説明

化合物系薄膜太陽電池モジュール及びその製造方法

【課題】変換効率の低下が生じ難いように透光部を形成した化合物系薄膜太陽電池モジュール、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法は、透明な基板11と、前記基板11上に形成された第1の層12と、前記第1の層12上に形成された化合物系光吸収層を含む第2の層13と、前記第1の層12及び前記第2の層13を貫通し前記基板の表面を露出する透光部18と、を有する化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法であって、前記基板上に前記第1の層12及び前記第2の層13をこの順番で積層形成する第1工程と、前記第1の層に形成された第1の部分及び前記第2の層に形成された第2の部分を含む前記透光部を形成する第2工程と、を有し、前記第2工程では、前記第1の部分の内壁面が、前記第2の部分の内壁面よりも内側に位置するように、前記透光部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所謂シースルー型の化合物系薄膜太陽電池モジュール、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料が不要であり温室効果ガスを排出しない太陽光発電が注目されている。太陽光発電に用いられる太陽電池モジュールとしては、例えば、アモルファスシリコンを用いたものや化合物系薄膜を用いたもの等が知られている。ここで、化合物系薄膜とは、銅(Cu),インジウム(In),及びセレン(Se)を含む化合物からなるCIS系薄膜や、銅(Cu),亜鉛(Zn),錫(Sn),及びカルコゲン元素(セレン(Se)又は硫黄(S))を含む化合物からなるCZTS系薄膜等を示している。
【0003】
このような太陽電池モジュールは、例えば住宅に照射される太陽光を利用すべく住宅の屋根に設置される。しかしながら、太陽電池モジュールは採光性に優れていないため、光を透過させる用途には使用し難い。そこで、採光性を考慮した太陽電池モジュールとして、透光部を有する所謂シースルー型の太陽電池モジュールが開発されている。例えば、特許文献1には、アモルファスシリコンを用いた太陽電池モジュールに、ウェットエッチングで透光部を形成した所謂シースルー型の太陽電池モジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−152593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、化合物系薄膜太陽電池モジュールは、例えば、透明な基板上に、第1電極層(裏面電極層)、化合物系光吸収層、バッファ層、及び第2電極層(透明導電膜)をこの順番で積層して構成されている。このような化合物系薄膜太陽電池モジュールに特許文献1のようにウェットエッチングで透光部を形成することは、以下のような懸念があり困難である。なお、以下では、化合物系薄膜太陽電池モジュールとして、光吸収層にCIS系薄膜を用いた、CIS系薄膜太陽電池モジュールを例にとって、従来技術が抱える問題を説明する。
【0006】
すなわち、CIS系薄膜太陽電池モジュールでは、第1電極層にモリブデン(Mo)を用いることが一般的であるが、モリブデン(Mo)は強固でエッチングにより除去され難い材料である。そのため、モリブデン(Mo)からなる第1電極層を除去するには強力なエッチング液が必要となる。しかしながら、モリブデン(Mo)からなる第1電極層を強力なエッチング液を用いて除去しようとすると、その上層に積層されているCIS系光吸収層等にダメージを与え、CIS系薄膜太陽電池モジュールの変換効率が低下する虞がある。
【0007】
CIS系薄膜太陽電池モジュールに透光部を形成する他の方法として、レーザ光を照射する方法も考えられる。しかしながら、モリブデン(Mo)はCIS系光吸収層等に比べて強固であるため、モリブデン(Mo)からなる第1電極層を除去するためには、高出力のレーザ光を照射する必要がある。モリブデン(Mo)を除去できるような高出力のレーザ光をCIS系薄膜太陽電池モジュールに照射して透光部を形成すると、モリブデン(Mo)よりも弱い透光部の端部のCIS系光吸収層等が溶融し、透光部の端部近傍でシャントが発生し、CIS系薄膜太陽電池モジュールの変換効率が低下する虞がある。
【0008】
CIS系薄膜太陽電池モジュールに透光部を形成する更に他の方法として、サンドブラスタを用いる方法も考えられる。しかしながら、透光部をサンドブラスタで形成すると、透光部の端部のCIS系光吸収層等が損傷を受け、透光部の端部近傍でシャントが発生し、CIS系薄膜太陽電池モジュールの変換効率が低下する虞がある。
【0009】
このように、従来は、CIS系薄膜太陽電池モジュールに透光部を形成しようとすると、変換効率が低下する虞があった。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、変換効率の低下が生じ難いように透光部を形成した化合物系薄膜太陽電池モジュール、及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法は、透明な基板と、前記基板上に形成された第1の層と、前記第1の層上に形成された化合物系光吸収層を含む第2の層と、前記第1の層及び前記第2の層を貫通し前記基板の表面を露出する透光部と、を有する化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法であって、前記基板上に前記第1の層及び前記第2の層をこの順番で積層形成する第1工程と、前記第1の層に形成された第1の部分及び前記第2の層に形成された第2の部分を含む前記透光部を形成する第2工程と、を有し、前記第2工程では、前記第1の部分の内壁面が、前記第2の部分の内壁面よりも内側に位置するように、前記透光部を形成することを要件とする。
【0012】
本化合物系薄膜太陽電池モジュールは、透明な基板と、前記基板上に形成された第1の層と、前記第1の層上に形成された化合物系光吸収層を含む第2の層と、前記第1の層及び前記第2の層を貫通し前記基板の表面を露出する透光部と、を有する化合物系薄膜太陽電池モジュールであって、前記透光部の前記第1の層に形成された第1の部分の内壁面が、前記透光部の前記第2の層に形成された第2の部分の内壁面よりも内側に位置していることを要件とする。
【発明の効果】
【0013】
開示の技術によれば、変換効率の低下が生じ難いように透光部を形成した化合物系薄膜太陽電池モジュール、及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールを例示する平面図である。
【図2】第1の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールを例示する正面図である。
【図3】図1のA−A線に沿う部分拡大断面図である。
【図4】図1のB−B線に沿う部分拡大断面図である。
【図5】図1のC部を拡大した平面図である。
【図6】第1の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールの製造工程を例示する図(その1)である。
【図7】第1の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールの製造工程を例示する図(その2)である。
【図8】第1の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールの製造工程を例示する図(その3)である。
【図9】第1の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールの製造工程を例示する図(その4)である。
【図10】第1の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールの製造工程を例示する図(その5)である。
【図11】第2の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールの製造工程を例示する図(その1)である。
【図12】第2の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールの製造工程を例示する図(その2)である。
【図13】第2の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールの製造工程を例示する図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0016】
〈第1の実施の形態〉
[第1の実施の形態に係る化合物系薄膜太陽電池モジュールの構造]
始めに、第1の実施の形態に係る化合物系薄膜太陽電池モジュールの構造について、CIS系薄膜太陽電池モジュールを例にとって説明する。図1は、第1の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールを例示する平面図である。図2は、第1の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールを例示する正面図である。図3は、図1のA−A線に沿う部分拡大断面図である。図4は、図1のB−B線に沿う部分拡大断面図である。図5は、図1のC部を拡大した平面図である。各図は、CIS系薄膜太陽電池モジュールの平面形状が矩形状である場合の例を示し、CIS系薄膜太陽電池モジュールを平面視した場合(受光面側から視た場合)の短手方向をX方向、長手方向をY方向、厚さ方向をZ方向としている。なお、説明の便宜上、平面図や正面図においても、断面図と対応するハッチングを施している。
【0017】
図1〜図5を参照するに、CIS系薄膜太陽電池モジュール10は、基板11と、第1電極層12と、発電層16と、透光部18とを有する。以下、CIS系薄膜太陽電池モジュール10を構成する各要素について説明する。
【0018】
基板11は、第1電極層12及び発電層16を形成する基体となる部分であり、透明な部材から構成されている。基板11としては、例えば、青板ガラスや低アルカリガラス等を用いることができる。基板11の厚さは、例えば、数mm程度とすることができる。
【0019】
第1電極層12は、基板11上に形成されている。第1電極層12は、Y方向に沿って設けられた溝部12xにより分割されている。溝部12xの幅は、例えば、数10〜数100μm程度とすることができる。第1電極層12としては、例えば、モリブデン(Mo)等を用いることができる。第1電極層12の厚さは、例えば、数10nm〜数μm程度とすることができる。なお、第1電極層12は、本発明に係る第1の層の代表的な一例である。
【0020】
発電層16は、第1電極層12上に形成されている。発電層16は、CIS系光吸収層13と、バッファ層14と、第2電極層15とを有し、照射された太陽光等を光電変換する部分である。発電層16が光電変換することにより生じた起電力は、第1電極層12及び第2電極層15にそれぞれはんだ等で取り付けられた電極リボン(銅箔リボン)から外部に電流として取り出すことができる。なお、発電層16は、本発明に係る第2の層の代表的な一例である。以下、発電層16を構成する各要素について説明する。
【0021】
CIS系光吸収層13は、p型半導体からなる層であり、第1電極層12上及び溝部12x内に形成されている。CIS系光吸収層13としては、例えば、銅(Cu),インジウム(In),セレン(Se)からなる化合物や、銅(Cu),インジウム(In),ガリウム(Ga),セレン(Se),硫黄(S)からなる化合物等を用いることができる。前記化合物の一例を挙げれば、CuInSe、Cu(InGa)Se、Cu(InGa)(SSe)等である。CIS系光吸収層13の厚さは、例えば、数μm〜数10μm程度とすることができる。
【0022】
バッファ層14は、CIS系光吸収層13上に形成されている。バッファ層14としては、例えば、亜鉛化合物、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化インジウム(InS)等を用いることができる。CIS系光吸収層13及びバッファ層14は、Y方向に沿って設けられた溝部16xにより分割されている。溝部16xの幅は、例えば、数10〜数100μm程度とすることができる。バッファ層14の厚さは、例えば、数nm〜数100nm程度とすることができる。
【0023】
第2電極層15は、n型半導体からなる透明な層であり、バッファ層14上及び溝部16x内に形成されている。第2電極層15としては、例えば、酸化亜鉛系薄膜(ZnO)やITO薄膜等を用いることができる。酸化亜鉛系薄膜(ZnO)を用いる場合には、硼素(B)やアルミニウム(Al)等をドーパントとして添加することにより、低抵抗化でき好適である。第2電極層15の厚さは、例えば、数μm〜数10μm程度とすることができる。
【0024】
発電層16は、Y方向に沿って設けられた溝部16yにより分割されている。溝部16yの幅は、例えば、数10〜数100μm程度とすることができる。溝部16yにより分割された各部分は複数のセル19を構成している。所定のセル19の溝部16x内に形成されている第2電極層15は、溝部16yを介して隣接するセル19の第1電極層12と電気的に接続されている。つまり、溝部16yにより分割された複数のセル19は、直列に接続されている。
【0025】
基板11のX方向の両外縁部には、第1電極層12及び発電層16が形成されてなく基板11の表面が露出している第1のエッジスペース11aが形成されている。又、第1のエッジスペース11aの内側には、発電層16が形成されてなく第1電極層12の表面が露出している第2のエッジスペース11bが形成されている。第2のエッジスペース11bは、前述の電極リボン(銅箔リボン)を第1電極層12に取付けるために設けられている。第1のエッジスペース11aの幅Lは、10mm以上とすることが好ましい。第2のエッジスペース11bの幅Lは、1mm以上とすることが好ましい。
【0026】
透光部18は、第1電極層12及び発電層16を貫通し、基板11の表面を露出する貫通孔であり、透光部18の内壁面と基板11の表面とで凹部を形成している。透光部18の内壁面は段差を有し、透光部18の第1電極層12に形成された第1の部分18aの内壁面は、透光部18の発電層16に形成された第2の部分18bの内壁面よりも内側に位置している。言い換えれば、第1電極層12は、平面視において第2の部分18bの内縁部に沿って露出している。露出部分の幅L及びLは、0.1mm以上1mm以下とすることが好ましい。
【0027】
透光部18の第1の部分18aの平面形状は、例えば、矩形状とすることができる。透光部18の第2の部分18bの平面形状は、例えば、第1の部分18aよりも大きな矩形状とすることができる。但し、透光部18の第1の部分18a及び第2の部分18bの平面形状は矩形状には限定されず、円形や楕円形等を含む任意の形状とすることができる。又、透光部18は、必ずしも隣接する溝部16y間に形成しなくても構わなく、例えば、溝部16yを跨ぐように形成しても構わない。又、透光部18の数量は図1に示す数量には限定されず、CIS系薄膜太陽電池モジュール10の変換効率と透光部18による採光性の向上とのバランスを考慮して任意の数量として構わない。
【0028】
透光部18の寸法は、例えば、L=2mm、L=0.4mm、L=L=0.5mm、L=L=0.1mm、L=0.4mmとすることができる(図5参照)。この例ではL=L=0.4mmなので、開口率は50%となる。開口率は任意に設定して良く、例えば、L=0.2mm、L=0.6mmとすれば開口率は25%、L=0.2mm、L=1.8mmとすれば開口率は10%となる。
【0029】
このように、本実施の形態では、CIS系薄膜太陽電池モジュール10に透光部18を設けたので、CIS系薄膜太陽電池モジュール10に照射された光の一部は、複数の透光部18及び透明な基板11を透過してCIS系薄膜太陽電池モジュール10の反対側に進む。これにより、採光性に優れたCIS系薄膜太陽電池モジュールが実現できる。なお、第1電極層12が透明ではないため(例えば第1電極層12がモリブデンである場合は、第1電極層12は光を透過させない)、透光部18以外の部分ではCIS系薄膜太陽電池モジュール10に照射された光は遮断される。
【0030】
又、本実施の形態では、透光部18の内壁面は段差を有し、透光部18の第1電極層12に形成された第1の部分18aの内壁面は、透光部18の発電層16に形成された第2の部分18bの内壁面よりも内側に位置している。これは、後述するように変換効率の低下が生じ難いように透光部18を形成した結果生じた形状である。つまり、CIS系薄膜太陽電池モジュール10では透光部18を形成したことに起因する変換効率の低下は極力抑制されている。
【0031】
[第1の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールの製造方法]
次に、第1の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールの製造方法について説明する。図6〜図10は、第1の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールの製造工程を例示する図である。なお、図6〜図8は、図1のA−A断面に対応する断面図である。又、図9及び図10は、図2に対応する正面図である。
【0032】
始めに、図6に示す工程では、周知の方法により、基板11上に第1電極層12と発電層16をこの順番で積層形成する。図6に示す構造体は図1等に示すCIS系薄膜太陽電池モジュール10において、第1のエッジスペース11a、第2のエッジスペース11b、及び透光部18が形成されていないものである。
【0033】
次いで、図7及び図8に示す工程では、第1電極層12に形成された第1の部分18a及び発電層16に形成された第2の部分18bを含む透光部18を形成する。透光部18は、第1の部分18aの内壁面が、第2の部分18bの内壁面よりも内側に位置するように形成する。
【0034】
具体的には、まず、図7に示す工程において、第1電極層12及び発電層16の一部を、基板11の表面が露出するまで除去し、第1電極層12に第1の部分18aを、発電層16に第1の部分18aに連通する貫通孔を形成する。第1の部分18aの平面形状は、例えば、矩形状(例えば、平面形状が縦0.2mm×横1.8mmの矩形)とすることができる。第1電極層12及び発電層16は、レーザ光を照射することにより除去することができる。第1電極層12がモリブデン(Mo)を含有する、又は、モリブデン(Mo)からなる場合、第1電極層12は発電層16を構成する各層よりも強固である。従って、第1電極層12及び発電層16に照射するレーザ光は、第1電極層12を貫通させられる程度に比較的高出力でなければならない。なお、強固とは、硬質で機械的に削れ難く、溶剤や熱に溶け難い、さらに、基板11との固着強度が強いことをいう。
【0035】
第1電極層12及び発電層16に照射するレーザ光は、例えば、YAGレーザの基本波(波長=1064nm)を用いたパルスレーザで、パルス周波数が6kHz程度、出力が350〜500Wの範囲であることが好ましい。又、YAGレーザの第2高調波(波長=553nm)や第3高調波(波長=354nm)を用いたパルスレーザで、パルス周波数が6kHz程度、出力が350〜500Wの範囲であっても構わない。なお、この工程では、レーザ光の照射は、第2電極層15側から行っても良いし、透明な基板11側から行っても良い。
【0036】
発電層16を構成する各層は、第1電極層12のように強固ではない。その結果、350〜500W程度の比較的高出力なレーザ光を照射すると、発電層16に形成された第1の部分18aに連通する貫通孔の内壁面近傍(内壁面から0.1mm以内の部分)が溶融し、第1電極層12と発電層16とがシャントする場合がある。従って、このままの状態では、CIS系薄膜太陽電池モジュール10の変換効率が低下する場合がある。そこで、本実施の形態では、次の工程で、シャントに対する対策を施している。
【0037】
図8に示す工程では、第1の部分18aに連通する貫通孔の周囲の発電層16を第1電極層12の表面が露出まで除去し、発電層16に第2の部分18bを形成する。これにより、第1の部分18a及び第2の部分18bを含む透光部18が完成する。第2の部分18bの平面形状は、例えば、矩形状(例えば、平面形状が縦0.4mm×横2mmの矩形)とすることができる。この場合には、第1の部分18aの周囲に露出する第1電極層12の幅は0.1mmとなる。
【0038】
第1の部分18aに連通する貫通孔の周囲の発電層16は、レーザ光を照射することにより除去することができる。前述のように、図7に示す工程で発電層16が溶融した部分は内壁面から0.1mm以内である。そこで、この工程で第1の部分18aの周囲に露出する第1電極層12の幅が0.1mm以上になるように第2の部分18bを形成すれば、図7に示す工程で溶融した部分は除去され、シャントを回避することができる。但し、新たなシャントの発生を防止するため、この工程では、図7に示す工程よりも大幅に出力の弱いレーザ光を照射しなければならない。
【0039】
この工程で発電層16に照射するレーザ光は、例えば、YAGレーザの基本波(波長=1064nm)を用いたパルスレーザで、パルス周波数が6kHz程度、出力が45〜80Wの範囲であることが好ましい。又、YAGレーザの第2高調波(波長=553nm)や第3高調波(波長=354nm)を用いたパルスレーザで、パルス周波数が6kHz程度、出力はYAGレーザの基本波(波長=1064nm)を用いた場合よりも更に低くすることが好ましい。この程度の出力のレーザ光であれば、強固な第1電極層12は除去されず発電層16のみを除去でき、かつ、発電層16の端部が溶融することもない。なお、この工程では、レーザ光の照射は、第2電極層15側から行っても良いし、透明な基板11側から行っても良い。
【0040】
この工程で使用するレーザ光と、図7に示す工程で使用するレーザ光とは、同一波長とすることが好ましい。この工程で使用するレーザ光と、図7に示す工程で使用するレーザ光との波長を変えても透光部18を形成できるが(例えば、図7の工程ではYAGレーザの第2高調波を用い、図8の工程ではYAGレーザの基本波を用いる)、以下のような弊害が生じる。すなわち、波長を変えるためには、レーザ装置、或いは、レーザ光を生成するレーザ媒質を変える必要があるため、装置構成が複雑化したり、製造工程が複雑化したりする弊害がある。一方、この工程で使用するレーザ光と、図7に示す工程で使用するレーザ光とを、同一波長とする場合には、レーザ出力を変えるためにレーザ媒質への電力量を調整するだけで良いため、1つのレーザ装置で対応でき、又、製造工程が複雑化することもない。
【0041】
次いで、図9に示す工程では、基板11のX方向の両外縁部の第1電極層12及び発電層16を除去して基板11の表面を露出させ、第1のエッジスペース11aを形成する。第1のエッジスペース11aの幅Lは、10mm以上とすることが好ましい。第1のエッジスペース11aの具体的な形成方法は図7に示す工程と同様であるため、その説明は省略する。
【0042】
次いで、図10に示す工程では、第1のエッジスペース11aの内側の発電層16を除去して第1電極層12の表面を露出させ、電極リボン(銅箔リボン)を取付けるための領域である第2のエッジスペース11bを形成する。第2のエッジスペース11bの幅Lは、1mm以上とすることが好ましい。第2のエッジスペース11bの具体的な形成方法は図8に示す工程と同様であるため、その説明は省略する。
【0043】
なお、図7に示す工程と図9に示す工程は同一工程としても構わない。又、図8に示す工程と図10に示す工程は同一工程としても構わない。以上の工程により、図1等に示したCIS系薄膜太陽電池モジュール10が完成する。
【0044】
このように、第1の実施の形態によれば、第1電極層12に形成された第1の部分18aの内壁面が、発電層16に形成された第2の部分18bの内壁面よりも内側に位置するように、透光部18を形成する。この際、第1の部分18aを形成するためには高出力のレーザ光を使用し、第2の部分18bを形成するためには低出力のレーザ光を使用する。これにより、高出力のレーザ光により強固な第1電極層12を除去できるとともに、その際に生じた発電層16の溶融部分を低出力のレーザ光により除去することができる。その結果、シャントを回避することが可能となり、CIS系薄膜太陽電池モジュール10の変換効率の低下を抑制できる。つまり、変換効率の低下が生じ難いように透光部を形成したCIS系薄膜太陽電池モジュールが実現できる。
【0045】
〈第1の実施の形態の変形例1〉
第1の実施の形態では、図7に示す工程において、高出力のレーザ光により第1電極層12及び発電層16の一部を除去する例を示した。第1の実施の形態の変形例1では、サンドブラスタを使用して第1電極層12及び発電層16の一部を除去する例を示す。
【0046】
具体的には、除去対象となる第1電極層12及び発電層16の部分に対応する開口部を有し、他の部分を被覆するマスクを第2電極層15上に配置する。そして、マスクを介して炭化珪素などの微粒子を噴射し、マスクの開口部内に露出する第1電極層12及び発電層16を除去する。これにより、図7と同様に、第1の部分18a及び第1の部分18aに連通する貫通孔が形成される。この工程において、発電層16を構成する各層をサンドブラスタにより除去すると、発電層16に形成された第1の部分18aに連通する貫通孔の内壁面近傍(内壁面から0.1mm以内の部分)が損傷し、第1電極層12と発電層16とがシャントする場合がある。
【0047】
次いで、第1の実施の形態の図8に示す工程と同様の工程を実行することにより、透光部18が形成される。この工程で、サンドブラスタにより損傷した部分は低出力のレーザ光により除去されるため、シャントを回避することができる。以上の工程により、図1等に示したCIS系薄膜太陽電池モジュール10が完成する。
【0048】
このように、第1の実施の形態の変形例1では、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0049】
なお、第1の実施形態では、図9に示す工程において、第1のエッジスペース11aをレーザ光によって形成したが、レーザ光の代わりに、サンドブラスタによって第1電極層12及び発電層16を除去し、第1のエッジスペース11aを形成してもよい。
【0050】
〈第1の実施の形態の変形例2〉
第1の実施の形態及びその変形例1では、図8に示す工程において、低出力のレーザ光により発電層16の一部(溶融又は損傷した部分)を除去する例を示した。第1の実施の形態の変形例2では、メカニカルスクライブを使用して発電層16の一部(溶融又は損傷した部分)を除去する例を示す。
【0051】
具体的には、除去対象となる発電層16の溶融又は損傷した部分を、ナイフを含むメカニカルスクライブにより除去する。これにより、第2の部分18b及び第2のエッジスペース11bが形成される。
【0052】
発電層16を構成する各層を高出力のレーザ光又はサンドブラスタにより除去すると、発電層16に形成された第1の部分18aに連通する貫通孔の内壁面近傍(内壁面から0.1mm以内の部分)が溶融又は損傷し、第1電極層12と発電層16とがシャントする場合がある。しかしながら、次工程で、溶融又は損傷した部分はメカニカルスクライブにより除去されるため、シャントを回避することができる。以上の工程により、図1等に示したCIS系薄膜太陽電池モジュール10が完成する。
【0053】
このように、第1の実施の形態の変形例2では、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0054】
なお、第1の実施形態及びその変形例2では、図10に示す工程において、第2のエッジスペース11bを低出力のレーザ光によって形成したが、低出力のレーザ光の代わりに、上述したメカニカルスクライブによって、発電層16を除去し、第2のエッジスペース11bを形成してもよい。
【0055】
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、第1の実施の形態とは異なる工程により、透光部18、第1のエッジスペース11a、及び第2のエッジスペース11bを形成する例を示す。
【0056】
図11〜図13は、第2の実施の形態に係るCIS系薄膜太陽電池モジュールの製造工程を例示する図である。なお、図11及び図12は、図1のA−A断面に対応する部分拡大断面図である。又、図13は、図2に対応する正面図である。
【0057】
始めに、第1の実施の形態の図6に示す工程と同様の工程を実行し、その後、図11及び図12に示す工程で、第1電極層12及び発電層16に透光部18を形成する。透光部18は、透光部18の第1電極層12に形成された第1の部分18aの内壁面が、透光部18の発電層16に形成された第2の部分18bの内壁面よりも内側に位置するように形成する。
【0058】
具体的には、図11に示す工程では、発電層16の一部を、第1電極層12の表面が露出するまで除去し、発電層16に第2の部分18bを形成する。第2の部分18bの平面形状は、例えば、矩形状(例えば、平面形状が縦0.4mm×横2mmの矩形)とすることができる。
【0059】
発電層16は、レーザ光を照射することにより除去することができる。この工程で発電層16に照射するレーザ光は、例えば、YAGレーザの基本波(波長=1064nm)を用いたパルスレーザで、パルス周波数が6kHz程度、出力が45〜80Wの範囲であることが好ましい。又、YAGレーザの第2高調波(波長=553nm)や第3高調波(波長=354nm)を用いたパルスレーザで、パルス周波数が6kHz程度、出力はYAGレーザの基本波(波長=1064nm)を用いた場合よりも更に低くすることが好ましい。この程度の出力のレーザ光であれば、強固な第1電極層12は除去されず発電層16のみを除去でき、かつ、発電層16の端部が溶融することもない。なお、この工程では、レーザ光の照射は、第2電極層15側から行っても良いし、透明な基板11側から行っても良い。
【0060】
次いで、図12に示す工程において、第2の部分18bの底部に露出する第1電極層12の外縁部を除く部分を、基板11の表面が露出するまで除去し、第1電極層12に第1の部分18aを形成する。第1の部分18aの平面形状は、例えば、矩形状(例えば、平面形状が縦0.2mm×横1.8mmの矩形)とすることができる。この場合には、第2の部分18b内の第1の部分18aの周囲に露出する第1電極層12の幅は0.1mmとなる。
【0061】
第1電極層12は、レーザ光を照射することにより除去することができる。第1電極層12がモリブデン(Mo)を含有する、又は、モリブデン(Mo)からなる場合、第1電極層12は発電層16を構成する各層よりも強固である。従って、第1電極層12及び発電層16に照射するレーザ光は、第1電極層12を貫通させられる程度に比較的高出力でなければならない。
【0062】
第1電極層12に照射するレーザ光は、例えば、YAGレーザの基本波(波長=1064nm)を用いたパルスレーザで、パルス周波数が6kHz程度、出力が350〜500Wの範囲であることが好ましい。又、YAGレーザの第2高調波(波長=553nm)や第3高調波(波長=354nm)を用いたパルスレーザで、パルス周波数が6kHz程度、出力が350〜500Wの範囲であっても構わない。なお、この工程では、レーザ光の照射は、第2電極層15側から行っても良いし、透明な基板11側から行っても良い。
【0063】
この工程では、350〜500W程度の比較的高出力なレーザ光は第1電極層12のみに照射され、発電層16を構成する各層には照射されない。従って、透光部18の発電層16に形成された第2の部分18bの内壁面近傍(内壁面から0.1mm以内の部分)が溶融することはなく、第1電極層12と発電層16とがシャントすることを回避できる。
【0064】
次いで、図13に示す工程では、基板11のX方向の両外縁部の発電層16を除去して第1電極層12の表面を露出させ、第2のエッジスペース11b及び第3のエッジスペース11cを形成する。第2のエッジスペース11bの幅Lは1mm以上、第3のエッジスペース11cの幅L10は10mm以上とすることが好ましい。第2のエッジスペース11b及び第3のエッジスペース11cの具体的な形成方法は図11に示す工程と同様であるため、その説明は省略する。なお、この工程では、レーザ光の照射は、第2電極層15側から行っても良いし、透明な基板11側から行っても良い。
【0065】
次いで、第3のエッジスペース11cに対応する第1電極層12を除去して基板11の表面を露出させ、図10と同様に第1のエッジスペース11aを形成する。第1のエッジスペース11aの幅Lは、第3のエッジスペース11cの幅L10と同様に10mm以上とすることが好ましい。第1のエッジスペース11aの具体的な形成方法は図12に示す工程と同様であるため、その説明は省略する。
【0066】
この工程では、350〜500W程度の比較的高出力なレーザ光は第1電極層12のみに照射され、発電層16を構成する各層には照射されない。
【0067】
なお、図11に示す工程と図13に示す工程は同一工程としても構わない。図12に示す工程と図13の次の工程(第3のエッジスペース11cに対応する第1電極層12を除去して基板11の表面を露出させる工程)は同一工程としても構わない。以上の工程により、図1等に示したCIS系薄膜太陽電池モジュール10が完成する。
【0068】
このように、第2の実施の形態によれば、透光部18を形成する工程において、透光部18の第1電極層12に形成された第1の部分18aの内壁面が、透光部18の発電層16に形成された第2の部分18bの内壁面よりも内側に位置するように、透光部18を形成する。この際、先に低出力のレーザ光を照射し発電層16のみを除去して第2の部分18bを形成し、その後、第2の部分18bの内壁面に触れないように高出力のレーザを照射し第1電極層12を除去して第2の部分18b内に第1の部分18aを形成する。これにより、第2の部分18bの内壁面近傍を溶融させることなく第1電極層12を除去できる。その結果、シャントを回避することが可能となり、CIS系薄膜太陽電池モジュール10の変換効率の低下を抑制できる。つまり、変換効率の低下が生じ難いように透光部を形成したCIS系薄膜太陽電池モジュールが実現できる。なお、第2の実施の形態に、第1の実施の形態の変形例1及び2と同様な変形を加えることも可能であり、その場合にも同様の効果を奏する。
【0069】
なお、上述した第1の実施の形態及びその変形例並びに第2の実施の形態においては、光吸収層にCIS系光吸収層を用いたCIS系薄膜太陽電池モジュールを例にとって説明したが、本発明はこれに限るものではなく、光吸収層にCIS系光吸収層以外の化合物系光吸収層(例えば、CZTS系光吸収層)を用いた化合物形薄膜太陽電池モジュールにも適用することができる。CZTS系光吸収層としては、例えば、銅(Cu),亜鉛(Zn),錫(Sn),硫黄(S)からなる化合物や、銅(Cu),亜鉛(Zn),錫(Sn),セレン(Se)からなる化合物等を用いることができる。CZTS系光吸収層の一例を挙げれば、CuZnSnS、CuZnSnSe、CuZnSn(SeS)等である。
【0070】
以上、好ましい実施の形態及びその変形例について詳説したが、上述した実施の形態及びその変形例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及びその変形例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0071】
10 CIS系薄膜太陽電池モジュール
11 基板
11a 第1のエッジスペース
11b 第2のエッジスペース
11c 第3のエッジスペース
12 第1電極層
12x、16x、16y 溝部
13 CIS系光吸収層
14 バッファ層
15 第2電極層
16 発電層
18 透光部
18a 第1の部分
18b 第2の部分
19 セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な基板と、前記基板上に形成された第1の層と、前記第1の層上に形成された化合物系光吸収層を含む第2の層と、前記第1の層及び前記第2の層を貫通し前記基板の表面を露出する透光部と、を有する化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法であって、
前記基板上に前記第1の層及び前記第2の層をこの順番で積層形成する第1工程と、
前記第1の層に形成された第1の部分及び前記第2の層に形成された第2の部分を含む前記透光部を形成する第2工程と、を有し、
前記第2工程では、前記第1の部分の内壁面が、前記第2の部分の内壁面よりも内側に位置するように、前記透光部を形成することを特徴とする化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項2】
前記第2工程は、
前記第2の層の一部を、前記第1の層の表面が露出するまで除去し、前記第2の層に前記第2の部分を形成する工程と、
前記第2の部分の底部に露出する前記第1の層の外縁部を除く部分を、前記基板の表面が露出するまで除去し、前記第1の層に前記第1の部分を形成する工程と、を含むことを特徴とする請求項1記載の化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項3】
前記第2工程において、
前記第1の部分は、レーザ光を照射して形成することを特徴とする請求項1又は2記載の化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項4】
前記第2工程において、
前記第2の部分は、前記第1の部分を形成する前記レーザ光よりも出力の弱いレーザ光を照射して形成することを特徴とする請求項3記載の化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項5】
前記第2工程において、
前記第1の部分を形成する前記レーザ光と、前記第2の部分を形成する前記レーザ光とは、同一波長であることを特徴とする請求項4記載の化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項6】
前記第2工程において、
前記第1の部分は、サンドブラスタを用いて形成することを特徴とする請求項1又は2記載の化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記第2工程において、
前記第2の部分は、レーザ光を照射して形成することを特徴とする請求項6記載の化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項8】
前記第2工程において、
前記第2の部分は、メカニカルスクライブを用いて形成することを特徴とする請求項3又は6記載の化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記第1の層は、前記第2の層よりも強固である請求項1乃至8の何れか一項記載の化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項10】
前記化合物系光吸収層は、少なくとも銅(Cu),インジウム(In),及びセレン(Se)を含むCIS系光吸収層であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項記載の化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項11】
前記化合物系光吸収層は、少なくとも銅(Cu),亜鉛(Zn),錫(Sn),及びカルコゲン元素(セレン(Se)又は硫黄(S))を含むCZTS系光吸収層であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項記載の化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項12】
前記第2工程は、
前記第1の層及び前記第2の層の一部を、前記基板の表面が露出するまで除去し、前記第1の層に前記第1の部分を、前記第2の層に前記第1の部分に連通する貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔の周囲の前記第2の層を、前記第1の層の表面が露出するまで除去し、前記第2の層に前記第2の部分を形成する工程と、を含むことを特徴とする請求項1記載の化合物系薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項13】
透明な基板と、前記基板上に形成された第1の層と、前記第1の層上に形成された化合物系光吸収層を含む第2の層と、前記第1の層及び前記第2の層を貫通し前記基板の表面を露出する透光部と、を有する化合物系薄膜太陽電池モジュールであって、
前記透光部の前記第1の層に形成された第1の部分の内壁面が、前記透光部の前記第2の層に形成された第2の部分の内壁面よりも内側に位置していることを特徴とする化合物系薄膜太陽電池モジュール。
【請求項14】
前記第1の層は、モリブデン(Mo)を含有することを特徴とする請求項11記載の化合物系薄膜太陽電池モジュール。
【請求項15】
前記化合物系光吸収層は、少なくとも銅(Cu),インジウム(In),及びセレン(Se)を含むCIS系光吸収層であることを特徴とする請求項13又は14記載の化合物系薄膜太陽電池モジュール。
【請求項16】
前記化合物系光吸収層は、少なくとも銅(Cu),亜鉛(Zn),錫(Sn),及びカルコゲン元素(セレン(Se)又は硫黄(S))を含むCZTS系光吸収層であることを特徴とする請求項13又は14記載の化合物系薄膜太陽電池モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−74619(P2012−74619A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219819(P2010−219819)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000186913)昭和シェル石油株式会社 (322)
【Fターム(参考)】