説明

包装部材

【課題】小型電子機器を効率よく収納可能な収納部材。
【解決手段】電子機器を載置する為の平面状の第1領域と、当該第1領域の両側に第1平面と第2平面とを有し、第1平面には、切り口が略凸形状の第1開口が形成され、第2平面には、切り口が略四角形の第2開口が形成され、第1平面は、前記第1領域と接続された第2領域、第2領域と接続された第3領域、第3領域と接続された第4領域、第4領域と接続された第5領域からなり、第1開口は第3領域から第4領域を介して第5領域まで延在し、前記第2平面は、第1領域と接続された第6領域、第6領域と接続された第7領域、第7領域と接続された第8領域、第8領域と接続された第9領域とからなり、前記第2開口は第8領域から第9領域まで延在し、第3領域に第5領域が重なるように折り曲げ電子機器を係止するための第1係止部を形成し、第7領域に第9領域が重なるように折り曲げて第2係止部を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は小型の電子機器等を包装する為の包装部材に関する。
【背景技術】
【0002】
包装箱に関する特許文献が数多く公開されており、例えば、特許文献1には、内ケースをスライドし外ケースから着脱することが可能なスライドカートンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−225844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、小型の電子機器(例えば、電卓やICカード等)を包装する際には、電子機器を固定するための例えばスポンジやプラスチック等で形成された部材を配置する為のスペースが必要となる。
上記特許文献1に記載の包装箱に、例えばICカードといった小型の電子機器を挿入しようとすると、先ほど述べたように電子機器を固定するためのスポンジやプラスチック等で形成された部材を配置するスペースが必要となり、特許文献1に記載の技術を用いても上述した問題は解決されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、請求項1に記載の発明は、電子機器を載置する為の平面状の第1領域(領域J)と、当該第1領域(領域J)の両側に存在する第1平面(領域F〜I)と第2平面(領域K〜N)とを有し、前記第1
平面(領域I〜F)には、切り口が略凸形状の第1開口(8)が形成され、前記第2
平面(領域K〜N)には、切り口が略四角形の第2開口(9)が形成され、前記第1平面(領域I〜F)は、前記第1領域(領域J)と接続された第2領域(領域I)、
当該第2領域(領域I)と接続された第3領域(領域H)、当該第3領域(領域H)
と接続された第4領域(領域G)、当該第4領域(領域G)と接続された第5領域(領域F)と、からなり、前記第1開口(8)は、前記第3領域(領域H)から第4領域(領域G)を介して第5領域(領域F)まで延在し、前記第2平面(領域K〜N)は、前記第1領域(領域J)と接続された第6領域(領域K)、当該第6領域(領域K)と接続された第7領域(領域L)、当該第7領域(領域L)と接続された第8領域(領域M)、当該第8領域(領域M)と接続された第9領域(領域N)と、からなり、前記第2開口(9)は、前記第8領域(領域M)から第9領域(領域N)まで延在し、前記第3領域(領域H)に前記第5領域(領域F)が重なるように折り曲げることにより、前記電子機器を係止するための第1係止部(13)を形成すると共に、前記第7領域(領域L)に前記第9領域(領域N)が重なるように折り曲げることにより、前記電子機器を係止するための第2係止部(14)を形成したことを特徴とする包装部材。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の包装部材であり、前記第1領域(領域J)に電子機器を載置した状態で、前記第1領域(領域J)に前記第9領域(領域N)が重なるように折り曲げると共に、前記第1領域(領域J)に前記第5領域(領域F)が重なるように折り曲げることにより、前記電子機器を前記第1係止部(13)と前記第2係止部(14)に係止させることを特徴とする包装部材。
尚、上記カッコ内の領域は、実施例において対応する箇所、特に図3、図4において図示する対応箇所を示している。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、電子機器等の包装作業を容易にし、尚且つ電子機器を挟持しつつも外へ容易に外れない構造とし、更には外部から電子機器が存在していることを容易に確認できるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明を適用してなる実施例の斜視図である。
【図2】ケース2の展開図である。
【図3】包装部材1の展開図である。
【図4】包装部材1の平面図である。
【図5】包装部材1の平面図である。
【図6】本実施例の斜視図である。
【図7】本実施例の斜視図である。
【図8】本実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明を適用してなる一実施例について詳細に説明する。本実施例装置では、電卓と電卓を駆動させるための電池を包装するための包装箱について実施するが、電池と電子機器を包装するための包装箱であれば他の電子機器の包装箱についても同様に実施可能である。
【実施例】
【0009】
図1は本実施例装置である包装箱の斜視図を示している。図1において、包装箱はケース2と包装部材1とからなり、ケース2は厚紙から、包装部材1はダンボールから形成されている。
又、包装部材1の略長方形の開口部分からは電子機器(例えば、電卓3)が見えている。
又、包装部材1の略半月状の開口部分からはボタン電池4が見えている。このように、図1に示す包装部材1は電卓3とボタン電池4を包装するための部材である。更に、図1のケース2に示す第1開口5は、ユーザがケース2から包装部材1を取り出す際に包装部材1を指で摘む為の開口部分であり、第2開口6は包装部材1の凸部7を係合させる為の開口部分である。包装部材1をケース2内に挿入する(包装部材1を図1中矢印方向に挿入する)と、包装部材1の凸部7がケース2の第2開口6へ係合し、包装部材1が容易にケース2から外れないようになっている。尚、ケース2の両端は開口されている。
更に包装部材1をケース2へ挿入する際の動作について具体的に説明する。図1に示すように、ケース2は包装部材1を挿入する方向へ空洞となっており、且つ、空洞の少なくとも一側面には開口6が形成されている。
図1の矢印方向へ包装部材1を前記ケース2へ挿入すると、ケース2は紙で出来ている為、その弾性力によりケース2の一側面が包装部材1の凸部7により外方へ広がり、更に挿入を続けると凸部7がケース2の一側面内側を摺動し、更に包装部材1を挿入し続けると、包装部材1の凸部7が前記ケース2の開口6へと係合する。
続いて、図1の矢印方向と反対方向へ包装部材1が押し出されると(即ち、ユーザが第1開口の存在する部分から指で図1の矢印方向と反対方向へ向かって包装部材1を押し出すと)、凸部7の開口6への係合が解除され、更に押し出し続けると凸部7が前記ケース2の一側面内側を摺動(包装部材1が図1中矢印と反対方向へ摺動する)し、包装部材1がケース2から押し出される。
尚、このときユーザが第1開口部分をつまんで包装部材1を図1中矢印方向に引っ張った場合でも、同様に凸部7の開口6への係合が解除され、包装部材1をケース2から取り外すことが可能となる。
図2は図1に示すケース2の展開図である。図2において、ケース2は、aの長さ(縦の長さ)が129mm、bの長さ(横の長さ)が216mm、cの長さが87mm、dの長さが11mm、eの長さが20mmとなっており、領域A、B、C、D、Eから成っている。又、領域Aと領域Cの一端にはユーザが包装部材1を取り出す際に包装部材1を持つための第1開口5が設けられており、第1開口5の半径は10mmとなっている。
図2に示すケース2をAの領域とBの領域の境界部分、Bの領域とCの領域の境界部分、Bの領域とCの領域の境界部分、Cの領域とDの領域の境界部分、Dの領域とEの領域の境界部分で、Aの領域とCの領域が対向すると共にBの領域とDの領域が対向するように折畳むと、ケース2は図1に示すような形状となる。但し、このとき、図2の領域Eは領域Aの内側となるように折畳む。又、領域Eに例えば接着剤等を塗ることにより、領域Eと領域Aを互いに接着させることが可能である。
又、図2に示すカバーには第2開口6が設けられており、この第2開口6は横幅14mm、高さ幅が3mmの開口となっている。
【0010】
図3は図1に示す包装部材1の展開図である。図3において、包装部材1は横幅(図3中fの長さ)が402mmであり、縦幅(図3中g)が86mmである。又、包装部材1は図3中右から左へ向かって、領域F、G,H、I、J、K、L、M、Nから成る。領域FからHに渡って、切り口が略凸形状の第3開口8が形成されており、領域MからNに渡って切り口が略長方形の第4開口9が形成されている。又、領域Lには略半月状の第5開口10が、領域Nには切り口が略円状の第6開口11が形成されており、第6開口11はボタン電池4を配置する為の領域であり、第5開口10はボタン電池4が配置されていることを外部から見ると共に、ボタン電池4が外へ抜け落ちないようにするための開口部分である。更に、領域Kには第7開口12が形成されており、第7開口12は、包装部材1をケース2内に挿入した状態でも外部からボタン電池4が入っていることを確認可能とする為の開口部分である。
【0011】
図3において、凸部7の領域J内方側には、略長方形の第8開口16が形成されている。この第8開口16は、包装部材1をケース2に挿入する際に、凸部7が包装部材1内方へ撓むようにするための開口である。具体的には、後ほど詳細に説明するが、包装部材1をケース2に装入する際に、凸部7は、ケース2内壁に当接し、第8開口16の開口幅(図3の包装部材1の短手方向の幅)分凸部7が領域J方向に撓む。
又、この第8開口16の長さ(包装部材1の長手方向の長さ)は凸部7の長さ(包装部材1の長手方向の長さ)よりも長くなっている。尚、第8開口の長さ(包装部材1の長手方向の長さ)は凸部7の長さ(包装部材1の長手方向の長さ)と略同一としても良い。
【0012】
図4は、図3に示す領域Fを、領域Gと領域Hの境界線(領域Gと領域Hの境界部分に存在する破線部分)と領域Gと領域Fの境界線(領域Gと領域Fの境界部分に存在する破線部分)を折り目として図3中Aの方向に折り曲げると共に、図3に示す領域Nを、領域Lと領域Mの境界線(領域Lと領域Mの境界部分に存在する破線部分)と領域Mと領域Nの境界線(領域Mと領域Nの境界部分に存在する破線部分)を折り目として図3中Bの方向に折り曲げた際の状態を示す図である。図4において、領域Hの開口部分が領域Fの開口部分よりも狭いために、図3の状態から図4の状態に包装部材1を折り曲げると、電卓3が外へ外れないようにする為の略コの字状の第1係止部13(斜線部分)が形成され、この第1係止部13に電卓3が嵌るようになっている。又、図3の状態から図4の状態に包装部材1を折り曲げると、領域Nが領域Lに重なり、電卓3が外へ外れないようにする為の第2係止部14(斜線部分)が形成され、この第2係止部14に電卓3が嵌るようになっている。
【0013】
又、領域Nが領域Lに重なると、略半月状の第5開口10と略円状の第6開口11とが重なり、ボタン電池4を係止するための電池係止部15が形成される。
【0014】
図5は、図4に示す領域Fを、領域Jと領域Iの境界線(領域Jと領域Iの境界部分に存在する破線部分)と領域Iと領域Hの境界線(領域Iと領域Hの境界部分に存在する破線部分)とを折り目として、図4に示すCの方向に折り曲げると共に、図4に示す領域Nを、領域Jと領域Kの境界部分(領域Jと領域Kの境界部分に存在する破線部分)と領域Kと領域Lの境界部分(領域Kと領域Lの境界部分に存在する破線部分)とを折り目として、図4に示すDの方向に折り曲げた状態を示す図である。
電卓3とボタン電池4を包装部材1に包装する際の手順を特に図6〜図8を用いて具体的に以下に説明する。まず、図4の状態で、図4の領域Nを先ほど説明したように図4中D方向へ折畳み、続いて図6に示すように電卓3を図6中矢印方向へ挿入する。続いて、図4に示す領域Fを先ほど述べたように図4中C方向へ折畳むと、図7に示すように、電卓3が包装部材1により挟持された状態となる(具体的には、電卓3の両端が第1係止部13と第2係止部14に係止される)。続いて、ボタン電池4を開口部分が略三日月形状の第5開口10へスライドさせるように挿入することにより、図8に示すようにボタン電池4が電池係止部15に係止される。
このように、図4の状態から図7又は図8の状態に包装部材1を折畳むと、電卓3の両端が第1係止部13と第2係止部14により係止され、電卓3が外に外れないようになると共に、図5に示す様に包装部材1の中心部分が開口している為、外から電卓3が入っていることを確認することができる。
又、先ほど述べたようにボタン電池4を略半月状の第5開口10へ向けスライドして挿入すると、領域Jと領域Lとの間にボタン電池4が挟持され、ボタン電池4の高さが略領域M又は領域Kの幅(短手方向の幅)と同じであれば、がたつくことなく、ボタン電池4が収納されることになる。
【0015】
更に、略半月状の第5開口10が存在するために、外部からボタン電池4が存在していることを確認することが可能である。
【0016】
続いて、包装部材1をケース2へ挿入する際の動作について具体的に説明する。先ほど図1を用いて説明したが、図8に示すように、図8の矢印方向へ包装部材1をケース2へ挿入すると、ケース2は紙で出来ている為、その弾性力によりケース2の一側面が包装部材1の凸部7により外方へ広がり、更に挿入を続けると凸部7がケース2の一側面内側を摺動し、更に包装部材1を挿入し続けると、包装部材1の凸部7が前記ケース2の開口6へと係合する。
尚、包装部材1をケース2へ挿入する際に、第8開口16が存在するために、凸部7が領域J内方へ撓むようになっている。具体的には、包装部材1をケース2に装入する際に、凸部7はケース2内壁に当接し、ケース2による凸部7へケース2内方への力が加わり、凸部7は、第8開口16の開口幅(図3の包装部材1の短手方向の幅)分領域J方向に撓む。
続いて、図8の矢印方向と反対方向へ包装部材1が押し出されると(即ち、ユーザが第1開口5の存在する部分から指で図8の矢印方向と反対方向へ向かって包装部材1を押し出すと)、凸部7の開口6への係合が解除され、更に押し出し続けると凸部7が前記ケース2の一側面内側を摺動(包装部材1が図8中矢印と反対方向へ摺動する)し、包装部材1がケース2から押し出される。
尚、このときユーザが第1開口5の部分をつまんで包装部材1を図8中矢印方向に引っ張った場合でも、同様に凸部7の開口6への係合が解除され、包装部材1をケース2から取り外すことが可能となる。
本実施例の包装部材1とケース2では、包装部材1をケース2に挿入した状態でも第7開口12を見ることにより、包装部材1に電池が収納されているか否かを確認することが可能である。
【0017】
又、本実施例の包装部材1とケース2では、ボタン電池4と電卓3を包装した包装部材1を図8に示すケース2に挿入することにより、ボタン電池4と電卓3を収納することが可能である。又、包装部材1をケース2に挿入した状態では、第7開口12が露出している為に、外方から電池が存在していることを確認することが可能である。
【0018】
尚、本実施例では電子機器として電卓3を使用したが、無線通信を行う為の小型カード等、電池を搭載して使用するものであれば同様に実施可能である。
【符号の説明】
【0019】
1 包装部材
2 ケース
3 電卓
4 ボタン電池
5 第1開口
6 第2開口
7 凸部
8 第3開口
9 第4開口
10 第5開口
11 第6開口
12 第7開口
13 第1係止部
14 第2係止部
15 電池係止部
16 第8開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器を載置する為の平面状の第1領域と、当該第1領域の両側に存在する第1平面と第2平面とを有し、
前記第1平面には、切り口が略凸形状の第1開口が形成され、
前記第2平面には、切り口が略四角形の第2開口が形成され、
前記第1平面は、前記第1領域と接続された第2領域、当該第2領域と接続された第3領域、当該第3領域と接続された第4領域、当該第4領域と接続された第5領域と、からなり、前記第1開口は、前記第3領域から第4領域を介して第5領域まで延在し、
前記第2平面は、前記第1領域と接続された第6領域、当該第6領域と接続された第7領域、当該第7領域と接続された第8領域、当該第8領域と接続された第9領域と、からなり、前記第2開口は、前記第8領域から第9領域まで延在し、
前記第3領域に前記第5領域が重なるように折り曲げることにより、前記電子機器を係止するための第1係止部を形成すると共に、
前記第7領域に前記第9領域が重なるように折り曲げることにより、前記電子機器を係止するための第2係止部を形成したことを特徴とする包装部材。
【請求項2】
請求項1に記載の包装部材であり、
前記第1領域に電子機器を載置した状態で、
前記第1領域に前記第9領域が重なるように折り曲げると共に、前記第1領域に前記 第5領域が重なるように折り曲げることにより、前記電子機器を前記第1係止部と前記第2係止部に係止させることを特徴とする包装部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−121624(P2011−121624A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282396(P2009−282396)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302071092)テガ三洋工業株式会社 (244)
【Fターム(参考)】