包装食品
【課題】シート状食品を収容した包装シートで包装された棒状食品において、包装を容易に解いて、シート状食品を棒状食品に直に巻き付ける。
【解決手段】 包装食品の包装シート1は、外フィルム2と内フィルム3とをシート状食品4を挟んで溶着して構成されている。外フィルム2は、棒状食品6の長手方向に裂けて分離する分離可能部21を有しており、外フィルム2の分離可能部21が分離することで、外フィルム(2)は分断される。内フィルム3は、2枚のフィルム片31,32で構成されて、フィルム片31,32の端部は、外フィルム2の分離可能部21に重ねられている。包装シート1の巻付け終端27は、止着用ラベル5で止着されており、止着用ラベル5は、棒状食品6の長手方向に裂けて分離する分離可能部21を有している。止着用ラベル5の分離可能部51が分離すると、包装シート1の巻付け終端27の止着が解除される。
【解決手段】 包装食品の包装シート1は、外フィルム2と内フィルム3とをシート状食品4を挟んで溶着して構成されている。外フィルム2は、棒状食品6の長手方向に裂けて分離する分離可能部21を有しており、外フィルム2の分離可能部21が分離することで、外フィルム(2)は分断される。内フィルム3は、2枚のフィルム片31,32で構成されて、フィルム片31,32の端部は、外フィルム2の分離可能部21に重ねられている。包装シート1の巻付け終端27は、止着用ラベル5で止着されており、止着用ラベル5は、棒状食品6の長手方向に裂けて分離する分離可能部21を有している。止着用ラベル5の分離可能部51が分離すると、包装シート1の巻付け終端27の止着が解除される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外フィルムと内フィルムとの間にシート状食品を収容した包装シートによって棒状食品を包装した包装食品と、棒状食品にシート状食品を直に巻き付ける方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来の包装食品用の包装シート(1)と、該包装シート(1)によって包装される棒状食品(6)とを示している。包装食品は、例えば手巻き寿司であって、棒状食品(6)は、棒状に形成された飯塊であり、包装シート(1)には、この飯塊に巻かれるシート状食品(4)、より具体的には海苔が収容されている。
【0003】
包装シート(1)の外フィルム(2)は、長方形の一枚もののフィルムである。内フィルム(3)は、外フィルム(2)の1/2強の長さの第1フィルム片(35)と、外フィルム(2)の1/2弱の長さの第2フィルム片(36)とから成っている。両フィルム片(35)(36)は、外フィルム(2)及び外フィルム(2)上のシート状食品(4)を完全に覆う様に重ねられており、両フィルム片(35)(36)及び外フィルム(2)の外周縁は熱溶着されている。但し、第2フィルム片(36)は、外フィルム(2)の短縁に溶着されているだけであり、図12に示すように、該溶着端縁(20)を中心にして外側へ開くことができる。第1フィルム片(35)上には、両端部が外フィルム(2)の長手方向の側縁から大きくはみ出す被せフィルム(37)が重ねられている。被せフィルム(37)のはみ出し部分は、棒状食品(6)の両端面に被せる被せ部(32a)(32a)となる。
【0004】
棒状食品(6)の包装は、次のようになされる。まず、被せフィルム(37)上に棒状食品(6)を載せ、被せフィルム(37)の両端の被せ部(32a)(32a)を棒状食品(6)の両端面に被せて内側に折る。その後、包装シート(1)を棒状食品(6)の周面に巻き付けて、巻付け終端をラベル(図示省略)の貼着によって止着する。
【0005】
棒状食品(6)を食するには、ラベルを外して包装シート(1)の巻付けを解き、図11の状態に戻す。次に、図12に示すように、内フィルム(3)の第2フィルム片(36)を開いて、シート状食品(4)の一端側を露出させる。次に、棒状食品(6)を転がす等により、シート状食品(4)の露出した端部上に棒状食品(6)を移動させ、該棒状食品(6)にシート状食品(4)の露出部を付着させる。棒状食品(6)にシート状食品(4)の露出部を付着させた状態で、棒状食品(6)を被せフィルム(37)側に回転させると、外フィルム(2)と第1フィルム片(35)との間からシート状食品(4)が引き出されて、棒状食品(6)に直にシート状食品(4)が巻き付く。これによって、シート状食品(4)が巻き付いた棒状食品(6)を食することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような包装シート(1)を用いた従来の包装食品では、シート状食品(4)の一端側を露出させる間は、棒状食品(6)を包装シート(1)の巻付け開始端側へ位置させておき、シート状食品(4)の巻付け終端側を露出させてから、該露出部へ棒状食品(6)を移動させなければならない。通常、この作業を不安定な掌の上で行うから、慣れが必要であり、棒状食品(6)を落下させてしまうことが多々ある。棒状食品(6)を包装シート(1)の一端側から他端側へ移動させずに、シート状食品(4)の露出部を摘んでシート状食品(4)を外フィルム(2)と内フィルム(3)の第1フィルム片(35)との間から引っ張り出して、これを棒状食品(6)に被せようとしても、一方の掌に棒状食品(6)を載せたまま、この作業を行うことは、前記の場合よりも難しい。
【0007】
また、包装を解いて棒状食品(6)にシート状食品(4)を直に巻き付けるには、先ず、ラベルを剥がさねばならない。しかしながら、ラベルを剥がす際に、力を入れ過ぎて棒状食品(6)を変形させたり、ラベルを上手く剥がすことが出来ず、手順通りに包装を解くことができないことがあった。さらに、内フィルム(3)の第1フィルム片(35)の上に被せフィルム(37)が重ねられているので、上記のような包装シート(1)では、フィルムの消費量が大きくなる。
【0008】
本発明は、これらの問題を解決する包装食品と、棒状食品にシート状食品を直に巻き付ける方法とを明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の包装食品は、 外フィルム(2)と内フィルム(3)とがシート状食品(4)を挟んで溶着された包装シート(1)が、棒状食品(6)の周面に巻き付けられた包装食品において、外フィルム(2)は、棒状食品(6)の長手方向に裂けて分離する分離可能部(21)を有しており、外フィルム(2)の分離可能部(21)が分離することで、外フィルム(2)は分断され、内フィルム(3)は、2枚のフィルム片(31)(32)で構成されて、これらフィルム片(31)(32)の端部は、外フィルム(2)の分離可能部(21)に重ねられており、包装シート(1)の巻付け終端(27)は、止着用ラベル(5)の貼付けによって止着されており、止着用ラベル(5)は、棒状食品(6)の長手方向に裂けて分離する分離可能部(21)を有しており、止着用ラベル(5)の分離可能部(51)が分離すると、止着用ラベル(5)が分断されて、包装シート(1)の巻付け終端(27)の止着が解除される。
【0010】
本発明の包装食品では、一方のフィルム片(32)の両端部(32a)(32a)は、棒状食品(6)の両端面を覆って、棒状食品(6)の周面に沿う様に内側に折り返されてよい。
【0011】
本発明の包装食品では、棒状食品(6)の周面の周方向に沿った包装シート(1)の長さは、包装シート(1)が棒状食品(6)を1周強巻付けできる長さとされ、棒状食品(6)の周面の周方向に沿った第2フィルム片(32)の長さは、第2フィルム片(32)が棒状食品(6)を1/2周強巻付けできる長さとされてよい。
【0012】
本発明の包装食品では、外フィルム(2)の分離可能部(21)と止着用ラベル(5)の分離可能部(51)とは対向するように配置されてよい。
【0013】
本発明の包装食品では、 外フィルム(2)に外向きの力が加わると、棒状食品(6)の周面の周方向に沿って、 外フィルム(2)と内フィルム(3)の溶着が容易に解除されてよい。
【0014】
本発明の包装食品では、外フィルム(2)の分離可能部(21)は、棒状食品(6)の長手方向に沿って外フィルム(2)に貼られたカットテープ(22)を含んでよい。カットテープ(22)の少なくとも一端側にて、外フィルム(2)には、カットテープ(22)を挟むように且つカットテープ(22)に平行に一対の切込み(23a)(23a)(23b)(23b)が施されてよい。さらに、外フィルム(2)には、一対の切込み(23a)(23a)(23b)(23b)の間にラベル(24a)(24b)が貼られてよい。
【0015】
本発明の包装食品では、止着用ラベル(5)の分離可能部(51)は、棒状食品(6)の長手方向に沿って止着用ラベル(5)の裏面に貼られたカットテープ(52)を含んでよい。止着用ラベル(5)の分離可能部(51)のカットテープ(52)の少なくとも何れかの端部は、カットテープ(52)から延出してよい。
【0016】
シート状食品を棒状食品に直に巻き付ける本発明の方法は、上述した包装食品において、棒状食品(6)にシート状食品(4)を直に巻き付ける方法であって、外フィルム(2)の分離可能部(21)を分離して、外フィルム(2)を分断する工程と、外フィルム(2)の両分断端縁間を拡げてシート状食品(4)の上から一方の手で棒状食品(6)を支持する工程と、他方の手で、止着用ラベル(5)の分離可能部(51)を分離して、包装シート(1)の巻付け終端(27)の止着を解除する工程と、他方の手で、分断された外フィルム(2)の一方の部分と一方のフィルム片(31)とを一緒に引き出す工程と、他方の手で、分断された外フィルム(2)の他方の部分と他方のフィルム片(32)とを一緒に引き出す工程とを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、包装食品の包装を解いて棒状食品にシート状食品を直に巻き付ける手順を、次のように行うことができる。まず、外フィルム(2)の分離可能部(21)を棒状食品(6)の長手方向に裂いて分離する。外フィルム(2)の分断により生じた包装シート(1)の両分断端縁(25)(26)を開いて、外フィルム(2)とシート状食品(4)との間に手指を入れて棒状食品(6)を掴んで支持する。他方の手で、止着用ラベル(5)の分離可能部(51)を棒状食品(6)の長手方向に裂いて分離して、包装シート(1)の巻付け終端(27)の止着を解除する。そして、他方の手で、分断された外フィルム(2)の一方の部分と小フィルム片(31)とを摘んで引っ張り出す。さらに、分断された外フィルム(2)の他方の部分と大フィルム片(32)とを摘んで引っ張り出す。これにより、シート状食品(4)が棒状食品(6)に直に被さった状態で残される。
【0018】
このように、本発明によれば、従来例の包装食品の様に、掌上で棒状食品(6)を転がす必要はなく、片方の手で棒状食品(6)を支持した状態で、他方の手で外フィルム(2)と内フィルム(3)を容易且つスムースに棒状食品(6)から分離して、シート状食品(4)を抜き出すことができる。また、止着用ラベル(5)による包装シート(1)の巻付け終端(27)の止着が容易に解除されるので、止着用ラベル(5)を剥がす際のトラブルの心配はない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例に係る包装シートを裏側から見た斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る包装シートを表側から見た斜視図である。
【図3】図1のA−A線に沿って破断して矢視方向に見た断面図である。
【図4】本発明の実施例に係る包装シートの分解斜視図である。
【図5】本発明の実施例の包装食品の斜視図である。
【図6】本発明の実施例の包装食品の斜視図である。
【図7】外フィルムの分離可能部を分離する途上の包装食品の斜視図である。
【図8】外フィルムの分断端縁を開いて指を挿入して棒状食品を手で支持した状態の包食品の斜視図である。
【図9】図8のB−B線に沿って破断して矢視方向に見た断面図である。
【図10】図9に示す状態から、ラベルの分離可能部を分離した後の状態を示す断面図である。
【図11】従来例の包装シートに棒状食品を載せた状態の斜視図である。
【図12】従来例の包装シートの内フィルムの一方のフィルム片を開いた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本件発明について、図を用いて説明する。先の従来例と同一又は類似の部分には、同一の符号が用いられる。説明される実施例の包装食品は、例えば、手巻き寿司に代表される包装飯塊であって、棒状又は柱状の飯塊である棒状食品(6)が包装シート(1)で包装されたものである。包装シート(1)で包装される棒状食品(6)には、例えば、長さ約10cmの短い棒状又は柱状に形成された白米の塊、かやくご飯の塊や米飯で具を巻いたものなどが用いられる。実施例では、棒状食品(6)の断面は円形であるが(つまり、棒状食品(6)は円柱状に形成されているが)、略正多角形などであってもよい。本発明の作用効果が得られる限りにおいて、餅や菓子などの飯塊以外の食品に本発明を適用することが可能である。
【0021】
包装シート(1)は、長方形の外フィルム(2)と、長方形の内フィルム(3)と、外フィルム(2)と内フィルム(3)の間に挿入される長方形のシート状食品(4)を含んでいる。シート状食品(4)は、実施例ではシート状の海苔であって、棒状食品(6)を約1.1〜1.3周する長さと、棒状食品(6)の長さに略一致する幅とを有している。
【0022】
外フィルム(2)は、棒状食品(6)を1周強できる長さを有しており、外フィルム(2)の形状は、シート状食品(4)の形状とほぼ相似している。外フィルム(2)の大きさは、その面内に余裕を持ってシート状食品(4)を納められる程度にされる。シート状食品(4)は、その中心が外フィルム(2)の中心とほぼ一致するように、且つ、その長辺(又は短辺)が、外フィルム(2)の長辺(又は短辺)とほぼ平行になるように配置される。
【0023】
外フィルム(2)は、幅方向に沿って裂かれることで分離可能な分離可能部(21)を有している。本実施例では、分離可能部(21)は、外フィルム(2)の長さ方向の略中央に位置しており、外フィルム(2)の幅方向に沿ってその裏面に接着されたカットテープ(22)を含んでいる。外フィルム(2)には、カットテープ(22)の両端部を挟んで、該カットテープ(22)に平行な切込み(23a)(23a)(23b)(23b)が施されている。本実施例では、切込み(23a)(23a)(23b)(23b)の長さは全て同じであって、約0.5〜1.0mmにされる。外フィルム(2)の外側表面には、切込み(23a)(23a)の間に略矩形のラベル(24a)が貼着されており、切込み(23b)(23b)の間とにも同様なラベル(24b)が貼着されている。本実施例では、切込み(23a)(23a)の間隔は、カットテープ(22)の幅よりも長く、その幅の数倍程度にされており、ラベル(24a)の幅は、切込み(23a)(23a)の間隔よりも若干短くされている。また、ラベル(24a)の長さは、切込み(23a)(23a)の長さよりも長く、その長さの約5〜6倍程度にされている。切込み(23b)(23b)の間隔と、ラベル(24b)についても同様である。
【0024】
分離可能部(21)の分離をより容易にするために、カットテープ(22)に沿ったミシン目(図示せず)が外フィルム(2)に形成されてもよい。ミシン目は、カットテープ(22)の一方の側のみに、カットテープ(22)の両側に形成される。また、外フィルム(2)の幅方向に裂け易い方向性フィルムが、外フィルム(2)の分離可能部(21)に用いられてもよい。
【0025】
内フィルム(3)は、大小2枚の長方形のフィルム片(31)(32)からなる。これらフィルム片(31)(32)の外フィルム(2)の長手方向に沿う幅はほぼ同じになっており、外フィルム(2)の長さの1/2よりも少し大きい。即ち、各フィルム片(31)(32)は、棒状食品(6)に半周強巻き付く幅を有している。小フィルム片(31)の長さは、外フィルム(2)の幅とほぼ同じであり、小フィルム片(31)は、その長辺が外フィルム(2)の一方の短辺に合致するように配置される。つまり、小フィルム片(31)は、外フィルム(2)の一端側にて、その三方の縁が外フィルム(2)の三方の縁に重なるように配置される。
【0026】
大フィルム片(32)は、その一方の長辺が外フィルム(2)の他方の短辺に重なるように、つまり、大フィルム片(32)の一方の縁が、外フィルム(2)の他端側の縁に重なるように配置される。大フィルム片(32)の長手方向に沿って、大フィルム片(32)の両端部は、外フィルム(2)の長手方向の両側縁から、つまり、外フィルム(2)の両長辺から等しくはみ出しており、小フィルム片(31)と大フィルム片(32)は、包装シート(1)を開いた状態でT字状を成すように配置されている(図1参照)。大フィルム片(32)の両端部は、棒状食品(6)の端面に被さる被せ部(32a)(32a)を構成する(図5及び図6参照)。本実施例では、被せ部(32a)(32a)の外フィルム(2)からの突出長さは約5cmである。大フィルム片(32)に被せ部(32a)(32a)を設けることで、従来例の包装食品と比較して、フィルムの消費量が少なくされる。
【0027】
大フィルム片(32)の内側の端部と小フィルム片(31)の内側の端部とは、1cm程度の幅で重なっている。さらに、これらフィルム片(31)(32)の内側の端部は、外フィルム(2)の分離可能部(21)と重ねられている(図3参照)。本実施例では、両フィルム片(31)(32)は単に重なっているだけであるが、これらフィルム片(31)(32)の重なり部分(30)は、簡単に剥離する様に弱くスポット的に熱溶着されてもよい。
【0028】
外フィルム(2)とフィルム片(31)(32)は、外フィルム(2)の外周部において、少なくともフィルム片(31)(32)の重なり部分(30)を除いて、線状に溶着(10)を施して接合されている。溶着(10)の内、外フィルム(2)の長手方向に沿う溶着(10a)は、外フィルム(2)の長辺から1cm程度内側に位置している。外フィルム(2)の長手方向に沿う溶着(10a)は、外フィルム(2)又はフィルム片(31)(32)を引っ張れば容易に分離又は解除できる程度に弱くされる。
【0029】
このように、外フィルム(2)とフィルム片(31)(32)は溶着されて一体化されているが、例えば、図3に示す状態にて、分離可能部(21)が分離されて外フィルム(2)が2つの部分に分断されると、一体化されていた外フィルム(2)とフィルム片(31)(32)は、外フィルム(2)の一方の略半分と小フィルム片(31)とからなる部分と、外フィルム(2)の一方の略半分と大フィルム片(32)とからなる部分とに分離される。
【0030】
線状の溶着(10a)から外側の大フィルム片(32)の部分が、被せ部(32a)(32a)として機能する。本実施例では、外フィルム(2)の長手方向に沿った被せ部(32a)(32a)の長さは約6cm程度であり、棒状食品(6)の太さの略1.5倍となる。この被せ部(32a)(32a)の長さは、棒状食品(6)の端部を包む際の包み易さと、包装食品の包装を解く際に、外フィルム(2)の略半分と大フィルム片(32)を引っ張り出す際の抵抗に影響するので(包装食品の包装を解く手順については後述する)、適切に設定される必要がある。外フィルム(2)の長手方向に沿った被せ部(32a)(32a)の長さは、棒状食品(6)の太さの約1.3〜1.6倍とすることが好ましい。
【0031】
実施例の包装食品は止着用ラベル(5)を備えており、該止着用ラベル(5)は、図5に示すように、包装シート(1)が棒状食品(6)に巻かれた状態において、包装シート(1)の巻付け終端(27)を止着する。本実施例では、略矩形の止着用ラベル(5)が使用されており、止着用ラベル(5)の長さは、巻付け終端(27)の長さ(包装シート(1)又は外フィルム(2)の幅)よりも短い。止着用ラベル(5)は、包装シート(1)(又は外フィルム(2))の幅方向のほぼ中央に位置するように、且つ、巻付け終端(27)が止着用ラベル(5)の中心線にほぼ一致するように貼着される。
【0032】
止着用ラベル(5)は、その長手方向に裂いて分離可能な分離可能部(51)を有している。分離可能部(51)は、包装シート(1)の巻付け終端(27)(外フィルム(2)の短辺)と重なるように設けられており、分離可能部(51)が分離されると、止着用ラベル(5)が分断されて、包装シート(1)の巻付け終端(27)の止着が解除される。本実施例では、分離可能部(51)は、止着用ラベル(5)の長手方向に沿ってその裏面に接着されたカットテープ(52)を含んでいる。カットテープ(52)は、包装シート(1)の巻付け終端(27)(外フィルム(2)の短辺)と重なるように、外フィルム(2)と止着用ラベル(5)との間に配置される(図3参照)。カットテープ(52)と外フィルム(2)とは接着されない。カットテープ(52)の長さは、包装シート(1)の巻付け終端(27)の長さ、つまり外フィルム(2)の短辺又は幅よりも若干長くされており、図5に示す包装状態にて、カットテープ(52)の両端部分が、ほぼ均等に止着用ラベル(5)から延出している。延出する両端部分の長さは、指で摘み易いように設定され、例えば、1〜1.5cm程度にされる。なお、カットテープ(52)の一方の端部のみが止着用ラベル(5)から延出してもよい。
【0033】
包装シート(1)によって棒状食品(6)を包装する手順について説明する。まず、図1に示すように、内フィルム(3)の大フィルム片(32)に棒状食品(6)を載せる。大フィルム片(32)の両端の被せ部(32a)(32a)を棒状食品(6)の端面に被せ、更に棒状食品(6)の周面に沿う様に内側へ折り返す。次に、包装シート(1)を大フィルム片(32)側から棒状食品(6)の周面に巻き付ける。包装シート(1)は、棒状食品(6)の周面に1周強巻き付けられる。
【0034】
次に、図5に示すように、包装シート(1)の巻付け終端(27)を止着用ラベル(5)で止める。なお、棒状食品(6)を包装する際には、図1乃至3に示すように、止着用ラベル(5)の裏面の略半分が外フィルム(2)に貼着されると共に、カットテープ(52)が止着用ラベル(5)の裏面に接着された状態で、止着用ラベル(5)及びカットテープ(52)が予め準備されるのが好ましい。止着用ラベル(5)の裏面又は接着面において、外フィルム(2)及びカットテープ(52)と接着していない部分には、剥離紙又は台紙(図示省略)が貼られる。この剥離紙又は台紙は、例えば、包装シート(1)を大フィルム片(32)側から棒状食品(6)の周面に巻き付ける手順の前に、止着用ラベル(5)の裏面から剥がされる。
【0035】
棒状食品(6)の端面からはみ出して棒状食品(6)の周面に折り返された被せ部(32a)(32a)の部分は、棒状食品(6)と内フィルム(3)との間に挟み込まれる。これによって、棒状食品(6)の周面及び両端面は外気と遮断されて、棒状食品(6)の乾燥や棒状食品(6)への異物の侵入が抑制される。
【0036】
次に、包装食品の包装を解いて、シート状食品(4)を棒状食品(6)に直に巻き付ける手順を説明する。まず、図7に示すように、外フィルム(2)の分離可能部(21)の切込み(23a)(23a)間の部分、又は切込み(23b)(23b)間の部分を指で摘んで、摘んだ部分を他方の部分に向けて引っ張る。摘んだ部分を引っ張ることで、ラベル(24a)(24b)と、カットテープ(52)とに沿うように外フィルム(2)が裂かれる。分離可能部(21)が分離するまで摘んだ部分を引っ張ることで、外フィルム(2)は分断されるが、外フィルム(2)の分断後の2つの部分は、止着用ラベル(5)によって繋がれている。
【0037】
次に、図8及び図9に示すように、外フィルム(2)の分断端縁(25)(26)間を開き、一方の手でシート状食品(4)の上から棒状食品(6)を掴む。上述したように、外フィルム(2)と内フィルム(3)の溶着(10)において、外フィルム(2)の長手方向に沿う溶着(10a)が弱いころから、該溶着(10a)が剥がれて、両分断端縁間(25)(26)を容易に拡げることができる。
【0038】
次に、他方の手の指で、カットテープ(52)の一方の端部を摘んで、摘んだ端部を、カットテープ(52)の他方の端部に向けて引っ張る。摘んだ端部を引っ張ることで、カットテープ(52)に沿うように止着用ラベル(5)が裂ける。分離可能部(51)が分離するまで引っ張ると、止着用ラベル(5)の貼付けによる巻付け終端(27)の止着が解除される。つまり、外フィルム(2)の一方の略半分と小フィルム片(31)とで構成される(包装シート(1)の)部分と、外フィルム(2)の他方の略半分と大フィルム片(32)とで構成される(包装シート(1)の部分)との接続状態が解除される。
【0039】
巻付け終端(27)の止着が解除されると、図10に示すように、分断端縁(25)を有する外フィルム(2)の略半分と小フィルム片(31)とで構成される部分(図10において左側)の端部は、棒状食品(6)から遊離する。他方の手(棒状食品(6)を掴んでいない手)の指で、この遊離した端部を摘んで、フィルム(2)の略半分と小フィルム片(31)とで構成される部分を矢印Yの方向に引っ張り出すことで、シート状食品(4)の一端側が抜き出る。
【0040】
棒状食品(6)の周面に沿う様に内側に折り返されている被せ部(32a)(32a)を摘んで外側に引っ張り出すことで(又は、巻付け終端(27)の止着が解除されることで自動的に)、分断端縁(26)を有する外フィルム(2)の略半分と大フィルム片(32)とで構成される部分も、図10に示すように、棒状食品(6)から遊離する。他方の手の指で、この遊離した端部を摘んで、フィルム(2)の略半分と大フィルム片(32)とで構成される部分を矢印Zの方向に引き出すことで、シート状食品(4)の他端側も抜き出る。これにより、シート状食品(4)が棒状食品(6)に直に被さった状態で残される。その後、シート状食品(4)が棒状食品(6)に巻き付くように、シート状食品(4)の両端部を、棒状食品(6)の側面に沿うように配置する。
【0041】
図9に示す状態にて、外フィルム(2)及びフィルム片(31)(32)を一体的に、矢印Xで示す方向に引っ張り出すことも可能である。しかしながら、この場合、外フィルム(2)及びフィルム片(31)(32)を引っ張り出す際の抵抗は大きい。上述したように、巻付け終端(27)の止着を解除して、包装シート(1)の2つの部分を個別に引っ張り出すことで、これらの部分を引っ張り出す際の抵抗が小さくなり、棒状食品(6)を型崩れさせずに、シート状食品(4)をより容易に棒状食品(6)に巻き付けることが可能となる。
【0042】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0043】
(1) 包装シート
(2) 外フィルム
(21) 分離可能部
(22) カットテープ
(3) 内フィルム
(31) 小フィルム片
(32) 大フィルム片
(32a) 被せ部
(4) シート状食品
(5) 止着用ラベル
(51) 分離可能部
(52) カットテープ
(6) 棒状食品
【技術分野】
【0001】
本発明は、外フィルムと内フィルムとの間にシート状食品を収容した包装シートによって棒状食品を包装した包装食品と、棒状食品にシート状食品を直に巻き付ける方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来の包装食品用の包装シート(1)と、該包装シート(1)によって包装される棒状食品(6)とを示している。包装食品は、例えば手巻き寿司であって、棒状食品(6)は、棒状に形成された飯塊であり、包装シート(1)には、この飯塊に巻かれるシート状食品(4)、より具体的には海苔が収容されている。
【0003】
包装シート(1)の外フィルム(2)は、長方形の一枚もののフィルムである。内フィルム(3)は、外フィルム(2)の1/2強の長さの第1フィルム片(35)と、外フィルム(2)の1/2弱の長さの第2フィルム片(36)とから成っている。両フィルム片(35)(36)は、外フィルム(2)及び外フィルム(2)上のシート状食品(4)を完全に覆う様に重ねられており、両フィルム片(35)(36)及び外フィルム(2)の外周縁は熱溶着されている。但し、第2フィルム片(36)は、外フィルム(2)の短縁に溶着されているだけであり、図12に示すように、該溶着端縁(20)を中心にして外側へ開くことができる。第1フィルム片(35)上には、両端部が外フィルム(2)の長手方向の側縁から大きくはみ出す被せフィルム(37)が重ねられている。被せフィルム(37)のはみ出し部分は、棒状食品(6)の両端面に被せる被せ部(32a)(32a)となる。
【0004】
棒状食品(6)の包装は、次のようになされる。まず、被せフィルム(37)上に棒状食品(6)を載せ、被せフィルム(37)の両端の被せ部(32a)(32a)を棒状食品(6)の両端面に被せて内側に折る。その後、包装シート(1)を棒状食品(6)の周面に巻き付けて、巻付け終端をラベル(図示省略)の貼着によって止着する。
【0005】
棒状食品(6)を食するには、ラベルを外して包装シート(1)の巻付けを解き、図11の状態に戻す。次に、図12に示すように、内フィルム(3)の第2フィルム片(36)を開いて、シート状食品(4)の一端側を露出させる。次に、棒状食品(6)を転がす等により、シート状食品(4)の露出した端部上に棒状食品(6)を移動させ、該棒状食品(6)にシート状食品(4)の露出部を付着させる。棒状食品(6)にシート状食品(4)の露出部を付着させた状態で、棒状食品(6)を被せフィルム(37)側に回転させると、外フィルム(2)と第1フィルム片(35)との間からシート状食品(4)が引き出されて、棒状食品(6)に直にシート状食品(4)が巻き付く。これによって、シート状食品(4)が巻き付いた棒状食品(6)を食することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような包装シート(1)を用いた従来の包装食品では、シート状食品(4)の一端側を露出させる間は、棒状食品(6)を包装シート(1)の巻付け開始端側へ位置させておき、シート状食品(4)の巻付け終端側を露出させてから、該露出部へ棒状食品(6)を移動させなければならない。通常、この作業を不安定な掌の上で行うから、慣れが必要であり、棒状食品(6)を落下させてしまうことが多々ある。棒状食品(6)を包装シート(1)の一端側から他端側へ移動させずに、シート状食品(4)の露出部を摘んでシート状食品(4)を外フィルム(2)と内フィルム(3)の第1フィルム片(35)との間から引っ張り出して、これを棒状食品(6)に被せようとしても、一方の掌に棒状食品(6)を載せたまま、この作業を行うことは、前記の場合よりも難しい。
【0007】
また、包装を解いて棒状食品(6)にシート状食品(4)を直に巻き付けるには、先ず、ラベルを剥がさねばならない。しかしながら、ラベルを剥がす際に、力を入れ過ぎて棒状食品(6)を変形させたり、ラベルを上手く剥がすことが出来ず、手順通りに包装を解くことができないことがあった。さらに、内フィルム(3)の第1フィルム片(35)の上に被せフィルム(37)が重ねられているので、上記のような包装シート(1)では、フィルムの消費量が大きくなる。
【0008】
本発明は、これらの問題を解決する包装食品と、棒状食品にシート状食品を直に巻き付ける方法とを明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の包装食品は、 外フィルム(2)と内フィルム(3)とがシート状食品(4)を挟んで溶着された包装シート(1)が、棒状食品(6)の周面に巻き付けられた包装食品において、外フィルム(2)は、棒状食品(6)の長手方向に裂けて分離する分離可能部(21)を有しており、外フィルム(2)の分離可能部(21)が分離することで、外フィルム(2)は分断され、内フィルム(3)は、2枚のフィルム片(31)(32)で構成されて、これらフィルム片(31)(32)の端部は、外フィルム(2)の分離可能部(21)に重ねられており、包装シート(1)の巻付け終端(27)は、止着用ラベル(5)の貼付けによって止着されており、止着用ラベル(5)は、棒状食品(6)の長手方向に裂けて分離する分離可能部(21)を有しており、止着用ラベル(5)の分離可能部(51)が分離すると、止着用ラベル(5)が分断されて、包装シート(1)の巻付け終端(27)の止着が解除される。
【0010】
本発明の包装食品では、一方のフィルム片(32)の両端部(32a)(32a)は、棒状食品(6)の両端面を覆って、棒状食品(6)の周面に沿う様に内側に折り返されてよい。
【0011】
本発明の包装食品では、棒状食品(6)の周面の周方向に沿った包装シート(1)の長さは、包装シート(1)が棒状食品(6)を1周強巻付けできる長さとされ、棒状食品(6)の周面の周方向に沿った第2フィルム片(32)の長さは、第2フィルム片(32)が棒状食品(6)を1/2周強巻付けできる長さとされてよい。
【0012】
本発明の包装食品では、外フィルム(2)の分離可能部(21)と止着用ラベル(5)の分離可能部(51)とは対向するように配置されてよい。
【0013】
本発明の包装食品では、 外フィルム(2)に外向きの力が加わると、棒状食品(6)の周面の周方向に沿って、 外フィルム(2)と内フィルム(3)の溶着が容易に解除されてよい。
【0014】
本発明の包装食品では、外フィルム(2)の分離可能部(21)は、棒状食品(6)の長手方向に沿って外フィルム(2)に貼られたカットテープ(22)を含んでよい。カットテープ(22)の少なくとも一端側にて、外フィルム(2)には、カットテープ(22)を挟むように且つカットテープ(22)に平行に一対の切込み(23a)(23a)(23b)(23b)が施されてよい。さらに、外フィルム(2)には、一対の切込み(23a)(23a)(23b)(23b)の間にラベル(24a)(24b)が貼られてよい。
【0015】
本発明の包装食品では、止着用ラベル(5)の分離可能部(51)は、棒状食品(6)の長手方向に沿って止着用ラベル(5)の裏面に貼られたカットテープ(52)を含んでよい。止着用ラベル(5)の分離可能部(51)のカットテープ(52)の少なくとも何れかの端部は、カットテープ(52)から延出してよい。
【0016】
シート状食品を棒状食品に直に巻き付ける本発明の方法は、上述した包装食品において、棒状食品(6)にシート状食品(4)を直に巻き付ける方法であって、外フィルム(2)の分離可能部(21)を分離して、外フィルム(2)を分断する工程と、外フィルム(2)の両分断端縁間を拡げてシート状食品(4)の上から一方の手で棒状食品(6)を支持する工程と、他方の手で、止着用ラベル(5)の分離可能部(51)を分離して、包装シート(1)の巻付け終端(27)の止着を解除する工程と、他方の手で、分断された外フィルム(2)の一方の部分と一方のフィルム片(31)とを一緒に引き出す工程と、他方の手で、分断された外フィルム(2)の他方の部分と他方のフィルム片(32)とを一緒に引き出す工程とを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、包装食品の包装を解いて棒状食品にシート状食品を直に巻き付ける手順を、次のように行うことができる。まず、外フィルム(2)の分離可能部(21)を棒状食品(6)の長手方向に裂いて分離する。外フィルム(2)の分断により生じた包装シート(1)の両分断端縁(25)(26)を開いて、外フィルム(2)とシート状食品(4)との間に手指を入れて棒状食品(6)を掴んで支持する。他方の手で、止着用ラベル(5)の分離可能部(51)を棒状食品(6)の長手方向に裂いて分離して、包装シート(1)の巻付け終端(27)の止着を解除する。そして、他方の手で、分断された外フィルム(2)の一方の部分と小フィルム片(31)とを摘んで引っ張り出す。さらに、分断された外フィルム(2)の他方の部分と大フィルム片(32)とを摘んで引っ張り出す。これにより、シート状食品(4)が棒状食品(6)に直に被さった状態で残される。
【0018】
このように、本発明によれば、従来例の包装食品の様に、掌上で棒状食品(6)を転がす必要はなく、片方の手で棒状食品(6)を支持した状態で、他方の手で外フィルム(2)と内フィルム(3)を容易且つスムースに棒状食品(6)から分離して、シート状食品(4)を抜き出すことができる。また、止着用ラベル(5)による包装シート(1)の巻付け終端(27)の止着が容易に解除されるので、止着用ラベル(5)を剥がす際のトラブルの心配はない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例に係る包装シートを裏側から見た斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る包装シートを表側から見た斜視図である。
【図3】図1のA−A線に沿って破断して矢視方向に見た断面図である。
【図4】本発明の実施例に係る包装シートの分解斜視図である。
【図5】本発明の実施例の包装食品の斜視図である。
【図6】本発明の実施例の包装食品の斜視図である。
【図7】外フィルムの分離可能部を分離する途上の包装食品の斜視図である。
【図8】外フィルムの分断端縁を開いて指を挿入して棒状食品を手で支持した状態の包食品の斜視図である。
【図9】図8のB−B線に沿って破断して矢視方向に見た断面図である。
【図10】図9に示す状態から、ラベルの分離可能部を分離した後の状態を示す断面図である。
【図11】従来例の包装シートに棒状食品を載せた状態の斜視図である。
【図12】従来例の包装シートの内フィルムの一方のフィルム片を開いた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本件発明について、図を用いて説明する。先の従来例と同一又は類似の部分には、同一の符号が用いられる。説明される実施例の包装食品は、例えば、手巻き寿司に代表される包装飯塊であって、棒状又は柱状の飯塊である棒状食品(6)が包装シート(1)で包装されたものである。包装シート(1)で包装される棒状食品(6)には、例えば、長さ約10cmの短い棒状又は柱状に形成された白米の塊、かやくご飯の塊や米飯で具を巻いたものなどが用いられる。実施例では、棒状食品(6)の断面は円形であるが(つまり、棒状食品(6)は円柱状に形成されているが)、略正多角形などであってもよい。本発明の作用効果が得られる限りにおいて、餅や菓子などの飯塊以外の食品に本発明を適用することが可能である。
【0021】
包装シート(1)は、長方形の外フィルム(2)と、長方形の内フィルム(3)と、外フィルム(2)と内フィルム(3)の間に挿入される長方形のシート状食品(4)を含んでいる。シート状食品(4)は、実施例ではシート状の海苔であって、棒状食品(6)を約1.1〜1.3周する長さと、棒状食品(6)の長さに略一致する幅とを有している。
【0022】
外フィルム(2)は、棒状食品(6)を1周強できる長さを有しており、外フィルム(2)の形状は、シート状食品(4)の形状とほぼ相似している。外フィルム(2)の大きさは、その面内に余裕を持ってシート状食品(4)を納められる程度にされる。シート状食品(4)は、その中心が外フィルム(2)の中心とほぼ一致するように、且つ、その長辺(又は短辺)が、外フィルム(2)の長辺(又は短辺)とほぼ平行になるように配置される。
【0023】
外フィルム(2)は、幅方向に沿って裂かれることで分離可能な分離可能部(21)を有している。本実施例では、分離可能部(21)は、外フィルム(2)の長さ方向の略中央に位置しており、外フィルム(2)の幅方向に沿ってその裏面に接着されたカットテープ(22)を含んでいる。外フィルム(2)には、カットテープ(22)の両端部を挟んで、該カットテープ(22)に平行な切込み(23a)(23a)(23b)(23b)が施されている。本実施例では、切込み(23a)(23a)(23b)(23b)の長さは全て同じであって、約0.5〜1.0mmにされる。外フィルム(2)の外側表面には、切込み(23a)(23a)の間に略矩形のラベル(24a)が貼着されており、切込み(23b)(23b)の間とにも同様なラベル(24b)が貼着されている。本実施例では、切込み(23a)(23a)の間隔は、カットテープ(22)の幅よりも長く、その幅の数倍程度にされており、ラベル(24a)の幅は、切込み(23a)(23a)の間隔よりも若干短くされている。また、ラベル(24a)の長さは、切込み(23a)(23a)の長さよりも長く、その長さの約5〜6倍程度にされている。切込み(23b)(23b)の間隔と、ラベル(24b)についても同様である。
【0024】
分離可能部(21)の分離をより容易にするために、カットテープ(22)に沿ったミシン目(図示せず)が外フィルム(2)に形成されてもよい。ミシン目は、カットテープ(22)の一方の側のみに、カットテープ(22)の両側に形成される。また、外フィルム(2)の幅方向に裂け易い方向性フィルムが、外フィルム(2)の分離可能部(21)に用いられてもよい。
【0025】
内フィルム(3)は、大小2枚の長方形のフィルム片(31)(32)からなる。これらフィルム片(31)(32)の外フィルム(2)の長手方向に沿う幅はほぼ同じになっており、外フィルム(2)の長さの1/2よりも少し大きい。即ち、各フィルム片(31)(32)は、棒状食品(6)に半周強巻き付く幅を有している。小フィルム片(31)の長さは、外フィルム(2)の幅とほぼ同じであり、小フィルム片(31)は、その長辺が外フィルム(2)の一方の短辺に合致するように配置される。つまり、小フィルム片(31)は、外フィルム(2)の一端側にて、その三方の縁が外フィルム(2)の三方の縁に重なるように配置される。
【0026】
大フィルム片(32)は、その一方の長辺が外フィルム(2)の他方の短辺に重なるように、つまり、大フィルム片(32)の一方の縁が、外フィルム(2)の他端側の縁に重なるように配置される。大フィルム片(32)の長手方向に沿って、大フィルム片(32)の両端部は、外フィルム(2)の長手方向の両側縁から、つまり、外フィルム(2)の両長辺から等しくはみ出しており、小フィルム片(31)と大フィルム片(32)は、包装シート(1)を開いた状態でT字状を成すように配置されている(図1参照)。大フィルム片(32)の両端部は、棒状食品(6)の端面に被さる被せ部(32a)(32a)を構成する(図5及び図6参照)。本実施例では、被せ部(32a)(32a)の外フィルム(2)からの突出長さは約5cmである。大フィルム片(32)に被せ部(32a)(32a)を設けることで、従来例の包装食品と比較して、フィルムの消費量が少なくされる。
【0027】
大フィルム片(32)の内側の端部と小フィルム片(31)の内側の端部とは、1cm程度の幅で重なっている。さらに、これらフィルム片(31)(32)の内側の端部は、外フィルム(2)の分離可能部(21)と重ねられている(図3参照)。本実施例では、両フィルム片(31)(32)は単に重なっているだけであるが、これらフィルム片(31)(32)の重なり部分(30)は、簡単に剥離する様に弱くスポット的に熱溶着されてもよい。
【0028】
外フィルム(2)とフィルム片(31)(32)は、外フィルム(2)の外周部において、少なくともフィルム片(31)(32)の重なり部分(30)を除いて、線状に溶着(10)を施して接合されている。溶着(10)の内、外フィルム(2)の長手方向に沿う溶着(10a)は、外フィルム(2)の長辺から1cm程度内側に位置している。外フィルム(2)の長手方向に沿う溶着(10a)は、外フィルム(2)又はフィルム片(31)(32)を引っ張れば容易に分離又は解除できる程度に弱くされる。
【0029】
このように、外フィルム(2)とフィルム片(31)(32)は溶着されて一体化されているが、例えば、図3に示す状態にて、分離可能部(21)が分離されて外フィルム(2)が2つの部分に分断されると、一体化されていた外フィルム(2)とフィルム片(31)(32)は、外フィルム(2)の一方の略半分と小フィルム片(31)とからなる部分と、外フィルム(2)の一方の略半分と大フィルム片(32)とからなる部分とに分離される。
【0030】
線状の溶着(10a)から外側の大フィルム片(32)の部分が、被せ部(32a)(32a)として機能する。本実施例では、外フィルム(2)の長手方向に沿った被せ部(32a)(32a)の長さは約6cm程度であり、棒状食品(6)の太さの略1.5倍となる。この被せ部(32a)(32a)の長さは、棒状食品(6)の端部を包む際の包み易さと、包装食品の包装を解く際に、外フィルム(2)の略半分と大フィルム片(32)を引っ張り出す際の抵抗に影響するので(包装食品の包装を解く手順については後述する)、適切に設定される必要がある。外フィルム(2)の長手方向に沿った被せ部(32a)(32a)の長さは、棒状食品(6)の太さの約1.3〜1.6倍とすることが好ましい。
【0031】
実施例の包装食品は止着用ラベル(5)を備えており、該止着用ラベル(5)は、図5に示すように、包装シート(1)が棒状食品(6)に巻かれた状態において、包装シート(1)の巻付け終端(27)を止着する。本実施例では、略矩形の止着用ラベル(5)が使用されており、止着用ラベル(5)の長さは、巻付け終端(27)の長さ(包装シート(1)又は外フィルム(2)の幅)よりも短い。止着用ラベル(5)は、包装シート(1)(又は外フィルム(2))の幅方向のほぼ中央に位置するように、且つ、巻付け終端(27)が止着用ラベル(5)の中心線にほぼ一致するように貼着される。
【0032】
止着用ラベル(5)は、その長手方向に裂いて分離可能な分離可能部(51)を有している。分離可能部(51)は、包装シート(1)の巻付け終端(27)(外フィルム(2)の短辺)と重なるように設けられており、分離可能部(51)が分離されると、止着用ラベル(5)が分断されて、包装シート(1)の巻付け終端(27)の止着が解除される。本実施例では、分離可能部(51)は、止着用ラベル(5)の長手方向に沿ってその裏面に接着されたカットテープ(52)を含んでいる。カットテープ(52)は、包装シート(1)の巻付け終端(27)(外フィルム(2)の短辺)と重なるように、外フィルム(2)と止着用ラベル(5)との間に配置される(図3参照)。カットテープ(52)と外フィルム(2)とは接着されない。カットテープ(52)の長さは、包装シート(1)の巻付け終端(27)の長さ、つまり外フィルム(2)の短辺又は幅よりも若干長くされており、図5に示す包装状態にて、カットテープ(52)の両端部分が、ほぼ均等に止着用ラベル(5)から延出している。延出する両端部分の長さは、指で摘み易いように設定され、例えば、1〜1.5cm程度にされる。なお、カットテープ(52)の一方の端部のみが止着用ラベル(5)から延出してもよい。
【0033】
包装シート(1)によって棒状食品(6)を包装する手順について説明する。まず、図1に示すように、内フィルム(3)の大フィルム片(32)に棒状食品(6)を載せる。大フィルム片(32)の両端の被せ部(32a)(32a)を棒状食品(6)の端面に被せ、更に棒状食品(6)の周面に沿う様に内側へ折り返す。次に、包装シート(1)を大フィルム片(32)側から棒状食品(6)の周面に巻き付ける。包装シート(1)は、棒状食品(6)の周面に1周強巻き付けられる。
【0034】
次に、図5に示すように、包装シート(1)の巻付け終端(27)を止着用ラベル(5)で止める。なお、棒状食品(6)を包装する際には、図1乃至3に示すように、止着用ラベル(5)の裏面の略半分が外フィルム(2)に貼着されると共に、カットテープ(52)が止着用ラベル(5)の裏面に接着された状態で、止着用ラベル(5)及びカットテープ(52)が予め準備されるのが好ましい。止着用ラベル(5)の裏面又は接着面において、外フィルム(2)及びカットテープ(52)と接着していない部分には、剥離紙又は台紙(図示省略)が貼られる。この剥離紙又は台紙は、例えば、包装シート(1)を大フィルム片(32)側から棒状食品(6)の周面に巻き付ける手順の前に、止着用ラベル(5)の裏面から剥がされる。
【0035】
棒状食品(6)の端面からはみ出して棒状食品(6)の周面に折り返された被せ部(32a)(32a)の部分は、棒状食品(6)と内フィルム(3)との間に挟み込まれる。これによって、棒状食品(6)の周面及び両端面は外気と遮断されて、棒状食品(6)の乾燥や棒状食品(6)への異物の侵入が抑制される。
【0036】
次に、包装食品の包装を解いて、シート状食品(4)を棒状食品(6)に直に巻き付ける手順を説明する。まず、図7に示すように、外フィルム(2)の分離可能部(21)の切込み(23a)(23a)間の部分、又は切込み(23b)(23b)間の部分を指で摘んで、摘んだ部分を他方の部分に向けて引っ張る。摘んだ部分を引っ張ることで、ラベル(24a)(24b)と、カットテープ(52)とに沿うように外フィルム(2)が裂かれる。分離可能部(21)が分離するまで摘んだ部分を引っ張ることで、外フィルム(2)は分断されるが、外フィルム(2)の分断後の2つの部分は、止着用ラベル(5)によって繋がれている。
【0037】
次に、図8及び図9に示すように、外フィルム(2)の分断端縁(25)(26)間を開き、一方の手でシート状食品(4)の上から棒状食品(6)を掴む。上述したように、外フィルム(2)と内フィルム(3)の溶着(10)において、外フィルム(2)の長手方向に沿う溶着(10a)が弱いころから、該溶着(10a)が剥がれて、両分断端縁間(25)(26)を容易に拡げることができる。
【0038】
次に、他方の手の指で、カットテープ(52)の一方の端部を摘んで、摘んだ端部を、カットテープ(52)の他方の端部に向けて引っ張る。摘んだ端部を引っ張ることで、カットテープ(52)に沿うように止着用ラベル(5)が裂ける。分離可能部(51)が分離するまで引っ張ると、止着用ラベル(5)の貼付けによる巻付け終端(27)の止着が解除される。つまり、外フィルム(2)の一方の略半分と小フィルム片(31)とで構成される(包装シート(1)の)部分と、外フィルム(2)の他方の略半分と大フィルム片(32)とで構成される(包装シート(1)の部分)との接続状態が解除される。
【0039】
巻付け終端(27)の止着が解除されると、図10に示すように、分断端縁(25)を有する外フィルム(2)の略半分と小フィルム片(31)とで構成される部分(図10において左側)の端部は、棒状食品(6)から遊離する。他方の手(棒状食品(6)を掴んでいない手)の指で、この遊離した端部を摘んで、フィルム(2)の略半分と小フィルム片(31)とで構成される部分を矢印Yの方向に引っ張り出すことで、シート状食品(4)の一端側が抜き出る。
【0040】
棒状食品(6)の周面に沿う様に内側に折り返されている被せ部(32a)(32a)を摘んで外側に引っ張り出すことで(又は、巻付け終端(27)の止着が解除されることで自動的に)、分断端縁(26)を有する外フィルム(2)の略半分と大フィルム片(32)とで構成される部分も、図10に示すように、棒状食品(6)から遊離する。他方の手の指で、この遊離した端部を摘んで、フィルム(2)の略半分と大フィルム片(32)とで構成される部分を矢印Zの方向に引き出すことで、シート状食品(4)の他端側も抜き出る。これにより、シート状食品(4)が棒状食品(6)に直に被さった状態で残される。その後、シート状食品(4)が棒状食品(6)に巻き付くように、シート状食品(4)の両端部を、棒状食品(6)の側面に沿うように配置する。
【0041】
図9に示す状態にて、外フィルム(2)及びフィルム片(31)(32)を一体的に、矢印Xで示す方向に引っ張り出すことも可能である。しかしながら、この場合、外フィルム(2)及びフィルム片(31)(32)を引っ張り出す際の抵抗は大きい。上述したように、巻付け終端(27)の止着を解除して、包装シート(1)の2つの部分を個別に引っ張り出すことで、これらの部分を引っ張り出す際の抵抗が小さくなり、棒状食品(6)を型崩れさせずに、シート状食品(4)をより容易に棒状食品(6)に巻き付けることが可能となる。
【0042】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0043】
(1) 包装シート
(2) 外フィルム
(21) 分離可能部
(22) カットテープ
(3) 内フィルム
(31) 小フィルム片
(32) 大フィルム片
(32a) 被せ部
(4) シート状食品
(5) 止着用ラベル
(51) 分離可能部
(52) カットテープ
(6) 棒状食品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外フィルム(2)と内フィルム(3)とがシート状食品(4)を挟んで溶着された包装シート(1)が、棒状食品(6)の周面に巻き付けられた包装食品において、
外フィルム(2)は、棒状食品(6)の長手方向に裂けて分離する分離可能部(21)を有しており、外フィルム(2)の分離可能部(21)が分離することで、外フィルム(2)は分断され、
内フィルム(3)は、2枚のフィルム片(31)(32)で構成されて、これらフィルム片(31)(32)の端部は、外フィルム(2)の分離可能部(21)に重ねられており、
包装シート(1)の巻付け終端(27)は、止着用ラベル(5)の貼付けによって止着されており、
止着用ラベル(5)は、棒状食品(6)の長手方向に裂けて分離する分離可能部(21)を有しており、止着用ラベル(5)の分離可能部(51)が分離すると、止着用ラベル(5)が分断されて、包装シート(1)の巻付け終端(27)の止着が解除される包装食品。
【請求項2】
一方のフィルム片(32)の両端部(32a)(32a)は、棒状食品(6)の両端面を覆って、棒状食品(6)の周面に沿う様に内側に折り返されている、請求項1に記載の包装食品。
【請求項3】
棒状食品(6)の周面の周方向に沿った包装シート(1)の長さは、包装シート(1)が棒状食品(6)を1周強巻付けできる長さであり、棒状食品(6)の周面の周方向に沿った第2フィルム片(32)の長さは、第2フィルム片(32)が棒状食品(6)を1/2周強巻付けできる長さである、請求項1又は2に記載の包装食品。
【請求項4】
外フィルム(2)の分離可能部(21)と止着用ラベル(5)の分離可能部(51)とは対向するように配置されている、請求項1乃至3の何れかに記載の包装食品。
【請求項5】
外フィルム(2)に外向きの力が加わると、棒状食品(6)の周面の周方向に沿って、 外フィルム(2)と内フィルム(3)の溶着が容易に解除される、請求項1乃至4の何れかに記載の包装食品。
【請求項6】
外フィルム(2)の分離可能部(21)は、棒状食品(6)の長手方向に沿って外フィルム(2)に貼られたカットテープ(22)を含む、請求項1乃至5の何れかに記載の包装食品。
【請求項7】
カットテープ(22)の少なくとも一端側にて、外フィルム(2)には、カットテープ(22)を挟むように且つカットテープ(22)に平行に一対の切込み(23a)(23a)(23b)(23b)が施されている、請求項6に記載の包装食品。
【請求項8】
外フィルム(2)には、一対の切込み(23a)(23a)(23b)(23b)の間にラベル(24a)(24b)が貼られている、請求項7に記載の包装食品。
【請求項9】
止着用ラベル(5)の分離可能部(51)は、棒状食品(6)の長手方向に沿って止着用ラベル(5)の裏面に貼られたカットテープ(52)を含む、請求項1乃至8の何れかに記載の包装食品。
【請求項10】
止着用ラベル(5)の分離可能部(51)のカットテープ(52)の少なくとも何れかの端部は、カットテープ(52)から延出している、請求項9に記載の包装食品。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れかに記載の包装食品において、棒状食品(6)にシート状食品(4)を直に巻き付ける方法であって、
外フィルム(2)の分離可能部(21)を分離して、外フィルム(2)を分断する工程と、
外フィルム(2)の両分断端縁間を拡げてシート状食品(4)の上から一方の手で棒状食品(6)を支持する工程と、
他方の手で、止着用ラベル(5)の分離可能部(51)を分離して、包装シート(1)の巻付け終端(27)の止着を解除する工程と、
他方の手で、分断された外フィルム(2)の一方の部分と一方のフィルム片(31)とを一緒に引き出す工程と、
他方の手で、分断された外フィルム(2)の他方の部分と他方のフィルム片(32)とを一緒に引き出す工程と、を含むシート状食品を棒状食品に直に巻き付ける方法。
【請求項1】
外フィルム(2)と内フィルム(3)とがシート状食品(4)を挟んで溶着された包装シート(1)が、棒状食品(6)の周面に巻き付けられた包装食品において、
外フィルム(2)は、棒状食品(6)の長手方向に裂けて分離する分離可能部(21)を有しており、外フィルム(2)の分離可能部(21)が分離することで、外フィルム(2)は分断され、
内フィルム(3)は、2枚のフィルム片(31)(32)で構成されて、これらフィルム片(31)(32)の端部は、外フィルム(2)の分離可能部(21)に重ねられており、
包装シート(1)の巻付け終端(27)は、止着用ラベル(5)の貼付けによって止着されており、
止着用ラベル(5)は、棒状食品(6)の長手方向に裂けて分離する分離可能部(21)を有しており、止着用ラベル(5)の分離可能部(51)が分離すると、止着用ラベル(5)が分断されて、包装シート(1)の巻付け終端(27)の止着が解除される包装食品。
【請求項2】
一方のフィルム片(32)の両端部(32a)(32a)は、棒状食品(6)の両端面を覆って、棒状食品(6)の周面に沿う様に内側に折り返されている、請求項1に記載の包装食品。
【請求項3】
棒状食品(6)の周面の周方向に沿った包装シート(1)の長さは、包装シート(1)が棒状食品(6)を1周強巻付けできる長さであり、棒状食品(6)の周面の周方向に沿った第2フィルム片(32)の長さは、第2フィルム片(32)が棒状食品(6)を1/2周強巻付けできる長さである、請求項1又は2に記載の包装食品。
【請求項4】
外フィルム(2)の分離可能部(21)と止着用ラベル(5)の分離可能部(51)とは対向するように配置されている、請求項1乃至3の何れかに記載の包装食品。
【請求項5】
外フィルム(2)に外向きの力が加わると、棒状食品(6)の周面の周方向に沿って、 外フィルム(2)と内フィルム(3)の溶着が容易に解除される、請求項1乃至4の何れかに記載の包装食品。
【請求項6】
外フィルム(2)の分離可能部(21)は、棒状食品(6)の長手方向に沿って外フィルム(2)に貼られたカットテープ(22)を含む、請求項1乃至5の何れかに記載の包装食品。
【請求項7】
カットテープ(22)の少なくとも一端側にて、外フィルム(2)には、カットテープ(22)を挟むように且つカットテープ(22)に平行に一対の切込み(23a)(23a)(23b)(23b)が施されている、請求項6に記載の包装食品。
【請求項8】
外フィルム(2)には、一対の切込み(23a)(23a)(23b)(23b)の間にラベル(24a)(24b)が貼られている、請求項7に記載の包装食品。
【請求項9】
止着用ラベル(5)の分離可能部(51)は、棒状食品(6)の長手方向に沿って止着用ラベル(5)の裏面に貼られたカットテープ(52)を含む、請求項1乃至8の何れかに記載の包装食品。
【請求項10】
止着用ラベル(5)の分離可能部(51)のカットテープ(52)の少なくとも何れかの端部は、カットテープ(52)から延出している、請求項9に記載の包装食品。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れかに記載の包装食品において、棒状食品(6)にシート状食品(4)を直に巻き付ける方法であって、
外フィルム(2)の分離可能部(21)を分離して、外フィルム(2)を分断する工程と、
外フィルム(2)の両分断端縁間を拡げてシート状食品(4)の上から一方の手で棒状食品(6)を支持する工程と、
他方の手で、止着用ラベル(5)の分離可能部(51)を分離して、包装シート(1)の巻付け終端(27)の止着を解除する工程と、
他方の手で、分断された外フィルム(2)の一方の部分と一方のフィルム片(31)とを一緒に引き出す工程と、
他方の手で、分断された外フィルム(2)の他方の部分と他方のフィルム片(32)とを一緒に引き出す工程と、を含むシート状食品を棒状食品に直に巻き付ける方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−246145(P2011−246145A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119162(P2010−119162)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(591154751)
【出願人】(598157096)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(591154751)
【出願人】(598157096)
【Fターム(参考)】
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