説明

化合物の投与による哺乳動物の症状の処置及び化合物の使用方法

【課題】
【解決手段】本発明は、アミノ糖誘導体やその薬学的に許容し得る塩を投与することによって骨関節炎(OA)、関節リウマチ、滑膜炎、軟骨下骨浮腫及び軟骨退化(「OA及び関連障害」)から成る群から選択される症状や疾患を処置し、予防し、或いはその重症度を軽減する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2003年11月24日出願の米国仮特許出願第60/524,698号の利益を主張するものであり、該出願の全内容を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
【0002】
発明の分野
本発明は、アミノ糖誘導体やその薬学的に許容し得る塩を投与することによって骨関節炎(OA)、関節リウマチ、滑膜炎、軟骨下骨浮腫(subchondral bone edema)及び軟骨退化(cartilage degradation)(以下「OA及び関連障害」と称する)から成る群から選択される症状や疾患を処置し、予防し、或いはその重症度を軽減する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
骨関節炎(OA)は社会的影響の大きい、よくある関節障害である(ローレンス(Lawrence)ら(1998) Arthritis Rheum. 41: 778;ガブリエル(Gabriel)ら(1997) J. Rheumatol. 24: 719;マーチ(March)ら(1997) Baillieres Clin. Rheumatol. 11 :817)。OAの処置に用いられる薬剤の種類としては、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、関節内注射用コルチコステロイド、ヒアルロン酸が挙げられる。これらの薬剤は主に痛みを軽減するものであり、OAの進行を遅らせたり止めたりすることによってOAを真に寛解させ得ることを示すまでには至っていない(アルトマン(Altman)ら(1998) Osteoarthritis Cartilage 6 Suppl. A: 22;ホックバーグ(Hochberg)ら(1995)Arthritis Rheum. 38: 1535;ホックバーグ(Hochberg)ら(1995)Arthritis Rheum. 38: 1541)。また、これらの治療薬(treatments)の多くは負の副作用を有する。
【0004】
関節炎の多くの形態の場合、最初はNSAIDによって処置するが、他の鎮痛剤と共に行うこともある。関節炎がこれらの剤によって適切に制御されない場合には、金塩やD−ペニシラミン、抗マラリア剤、細胞毒性剤等の疾患緩和性(寛解誘導性)抗リウマチ薬を用いることもある。最終的には、グルココルチコイドを全身投与或いは関節内投与することもある。しかし、これらの薬剤はいずれも、多くの患者において関節炎を真の寛解に到達させる効果は小さい。
【0005】
ボーン(Bohne)はOAの処置にグルコサミン(GlcN)を用いることを記載した(ボーン(Bohne)(1969) Med. Welt 30: 1668)。それ以来、GlcNは普及し、現在、サプリメントとしてOA患者の処置に一般に用いられている。GlcN塩(硫酸塩や塩化物)は軟骨保護特性や疾患緩和特性を有すると考えられ(アルトマン(Altman)ら(1998) Osteoarthritis Cartilage 6 Suppl. A:2 2;ロザダ(Lozada)ら(1997)Bull. Rheum. Dis. 46: 5;メヴォラック(Mevorach)ら(1994)Isr. J. Med. Sci. 30: 928)、当初損傷軟骨の修復を促進することが示唆された。種々の研究によって、OA患者から得た軟骨は軟骨基質成分のターンオーバーの促進や不十分な修復によって特徴付けられることが示されている(イネロット(Inerot)ら(1978)Biochem. J. 169: 143;ディエッペ(Dieppe)ら(1995) Acta. Orthop. Scand. (Suppl.266) 66: 1)。GlcNは多数の異なる機序によって抗炎症活性をもたらすことが示されている。例えば、GlcNはグリコサミノグリカン(GAG)合成のアップレギュレーションを誘導することによって抗炎症活性をもたらすことが示された。
GlcN誘導によるグリコサミノグリカン合成のアップレギュレーションは複雑な代謝プロセスを示すが、これは幾つかの機序によって潜在的に仲介される。例えば、GlcNがGAG生合成経路に直接侵入してウリジン二リン酸N−アセチル−α−D−グルコサミンからの負のフィードバック制御を回避することによって(コーンフェルド(Kornfeld)ら(1964)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 52: 371)、また、TGFα1産生のアップレギュレーションによって(コルム−リッティ(Kolm-Litty)ら(1998) J. Clin. Invest. 101: 160)仲介される。最近、GlcN仲介による軟骨保護(chondroprotection)の新しい機序について記載されたが、この機序は、グリコシルホスファチジルイノシトール結合タンパク質の抑制(サンディ(Sandy)ら(1999)Arch. Biochem. Biophys. 367: 258)によるウシ軟骨外植片やラット軟骨肉腫細胞におけるアグリカナーゼ活性の阻害 (サンディ(Sandy)ら(1998) Biochem. J. 335 (Pt 1): 59)を伴う。
【0006】
GlcNは、インターロイキン−1β(IL−1β)シグナル伝達カスケードにおけるリン酸化イベントを阻害して抗炎症活性をもたらすようである。ヘキソサミン経路の最終生成物の1種であるUDP−N−アセチル−α−D−グルコサミンは、セリン残基やスレオニン残基をアンカー部位として用いるタンパク質O−グリコシル化の動的プロセスに関与することが示された(ハルティワンガー(Haltiwanger)ら(1997) Biochem. Biophys. Res. Commun. 231: 237)。潜在的に、セリン/スレオニン残基のO−グリコシル化は、同残基のリン酸化と競合して細胞内シグナル伝達カスケードの障害をもたらし得る(チョウ(Chou)ら(1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 4417)。
【0007】
IL−1βは培養ヒト関節軟骨細胞において酸化窒素(NO)生成を誘導することが知られている(ゲング(Geng)ら(1995) J. Cell. Physiol. 163: 545)。IL−1β仲介によるある種の炎症メディエーター(NOやシクロ−オキシゲナーゼ−2酵素(COX−2)、インターロイキン−6(IL−6)等)の誘導は、転写核因子−κB(NF−κB)二量体の細胞質から核への転位と関連し、核において該二量体は標的遺伝子と結合しその転写を調節する(チュウ(Chu)ら(1998) Biochem. Biophys. Res. Commun. 248: 871;ニュートン(Newton)ら(1997) FEBS Lett. 418: 135;パリク(Parikh)ら(1997) J: Sur. Res. 69: 139)。NF−κB活性化プロセスは、κBβ阻害タンパク質(IκBβ)のN末端調節領域におけるκBα阻害タンパク質(IκBα)の2種類のセリン(Ser−32及びSer−36)のリン酸化に依存する(カリン(Karin)(1999) J. Biol. Chem. 274: 27339)。
【0008】
抗炎症機序は、GlcN誘導によるグリコサミノグリカン合成のアップレギュレーションに加え、GlcNの抗関節炎活性にも寄与すると考えられる。GlcNは抗炎症活性を示し、ブラジキニンやセロトニン、ヒスタミンによって誘導される肢浮腫からラットを保護した(セットニカー(Setnikar)ら(1991) Arzneim-Forsch./Drug Res. 41: 157)。また、GlcNは、カラギーナンによって誘導される漿膜炎から動物を保護し、ホルマリンによって誘導される腹膜炎からラットを保護し、酢酸によって誘導される腹膜炎からマウスを保護した(セットニカー(Setnikar)ら(1991) Arzneim-Forsch./Drug Res. 41: 157)。GlcNは炎症性ラット肢においてシクロオキシゲナーゼやタンパク質分解酵素を抑制しなかったが、ラット肝臓においてスーパーオキシド生成やリソソーム酵素活性を抑制した(セットニカー(Setnikar)ら(1991) Arzneim-Forsch./Drug Res. 41: 157)。
【0009】
また、経口投与されたGlcNは、ラットのカオリン誘導或いはアジュバント誘導関節炎において抗炎症活性を示した(セットニカー(Setnikar)ら(1991) Arzneim-Forsch./Drug Res. 41: 542)。しかし、GlcNを経口投与した場合、その抗滲出性活性や抗炎症活性は、経口投与したアセチルサリチル酸やインドメタシンの抗滲出性活性や抗炎症活性に比べて低かった。
【0010】
OA及び関連障害に関与するシグナル伝達経路の理解に対するこのような進歩にも関わらず、該経路は完全には明らかになっていない。従って、先行技術においては、このような機序をより良く理解し、それに基づいてOA及び関連障害を具体的且つ特定のアミノ糖でより的確に処置する必要があった。
【0011】
特定の関節症状の処置のためのGlcNやN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)の使用に関する特許は数多くある。米国特許第3,683,076号(ロヴァティ(Rovati))にはOAや関節リウマチの処置のためのGlcN塩の使用が開示されており、米国特許第4,870,061号(スペック(Speck))には口腔投与により変性関節疾患を処置するためのGlcNAcの使用が開示されており、米国特許第5,840,715号及び6,136,795号(いずれもフロリオ(Florio))には関節炎を軽減するための食事療法(dietary regime)における栄養補助剤としてのAc硫酸塩(一成分として)の使用が開示されている。しかし、当該技術分野においては、OA及び関連障害の処置に有用な更なる化合物を見出すことが引き続き必要である。
【0012】
現在OAの処置に用いられている薬剤の多くは、アセトアミノフェンやNSAID、関節内注射用コルチコステロイド、ヒアルロン酸である。これらの薬剤はOAの真の寛解をもたらすことができず、後述する多くの負の副作用を有する。従って、OAのためのより安全で且つより有効な治療薬が必要である。
【0013】
アセトアミノフェンはOAによる痛みを処置するために用いられる鎮痛剤である。アセトアミノフェンはOAにおいて生じる軟骨破壊の基本プロセスを変えず、炎症にも影響を及ぼさない。アセトアミノフェンを用いることによって起こり得る副作用としては肝臓障害が挙げられるが、これは、高用量(1日当り4,000mg超)で長期間使用するか、或いは慢性的なアルコール摂取や慢性肝疾患のヒトに低用量で長期間使用することによって生じる。
【0014】
イブプロフェンやナプロキセン等のNSAIDは、OAによる痛みや炎症、凝りを軽減するために用いる。NSAIDの副作用としては、喘息発作や吐き気、腹痛、胃出血、潰瘍その他の問題が挙げられる。このような薬剤を長期間使用すると、腎臓を損傷して二次性高血圧を招くことがある。
【0015】
COX−2阻害剤(VioxxやBextra、Celebrex等)もNSAIDであり、OAによる痛みや炎症、凝りを軽減するために用いる。このようなCOX−2阻害剤は他のNSAID類のように胃潰瘍を引き起こしたりする可能性は低いが、非常に重篤な副作用をもたらし得ることが最近見出された。研究の結果、Vioxxを長期間使用すると心臓麻痺や心臓発作の危険性が2倍になることが分かったため、Vioxxは最近、その製造元であるメルク社によって市場から回収された。また、ファイザー社は、恐らく「ブラックボックス」警告(最も強い警告)をBextraのラベルに添付するであろうと最近発表した。ファイザー社によると、Bextraは、まれではあるが、スティーブンス−ジョンソン症候群と称される生命にかかわる薬物反応(皮膚や口、眼にひどい水膨れができる)を引き起こすことがある。他の薬剤(Celebrex等)でもこの症状を引き起こすことがあるが、他の薬剤よりもBextraの場合により多く生じるように思われる。Bextraを服用してこの症状を示す患者の場合、処置の最初の2週間で発症する傾向がある。また、Bextraはハイリスク患者における心臓病のリスクとも関連している。
【0016】
コルチコステロイドは炎症を抑制する上で有用となり得るが、多少の不快な副作用、例えば、二次性高血圧(通常処置可能であり認識できる原因に由来する高血圧の急激な発症)や消化不良、食欲亢進、体重増加、神経過敏、不安等を伴う。コルチコステロイドを長期間使用するとクッシング症候群を引き起こすことがある。クッシング症候群は、プレドニゾン等の薬剤に由来する過剰量のコルチゾールに起因する。過剰のコルチゾールによって夥しい変化、例えば、顔面への脂肪蓄積増加(満月様顔貌)及び首や体幹への脂肪蓄積増加、情緒不安定、体重増加、高血圧、衰弱、糖尿病、骨粗しょう症等が引き起こされることがある。また、プレドニゾン等のコルチコステロイドの使用を急に止めることはできないが、これは長期間のプレドニゾン投与によって、体内で天然のコルチコステロイドを産生する副腎が抑制されているためである。高用量のコルチコステロイドを長期間服用している患者の場合、患者の体が徐々に低減する用量に適応する迄に1年を要することがある。
【0017】
これら現行のOA治療薬は多くの副作用を有すると共に、OAの進行を止めたり遅らせたりすることができずにOAの真の寛解をもたらすことができないため、より安全で且つより有効な治療薬の必要性が高まっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
発明の概要
本発明は、OA及び関連障害の処置に有用な構造体の発見に関する。前記構造体は、アミノ糖であるグルコサミン(GlcN)やN−アセチル−D−グルコサミン(GlcNAc)等を治療用化合物として用いる既存技術に対する改良である。前記構造体は、OA及び関連障害の処置に対する特性の改善に役立つ特定の部分を有する。本発明の構造体としては、グルコサミン誘導体やガラクトサミン誘導体、シクリトール誘導体、イミノシクリトール誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一実施形態は、「発明の分野」の項で述べた構造体、更には表1の構造体の部分集合、更には表2の構造体の更なる部分集合の抗炎症性及び軟骨保護特性に関する。この実施形態によれば、これらのアミノ糖や糖タンパク質はその抗炎症性及び軟骨保護特性を、軟骨細胞におけるサイトカイン誘導性遺伝子の発現に干渉することによって示すことができる。前記構造体は、先行技術の化合物と比べると、タンパク質(細胞内及び細胞外レセプターを含む)結合や軟骨細胞の浸透について改善されており、また、疎水性が向上している。従って、本発明の構造体はOA及び関連障害に対する新規治療薬(novel treatments)として有用である。
【0020】
本発明の好ましい実施形態は、本発明の構造体及びその薬学的に許容し得る塩(例えば、表1及び表2に記載の構造体及びその薬学的に許容し得る塩)から成る群から選択される化合物の治療有効量を患者に投与することによって滑膜炎や軟骨下骨浮腫、軟骨退化を処置し、予防し、或いはその重症度を軽減する方法に関する。好ましくは、該構造体の治療有効量を患者に関節内投与する。より好ましくは、該構造体を放出制御製剤としてのマトリックスに含有させつつその治療有効量を関節内投与する。
【0021】
本発明の他の好ましい実施形態においては、該構造体を患者に関節内投与することによって、驚くべきことに、軽度の軟骨退化の患者における予想外に大幅な軟骨変性の遅延、及び滑膜炎症の抑制が巨視的レベル及び微視的レベルで見られた。本発明の製剤を投与した後に軟骨変性の遅延及び滑膜炎症の抑制が見られたため、本発明の製剤は、このような処置を必要とする患者において滑膜炎や軟骨下骨浮腫、軟骨変性等の症状を処置する上で有用である。
【0022】
本発明の他の好ましい実施形態において、本発明は、治療有効量の該構造体を含む組成物を単独で、或いは既存の抗炎症薬又はヘキソサミニダーゼ阻害剤と併用して患者に投与することを含む方法に関する。好ましくは、本発明の製剤を投与する方法としては、関節内投与方法や局所投与方法、筋肉内投与方法が挙げられるが、これらに限定されない。より好ましくは、構造体の放出制御製剤をこのような処置を必要とする患者に関節内投与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
発明の詳細な説明
略語及び用語
本発明及び本明細書においては、特に明記しない限り、次の用語及び略語は次の意味で定義されるが、これらの説明は典型的なものを意図しているにすぎない。これらの説明は、次の用語を明細書全体に亘って記載或いは言及されているように限定することを意図するものではない。むしろ、これらの説明は、本明細書及び請求項に記載の用語の付加的様相及び/又は例示のいずれをも含めることを意図している。
【0024】
本明細書に記載の略語は次の通りである。
BrdU=5−ブロモ−2’−デオキシウリジン
GAG=グリコサミノグリカン
GalNAc=N−アセチルガラクトサミン
GlcN=グルコサミン
GlcNAc=N−アセチルグルコサミン
HA=ヒアルロン酸
IL−1β=インターロイキン−1β
IL−6=インターロイキン−6
MMP=マトリックスメタロプロテイナーゼ
NSAID=非ステロイド性抗炎症薬
OA=骨関節炎
PBS=リン酸緩衝生理食塩水
PEG=ポリエチレングリコール
PMSF=フッ化フェニルメチルスルホニル
RA=関節リウマチ
SGAG=硫酸化グリコサミノグリカン
【0025】
「有効成分」とは、治療有効量の薬物或いはその製剤を意味する。好ましくは、本発明の有効成分は、表1に記載した構造体A〜J及びその誘導体である。
【0026】
「アルギン酸ゲル」とは、1,4−結合β−D−マンヌロン酸残基及びα−L−グルロン酸残基を異なる比率で含む天然多糖ポリマーを意味する。アルギン酸塩は、特に特定の2価カチオン(カルシウムやバリウム、ストロンチウム等)の存在下で安定なゲルを形成することができる。
【0027】
「アミノ酸誘導体」とは、様々な置換基を含むように改変されたアミノ酸を意味する。
【0028】
「アミノ糖」とは、一以上の炭素原子がアミノ基(−NR12)で置換された合成糖や天然糖のいずれをも意味する。このような置換は、糖に存在する不斉炭素の配向や配置とは関係なく起こり得る。特に断りのない限り、「アミノ糖」とは、環式のアノマー(α又はβ)或いは鎖式アミノ糖を意味する。アミノ糖は、アルキル基或いはアシル基でN置換されていてもよい(即ち、ペンダントアミノ基の一水素原子がアルキル基或いはアシル基(−COR、Rは低級アルキル)で置換されていてもよい)。
【0029】
「アミノ糖誘導体」とは、少なくとも1個のアミノ置換基を有する糖誘導体を意味する。
【0030】
「関節炎」とは、関節の炎症によって特徴付けられる特定の疾患のいずれをも意味するが、関節炎症の原因は各種条件で異なり得る。比較的一般的な関節疾患としては、関節リウマチや若年性関節炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、骨関節炎が挙げられる。これらは「変形性関節疾患」とも称される。
【0031】
「関節軟骨」又は「軟骨」とは、骨の末端を覆い、関節面を形成する物質を意味する。軟骨は圧縮力に耐えることができ、関節が滑り得る低摩擦面を形成する。関節軟骨は、軟骨細胞と、タンパク質及びグリコサミノグリカン多糖を含む基質とから成る。
【0032】
「軟骨退化」とは、軟骨を含む組織の退化を意味する。
【0033】
「キチン」とは、β−1,4結合した(ポリ)GlcNAcを意味する。キチンは自然界中どこにでも、例えば、昆虫や甲殻類の外骨格に存在する。
【0034】
「キトサン」とは、脱アセチル化したキチン或いはβ−1,4結合した(ポリ)N−グルコサミンを意味する。
【0035】
「軟骨細胞」とは、関節軟骨内に見出される細胞を意味する。軟骨細胞は、コラーゲン(ゼラチン状タンパク質)及びプロテオグリカン(タンパク質に結合したグルコサミノグリカン(ムコ多糖ともいう))を産生する。
【0036】
「コンジュゲート」とは、化学結合された異なる二種以上の分子の組合せを意味する。本発明に係るコンジュゲートに特徴的な結合としては、アミド結合やアセタール結合、チオアセタール結合、エステル結合、チオエステル結合、或いは反応性カルボニル成分を求核剤で処理することによって主に形成されるいずれの結合も挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
「連続放出」は、単相性(monophasic)を呈し、滑らかな曲線の放出時間プロファイルを有する放出プロファイルを説明する際にのみ用いる。当業者であれば、放出プロファイルが実際に指数関数的或いは対数的時間−放出プロファイルに対応し得ることは理解できるであろう。
【0038】
「シクリトール」とは、3個以上の環原子の各々に1個の水酸基を有するシクロアルカンを意味する。
【0039】
「シクリトール誘導体」とは、様々な置換基(例えば、アミノ基が挙げられるが、これに限定されない)を含むように改変されたシクリトールを意味する。
【0040】
「イミノシクリトール」とは、環酸素が窒素原子で置換された糖誘導体を意味する。
【0041】
「イミノシクリトール誘導体」とは、改変されたイミノ糖を意味し、これにはヘキソサミニダーゼ阻害剤であるイミノシクリトールが含まれる。
【0042】
「ガラクトサミン誘導体」とは、様々な置換基を含むように改変されたガラクトサミンを意味し、その例としてはN−アセチルガラクトサミンが挙げられるが、これに限定されない。
【0043】
「グルコサミン誘導体」とは、様々な置換基を含むように改変されたグルコサミンを意味し、その例としてはN−アセチルグルコサミンが挙げられるが、これに限定されない。
【0044】
「カプセル化効率」とは、注射用ポリマーゲルやリポソーム、マイクロスフェア、ナノ粒子等内に包込、配合、ロード、結合、固定或いは封入された化合物や有効成分の量を意味する。一般に、「収率」は有効成分のカプセル化率で表わされる。
【0045】
「封入」又は「カプセル化」とは、有効成分を処方するいずれの方法をも意味し、これによってマトリックス(溶液や固相等)内の有効成分の自由な溶解(free dissolution)が制限、抑制或いは阻害される。有効成分の封入或いはカプセル化の好ましい例としては、粒子、インプラント或いはゲルから選択されるマトリックス内に封入した製剤が挙げられるが、これに限定されない。
【0046】
「グリコサミノグリカン」とは、繰り返し二糖単位を含む長いヘテロ多糖分子を意味する。二糖単位は、変性アミノ糖(D−N−アセチルガラクトサミン或いはD−GlcNAc)及びウロン酸(D−グルクロネートやL−イズロネート等)から成ることができる。GAGは関節内では特に潤滑液として機能する。生理学的に重要な特定のGAGとしては、ヒアルロン酸やデルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸が挙げられる。
【0047】
「ヘキソサミン」とは、アルデヒド基或いはケトン基を含む6炭素ポリヒドロキシアルコールのアミノ糖のいずれをも意味する。「ヘキソサミン」には、不斉炭素の結合の配向や配置とは関係なく、アルドース類やデオキシアルドース類、ケトース類が包含される。好ましいアミノ糖は、2−、3−、5−或いは6−デオキシケトースであり、例えば、GlcNやマンノサミン、ガラクトサミン等のデオキシアミノ糖が好ましい。より好ましくは、アミノ糖はN−アシル化されており、例えば、GlcNAcやN−アセチルマンノサミン、GalNAc等のデオキシアシルアミノ糖から選択される。
【0048】
「ヘキソサミニダーゼ」とは、キチンやキトサンを部分的に或いは完全に加水分解してそれぞれの単糖構造単位(例えば、GlcNAcやGlcN)にするグリコシダーゼ酵素のいずれをも意味する。典型的な酵素としては、エキソ型β−D−グルコソアミニダーゼやβ−N−アセチルヘキソサミニダーゼ、キトサナーゼ、キチナーゼ、リゾチーム等が挙げられる。
【0049】
「ヒアルロナン」とは、N−アセチルグルコサミン及びグルクロン酸の繰り返し分子から成るポリマーを意味する。
【0050】
「ヒアルロン酸」とは、β(1−4)グリコシド結合によって結合したD−グルクロン酸β(1−3)N−アセチル−D−グルコサミンから成る二糖単位を繰り返すことによって形成された天然直鎖多糖(長鎖生体高分子)を意味する。ヒアルロン酸は、約50,000ドルトン〜約8×106ドルトンの様々な分子量範囲で市販されている。ヒアルロン酸はナトリウム塩としても入手可能であり、これは乾燥高純度物質である。ヒアルロン酸ナトリウムは、当該技術分野で知られた各種保存料(アルキル置換安息香酸エステルやアルコール、それらのコンジュゲート、ブレンド及び混合物が挙げられるが、これらに限定されない)と共に保存することができる。
【0051】
「IL−1β」とは、インターロイキン−1β、即ち、広範囲の免疫反応及び炎症反応(B細胞やT細胞の活性化等)を仲介する免疫調節剤を意味する。
【0052】
「IL−6」とは、インターロイキン−6、即ち、様々な細胞によって産生される多機能サイトカインを意味する。IL−6は、免疫反応や急性期反応、造血の調節因子として機能する。
【0053】
「注射用製剤」とは、溶液或いは懸濁液として調製した滅菌注射用組成物を意味する。注射前に液状媒体に溶解或いは懸濁させるのに適した固形製剤を調製することもできる。調製物は乳化させてもよく、有効成分を封入してもよい。また、注射用製剤は、当該技術分野で知られた各種保存料(アルキル置換安息香酸エステルやアルコール、それらのコンジュゲート、ブレンド及び混合物が挙げられるが、これらに限定されない)を含んでいてもよい。
【0054】
「注射用ポリマーゲル」とは、本発明の有効成分を封入或いはカプセル化するのに用いるポリマーマトリックス担体を意味する。ポリマーベースの注射用製剤の場合、有効成分とポリマーとの各種組合せを選択、処方することによって薬物用量やタイミングを調整することができる。薬剤総用量や放出速度は調整可能な変数である。例えば、溶媒量、コポリマー比やコポリマー分子量、及び高分子溶媒極性を変化させることによって、薬物送達パラメータを最適化することができる。ポリマーベースの系では有効成分の寿命を増加させることもできる。製剤にポリラクチド及びラクチド−グリコリドコポリマーを含むポリマー系を用いることによって、生体適合性や生分解性等の利益が得られる。注射用ポリマーゲルは、当該技術分野で知られたプロセスに従って調製、例えば、処理、混合、濾過、加熱或いは滅菌することができる。
【0055】
「関節内」とは、薬物を関節へ直接送達する方法を意味する。従来の薬物送達経路、例えば、経口投与や静脈内投与、筋肉内投与は、薬物を関節へ運搬する上で滑膜の血流に依存しているが、これは効率が悪い。即ち、滑膜毛管から関節腔への小分子の経滑膜運搬(transynovial transfer)は一般に受動拡散によって起こるため、標的分子のサイズが増大すると効率が悪くなる。よって、分子(例えば、グルコサミン(GlcN))を関節腔へ近づけることは実質的に制限される。薬物の関節内注射或いは灌流によってこのような制限を回避する。
【0056】
「軽度」とは、患者の軟骨退化における特定のグレードを意味する。好ましくは、軽度とはグレード1〜グレード3の範囲内である。より好ましくは、軽度とはグレード1〜グレード2の範囲内である。
【0057】
「リポソーム」とは、例えば、リン脂質が水や水性媒体に分散する際に自発的に形成されたり、脂質頭部基と水との親水性相互作用や生体膜に似た単層或いは多層系(小胞)の形成によって生じる小胞を意味する。単膜リポソームにおいては、二層構造によって、内部水コンパートメント及び外部バルク水に面する極側面を有する中空の球形が形成されている。幾つかの許容し得るリポソーム形成方法が当該技術分野で知られている。一般に、多重膜同心二層小胞は、脂質二層を分離する水性層で形成される。このタマネギ状構造体を多重膜小胞(MLV)と称する。より小型の単膜小胞(SUV)は、適切な条件下でのMLVの超音波処理や押し出しによって産生することができる。リポソームは、安定性を付加するためにCholで調製してもよく、また、他の物質(中性脂質や表面改質剤(例えば、正或いは負に帯電した化合物)等)を含んでもよい。好ましいリポソームとしては、小型単膜二層状球形シェルが挙げられる。リポソームには親油性及び親水性薬物の双方を被包することができる。適切な方法で調製すれば、長期間に亘って薬物を放出することができる。また、リン脂質に伴う毒性はない。リポソーム調製用の様々な天然及び合成リン脂質が市販されている。当該技術分野で知られ頭字語で記載される例としては、DSPCやDSPE、DSPE−Con、DSPG、DPPSが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
「マトリックス」とは、アミノ糖及び必要に応じて他の物質(抗炎症薬等)を封入することができる固状、ゲル状或いは液状組成物を意味する。
【0059】
「マイクロスフェア」とは、本発明の有効成分を封入或いはカプセル化するのに用いるポリマーマトリックス担体を意味する。マイクロスフェアベースの製剤の場合、有効成分とポリマーとの各種組合せを選択、処方することによって薬物用量やタイミングを調整することができる。薬剤総用量や放出速度は調整可能な変数である。例えば、コポリマー比やコポリマー分子量を変化させることによって、薬物送達パラメータを最適化することができる。マイクロスフェアベースの系では有効成分の寿命を増加させることもできる。製剤にラクチド−グリコリドコポリマーを含むマイクロスフェアを用いることによって、生体適合性や生分解性等の利益が得られる。マイクロスフェアは、当該技術分野で知られたプロセスに従って調製、例えば、処理、加工、粉砕、破砕或いは押出することができる。
【0060】
「骨関節炎関連障害」とは、次の症状及び疾患、即ち、骨関節炎、関節リウマチ、滑膜炎、軟骨下骨浮腫及び軟骨退化を意味する。
【0061】
「薬学的に許容し得る」或いは「薬理学的に許容し得る」とは、必要に応じて(例えば、医師や獣医によって)哺乳動物に投与した際に好ましくない作用やアレルギー反応、或いは他の有害反応を生じない製剤を意味する。
【0062】
「ポリエチレングリコール」及び「PEG」は、サブユニットHO−(CH2CH2O)nHから成る水溶性ポリマーを意味する。PEGはアルキル基で末端封鎖(end-capped)してもよい。
【0063】
「ポリマー」又は「ポリマー担体」とは、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリ(乳酸/グリコール酸)とのコポリマー、乳酸のポリマー、ポリ(エチレングリコール−γ−(DL−乳酸−Co−グリコール酸)のコポリマー、アルギン酸ゲル、キトサン、或いはその薬学的に許容し得る塩を意味する。
【0064】
「持続放出」とは、薬物が放出されて有効である期間、或いは薬物の生理学的摂取が有効になっている期間を意味する。薬物が殆ど放出されないか或いは全く放出されない誘導期間が持続放出期間に先行してもよく、持続放出期間は、二相性、即ち、薬物が多少放出される初期期間と薬物が更に放出される第二期間とを含んでいてもよい。
【0065】
「滑膜炎」とは、関節内膜(滑膜)の炎症を意味する。滑膜炎は、様々な関節関連症状(骨関節炎や肉体的或いは外傷性傷害、関節リウマチ、他の自己免疫障害が挙げられるが、これらに限定されない)に存在する。
【0066】
「治療有効量」とは、所望の薬理学的効果を誘導するのに必要な生物活性物質の量を意味する。この量は、特定の有効成分の有効性、個体の齢や重量、応答、及び個体の症状の性質や重症度によって大きく変わり得る。従って、有効成分の量に対する臨界的上限や下限はない。本発明で用いる治療有効量は、当業者によって容易に決定することができる。
【0067】
本発明は、アミノ糖やその薬学的に許容し得る塩を投与することによって骨関節炎(OA)、関節リウマチ、滑膜炎、軟骨下骨浮腫及び軟骨退化(以下「OA及び関連障害」)から成る群から選択される症状や疾患を処置し、予防し、或いはその重症度を軽減する方法に関する。
【0068】
本発明は、OA及び関連障害の処置に有用な構造体の発見に関する。前記構造体は、アミノ糖であるグルコサミン(GlcN)やN−アセチル−D−グルコサミン(GlcNAc)等を治療用化合物として用いる既存技術に対する改良である。前記構造体は、OA及び関連障害の処置に対する特性の改善に役立つ特定の部分を有する。本発明の構造体としては、グルコサミン誘導体やガラクトサミン誘導体、シクリトール誘導体、イミノシクリトール誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。特に対象となるのは、以下に示すアミノ糖構造体(以下「構造体」)の関連ファミリーである。
【0069】
【化1】

【0070】
本願の請求に係る化合物としては、式I(式中、
1はCHO、CH2OH又はCO2Hであり;
2はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
3はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR2、R3=Oであり;
4はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
5はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR4、R5=Oであり;
6はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
7はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR6、R7=Oであり;
8はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
9はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR8、R9=Oであり;
10はH、CH3、CH2OH、CH2OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、CH2Cl、CH2Br、CH2F、CH2SH、CH2SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2NH2、CH2NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はCH2NHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;R1がCHOの場合、R8がOH、SH、NH2又はNHR14、又はR6がOH、SH、NH2又はNHR14であれば、化合物が環状体として存在し得る)で表わされる化合物が挙げられる。
【0071】
【化2】

【0072】
本願の請求に係る化合物としては、式II(式中、
XはO、S、CH2、NH又はNR20(R20は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基)であり;
YはO、S、CH2又はNHであり;
17はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
2はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
3はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR2、R3=Oであり;
4はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
5はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR4、R5=Oであり;
6はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
7はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR6、R7=Oであり;
9はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基であり;
10はH、CH3、CH2OH、CH2OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、CH2Cl、CH2Br、CH2F、CH2SH、CH2SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2NH2、CH2NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はCH2NHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)である)で表わされる化合物が挙げられる。
【0073】
【化3】

【0074】
本願の請求に係る化合物としては、式III(式中、
XはO、S、CH2、NH又はNR20(R20は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基)であり;
YはO、S、CH2又はNHであり;
17はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
2はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
3はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR2、R3=Oであり;
4はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
5はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR4、R5=Oであり;
7はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基であり;
8はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
9はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基であり;
10はH、CH3、CH2OH、CH2OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、CH2Cl、CH2Br、CH2F、CH2SH、CH2SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2NH2、CH2NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はCH2NHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)である)で表わされる化合物が挙げられる。
【0075】
【化4】

【0076】
本願の請求に係る化合物としては、式IV(式中、
YはO、S、CH2又はNHであり;
17はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
18はH、O、NH又はNR19(R19は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基、又は、アシル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基)であり;
2はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
3はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR2、R3=Oであり;
4はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
5はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR4、R5=Oであり;
6はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
7はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR6、R7=Oであり;
8はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
9はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR8、R9=Oであり;
10はH、CH3、CH2OH、CH2OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、CH2Cl、CH2Br、CH2F、CH2SH、CH2SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2NH2、CH2NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はCH2NHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)である)で表わされる化合物が挙げられる。
【0077】
Y−R17を有する化合物はモノマーとして存在することもあり、或いはR17の機能性によって結合したオリゴマーやポリマーとして存在することもある。該化合物は、リンカーとしてのR17部分によって他の分子(ペプチドやタンパク質、粒子等)と共有結合することができる。また、該化合物は、アンカーとしてのR17部分によって非共有結合的にリポソームや粒子として取り込まれることもできる。
【0078】
本発明の一実施形態は、上述の構造体、更には表1の構造体の部分集合、更には表2の構造体の更なる部分集合の抗炎症性及び軟骨保護特性に関する。この実施形態によれば、これらのアミノ糖や糖タンパク質はその抗炎症性及び軟骨保護特性を、軟骨細胞におけるサイトカイン誘導性遺伝子の発現に干渉することによって示すことができる。前記構造体は、先行技術の化合物と比べると、タンパク質(細胞内及び細胞外レセプターを含む)結合や軟骨細胞の浸透について改善されており、また、疎水性が向上している。従って、本発明の構造体はOA及び関連障害に対する新規治療薬として有用である。
【0079】
本発明の好ましい実施形態は、本発明の構造体及びその薬学的に許容し得る塩(例えば、表1及び表2に記載の構造体及びその薬学的に許容し得る塩)から成る群から選択される化合物の治療有効量を患者に投与することによって滑膜炎や軟骨下骨浮腫、軟骨退化を処置し、予防し、或いはその重症度を軽減する方法に関する。好ましくは、該構造体の治療有効量を患者に関節内投与する。より好ましくは、該構造体を放出制御製剤としてのマトリックスに含有させつつその治療有効量を関節内投与する。
【0080】
本発明の他の好ましい実施形態においては、該構造体を患者に関節内投与することによって、驚くべきことに、軽度の軟骨退化の患者における予想外に大幅な軟骨変性の遅延、及び滑膜炎症の抑制が巨視的レベル及び微視的レベルで見られた。本発明の製剤を投与した後に軟骨変性の遅延及び滑膜炎症の抑制が見られたため、本発明の製剤は、このような処置を必要とする患者において滑膜炎や軟骨下骨浮腫、軟骨変性等の症状を処置する上で有用である。
【0081】
本発明の他の好ましい実施形態において、本発明は、治療有効量の該構造体を含む組成物を単独で、或いは既存の抗炎症薬又はヘキソサミニダーゼ阻害剤と併用して患者に投与することを含む方法に関する。好ましくは、本発明の製剤を投与する方法としては、関節内投与方法や局所投与方法、筋肉内投与方法が挙げられるが、これらに限定されない。より好ましくは、構造体の放出制御製剤をこのような処置を必要とする患者に関節内投与する。
【0082】
製剤及び方法
本発明は、新規なアミノ糖のその抗炎症活性についての使用に関する。従って、このようなアミノ糖の軟骨保護特性及び抗炎症性の由来を確認することを意図した実験について以下に詳述する。OA及び関連障害の処置のための新規構造体は前記検討の結果もたらされたものである。出願人の発見の範囲を限定するものではないが、後述の構造体の関連ファミリーが本発明の化合物として特に有用である。
【0083】
【化5】

【0084】
式中、XはO、NH又はCH2とすることができる。
【0085】
式V及びVIで表わされるこれらの(構造体A〜Jの部分集合)は、表1に記載し且つ上述した置換基の特定のパターンによって定義される。
【0086】
【表1】

【0087】
化合物をスクリーニングするための方法やアッセイ測定方法(assays measuring methods)については刊行物記載されているか、或いは当該技術分野で周知である。例えば、PCT公開WO02/078445A1を参照(その全内容を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する)。本発明の構造体も同様にスクリーニングして、その改善された特性が解明されるであろう。後述の実施例の項では、本発明の構造体をスクリーニングする上で実施可能な各種アッセイについて記載する。
【0088】
本発明の様々な修正や変更は当業者にとっては明白であるが、それらは本発明の精神及び範囲を逸脱するものではない。例えば、いずれの方法に記載された複数の工程も必ずしもその記載された順序で行う必要がないことに留意すべきである。当業者であれば、記載された工程の順序を該工程を行う際に変更することについても理解するであろう。更なる例として、ある実施形態においては、複数の工程を同時に行ってもよい。上述の方法はこのような原則を考慮して構築すべきである。
【0089】
種々の検討によって、特定の構造体がOA及び関連障害の処置のための医薬組成物として有用であることが見出された。如何なる理論によっても拘束されるものではないが、前記構造体及びその誘導体は、該構造体の疎水性が改善され、加水分解特性が改善され、細胞透過性が改善され、タンパク質及びレセプター(細胞内及び細胞外)結合が向上し、更に構造が改善されている点で先行技術の化合物に対する改良である。また、前記構造体は、アミノ糖によるOA及び関連障害の処置に関与するシグナル伝達経路を解明する上で有用であり、即ち、特定の構造体をOAや関連障害の患者に合わせて選択して該患者をより正確に処置することができる。
【0090】
ほんの一例ではあるが、特に対象となるのは、次に示す5クラスの特定の構造体である。
【0091】
表2.構造体の更なる部分集合(クラス1〜5)
クラス1;GlcNAc/GalNAcの単純アルキルグリコシド
【0092】
【化6】

【0093】
クラス2;グルコサミン(GlcNH2)のN−アシル誘導体
【0094】
【化7】

【0095】
クラス3;ヘキソサミニダーゼの基質
【0096】
【化8】

【0097】
クラス4;GlcNAcの多価型
【0098】
【化9】

【0099】
クラス5;GlcNAc様分子(糖誘導体)
【0100】
【化10】

【0101】
医薬製剤及び投与
有効成分としてのアミノ糖やその誘導体は、薬学的に許容し得る製剤、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing社、ペンシルバニア州イーストン(1990)(本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する)に記載の製剤に配合することができ、健常組織に殆ど或いは全く影響を及ぼさなければ、疾患や症状の特定の処置に用いることができる。溶解或いは分散された有効成分を含む薬理組成物の調製は、処方に基づいて限定する必要はない。このような組成物は注射用溶液或いは懸濁液として調製することができる。しかし、使用前に液体へ溶解或いは再懸濁させるのに適した固状体を調製することもできる。調製物を乳化させることもできる。
【0102】
好ましい実施形態においては、該組成物が本明細書に記載の疾患や症状を処置する上で米国食品医薬品局(FDA)によって承認されていることを示すラベル(或いは他国における同等なラベル)を付した容器内に該組成物を収容する。このような容器によって、ホストへ投与される治療有効量の有効成分が提供される。
【0103】
対象症状に影響を及ぼす特定のアミノ糖は、哺乳動物に対して単独で、或いは該アミノ糖を好適な担体や賦形剤と混合した医薬組成物として投与することができる。対象症状を示す哺乳動物の処置に当っては、治療有効量の剤(例えば、本発明の構造体(グルコサミン誘導体やガラクトサミン誘導体、シクリトール誘導体、イミノシクリトール誘導体が挙げられるがこれらに限定されない)の1種)を投与する。有効成分は、薬学的に許容し得るものであって該有効成分に適合し得る賦形剤に、本明細書に記載の処置方法に用いるのに適した量を混合することができる。
【0104】
薬学的に許容し得る塩は標準的な技法によって調製することができる。例えば、先ず、遊離塩基型の化合物を、適切な酸を含む好適な溶媒(例えば、水溶液或いは水−アルコール溶液)に溶解する。次いで、該溶液を蒸発させることによって塩を単離する。他の例においては、有機溶媒中で遊離塩基と酸とを反応させることによって塩を調製する。
【0105】
担体や賦形剤を用いて化合物の投与を容易にする(例えば、該化合物の溶解性を上げる)ことができる。担体や賦形剤の例としては、炭酸カルシウムやリン酸カルシウム、各種糖やデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール、生理適合性溶媒が挙げられる。
【0106】
本発明の組成物には有効成分の薬学的に許容し得る塩を含めることができる。薬学的に許容し得る塩としては、アミノ糖の遊離アミノ基と、無機酸(例えば、塩酸やリン酸、硫酸等)或いは有機酸(酢酸や酒石酸、マンデル酸等)とから形成される酸付加塩が挙げられる。また、アミノ糖の遊離カルボキシル基と、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化第二鉄等)或いは有機塩基(例えば、イソプロピルアミンやトリメチルアミン、2−アミノエタノール、ヒスチジン、プロカイン等)とから塩を形成することもできる。
【0107】
このような化合物の毒性及び治療有効性は、細胞培養や実験動物における標準的な薬学的手順によって求めることができ、例えば、LD50(集団の50%が死に至る量)及びED50(集団の50%に治療有効な量)を求めることができる。毒性作用と治療作用との用量比が治療係数であり、LD50/ED50で表わされる。治療係数の大きい化合物が好ましい。このような細胞培養アッセイや動物実験から得たデータを用いて、ヒトに用いる用量範囲を設定することができる。このような化合物の用量は、毒性が殆ど或いは全くなければ、ED50を含む血中濃度範囲内にあるのが好ましい。化合物の用量は、用いる剤形や投与経路に応じてこの範囲内で変わり得る。
【0108】
本発明の方法に用いるいずれのアミノ糖化合物の場合でも、治療有効量は先ず細胞培養アッセイによって推定することができる。例えば、細胞培養で求められるIC50(即ち、タンパク質複合体の最大半量崩壊(half-maximal disruption)或いは複合体成分の細胞レベル及び/又は活性の最大半量阻害(half-maximal inhibition)を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するように、動物モデルにて用量を設定することができる。このような情報を用いて、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定することができる。血漿中濃度は、例えばHPLCによって測定することができる。
【0109】
本発明の他の好ましい実施形態は、有効成分であるGlcNAcの改良製剤に関する。GlcNAcをリポソームや他の封入剤にカプセル化或いは封入することによって、その関節内注射時の薬力学的プロファイルが変わる。好ましくは、GlcNAcをマトリックス内に封入する。より好ましくは、粒子、インプラント及びゲルから成る群から選択されるマトリックス内にGlcNAcを封入する。
【0110】
的確な製剤や投与経路、用量は、哺乳動物の症状を考慮して個々の医師によって選択することができる(例えば、フィングル(Fingl)ら、The Pharmacological Basis of Therapeutics, 1975, Ch.1, p.1参照)。当然のことながら、主治医であれば、毒性や臓器機能不全のために投与を終了、中断或いは調整する方法やその時期を知っているであろう。逆に、主治医であれば、臨床反応が十分でない場合(毒性は除外する)、処置のレベルをより高く調整することも知っているであろう。対象障害の処置における投与量の大小は、処置対象症状の重症度や投与経路によって変わる。症状の重症度は、例えば、標準的な予後評価方法によって一部評価することができる。また、用量、そして恐らく投与頻度は、個々の哺乳動物の齢や体重、反応に応じても変わる。上述のプログラムに匹敵するものを獣医学に用いることができる。
【0111】
処置する特定の症状に応じて、上述の剤を処方し、全身的に或いは局所的に投与することができる。処方や投与の技法については、Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing社、ペンシルバニア州イーストン(1990)に見出すことができるが、この文献を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
【0112】
注射の場合、本発明の剤を水溶液、好ましくは、生理適合性バッファー(例えば、ハンクス液やリンガー液、生理食塩水バッファー)に処方することができる。
【0113】
薬学的に許容し得る担体を用いて、本発明の実施のために本明細書に開示された化合物を全身投与に適した剤形へ処方することは、本発明の範囲内である。担体を適切に選択し、好適に製造を行うことによって、本発明の組成物、特に溶液として処方される組成物を非経口投与、例えば、静脈内注射することができる。
【0114】
本発明に用いるのに適した医薬組成物としては、有効成分をその所期の目的を達成する有効量含んでいる組成物が挙げられる。有効量の設定については、特に本明細書における詳細な開示を考慮すれば、当業者の能力の範囲内で十分である。このような医薬組成物には、有効成分に加えて、活性化合物の薬学的に用い得る製剤への加工を容易にする補助剤や賦形剤を含む、好適な薬学的に許容し得る担体を含有させることができる。本発明の医薬組成物は、それ自身知られた方法、例えば、従来の混合プロセスや溶解プロセス、造粒プロセス、糖衣錠製造プロセス、浮揚(levitating)プロセス、乳化プロセス、カプセル化プロセス、封入プロセス、凍結乾燥プロセスによって製造することができる。
【0115】
非経口投与用医薬製剤としては、水溶性活性化合物の水溶液が挙げられる。また、活性化合物の懸濁液は、適切な油性注射懸濁液として調製することができる。好適な親油性溶媒或いは媒体としては、ゴマ油等の脂肪油や、オレイン酸エチルやトリグリセリド等の合成脂肪酸エステル、リポソームが挙げられる。水性注射懸濁液には、懸濁液の粘度を上げる物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムやソルビトール、デキストランを含有させることができる。必要に応じて、該懸濁液に好適な安定剤や化合物の溶解度を上げる剤を含有させて、高濃度溶液を調製することもできる。
【0116】
糖衣錠のコアに好適なコーティングを設ける。この目的のために、濃縮糖溶液を用いることができ、必要に応じて、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールジェル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、及び好適な有機溶媒或いは溶媒混合物を含有させることができる。染料や顔料を錠剤や糖衣錠コーティングに添加して、識別を行ったり、活性化合物投与の様々な組合せを特徴付けたりすることができる。
【0117】
実施例
次の実施例は本発明の具体的な実施形態を説明するためのものであり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【実施例1】
【0118】
培養骨関節炎ヒト関節軟骨細胞のアミノ糖による処理
ヒト骨関節炎軟骨は、インフォームド・ドナーから通常の人工膝関節置換術によって得られる。大腿顆及び脛骨プラトーから得た関節軟骨を無菌で解剖する。軟骨の削りくず(Cartilage shavings)を回収し、組織培養培地(DMEM、10%FBS、ペニシリン、ストレプトマイシン)に添加し、処理を行うまで4℃で保存する。
【0119】
プロナーゼ(ロシュ、10g/L)で30分間、更にコラゲナーゼタイプIV(シグマ、1g/L)で6時間(いずれも0.9%NaCl中)、逐次的消化を行うことによって軟骨から軟骨細胞を単離する。10%ウシ胎仔血清(バイオウィッタカー)、60U/mLのペニシリン、60μg/mLのストレプトマイシン及び2mmol/Lのグルタミン(バイオウィッタカー)を添加したDMEM(バイオウィッタカー)中、5%CO2の存在下、37℃で軟骨細胞をコンフルエントになるまで増殖させる。
【0120】
実験は第1或いは第2継代細胞を用いて行う。軟骨細胞の増殖及びアポトーシスは、ヒト軟骨細胞を様々な濃度の本発明の各アミノ糖誘導体(グルコサミン誘導体やガラクトサミン誘導体、シクリトール誘導体、イミノシクリトール誘導体が挙げられるが、これらに限定されない)と共にインキュベートした後に確認する。細胞を等モル濃度の各構造体と共にプレインキュベートする(このようにする指示が記載されている場合)。細胞の形態や生存率は、染色観察によって巨視的に評価し、また、BrdU染色を用いて生化学的に評価する。
【実施例2】
【0121】
培養軟骨細胞におけるIL−1β誘導・NOに対するアミノ糖の作用
IL−1β誘導による炎症性メディエーターである・NOは、グリース反応法(ヘヴェル(Hevel)ら、Methods Enzymol.233:250)に従い、タンパク質ELISA(R&Dシステム、ミネソタ州ミネアポリス)によって測定する。
【0122】
GlcNやGlcNAc等のアミノ糖は、骨関節炎ヒト関節軟骨細胞におけるIL−1β及びTNFα誘導による酸化窒素(・NO)生成を阻害することが知られている(PCT公開WO02/078445A1)。よって、IL−1β誘導・NO生成に対する本発明のアミノ糖誘導体(グルコサミン誘導体やガラクトサミン誘導体、シクリトール誘導体、イミノシクリトール誘導体が挙げられるが、これらに限定されない)の作用についてグリース反応法によって測定し比較する。
【0123】
含酸素溶液においては、式(1)〜(3)に示すように・NOは分解してNO2-とNO3-を生成する。
【0124】
【化11】

【0125】
これらの安定な最終生成物は、不連続分光光度アッセイ(discontinuous spectrophotometric assay)によって検出することができる。亜硝酸塩は、NO2-及びグリース試薬から生成されるマゼンタ色のアゾ染料を観察することによって直接検出することができる。一方、NO3-については、インライン低圧ポンプシステムを用いる場合には、先ず硝酸還元酵素或いは銅めっきカドミウムカラムでNO2-に還元する。自動化システムについては他で詳述されている(グリーン(Green)ら Anal. Biochem. 126: 131)が、該システムのある様相については後述する。
【0126】
実施例1で上述した骨関節炎ヒト関節軟骨細胞等の培養細胞を、1%FBSの存在下、96ウェルプレートに40,000個/ウェルで蒔くことができる。48時間後に培地を変える(フェノールレッドはグリース反応の生成物と同じ領域で吸収するため、この培地にフェノールレッドを含有させるべきではない)。次いで、上述の本発明のアミノ糖の存在下、細胞を5ng/mLのIL−1βで24時間刺激する。・NO生成は、細胞培養上清中のNO2-蓄積として検出される。
【0127】
グリース試薬は、同体積の0.1%ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩(NEDD)と1%スルファニルアミドとを5%リン酸にて混合することによって新しく調製する。硝酸還元酵素(アスペルギルス種)及びL−グルタミン酸脱水素酵素(カンジダ・ウティラス(Candida utilus))は市販されている。カドミウム粉末(100メッシュ)はアルドリッチ(ウィスコンシン州ミルウォーキー)から購入することができるが、グリーン(Green)らによって概説されているように次の変法で処理する。少量のカドミウム(2〜3g)を250mL三角フラスコにて水で洗浄して細粒を除去する。次いで、カドミウムを2%CuSO4・H2Oで2回洗浄する。カドミウムは溶液中に長時間残しておくと赤茶色になり還元能力が低下するので、洗浄は急いで行う。銅めっきカドミウムはデカントして、大量の水で洗浄した後、1%リン酸で洗浄する。銅めっきカドミウムは、容器内上部空間(headspace)をできるだけ小さくしながら1%リン酸に保存する。
【0128】
使い捨てセミマイクロキュベットにおいて、210μLの細胞培養上清、60ミリユニットの硝酸還元酵素及び25μMのNADPHを混合する。試料を室温で30分間インキュベートしてNO3-をNO2-に還元した後、200ミリユニットのL−グルタミン酸脱水素酵素、100mMのNH4Cl及び4mMの新しく調製したα−ケトグルタル酸を添加する。次いで、試料を室温で更に10分間インキュベートして、残りのNADPH(この物質はグリース反応に干渉する)を消費させる。次に、250μLのグリース試薬を添加して全反応体積を500μLとする。試料を37℃で5分間インキュベートする。次いで、543nmにおける吸光度を、バッファーとグリース試薬とを含むブランクに対して記録することができる。試料中のNO2-及びNO3-の濃度は、既知のNO2-及びNO3-の濃度を用いて作成した標準曲線によって求めることができる。
【実施例3】
【0129】
IGF刺激硫酸化グリコサミノグリカン(SGAG)合成に対するアミノ糖の作用
in vivo及びin vitroにおける基本的なIGF刺激SGAG合成については、他で概説された方法(シャーストゥール(Scharstuhl)ら、Ann.Rheum.Dis.61:1095)と同様の方法によって確認することができる。SGAGに取り込まれた35S−硫酸ナトリウム(ICNラジオケミカル、カリフォルニア州アーヴィン)のレベルは細胞外画分にて測定することができる。これは、本発明のアミノ糖誘導体(グルコサミン誘導体やガラクトサミン誘導体、シクリトール誘導体、イミノシクリトール誘導体が挙げられるが、これらに限定されない)の存在下及び非存在下で行うことができる。
【0130】
in vivo SGAG合成
3月齢或いは18月齢のマウスの右膝関節に、0.1%ウシ血清アルブミンと本発明のアミノ糖誘導体(グルコサミン誘導体やガラクトサミン誘導体、シクリトール誘導体、イミノシクリトール誘導体が挙げられるが、これらに限定されない)とを添加したPBS中のIGFを注射することができる。注射は1日おきに3回(1日目、3日目及び5日目)行うことができる。左膝関節には0.1%ウシ血清アルブミンを添加したPBS中のIGFを注射することができ、これを内部対照とする。
【0131】
SGAGの合成は、最後の注射から1日後にex vivoで評価することができる。マウスを殺し、標準量の周囲組織を有する膝蓋を他で記載(ファン・デン・バーグ(van den Berg)らRheumatol. Int. 6: 273)のように解剖する。次いで、膝蓋を35S−硫酸塩でパルスラベルする(20μCi、2時間、37℃)。この後、膝蓋を大量の生理食塩水で洗浄し、96%エタノールに室温で24時間固定する。次いで、膝蓋を5%ギ酸にて室温で4時間脱灰する。次に、下層の骨から関節軟骨を除去し、Lumasolve(Lumac、オランダ、グローニンゲン)に60℃で溶解する。35Sの取り込みについては、液体シンチレーションカウンターを用いて膝蓋毎に別々に測定する。
【0132】
in vitro SGAG合成
3月齢〜5月齢或いは12月齢〜21月齢でマウスを殺す。周囲組織を有する膝蓋を標準化された方法で解剖し、RPMI1640培地(Dutchmodification、Flowlaboratories、英国、アーヴィン)に添加する。膝蓋を少なくとも6処理群、即ち、(1)未処理、(2)IGF、(3)IGF+グルコサミン誘導体、(4)IGF+ガラクトサミン誘導体、(5)IGF+シクリトール誘導体、及び(6)IGF+イミノシクリトール誘導体の6群(各群には最低6個の膝蓋)に分割する。組織培養培地は24時間毎に変える。処理から48時間後、ゲンタマイシン(50mg/L)と2mMのL−グルタミンとを添加したRPMI1640(Dutchmodification)中の20μCi放射性硫酸塩で膝蓋を2時間、37℃、5%CO2にて標識する。残りの標識手順は上述のように行う。吸光度及び35S取り込みレベルは全て、対照処理(=100%)に対する百分率に変換することができる。結果は分散分析(ANOVA)によって統計的に解析することができる。
【実施例4】
【0133】
培養軟骨細胞におけるIL1誘導によるIL−6及びマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)に対するアミノ糖の作用
タンパク質ELISAによる培養軟骨細胞中IL−6の測定
実施例1で上述した骨関節炎ヒト関節軟骨細胞等の培養細胞を、1%FBSの存在下、96ウェルプレートに40,000個/ウェルで蒔くことができる。48時間後に培地を変える。次いで、本発明のアミノ糖誘導体(グルコサミン誘導体やガラクトサミン誘導体、シクリトール誘導体、イミノシクリトール誘導体が挙げられるが、これらに限定されない)の存在下、細胞を5ng/mLのIL−1で24時間刺激する。培養上清中のIL−6濃度は、タンパク質ELISA(R&Dシステム、ミネソタ州ミネアポリス)により供給業者のプロトコルに従って測定する。結果は450nmにて読み取る。
【0134】
タンパク質ELISAによる培養軟骨細胞中MMPの測定
インターロイキン1(IL1)は、関節疾患における最も重要な異化因子の1種と考えられている。OAにおいては、大量のIL1が軟骨細胞によって産生され、その結果、軟骨を退化させるマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)が産生される。
【0135】
実施例1で上述した骨関節炎ヒト関節軟骨細胞等の培養細胞を、1%FBSの存在下、96ウェルプレートに40,000個/ウェルで蒔くことができる。48時間後に培地を変える。次いで、本発明のアミノ糖誘導体(グルコサミン誘導体やガラクトサミン誘導体、シクリトール誘導体、シクリトール誘導体が挙げられるが、これらに限定されない)の存在下、細胞を5ng/mLのIL−1で24時間刺激する。IL−1誘導によるMMP−1〜MMP−13は、タンパク質ELISA(アマシャム・バイオサイエンス)によって測定するが、特に対象となるのはMMP−3及びMMP−13である。
【0136】
他の実施形態
上述の参考文献はあらゆる様々な目的のために掲載したものであるが、それら全ての全内容を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。本発明については、特にその好ましい実施形態を参照しながら説明や記載を行ってきたが、添付クレームによって定義される本発明の範囲や精神を逸脱することなく、形態や細部における様々な変更を本発明において成し得ることは当業者によって理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物に化合物を投与することを含む、前記哺乳動物の骨関節炎関連障害を処置する方法であって、前記化合物はアミノ糖誘導体の治療有効量を更に包含し、前記アミノ糖誘導体は、グルコサミン誘導体、ガラクトサミン誘導体、シクリトール誘導体、イミノシクリトール誘導体、及びその薬学的に許容し得る塩から成る群から選択される方法。
【請求項2】
前記骨関節炎関連障害は、骨関節炎、関節リウマチ、滑膜炎、軟骨下骨浮腫及び軟骨退化から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記骨関節炎関連障害は骨関節炎である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記骨関節炎関連障害は関節リウマチである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記骨関節炎関連障害は滑膜炎である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記骨関節炎関連障害は軟骨下骨浮腫である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記骨関節炎関連障害は軟骨退化である、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記アミノ糖誘導体はグルコサミン誘導体又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記グルコサミン誘導体は、式V:
【化1】

(式中、
XはOであり;
1は、メトキシ、ベンジルオキシ、p−ニトロフェノキシ、ヒドロキシル、5−ブロモ−4−クロロ−インドリル、テトラデカノイル−BSA及びアミニトール(aminitol)から成る群から選択され;
2は、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、アミノアセチル及びブチリルから成る群から選択され;
3は、ヒドロキシル、(R)−1−カルボキシエチル及び1−カルボキシエチルオキシから成る群から選択される)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記グルコサミン誘導体はN−アセチルグルコサミン誘導体又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記N−アセチルグルコサミン誘導体は、式V:
【化2】

(式中、
XはOであり;
1は、メトキシ、ベンジルオキシ、p−ニトロフェノキシ、ヒドロキシル、5−ブロモ−4−クロロ−インドリル、テトラデカノイル−BSA及びアミニトールから成る群から選択され;
2は、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、アミノアセチル及びブチリルから成る群から選択され;
3は、ヒドロキシル、(R)−1−カルボキシエチル及びカルボキシエトキシから成る群から選択される)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アミノ糖誘導体はシクリトール誘導体又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記シクリトール誘導体は、式V:
【化3】

(式中、
XはCH2であり;
1は、メトキシ、ベンジルオキシ、p−ニトロフェノキシ、ヒドロキシル、5−ブロモ−4−クロロ−インドリル、テトラデカノイル−BSA及びアミニトールから成る群から選択され;
2は、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、アミノアセチル及びブチリルから成る群から選択され;
3は、ヒドロキシル、(R)−1−カルボキシエチル及び1−カルボキシエチルオキシから成る群から選択される)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記アミノ糖誘導体はガラクトサミン誘導体又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ガラクトサミン誘導体は、式VI:
【化4】

(式中、
XはOであり;
1は、メトキシ、ベンジルオキシ、p−ニトロフェノキシ、ヒドロキシル、5−ブロモ−4−クロロ−インドリル、テトラデカノイル−BSA及びアミニトールから成る群から選択され;
2は、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、アミノアセチル及びブチリルから成る群から選択され;
3は、ヒドロキシル、(R)−1−カルボキシエチル及び1−カルボキシエチルオキシから成る群から選択される)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記アミノ糖誘導体はイミノシクリトール誘導体又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記イミノシクリトール誘導体は、式V:
【化5】

(式中、
XはNHであり;
1は、メトキシ、ベンジルオキシ、p−ニトロフェノキシ、ヒドロキシル、5−ブロモ−4−クロロ−インドリル、テトラデカノイル−BSA及びアミニトールから成る群から選択され;
2は、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、アミノアセチル及びブチリルから成る群から選択され;
3は、ヒドロキシル、(R)−1−カルボキシエチル及び1−カルボキシエチルオキシから成る群から選択される)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記アミノ糖誘導体は、式I
【化6】

(式中、
1はCHO、CH2OH又はCO2Hであり;
2はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
3はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR2、R3=Oであり;
4はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
5はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR4、R5=Oであり;
6はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
7はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR6、R7=Oであり;
8はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
9はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR8、R9=Oであり;
10はH、CH3、CH2OH、CH2OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、CH2Cl、CH2Br、CH2F、CH2SH、CH2SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2NH2、CH2NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はCH2NHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)である)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記アミノ糖誘導体は、式II
【化7】

(式中、
XはO、S、CH2、NH又はNR20(R20は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基)であり;
YはO、S、CH2又はNHであり;
17はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
2はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
3はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR2、R3=Oであり;
4はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
5はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR4、R5=Oであり;
6はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
7はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR6、R7=Oであり;
9はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基であり;
10はH、CH3、CH2OH、CH2OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、CH2Cl、CH2Br、CH2F、CH2SH、CH2SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2NH2、CH2NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はCH2NHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)である)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記アミノ糖誘導体は、式III
【化8】

(式中、
XはO、S、CH2、NH又はNR20(R20は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基)であり;
YはO、S、CH2又はNHであり;
17はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
2はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
3はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR2、R3=Oであり;
4はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
5はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR4、R5=Oであり;
7はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基であり;
8はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
9はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基であり;
10はH、CH3、CH2OH、CH2OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、CH2Cl、CH2Br、CH2F、CH2SH、CH2SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2NH2、CH2NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はCH2NHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)である)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記アミノ糖誘導体は、式IV
【化9】

(式中、
YはO、S、CH2又はNHであり;
17はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
18はH、O、NH又はNR19(R19は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基、又は、アシル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基)であり;
2はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
3はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR2、R3=Oであり;
4はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
5はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR4、R5=Oであり;
6はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
7はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR6、R7=Oであり;
8はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
9はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR8、R9=Oであり;
10はH、CH3、CH2OH、CH2OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、CH2Cl、CH2Br、CH2F、CH2SH、CH2SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2NH2、CH2NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はCH2NHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)である)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記アミノ糖誘導体は更に抗炎症性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記アミノ糖誘導体の前記抗炎症性は、軟骨細胞におけるサイトカイン誘導性遺伝子の発現に対する前記アミノ糖誘導体の干渉に起因する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記アミノ糖誘導体は更に軟骨保護特性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記アミノ糖誘導体の前記軟骨保護特性は、軟骨細胞におけるサイトカイン誘導性遺伝子の発現に対する前記アミノ糖誘導体の干渉に起因する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記アミノ糖誘導体は更に、改善されたタンパク質結合性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記タンパク質は細胞内レセプターである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記タンパク質は細胞外レセプターである、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記アミノ糖誘導体は更に、改善された軟骨細胞浸透性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記アミノ糖誘導体は更に疎水性が向上している、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記アミノ糖誘導体は、関節内投与、局所投与及び筋肉内投与から成る群から選択される手段によって哺乳動物に投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記アミノ糖誘導体の前記投与は関節内投与によって行う、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記アミノ糖誘導体の前記投与は、放出制御手段としての関節内投与によって行う、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記アミノ糖誘導体は、放出制御製剤としてのマトリックスに含有させつつ関節内投与する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記アミノ糖誘導体の前記関節内投与によって軟骨変性が遅らされる、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記アミノ糖誘導体の前記関節内投与によって滑膜炎症が抑制される、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記滑膜炎症の抑制が巨視的レベルで生じる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記滑膜炎症の抑制が微視的レベルで生じる、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記アミノ糖誘導体の前記投与は局所投与によって行う、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記アミノ糖誘導体の前記投与は筋肉内投与によって行う、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記アミノ糖誘導体は抗炎症薬と併用して投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項42】
前記アミノ糖誘導体はヘキソサミニダーゼ阻害剤と併用して投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項43】
前記症状を処置する前記方法は、前記症状の治療、前記症状の予防、及び前記症状の重症度の軽減から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
前記症状を処置する前記方法は前記症状の治療から成る、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記症状を処置する前記方法は前記症状の予防から成る、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記症状を処置する前記方法は前記症状の重症度の軽減から成る、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
化合物を含む、骨関節炎関連障害を処置するための製剤であって、前記化合物はアミノ糖誘導体の治療有効量を更に包含し、前記アミノ糖誘導体は、グルコサミン誘導体、ガラクトサミン誘導体、シクリトール誘導体、イミノシクリトール誘導体、及びその薬学的に許容し得る塩から成る群から選択される製剤。
【請求項48】
前記骨関節炎関連障害は、骨関節炎、関節リウマチ、滑膜炎、軟骨下骨浮腫及び軟骨退化から成る群から選択される、請求項47に記載の製剤。
【請求項49】
前記骨関節炎関連障害は骨関節炎である、請求項48に記載の製剤。
【請求項50】
前記骨関節炎関連障害は関節リウマチである、請求項48に記載の製剤。
【請求項51】
前記骨関節炎関連障害は滑膜炎である、請求項48に記載の製剤。
【請求項52】
前記骨関節炎関連障害は軟骨下骨浮腫である、請求項48に記載の製剤。
【請求項53】
前記骨関節炎関連障害は軟骨退化である、請求項48に記載の製剤。
【請求項54】
前記アミノ糖誘導体はグルコサミン誘導体又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項47に記載の製剤。
【請求項55】
前記グルコサミン誘導体は、式V:
【化10】

(式中、
XはOであり;
1は、メトキシ、ベンジルオキシ、p−ニトロフェノキシ、ヒドロキシル、5−ブロモ−4−クロロ−インドリル、テトラデカノイル−BSA及びアミニトールから成る群から選択され;
2は、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、アミノアセチル及びブチリルから成る群から選択され;
3は、ヒドロキシル、(R)−1−カルボキシエチル及び1−カルボキシエチルオキシから成る群から選択される)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項54に記載の製剤。
【請求項56】
前記グルコサミン誘導体はN−アセチルグルコサミン誘導体又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項54に記載の製剤。
【請求項57】
前記N−アセチルグルコサミン誘導体は、式V:
【化11】

(式中、
XはOであり;
1は、メトキシ、ベンジルオキシ、p−ニトロフェノキシ、ヒドロキシル、5−ブロモ−4−クロロ−インドリル、テトラデカノイル−BSA及びアミニトールから成る群から選択され;
2は、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、アミノアセチル及びブチリルから成る群から選択され;
3は、ヒドロキシル、(R)−1−カルボキシエチル及びカルボキシエトキシから成る群から選択される)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項56に記載の製剤。
【請求項58】
前記アミノ糖誘導体はシクリトール誘導体又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項47に記載の製剤。
【請求項59】
前記シクリトール誘導体は、式V:
【化12】

(式中、
XはCH2であり;
1は、メトキシ、ベンジルオキシ、p−ニトロフェノキシ、ヒドロキシル、5−ブロモ−4−クロロ−インドリル、テトラデカノイル−BSA及びアミニトールから成る群から選択され;
2は、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、アミノアセチル及びブチリルから成る群から選択され;
3は、ヒドロキシル、(R)−1−カルボキシエチル及び1−カルボキシエチルオキシから成る群から選択される)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項58に記載の製剤。
【請求項60】
前記アミノ糖誘導体はガラクトサミン誘導体又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項47に記載の製剤。
【請求項61】
前記ガラクトサミン誘導体は、式VI:
【化13】

(式中、
XはOであり;
1は、メトキシ、ベンジルオキシ、p−ニトロフェノキシ、ヒドロキシル、5−ブロモ−4−クロロ−インドリル、テトラデカノイル−BSA及びアミニトールから成る群から選択され;
2は、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、アミノアセチル及びブチリルから成る群から選択され;
3は、ヒドロキシル、(R)−1−カルボキシエチル及び1−カルボキシエチルオキシから成る群から選択される)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項60に記載の製剤。
【請求項62】
前記アミノ糖誘導体はイミノシクリトール誘導体又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項63】
前記イミノシクリトール誘導体は、式V:
【化14】

(式中、
XはNHであり;
1は、メトキシ、ベンジルオキシ、p−ニトロフェノキシ、ヒドロキシル、5−ブロモ−4−クロロ−インドリル、テトラデカノイル−BSA及びアミニトールから成る群から選択され;
2は、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、アミノアセチル及びブチリルから成る群から選択され;
3は、ヒドロキシル、(R)−1−カルボキシエチル及び1−カルボキシエチルオキシから成る群から選択される)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項64】
前記アミノ糖誘導体は、式I
【化15】

(式中、
1はCHO、CH2OH又はCO2Hであり;
2はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
3はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR2、R3=Oであり;
4はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
5はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR4、R5=Oであり;
6はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
7はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR6、R7=Oであり;
8はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
9はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR8、R9=Oであり;
10はH、CH3、CH2OH、CH2OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、CH2Cl、CH2Br、CH2F、CH2SH、CH2SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2NH2、CH2NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はCH2NHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)である)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項47に記載の製剤。
【請求項65】
前記アミノ糖誘導体は、式II
【化16】

(式中、
XはO、S、CH2、NH又はNR20(R20は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基)であり;
YはO、S、CH2又はNHであり;
17はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
2はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
3はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR2、R3=Oであり;
4はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
5はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR4、R5=Oであり;
6はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
7はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR6、R7=Oであり;
9はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基であり;
10はH、CH3、CH2OH、CH2OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、CH2Cl、CH2Br、CH2F、CH2SH、CH2SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2NH2、CH2NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はCH2NHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)である)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項47に記載の製剤。
【請求項66】
前記アミノ糖誘導体は、式III
【化17】

(式中、
XはO、S、CH2、NH又はNR20(R20は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基)であり;
YはO、S、CH2又はNHであり;
17はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
2はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
3はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR2、R3=Oであり;
4はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
5はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR4、R5=Oであり;
7はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基であり;
8はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
9はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基であり;
10はH、CH3、CH2OH、CH2OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、CH2Cl、CH2Br、CH2F、CH2SH、CH2SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2NH2、CH2NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はCH2NHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)である)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項47に記載の製剤。
【請求項67】
前記アミノ糖誘導体は、式IV
【化18】

(式中、
YはO、S、CH2又はNHであり;
17はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
18はH、O、NH又はNR19(R19は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基、又は、アシル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基)であり;
2はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
3はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR2、R3=Oであり;
4はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
5はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR4、R5=Oであり;
6はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
7はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR6、R7=Oであり;
8はH、OH、OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、Cl、Br、F、SH、SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、NH2、NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はNHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)であり;
9はHであるか;又は、C結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環基であるか;又はR8、R9=Oであり;
10はH、CH3、CH2OH、CH2OR11(R11はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2OCOR12(R12は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)、CH2Cl、CH2Br、CH2F、CH2SH、CH2SR13(R13はエーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、CH2NH2、CH2NR1415(R14又はR15はHであるか;又は、エーテル結合性であり且つ、環式若しくは非環式アルキル、アリール又は複素環基)、又はCH2NHCOR16(R16は環式若しくは非環式アルキル、アリール、複素環又はアミノ酸誘導体)である)で表わされる化合物から成る群から選択される、請求項47に記載の製剤。
【請求項68】
前記アミノ糖誘導体は更に抗炎症性を有する、請求項47に記載の製剤。
【請求項69】
前記アミノ糖誘導体の前記抗炎症性は、軟骨細胞におけるサイトカイン誘導性遺伝子の発現に対する前記アミノ糖の干渉に起因する、請求項68に記載の製剤。
【請求項70】
前記アミノ糖誘導体は更に軟骨保護特性を有する、請求項47に記載の製剤。
【請求項71】
前記アミノ糖誘導体の前記軟骨保護特性は、軟骨細胞におけるサイトカイン誘導性遺伝子の発現に対する前記アミノ糖の干渉に起因する、請求項70に記載の製剤。
【請求項72】
前記アミノ糖誘導体は更に、改善されたタンパク質結合性を有する、請求項47に記載の製剤。
【請求項73】
前記タンパク質は細胞内レセプターである、請求項72に記載の製剤。
【請求項74】
前記タンパク質は細胞外レセプターである、請求項72に記載の製剤。
【請求項75】
前記アミノ糖誘導体は更に、改善された軟骨細胞浸透性を有する、請求項47に記載の製剤。
【請求項76】
前記アミノ糖誘導体は更に疎水性が向上している、請求項47に記載の製剤。
【請求項77】
前記アミノ糖誘導体は、関節内投与、局所投与及び筋肉内投与から成る群から選択される手段によって哺乳動物に投与する、請求項47に記載の製剤。
【請求項78】
前記アミノ糖誘導体の前記投与は関節内投与によって行う、請求項77に記載の製剤。
【請求項79】
前記アミノ糖誘導体の前記投与は、放出制御手段としての関節内投与によって行う、請求項78に記載の製剤。
【請求項80】
前記アミノ糖誘導体は、放出制御製剤としてのマトリックスに含有させつつ関節内投与する、請求項79に記載の製剤。
【請求項81】
前記アミノ糖誘導体の前記関節内投与によって軟骨変性が遅らされる、請求項78に記載の製剤。
【請求項82】
前記アミノ糖の前記関節内投与によって滑膜炎症が抑制される、請求項78に記載の製剤。
【請求項83】
前記滑膜炎症の抑制が巨視的レベルで生じる、請求項82に記載の製剤。
【請求項84】
前記滑膜炎症の抑制が微視的レベルで生じる、請求項82に記載の製剤。
【請求項85】
前記アミノ糖誘導体の前記投与は局所投与によって行う、請求項77に記載の製剤。
【請求項86】
前記アミノ糖誘導体の前記投与は筋肉内投与によって行う、請求項77に記載の製剤。
【請求項87】
前記アミノ糖誘導体は抗炎症薬と併用して投与する、請求項47に記載の製剤。
【請求項88】
前記アミノ糖誘導体はヘキソサミニダーゼ阻害剤と併用して投与する、請求項47に記載の製剤。
【請求項89】
前記骨関節炎関連障害の前記処置は、前記骨関節炎関連障害の治療、前記骨関節炎関連障害の予防、及び前記骨関節炎関連障害の重症度の軽減から成る群から選択される、請求項47に記載の製剤。
【請求項90】
前記処置は前記骨関節炎関連障害の治療から成る、請求項89に記載の製剤。
【請求項91】
前記処置は前記骨関節炎関連障害の予防から成る、請求項89に記載の製剤。
【請求項92】
前記処置は前記骨関節炎関連障害の重症度の軽減から成る、請求項89に記載の製剤。

【公表番号】特表2007−525486(P2007−525486A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541445(P2006−541445)
【出願日】平成16年11月23日(2004.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/039680
【国際公開番号】WO2005/051326
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(506109890)オプティマー・ファーマスーティカルズ・インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】