し、前回投入された被包装物12が収縮包装された状態で外に出てくる。そして、作業者によってその被包装物12が取り出され、図示しない製品収納バケット等に収められる。
【0034】
上記の動作を繰り返すことによって、複数の被包装物12を連続的に収縮包装する作業が行われる。
【0035】
以上説明したように、この実施形態の包装装置10は、装置本体16内に2つの加熱室24,26が上下方向に重なるように配置した構造のため、装置全体の床面積を小さくすることができ、小売り店舗などの比較的狭いスペースにも設置することができる。さらに、一つの被包装物12の熱収縮中に次の被包装物のシール作業を行うことができ、作業効率が良い。
【0036】
また、上側及び下側加熱室24,26の容積は、上側又は下側保持部材28,30を収容可能な範囲で非常に小さく設定することができるので、各加熱室内を高温状態に維持するのが容易である。さらに、各加熱室24,26は、加熱する被包装物12が交互に投入されることになるので、被包装物12が投入されていない方の加熱室24,26の送風装置24a,26aやヒータ装置24b、26bは、その間、動作を停止させても問題ない。これらにより、装置の稼働時中に消費するエネルギー量を大きく削減することができる。
【0037】
また、包装装置10は、収縮包装作業をいわゆる1個流しで行うことができる。しかも、タクト・タイムの設定は、チェーン32の駆動装置が上側及び下側保持部材28,30を移動させる移動速度を適宜変更すれば、自在に調節することができる。また、作業者によるスイッチ操作によって駆動装置の駆動タイミングを決定してもよい。従って、包装装置10は、例えば、1人の作業者が収縮包装を行うタクト・タイムを短縮させることができ、包装作業を含む作業全体の生産性を大幅に向上させることが可能になる。
【0038】
なお、この発明の包装装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上述した作用効果が得られる範囲内であれば、作業者が無理のない姿勢で作業できるようにする等の目的で、搬入出口と上側加熱室と下側加熱室との位置関係を変更することができる。上側加熱室と下側加熱室は、上下方向に加熱室があれば良く、安価な装置等には、互いの仕切りのないものでも良い。
【0039】
また、フィルムシール装置は、上記のL型シーラを用いた構成の他、公知のI型シーラや曲線型シーラ等に自由に変更することができる。また、被包装物を熱収縮性フィルムで包む作業が別の工場や別のフロアで行われる場合は、この包装装置のフィルムシール装置を省略することができる。このとき、上側及び下側保持部材についても、被包装物を平坦な載置で保持するのではなく、例えば、被包装物を凹部に収容して保持する等の構造に変更してもよい。
【符号の説明】
【0040】
10 包装装置
12 被包装物
14 熱収縮性フィルム
16 装置本体
16a 搬入出口
18 フィルムシール装置
24 上側加熱室
26 下側加熱室
28 上側保持手段
28a 載置面
30 下側保持手段
30a 載置面
32 チェーン
34 シール台部
38a,38b,38c スプロケット
44 シール受け台
46 回転軸
48 基枠
50 L型シーラ
52 昇降機構
54,56,58,60 溶着部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱収縮性フィルムに包まれた被包装物を加熱し、前記熱収縮性フィルムを前記被包装物の周面に密着させる包装装置において、
装置本体内に上下方向に配置された上側加熱室及び下側加熱室と、
前記装置本体の側面に設けられ、外部から上側加熱室又は下側加熱室に前記被包装物を出し入れする搬入出口と、
前記搬入出口から投入される被包装物を保持する上側保持部材及び下側保持部材と、
前記上側保持部材を保持し前記搬入出口の外側と前記上側加熱室内との間を往復動するとともに、前記下側保持部材を保持し前記搬入出口の外側と前記下側加熱室内との間を往復動し、前記上側保持部材と前記下側保持部材とを互いに進退を反対に駆動する駆動手段とを備えたことを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記駆動手段は、前記上側加熱室と前記下側加熱室との間の前記搬入出口側の位置に設けられた第1スプロケットと、前記上側加熱室の奥側の位置に設けられた第2スプロケットと、前記下側加熱室の奥側の位置に設けられた第3スプロケットと、前記第1乃至第3スプロケットに架け渡され前記上側保持部材と前記下側保持部材を保持したチェーンと、前記チェーンを駆動する駆動装置を備え、
前記上側保持部材及び下側保持部材は、前記チェーンの互いに異なる位置に固定され、前記チェーンの移動により互いに反対方向に移動する請求項1記載の包装装置。
【請求項3】
前記上側保持部材又は前記下側保持部材が前記搬入出口側に位置した状態で、前記上側保持部材又は前記下側保持部材上に置かれた前記被包装物を、前記熱収縮性フィルムで包んで開口部をシールするフィルムシール装置を備えた請求項1又は2記載の包装装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−201556(P2011−201556A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68228(P2010−68228)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000135575)株式会社ハナガタ (8)