説明

化学センサー材

【課題】日常的な環境モニタリングや工場排水の管理等において、大型の装置類を用いることなく簡便かつ経済的にイオン濃度を計測できる化学センサー材及び検出定量法を提供する。
【解決手段】窒素吸着法によって求められたBET法比表面積が600平方メートル/g以上、BJH法によって計算される中心紬孔径が10nm以下であるメソポーラスシリカからなるイオンセンサーの骨格材料と、色素とを適当な助剤を組み合わせることにより複合化して色素をシリカ細孔内に担持させた化学センサー材、及び該化学センサー材を用いた被検物質の濃度測定方法。
【効果】本発明の化学センサー材を用いることで、従来の高額な装置と多大な労力及びコストを必要とする測定手法に代えて、簡素な器具セットを用いるだけで、測定現場において、排水基準値(0.1mg/L)あるいは環境基準値(0.01mg/L)濃度の目的イオンの検出定量を行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶液試料、例えば、環境河川水、地下水、産業排水等中に含まれる有害物質等の被検物質を簡便に検出する化学センサー材に関するものであり、更に詳しくは、本発明は、化学センサー材と有害物質等を含む試料水溶液とを接触させることにより、センサー材を発色あるいは変色させ、その色調と色の濃さにより水溶液中に含まれる該有害物質等を検出定量するための化学センサー材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水溶液試料中の特定の有害物質の濃度を測定する方法として、例えば、高速液体クロマトグラフ法、イオンクロマトグラフ法、イオン電極法、原子吸光光度法、ICP発光分析法など、様々な方法が知られているが(JIS K 0102など)、操作に熟練を要すること、現場での測定には適さないこと、ランニングコストがかかること、高額な装置を使用することなどの点で、それぞれに難点がある。
【0003】
これらの問題点を克服する方法の一つとして、高感度で高選択的な電気化学センサーや試験紙タイプの検知材による方法が挙げられるが、市販されているそのようなセンサーや検知材には、例えば、環境基準値のイオン濃度を検出する感度を満たすものは少なく、かつ有害な材料や試薬を使用するため、安全性、操作性においても難があるものが見受けられる。
【0004】
また、先行技術として、例えば、検知材の支持体として、イオン交換樹脂を用いる例があり(非特許文献1)、また、メソポーラスシリカを利用して検知材を作る例がある(特許文献1)が、後者は、メソポーラスシリカをイオン性色素と複合化させるために、シリカ表面をシリル化試薬によりあらかじめ処理する必要があった。
【0005】
日常的な環境モニタリングや工場排水の管理等において、その手段として、大型の測定機器による機器分析を使用するには、時間、コスト、及び労力の点で問題が多い。また、測定結果をリアルタイムで取得することが強く求められる医療現場などでは、迅速かつ簡易な測定手段の重要性はきわめて高い。したがって、測定の現場で、簡便に有害物質等の濃度を計測できるならば、社会生活上極めて有用である。
【0006】
【特許文献1】特願2006−160156号
【非特許文献1】J.Ion Exchange,14,313(2003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、化学センサー材の骨格材料と色素、及びその複合化の方法について鋭意検討を重ねた結果、窒素吸着法によって求められたBET法比表面積が600平方メートル/g以上、BJH法によって計算される中心細孔径が10nm以下であるメソポーラスシリカが、化学センサーの骨格材料に極めて好適であること、このメソポーラスシリカと色素をシリル化試薬等の高価な試薬を用いない方法で複合化することにより、良好な化学センサー材が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、このような有害物質の検出に好適に利用できる化学センサー材を提供し、大型の装置類を用いることなく、簡便かつ経済的に、有害物質濃度を計測できる方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、特に、従来は面倒でコストのかかる技術であったメソポーラスシリカの色素による化学修飾を、より簡単にかつ安価に実施できる新しい手法を提供すること及び該手法により作製した化学センサー材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)水溶液試料に含まれる被検物質を検出する化学センサー材であって、規則的細孔構造を持つシリカと色素分子とを複合化して色素をシリカ細孔内に担持させたことを特徴とする化学センサー材。
(2)上記シリカが、窒素吸着法によって求められたBET法比表面積が少なくとも600平方メートル/g、BJH法によって測定される中心細孔径が大きくても10nmである多孔質シリカである、前記(1)記載の化学センサー材。
(3)上記シリカの細孔内に色素分子と陽イオン性の有機試薬とを組み合わせて複合化した、前記(1)記載の化学センサー材。
(4)複合化された色素分子が、目的物質と反応してその色調を変化させる色素分子である、前記(1)記載の化学センサー材。
(5)上記シリカと色素分子とを複合化して色素をシリカ細孔内に担持させて得られる化学センサー材が、その色調変化により物質検出機能を示す、前記(1)記載の化学センサー材。
(6)上記陽イオン性の有機試薬が、有機アミン類、又は有機アンモニウム類である、前記(3)記載の化学センサー材。
(7)上記色素分子が、中性のジチゾン、陽イオン性のアミノポルフィリン、又は陰イオン性のポルフィリンスルホン酸である、前記(1)記載の化学センサー材。
(8)被検物質が、水溶液試料中に含まれるカドミウムイオン、ビスマスイオン、又はアンチモンイオンである、前記(1)記載の化学センサー材。
(9)前記(1)から(8)のいずれかに記載の化学センサー材の色調の変化を目視あるいは光度計で読み取ることにより水溶性試料に含まれる被検物質の濃度を測定することを特徴とする被検物質の濃度の測定方法。
【0010】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、水溶液試料に含まれる被検物質を検出する化学センサー材であって、規則的細孔構造を持つメソポーラスシリカと色素分子とを複合化して色素をシリカ細孔内に担持させたことを特徴とするものである。また、本発明は、被検物質の濃度を測定する方法であって、上記化学センサー材の色調の変化を目視あるいは光度計で読み取ることにより被検物質の濃度を測定することを特徴とするものである。
【0011】
本発明においては、化学センサー材の骨格材料である規則的多孔質シリカは、BET法比表面積が600平方メートル/g以上、BJH法によって計算される中心細孔径が10nm以下である多孔質シリカであればどのようなものも利用できる。このようなシリカは、例えば、文献公知の次のような方法で製造されるものを使用することができる(文献:J.Phys.Chem.B,109,9255−9264(2005))。
【0012】
すなわち、界面活性剤と有機シリコン化合物を混合してリオトロピック型液晶相を形成し、ここへ、酸水溶液を加えることによって短時間に有機シリコン化合物の加水分解反応を起こさせしめ、メソポーラスシリカと界面活性剤の複合生成物を得た後、界面活性剤を除去して該メソポーラスシリカを得る方法が利用される。該シリカとしては、好適には、例えば、粉砕・分級して、60−100メッシュ程度のものが使用されるが、本発明は、これらに制限されるものではない。
【0013】
本発明において、該規則的多孔質シリカと色素との複合化には、次のような手法が用いられる。すなわち、該シリカにあらかじめ陽イオン性有機試薬を保持し、これと色素とを試薬複合体として複合化する手法である。この時、複合化の手順は、この組み合わせであればどのような手順も用いることができる。すなわち、例えば、(1)先に該シリカを陽イオン性有機試薬の有機溶媒溶液を用いて細孔内部を処理した後、色素のエタノール溶液で処理して、該色素を該シリカ内に保持させる方法、(2)色素と陽イオン性有機試薬をあらかじめ混合し、得られた試薬複合体の有機溶媒溶液と該シリカとを接触させ、有機溶媒だけをろ過あるいは蒸留などにより取り除くことで、色素を該シリカ内に担持する方法、が例示される。
【0014】
あるいは、(3)先に色素を細孔内に充填した後に、これを陽イオン性有機試薬の有機溶媒溶液で処理して、色素を細孔内に固定する方法、などが例示される。更に、検出反応により生成する着色性反応物質の細孔内への保持を達成するために、これらの複合化の過程で、必要があれば、固定化助剤として、過剰の陽イオン性有機試薬を加えることも行われる。
【0015】
本発明において使用する色素は、特定の目的物質と反応してその色調の変化をもたらすものであればどのようなものでもよいが、例えば、中性のジチゾン、陽イオン性のアミノポルフィリン、陰イオン性のポルフィリンスルホン酸などが好ましく利用される。本発明では、固定化された色素がこれと接触する水溶液試料中の目的金属イオンと固体表面上で錯体を形成することにより、もとの色素自身の色とは異なる色を示し、その結果、保持している固体も同様の色変化を示すことを利用するものである。
【0016】
このように、本発明は、上記錯体形成と色素の色変化を利用することを基本原理とするものであり、水溶液試料中の目的金属イオンと固体表面上で錯体を形成することにより、もとの色素自身の色とは異なる色を示し、保持している固体も同様の色変化を示すものであれば適宜の色素分子を使用することができる。
【0017】
また、本発明において使用する、陽イオン性有機試薬としては、どのようなものも使用可能であるが、細孔内での保持性などから、例えば、有機アミン類、及び有機アンモニウム類が好ましく用いられる。中でも、臭化ジドデシルジメチルアンモニウム(DDAB)が特に好ましく用いられるが、本発明の内容は、それらの有機試薬の種類により限定されるものではない。
【0018】
本発明において、化学センサー材は、例えば、陽イオン性有機試薬のエタノール等の有機溶媒に、規則的多孔性シリカ粒子を加えた後、有機溶媒を除去することで、シリカの細孔内部を陽イオン性有機試薬で処理した後、これを色素のエタノール溶液で処理して、色素分子をシリカの細孔内に担持させることで作製される。
【0019】
また、骨格材料である規則的多孔質シリカの形態についても特に制限はなく、粒子状材料のほか、板状あるいは膜状材料であってもよく、また、これらの組み合わせによるものであっても差し支えなく、化学センサー材としての目的は達せられる。例えば、規則的多孔質シリカが粒子状材料の場合は、化学センサー材を被検液に加えて反応させた後、混合液をろ過してフィルター上に集められた化学センサー材の色調の変化を目視あるいは光度計で読み取ることにより目的物質濃度を判定する。
【0020】
また、板状あるいは膜状材料の場合は、化学センサー材を被検液に浸し、反応させた後、センサー材の色調の変化を目視あるいは光度計で読み取ることにより目的物質濃度を判定する。例として、カドミウムイオン、ビスマスイオン、及びアンチモンイオンの濃度に応じて変化する検知材の吸収スペクトルを、それぞれ図1〜図3に示す。本発明では、例えば、上記化学センサー材を用いて検出される色調の変化を吸光スペクトル変化として測定し、これを既知濃度による標準試料に基づく発色と比較して被検物質の濃度を測定する。
【0021】
本発明では、上記シリカの細孔内に色素分子と陽イオン性の有機試薬とを組み合わせて複合化する。また、上記色素分子としては、目的物質と反応してその色調を変化させる色素分子であることが重要である。上記シリカと色素分子とを複合化して得られる化学センサー材は、その色調変化により物質検出機能を示すものが用いられる。
【0022】
本発明は、水溶液試料、例えば、環境河川水、地下水、産業排水中に含まれる有害物質を簡便に検出する化学センサー材であって、迅速かつ簡便な測定手段で、化学センサー材と有害物質を含む試料水溶液とを接触させることにより、化学センサー材を発色あるいは変色させ、その色調と色の濃さにより水溶液中に含まれる有害物質の濃度を検出定量することを可能とするものである。本発明は、試料水溶液中に含まれるイオンの濃度を目視あるいは光度計を用いて簡便に定量する方法を提供すると共に、試料水溶液中のイオンの存在を判定するための膜状あるいは粒子状材料のセンサーを提供することを可能とするものである。
【0023】
従来、メソポーラスシリカをイオン性色素と複合化させるために、シリカ表面をシリル化試薬等によりあらかじめ処理する手法が知られているが、高価な試薬を必要とするため、シリル化試薬等の高価な試薬を用いない手法の開発が要請されていた。本発明は、シリル化試薬等の高価な試薬を用いないで、化学センサーの骨格材料と色素分子を複合化して色素をシリカ細孔内に担持させて、大型の分析装置を用いることなく、簡便かつ経済的に有害物濃度を計測できる新しい化学センサー材を開発することに成功したものであり、測定の現場で、簡便に有害物質等の濃度を計測する新しい分析手法を提供するものとして有用である。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)水溶液試料、例えば、環境河川水、地下水、産業排水中に含まれる有害物質を簡便に検出できる化学センサー材を提供することができる。
(2)本発明の化学センサー材は、有害物質の簡便、迅速でかつ経済的な検出定量を可能にする化学センサー材として有用である。
(3)本発明の化学センサー材を用いることで、従来の高額な装置と多大な労力及びコストを必要とする測定手法に代えて、簡素な器具セットを用いるだけで、測定現場において、排水基準値(0.1mg/L)あるいは環境基準値(0.01mg/L)濃度の目的イオンの検出定量を行うことが可能となる。
(4)高額な装置を用いる従来の有害物質検出定量法に代替し得る、新しい有害物質検出定量技術を提供することが実現できる、
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0026】
製造例1
臭化ジドデシルジメチルアンモニウム(DDAB)の0.1Mエタノール溶液100mLに、規則的多孔性シリカ粒子0.5gを加えた後、エタノールをロータリーエバポレーターにより除去することで、DDAB型シリカ粒子を得た。次いで、このDDABシリカをジフェニルカルバジド(DPC)25mgを溶解したエタノール溶液100mLに加え、よくなじませた後、エタノールをロータリーエバポレーターにより除去することで、DPC−DDAB型シリカ粒子を得た。更に、この粒子をイオン交換水で溶出する色素が無くなるまでよく洗浄し、センサー材とした。
【0027】
製造例2
製造例1と同様にして得たDDABシリカを、ジフェニルジチオカルバジド(DZ)25mgを溶解したエタノール溶液100mLに加え、よくなじませた後、エタノールをロータリーエバポレーターにより除去することで、DZ−DDAB型シリカ粒子を得た。更に、この粒子をイオン交換水で溶出する色素が無くなるまでよく洗浄し、センサー材とした。
【0028】
製造例3
製造例1と同様にして得たDDABシリカを、ピロガロールレッド(PR)10mgを溶解したエタノール溶液100mLに加え、よくなじませた後、エタノールをロータリーエバポレーターにより除去することで、PR−DDAB型シリカ粒子を得た。更に、この粒子をイオン交換水で溶出する色素が無くなるまでよく洗浄し、センサー材とした。
【実施例1】
【0029】
未知濃度のカドミウムイオンを含む試料水溶液をサンプルビンに採り、pH緩衝液でpHを9として、全量を20mLに調整した。これに製造例1で製造したイオンセンサーを5mg加えて室温で5分間振り混ぜ、メンブレンフィルターでイオンセンサーをろ別してフィルター上に集めた。別に用意した既知濃度による標準試料に基づく発色と比較して、カドミウムイオン濃度を判定した。センサー材の吸収スペクトルの変化を図1に示した。
【実施例2】
【0030】
未知濃度のビスマスイオンを含む試料水溶液をサンプルビンに採り、pH緩衝液でpHを3.5として、全量を20mLに調整した。これに製造例2で製造したイオンセンサーを4mg加えて室温で1分間振り混ぜ、メンブレンフィルターでイオンセンサーをろ別してフィルター上に集めた。別に用意した既知濃度による標準試料に基づく発色と比較して、ビスマスイオン濃度を判定した。センサー材の吸収スペクトルの変化を図2に示した。
【実施例3】
【0031】
未知濃度のアンチモンイオンを含む試料水溶液をサンプルビンに採り、pH緩衝液でpHを4.5として、全量を20mLに調整した。これに製造例3で製造したイオンセンサーを4mg加えて室温で2分間振り混ぜ、メンブレンフィルターでイオンセンサーをろ別してフィルター上に集めた。別に用意した既知濃度による標準試料に基づく発色と比較して、アンチモンイオン濃度を判定した。センサー材の吸収スペクトルの変化を図3に示した。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上詳述したように、本発明は、水溶液試料中のイオン濃度の検出を行うための化学センサー材に係るものであり、本発明により、簡便、迅速でかつ経済的な検出定量法を実現することを可能とする新しい化学センサー材及び被検物質の濃度の測定方法を提供することができる。本発明による化学センサー材を用いることで、高額な装置による多大な労力とコストをかけた測定に代えて、簡素な器具セットに基づき測定現場において、排水基準値(0.1mg/L)あるいは環境基準値(0.01mg/L)濃度の目的イオンの検出定量を行うことができる。本発明は、水溶液試料、例えば、環境河川水、地下水、産業排水中に含まれる有害物質等を簡便に検出できる化学センサー材及び検出定量法を提供するものとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】カドミウムイオン検知材のカドミウムイオン濃度に対応した可視光吸収スペクトル変化を示す。検知材の実際の色は、白色から赤色に変化する。
【図2】ビスマスイオン検知材のビスマスイオン濃度に対応した可視光吸収スペクトル変化を示す。検知材の実際の色は、灰色から赤茶色へ変化する。
【図3】アンチモンイオン検知材のアンチモンイオン濃度に対応した可視光吸収スペクトル変化を示す。検知材の実際の色は、薄茶色から赤茶色へ変化する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶液試料に含まれる被検物質を検出する化学センサー材であって、規則的細孔構造を持つシリカと色素分子とを複合化して色素をシリカ細孔内に担持させたことを特徴とする化学センサー材。
【請求項2】
上記シリカが、窒素吸着法によって求められたBET法比表面積が少なくとも600平方メートル/g、BJH法によって測定される中心細孔径が大きくても10nmである多孔質シリカである、請求項1記載の化学センサー材。
【請求項3】
上記シリカの細孔内に色素分子と陽イオン性の有機試薬とを組み合わせて複合化した、請求項1記載の化学センサー材。
【請求項4】
複合化された色素分子が、目的物質と反応してその色調を変化させる色素分子である、請求項1記載の化学センサー材。
【請求項5】
上記シリカと色素分子とを複合化して色素をシリカ細孔内に担持させて得られる化学センサー材が、その色調変化により物質検出機能を示す、請求項1記載の化学センサー材。
【請求項6】
上記陽イオン性の有機試薬が、有機アミン類、又は有機アンモニウム類である、請求項3記載の化学センサー材。
【請求項7】
上記色素分子が、中性のジチゾン、陽イオン性のアミノポルフィリン、又は陰イオン性のポルフィリンスルホン酸である、請求項1記載の化学センサー材。
【請求項8】
被検物質が、水溶液試料に含まれるカドミウムイオン、ビスマスイオン、又はアンチモンイオンである、請求項1記載の化学センサー材。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の化学センサー材の色調の変化を目視あるいは光度計で読み取ることにより水溶液試料に含まれる被検物質の濃度を測定することを特徴とする被検物質の濃度の測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−224461(P2008−224461A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64182(P2007−64182)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】