説明

包装装置

【課題】構造簡単な引出し機構によって包装シートをシートロールから破損など発生しにくい状態で引き出すことができる包装装置を得る。
【解決手段】包装シート収容部20に、シートロール7を載置して支持させるロール支持ローラ21を回転自在に設けてある。ロール支持ローラ21を駆動するモータ25を設けてある。引出し機構30を、包装シート5の包装シート引き出し方向と直交する方向での両端部を一対の挟持部32,32によって挟持して包装シート5をシートロール7から引き出すように構成してある。ロール支持ローラ21がモータ25によって回転駆動されてシートロール7を包装シート繰出し方向に回転操作するようにモータ25を駆動制御しながら、引出し機構30を駆動制御する制御手段を設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被包装物が包装シートに載置した状態で前記包装シートと共に供給口から供給され、供給された被包装物を前記包装シートによって包装する包装処理機構と、包装シートをシートロールの状態で収容する包装シート収容部と、前記シートロールから包装シートを前記供給口に引き出す引出し機構と、前記供給口に引き出された包装シートを前記シートロールから切り離すシート切断機構とを備えた包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した包装装置として、従来、たとえば特許文献1に記載されたものがあった。
特許文献1に記載されたものでは、包装台の開孔(供給口に相当)に被包装物が落とし込まれると、支持台及び保持アームが被包装物を保持して下降操作し、下降した被包装物の上方で一対の挟持部材が包装シートを挟み込んで絞り込み、包装シートの被包装物の包装に使用されなかった余剰分を切り取るとともに余剰分を切り取った後の包装シートを粘着テープで封鎖するように包装処理機構が構成されている。包装シートをロール状に巻いて一対の支持ローラに載置して支持させるように包装シート収容部が構成されている。包装台の左右のガイドレールに各別にスライド自在に支持される左右一対の支持板と、左右一対の支持板に支持軸を介して揺動自在に支持される複数の操作アームと、左右一対の支持板に連結された天板とを備え、操作アームと天板によって包装シートの端部を挟持させながら左右一対の支持板をガイドレールに沿わせてスライド移動させることによって、包装シートをロール巻きから開孔に引き出すように引出し機構が構成されている。ガイドレールに上下スライド駆動自在に支持される支持フレームと、支持フレームに固定されたカッターとを備え、支持フレームを下降スライドさせることによってカッターで包装シートを切断するようにシート切断機構が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−125709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した包装装置において、包装シートをシートロールから引き出す引出し機構として、包装シート引き出し方向と直交する方向に小間隔で並ぶ複数箇所で包装シートの端部を挟持させるものを採用した場合、包装シートに挟持作用する数多くの挟持部のために引出し機構が複雑な構造のものになっていた。
【0005】
本発明の目的は、包装シートを破損や傾きなどの引出しトラブルが発生しにくい状態で引き出させることができるものでありながら、引出し機構を構造簡単に済ませることができる包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明は、被包装物が包装シートに載置した状態で前記包装シートと共に供給口から供給され、供給された被包装物を前記包装シートによって包装する包装処理機構と、包装シートをシートロールの状態で収容する包装シート収容部と、前記シートロールから包装シートを前記供給口に引き出す引出し機構と、前記供給口に引き出された包装シートを前記シートロールから切り離すシート切断機構とを備えた包装装置において、
前記包装シート収容部に、前記シートロールを載置して支持させるロール支持ローラを、載置されたシートロールのロール軸芯と平行な軸芯まわりに回転自在に支持される状態で設け、
前記ロール支持ローラを駆動するモータを設け、
前記引出し機構を、包装シートの包装シート引き出し方向と直交する方向での長さに近い間隔を隔てて包装シート引き出し方向と直交する方向に並ぶ一対の挟持部を備えて、包装シートの包装シート引き出し方向と直交する方向での両端部を前記一対の挟持部によって挟持して包装シートを前記シートロールから前記供給口に引き出すように構成し、
前記ロール支持ローラが前記モータによって回転駆動されて支持している前記シートロールを包装シート繰出し方向に回転操作するように前記モータを駆動制御しながら、前記引出し機構を包装シートの引き出しを行なうように駆動制御する制御手段を設けてある。
【0007】
本第1発明の構成によると、ロール支持ローラをモータによって回転駆動して回転するロール支持ローラによってシートロールを強制的に回転操作させ、強制的に回転操作されるシートロールによる包装シートの繰出しを行なわせながら包装シートの繰出しに同調させて引出し機構による包装シートの引出しを行なわせることができるから、例えば包装シートの包装シート引き出し方向と直交する方向での長さに近い間隔を隔てて並ぶ一対の挟持部を備えるだけの構造簡単な引出し機構を採用しても、強制的に回転操作されるシートロールによる包装シートの繰出しによって包装シートに無理な引っ張り力が作用しにくく包装シートの破損や傾きの発生を防止した状態で包装シートの引出しを行なわせることができる。
【0008】
従って、包装シートの破損や傾きに起因する包装ミスや包装不良が発生しにくいものでありながら、引出し機構を構造簡単ものに済ませた安価な包装装置を得ることができる。
【0009】
本第2発明は、包装シートの包装シート引き出し方向と直交する方向での両外側に分散配置した一対の引出しアームと、前記供給口よりも低い配置高さの箇所に包装シート引き出し方向と直交する方向に対して平行に設けた引出し軸芯まわりに前記一対の引出しアームを一体揺動自在に支持する引出し用支持部とを、前記引出し機構に備えるとともに、前記一対の挟持部を、前記一対の引出しアームの遊端部に振り分けて設け、
包装シートの包装シート引き出し方向と直交する方向での両端部を前記一対の挟持部によって挟持させながら前記一対の引出しアームを揺動させることにより、包装シートを前記シートロールから前記供給口に引き出すように、前記引出し機構を構成してある。
【0010】
包装シートを挟持する挟持部をスライド移動させることによって包装シートの引出しを行なわせる場合、ガイドレールとの間のこじれが発生しないでスムーズに引き出し作動させないと、包装シートの破損や傾きが発生しやすくなるので、こじれが発生しないように
精度よく製作する必要が生じる。本第2発明の構成によると、一対の引出しアームを一体揺動するように連動させるだけで、こじれが発生しないようにスムーズに引き出し作動を行わせることができる。
【0011】
従って、引出し機構としては、包装シートの包装シート引き出し方向と直交する方向での長さに近い間隔を隔てて並ぶ一対の挟持部を備えるだけのものに済ませることができるのに加え、一対の引出しアームを一体揺動自在に連動させるだけの構造簡単なものに済ませることができてより安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】包装装置の全体を示す斜視図である。
【図2】包装装置を示す縦断側面図である。
【図3】包装シート収容部及びシート切断機構を示す斜視図である。
【図4】引出し機構を示す斜視図である。
【図5】シート引出し機構の作用を示す側面図である。
【図6】シート引出し機構及びシート切断機構の作用を示す側面図である。
【図7】シート引出し機構の作用を示す側面図である。
【図8】挟持部が包装シートを受継ぐべく切断刃受け部を通過する状態を示す側面図である。
【図9】挟持部が包装シートを引き出すべく切断刃受け部を通過する状態を示す側面図である。
【図10】昇降部の作用を示す側面図である。
【図11】昇降部の作用を示す側面図である。
【図12】昇降部の作用を示す側面図である。
【図13】昇降部の作用を示す側面図である。
【図14】昇降部の作用を示す側面図である。
【図15】昇降部及び封鎖処理部の作用を示す正面図である。
【図16】昇降部及び封鎖処理部の作用を示す正面図である。
【図17】昇降部及び封鎖処理部の作用を示す正面図である。
【図18】昇降部及び封鎖処理部の作用を示す正面図である。
【図19】封鎖処理部及びシート排出処理部の作用を示す平面図である。
【図20】封鎖処理部及びシート排出処理部の作用を示す平面図である。
【図21】封鎖処理部及びシート排出処理部の作用を示す平面図である。
【図22】封鎖処理部及びシート排出処理部の作用を示す平面図である。
【図23】封鎖処理部及びシート排出処理部の作用を示す平面図である。
【図24】シート排出処理部を示す平面図である。
【図25】シート排出処理部を示す斜視図である。
【図26】包装処理の制御系を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る包装装置の全体を示す斜視図である。図2は、本発明の実施例に係る包装装置を示す縦断側面図である。これらの図に示すように、本発明の実施例に係る包装装置は、包装台カバー1を前機壁2aに前下がり傾斜の姿勢で設けた包装機体2と、包装台カバー1の下方に包装台11が位置する状態で包装機体2の内部に設けた包装処理機構10と、包装台11の後方に設けた包装シート収容部20と、包装機体2の内部に設けた左右一対の引出しアーム31,31を有した引出し機構30と、包装機体2の内部に設けた左右一対の切断アーム41,41を有したシート切断機構40と、包装機体2の内部に設けた制御装置50とを備えて構成してある。
【0014】
この包装装置は、レタスやキャベツなどの野菜を樹脂フィルムで成る包装シート5で包装するものである。すなわち、包装装置は、野菜や果物などの被包装物Aが包装台カバー1に設けてある投入口3からこの投入口3の下方に配置して包装台11に設けてある供給口12に供給され、投入口3の横側方に設けてある始動スイッチ4が操作されると、制御装置50がマイクロコンピュータを利用して構成されることによって備えている包装用の制御手段51(図26参照)が作動して包装処理機構10、引出し機構30及びシート切断機構40を駆動制御することにより、供給された被包装物Aを包装シート収容部20から取り出した包装シート5によって包装した状態にして包装機体2の後壁2Rの下部機壁2bに設けてある送出口6から送り出す。図1に示すように始動スイッチ4の近くに設けてある停止スイッチ8は、緊急停止操作に使用するスイッチである。
【0015】
包装機体2は、左右の側壁2S,2Sと、前壁2Fと、後壁2Rと、包装台カバー1及び前機壁2aを備えた上壁とで箱形に形成されており、その内部に包装処理機構10、引出し機構30等がコンパクトに収容された構成となっている。包装機体2の前壁2Fの下部には、後方に凹入した凹入空間2Aが形成されており、投入口3に被包装物Aを投入する際に作業者が足を凹入空間2Aに入れて体を近づけ易いコンパクトな構造となっている。包装機体2の後壁2Rの下部にも前方に凹入した凹入空間2Bが形成されており、包装シート収容部20にシートロール7を載置する際に作業者が足を凹入空間2Bに入れて体を近づけ易いコンパクトな構造となっている。
【0016】
包装シート収容部20について説明する。
図2,3,6に示すように、包装シート収容部20は、包装台11の後方に包装装置の前後方向に所定間隔を隔てて並べて設けた前後一対のロール支持ローラ21,21を備えて構成してあり、シートロール7の状態に巻かれた包装シート5を前後一対のロール支持ローラ21,21にわたって載置して収容するようになっている。
【0017】
前後一対のロール支持ローラ21,21は、包装機体2の内部の左右側に振り分けて設けた左右一対のローラ支持部材22,22に回転自在に支持されている。前後一対のロール支持ローラ21,21は、各ロール支持ローラ21の回転支軸21aの端部に一体回転自在に設けたローラ駆動スプロケット23と、各ロール支持ローラ21のローラ駆動スプロケット23に巻回された伝動チェーン24とを介して、電動式のシート繰出し用のモータ25が備える出力スプロケット25aに連動されている。シート繰出し用のモータ25は、包装機体2の内部に設けたモータ取付け部材26に支持されている。シート繰出し用のモータ25は、図26に示す如く制御装置50に連係されることにより、包装用の制御手段51に連係されている。
【0018】
包装シート収容部20は、モータ25が制御手段51によって駆動制御されることにより、前後一対のロール支持ローラ21,21をモータ25によってシートロール7のロール軸芯7aと平行な軸芯21bまわりに回転方向F(図6参照)に回転駆動し、シートロール7を回転する前後一対のロール支持ローラ21,21によって繰出し用の回転方向に強制的に回転させて包装シート5をシートロール7から供給口12に向けて繰り出す。
【0019】
引出し機構30について説明する。
図2,4に示すように、引出し機構30は、包装シート収容部20のシートロール7から供給口12に引き出す包装シート5の両横外側に分散して位置する配置で、かつ包装処理機構10の両横側に分散して位置する配置で包装機体2の内部に設けた左右一対の引出しアーム31,31と、左右一対の引出しアーム31,31の遊端部に振り分けて設けた左右一対の挟持部32,32と、左右一対の引出しアーム31,31に連動させた電動式の引出しモータ33と、左右一対の挟持部32,32に連動させた電動式の挟持モータ34とを備えて構成してある。
【0020】
左右一対の引出しアーム31,31は、包装機体2の底部内に設けた引出し用支持部35によって支持されている。図2,4に示すように、引出し用支持部35は、左右一対の引出しアーム31,31の基部に連結されて左右一対の引出しアーム31,31を一体揺動自在に連動させている連結軸35aと、この連結軸35aの両端側に振り分けて取付けるとともに包装機体2のフレームに固定された左右一対の軸支部材35b,35bとを備えて構成してある。したがって、引出し用支持部35は、左右一対の軸支部材35b,35bによって連結軸35aを回転自在に支持することにより、左右一対の引出しアーム31,31を包装装置横向きの引出し軸芯35cまわりに揺動するように支持し、かつ引出し軸芯35cを供給口12の下方に位置する箇所であって、供給口12の中心12aを通る鉛直線Lに対して包装シート収容部20が位置する側に偏倚した箇所に位置させている。
【0021】
左右一対の挟持部32,32は、包装シート5の包装装置横方向での長さW(図3参照)に近い間隔を隔てて包装シート引き出し方向と直交する方向(包装装置横方向)に並んでいる。各挟持部32は、引出しアーム31の遊端部に支持させた平板状の上側の挟持体32aと、この上側の挟持体32aの下方に配置して引出しアーム31に支持させた丸棒形の下側の挟持体32bとの上下一対の挟持体32a,32bを備えて構成してある。
【0022】
各挟持部32における下側の挟持体32bは、操作部材36を介して引出しアーム31に連結されている。操作部材36は、下側の挟持体32bが連結している箇所から離れた箇所に位置する連結ピン36aを介して引出しアーム31に枢支されており、下側の挟持体32bは、操作部材36が連結ピン36aの軸芯まわりに揺動操作されることにより、連結ピン36aの軸芯を揺動支点として上側の挟持体32aに対して揺動昇降して挟持部32を開閉する。
【0023】
図4は、挟持部32の開き状態を示している。この図に示すように、左右一対の挟持部32,32は、操作部材36が閉じバネ37に抗して連結ピン36aの軸芯まわりに下降揺動操作されることにより、開き状態になる。左右一対の挟持部32,32は、開き状態になると、上側の挟持体32aと下側の挟持体32bをシートロール7から引き出すべき包装シート5の端部に対して上方と下方に分かれて位置させて包装シート5の端部を受け継ぐ状態になる。
【0024】
図5は、挟持部32の閉じ状態を示している。この図に示すように、左右一対の挟持部32,32は、操作部材36が閉じバネ37によって連結ピン36aの軸芯まわりに上昇揺動操作されることにより、閉じ状態になる。左右一対の挟持部32,32は、閉じ状態になると、シートロール7から引き出すべき包装シート5の端部を上側の挟持体32aの作用面に設けた滑り止め部32cと下側の挟持体32bとによって閉じバネ37の付勢力を作用させながら挟持する。
【0025】
図2に示すように、引出しモータ33は、包装機体2のベースフレームに支持されており、引出しモータ33の出力軸33aに一体回転自在に連結された揺動リンク38aを備えた引出し連動機構38を介して左右一対の引出しアーム31,31に連動されている。引出し連動機構38は、前記揺動リンク38aを備える他、この揺動リンク38aを一方の引出しアーム31に連動させる連動杆38bと、引出し用支持部35の連結軸35aとを備えて構成してある。引出しモータ33は、図26に示す如く制御装置50に連係されることにより、制御手段51に連係されている。
【0026】
図4に示すように、挟持モータ34は、一方の引出しアーム31に設けた支持部に支持されており、挟持モータ34の出力軸に連動された回転連動軸39aを備えた挟持連動機構39を介して左右一対の挟持部32,32の操作部材36に連動されている。挟持連動機構39は、前記回転連動軸39aを備える他、回転連動軸39aの両端部に振り分けて一体回転自在に設けた左右一対の揺動アーム39b,39bと、左右一対の揺動アーム39b,39bを左右一対の挟持部32,32の操作部材36に各別に連動させる左右一対の連動杆39c,39cとを備えて構成してある。回転連動軸39aは、左右一対の引出しアーム31,31に設けた支持部に回転自在に支持されている。挟持モータ34は、図26に示す如く制御装置50に連係されることにより、制御手段51に連係されている。
【0027】
図2に示すように、引出し機構30は、包装処理機構10による被包装物Aの包装処理が行われる間、引出しモータ33が制御手段51によって停止操作されていて左右一対の引出しアーム31,31を遊端部が引出し軸芯35cよりも包装装置前方側に位置した傾斜姿勢にして、左右一対の挟持部32,32を供給口12に対して包装シート収容部20が位置する側とは反対側(包装装置前方側)に供給口12から設定距離を離れて位置する待機箇所Tに位置させている。このとき、引出し機構30は、挟持モータ34が制御手段51によって停止操作されていて左右一対の挟持部32,32を開き状態に維持し、左右一対の挟持部32,32による包装シート5の挟持を解除していて、包装シート5が供給口12から被包装物Aと共に包装処理機構10に引き込まれることを可能にする。
【0028】
引出し機構30は、包装処理機構10による被包装物Aの包装が終了すると、引出しモータ33及び挟持モータ34が制御手段51によって駆動制御されて作動し、包装シート5をシートロール7から供給口12に引き出す。
【0029】
すなわち、図5に示すように、引出し機構30は、包装処理機構10による被包装物Aの包装が終了すると、引出しモータ33が制御手段51によって駆動制御されて左右一対の引出しアーム31,31を引出しモータ33の駆動力によって待機位置から包装装置後方側に揺動させ、左右一対の挟持部32,32を待機箇所Tからシート切断機構40の切断刃受け部45と包装シート収容部20の間に位置する受継ぎ箇所Uに移動させる。このとき、図8に示すように、引出し機構30は、挟持モータ34が制御手段51によって停止操作されていて左右一対の挟持部32,32を開き状態に維持し、左右一対の挟持部32,32における上側の挟持体32aが切断刃受け部45における包装シート受け体46の上方を通過し、左右一対の挟持部32,32における下側の挟持体32bが切断刃受け部45の端部に切り欠きを設けて形成してある通路47を通過することで包装シート受け体46の下方を通過する状態で、左右一対の挟持部32,32を切断刃受け部45を通過させて受継ぎ箇所Uに移動させ、シートロール7から繰り出すべき包装シート5の端部であって包装シート受け体46によって受け止め支持されている包装シート5の端部の上方に上側の挟持体32aを位置させ、その包装シート5の端部の下方に下側の挟持体32bを位置させる。
【0030】
図5に示すように、引出し機構30は、左右一対の挟持部32,32が受継ぎ箇所Uに到達すると、挟持モータ34が制御手段51によって駆動制御されて左右一対の挟持部32,32を挟持モータ34の駆動力によって閉じ状態に切り換え、引き出すべき包装シート5の包装シート引き出し方向下手側の端部のうちの包装シート引き出し方向と直交する方向での一端側に位置する端部を一方の挟持部32によって挟持し、引き出すべき包装シート5の包装シート引き出し方向下手側の端部のうちの包装シート引き出し方向と直交する方向での他端側に位置する端部を他方の挟持部32によって挟持する。
【0031】
図6に示すように、引出し機構30は、左右一対の挟持部32,32による包装シート5の挟持が完了すると、引出しモータ33が制御手段51によって駆動制御されて左右一対の引出しアーム31,31を引出しモータ33の駆動力によって受継ぎ箇所Uから包装シート引き出し方向(包装装置前方側)に揺動させ、包装シート5を左右一対の挟持部32,32によってシートロール7から供給口12に向けて引き出す。このとき、制御手段51は、引出しモータ33を駆動制御しながら繰出し用のモータ25を駆動制御し、シートロール7は、モータ25によって駆動される一対のロール支持ローラ21,21によって強制的に回転操作されて包装シート5を繰り出し、左右一対の引出しアーム31,31による包装シート5の引出しを援助(補助)する。この場合、引出しモータ33の駆動速度と繰り出し用のモータ25の駆動速度とは、シートロール7の外周の周速度と引出し機構30の挟持部32の引出し軸芯35cまわりの周速度とが同じ又は略同じ速度となるように所定の一定速度に設定されて、引出し機構30による引き出し速度と繰り出し用のモータ25による繰り出し速度とが同じ又は略同じになるように引出しモータ33とモータ25とが同調駆動されている。引出しモータ33の駆動を開始するタイミングと繰り出し用のモータ25の駆動を開始するタイミングは、同じタイミングであってもよく、いずれか一方が駆動を開始した後に所定の短時間後にいずれか他方が駆動を開始するように構成してもよい。図9に示すように、引出し機構30は、包装シート5をシートロール7から引き出すとき、閉じ状態に操作されて包装シート5を挟持した状態にある上側の挟持体32a及び下側の挟持体32bを、切断刃受け部45が位置する箇所を包装シート受け体46の上方を通して通過させる。
【0032】
図6に示すように、引出し機構30は、左右一対の引出しアーム31,31が待機位置Tに復帰すると、光センサ52(図26参照)が検出作動して引出しモータ33が制御手段51によって停止操作され、左右一対の引出しアーム31,31を待機位置Tに停止させる。このとき、シートロール7から引き出した包装シート5の引出しストロークが所定ストロークに達し、包装シート5は、包装シート5の中心部が供給口12の中心12aにほぼ合致する状態で供給口12の上側に引き出された状態となる。この後、図7に示すように、シート切断機構40による包装シート5の切断処理が完了すると、引出し機構30は、挟持モータ34が制御手段51によって駆動制御されることにより、左右一対の挟持部32,32を挟持モータ34の駆動力によって開き状態に切換える。光センサ52は、包装シート5の包装シート引き出し方向と直交する方向での端部に印刷によって設けられたマーク(図示せず)を検出することによって所定の検出状態となる。
【0033】
シート切断機構40について説明する。
図2,3に示すように、シート切断機構40は、供給口12と包装シート収容部20の間に供給口12から所定距離を離して設けた切断刃受け部45と、包装シート収容部20のシートロール7から引き出される包装シート5の包装シート引き出し方向と直交する方向での両外側に分散して位置する配置で包装機体2の内部に設けた左右一対の切断アーム41,41とを備えて構成してある。
【0034】
切断刃受け部45は、包装シート引き出し方向に所定間隔を隔てて並ぶ一対の包装シート受け体46,46と、一対の包装シート受け体46,46を一対の上下向き辺48a,48aで支持する側面視で溝形の支持体48とを備えて構成してある。支持体48は、包装機体2に設けた支柱48bに支持されている。
【0035】
左右一対の切断アーム41,41は、切断刃受け部45に対して包装シート収容部20が位置する側に偏倚して位置する切断用支持部としての支軸42に支持されており、支軸42の軸芯で成る切断軸芯42aまわりに上下揺動する。左右一対の切断アーム41,41の遊端部にわたって一枚の切断刃43を取付けてある。切断刃43の前後側に分散する一対のシート押さえ部44a,44aを有する左右一対の押さえアーム44,44を、左右一対の切断アーム41,41に分散させて支持させてある。左右一対の押さえアーム44,44は、切断アーム41に支軸42を介して上下揺動自在に支持されており、前後一対のシート押さえ部44a,44aは、支軸42の軸芯を揺動支点にして切断アーム41に対して昇降する。左右一対の押さえアーム44,44と左右一対の切断アーム41,41とに亘ってスプリンク44bを連結してある。このスプリング44bは、押さえアーム44の遊端側が切断刃43の上端に当接して支持されるまで押さえアーム44を下降付勢することにより、前後一対のシート押さえ部44a,44aを下降付勢する。
【0036】
一方の切断アーム41に設けた操作アーム部41aと、電動式の切断モータ49の出力軸に一体回転自在に設けた出力アーム49aとを連動杆49bを介して連結してあり、切断モータ49は、出力アーム49aによって連動杆49bを介して一対の切断アーム41,41を上下に揺動操作して、切断刃43を切断刃受け部45の一対の包装シート受け体46,46の間に対して昇降操作し、かつ一対のシート押さえ部44a,44aを切断刃受け部45の包装シート受け体46に対して昇降操作する。
【0037】
シート切断機構40は、包装処理機構10による被包装物Aの包装処理、及び引出し機構30による包装シート5の引出しが行なわれている間、切断モータ49が制御手段51によって停止操作されていて作動せず、切断刃43及びシート押さえ体44aを切断刃受け部45から上昇離間した上昇待機位置に位置させる。
【0038】
図6は、シート切断機構40の作用状態を示している。この図に示すように、シート切断機構40は、引出し機構30による包装シート5の引出しが行なわれて光センサ52が検出作動すると、切断モータ49が制御手段51によって駆動制御され、左右一対の切断アーム41,41を切断モータ49の駆動力によって下降させて切断刃43を下降させ、切断刃43の刃先側を切断刃受け部45の一対の包装シート受け体46,46の間に入り込ませる。このとき、切断刃受け部45が引出し機構30によってシートロール7から引き出された包装シート5の包装シート引き出し方向上手側部分を一対のシート受け体46,46の上面によって下方から受け止めている。そして、切断刃43の刃先側が一対の包装シート受け体46,46の間に入り込むに先立ち、一対のシート押さえ部44a,44aが包装シート受け体46の上面に下降して包装シート5の包装シート引き出し方向上手側部分を切断刃43が作用してもずれ動かないように包装シート受け体46に押さえ付けており、シート切断機構40は、切断刃43と切断刃受け部45による切断作用によって包装シート5をシートロール7から切り離す。
【0039】
包装処理機構10について説明する。
図1,2に示すように、包装処理機構10は、包装台11と、包装台11の下方に位置する一対の上絞り板61,61を有した封鎖処理部60と、上絞り板61の下方に位置する平面視で十字形の支持台71を有した昇降部70と、支持台71の下方に位置する排出シュート80とを備えて構成してあり、被包装物Aが供給口12から供給されると、制御部51によって駆動制御されて作動し、昇降部70及び封鎖処理部60の作用によって被包装物Aを包装シート5で包装し、包装済みの被包装物Aを排出シュート80によって送出口6から送り出す。
【0040】
包装台11は、包装シート収容部20に対して包装シート引き出し方向下手側に離れるほど低い配置高さに位置する傾斜姿勢で設けてある。供給口12に、垂れゴム13を設けてある。垂れゴム13は、下端側ほど内径が小になる下細状に形成してある。垂れゴム13には、放射状の複数の切れ込みが形成されて複数の舌片に分割され、その中心部に円形の穴部が形成されており、包装シート5に対して絞り作用する。包装台カバー1も、包装台11と同じ傾斜姿勢になっている。
【0041】
供給口12の上側に包装シート5が引出し機構30によって引き出され、被包装物Aを供給口12にその上方から供給することにより、被包装物Aを包装シート5に載置することができ、かつ被包装物Aを包装シート5に載置した状態で包装シート5と共に包装処理機構10に供給することができる。
【0042】
図10,15に示すように、昇降部70は、供給口12から被包装物A及び包装シート5が供給されると、供給された被包装物A及び包装シート5を上向き姿勢にある支持台71によって受け止める。この場合、作業者が被包装物Aを投入口3から投入するだけで、無理に被包装物Aを押し込んだりしなくても垂れゴム13によって案内されながら被包装物Aが支持台71に受け止め支持された状態になる。
【0043】
図11に示すように、昇降部70は、被包装物A及び包装シート5を支持台71によって受け止めると、支持台71を挟んで位置する一対の保持アーム72,72を切換えモータ73の駆動力によって作用状態に切り換える。
【0044】
図12,16,17に示すように、昇降部70は、支持台71による被包装物Aの支持が保持アーム72の作用によって安定した状態になると、支持台71及び一対の保持アーム72,72を支持する昇降フレーム74の一端側に連結している昇降チェーン75を昇降モータ76によって駆動して昇降フレーム74を一対のガイドレール77,77に沿わせて下降操作し、これによって支持台71を下降操作して被包装物Aを下降させる。
【0045】
昇降部70は、支持台71の下降ストロークが設定ストロークに達して被包装物Aが包装処理位置に下降すると、上絞り板61の上方に位置する光センサ14が検出作動して制御手段51が昇降モータ76を停止制御することにより、支持台71の下降操作を停止し、封鎖処理部70が作動する間、被包装物Aを包装処理位置に維持する。光センサ14は、被包装物Aが下降して被包装物Aによる遮光が無くなることによって検出作動する。
【0046】
図13,18に示すように、昇降部70は、封鎖処理部70による包装処理、及び包装シート5の余剰シート部分5aの切り離しを完了すると、昇降チェーン75を昇降モータ76によって駆動して支持台71を下降操作して包装済みの被包装物Aを下降させ、被包装物Aが排出高さに下降して検出スイッチ83(図26参照)が検出作動すると、昇降モータ76が停止されて支持台71の下降を停止させる。このとき、昇降部70は、支持台71の姿勢切換え部71bが包装機体2のフレーム部2cに設けてある操作体78に当接して押圧操作されることにより、支持台71を軸芯71aまわりにリターンバネ79に抗して倒し操作し、包装済みの被包装物Aを支持台71から排出シュート80の受入れ部81に落下させる。このとき、昇降フレーム74から下方向きに延出している支持アーム74aが、排出シュート80の受入れ部81側を下方から受け止め支持して排出シュート80を底板部が水平あるいはほぼ水平となる保留用姿勢に操作する。これにより、排出シュート80は、支持台71から受け入れた包装済みの被包装物Aを受入れ部81に保留して包装機体2の送出口6に排出しない。
【0047】
図14に示すように、昇降部70は、包装済みの被包装物Aを排出シュート80の受入れ部81に落下させた後、昇降チェーン75を昇降モータ76によって駆動して昇降フレーム74を上昇させ、支持台71を供給口12からの被包装物Aを受け入れるための上昇待機位置に復帰させる。このとき、支持台71は、リターンバネ79によって軸芯71aまわりに上昇揺動操作されて上向き姿勢に復帰する。
【0048】
昇降部70は、支持台71を上昇操作するに伴い、支持アーム74aによって排出シュート80の受入れ部81側を持ち上げ操作する。これにより、排出シュート80は、枢支軸芯80aまわりに上昇揺動操作されて受入れ部81が送出口82よりも高い配置高さに位置した排出姿勢になり、受入れ部81に保留していた包装済みの被包装物Aを受入れ部81から排出口82に下降させて包装機体2の送出口6に排出し、送出口6から包装機体2の外部に送り出す。
【0049】
このように支持台71が排出位置に下降して包装済みの被包装物Aを排出シュート80に落下させたとき、排出シュート80が保留姿勢にあり、支持台71が排出位置から上昇すると、排出シュート80が排出姿勢に切り換わるように可動式の排出シュート80を採用することにより、包装済みの被包装物Aを排出シュート80によって包装機体2の外部に送出するものでありながら、包装台11を極力低い配置高さに設置することができる。
【0050】
一対の保持アーム72,72の切換えモータ73による操作を可能にする構造について説明する。
【0051】
図10に示すように、一対の保持アーム72,72は、連動リンク90及び駆動リンク91を介して切換えモータ73の出力軸に連動されている。駆動リンク91は、切換えモータ73の出力軸に一体回転自在に連結されている。連動リンク90の一端側は、駆動リンク91の端部に相対回転自在に連結されている。連動リンク90の他端側は、連動リンク90に設けた長孔90aに摺動自在に係入するように構成して保持アーム72の下端部に設けた連動ピンを介して保持アーム72に連結されている。
【0052】
したがって、切換えモータ73が駆動されると、駆動リンク91が切換えモータ73によって揺動操作されて一対の連動リンク90,90を引き寄せあるいは押し出し操作する。連動リンク90は、引き寄せ操作されると、長孔90aの端部で保持アーム72の下端部を引き操作し、保持アーム72をスプリング92に抗して枢支軸72aまわりに揺動操作し、保持アーム72は、保持アーム72の上端側が支持台側とは反対側に移動した待機位置になる。連動リンク90は、押し出し操作されると、保持アーム72の下端部に対する引き操作を解除して、保持アーム72をスプリング92によって揺動操作させ、保持アーム72は、上端側が支持台側に移動して被包装物Aを支持台71に保持する作用位置になる。
【0053】
封鎖処理部60について説明する。
図15,19に示すように、封鎖処理部60は、一対の上絞り板61,61と、一対の上絞り板61,61の下方に分散して位置する一対の下絞り板67,67と、一対の上絞り板61,61の下方に分散して位置する一対の駆動プレート68,68と、一対の下絞り板67,67の下方に位置する一対の絞りアーム64,64と、一対の駆動プレート68,68に振り分けた支持させた一対の加熱体65,65と、一方の加熱体65に支持させたカッター66とを備えて構成してある。
【0054】
各駆動プレート68は、一対のガイドレール62,62に摺動自在に支持されるとともに封鎖連動機構94を介して電動式の絞りモータ63に連動されており、一対の駆動プレート68,68は、互いに離間し合うように、あるいは互いに近付き合いように絞りモータ63によって一対のガイドレール62,62に沿わせて駆動操作される。
【0055】
封鎖連動機構94は、一方の駆動プレート68の端部に設けた操作部68aを絞りモータ63の出力軸に一体回転自在に設けた駆動リンク98に連結する連動ロッド97と、一方の駆動プレート68のガイドレール62に連結するボス部に揺動自在に支持された天秤リンク96と、この天秤リンク96を他方の駆動プレート68に連結する連動杆95とを備えて構成してある。天秤リンク96の一端側と一方の駆動プレート68は、駆動プレート68の操作部68aに設けた切欠き形の長孔99に摺動自在に係入する状態で天秤リンク96に設けた連動ピン96aを介して連動されている。
【0056】
各上絞り板61は、上絞り板61に設けた長孔(図示せず)と、この長孔に摺動自在に係入する状態で駆動プレート68に設けた係止ピン68dを介して駆動プレート68に係止されている。つまり、各上絞り板61は、ガイドレール62に沿う方向では駆動プレート68に対して設定範囲内で相対移動する状態で、かつガイドレール62と直交する方向では駆動プレート68に対して位置ずれしない状態で駆動プレート68に支持されている。各上絞り板61は、下方に位置する駆動プレート68にスプリング68bを介して連動されている。各下絞り板67は、上絞り板68に連結ピン67aを介して一体移動自在に連結されている。
【0057】
各絞りアーム64は、支持部69に揺動軸芯64aまわりに揺動自在に支持されている。各絞りアーム64は、絞りアーム64に設けたカム溝64bと、このカム溝64bに摺動自在に係入する状態で駆動プレート68に設けたローラ形の操作カム68cとを介して一方の駆動プレート68に連動されている。したがって、一対の絞りアーム64,64は、遊端側が互いに離間し合うように、あるいは遊端側が互いに近付き合うように一方の駆動プレート68の操作カム68cによって揺動操作される。
【0058】
図15,19に示すように、封鎖連動機構94は、昇降部70が被包装物Aを包装処理位置に下降操作するまで、一対の駆動プレート68,68をガイドレール62の端側に位置させ、一対の上絞りプレート61,61を円弧形状の絞り作用部61aが離間し合った状態に駆動プレート68によって開き操作してこの状態で待機させ、一対の下絞りプレート67,67を直線状の絞り作用部67bが離間し合った状態に上絞りプレート67によって開き操作してこの状態で待機させ、一対の絞りアーム64,64を遊端側の絞り作用部が離間し合った状態に駆動プレート68の操作カム68cによって開き操作してこの状態で待機させる。
【0059】
図16,17,20,21に示すように、封鎖処理部70は、昇降部70が被包装物Aを包装処理位置に下降させると、一対の駆動プレート68,68をガイドレール62の中央側に絞りモータ63によって移動させ、一対の上絞り板61,61を絞り作用部61aが寄り合った状態に駆動プレート68によって閉じ操作し、一対の下絞り板67,67を絞り作用部67aが寄り合った状態に駆動プレート68によって閉じ操作し、一対の絞りアーム64,64を遊端側が寄り合った状態に駆動プレート68の連動ピン68cによって閉じ操作し、包装シート5の被包装物Aより上側に位置する部分を、一対の上絞り板61,61の絞り作用部61a,61a及び一対の下絞り板67,67の絞り作用部67b,67bと、一対の絞りアーム64の遊端側によって寄せ集める。封鎖処理部70は、一対の下絞り板67,67が絞り作用部67bで突き合った後、一対の駆動プレート68,68を絞りモータ63によってガイドプレート62の中央側にスプリング68bを伸長させながら移動させて一対の加熱体65,65及びカッター66を包装シート5の寄り合った部位に移動させ、包装シート5の寄り集まった部位を一対の加熱体65,65によって挟んで加熱して溶着させることで包装シート5のうちの被包装物Aの包装に使用された部分の端を封鎖し、包装シート5のうちの被包装物Aの包装に使用されなかった余剰シート部分5aをカッター66によって切り離す。
【0060】
図22,23に示すように、封鎖処理部70は、包装シート5の封鎖及び余剰シート部分5aの切り離しを完了すると、一対の駆動プレート68,68を絞りモータ63によってガイドレール62の端側に戻し操作し、一対の上絞り板61,61の絞り作用部61a,61a及び一対の下絞り板67,67の絞り作用部67b,67bが離間し合った状態に駆動プレート68によって開き操作して次の封鎖処理まで待機させ、一対の絞りアーム64,64を遊端側が離間し合った状態に駆動プレート68によって開き操作して次の封鎖処理まで待機させる。
【0061】
包装処理機構10は、上絞り板61の上方に設けた排出アーム101が備えられたシート排出処理部100を備えており、カッター66によって切り離された余剰シート部分5aをシート排出処理部100により、包装台11の前端側における横端部の下方から包装機体2の外部に排出する。
【0062】
図24は、シート排出処理部100を示す平面図である。図25は、シート排出処理部100を示す斜視図である。これらの図及び図19に示すように、シート排出処理部100は、上絞り板61の上方に配置して包装機体2に支持させたカムプレート102と、このカムプレート102と上絞り板61の間に設けた排出アーム101及び放出アーム103と、カムプレート102の上面側に設けた閉じプレート104とを備えて構成してある。
【0063】
排出アーム101は、カムプレート102の下面側に回転支軸101aを介して枢支されており、カムプレート102に設けてあるカム溝105の長手方向に沿って回転支軸101aのまわりに揺動する。排出アーム101は、回転支軸101aから一体回転自在に延出した揺動自在な操作レバー101bを備えている。図19に示すように、この操作レバー101bは、連動杆106を介して天秤リンク96に連動されている。排出アーム101は、これの遊端部に固定された固定爪107と、排出アーム101の遊端部に連結ピン108aを介して枢支される開閉爪108とを備えている。開閉爪108は、連結ピン108aのまわりに固定爪107に対して揺動開閉する。開閉爪108に操作ロッド109及びスプリング110を介して連動する連動アーム111、及びこの連動アーム111に連結ピン112を介して一体揺動自在に連結している開閉レバー113を、排出アーム101の中間部に設けた支持部101cに連結ピン112を介して揺動自在に支持させてある。開閉レバー113の遊端部に、カムローラ113aをカムプレート102のカム溝105に入り込むよう構成して設けてある。連動アーム111は、スプリング110によって揺動付勢されて操作ロッド109に設けたストッパー部109aに当接し、操作ロッド109を摺動付勢して開閉爪108を開き付勢している。開閉レバー113は、カム溝105の内面に当接するようスプリング110によって揺動付勢されている。
【0064】
閉じプレート104は、カムプレート102に連結ピン104aを介して枢支されており、連結ピン104aのまわりに揺動する。閉じプレート104は、カムプレート102に設けたストッパー114に当接した待機位置にスプリング115によって揺動付勢されている。閉じプレート104は、これの中間部に切り欠き部を形成して設けたカムローラ113a用のカムローラ通路104bを備えている。
【0065】
放出アーム103は、支持ピン103aに揺動自在に支持されている。放出アーム103は、ストッパー116に当接した待機位置にスプリング117によって付勢されている。
【0066】
図19〜23は、シート排出処理部100の作用を示す平面図である。図19に示すように、封鎖処理部60が上絞りプレート61、下絞りプレート67及び絞りアーム64を待機させている状態にあると、天秤リンク96によって引き側に操作された連動杆106によって操作レバー101bが引き操作され、排出アーム101は、固定爪107及び開閉爪108が包装台11の前端側における横端部の下方に位置した排出位置Xに位置している。
【0067】
図21に示すように、封鎖処理部60が包装シート5の封鎖処理を行うよう作動すると、天秤リンク96によって押し側に移動操作される連動杆106によって操作レバー101bが押し操作され、排出アーム101は、固定爪107及び開閉爪108が供給口12に対して包装シート収容部20が位置する側に偏倚した箇所に位置する排出始動位置Zに移動する。
【0068】
図20に示すように、排出アーム101が排出位置Xから排出始動位置Zに移動する場合、開閉レバー113のカムローラ113aが閉じプレート104の裏面104c(図24,25参照)を摺動して開閉レバー113が閉じプレート104によって閉じ側に揺動操作され、開閉爪108は、開閉レバー113による操作ロッド109を介しての操作によって閉じ姿勢に操作され、開閉爪108が包装シート5の余剰シート部分5aが存在する箇所を排出アーム101の基部が位置する側に迂回して通り、余剰シート部分5aとの接触を回避しながら排出始動位置Zに移動する。
【0069】
開閉爪108が余剰シート部分5aを迂回した後、開閉レバー113のカムローラ113aが閉じプレート104の裏面側から閉じプレート104のカムローラ通路104bを通って閉じプレート104の表面側に移動する。排出アーム101が排出始動位置Zに到達すると、開閉レバー113のカムローラ113aがカム溝105における開き操作カム部105a(図24参照)に当接し、開閉爪108が開閉レバー113による操作によって開き姿勢になる。
【0070】
図22に示すように、封鎖処理部60による包装シート5の封鎖処理及び余剰シート部分5aの切り離しが終了して駆動プレート68がガイドレール62の端側に移動操作されるに伴い、揺動する天秤リンク96によって引き操作される連動杆106によって操作レバー101bが引き操作され、排出アーム101が排出始動位置Zから排出位置Xに向けて移動する。このとき、開閉爪108が余剰シート部分5aに至ると、開閉レバー113のカムローラ113aがカム溝105における開き操作カム105aから閉じ操作カム部105b(図24参照)に移動し、開閉爪108が開閉レバー113による操作ロッド109を介しての操作によって閉じ側に揺動操作され、排出アーム101は、カッター66によって切り離された余剰シート部分5aを開閉爪108と固定爪107によって挟持する。
【0071】
図23に示すように、駆動プレート68がガイドレール62の端側にさらに移動操作されると、天秤リンク96によってさらに引き操作される連動杆106によって操作レバー101bが引き操作される。このとき、開閉レバー113のカムローラ113aがカム溝105における閉じ操作カム部105bを摺動して開閉爪108が閉じ姿勢に維持され、排出アーム101は、余剰シート部分5aを開閉爪108と固定爪107によって挟持した状態を維持する。
【0072】
図19に示すように、排出アーム101が排出位置Xに至ると、開閉レバー113のカムローラ113aがカム溝105における開き操作カム部105c(図24参照)に当接し、開閉爪108が開閉レバー113によって開き側に切換え操作され、排出アーム101は、余剰シート部分5aの開閉爪108と固定爪107による挟持を解除する。このとき、排出アーム101に設けてある操作部101dが放出アーム103に設けてある操作ローラ103bに押圧作用し、放出アーム103が、スプリング117に抗して揺動操作されて、放出アーム101による挟持が解除された余剰シート部分5aを包装機体2の外部に向けて放出する。
【0073】
〔別実施例〕
(1)上記した実施例では、一対のロール支持ローラ21,21がモータ23によって駆動される例を示したが、一対のロール支持ローラ21,21の駆動構造として異なる構成を採用してもよく、例えば、一対のロール支持ローラ21,21の一方のロール支持ローラ21がモータ23によって駆動され、他方のロール支持ローラ21が自由に回転する状態で支持される構成を採用して実施してもよい。この場合も、本発明の目的を達成することができる。
【0074】
(2)上記した実施例では、一対の挟持部32,32を揺動自在な引出しアーム31によって移動操作するように引出し機構30を構成した例を示したが、一対の挟持部32,32をスライド移動操作される支持部材によって直線状又は曲線状に移動操作するように構成した引出し機構を採用して実施してもよい。
【0075】
(3)上記した実施例では、包装シート5を熱溶着によって封鎖するように包装処理機構10を構成した例を示したが、包装シート5を粘着テープの貼り付けや巻き付けによって封鎖するように構成した包装処理機構を採用して実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、レタスやキャベツなどの野菜を被包装物とする包装装置の他、メロンやリンゴの果物など、各種の物品を被包装物とする包装装置に利用できる。
【符号の説明】
【0077】
5 包装シート
7 シートロール
7a ロール軸芯
10 包装処理機構
12 供給口
20 包装シート収容部
21 ロール支持ローラ
21b ローラ軸芯
25 モータ
30 引出し機構
31 引出しアーム
32 挟持部
35 引出し用支持部
35c 引出し軸芯
40 シート切断機構
51 制御手段
A 被包装物
W 包装シートの包装シート引き出し方向と直交する方向での長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物が包装シートに載置した状態で前記包装シートと共に供給口から供給され、供給された被包装物を前記包装シートによって包装する包装処理機構と、包装シートをシートロールの状態で収容する包装シート収容部と、前記シートロールから包装シートを前記供給口に引き出す引出し機構と、前記供給口に引き出された包装シートを前記シートロールから切り離すシート切断機構とを備えた包装装置であって、
前記包装シート収容部に、前記シートロールを載置して支持させるロール支持ローラを、載置されたシートロールのロール軸芯と平行な軸芯まわりに回転自在に支持される状態で設け、
前記ロール支持ローラを駆動するモータを設け、
前記引出し機構を、包装シートの包装シート引き出し方向と直交する方向での長さに近い間隔を隔てて包装シート引き出し方向と直交する方向に並ぶ一対の挟持部を備えて、包装シートの包装シート引き出し方向と直交する方向での両端部を前記一対の挟持部によって挟持して包装シートを前記シートロールから前記供給口に引き出すように構成し、
前記ロール支持ローラが前記モータによって回転駆動されて支持している前記シートロールを包装シート繰出し方向に回転操作するように前記モータを駆動制御しながら、前記引出し機構を包装シートの引き出しを行なうように駆動制御する制御手段を設けてある包装装置。
【請求項2】
包装シートの包装シート引き出し方向と直交する方向での両外側に分散配置した一対の引出しアームと、前記供給口よりも低い配置高さの箇所に包装シート引き出し方向と直交する方向に対して平行に設けた引出し軸芯まわりに前記一対の引出しアームを一体揺動自在に支持する引出し用支持部とを、前記引出し機構に備えるとともに、前記一対の挟持部を、前記一対の引出しアームの遊端部に振り分けて設け、
包装シートの包装シート引き出し方向と直交する方向での両端部を前記一対の挟持部によって挟持させながら前記一対の引出しアームを揺動させることにより、包装シートを前記シートロールから前記供給口に引き出すように、前記引出し機構を構成してある請求項1記載の包装装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公開番号】特開2012−12052(P2012−12052A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148810(P2010−148810)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】