化学分析装置
【課題】残留する試料、試薬による汚染を回避し、複雑な構成を伴うことなく分析及び検査精度の低下を抑制可能な化学分析装置を実現する。
【解決手段】分注部2は、シリンジ2a、プランジャ2b、核酸捕捉用担体2dが配置されたニードル部2cを備えニードル部2cには検出用容器6が取り付けられている。分注駆動系3は分注部2を着脱可能な構成となっている。検出用容器6を分注部2から取り外し核酸増幅検出部8に固定した後、分注部2により、試薬、試料の吸引吐出動作が行なわれ、測定対象成分が担体2dに捕捉される。捕捉された成分は核酸増幅検出部8に固定された検出容器6に吐出され測定される。その後、検出容器6は分注部2に取り付けられた状態で核酸増幅検出部8から取り出され、分注部2全体が分注駆動系3から取り外される。
【解決手段】分注部2は、シリンジ2a、プランジャ2b、核酸捕捉用担体2dが配置されたニードル部2cを備えニードル部2cには検出用容器6が取り付けられている。分注駆動系3は分注部2を着脱可能な構成となっている。検出用容器6を分注部2から取り外し核酸増幅検出部8に固定した後、分注部2により、試薬、試料の吸引吐出動作が行なわれ、測定対象成分が担体2dに捕捉される。捕捉された成分は核酸増幅検出部8に固定された検出容器6に吐出され測定される。その後、検出容器6は分注部2に取り付けられた状態で核酸増幅検出部8から取り出され、分注部2全体が分注駆動系3から取り外される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体試料及び試薬の分注機能を備え、試料溶液中の化学物質の分析を行なう化学分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる液体試料、試薬を分注し、分析、検査を行なうシステムでは、分注の際の流路、液体保存部分が異なる試料、試薬で共通となる場合が多く、残留する試料、試薬のため、それらが互いに汚染源となる問題があった。
【0003】
このため、従来技術においては、分注手段先端部の交換を前提としているが、繰り返し使用する部分のうち液が接触する部分があり、この部分における残留試料、試薬による汚染に対しては回避が困難である問題があった。
【0004】
これを防ぐため、特許文献1に記載のように液の分注流路、あるいは試薬容器を含む部分を洗浄している。
【0005】
また、核酸増幅を伴う遺伝子検査において、増幅工程において核酸が漏洩し、それが汚染源となる場合があるため、特許文献2に記載のように、増幅反応を実施する容器に封止している。
【0006】
【特許文献1】特開2000−121650号公報
【特許文献2】特表平9−504690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、試薬容器を含む部分を洗浄する手段を必要とするため、分析装置の構成を複雑化させてしまうという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載の技術にあっては、増幅反応を実施する容器を封止するための手段を必要とし、やはり、分析装置の構成を複雑化させてしまうという問題がある。また、反応の途中で必要とされる溶液の攪拌操作、および分注、滴下操作も繰り返し分析時の汚染の原因となる。
【0009】
本発明の目的は、化学分析や遺伝子検査を行なう化学分析装置において、装置内に残留する試料、試薬による汚染を回避し、複雑な構成を伴うことなく、分析精度及び検査精度の低下を抑制可能な化学分析装置の実現に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は次のように構成される。
【0011】
化学分析装置において、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出する分注手段と、この分注手段を着脱可能に支持する支持部と、上記分注手段を駆動し、液体試料及び液体試薬の吸引及び吐出動作を行なわせる駆動部と、上記分注手段を移動させる移動部とを有する分注手段移動駆動手段とを備える。
【0012】
また、液体試料を分析する化学分析装置又は遺伝子検査装置に用いられ、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出する分注装置において、遺伝子検査用の場合は核酸捕捉担体を内部に有し、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するためのニードル部と、上記ニードル部を介して、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するプランジャ部と、上記プランジャ部を移動可能に支持するシリンジ部と、上記化学分析装置又は遺伝子検査装置に着脱可能に支持されるフランジ部と、上記プランジャ部が上記化学分析装置又は遺伝子検査装置の駆動手段により駆動されるために、上記化学分析装置又は遺伝子検査装置に着脱可能に支持される駆動用端部と、上記ニードル部に着脱可能に支持され、ニードル部の保護カバーであると共に分析対象物が収容される検出容器とを備える。
【0013】
また、液体試料中の遺伝子を検査する検査部を有する遺伝子検査装置において、核酸捕捉担体を内部に有し、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出し、する分注手段と、上記分注手段を着脱可能に支持する支持部と、上記分注手段を駆動し、液体試料及び液体試薬の吸引及び吐出動作を行なわせる駆動部と、上記分注手段を移動させる移動部とを有する分注手段移動駆動手段とを備える。
【発明の効果】
【0014】
化学分析や遺伝子検査を行なう化学分析装置において、装置内に残留する試料、試薬による汚染を回避し、複雑な構成を伴うことなく、分析精度及び検査精度の低下を抑制可能な化学分析装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を化学分析装置のうち、遺伝子検査装置に適用した場合の例である。
【0016】
図1〜図4は、本発明の第1の実施形態における遺伝子検査装置の構成説明図であり、図5は、結核菌検査の場合の検査工程フローチャートである。また、図6から図8は検査の各工程における装置の状態を説明する図である。
【0017】
図1において、試薬容器1には分析に使用する各試薬が充填され、この試薬容器1は、PET(Polyethylene Terephthalate)を基材とする蒸発防止のためのアルミニウムで表面コートされた保護フィルム1aにより被覆される。分注部2は、樹脂製のシリンジ2aと、プランジャ2bと、ニードル部2cとを備える。ニードル部2cの基部には核酸を捕捉するための担体2dを内蔵しており、ニードル部2cによる保護フィルム1aの穿孔、試薬の分注と核酸の抽出を1つの分注部2で兼用する。
【0018】
分注部2による試薬、検体等の溶液の吸引、吐出量、およびこれらの動作速度はシリンジ2aに対するプランジャ2bの押引距離と速度により制御される。各試薬容器等に対する分注部2のニードル部2cの挿入、および退避は、パルスモータとボールネジからなる分注部上下駆動部3aにより制御される。また、プランジャ2bの押引、すなわち溶液の吸引、吐出はプランジャ駆動部3bにより制御される。
【0019】
一方、分注部2の水平方向の移動、すなわち、容器間の移動はパルスモータ−及びベルトで駆動される分注部水平駆動部3cにより制御される。担体2dはガラス繊維、ガラス粒子、シリカ粒子、シリカウール、あるいはそれらの破砕物などで、酸化ケイ素を含有する物質で構成される。
【0020】
検査される血液等の検体は検体容器4に分注され、前処理の後で検体容器4は検体容器保持部5に装着される。また、同じく分注部2のニードル部2cは、保護カバー兼用の検出容器6が装着され、この検出容器6を装着した状態で分注部駆動系3に装着され、試薬容器1は試薬容器保持部7に装着される。
【0021】
分注部2は、操作者により、分注駆動系3への取り付け、取り外しが容易に可能な構成となっている。図2は、分注部2の分注駆動系3への取り付け取り外しの説明図である。図2の(A)に示すように、分注部2のプランジャ部2aを、シリンジホルダ3kのシリンジ支持部3mに挿入すると共に、プランジャ部2bの駆動用端部2eをプランジャ駆動ボールネジ3fに支持されたプランジャホルダ(プランジャ支持部)3hに挿入する。
【0022】
そして、フランジ部2fを固定するために、シリンジ固定ホルダ3eをシリンジ固定位置にセットし、シリンジ固定ロックピン3dを押し込んで、シリンジ固定ホルダ3eをロックして、図2の(B)に示す状態にする。
【0023】
分注部2をシリンジホルダ3kから取り外す場合は、シリンジ固定ロックピン3dを引き上げ、シリンジ固定ホルダ3eを開放する。そして、分注部2をシリンジホルダ3kから取り外す。
【0024】
また、分注部2のプランジャ2bは、分注駆動系3により押引駆動される構成となっている。図3は、プランジャ2bの駆動機構説明図である。図3の(A)に示すように、プランジャ駆動ボールネジ3fは、プランジャ駆動モータ(分注部上下駆動部)3aに接続され回転駆動される。そして、プランジャ駆動モータ3aによりプランジャ駆動ボールネジ3fが回転駆動されることにより、プランジャ2bが押引駆動される(図3の(B))。プランジャ2bを押すか引くかの切り替え(上下移動方向の切り替え)は、プランジャ駆動モータ(プランジャ駆動部)3bの回転方向の切り替えにより行なわれ、プランジャ2bの押引速度の切り替えは、プランジャ駆動モータ3bの回転速度の切り替えにより行なわれる。
【0025】
また、分注部2全体は、分注駆動系3により、上下方向に移動される構成となっている。図4は、分注部2の上下方向移動機構説明図である。図4の(A)に示すように、シリンジホルダ3kは、分注部上下移動ボールネジ3iにより支持され、この分注部上下移動ボールネジ3iは、分注部上下移動モータ3jに接続され回転駆動される。そして、分注部上下移動モータ3jにより分注部上下移動ボールネジ3iが回転駆動されることにより、分注部2が上下方向に移動される(図4の(B))。分注部2の上下移動方向の切り替えは、分注部上下移動モータ3jの回転方向の切り替えにより行なわれ、上下移動速度の切り替えは、分注部上下移動モータ3jの回転速度の切り替えにより行なわれる。
【0026】
検体前処理が施され(図5のステップ100)、遺伝子検査装置の自動運転開始後(ステップ101)、最初に結核菌の細胞壁溶解のための所定の時間加温、ついで室温に戻すための冷却が実施される(ステップ102)。検体容器保持部5は上述した温度制御を行なうため、ペルチエ素子5a、および放熱フィン5bを備えている。
【0027】
検体溶液の加温操作の間、分注部2は図6に示すように。核酸増幅検出部8に移動して、検出容器6を挿入すると、分注部2から検出容器6を分離して核酸増幅検出部8に固定される。図示していないが、分注部2のニードル部2cからの検出容器6の取り外し、核酸増幅検出部8への固定手段が形成されている。また、後述するように、核酸増幅検出部8に固定された検出容器6は、分注部2のニードル部2cをこの検出容器6に挿入し、一定処理後、引き上げる際に、ニードル部2cに検出容器6が取り付けた状態で、核酸増幅検出部8から取り外される機構を備えている。
【0028】
次に、分注部2を移動させ、図7に示すように、核酸結合試薬を核酸結合試薬容器1bから分注部2のシリンジ2a内に吸引した後、検体容器4に吐出する。そして、そのまま検体容器4に検体溶液と核酸結合試薬の混合液の吸引、吐出を複数回繰り返す。この吸引、吐出操作により試薬と検体溶液の混合、および担体2dに対する核酸の結合が行なわれる(ステップ103、104)。
【0029】
ニードル部2c内の担体2dには、核酸以外に検体中に含まれる不純物も付着しており、次に行なわれる洗浄工程でエタノールを主成分とした洗浄試薬により、不純物を除去する。
【0030】
本発明の第1の実施形態では4箇所の洗浄試薬容器1c〜1fを試薬容器1中に設け一体構造となっている。これら洗浄試薬容器1c〜1fからシリンジ2a内に洗浄試薬を吸引、その後、同容器中に試薬を吐出することにより、洗浄試薬を交換して担体に付着した不純物を洗い落とす(ステップ105)。
【0031】
洗浄試薬は、その後の核酸増幅工程で反応阻害の要因となるため、シリンジ2a内、および担体2dに残留した洗浄試薬のパージを行なう(ステップ106)。洗浄試薬パージは、試薬廃棄容器1g中にニードル部2cを挿入し、シリンジ2a内に空気を吸引、吐出して試薬廃棄容器1gに内蔵した吸着剤に分注部2内の洗浄試薬を吸収させる。その際発生する洗浄試薬を含むミストは、試薬廃棄容器1gに備えたフィルタにより容器外部への漏出を防止する。
【0032】
その後、シリンジ2a中に核酸溶離試薬容器1hから核酸溶離試薬を吸引し、担体2dに捕捉された核酸を溶離する(ステップ107)。シリンジ2a中に取り込んだ核酸溶離試薬は核酸増幅酵素を含んでおり、溶離された核酸を含む核酸溶離試薬を適温に制御することにより、特定の核酸を増幅させることができる。
【0033】
この核酸の増幅反応、および検出工程を行なうため、図8に示すように、分注部2のニードル部2cを核酸増幅検出部8に移動して、検出容器6内に挿入し、その中にシリンジ2a内の溶液を吐出する。この場合、フィルム上の細孔からの吸引、吐出を行なうことにより、溶液の飛散を防止できる。
【0034】
検出容器6中の核酸溶離液は核酸増幅検出部8に内蔵されたヒータ8aにより一定温度の環境下におかれ、恒温での増幅反応を進行させる。本発明の第1の実施形態では、Nucleic Acid Sequence-Based Amplification(NASBA)法等の恒温での核酸増幅を想定しているが、核酸検出増幅部での温度制御を高温−低温でのサイクル制御とすることにより、PCR法での核酸増幅を行なうこともできる。核酸は蛍光標識されており、核酸増幅検出部に設けられた測光用窓8bを通して容器中の核酸溶液に対する励起光の入射、蛍光の検出を行ない、溶液中の蛍光測定を行なう(ステップ108)。
【0035】
検体溶液中に検出下限より高濃度の結核菌が存在した場合は、蛍光光量の増加となってその存在が検出されると、陽性と判定される。一方、検出下限より低濃度であった場合は所定の測定時間中に蛍光光量が増加しないことにより、陰性であることが確認される。陽性、もしくは陰性の判定の後、検査工程は終了し、検体容器4、検出容器6が装着された状態の分注部2、および試薬容器1は装置から取り出され、廃棄される(ステップ109)。
【0036】
これにより、試薬、もしくは検体溶液に触れた部分は各回の検査毎に廃棄されることとなり、検査間の試薬、検体の相互汚染は防止される。特に、検出容器6は分注部2でキャップされた状態で廃棄されることとなり、増幅された核酸は装置内に残留せず、増幅された核酸の漏出による汚染は防止される。
【0037】
したがって、本発明の第1の実施形態によれば、装置内に残留する試料、試薬による汚染を回避し、複雑な構成を伴うことなく、分析精度及び検査精度の低下を抑制可能な遺伝子検査装置を実現することができる。
【0038】
なお、分注部駆動系3に、複数の分注部保持部を設け、それに応じた試薬容器、検体容器の保持部を備えると、つまり、図1に示した分注駆動系3を、複数個並列に形成すると、同時に複数の検査工程を行なうことが可能となり、新たな分析装置の増設を行なわずに検査処理のスループットを向上することが可能となる。
【0039】
図9は、本発明の第2の実施形態の要部説明図であり、第1の実施形態における検体容器保持部5に対応する部分を示す図である。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、図示は省略する。
【0040】
図9において、この第2の実施形態は、検体溶液と核酸結合試薬とを混合するための検体容器回転部9が設けられている。検体容器は遺伝子検査装置に装着した際、回転伝達部9aに接続される。駆動モータ9bはベルト機構9cを介して回転伝達部9aを回転させ、それにより検体容器自体を回転させる。
【0041】
図10は、検体容器の側面断面(図10の(A))と横断面(図10の(B))とを示す図である。図10の(B)に示した横断面のように、容器内壁に凸部を設けており、これによって検体容器が回転すると溶液の攪拌が可能となる。
【0042】
本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる他、検体容器回転部9により混合、攪拌を行なうことで、分注部2による吸引、吐出での混合、攪拌操作に比べて、処理時間を短縮することができる。
【0043】
また、攪拌ヘラ等により機械的な混合法によれば、吸引吐出による混合、攪拌より処理時間は短縮すること可能であるが、攪拌手段と溶液を接触させることになるため、汚染の可能性がある。
【0044】
これに対して、本発明の第2の実施形態のように、検知容器を回転させることにより、混合、攪拌を行なえば、汚染の可能性を低減することができる。
【0045】
図11、図12は、本発明の第3の実施形態の要部説明図である。この第3の実施形態は、分注部2にニードルを使用しない例である。図11、図12に示したもの以外の構成は、第1の実施形態と同様であるので図示は省略する。
【0046】
第3の実施形態において、分注部2は、核酸抽出用のチップ10と、溶液分注用のチップ11の2種類のチップをそれぞれ着脱して使用する。初期、分注部2はシリンジ2aとプランジャ2bで構成され、核酸抽出チップ10と溶液分注チップ11とは、それぞれ試薬容器1に装着されている。
【0047】
核酸抽出チップ10は核酸捕捉用の単体を内蔵しており、試薬容器1は第1の実施形態と同様に保護フィルムで被覆されているが、さらに容器内部にセプタ12が装着されている。セプタ12はクロロプレンゴム等、容器に封入されている試薬に対して耐性を有し、かつ弾性に富む素材で形成されている。試薬容器1は遺伝子検査装置に装着される直前、もしくは直後、自動運転開始前に操作者の手操作により保護フィルムが剥離される。
【0048】
分注部2は、核酸増幅検出部8(図11、12には示さず)に移動し、検出容器6を核酸増幅検出部8に固定する。そして、溶液分注チップ11を分注部2に取り付け、溶液の分注が実行される。核酸抽出動作の実行時には、溶液分注チップ11を分注部2から取り外し、試薬容器1に装着し、核酸抽出チップ10を分注部2に取り付け、核酸抽出動作を行なう。
【0049】
その後、核酸抽出チップ10が取り付けられた状態の分注部2は核酸増幅検出部8に移動し、検出容器6内に挿入される。以降の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0050】
この第3の実施形態では、溶液の吸引、吐出は、核酸抽出チップ10、もしくは溶液分注チップ11を、セプタ12を通して容器内に挿入することにより行なわれ、両チップ10、11の非挿入時はセプタ12の口は閉じており、内部の試薬、検体溶液の漏出、飛散を防止できる。
【0051】
核酸抽出チップ10は、核酸結合工程、および洗浄工程、核酸の溶離工程の際に分注部2に装着、使用される。一方、溶液分注チップ11は、検体溶液に対する核酸結合試薬の添加、および吸引、吐出の繰り返しによる検体溶液と核酸結合試薬の混合で使用される。
【0052】
また、第1の実施形態では、核酸増幅酵素と核酸溶離試薬は予め混合されている場合を例示しているが、保存性を向上するために、両者を分離して核酸増幅酵素を乾燥状態として分離し、検査工程開始後に両者を混合する場合、核酸溶離試薬は20μL〜100μLの使用範囲で±5μL程度での高精度分注を必要としている。
【0053】
第3の実施形態では、高精度の分注に対応させた溶液分注チップ11を使用することにより、核酸抽出と溶液分注の双方に対応させる場合と比較して分注精度を向上できる効果がある。
【0054】
以上のように、本発明によれば、分析、検査の際に装置内で検体、試薬に触れる部分を廃棄可能とすることにより、これらが装置内に残留することによる汚染を防止することができる。
【0055】
また、保護フィルムで被覆した試薬容器に対して分注操作を行なう際、分注部に装着したニードルにより穿孔し、フィルム上の細孔からの吸引、吐出を行なうことにより、溶液の飛散を防止できる。分注部先端の保護カバーを核酸増幅反応における検出容器とし、増幅した核酸を分注手段ごと廃棄可能とすることで、増幅した核酸の漏出による装置内外の汚染を防止することができる。
【0056】
分注部には核酸抽出用の担体を内蔵することにより、分注、核酸抽出等の操作を単一のデバイスで実施することができ、チップ交換等に伴う溶液飛散も防止できる。
【0057】
さらに、工程上で必要となる洗浄液のパージ工程に対して、フィルタ、吸着剤を備える試薬廃棄容器を試薬容器中に設けることにより、溶液のミスト飛散による汚染を防止できる。
【0058】
さらに、試薬と検体の混合のための回転伝達部を設けることにより、混合の際の処理時間短縮と汚染防止の双方の効果を得ることができる。
【0059】
なお、上述した例は本発明を遺伝子検査装置に適用した場合の例であるが、本発明は、遺伝子検査装置に限らず、他の化学分析装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施形態における遺伝子検査装置の構成を説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における分注部の分注駆動系への取り付け取り外しの説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における分注部のプランジャの駆動機構説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における分注部の上下方向移動機構説明図である。
【図5】結核菌検査の場合の検査工程フローチャートである。
【図6】第1の実施形態における検出容器の核酸増幅検出部装着時の装置状態説明図である。
【図7】第1の実施形態における試薬分注時の装置状態説明図である。
【図8】第1の実施形態における核酸増幅検出工程の装置状態説明図である。
【図9】第2の実施形態の要部説明図である。
【図10】第2の実施形態の要部説明図である。
【図11】第3の実施形態の要部説明図である。
【図12】第3の実施形態の要部説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1・・・試薬容器、1a・・・保護フィルム、1b・・・核酸結合試薬容器、1c〜1f・・・洗浄試薬容器、1g・・・試薬廃棄容器、1h・・・核酸溶離試薬容器、2・・・分注部、2a・・・シリンジ、2b・・・プランジャ、2c・・・ニードル部、2d・・・担体、2e・・・プランジャ駆動用端部、2f・・・フランジ部、3・・・分注部駆動部、3a・・・分注部上下駆動部、3b・・・プランジャ駆動部、3c・・・分注部水平駆動部、3d・・・シリンジ固定ロックピン、3e・・・シリンジ固定ホルダ、3f・・・プランジャ駆動ボールネジ、3h・・・プランジャホルダ、3i・・・分注部上下移動ボールネジ、3k・・・シリンジホルダ、3m・・・4・・・検体容器、5・・・検体容器保持部、5a・・・ペルチエ素子、5b・・・放熱フィン、6・・・検出容器、7・・・試薬容器保持部、8・・・核酸増幅検出部、8a・・・ヒータ、8b・・・測光用窓、9・・・検体容器回転部、9a・・・回転伝達部、9b・・・駆動モータ、9c・・・ベルト機構、10・・・核酸抽出チップ、11・・・溶液分注チップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体試料及び試薬の分注機能を備え、試料溶液中の化学物質の分析を行なう化学分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる液体試料、試薬を分注し、分析、検査を行なうシステムでは、分注の際の流路、液体保存部分が異なる試料、試薬で共通となる場合が多く、残留する試料、試薬のため、それらが互いに汚染源となる問題があった。
【0003】
このため、従来技術においては、分注手段先端部の交換を前提としているが、繰り返し使用する部分のうち液が接触する部分があり、この部分における残留試料、試薬による汚染に対しては回避が困難である問題があった。
【0004】
これを防ぐため、特許文献1に記載のように液の分注流路、あるいは試薬容器を含む部分を洗浄している。
【0005】
また、核酸増幅を伴う遺伝子検査において、増幅工程において核酸が漏洩し、それが汚染源となる場合があるため、特許文献2に記載のように、増幅反応を実施する容器に封止している。
【0006】
【特許文献1】特開2000−121650号公報
【特許文献2】特表平9−504690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、試薬容器を含む部分を洗浄する手段を必要とするため、分析装置の構成を複雑化させてしまうという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載の技術にあっては、増幅反応を実施する容器を封止するための手段を必要とし、やはり、分析装置の構成を複雑化させてしまうという問題がある。また、反応の途中で必要とされる溶液の攪拌操作、および分注、滴下操作も繰り返し分析時の汚染の原因となる。
【0009】
本発明の目的は、化学分析や遺伝子検査を行なう化学分析装置において、装置内に残留する試料、試薬による汚染を回避し、複雑な構成を伴うことなく、分析精度及び検査精度の低下を抑制可能な化学分析装置の実現に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は次のように構成される。
【0011】
化学分析装置において、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出する分注手段と、この分注手段を着脱可能に支持する支持部と、上記分注手段を駆動し、液体試料及び液体試薬の吸引及び吐出動作を行なわせる駆動部と、上記分注手段を移動させる移動部とを有する分注手段移動駆動手段とを備える。
【0012】
また、液体試料を分析する化学分析装置又は遺伝子検査装置に用いられ、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出する分注装置において、遺伝子検査用の場合は核酸捕捉担体を内部に有し、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するためのニードル部と、上記ニードル部を介して、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するプランジャ部と、上記プランジャ部を移動可能に支持するシリンジ部と、上記化学分析装置又は遺伝子検査装置に着脱可能に支持されるフランジ部と、上記プランジャ部が上記化学分析装置又は遺伝子検査装置の駆動手段により駆動されるために、上記化学分析装置又は遺伝子検査装置に着脱可能に支持される駆動用端部と、上記ニードル部に着脱可能に支持され、ニードル部の保護カバーであると共に分析対象物が収容される検出容器とを備える。
【0013】
また、液体試料中の遺伝子を検査する検査部を有する遺伝子検査装置において、核酸捕捉担体を内部に有し、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出し、する分注手段と、上記分注手段を着脱可能に支持する支持部と、上記分注手段を駆動し、液体試料及び液体試薬の吸引及び吐出動作を行なわせる駆動部と、上記分注手段を移動させる移動部とを有する分注手段移動駆動手段とを備える。
【発明の効果】
【0014】
化学分析や遺伝子検査を行なう化学分析装置において、装置内に残留する試料、試薬による汚染を回避し、複雑な構成を伴うことなく、分析精度及び検査精度の低下を抑制可能な化学分析装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を化学分析装置のうち、遺伝子検査装置に適用した場合の例である。
【0016】
図1〜図4は、本発明の第1の実施形態における遺伝子検査装置の構成説明図であり、図5は、結核菌検査の場合の検査工程フローチャートである。また、図6から図8は検査の各工程における装置の状態を説明する図である。
【0017】
図1において、試薬容器1には分析に使用する各試薬が充填され、この試薬容器1は、PET(Polyethylene Terephthalate)を基材とする蒸発防止のためのアルミニウムで表面コートされた保護フィルム1aにより被覆される。分注部2は、樹脂製のシリンジ2aと、プランジャ2bと、ニードル部2cとを備える。ニードル部2cの基部には核酸を捕捉するための担体2dを内蔵しており、ニードル部2cによる保護フィルム1aの穿孔、試薬の分注と核酸の抽出を1つの分注部2で兼用する。
【0018】
分注部2による試薬、検体等の溶液の吸引、吐出量、およびこれらの動作速度はシリンジ2aに対するプランジャ2bの押引距離と速度により制御される。各試薬容器等に対する分注部2のニードル部2cの挿入、および退避は、パルスモータとボールネジからなる分注部上下駆動部3aにより制御される。また、プランジャ2bの押引、すなわち溶液の吸引、吐出はプランジャ駆動部3bにより制御される。
【0019】
一方、分注部2の水平方向の移動、すなわち、容器間の移動はパルスモータ−及びベルトで駆動される分注部水平駆動部3cにより制御される。担体2dはガラス繊維、ガラス粒子、シリカ粒子、シリカウール、あるいはそれらの破砕物などで、酸化ケイ素を含有する物質で構成される。
【0020】
検査される血液等の検体は検体容器4に分注され、前処理の後で検体容器4は検体容器保持部5に装着される。また、同じく分注部2のニードル部2cは、保護カバー兼用の検出容器6が装着され、この検出容器6を装着した状態で分注部駆動系3に装着され、試薬容器1は試薬容器保持部7に装着される。
【0021】
分注部2は、操作者により、分注駆動系3への取り付け、取り外しが容易に可能な構成となっている。図2は、分注部2の分注駆動系3への取り付け取り外しの説明図である。図2の(A)に示すように、分注部2のプランジャ部2aを、シリンジホルダ3kのシリンジ支持部3mに挿入すると共に、プランジャ部2bの駆動用端部2eをプランジャ駆動ボールネジ3fに支持されたプランジャホルダ(プランジャ支持部)3hに挿入する。
【0022】
そして、フランジ部2fを固定するために、シリンジ固定ホルダ3eをシリンジ固定位置にセットし、シリンジ固定ロックピン3dを押し込んで、シリンジ固定ホルダ3eをロックして、図2の(B)に示す状態にする。
【0023】
分注部2をシリンジホルダ3kから取り外す場合は、シリンジ固定ロックピン3dを引き上げ、シリンジ固定ホルダ3eを開放する。そして、分注部2をシリンジホルダ3kから取り外す。
【0024】
また、分注部2のプランジャ2bは、分注駆動系3により押引駆動される構成となっている。図3は、プランジャ2bの駆動機構説明図である。図3の(A)に示すように、プランジャ駆動ボールネジ3fは、プランジャ駆動モータ(分注部上下駆動部)3aに接続され回転駆動される。そして、プランジャ駆動モータ3aによりプランジャ駆動ボールネジ3fが回転駆動されることにより、プランジャ2bが押引駆動される(図3の(B))。プランジャ2bを押すか引くかの切り替え(上下移動方向の切り替え)は、プランジャ駆動モータ(プランジャ駆動部)3bの回転方向の切り替えにより行なわれ、プランジャ2bの押引速度の切り替えは、プランジャ駆動モータ3bの回転速度の切り替えにより行なわれる。
【0025】
また、分注部2全体は、分注駆動系3により、上下方向に移動される構成となっている。図4は、分注部2の上下方向移動機構説明図である。図4の(A)に示すように、シリンジホルダ3kは、分注部上下移動ボールネジ3iにより支持され、この分注部上下移動ボールネジ3iは、分注部上下移動モータ3jに接続され回転駆動される。そして、分注部上下移動モータ3jにより分注部上下移動ボールネジ3iが回転駆動されることにより、分注部2が上下方向に移動される(図4の(B))。分注部2の上下移動方向の切り替えは、分注部上下移動モータ3jの回転方向の切り替えにより行なわれ、上下移動速度の切り替えは、分注部上下移動モータ3jの回転速度の切り替えにより行なわれる。
【0026】
検体前処理が施され(図5のステップ100)、遺伝子検査装置の自動運転開始後(ステップ101)、最初に結核菌の細胞壁溶解のための所定の時間加温、ついで室温に戻すための冷却が実施される(ステップ102)。検体容器保持部5は上述した温度制御を行なうため、ペルチエ素子5a、および放熱フィン5bを備えている。
【0027】
検体溶液の加温操作の間、分注部2は図6に示すように。核酸増幅検出部8に移動して、検出容器6を挿入すると、分注部2から検出容器6を分離して核酸増幅検出部8に固定される。図示していないが、分注部2のニードル部2cからの検出容器6の取り外し、核酸増幅検出部8への固定手段が形成されている。また、後述するように、核酸増幅検出部8に固定された検出容器6は、分注部2のニードル部2cをこの検出容器6に挿入し、一定処理後、引き上げる際に、ニードル部2cに検出容器6が取り付けた状態で、核酸増幅検出部8から取り外される機構を備えている。
【0028】
次に、分注部2を移動させ、図7に示すように、核酸結合試薬を核酸結合試薬容器1bから分注部2のシリンジ2a内に吸引した後、検体容器4に吐出する。そして、そのまま検体容器4に検体溶液と核酸結合試薬の混合液の吸引、吐出を複数回繰り返す。この吸引、吐出操作により試薬と検体溶液の混合、および担体2dに対する核酸の結合が行なわれる(ステップ103、104)。
【0029】
ニードル部2c内の担体2dには、核酸以外に検体中に含まれる不純物も付着しており、次に行なわれる洗浄工程でエタノールを主成分とした洗浄試薬により、不純物を除去する。
【0030】
本発明の第1の実施形態では4箇所の洗浄試薬容器1c〜1fを試薬容器1中に設け一体構造となっている。これら洗浄試薬容器1c〜1fからシリンジ2a内に洗浄試薬を吸引、その後、同容器中に試薬を吐出することにより、洗浄試薬を交換して担体に付着した不純物を洗い落とす(ステップ105)。
【0031】
洗浄試薬は、その後の核酸増幅工程で反応阻害の要因となるため、シリンジ2a内、および担体2dに残留した洗浄試薬のパージを行なう(ステップ106)。洗浄試薬パージは、試薬廃棄容器1g中にニードル部2cを挿入し、シリンジ2a内に空気を吸引、吐出して試薬廃棄容器1gに内蔵した吸着剤に分注部2内の洗浄試薬を吸収させる。その際発生する洗浄試薬を含むミストは、試薬廃棄容器1gに備えたフィルタにより容器外部への漏出を防止する。
【0032】
その後、シリンジ2a中に核酸溶離試薬容器1hから核酸溶離試薬を吸引し、担体2dに捕捉された核酸を溶離する(ステップ107)。シリンジ2a中に取り込んだ核酸溶離試薬は核酸増幅酵素を含んでおり、溶離された核酸を含む核酸溶離試薬を適温に制御することにより、特定の核酸を増幅させることができる。
【0033】
この核酸の増幅反応、および検出工程を行なうため、図8に示すように、分注部2のニードル部2cを核酸増幅検出部8に移動して、検出容器6内に挿入し、その中にシリンジ2a内の溶液を吐出する。この場合、フィルム上の細孔からの吸引、吐出を行なうことにより、溶液の飛散を防止できる。
【0034】
検出容器6中の核酸溶離液は核酸増幅検出部8に内蔵されたヒータ8aにより一定温度の環境下におかれ、恒温での増幅反応を進行させる。本発明の第1の実施形態では、Nucleic Acid Sequence-Based Amplification(NASBA)法等の恒温での核酸増幅を想定しているが、核酸検出増幅部での温度制御を高温−低温でのサイクル制御とすることにより、PCR法での核酸増幅を行なうこともできる。核酸は蛍光標識されており、核酸増幅検出部に設けられた測光用窓8bを通して容器中の核酸溶液に対する励起光の入射、蛍光の検出を行ない、溶液中の蛍光測定を行なう(ステップ108)。
【0035】
検体溶液中に検出下限より高濃度の結核菌が存在した場合は、蛍光光量の増加となってその存在が検出されると、陽性と判定される。一方、検出下限より低濃度であった場合は所定の測定時間中に蛍光光量が増加しないことにより、陰性であることが確認される。陽性、もしくは陰性の判定の後、検査工程は終了し、検体容器4、検出容器6が装着された状態の分注部2、および試薬容器1は装置から取り出され、廃棄される(ステップ109)。
【0036】
これにより、試薬、もしくは検体溶液に触れた部分は各回の検査毎に廃棄されることとなり、検査間の試薬、検体の相互汚染は防止される。特に、検出容器6は分注部2でキャップされた状態で廃棄されることとなり、増幅された核酸は装置内に残留せず、増幅された核酸の漏出による汚染は防止される。
【0037】
したがって、本発明の第1の実施形態によれば、装置内に残留する試料、試薬による汚染を回避し、複雑な構成を伴うことなく、分析精度及び検査精度の低下を抑制可能な遺伝子検査装置を実現することができる。
【0038】
なお、分注部駆動系3に、複数の分注部保持部を設け、それに応じた試薬容器、検体容器の保持部を備えると、つまり、図1に示した分注駆動系3を、複数個並列に形成すると、同時に複数の検査工程を行なうことが可能となり、新たな分析装置の増設を行なわずに検査処理のスループットを向上することが可能となる。
【0039】
図9は、本発明の第2の実施形態の要部説明図であり、第1の実施形態における検体容器保持部5に対応する部分を示す図である。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、図示は省略する。
【0040】
図9において、この第2の実施形態は、検体溶液と核酸結合試薬とを混合するための検体容器回転部9が設けられている。検体容器は遺伝子検査装置に装着した際、回転伝達部9aに接続される。駆動モータ9bはベルト機構9cを介して回転伝達部9aを回転させ、それにより検体容器自体を回転させる。
【0041】
図10は、検体容器の側面断面(図10の(A))と横断面(図10の(B))とを示す図である。図10の(B)に示した横断面のように、容器内壁に凸部を設けており、これによって検体容器が回転すると溶液の攪拌が可能となる。
【0042】
本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる他、検体容器回転部9により混合、攪拌を行なうことで、分注部2による吸引、吐出での混合、攪拌操作に比べて、処理時間を短縮することができる。
【0043】
また、攪拌ヘラ等により機械的な混合法によれば、吸引吐出による混合、攪拌より処理時間は短縮すること可能であるが、攪拌手段と溶液を接触させることになるため、汚染の可能性がある。
【0044】
これに対して、本発明の第2の実施形態のように、検知容器を回転させることにより、混合、攪拌を行なえば、汚染の可能性を低減することができる。
【0045】
図11、図12は、本発明の第3の実施形態の要部説明図である。この第3の実施形態は、分注部2にニードルを使用しない例である。図11、図12に示したもの以外の構成は、第1の実施形態と同様であるので図示は省略する。
【0046】
第3の実施形態において、分注部2は、核酸抽出用のチップ10と、溶液分注用のチップ11の2種類のチップをそれぞれ着脱して使用する。初期、分注部2はシリンジ2aとプランジャ2bで構成され、核酸抽出チップ10と溶液分注チップ11とは、それぞれ試薬容器1に装着されている。
【0047】
核酸抽出チップ10は核酸捕捉用の単体を内蔵しており、試薬容器1は第1の実施形態と同様に保護フィルムで被覆されているが、さらに容器内部にセプタ12が装着されている。セプタ12はクロロプレンゴム等、容器に封入されている試薬に対して耐性を有し、かつ弾性に富む素材で形成されている。試薬容器1は遺伝子検査装置に装着される直前、もしくは直後、自動運転開始前に操作者の手操作により保護フィルムが剥離される。
【0048】
分注部2は、核酸増幅検出部8(図11、12には示さず)に移動し、検出容器6を核酸増幅検出部8に固定する。そして、溶液分注チップ11を分注部2に取り付け、溶液の分注が実行される。核酸抽出動作の実行時には、溶液分注チップ11を分注部2から取り外し、試薬容器1に装着し、核酸抽出チップ10を分注部2に取り付け、核酸抽出動作を行なう。
【0049】
その後、核酸抽出チップ10が取り付けられた状態の分注部2は核酸増幅検出部8に移動し、検出容器6内に挿入される。以降の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0050】
この第3の実施形態では、溶液の吸引、吐出は、核酸抽出チップ10、もしくは溶液分注チップ11を、セプタ12を通して容器内に挿入することにより行なわれ、両チップ10、11の非挿入時はセプタ12の口は閉じており、内部の試薬、検体溶液の漏出、飛散を防止できる。
【0051】
核酸抽出チップ10は、核酸結合工程、および洗浄工程、核酸の溶離工程の際に分注部2に装着、使用される。一方、溶液分注チップ11は、検体溶液に対する核酸結合試薬の添加、および吸引、吐出の繰り返しによる検体溶液と核酸結合試薬の混合で使用される。
【0052】
また、第1の実施形態では、核酸増幅酵素と核酸溶離試薬は予め混合されている場合を例示しているが、保存性を向上するために、両者を分離して核酸増幅酵素を乾燥状態として分離し、検査工程開始後に両者を混合する場合、核酸溶離試薬は20μL〜100μLの使用範囲で±5μL程度での高精度分注を必要としている。
【0053】
第3の実施形態では、高精度の分注に対応させた溶液分注チップ11を使用することにより、核酸抽出と溶液分注の双方に対応させる場合と比較して分注精度を向上できる効果がある。
【0054】
以上のように、本発明によれば、分析、検査の際に装置内で検体、試薬に触れる部分を廃棄可能とすることにより、これらが装置内に残留することによる汚染を防止することができる。
【0055】
また、保護フィルムで被覆した試薬容器に対して分注操作を行なう際、分注部に装着したニードルにより穿孔し、フィルム上の細孔からの吸引、吐出を行なうことにより、溶液の飛散を防止できる。分注部先端の保護カバーを核酸増幅反応における検出容器とし、増幅した核酸を分注手段ごと廃棄可能とすることで、増幅した核酸の漏出による装置内外の汚染を防止することができる。
【0056】
分注部には核酸抽出用の担体を内蔵することにより、分注、核酸抽出等の操作を単一のデバイスで実施することができ、チップ交換等に伴う溶液飛散も防止できる。
【0057】
さらに、工程上で必要となる洗浄液のパージ工程に対して、フィルタ、吸着剤を備える試薬廃棄容器を試薬容器中に設けることにより、溶液のミスト飛散による汚染を防止できる。
【0058】
さらに、試薬と検体の混合のための回転伝達部を設けることにより、混合の際の処理時間短縮と汚染防止の双方の効果を得ることができる。
【0059】
なお、上述した例は本発明を遺伝子検査装置に適用した場合の例であるが、本発明は、遺伝子検査装置に限らず、他の化学分析装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施形態における遺伝子検査装置の構成を説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における分注部の分注駆動系への取り付け取り外しの説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における分注部のプランジャの駆動機構説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における分注部の上下方向移動機構説明図である。
【図5】結核菌検査の場合の検査工程フローチャートである。
【図6】第1の実施形態における検出容器の核酸増幅検出部装着時の装置状態説明図である。
【図7】第1の実施形態における試薬分注時の装置状態説明図である。
【図8】第1の実施形態における核酸増幅検出工程の装置状態説明図である。
【図9】第2の実施形態の要部説明図である。
【図10】第2の実施形態の要部説明図である。
【図11】第3の実施形態の要部説明図である。
【図12】第3の実施形態の要部説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1・・・試薬容器、1a・・・保護フィルム、1b・・・核酸結合試薬容器、1c〜1f・・・洗浄試薬容器、1g・・・試薬廃棄容器、1h・・・核酸溶離試薬容器、2・・・分注部、2a・・・シリンジ、2b・・・プランジャ、2c・・・ニードル部、2d・・・担体、2e・・・プランジャ駆動用端部、2f・・・フランジ部、3・・・分注部駆動部、3a・・・分注部上下駆動部、3b・・・プランジャ駆動部、3c・・・分注部水平駆動部、3d・・・シリンジ固定ロックピン、3e・・・シリンジ固定ホルダ、3f・・・プランジャ駆動ボールネジ、3h・・・プランジャホルダ、3i・・・分注部上下移動ボールネジ、3k・・・シリンジホルダ、3m・・・4・・・検体容器、5・・・検体容器保持部、5a・・・ペルチエ素子、5b・・・放熱フィン、6・・・検出容器、7・・・試薬容器保持部、8・・・核酸増幅検出部、8a・・・ヒータ、8b・・・測光用窓、9・・・検体容器回転部、9a・・・回転伝達部、9b・・・駆動モータ、9c・・・ベルト機構、10・・・核酸抽出チップ、11・・・溶液分注チップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料の分析部を有する化学分析装置において、
液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出する分注手段と、
上記分注手段を着脱可能に支持する支持部と、上記分注手段を駆動し、液体試料及び液体試薬の吸引及び吐出動作を行なわせる駆動部と、上記分注手段を移動させる移動部とを有する分注手段移動駆動手段と、
を備えることを特徴とする化学分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の化学分析装置において、上記分注手段は、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するためのニードル部を有し、このニードル部に着脱可能な検出容器を備え、この検出容器に分析対象物が収容された状態で上記分析部により分析対象物が分析された後、上記ニードル部に上記検出容器が取り付けられ、この検出容器が上記ニードル部に取り付けられた状態で上記分注手段と共に上記分注手段移動駆動手段から取り外されることを特徴とする化学分析装置。
【請求項3】
請求項2記載の化学分析装置において、液体試料と液体試薬とを収容する検体収容容器と、この検体収容容器を回転させる回転駆動手段を備えることを特徴とする化学分析装置。
【請求項4】
液体試料を分析する化学分析装置に用いられ、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出する分注装置において、
液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するためのニードル部と、
上記ニードル部を介して、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するプランジャ部と、
上記プランジャ部を移動可能に支持するシリンジ部と、
上記化学分析装置に着脱可能に支持されるフランジ部と、
上記プランジャ部が上記化学分析装置の駆動手段により駆動されるために、上記化学分析装置に着脱可能に支持される駆動用端部と、
上記ニードル部に着脱可能に支持され、ニードル部の保護カバーであると共に分析対象物が収容される検出容器と、
を備えることを特徴とする分注装置。
【請求項5】
液体試料中の遺伝子を検査する検査部を有する遺伝子検査装置において、
核酸捕捉担体を内部に有し、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出し、する分注手段と、
上記分注手段を着脱可能に支持する支持部と、上記分注手段を駆動し、液体試料及び液体試薬の吸引及び吐出動作を行なわせる駆動部と、上記分注手段を移動させる移動部とを有する分注手段移動駆動手段と、
を備えることを特徴とする遺伝子検査装置。
【請求項6】
請求項5記載の遺伝子検査装置において、上記分注手段は、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するためのニードル部を有し、このニードル部に着脱可能な検出容器を備え、この検出容器に検査対象物が収容された状態で上記検査部により検査対象物が検査された後、上記ニードル部に上記検出容器が取り付けられ、この検出容器が上記ニードル部に取り付けられた状態で上記分注手段と共に上記分注手段移動駆動手段から取り外されることを特徴とする遺伝子検査装置。
【請求項7】
請求項6記載の遺伝子検査装置において、液体試料と液体試薬とを収容する検体収容容器と、この検体収容容器を回転させる回転駆動手段を備えることを特徴とする化学分析装置。
【請求項8】
請求項5記載の遺伝子検査装置において、上記分注手段に着脱される溶液分注用チップと、上記分注手段に着脱される核酸抽出用チップと、上記分注手段に上記核酸抽出用チップが取り付けられた状態で、上記核酸抽出用チップをカバーし、上記分注手段に着脱可能な検出容器とを備え、この検出容器に検査対象物が収容された状態で上記検査部により検査対象物が検査された後、上記分注手段に上記検出容器が取り付けられ、この検出容器が上記分注手段に取り付けられた状態で上記分注手段と共に上記分注手段移動駆動手段から取り外されることを特徴とする遺伝子検査装置。
【請求項9】
請求項5記載の遺伝子検査装置において、一体構造となった複数の試薬容器を備えることを特徴とする遺伝子検査装置。
【請求項10】
請求項9記載の遺伝子検査装置において、上記試薬容器は内部の試薬を保護し、飛散を防止するために表面を保護フィルムで被覆され、上記分注手段はニードル部を有し、このニードル部は上記保護フィルムを穿孔することを特徴とする遺伝子検査装置。
【請求項11】
請求項9記載の遺伝子検査装置において、上記複数の試薬容器のうち一部が試薬吸着材、およびミスト飛散防止フィルタを有する試薬廃棄容器であり、上記分注手段に残留する使用済み試薬を吐出させ、これを捕捉する機能を有することを特徴とする遺伝子検査装置。
【請求項12】
液体試料中の遺伝子を検査する遺伝子検査装置に用いられ、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出する遺伝子検査用分注装置において、
核酸捕捉担体を内部に有し、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するためのニードル部と、
上記ニードル部を介して、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するプランジャ部と、
上記プランジャ部を移動可能に支持するシリンジ部と、
上記遺伝子検査装置に着脱可能に支持されるフランジ部と、
上記プランジャ部が上記遺伝子検査装置の駆動手段により駆動されるために、上記遺伝子検査装置に着脱可能に支持される駆動用端部と、
上記ニードル部に着脱可能に支持され、ニードル部の保護カバーであると共に分析対象物が収容される検出容器と、
を備えることを特徴とする遺伝子検査用分注装置。
【請求項1】
液体試料の分析部を有する化学分析装置において、
液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出する分注手段と、
上記分注手段を着脱可能に支持する支持部と、上記分注手段を駆動し、液体試料及び液体試薬の吸引及び吐出動作を行なわせる駆動部と、上記分注手段を移動させる移動部とを有する分注手段移動駆動手段と、
を備えることを特徴とする化学分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の化学分析装置において、上記分注手段は、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するためのニードル部を有し、このニードル部に着脱可能な検出容器を備え、この検出容器に分析対象物が収容された状態で上記分析部により分析対象物が分析された後、上記ニードル部に上記検出容器が取り付けられ、この検出容器が上記ニードル部に取り付けられた状態で上記分注手段と共に上記分注手段移動駆動手段から取り外されることを特徴とする化学分析装置。
【請求項3】
請求項2記載の化学分析装置において、液体試料と液体試薬とを収容する検体収容容器と、この検体収容容器を回転させる回転駆動手段を備えることを特徴とする化学分析装置。
【請求項4】
液体試料を分析する化学分析装置に用いられ、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出する分注装置において、
液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するためのニードル部と、
上記ニードル部を介して、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するプランジャ部と、
上記プランジャ部を移動可能に支持するシリンジ部と、
上記化学分析装置に着脱可能に支持されるフランジ部と、
上記プランジャ部が上記化学分析装置の駆動手段により駆動されるために、上記化学分析装置に着脱可能に支持される駆動用端部と、
上記ニードル部に着脱可能に支持され、ニードル部の保護カバーであると共に分析対象物が収容される検出容器と、
を備えることを特徴とする分注装置。
【請求項5】
液体試料中の遺伝子を検査する検査部を有する遺伝子検査装置において、
核酸捕捉担体を内部に有し、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出し、する分注手段と、
上記分注手段を着脱可能に支持する支持部と、上記分注手段を駆動し、液体試料及び液体試薬の吸引及び吐出動作を行なわせる駆動部と、上記分注手段を移動させる移動部とを有する分注手段移動駆動手段と、
を備えることを特徴とする遺伝子検査装置。
【請求項6】
請求項5記載の遺伝子検査装置において、上記分注手段は、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するためのニードル部を有し、このニードル部に着脱可能な検出容器を備え、この検出容器に検査対象物が収容された状態で上記検査部により検査対象物が検査された後、上記ニードル部に上記検出容器が取り付けられ、この検出容器が上記ニードル部に取り付けられた状態で上記分注手段と共に上記分注手段移動駆動手段から取り外されることを特徴とする遺伝子検査装置。
【請求項7】
請求項6記載の遺伝子検査装置において、液体試料と液体試薬とを収容する検体収容容器と、この検体収容容器を回転させる回転駆動手段を備えることを特徴とする化学分析装置。
【請求項8】
請求項5記載の遺伝子検査装置において、上記分注手段に着脱される溶液分注用チップと、上記分注手段に着脱される核酸抽出用チップと、上記分注手段に上記核酸抽出用チップが取り付けられた状態で、上記核酸抽出用チップをカバーし、上記分注手段に着脱可能な検出容器とを備え、この検出容器に検査対象物が収容された状態で上記検査部により検査対象物が検査された後、上記分注手段に上記検出容器が取り付けられ、この検出容器が上記分注手段に取り付けられた状態で上記分注手段と共に上記分注手段移動駆動手段から取り外されることを特徴とする遺伝子検査装置。
【請求項9】
請求項5記載の遺伝子検査装置において、一体構造となった複数の試薬容器を備えることを特徴とする遺伝子検査装置。
【請求項10】
請求項9記載の遺伝子検査装置において、上記試薬容器は内部の試薬を保護し、飛散を防止するために表面を保護フィルムで被覆され、上記分注手段はニードル部を有し、このニードル部は上記保護フィルムを穿孔することを特徴とする遺伝子検査装置。
【請求項11】
請求項9記載の遺伝子検査装置において、上記複数の試薬容器のうち一部が試薬吸着材、およびミスト飛散防止フィルタを有する試薬廃棄容器であり、上記分注手段に残留する使用済み試薬を吐出させ、これを捕捉する機能を有することを特徴とする遺伝子検査装置。
【請求項12】
液体試料中の遺伝子を検査する遺伝子検査装置に用いられ、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出する遺伝子検査用分注装置において、
核酸捕捉担体を内部に有し、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するためのニードル部と、
上記ニードル部を介して、液体試料及び液体試薬を内部に吸引し、吐出するプランジャ部と、
上記プランジャ部を移動可能に支持するシリンジ部と、
上記遺伝子検査装置に着脱可能に支持されるフランジ部と、
上記プランジャ部が上記遺伝子検査装置の駆動手段により駆動されるために、上記遺伝子検査装置に着脱可能に支持される駆動用端部と、
上記ニードル部に着脱可能に支持され、ニードル部の保護カバーであると共に分析対象物が収容される検出容器と、
を備えることを特徴とする遺伝子検査用分注装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−19922(P2009−19922A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−181314(P2007−181314)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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