包装錐状飯及び包装シート
【課題】包装錐状飯の包装を簡単に解くことを可能にする。
【解決手段】二等辺三角形を呈する正面領域11と、該正面領域の一方の斜辺12に連続し正面領域の裏側の略全面に重なり且つ正面領域の上辺から突出する飾り片を有する背面領域14と、正面領域11の他方の斜辺13に連続し、背面領域14内片側領域に重なる閉じ片16を有す包装シート1によって縦長の錐状の包装袋1aを形成し、該包装袋1aに錐状飯塊5を収容した包装錐状飯であって、包装シート1は、外フィルム2と内フィルム3との間に海苔41を挟んで構成され、外フィルム2の前記正面領域11内には外フィルム2を真直に裂いて分断する分断可能部21が設けられている。
【解決手段】二等辺三角形を呈する正面領域11と、該正面領域の一方の斜辺12に連続し正面領域の裏側の略全面に重なり且つ正面領域の上辺から突出する飾り片を有する背面領域14と、正面領域11の他方の斜辺13に連続し、背面領域14内片側領域に重なる閉じ片16を有す包装シート1によって縦長の錐状の包装袋1aを形成し、該包装袋1aに錐状飯塊5を収容した包装錐状飯であって、包装シート1は、外フィルム2と内フィルム3との間に海苔41を挟んで構成され、外フィルム2の前記正面領域11内には外フィルム2を真直に裂いて分断する分断可能部21が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外フィルムと内フィルムとの間にシート状食品を挟んだ包装シートによって円錐状、又は角錐状の飯塊を包装した、包装錐状飯及びその包装シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種包装錐状飯として、図12に示す様に、錐状で上面が開口した包装袋(9a)に錐状の錐状飯塊(5)を収容したものが実施されている。錐状飯塊(5)の拡大端面には具材(51)が臨出している。
上記包装袋(9a)は横長長方形の包装シートによって形成され、図13に示す如く、該包装シート(9)は、外フィルム(91)と内フィルム(95)との間にシート状の海苔(94)を挟んで構成されている。
外フィルム(91)は長手方向の一端寄りに、短手方向にフィルムを裂いて2分可能にカットテープ(92)を施している。
内フィルム(95)は、外フィルム(91)のカットテープ(92)上で互いの内端が重なり合う大小2枚のフィルム片(96)(97)によって形成されている。
外フィルム(91)と内フィルム(95)は互いの外周部が溶着して接合されている。
内フィルム(95)の長さ中央に、錐状飯塊(5)を、その軸芯が内フィルム(95)の短手方向に向く様に載せ、包装シート(9)を錐状飯塊(5)の円錐面に巻き付け、前記し図12に示す包装形態とする。
【0003】
包装錐状飯の包装を解くには図12に示す手順1の如く、包装錐状飯の正面に位置する包装シートの巻付け終端(98)を引っ張って後方へ開く。
次に、手順2の如く、カットテープ(92)を引っ張って外フィルム(91)を二分する。
次に、図14の手順3に示す如く、前記開いた包装シートの巻付け終端(98)を側方に引っ張って、前記二分した外フィルムの半体と該半体に接着されている内フィルム(95)の小フィルム片(97)を一緒に引き出して海苔(94)の一部を露出させる。
次に図15の手順4に示す如く、露出した海苔(94)上に錐状飯塊(5)を転がして載せ、次に手順5に示す如く、錐状飯塊(5)を海苔(95)に載せたその位置で回転させて、残りの外フィルム半体と内フィルム(95)の間から海苔(94)を引き出しつつ錐状飯塊(5)の錐面に海苔(94)を巻き付ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記包装シート(9)は長方形であり、包装シート製作上のフィルムロス、海苔(94)のロスは少なくて済む利点がある。しかし、下記の大きな問題がある。
錐状飯塊(5)の錐面の全面に海苔(94)を被せるには、海苔(94)の横長さは、錐状飯塊(5)の拡大端縁を1周強する長さ、幅長さは、錐状飯塊(5)の錐高さ程度の長さが必要となる。すると、図12に示す包装状態において、包装シート(9)の両端上部は錐状飯塊(5)の拡大端面から上側にはみ出してしまう。包装錐状飯の陳列効果等を考慮すれば、このはみ出し部分(99)を背面側に位置させ、具材(51)の背景とすることが望ましい。すると、包装シート(9)の巻付け終端(98)は正面に位置することになる。
【0005】
包装を解く手順を知らずに、即ち、前記手順1の包装シートの巻付け終端(98)を開かぬまま、先に外フィルム(91)のカットテープ(92)を引っ張ってしまう人がいることを考えると、カットテープ(92)は包装シートの巻付け終端(98)に重ならない様にせねばならず、このために、カットテープ(92)を外フィルム(91)の長さ中心から外れて一端寄りに位置させている。
【0006】
外フィルム(91)の長さ中心にカットテープ(92)が位置していれば、円錐状の包装袋(1a)を形成したとき、カットテープ(92)は円錐の先細先端に真直に延びるが、カットテープ(92)が外フィルム(9)の一端寄りに位置していると、図12に示す如く、包装形態において、カットテープ(22)はスパイラル状に錐状飯塊(5)に巻き付くことになる。従って、カットテープ(92)を真直ぐ下方に引っ張ると引っ掛かりが生じて、その段階で包装を解くことに失敗することがある。
又、前記し図15に示す如く、海苔(94)の一部を露出させて、該露出部に錐状飯塊(5)を転がして移動させ、その位置で錐状飯塊(5)を回転させて残りの海苔(94)を引き出しつつ錐状飯塊(5)に海苔(94)を巻き付ける作業を、掌の上で行なうことは、初心者には難しく、錐状飯塊(5)を落としてしまい、錐状飯塊に汚れや割れが生じて、食することが出来なくなることも希ではない。
【0007】
本発明は、包装シートの形状は従来の長方形に較べて複雑となるが、上記問題を解決して、初心者でも速やかに、上手く包装を解くことのできる、包装錐状飯及びその包装シートを明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の包装錐状飯は、下部が幅狭の略二等辺三角形を呈する正面領域(11)と、該正面領域の左右何れか一方の斜辺(12)に連続し正面領域(11)の裏側の略全面に重なり且つ正面領域(11)の上辺から突出する飾り片(15)を有する背面領域(14)と、正面領域(11)の他方の斜辺(13)に連続し、前記背面領域(14)内に重なる閉じ片(16)を有す包装シート(1)によって飾り片(15)側が開口した縦長の錐状の包装袋(1a)を形成し、該包装袋(1a)に錐状飯塊(5)を収容している。
包装シート(1)は、外フィルム(2)と内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟んで構成され、外フィルム(2)の前記正面領域(11)内には包装袋(1a)の上部開口縁と先細先端との間で外フィルム(2)を真直に裂いて分断する分断可能部(21)が設けられており、
内フィルム(3)は前記正面領域(11)内で互いの内端どうしが重なった2枚のフィルム片(31)(32)からなり、輪郭が前記外フィルム(2)の輪郭に一致している。
【0009】
請求項2は、請求項1に記載の包装錐状飯において、包装シート(1)の閉じ片(16)は、背面領域(14)の外側から背面領域(14)に重なっており、止着手段(6)によって背面領域(14)に止着されている。
【0010】
請求項3は、請求項1又は2の包装錐状飯において、外フィルム(2)の分断可能部(21)は、外フィルム(2)にカットテープ(22)を接着して
形成されている。
【0011】
請求項4の包装シートは、下部が幅狭の略二等辺三角形を呈する正面領域(11)と、該正面領域の左右何れか一方の斜辺(12)に連続し正面領域(11)の裏側の略全面に重なり可能且つ正面領域(11)の上辺から突出する飾り片(15)を有する背面領域(14)と、正面領域(11)の他方の斜辺(13)に連続し、前記背面領域(14)内に重なり可能な閉じ片(16)を有す包装シート(1)であって、
包装シート(1)は、外フィルム(2)と内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟んで構成され、外フィルム(2)の前記正面領域(11)内には包装袋(1a)の上部開口縁と先細先端との間で外フィルム(2)を真直に裂いて分断する分断可能部(21)が設けられており、
内フィルム(3)は前記正面領域(11)内で互いの内端どうしが重なった2枚のフィルム片(31)(32)からなり、輪郭が前記外フィルム(2)の輪郭に一致している。
【発明の効果】
【0012】
本発明の包装錐状飯の包装を解くには、外フィルム(2)をその分断可能部(21)で分断し、外フィルム(2)の両分断間を開いて手指を挿入し、シート状食品(4)の上から錐状飯塊(5)を挟んで支持し、他方の手で、閉じ片(16)と背面領域(14)の間を開いて夫々の端部を摘んで後方に引っ張って、両外フィルム半体、内フィルム(3)の両フィルム片(31)(32)を引っ張り出す。
シート状食品(4)だけが錐状飯塊(5)に直接に被さった状態で残り、このまま食することができる。
【0013】
上記包装を解く手順において、外フィルム(2)を分断する際、分断可能部(21)は、包装錐状飯の正面領域(11)に位置し、包装袋(1a)の上部開口縁から先細先端へ真直ぐに延びているから、分断可能部(21)がカットテープ(22)の様に、引っ張って外フィルム(2)を分断する場合、カットテープ(22)を一気に引っ張って、速やかに且つ失敗なく、外フィルム(2)を分断できる。
【0014】
前記従来例の様に、一部が露出し一部が包装状態のシート状食品の上で錐状飯塊(5)を転がして、錐状飯塊(5)にシート状食品を巻き付けることを掌の上で行なう難しい作業は不要である。従って、該作業中に不用意に錐状飯塊(5)を手から落としてしまう様なこともない。
【0015】
又、通常この種商品には、外フィルム(2)の正面領域(11)に商品名等を装飾文字で印刷するが、包装シートの巻付け終端が正面領域(11)に存在しないので、該印刷面を見難くする邪魔物はなく、正面領域(11)はスッキリとした外観に仕上げることができる。
更に、包装シート(1)の閉じ片(16)と背面領域(14)の何れが巻付け終端となっても、巻き付け終端は背面領域(14)内に位置することになり、正面領域(11)にははみ出さない。
背面領域(14)には、錐状飯塊(5)の拡大上端から上方にはみ出す飾り片(15)が設けられているから、錐状飯塊(5)の拡大端面に具材(51)を差し込んで一部を臨出させた場合に、該飾り片(15)が具材(51)を引き立てる背景となって、デザイン性を高めることができ、体裁と美観を向上させることに寄与し、購買意欲を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】包装シートの分解斜視図である。
【図2】包装シートの内フィルム側からの斜視図である。
【図3】図1A−A線に沿う端面図である。
【図4】包装シートの領域区分の説明図である。
【図5】包装シートから包装袋を作る第1折り工程の説明図である。
【図6】包装シートから包装袋を作る第2折り工程の説明図である。
【図7】包装袋と錐状飯塊の斜視図である。
【図8】包装錐状飯の陳列方法の説明図である。
【図9】本発明の包装錐状飯の包装を解く第1手順の説明図である。
【図10】同上の第2手順の説明図である。
【図11】同上の第3手順の説明図である。
【図12】第1、第2手順の説明図を兼ねた斜視図である。
【図13】従来例の包装シーとの分解斜視図である。
【図14】従来例の包装錐状飯の包装を解く第3手順の説明図である。
【図15】同上の第4、第5手順の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図7は、包装すべき錐状飯塊(5)と包装袋(1a)を示している。実施例の錐状飯塊(5)は円錐形であり、錐高さ約9cm、大径端部の直径は約5.5cmである。
錐状飯塊(5)の軸芯部には具材(51)が埋設され、該具材(51)は錐状飯塊(5)の拡大端面から2〜3cm程度盛り上がっている。実施例の具材(6)は葉野菜やステック状にカットした根菜である。
尚、錐状飯塊(5)は円錐形に限らず、四角錐等の角錐形状でも実施可能である。
【0018】
包装袋(1a)は、図1乃至図3に示す如く、3重構造の包装シート(1)によって形成されている。
包装シート(1)は、透明な外フィルム(2)と半透明の内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟んで構成されている。
【0019】
図4は、包装シート(1)の大きさを説明するための図である。
包装シート(1)は、内角が、略30°、略100°略50°の三角形の各頂部をカットした形状であり、最長辺である上辺(17)の長さL1は約21cm、下辺(18)の長さL2は約3cm、全高さH1は約13cmである。図面において、左端のカット部の長さH2は約5.5cm、右端のカット部の長さH3は約1.5cmである。
上辺(17)と下辺(18)は平行であり、夫々の長さ中心を結んで後記する外フィルム(2)の分断可能部(21)、即ちカットテープ(22)が位置し、カットテープ(22)は、包装シート(1)の上辺(17)及び下辺(18)に対して直角である。
【0020】
包装シート(1)は、中央部の正面領域(11)(縦平行線で示す部分)と、左側の背面領域(14)(横向き平行線で示す部分と、左下がり平行線で示す部分)と、右側の閉じ片(16)(右下がり平行線で示す部分)の3つの領域からなる。
正面領域(11)は、下部が幅狭の略二等辺三角形であり、その上辺の長さL3は略8.5cm、下辺の長さL4は約1.5cmである。正面領域(11)の上辺及び下辺の中心は、前記包装シート(1)の上辺(17)と下辺(18)の中心に略一致している。
【0021】
正面領域(11)の左側の斜辺(12)に連続して背面領域(14)が設けられる。該背面領域(14)は該斜辺(12)を折り線として図5に示す如く、正面領域(11)に折り重ねたとき、該正面領域(11)のほぼ全面に重なる部分(図4の横向き平行線で示す部分)と、包装シート(1)の上辺(17)から三角形の山状にはみ出す飾り片(15)(左下がり平行線で示す部分) とからなる。
【0022】
正面領域(11)の右側の斜辺(13)に連続して閉じ片(16)が設けられる。該閉じ片(16)は該斜辺(13)を折り線として、図6に示す如く、正面領域(11)上に折り重ねた前記背面領域(14)に折り重ねたとき、該背面領域(14)を左右に半分づつ分けた右側領域から少しはみ出て被さる大きさである。
尚、閉じ片(16)は背面領域(14)からはみ出さずに被さる大きさであればよい。
【0023】
図4に示す、各角度は参考値であり、この角度に限定されるものではない。
【0024】
図1に示す外フィルム(2)は、前記図4に示す包装シート(1)の輪郭とする大きさの1枚もののフィルムであり、長さ方向の中央部に、前記したカットテープ(22)による分断可能部(21)が幅方向(高さ方向)の全長に亘って設けられている。
外フィルム(2)の長辺には、カットテープ(22)を挟んで且つカットテープ(22)に接近してカットテープ(22)と平行に2本の短い切込み(23)(23)が施されている。
【0025】
内フィルム(3)は2枚のフィルム片(31)(32)の内端縁どうしを重ねて形成され、該重り部(33)が外フィルム(2)のカットテープ(22)に重なった状態で、外フィルム(2)と内フィルム(3)の輪郭は一致している。フィルム片(31)(32)の重なり部(33)の幅は約1cmである。
内フィルム(3)と外フィルム(2)の外周部は、線状或いはスポット的に要所が熱溶着(10)(10)されている。この溶着は不用意に溶着が外れない程度の弱いものでよい。
【0026】
実施例では、内フィルム(3)も外フィルム(2)と同じ素材のフィルムで形成されているが、内フィルム(3)は殆んどシート状食品(4)に隠れるので透明にする必要はない。そのため、内フィルム(3)に錐状飯塊(5)との滑りが良くなる(錐状飯塊(5)に対して付着性が悪くなる)特別の加工を施して、透明度を犠牲にしても問題はない。
【0027】
シート状食品(4)は、外フィルム(2)と略相似形であり、長さ約19cm、幅長さ(高さ)約10cmである。シート状食品(4)はシート状に加工した可撓性の食品であれば、昆布や鯣をシート状に加工したもの等、シート状で自由に変形するものであれば種類は問わない。実施例ではシート状海苔(31)(以下、単に「海苔」)とする。
【0028】
実施例では、包装シート(1)から包装袋(1a)を製作し、該包装袋(1a)に錐状飯塊(5)を挿入して、包装錐状飯を製造した。
包装袋(1a)を製作する手順は、図2に示す如く、内フィルム(3)を上にした状態で、図5に示す如く、包装シート(1)の正面領域(11)に、その左側の斜辺(12)を折り線として背面領域(14)を折り重ねる。
次に図6に示す如く、正面領域(11)の左側の斜辺(13)を折り線として、閉じ片(16)を背面領域(14)の右半分に折り重ね、溶着やシール止め等の止着手段(19)によって背面領域(14)に剥離可能に弱く止着して包装袋(1a)を完成する。
完成した包装袋(1a)は扁平体であるから、これを円錐状にしてから、錐状飯塊(5)を投入して、包装袋(1a)に緊密に錐状飯塊(5)が収容された包装錐状飯を完成する。
【0029】
完成した包装錐状飯は、錐状飯塊(5)の錐面の全面が包装袋(1a)に収容され、包装袋(1a)の正面領域(11)の中央部には、錐状飯塊(5)の上端側から先細先端に真直にカットテープ(22)が位置し、背面領域(14)は錐状飯塊(5)の拡大端面から略三角形状に飾り片(15)をはみ出している。
包装袋(1a)の閉じ片(16)の止着端縁は、正面領域(11)に被さって、正面側からは見えない。
尚、図示しないが、外フィルム(2)の正面領域(11)に対応する部分には商品名が大きく印刷されている。
【0030】
図8は包装錐状飯を陳列ケース(7)にセットした状態を示している。
陳列ケース(7)は2段の棚板(71)(72)を有し、上段の棚板(71)には大径孔(73)が縦横に等間隔に開設され、下段の棚板(72)には小径孔(74)が前記各大径孔(73)の真下位置に開設されており、包装錐状飯の上部と下部を大径孔(73)と小径孔(74)に嵌めて、起立状態に支持できる。
包装錐状飯の正面領域(11)を前向き(客側向き)にして陳列することにより、透明な外フィルム(2)を通して海苔(41)が見え、錐状飯塊(5)の拡大端面から臨出した具材(51)がオープンな状態で見え、更に前記飾り片(15)が具材(51)を引き立てる背景となり、視覚によって、おいしさをアピールする効果を奏する。
【0031】
上記包装錐状飯の包装を解くには、正面領域(11)の中央に位置する外フィルム(2)の切込み(23)(23)間を摘み、カットテープ(22)を引っ張って外フィルム(2)を分断する(図9参照)。
カットテープ(22)は、包装錐状飯の正面領域(11)に、それも正面領域(11)の中央部に位置しており、カットテープ(22)を見つけ易い。又、カットテープ(22)は円錐の先細へ真直に延びており、一気に下方へ引っ張って、速やかに、且つ失敗なく外フィルム(2)を分断できる。
【0032】
次に、図10に示す如く、外フィルム(2)の両分断間を開いて手指を挿入し、海苔(41)の上から錐状飯塊(5)を挟んで支持し、図11に示す如く、他方の手で、閉じ片(16)の止着を外して、閉じ片(16)と背面領域(14)を後方に開く。閉じ片(16)の止着端は背面領域(14)の中央部に位置しているので見つけ易く、作業性がよい。
閉じ片(16)と背面領域(14)の開き部の先端フィルム部を摘んで後方に引っ張る。これによって、両外フィルム半体及び内フィルム(3)の両フィルム片(31)(32)が一緒に引っ張り出される。
海苔(41)が錐状飯塊(5)に直接に被さった状態で残り、このまま食することができる。
【0033】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0034】
例えば、上記実施例では、包装袋(1a)を形成してから、該包装袋(1a)に錐状飯塊(5)を収容したが、包装シート(1)の上に錐状飯塊(5)を載せ、包装シート(1)を錐状飯塊(5)の錐面に巻き付けて包装袋(1a)の形成と、該包装袋(1a)への錐状飯塊(5)の収容を同時に行なうこともできる。
【0035】
又、外フィルム(2)の分断可能部(21)はカットテープ(22)に限らず、外フィルム(2)を分断可能部(21)の分断方向に裂け易い方向性フィルムとし、前記した外フィルム(2)り切込み(23)(23)間を摘んで引っ張ることにより、外フィルム(2)を分断可能とすることができる。
方向性フィルムに代えて、外フィルム(2)に断続的な切込み、所謂ミシン目を施して分断可能部とすることもできる。
【0036】
更に包装袋(1a)の作成において、最初に正面領域(11)の上に閉じ片(16)を折り重ね、該閉じ片(16)にその外から背面領域(14)を折り重ねて、背面領域(14)の巻付け終端を溶着、シール貼り等の止着手段で閉じ片(16)上に止着することもできる。即ち、背面領域(14)の内側に閉じ片(16)を位置させることもできる。
【符号の説明】
【0037】
1 包装シート
1a 包装袋
11 正面領域
14 背面領域
15 飾り片
16 閉じ片
2 外フィルム
21 分断可能部
22 カットテープ
3 内フィルム
31 フィルム片
32 フィルム片
4 シート状食品
5 錐状飯塊
【技術分野】
【0001】
本発明は、外フィルムと内フィルムとの間にシート状食品を挟んだ包装シートによって円錐状、又は角錐状の飯塊を包装した、包装錐状飯及びその包装シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種包装錐状飯として、図12に示す様に、錐状で上面が開口した包装袋(9a)に錐状の錐状飯塊(5)を収容したものが実施されている。錐状飯塊(5)の拡大端面には具材(51)が臨出している。
上記包装袋(9a)は横長長方形の包装シートによって形成され、図13に示す如く、該包装シート(9)は、外フィルム(91)と内フィルム(95)との間にシート状の海苔(94)を挟んで構成されている。
外フィルム(91)は長手方向の一端寄りに、短手方向にフィルムを裂いて2分可能にカットテープ(92)を施している。
内フィルム(95)は、外フィルム(91)のカットテープ(92)上で互いの内端が重なり合う大小2枚のフィルム片(96)(97)によって形成されている。
外フィルム(91)と内フィルム(95)は互いの外周部が溶着して接合されている。
内フィルム(95)の長さ中央に、錐状飯塊(5)を、その軸芯が内フィルム(95)の短手方向に向く様に載せ、包装シート(9)を錐状飯塊(5)の円錐面に巻き付け、前記し図12に示す包装形態とする。
【0003】
包装錐状飯の包装を解くには図12に示す手順1の如く、包装錐状飯の正面に位置する包装シートの巻付け終端(98)を引っ張って後方へ開く。
次に、手順2の如く、カットテープ(92)を引っ張って外フィルム(91)を二分する。
次に、図14の手順3に示す如く、前記開いた包装シートの巻付け終端(98)を側方に引っ張って、前記二分した外フィルムの半体と該半体に接着されている内フィルム(95)の小フィルム片(97)を一緒に引き出して海苔(94)の一部を露出させる。
次に図15の手順4に示す如く、露出した海苔(94)上に錐状飯塊(5)を転がして載せ、次に手順5に示す如く、錐状飯塊(5)を海苔(95)に載せたその位置で回転させて、残りの外フィルム半体と内フィルム(95)の間から海苔(94)を引き出しつつ錐状飯塊(5)の錐面に海苔(94)を巻き付ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記包装シート(9)は長方形であり、包装シート製作上のフィルムロス、海苔(94)のロスは少なくて済む利点がある。しかし、下記の大きな問題がある。
錐状飯塊(5)の錐面の全面に海苔(94)を被せるには、海苔(94)の横長さは、錐状飯塊(5)の拡大端縁を1周強する長さ、幅長さは、錐状飯塊(5)の錐高さ程度の長さが必要となる。すると、図12に示す包装状態において、包装シート(9)の両端上部は錐状飯塊(5)の拡大端面から上側にはみ出してしまう。包装錐状飯の陳列効果等を考慮すれば、このはみ出し部分(99)を背面側に位置させ、具材(51)の背景とすることが望ましい。すると、包装シート(9)の巻付け終端(98)は正面に位置することになる。
【0005】
包装を解く手順を知らずに、即ち、前記手順1の包装シートの巻付け終端(98)を開かぬまま、先に外フィルム(91)のカットテープ(92)を引っ張ってしまう人がいることを考えると、カットテープ(92)は包装シートの巻付け終端(98)に重ならない様にせねばならず、このために、カットテープ(92)を外フィルム(91)の長さ中心から外れて一端寄りに位置させている。
【0006】
外フィルム(91)の長さ中心にカットテープ(92)が位置していれば、円錐状の包装袋(1a)を形成したとき、カットテープ(92)は円錐の先細先端に真直に延びるが、カットテープ(92)が外フィルム(9)の一端寄りに位置していると、図12に示す如く、包装形態において、カットテープ(22)はスパイラル状に錐状飯塊(5)に巻き付くことになる。従って、カットテープ(92)を真直ぐ下方に引っ張ると引っ掛かりが生じて、その段階で包装を解くことに失敗することがある。
又、前記し図15に示す如く、海苔(94)の一部を露出させて、該露出部に錐状飯塊(5)を転がして移動させ、その位置で錐状飯塊(5)を回転させて残りの海苔(94)を引き出しつつ錐状飯塊(5)に海苔(94)を巻き付ける作業を、掌の上で行なうことは、初心者には難しく、錐状飯塊(5)を落としてしまい、錐状飯塊に汚れや割れが生じて、食することが出来なくなることも希ではない。
【0007】
本発明は、包装シートの形状は従来の長方形に較べて複雑となるが、上記問題を解決して、初心者でも速やかに、上手く包装を解くことのできる、包装錐状飯及びその包装シートを明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の包装錐状飯は、下部が幅狭の略二等辺三角形を呈する正面領域(11)と、該正面領域の左右何れか一方の斜辺(12)に連続し正面領域(11)の裏側の略全面に重なり且つ正面領域(11)の上辺から突出する飾り片(15)を有する背面領域(14)と、正面領域(11)の他方の斜辺(13)に連続し、前記背面領域(14)内に重なる閉じ片(16)を有す包装シート(1)によって飾り片(15)側が開口した縦長の錐状の包装袋(1a)を形成し、該包装袋(1a)に錐状飯塊(5)を収容している。
包装シート(1)は、外フィルム(2)と内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟んで構成され、外フィルム(2)の前記正面領域(11)内には包装袋(1a)の上部開口縁と先細先端との間で外フィルム(2)を真直に裂いて分断する分断可能部(21)が設けられており、
内フィルム(3)は前記正面領域(11)内で互いの内端どうしが重なった2枚のフィルム片(31)(32)からなり、輪郭が前記外フィルム(2)の輪郭に一致している。
【0009】
請求項2は、請求項1に記載の包装錐状飯において、包装シート(1)の閉じ片(16)は、背面領域(14)の外側から背面領域(14)に重なっており、止着手段(6)によって背面領域(14)に止着されている。
【0010】
請求項3は、請求項1又は2の包装錐状飯において、外フィルム(2)の分断可能部(21)は、外フィルム(2)にカットテープ(22)を接着して
形成されている。
【0011】
請求項4の包装シートは、下部が幅狭の略二等辺三角形を呈する正面領域(11)と、該正面領域の左右何れか一方の斜辺(12)に連続し正面領域(11)の裏側の略全面に重なり可能且つ正面領域(11)の上辺から突出する飾り片(15)を有する背面領域(14)と、正面領域(11)の他方の斜辺(13)に連続し、前記背面領域(14)内に重なり可能な閉じ片(16)を有す包装シート(1)であって、
包装シート(1)は、外フィルム(2)と内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟んで構成され、外フィルム(2)の前記正面領域(11)内には包装袋(1a)の上部開口縁と先細先端との間で外フィルム(2)を真直に裂いて分断する分断可能部(21)が設けられており、
内フィルム(3)は前記正面領域(11)内で互いの内端どうしが重なった2枚のフィルム片(31)(32)からなり、輪郭が前記外フィルム(2)の輪郭に一致している。
【発明の効果】
【0012】
本発明の包装錐状飯の包装を解くには、外フィルム(2)をその分断可能部(21)で分断し、外フィルム(2)の両分断間を開いて手指を挿入し、シート状食品(4)の上から錐状飯塊(5)を挟んで支持し、他方の手で、閉じ片(16)と背面領域(14)の間を開いて夫々の端部を摘んで後方に引っ張って、両外フィルム半体、内フィルム(3)の両フィルム片(31)(32)を引っ張り出す。
シート状食品(4)だけが錐状飯塊(5)に直接に被さった状態で残り、このまま食することができる。
【0013】
上記包装を解く手順において、外フィルム(2)を分断する際、分断可能部(21)は、包装錐状飯の正面領域(11)に位置し、包装袋(1a)の上部開口縁から先細先端へ真直ぐに延びているから、分断可能部(21)がカットテープ(22)の様に、引っ張って外フィルム(2)を分断する場合、カットテープ(22)を一気に引っ張って、速やかに且つ失敗なく、外フィルム(2)を分断できる。
【0014】
前記従来例の様に、一部が露出し一部が包装状態のシート状食品の上で錐状飯塊(5)を転がして、錐状飯塊(5)にシート状食品を巻き付けることを掌の上で行なう難しい作業は不要である。従って、該作業中に不用意に錐状飯塊(5)を手から落としてしまう様なこともない。
【0015】
又、通常この種商品には、外フィルム(2)の正面領域(11)に商品名等を装飾文字で印刷するが、包装シートの巻付け終端が正面領域(11)に存在しないので、該印刷面を見難くする邪魔物はなく、正面領域(11)はスッキリとした外観に仕上げることができる。
更に、包装シート(1)の閉じ片(16)と背面領域(14)の何れが巻付け終端となっても、巻き付け終端は背面領域(14)内に位置することになり、正面領域(11)にははみ出さない。
背面領域(14)には、錐状飯塊(5)の拡大上端から上方にはみ出す飾り片(15)が設けられているから、錐状飯塊(5)の拡大端面に具材(51)を差し込んで一部を臨出させた場合に、該飾り片(15)が具材(51)を引き立てる背景となって、デザイン性を高めることができ、体裁と美観を向上させることに寄与し、購買意欲を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】包装シートの分解斜視図である。
【図2】包装シートの内フィルム側からの斜視図である。
【図3】図1A−A線に沿う端面図である。
【図4】包装シートの領域区分の説明図である。
【図5】包装シートから包装袋を作る第1折り工程の説明図である。
【図6】包装シートから包装袋を作る第2折り工程の説明図である。
【図7】包装袋と錐状飯塊の斜視図である。
【図8】包装錐状飯の陳列方法の説明図である。
【図9】本発明の包装錐状飯の包装を解く第1手順の説明図である。
【図10】同上の第2手順の説明図である。
【図11】同上の第3手順の説明図である。
【図12】第1、第2手順の説明図を兼ねた斜視図である。
【図13】従来例の包装シーとの分解斜視図である。
【図14】従来例の包装錐状飯の包装を解く第3手順の説明図である。
【図15】同上の第4、第5手順の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図7は、包装すべき錐状飯塊(5)と包装袋(1a)を示している。実施例の錐状飯塊(5)は円錐形であり、錐高さ約9cm、大径端部の直径は約5.5cmである。
錐状飯塊(5)の軸芯部には具材(51)が埋設され、該具材(51)は錐状飯塊(5)の拡大端面から2〜3cm程度盛り上がっている。実施例の具材(6)は葉野菜やステック状にカットした根菜である。
尚、錐状飯塊(5)は円錐形に限らず、四角錐等の角錐形状でも実施可能である。
【0018】
包装袋(1a)は、図1乃至図3に示す如く、3重構造の包装シート(1)によって形成されている。
包装シート(1)は、透明な外フィルム(2)と半透明の内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟んで構成されている。
【0019】
図4は、包装シート(1)の大きさを説明するための図である。
包装シート(1)は、内角が、略30°、略100°略50°の三角形の各頂部をカットした形状であり、最長辺である上辺(17)の長さL1は約21cm、下辺(18)の長さL2は約3cm、全高さH1は約13cmである。図面において、左端のカット部の長さH2は約5.5cm、右端のカット部の長さH3は約1.5cmである。
上辺(17)と下辺(18)は平行であり、夫々の長さ中心を結んで後記する外フィルム(2)の分断可能部(21)、即ちカットテープ(22)が位置し、カットテープ(22)は、包装シート(1)の上辺(17)及び下辺(18)に対して直角である。
【0020】
包装シート(1)は、中央部の正面領域(11)(縦平行線で示す部分)と、左側の背面領域(14)(横向き平行線で示す部分と、左下がり平行線で示す部分)と、右側の閉じ片(16)(右下がり平行線で示す部分)の3つの領域からなる。
正面領域(11)は、下部が幅狭の略二等辺三角形であり、その上辺の長さL3は略8.5cm、下辺の長さL4は約1.5cmである。正面領域(11)の上辺及び下辺の中心は、前記包装シート(1)の上辺(17)と下辺(18)の中心に略一致している。
【0021】
正面領域(11)の左側の斜辺(12)に連続して背面領域(14)が設けられる。該背面領域(14)は該斜辺(12)を折り線として図5に示す如く、正面領域(11)に折り重ねたとき、該正面領域(11)のほぼ全面に重なる部分(図4の横向き平行線で示す部分)と、包装シート(1)の上辺(17)から三角形の山状にはみ出す飾り片(15)(左下がり平行線で示す部分) とからなる。
【0022】
正面領域(11)の右側の斜辺(13)に連続して閉じ片(16)が設けられる。該閉じ片(16)は該斜辺(13)を折り線として、図6に示す如く、正面領域(11)上に折り重ねた前記背面領域(14)に折り重ねたとき、該背面領域(14)を左右に半分づつ分けた右側領域から少しはみ出て被さる大きさである。
尚、閉じ片(16)は背面領域(14)からはみ出さずに被さる大きさであればよい。
【0023】
図4に示す、各角度は参考値であり、この角度に限定されるものではない。
【0024】
図1に示す外フィルム(2)は、前記図4に示す包装シート(1)の輪郭とする大きさの1枚もののフィルムであり、長さ方向の中央部に、前記したカットテープ(22)による分断可能部(21)が幅方向(高さ方向)の全長に亘って設けられている。
外フィルム(2)の長辺には、カットテープ(22)を挟んで且つカットテープ(22)に接近してカットテープ(22)と平行に2本の短い切込み(23)(23)が施されている。
【0025】
内フィルム(3)は2枚のフィルム片(31)(32)の内端縁どうしを重ねて形成され、該重り部(33)が外フィルム(2)のカットテープ(22)に重なった状態で、外フィルム(2)と内フィルム(3)の輪郭は一致している。フィルム片(31)(32)の重なり部(33)の幅は約1cmである。
内フィルム(3)と外フィルム(2)の外周部は、線状或いはスポット的に要所が熱溶着(10)(10)されている。この溶着は不用意に溶着が外れない程度の弱いものでよい。
【0026】
実施例では、内フィルム(3)も外フィルム(2)と同じ素材のフィルムで形成されているが、内フィルム(3)は殆んどシート状食品(4)に隠れるので透明にする必要はない。そのため、内フィルム(3)に錐状飯塊(5)との滑りが良くなる(錐状飯塊(5)に対して付着性が悪くなる)特別の加工を施して、透明度を犠牲にしても問題はない。
【0027】
シート状食品(4)は、外フィルム(2)と略相似形であり、長さ約19cm、幅長さ(高さ)約10cmである。シート状食品(4)はシート状に加工した可撓性の食品であれば、昆布や鯣をシート状に加工したもの等、シート状で自由に変形するものであれば種類は問わない。実施例ではシート状海苔(31)(以下、単に「海苔」)とする。
【0028】
実施例では、包装シート(1)から包装袋(1a)を製作し、該包装袋(1a)に錐状飯塊(5)を挿入して、包装錐状飯を製造した。
包装袋(1a)を製作する手順は、図2に示す如く、内フィルム(3)を上にした状態で、図5に示す如く、包装シート(1)の正面領域(11)に、その左側の斜辺(12)を折り線として背面領域(14)を折り重ねる。
次に図6に示す如く、正面領域(11)の左側の斜辺(13)を折り線として、閉じ片(16)を背面領域(14)の右半分に折り重ね、溶着やシール止め等の止着手段(19)によって背面領域(14)に剥離可能に弱く止着して包装袋(1a)を完成する。
完成した包装袋(1a)は扁平体であるから、これを円錐状にしてから、錐状飯塊(5)を投入して、包装袋(1a)に緊密に錐状飯塊(5)が収容された包装錐状飯を完成する。
【0029】
完成した包装錐状飯は、錐状飯塊(5)の錐面の全面が包装袋(1a)に収容され、包装袋(1a)の正面領域(11)の中央部には、錐状飯塊(5)の上端側から先細先端に真直にカットテープ(22)が位置し、背面領域(14)は錐状飯塊(5)の拡大端面から略三角形状に飾り片(15)をはみ出している。
包装袋(1a)の閉じ片(16)の止着端縁は、正面領域(11)に被さって、正面側からは見えない。
尚、図示しないが、外フィルム(2)の正面領域(11)に対応する部分には商品名が大きく印刷されている。
【0030】
図8は包装錐状飯を陳列ケース(7)にセットした状態を示している。
陳列ケース(7)は2段の棚板(71)(72)を有し、上段の棚板(71)には大径孔(73)が縦横に等間隔に開設され、下段の棚板(72)には小径孔(74)が前記各大径孔(73)の真下位置に開設されており、包装錐状飯の上部と下部を大径孔(73)と小径孔(74)に嵌めて、起立状態に支持できる。
包装錐状飯の正面領域(11)を前向き(客側向き)にして陳列することにより、透明な外フィルム(2)を通して海苔(41)が見え、錐状飯塊(5)の拡大端面から臨出した具材(51)がオープンな状態で見え、更に前記飾り片(15)が具材(51)を引き立てる背景となり、視覚によって、おいしさをアピールする効果を奏する。
【0031】
上記包装錐状飯の包装を解くには、正面領域(11)の中央に位置する外フィルム(2)の切込み(23)(23)間を摘み、カットテープ(22)を引っ張って外フィルム(2)を分断する(図9参照)。
カットテープ(22)は、包装錐状飯の正面領域(11)に、それも正面領域(11)の中央部に位置しており、カットテープ(22)を見つけ易い。又、カットテープ(22)は円錐の先細へ真直に延びており、一気に下方へ引っ張って、速やかに、且つ失敗なく外フィルム(2)を分断できる。
【0032】
次に、図10に示す如く、外フィルム(2)の両分断間を開いて手指を挿入し、海苔(41)の上から錐状飯塊(5)を挟んで支持し、図11に示す如く、他方の手で、閉じ片(16)の止着を外して、閉じ片(16)と背面領域(14)を後方に開く。閉じ片(16)の止着端は背面領域(14)の中央部に位置しているので見つけ易く、作業性がよい。
閉じ片(16)と背面領域(14)の開き部の先端フィルム部を摘んで後方に引っ張る。これによって、両外フィルム半体及び内フィルム(3)の両フィルム片(31)(32)が一緒に引っ張り出される。
海苔(41)が錐状飯塊(5)に直接に被さった状態で残り、このまま食することができる。
【0033】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0034】
例えば、上記実施例では、包装袋(1a)を形成してから、該包装袋(1a)に錐状飯塊(5)を収容したが、包装シート(1)の上に錐状飯塊(5)を載せ、包装シート(1)を錐状飯塊(5)の錐面に巻き付けて包装袋(1a)の形成と、該包装袋(1a)への錐状飯塊(5)の収容を同時に行なうこともできる。
【0035】
又、外フィルム(2)の分断可能部(21)はカットテープ(22)に限らず、外フィルム(2)を分断可能部(21)の分断方向に裂け易い方向性フィルムとし、前記した外フィルム(2)り切込み(23)(23)間を摘んで引っ張ることにより、外フィルム(2)を分断可能とすることができる。
方向性フィルムに代えて、外フィルム(2)に断続的な切込み、所謂ミシン目を施して分断可能部とすることもできる。
【0036】
更に包装袋(1a)の作成において、最初に正面領域(11)の上に閉じ片(16)を折り重ね、該閉じ片(16)にその外から背面領域(14)を折り重ねて、背面領域(14)の巻付け終端を溶着、シール貼り等の止着手段で閉じ片(16)上に止着することもできる。即ち、背面領域(14)の内側に閉じ片(16)を位置させることもできる。
【符号の説明】
【0037】
1 包装シート
1a 包装袋
11 正面領域
14 背面領域
15 飾り片
16 閉じ片
2 外フィルム
21 分断可能部
22 カットテープ
3 内フィルム
31 フィルム片
32 フィルム片
4 シート状食品
5 錐状飯塊
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部が幅狭の略二等辺三角形を呈する正面領域(11)と、該正面領域の左右何れか一方の斜辺(12)に連続し正面領域(11)の裏側の略全面に重なり且つ正面領域(11)の上辺から突出する飾り片(15)を有する背面領域(14)と、正面領域(11)の他方の斜辺(13)に連続し、前記背面領域(14)内に重なった閉じ片(16)を有す包装シート(1)によって飾り片(15)側が開口した縦長の錐状の包装袋(1a)を形成し、該包装袋(1a)に錐状飯塊(5)を収容した包装錐状飯であって、
包装シート(1)は、外フィルム(2)と内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟んで構成され、外フィルム(2)の前記正面領域(11)内には包装袋(1a)の上部開口縁と先細先端との間で外フィルム(2)を真直に裂いて分断する分断可能部(21)が設けられており、
内フィルム(3)は前記正面領域(11)内で互いの内端どうしが重なった2枚のフィルム片(31)(32)からなり、輪郭が前記外フィルム(2)の輪郭に一致している、包装錐状飯。
【請求項2】
閉じ片(16)は、背面領域(14)の外側から背面領域(14)に重なっており、止着手段(6)によって背面領域(14)に止着されている、請求項1に記載の包装錐状飯。
【請求項3】
、外フィルム(2)の分断可能部(21)は外フィルム(2)にカットテープ(22)を接着して形成されている、請求項1又は2の包装錐状飯。
【請求項4】
下部が幅狭の略二等辺三角形を呈する正面領域(11)と、該正面領域の左右何れか一方の斜辺(12)に連続し正面領域(11)の裏側の略全面に重なり可能且つ正面領域(11)の上辺から突出する飾り片(15)を有する背面領域(14)と、正面領域(11)の他方の斜辺(13)に連続し、前記背面領域(14)内に重なり可能な閉じ片(16)を有す包装シート(1)であって、
包装シート(1)は、外フィルム(2)と内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟んで構成され、外フィルム(2)の前記正面領域(11)内には包装袋(1a)の上部開口縁と先細先端との間で外フィルム(2)を真直に裂いて分断する分断可能部(21)が設けられており、
内フィルム(3)は前記正面領域(11)内で互いの内端どうしが重なった2枚のフィルム片(31)(32)からなり、輪郭が前記外フィルム(2)の輪郭に一致している、包装シート。
【請求項1】
下部が幅狭の略二等辺三角形を呈する正面領域(11)と、該正面領域の左右何れか一方の斜辺(12)に連続し正面領域(11)の裏側の略全面に重なり且つ正面領域(11)の上辺から突出する飾り片(15)を有する背面領域(14)と、正面領域(11)の他方の斜辺(13)に連続し、前記背面領域(14)内に重なった閉じ片(16)を有す包装シート(1)によって飾り片(15)側が開口した縦長の錐状の包装袋(1a)を形成し、該包装袋(1a)に錐状飯塊(5)を収容した包装錐状飯であって、
包装シート(1)は、外フィルム(2)と内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟んで構成され、外フィルム(2)の前記正面領域(11)内には包装袋(1a)の上部開口縁と先細先端との間で外フィルム(2)を真直に裂いて分断する分断可能部(21)が設けられており、
内フィルム(3)は前記正面領域(11)内で互いの内端どうしが重なった2枚のフィルム片(31)(32)からなり、輪郭が前記外フィルム(2)の輪郭に一致している、包装錐状飯。
【請求項2】
閉じ片(16)は、背面領域(14)の外側から背面領域(14)に重なっており、止着手段(6)によって背面領域(14)に止着されている、請求項1に記載の包装錐状飯。
【請求項3】
、外フィルム(2)の分断可能部(21)は外フィルム(2)にカットテープ(22)を接着して形成されている、請求項1又は2の包装錐状飯。
【請求項4】
下部が幅狭の略二等辺三角形を呈する正面領域(11)と、該正面領域の左右何れか一方の斜辺(12)に連続し正面領域(11)の裏側の略全面に重なり可能且つ正面領域(11)の上辺から突出する飾り片(15)を有する背面領域(14)と、正面領域(11)の他方の斜辺(13)に連続し、前記背面領域(14)内に重なり可能な閉じ片(16)を有す包装シート(1)であって、
包装シート(1)は、外フィルム(2)と内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟んで構成され、外フィルム(2)の前記正面領域(11)内には包装袋(1a)の上部開口縁と先細先端との間で外フィルム(2)を真直に裂いて分断する分断可能部(21)が設けられており、
内フィルム(3)は前記正面領域(11)内で互いの内端どうしが重なった2枚のフィルム片(31)(32)からなり、輪郭が前記外フィルム(2)の輪郭に一致している、包装シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−116433(P2011−116433A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277370(P2009−277370)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(591154751)
【出願人】(598157096)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(591154751)
【出願人】(598157096)
【Fターム(参考)】
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