説明

包装設備を稼働させるためのシステム

【課題】
本発明は、製品、特にタバコ物品用の包装設備10を稼働させるシステムであって、この包装設備10の複数の構成要素、特にこの包装設備10の複数の包装機又は複数の装置が、包装工程中にこの包装設備内で前後して配置されている当該システムに関する。
【解決手段】
本発明は、前記包装設備10のエネルギー効率を改良するため、複数の構成要素の少なくとも一部が、少なくとも1つの制御装置27によって少なくとも一時的にエネルギー節約モードに切り替えられ、このエネルギー節約モードでは、当該対応する構成要素が、稼働モード中より少ないエネルギーを必要とすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品、特にタバコ物品用の包装設備を稼働させるシステム及び方法に関する。この場合、包装設備の複数の構成要素、特に包装設備の複数の包装機又は複数の装置が、請求項1の上位概念にしたがって包装工程中にこの包装設備内で前後して配置されている。
【背景技術】
【0002】
エネルギー価格が上昇している今日では、包装設備、包装機及び当該包装機のそれぞれの装置の買い手は、これらの構成要素がエネルギーを節約して稼働され得ることを要求する。それ故に、これらの構成要素が、稼働状態中に総じてできるだけ少ないエネルギーを消費することが重要であることをかなり前から考えている。さらに、一般に通常の構成要素は、その構成要素が少ないエネルギーを消費する負荷率で稼働されるように、当該通常の構成要素は仕様決定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第10021838号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許出願公開第19914297号明細書
【特許文献3】ドイツ連邦共和国特許出願公開第19946787号明細書
【特許文献4】ドイツ連邦共和国特許出願公開第102006017106号明細書
【特許文献5】ドイツ連邦共和国特許出願公開第102008033549号明細書
【特許文献6】ドイツ連邦共和国特許出願公開第102009004641号明細書
【特許文献7】ドイツ連邦共和国特許出願公開第102010011640号明細書
【特許文献8】ヨーロッパ特許出願公開第2386363号明細書
【特許文献9】国際公開第2009/109178号パンフレット
【特許文献10】国際公開第2010/037517号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、当該従来の技術から出発して、冒頭で述べた種類のシステムを、さらなるエネルギー節約に関して改良することにある。この場合、当該エネルギー節約の用語は、エネルギーの消費量を減少させる全ての手段を示す。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するため、本発明のシステムは、請求項1に記載の特徴を有する。したがって、包装設備のエネルギー効率を改良するため、複数の構成要素の少なくとも一部が、少なくとも1つの制御装置によって少なくとも一時的にエネルギー節約モードに切り替えられ、このエネルギー節約モードでは、当該対応する構成要素が、稼働モード中より少ないエネルギーを必要とすることが提唱されている。
【0006】
一般に、エネルギーの使用効率、すなわちエネルギー消費に対する利用の比をエネルギー効率と呼ぶ。包装設備に関しては、特定のエネルギー消費のエネルギー効率、すなわち製品を包装するために必要とするエネルギーのエネルギー効率を言う。
【0007】
本発明の利点は、構成要素のエネルギー消費がこれらの構成要素に対応する制御装置及び/又は調整装置によって減少され得る点にある。この改良は、設備効率、すなわち設備の生産率に左右されない。また、システムのエネルギー効率が良いとは、(一定の)少ないエネルギーを消費する構成要素を選択することと考えてはならない。
【0008】
稼働モードとは、本発明の範囲内では、構成要素が包装設備の定格稼働又は通常稼働にある当該構成要素の状態を意味する。この場合、例えば包装すべき又は設備内で取り扱うべき様々な製品に対して、必ず1つの稼働モードだけが存在しなければならないのではなくて、複数の稼働モードが存在してもよい。
【0009】
エネルギー節約モードは、本発明の範囲内では、構成要素がそれぞれの稼働モード中より少ないエネルギーを消費する状態を意味する。当該より少ないエネルギー消費は、構成要素を(完全に)停止することによって実施してもよいし又はエネルギー消費の一部を減少させることによって実施してもよい。実際には、各構成要素が、例えば、完全に停止するエネルギー節約モード、最少又は少ないエネルギー消費を呈するエネルギー節約モード等のような、様々なそれぞれのエネルギー消費を呈する異なるエネルギー節約モードを有する。
【0010】
異なる稼働モードが、構成要素に対して−例えば異なる製品に対して−存在する場合、一方の製品に対する稼働モードが、他方の製品に対するエネルギー節約モードに一致することが考えられ得る。
【0011】
本発明の好適なさらなる構成によれば、包装設備及び/又はこの包装設備の構成要素を制御するためのプログラムが、制御装置内に格納されていることが提唱され得る。この場合、当該プログラムが、包装設備及び/又はこの包装設備の構成要素の所定の稼働状態に割り当てられている。
【0012】
したがって、稼働モード及びエネルギー節約モード又はエネルギー消費を考慮して構成要素を制御又は調整するためのプログラムを有する制御装置が提唱され得る。さらに、これらのプログラムが、所定の稼働状態に割り当てられていることが提唱されている。
【0013】
例えば、全ての構成要素が稼働モードで稼働される「定格稼働」用の1つのプログラムが考えられる。場合によっては、「定格稼働」用の複数のプログラムが、例えば包装すべき製品に依存して存在してもよい。この場合、所定の製品に対するプログラムが考えられる。これらのプログラムの場合、複数の構成要素の一部が、エネルギー節約モードに移行されるか又は完全に停止される。何故なら、当該複数の構成要素の一部が、製品の包装時にほとんど又は完全に必要とされないからである。
【0014】
特に、包装すべき製品に応じて低い温度で加熱装置を稼働させることが考えられる。
【0015】
さらに、構成要素が、生産速度に応じて制御又は調整されることが考えられる。包装設備の遅い生産速度の場合、加熱装置が、より低い温度で稼働される。包装設備の速い生産速度の場合、加熱装置が、より高い温度で稼働される。
【0016】
特に、設備をオペレーターの作業速度に応じて制御又は調整することが考えられる。例えば習熟したオペレーターの場合は、エネルギーが、当該方法で節約され得る。設備のオペレーターの通常の作業速度が、当該方法で考慮されてもよい。例えば、特定のエネルギー消費をできるだけ少なく維持するため、所定の複数の設備が、オペレーターに応じてより速い生産速度で又はより遅い生産速度で別々に稼働されることが考えられる。
【0017】
実際には、大きい重みづけが、休憩、障害、メンテナンス、終業、週末、工場閉鎖等のような稼働中断時に使用されるプログラムに与えられてもよい。この場合、構成要素のエネルギー消費を低下させるため、様々なプログラムが、当該中断の期間に応じて作成されることが考えられる。
【0018】
制御装置内のプログラムの選択に関しては、個々に又は積み重ねて任意の組み合わせで実現され得る様々な可能性が考えられる。
・プログラムが、直接に(手動で)選択され得る、
・プログラムが、自動で選択され得る。
【0019】
一方では、自動の選択の場合、例えば、休憩、計画的なメンテナンス、終業、作業交代、週末、控除閉鎖等のような構成要素の稼働状態の計画的な変更を伴うシーケンス制御された選択が考慮され得る。
【0020】
しかし、他方では、包装設備及び/又はこの包装設備の構成要素の稼働状態に基づくプログラムの自動の選択も考えられる。
【0021】
特にプログラムの自動の選択にとって、一方で統計学的な目的にとっても又は手動の評価にとって、包装設備及び/又はこの包装設備の構成要素の稼働状態及び/又は稼働中断が、制御装置によって検出されることが重要になり得る。
【0022】
さらに、包装設備及び/又はこの包装設備の構成要素のエネルギー消費が検出されることが特に提唱されている。特に、当該検出は、以下の要因のうちの1つ又は複数の要因に応じて実行される。
・包装設備(10)及び/又はこの包装設備の構成要素の稼働モード、
・時点、
・製品、
・オペレーター又はオペレーターチーム。
【0023】
このとき、当該検出されたデータが、例えば制御装置(27)、機械制御装置又はラインコンピュータ内に記憶され得る。
【0024】
本発明の好適なさらなる構成によれば、制御装置内に格納されたプログラムが、包装設備及び/又は1つ又は複数の構成要素の稼働状態及び/又はエネルギー消費及び/又は稼働中断の記録に基づいて自動で適合されることが提唱されている。この場合、システムが、当該記録されたデータから「学習」し、当該データからプログラムを自発的に最適にできる。
【0025】
例えば、構成要素の所定の障害が、特定の期間の稼働中断を引き起こすことを、自己学習システムが認識できる。十分なデータが存在する場合、それぞれの中断が、どのくらいの期間予測として持続されるかが、統計学的に又は確率の計算によって算出され得る。その結果、対応するプログラムが、制御装置によって適切に適合される。
【0026】
さらに、稼働中断に応答するため、この稼働中断の新しい原因が、制御装置によって認識され、対応するプログラムが作成されることが考えられる。
【0027】
例として、シーリングタレットの装置が、シガレット用の包装設備内で最初に故障することが想定され得る。この場合、この故障に対しては、まだプログラミングが存在しない。システムが、当該新たに記録された故障を認識し、続いて当該設備のどの構成要素がこの故障に起因して停止され得るか若しくは停止されなければならないか又はより少ない電力で稼働され得るか若しくは稼働されなければならないかを記録する。さらに、当該システムが、この故障を除去するまでの時間を記録し、次いで新しい規則又は新しいプログラムを作成してもよい。この新しいプログラムが、当該故障の新たな発生時に呼び出される。当該稼働中断の将来の発生ごとに、その影響が認識され、当該プログラムが場合によっては適合される。
【0028】
当該手順は、障害又は故障時だけで使用され得るのではなくて、例えば、銘柄の交換、製品の交換、メンテナンス等のような稼働進行中の計画的な介入時にも使用され得る。
【0029】
さらなる特徴は、稼働中断の予測される期間の「予報」に関する。中断の予測される期間が、記憶されたデータに基づいて統計学的な計算又は確率の計算を用いて算出される。この場合、どの構成要素が、稼働中断のどの組み合わせに関係しているかも特に考慮される。何故なら、このことも、稼働中断の期間に影響しうるからである。
【0030】
さらなる特徴は、エネルギー節約モード中の構成要素の移行時の構成上の解決手段に関する。
【0031】
以下に、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】概略的に示されている包装設備の平面図である。
【図2】包装設備及びこの包装設備の制御装置の構成要素を概略的に示す。
【図3】これらの構成要素の現在のエネルギー消費を概略的に示す。
【図4】操作装置を概略的に示す。
【図5】包装設備の包装機を図1中の矢印Vに沿った側面図で示す。
【図6】図5中の特徴部分VIによる包装機の細部を拡大図で示す。
【図7】プログラムを概略的に示す。
【図8】図6中の切断線VIII−VIIIに沿った設備の水平断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明をタバコ物品用の包装設備10に基づいて例示的に説明する。この包装設備10は、当該示された実施の形態ではシガレットの製造から一群のパックの包装までの全ての包装ラインを含む。
【0034】
明らかに、包装設備10が、全ての包装ラインを必ずしも有する必要はない。包装設備10が、単独の包装機又は単独の包装装置を有するだけでもよい。
【0035】
さらに、明らかに、本発明は、シガレット、葉巻タバコ等のようなタバコ物品の包装に関連して使用され得るだけではなくて、例えば衛生用品のようなその他の製品でも使用され得る。
【0036】
図1による当該包装設備10は、連続した複数の包装機を有する。製造すべき製品又は中間製品が、この包装設備内での加工中にこれらの包装機を通過する。また、各包装機は、同様に制御又は調整され得る連続する複数の単位装置を有する。当該単位装置に関しては、言語表現上簡略化のために、以下では、包装設備10の構成要素と常に呼ぶ。この用語は、包装設備10の制御可能又は調整可能な全ての構成要素を含み、すなわち結果的には包装機、当該包装機の単位装置、副単位装置等を含む。
【0037】
図1中に示された包装設備10の実施の形態では、以下の複数の構成要素が、包装ライン内に前後して配置されていて又は包装工程中に互いに稼働される。
・マーカー11、
・フィルター装置12、
・シガレット貯蔵器13、
・ヒンジリッド包装機14、
・ブランクマガジン15、
・包装貯蔵器16、
・セロファン包装機17、
・カートン包装機18、
・段ボール包装機19。
【0038】
包装設備10の個々の構成要素用の包装材を有するボビン貯蔵器20が、当該包装ラインの横隣に配置されている。これらの包装材が、ボビン供給器21によって当該個々の構成要素に供給可能である。
【0039】
それぞれの機械又はそれぞれの構成要素を制御するため、機械制御装置22がそれぞれ、包装設備10の当該構成要素に割り当てられている。これらの機械制御装置22が、制御ライン23を通じてメインコンピュータ24に接続されている。同様に、このメインコンピュータ24が、ライン25,25を通じてインターネット及び/又はイントラネットに接続され得る。
【0040】
複数のこのような包装設備10が、1つの生産現場で操作され得る。これらの包装設備10が、場合によってはライン25を通じてイントラネットに互いに接続されて制御され得る。1つ又は複数の現在位置の包装設備10を、1つ又は複数の中央サイトによって制御、調整、管理又は評価できるようにするため、イントラネット及び/又はインターネットを通じて複数の包装設備10を結合することも考えられる。
【0041】
包装設備10又はこれらの包装設備10の構成要素のエネルギー効率を向上させるため、制御装置27が設けられている。この制御装置27が、離れた設備として実現されてもよく、ライン25,26を通じて包装設備10に接続されてもよく又はメインコンピュータ24内に配置されてもよい。包装設備10を稼働させるための特に様々なプログラムが、制御装置27内に記憶されている。これらのプログラムが、使用目的に応じて包装設備10の構成要素向けに異なるソフトウェア構成を提供する。
【0042】
稼働を中断させる場合のための第1プログラムの一例が、図7中に示されている。図の左側の段には、包装設備10の個々の構成要素が、図表で示されている。当該それぞれの構成要素の横には、その稼働中断期間に依存するソフトウェア構成が存在する。この場合、熱収縮装置28の温度が、短い中断時に50℃の温度に低下され、より長く持続する稼働中断時には、当該温度が30℃に低下され、長い中断では、当該熱収縮装置28が最終的に停止されることが、プログラミングされている。特に温度の低下時には、予測される稼働中断期間も考慮される。特に、稼働中断が、温度の低下によって延長されないように、当該温度が、この稼働中断の予測される終了までに稼働温度に再び上昇され得る限度内だけで、当該温度が低下されなければならない。
【0043】
対応するソフトウェア構成が、熱接着剤貯蔵容器29、モニター30、機械照明装置31、緊急停止スイッチ32、サーボモーター33、真空ポンプ34、カメラ監視装置35及びレーザー印刷機3用にプログラミングされている。
【0044】
さらに、当然にこれらの構成要素の「定格」稼働用のソフトウェア構成も、プログラム中にプログラミングされ得る。さらに、図7中の符号のほかにプログラミングされた構成要素のソフトウェア構成が、これらの構成要素の様々なエネルギー節約モードに対して存在する。
【0045】
この場合、制御装置27が、プログラムをインストールし、表示し、選択するように構成されている。既に上述したように、当該構成は、構成要素がそれぞれの機械制御装置22に接続されていて、これらの機械制御装置22が制御装置27に接続されていることによって可能である。図2は、包装設備10のその他の構成要素として制御盤37及びセロファン包装機17をさらに示す。
【0046】
当該複数のプログラムの選択が、図2中に示されたように3つの異なる種類で実行され得る、すなわち
・手動で、
・自動で且つシーケンス制御で、
・稼働状態に応じて自動で、
実行され得る。
【0047】
これらの3つの方法が、図2中に制御装置27内の対応する符号によって示されている。
【0048】
当該複数のプログラムの手動の選択が、簡単な場合を示す。それぞれのプログラムが、1つの制御装置27でオペレーターによって選択され得る。当該選択は、例えば包装設備10の稼働状態に応じて、製造すべき製品に応じて又はその他の限界条件に応じて実行され得る。
【0049】
稼働中断を引き起こす障害が発生した場合、オペレーターが、当該制御装置27で対応するプログラムを選択できる。このとき、このプログラムが、単独の構成要素又は複数の構成要素又は全ての構成要素をエネルギー節約モードに切り替える。このエネルギー節約モードは、このプログラムが終了するまで一定でもよく又は図7中に示されたように時間に依存してもよい。
【0050】
これに反して、制御装置27のシーケンス制御されたプログラミングは、休憩、作業交代、終業、週末、数日にわたる休業の場合のような既定の稼働中断を自動で考慮可能にする。当該シーケンス制御されたプログラムは、計画的に実施すべきメンテナンスに対しても使用され得る。
【0051】
基本的には、当該複数の構成要素を稼働状態に再びさせるために必要になる時間が、稼働中断で考慮されなければならない。当該考慮は、特にシーリング構成要素、接着ライン、接着ノズル、乾燥タレット等を加熱するために必要になる時間に対して適用される。
【0052】
包装設備10の稼働状態に応じたプログラムの選択が、最も高度な自動化を提供する。包装設備10の複数の構成要素のネットワーク化に基づいて、包装設備10とこの包装設備10内に含まれている構成要素との稼働状態に関する情報が、機械制御装置22を通じて制御装置27に伝達される。この場合、これらの構成要素の実際のエネルギー消費に関するデータだけではなくて、それぞれの構成要素の障害に関する情報も、制御装置27に対して伝達され得る。対応するプログラミングの場合、この制御装置27が、包装設備10のその都度の稼働状態に適合するプログラムを自動で選択することができる。
【0053】
例えば、セロファン包装機17の構成要素と場合によっては包装設備10との停止を必要とする障害が、このセロファン包装機17の領域内に存在することが考えられる。このセロファン包装機17の領域内のエラー情報が、制御装置27によって評価され、対応するプログラムが開始される。当該プログラムが、例えば、セロファン包装機17に吸引空気を供給するための真空ポンプ34を停止する。当該停止は、図7中に例示されたようにエラーの或る程度の期間後に初めて実行されてもよい。その結果、短期間の中断は、停止を引き起こさない。
【0054】
その他の構成要素が、1つの構成要素の領域内の稼働中断又は障害に関与する場合は、これらのその他の構成要素に対応するエネルギー節約モードも、制御装置27内に格納され得る。
【0055】
特に、制御装置27は、自己学習システムとしてさらに構成されている。包装設備10の複数の構成要素の稼働状態を管理することによって、当該制御装置27は、どのくらいの時間が障害又は稼働中断を除去するために必要になるかを推測できる。このとき、この制御装置27が、当該推測を通じて当該格納されたプログラムを適合させ且つ改良できる。当該プログラムが、包装すべき又は製造すべき製品に依存して、例えばシガレットの銘柄又は対応する包装の種類に依存してプログラミングされることも考えられる。
【0056】
さらに、1つの稼働中断が、当該障害又は中断に関係しない複数の構成要素をエネルギー節約モードに同様に又は同程度に移行させないか又は限定的にだけ移行させることが考えられる。例えば、例えば図1中のヒンジリッド包装機14の障害時に、包装設備10の、このヒンジリッド包装機14の前方又は後方に配置された構成要素、すなわちこの場合にはマーカー11及びフィルター装置12並びにセロファン包装機17が、より遅い製造速度で稼働されることも考えられる。貯蔵器13及び16が充填されるか又は空にされるまで、上述した構成要素を最初は定格稼働速度で製造させ続けること、及び、貯蔵器13及び16が充填されたか又は空にされた後に初めて、当該速度が、対応するプログラミングによって低下されることが、別の実施の形態として考えられる。これらの全てのプログラミングが、制御装置27によって集中方式で予め設定され得る。
【0057】
さらに、エネルギー効率を向上させるため、制御装置27が、新たに発生する稼働状態のためにプログラムを自発的に作成することが考えられる。当該作成は、測定結果、エラー情報及び統計計算を用いて実行され得る。さらに、その他の要因、例えば包装すべき製品、オペレーターの能力、例えば温度のような環境の及ぼす影響等に依存して、当該プログラミングを実施することも考えられる。
【0058】
さらに、当該制御装置27は、包装設備10の稼働を構成要素のエネルギー消費の点から見て管理し表示するために使用され得る。このため、図4による当該制御装置は、当該情報を表示するためのモニター38を有してもよい。構成要素又は包装設備10の全体のエネルギー消費に関する情報が、このモニター38上に表示されることが考えられる。
【0059】
このため、図4は、時間に対する包装設備10のエネルギー消費のグラフィック画像39を示す。さらに、モニター38が、別のグラフィック画像40内に包装設備10の具体的なエネルギー消費を示す。包装設備10のそれぞれの構成要素に関するこれらの情報も表示することが考えられる。さらに、当該制御装置27は、表示すべき情報を選択するために又はプログラム及び/若しくは当該プログラムのプログラミングを選択するために複数の電鍵41及び1つのつまみ42を有する。
【0060】
実際のエネルギー評価だけが表示されるのではなくて、例えば前日、その他の就業時間又はその他の包装設備10との比較のような経時評価又は統計評価が実行されることが、基本的に考えられる。
【0061】
さらに、当該制御装置27は、図3中に示されたように、複数の構成要素のその時のエネルギー消費の評価を可能にする。
【0062】
この場合、その時のエネルギー消費が、各構成要素に対して1つの矢印43によってそれぞれ示されている。さらに、限界値が、バー44によって示されている。この場合、この限界値から離れると、対応する構成要素が、平均以上に高いエネルギー消費を有する水準にある。したがって、当該エネルギー消費がそれぞれ、それぞれの限界値の下にあるように、包装設備10が稼働されなければならない。例えば、レーザー印刷機36及びサーボモーター33が、その限界値の上で稼働されることが分かる。このことは、障害を示唆しうる。両者の場合、例えば異物が、通常よりも多くのエネルギーを消費させうる。反対に、エネルギー消費の当該上昇は、異物が特定の構成要素又は装置に混入していて、当該構成要素又は装置が修理、手入れ又は整備される必要があることを示唆しうる。当然に、当該エネルギー消費は、百分率により示される必要はなく、当該エネルギー消費は絶対データでもよい。
【0063】
さらに、できるだけ少ないエネルギーコストになるように、制御装置27が、包装設備10を制御することが考えられる。例えば、エネルギーの購入価格が特に有利であるときに、所定の(特に周期的な)包装工程が実施されるように、制御装置27が、包装設備10を制御することが考えられる。すなわち、例えばオフピークの電気料金等の利用が考えられる。例えば、特に例えばエネルギーが安価に使用できる時点に、タバコ加工のような周期的に進行する工程がこの方法で進行し得る。エネルギーが、再生可能エネルギー源から生成され得る場合、当該工程は、再生可能エネルギー源から予測されるエネルギー収量に応じて、例えば天気予報を考慮して又は天気予報に応じて進行する。
【0064】
別の特徴は、稼働中断の終了前に間に合わせて構成要素を稼働モードに再び移行させるように、プログラムがプログラミングされている点にある。例えば、例えば熱収縮装置28のような加熱構成要素を間に合うように加熱することが考えられる。その結果、稼働モードが、稼働中断の終了時に得られる。このことは、シーケンス制御されたプログラムで不動にプログラミングされ得るか、又は、このことに応じてプログラムを合わせるため、制御装置27が、既に発生した結果に基づいて学習する。
【0065】
別の特徴が、図5,6及び8中に示されている。これらの図は、エネルギー節約モードを支援するための手段に関する。稼働中断後又はエネルギー節約モードの起動後に包装工程の続行を保証できるようにするため、複数の手段が提唱されている。
【0066】
1つの当該手段をセロファン包装機17の例を代表として説明する。包装材45が、この領域内でガイドローラ46を経由してサクションコンベヤー47の領域内に送られることが一般に実施されている。分離装置48によって包装材45から別々にされるこの包装材45の半加工品が、サクションコンベヤー47を用いて包装すべき製品49の搬送路内に保持される。当該製品49が、このサクションコンベヤー47の垂直面内に保持されている半加工品を横切って、シーリングタレット51のポケット50内に挿入される。このため、負圧が、真空ポンプ34によってこのサクションコンベヤー47に印加される。
【0067】
より長い稼働中断(図7)時の真空ポンプ34の停止の場合、既に別々にされた半加工品が、サクションコンベヤー47の周囲から脱落することが必ず起こる。その結果、稼働中断の終了後の設備の始動に、必然的に、製品49が、包装されずにシーリングタレット51内に挿入される。
【0068】
この問題を解決するため、保持装置52が、サクションコンベヤー47に対する包装材45又はそれぞれの半加工品の位置を固定するために真空ポンプ34の停止時に起動されることが提唱されている。
【0069】
包装材45の位置が、真空ポンプ34の停止時に機械式に自動に固定されるように、当該保持装置52が構成されている。
【0070】
この場合、保持シュー53が、保持装置52に対して設けられている。この保持シュー53が、ばね54によってサクションコンベヤー47に対して押圧され、このときに包装材45をこのサクションコンベヤー47に対して押圧する。当該保持シュー53が、心棒55に配置されている。この心棒55が、ハウジング56の対応する開口部を貫通する。吸引板57が、このハウジング56内でこの心棒55に配置されている。当該ばね54が、この吸引板57に当接し、このハウジング56の壁で支持されながら保持シュー53をサクションコンベヤー47に対して押圧する。さらに、このハウジング56は、真空ポンプ34に接続するための接続部58を有する。この場合、サクションコンベヤー47が、2つの吸引ベルト59を有する。この場合、1つの保持装置52が、各吸引ベルト59に付設されている。
【0071】
保持装置52の作用が、図8に示されている。図8中の下の図が、稼働状態にある保持装置52を示す。負圧が、接続部48を通じてハウジング56内で発生される。この負圧は、吸引板57がばね54のプレストレスの下で吸引されることを引き起こす。また、当該吸引は、保持装置52のブレーキシュー53がサクションコンベヤー47から離されることを引き起こす。制御装置47の対応するプログラミングに基づく真空ポンプ34の停止時に、−図8の上の部分に示されたように−当該ブレーキシュー53が、ばね54によってサクションコンベヤー47に対して押圧される。
【0072】
換言すれば、本発明のこの観点は、稼働状態の再起動後に包装工程の続行を保証するため、固定手段が、エネルギー節約モード中に停止された又は下方制御された構成要素に付設されていることを提唱する。
【0073】
これに関連して、エネルギー節約モードの終了後に、製造への介入が、特にオペレーターによって必要であることなしに、当該製造が続行され得るように、包装材及び/又は製品が、エネルギー節約手段を導入することで固定手段としての機械式の保持手段によって固定されることが基本的に考えられる。当該解決手段は、例えば製品の搬送又は固定時に負圧、圧縮空気又は遠心力によって可能になる。
【0074】
当該解決手段のほかには、例えば、エネルギー節約手段を導入することで、機械式の手段を固定手段としての電磁式に作動する保持装置に置き換えることが可能である。これに関連して、機械式(ばね圧力式)のブレーキを(例えば、サーボ駆動用の)電気モーターの電磁式の保持装置に置き換えることが考えられる。
【0075】
別の解決手段は、操作装置がエネルギー節約手段を導入することで一時停止位置に機械式に保持されることを提唱する。例えば、ロボットアームを一時停止位置に置くことが考えられる。この一時停止位置では、ロボットアームに対する電力供給が遮断され得る。
【符号の説明】
【0076】
10 包装設備
11 マーカー
12 フィルター装置
13 シガレット貯蔵器
14 ヒンジリッド包装機
15 ブランクマガジン
16 包装貯蔵器
17 セロファン包装機
18 カートン包装機
19 段ボール包装機
20 ボビン貯蔵器
21 ボビン供給器
22 機械制御装置
23 制御ライン
24 メインコンピュータ
25 ライン
26 ライン
27 制御装置
28 熱収縮装置
29 熱接着剤貯蔵容器
30 モニター
31 機械照明装置
32 緊急停止スイッチ
33 サーボモーター
34 真空ポンプ
35 カメラ監視装置
36 レーザー印刷機
37 制御盤
38 モニター
39 グラフィック画像
40 グラフィック画像
41 電鍵
42 つまみ
43 矢印
44 バー
45 包装材
46 ガイドローラ
47 サクションコンベヤー
48 分離装置
49 製品
50 ポケット
51 シーリングタレット
52 保持装置
53 保持シュー、ブレーキシュー
54 ばね
55 心棒
56 ハウジング
57 吸引板
58 接続部
59 吸引ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品、特にタバコ物品用の包装設備(10)を稼働させるシステムであって、この包装設備(10)の複数の構成要素、特にこの包装設備(10)の複数の包装機又は複数の装置が、包装工程中にこの包装設備内で前後して配置されている当該システムにおいて、
前記包装設備(10)のエネルギー効率を改良するため、複数の構成要素の少なくとも一部が、少なくとも1つの制御装置(27)によって少なくとも一時的にエネルギー節約モードに切り替えられ、このエネルギー節約モードでは、当該対応する構成要素が、稼働モード中より少ないエネルギーを必要とすることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記包装設備(10)及び/又はこの包装設備(10)の構成要素を制御するためのプログラムが、前記制御装置(27)内に格納されていて、当該プログラムが、前記包装設備(10)及び/又はこの包装設備(10)の構成要素の所定の稼働状態に割り当てられていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御装置(27)内に格納された前記プログラムは、この制御装置(27)で選択可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御装置(27)内に格納された前記プログラムは、時間に依存して自動で選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記包装設備(10)及び/又はこの包装設備(10)の構成要素の稼働状態及び/又は稼働中断が検出されること、及び、前記制御装置(27)内に格納された前記プログラムが、当該検出された稼働状態及び/又は稼働中断に応じて自動で選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記包装設備(10)及び/又はこの包装設備(10)の構成要素のエネルギー消費が、特に以下の要因:
・前記包装設備(10)及び/又はこの包装設備(10)の構成要素の稼働モード、
・時点、
・製品、
・オペレーター又はオペレーターチーム、
に応じて検出されること、及び
当該検出されたデータが、前記制御装置(27)内に記憶されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御装置(27)内に格納されたプログラムは、前記包装設備(10)及び/又は1つ又は複数の構成要素の稼働状態及び/又はエネルギー消費及び/又は稼働中断の記録に基づいて自動で適合されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記包装設備(10)及び/又はこの包装設備(10)の構成要素の稼働中断用のプログラムが、前記制御装置(27)内に記憶されていて、当該プログラムが、前記稼働中断の期間に応じて、特に製造すべき製品に応じて自動で選択されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記プログラムは、前記構成要素の稼働パラメータ、特に温度、クロック・レイト、速度、位置、明るさ、オン/オフ等を予め設定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御装置(27)は、前記包装設備(10)及び/又はこの包装設備(10)の構成要素の検出された稼働状態及び/又はエネルギー消費を評価するための手段、特に前記包装設備(10)及び/又はこの包装設備(10)の構成要素の特定のエネルギー消費を測定するための評価するための手段を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記稼働中断の予測される期間が、前記検出されたデータ、統計学的な計算又は確率の計算に基づいて算出されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
当該稼働中断の予測される期間の算出時に、関連する複数の構成要素の組み合わせが考慮されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
特にエネルギーを多く消費する工程が、エネルギーが安価に使用できる時点に前記制御装置(27)によって実行されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
包装材及び/又は製品及び/又は構成要素が、稼働中断又はエネルギー節約手段の終了までこの稼働中断時又はこのエネルギー節約手段の導入時に機械式に保持されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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