説明

化学化合物

式(I)
【化1】


[式中:XがNRであるときには、Yは不在であるかもしくはCHであり;XがCHであるときには、Yは不在であるか、CH、NR、O、S、S(O)もしくはS(O)であり;Zは、5−もしくは6−員環の複素環式環である]の化合物;それらを含む組成物;それらを製造するための方法および医学治療(例えば、温血動物でのCCR5受容体活性を調整する)におけるをれらの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬活性を有する複素環式誘導体に、そのような誘導体を製造する方法に、そのような誘導体を含む医薬組成物におよび活性な治療薬剤としてのそのような誘導体の使用に関する。
【0002】
医薬的に活性なピペリジン誘導体は、PCT/SE01/01053、EP−A1−1013276、WO 00/08013、WO 99/38514およびWO 99/04794の中に開示されている。
【0003】
ケモカインは、マクロファージ、T細胞、好酸球、好塩基球および好中球を炎症部位に誘引するために多様な細胞により放出される走化性サイトカインであり、そしてまた免疫系の細胞の成熟に役割を演じている。ケモカインは、喘息およびアレルギー性疾患、ならびに関節リウマチのような自己免疫性病変およびアテローム性動脈硬化症を含む種々の疾患や障害における免疫のおよび炎症の反応において重要な役割を演じている。これらの分泌性小分子は、保存された四つのシステインモチーフにより特色化される、8〜14kDaのタンパク質の成長中のスーパーファミリーである。ケモカインスーパーファミリーは、特色的な構造モチーフを示す二つの主なグループ、Cys−X−Cys(C−X−C、もしくはα)およびCys−Cys(C−C、もしくはβ)のファミリーに分けることができる。これらは、NH近傍の一対のシステイン残基間の1個のアミノ酸挿入および配列類似性に基づいて区別される。
【0004】
C−X−Cケモカインには、インターロイキン−8(IL−8)および好中球活性化ペプチド2(NAP−2)のような数個の強力な化学誘引物質および好中球の活性化物質が含まれる。
【0005】
C−Cケモカインには、ヒト単球走化性タンパク質1〜3(MCP−1、MCP−2およびMCP−3)、RANTES(活性化により制御され、正常なTで発現されて、分泌される)、エオタキシンならびにマクロファージ炎症タンパク質1αおよび1β(MIP−1αおよびMIP−1β)のような、好中球ではなく、単球ならびにリンパ球の強力な化学誘引物質が含まれる。
【0006】
研究は、ケモカインの作用がGタンパク質と連結した受容体のサブファミリーにより仲介されることを立証しており、それらの中にはCCR1、CCR2、CCR2A,CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3およびCXCR4と命名される受容体がある。これらの受容体は、これらの受容体を調整する薬剤は上述のもののような障害および疾患の処置に有用であるので、薬物の開発のための良好な標的を代表する。
【0007】
CCR5受容体は、Tリンパ球、単球、マクロファージ、樹状細胞、ミクログリアおよび他の細胞タイプの上に発現されている。これらは、数種のケモカイン、主として“活性化により調節され、正常のT細胞に発現されて、分泌される”(RANTES)、マクロファージ炎症タンパク質(MIP)MIP−1αおよびMIP−1βならびに単球化学誘因性タンパク質−2(MCP−2)を検出してこれらに応答する。
【0008】
この結果は免疫系細胞の疾患部位への動員をもたらす。多くの疾患において、組織損傷に直接にもしくは間接的に寄与するのは、CCR5を発現している細胞である。その結果として、これらの細胞の動員を阻害することは幅広い疾患において有益である。
【0009】
CCR5はまた、HIV−1および他のウイルスの補助受容体であって、これらのウイルスが細胞に入るのを許容する。CCR5アンタゴニストを持つ受容体を閉鎖することもしくはCCR5アゴニストを持つ受容体の内在化を誘導することは、細胞をウイルス感染から保護する。
【発明の開示】
【0010】
本発明は、式(I)
【化1】

〔式中
は、C1〜8アルキル、C(O)NR1011、C(O)12、NR13C(O)R14、NR15C(O)NR1617、NR18C(O)19、複素環、アリールもしくはヘテロアリールであり;
10、R13、R15、R16およびR18は、水素もしくはC1〜6アルキルであり;
11、R12、R14、R17およびR19は、C1〜8アルキル(ハロ、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル(ハロにより所望により置換されている)、C5〜6シクロアルケニル、S(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリールオキシもしくはアリールオキシにより所望により置換されている)、アリール、ヘテロアリール、C3〜7シクロアルキル(ハロ、C1〜4アルキルもしくはC1〜4ハロアルキルにより所望により置換されている)、フェニル環に縮合しているC4〜7シクロアルキル、C5〜7シクロアルケニル、または、複素環であるか;またはR11、R12、R14およびR17は、水素であってもよく;
またはR10およびR11、ならびに/もしくはR16およびR17は、結合して、窒素、酸素もしくは硫黄原子を所望により含む4−、5−または6−員環を形成し得て、当該環はC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、S(O)(C1〜6アルキル)もしくはC(O)(C1〜6アルキル)により所望により置換されていて;
は、C1〜6アルキル、フェニル、ヘテロアリールもしくはC3〜7シクロアルキルであり;
XがNRであるときには、Yは不在であるかもしくはCHであり;
XがCHであるときには、Yは不在であるか、CH、NR、O、S、S(O)もしくはS(O)であり;
【0011】
Zは、5−もしくは6−員環の複素環式環であり;
、RおよびRは、独立して、水素もしくはC1〜6アルキルであり;
は、水素、C1〜4アルキル、C3〜4アルケニル、C3〜4アルキニルもしくはC3〜6シクロアルキルであり;
アリール、フェニルおよびヘテロアリールの部分は、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、OC(O)NR2021、NR2223、NR24C(O)R25、NR26C(O)NR2728、S(O)NR2930、NR31S(O)32、C(O)NR3334、CO36、NR37CO38、S(O)39、OS(O)49、C1〜6アルキル(S(O)50もしくはC(O)NR5152により所望によりモノ−置換されている)、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜10シクロアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ(C1〜6)アルキル、C1〜6アルコキシ(CO53、C(O)NR5455、シアノ、ヘテロアリールもしくはC(O)NHS(O)56により所望によりモノ−置換されている)、NHC(O)NHR57、C1〜6ハロアルコキシ、フェニル、フェニル(C1〜4)アルキル、フェノキシ、フェニルチオ、フェニルS(O)、フェニルS(O)、フェニル(C1〜4)アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1〜4)アルキル、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリール(C1〜4)アルコキシにより独立して所望により置換されていて;直前に記載のフェニルおよびヘテロアリールの部分のいずれかが、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、S(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1〜4アルキル)、S(O)N(C1〜4アルキル)、シアノ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C(O)NH、C(O)NH(C1〜4アルキル)、C(O)N(C1〜4アルキル)、COH、CO(C1〜4アルキル)、NHC(O)(C1〜4アルキル)、NHS(O)(C1〜4アルキル)、CFもしくはOCFで所望により置換されており;
【0012】
別に言及されない限り複素環の部分は、C1〜6アルキル[フェニル{それ自身ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、OCF、(C1〜4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1〜4アルキルチオ、S(O)(C1〜4アルキル)もしくはS(O)(C1〜4アルキル)により所望により置換されている}またはヘテロアリール{それ自身ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、(C1〜4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1〜4アルキルチオ、S(O)(C1〜4アルキル)もしくはS(O)(C1〜4アルキル)により所望により置換されている}により所望により置換されている]、フェニル{ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、OCF、(C1〜4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1〜4アルキルチオ、S(O)(C1〜4アルキル)もしくはS(O)(C1〜4アルキル)により所望により置換されている}、ヘテロアリール{ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、(C1〜4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1〜4アルキルチオ、S(O)(C1〜4アルキル)もしくはS(O)(C1〜4アルキル)により所望により置換されている}、SONR40NR41、C(O)R42、C(O)(C1〜6アルキル)(tert−ブトキシカルボニルのような)、C(O)(フェニル((C1〜2アルキル))(ベンジルオキシカルボニルのような)、C(O)NHR43、S(O)44、NHS(O)NHR45、NHC(O)R46、NHC(O)NHR47もしくはNHS(O)48により所望により置換されている;ただし、これらの最後の四つの置換基の何も環窒素に連結しておらず;
k、l、pおよびqは、独立して、0,1もしくは2であり;
20、R22、R24、R26、R27、R29、R31、R33、R37、R40、R51およびR54は、独立して、水素もしくはC1〜6アルキルであり;
21、R23、R25、R28、R30、R32、R34、R36、R38、R39、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R52、R53、R55、R56およびR57は、独立して、C1〜6アルキル(ハロ、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル、C5〜6シクロアルケニル、S(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、ヘテロアリール、フェニル、ヘテロアリールオキシもしくはフェニルオキシにより所望により置換されている)、C3〜7シクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールであり;直前に記載のフェニルおよびヘテロアリールの部分のいずれかが、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、S(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1〜4アルキル)、S(O)N(C1〜4アルキル)、シアノ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C(O)NH、C(O)NH(C1〜4アルキル)、C(O)N(C1〜4アルキル)、COH、CO(C1〜4アルキル)、NHC(O)(C1〜4アルキル)、NHS(O)(C1〜4アルキル)、C(O)(C1〜4アルキル)、CFもしくはOCFで所望により置換されており;
【0013】
21、R23、R25、R28、R30、R34、R35、R36、R41、R42、R43、R45、R46、R47、R52、R53、R55およびR57は、これに加えて水素であってもよく:
これに代えて、R20およびR21、ならびに/もしくはR22およびR23、ならびに/もしくはR27およびR28、ならびに/もしくはR29およびR30、ならびに/もしくはR33およびR34、ならびに/もしくはR51およびR52、ならびに/もしくはR54およびR55、ならびに/もしくはR40およびR41はは結合して、ハロ、C1〜4アルキルまたはフェニル[そこでは、フェニル環が、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1〜4アルキル)、S(O)N(C1〜4アルキル)、NHS(O)(C1〜4アルキル)、NH、NH(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキル)、NHC(O)NH、C(O)NH、C(O)NH(C1〜4アルキル)、NHC(O)(C1〜4アルキル)、COH、CO(C1〜4アルキル)、C(O)(C1〜4アルキル)、CF、CHF、CHF、CHCFもしくはOCFで所望により置換されている]で所望により置換されている、5−もしくは6−員環の環を形成し得て;
mは0,1もしくは2である。〕
の化合物;またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0014】
本発明のある特定の化合物は、異なる異性体の形(鏡像異性体、ジアステレオマー、幾何異性体もしくは互変異性体のような)で存在し得る。本発明は、全てのそのような異性体および全ての割合におけるそれらの混合物をカバーする。
【0015】
適当な塩には、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマール酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シユウ酸塩、メタンスルホン酸塩、コハク酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩のような酸付加塩が含まれる。
本発明の化合物は溶媒和物(水和物のような)として存在し得て、そして本発明は全てのそのような溶媒和物をカバーする。
【0016】
アルキルの基および部分は、直鎖のもしくは枝分れ鎖であって、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチルもしくはtert−ブチルである。メチルは、これ以下においてMeと時々省略される。
ハロアルキルは、例えば、1〜3個のような、1〜6個の、ハロゲン(フッ素のような)原子を含んで、例えば、CFもしくはCHCFである。
シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロペンチルもしくはシクロヘキシルである。
【0017】
フェニル(C1〜4アルキル)は、例えば、ベンジル、1−(フェニル)エチ−1−イルもしくは1−(フェニル)エチ−2−イルである。
ヘテロアリール(C1〜4アルキル)は、例えば、ピリジニルメチル、ピリミジニルメチルもしくは1−(ピリジニル)エチ−2−イルである。
フェニル(C1〜4アルコキシ)は、例えば、ベンジルオキシもしくは1−(フェニル)エチ−1−イルオキシである。
アリールオキシは、例えば、フェノキシである。
【0018】
ヘテロアリールオキシは、例えば、ピリジニルオキシおよびピリミジニルオキシである。
ヘテロアリール(C1〜4アルコキシ)は、例えば、ピリジニルメトキシ、ピリミジニルメトキシもしくは1−(ピリジニル)エチ−2−オキシである。
【0019】
ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含んで、一つもしくはそれ以上の他の環と所望により縮合している、芳香族の5もしくは6員環;もしくはそのN−オキシド、またはそのS−オキシドもしくはS−ジオキシドである。ヘテロアリールは、例えば、フリル、チエニル(チオフェニルとしてまた知られる)、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、[1,2,4]−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミニジル、ピラジニル、インドリル、ベンゾ[b]フリル(ベンズフリルとしてまた知られる)、ベンズ[b]チエニル(ベンズチエニルもしくはベンズチオフェニルとしてまた知られる)、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、1,2,3−ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル(イミダゾ[1,2a]ピリジニルのような)、チエノ[3,2−b]ピリジン−6−イル、1,2,3−ベンゾキサジアゾリル(ベンゾ[1,2,3]チアジアゾリルとしてまた知られる)、2,1,3−ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフラザン(2,1,3−ベンゾキサジアゾリルとしてまた知られる)、キノオキサリニル、ピラゾロピリジン(例えば、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジニル)、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル(例えば、[1,6]ナフチリジニルもしくは[1,8]ナフチリジニル)、ベンゾチアジニルまたはジベンゾチオフェニル(ジベンゾチエニルとしてまた知られる);またはそのN−オキシド、またはそのS−オキシドもしくはS−ジオキシドである。
【0020】
適当な5−もしくは6−員環の複素環(Z基)は、一つもしくは二つの窒素原子と、所望により一つの酸素または硫黄原子を有する環を含む。適当な環は、例えば、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリンもしくはピロリジンである。本発明の一つの態様において、Zは、ピペリジン、ピペラジンもしくはピロリジン(ピペリジンもしくはピペラジンのような)である。
【0021】
さらなる態様において、本発明は、式(I)[式中、特に指示しない限り、アリール、フェニルおよびヘテロアリールの部分は、一つもしくはそれ以上のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、S(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1〜4アルキル)、S(O)N(C1〜4アルキル)、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、CHS(O)(C1〜6アルキル)、OS(O)(C1〜6アルキル)、OCHヘテロアリール(OCHテトラゾリルのような)、OCHCOH、OCHCO(C1〜6アルキル)、OCHC(O)NH、OCHC(O)NH(C1〜6アルキル)、OCHCN、NH、NH(C1〜6アルキル)、N(C1〜6アルキル)、C(O)NH、C(O)NH(C1〜6アルキル)、C(O)N(C1〜6アルキル)、C(O)[Nに連結した複素環]、COH、CO(C1〜6アルキル)、NHC(O)(C1〜6アルキル)、NHC(O)O(C1〜6アルキル)、NHS(O)(C1〜6アルキル)、CF、CHF、CHF、CHCF、OCF、フェニル、ヘテロアリール、フェニル(C1〜4アルキル)、ヘテロアリール(C1〜4アルキル)、NHC(O)フェニル、NHC(O)ヘテロアリール、NHC(O)(C1〜4アルキル)フェニル、NHC(O)(C1〜4アルキル)ヘテロアリール、NHS(O)フェニル、NHS(O)ヘテロアリール、NHS(O)(C1〜4アルキル)フェニル、NHS(O)(C1〜4アルキル)ヘテロアリール、NHC(O)NH(C1〜6アルキル)、NHC(O)NH(C3〜7シクロアルキル)、NHC(O)NHフェニル、NHC(O)NHヘテロアリール、NHC(O)NH(C1〜4アルキル)フェニルもしくはNHC(O)NH(C1〜4アルキル)ヘテロアリール;[そこでは、先行するフェニルおよびヘテロアリールの基が、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、S(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1〜4アルキル)、S(O)N(C1〜4アルキル)、シアノ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C(O)NH、C(O)NH(C1〜4アルキル)、C(O)N(C1〜4アルキル)、COH、CO(C1〜4アルキル)、NHC(O)(C1〜4アルキル)、NHS(O)(C1〜4アルキル)、CFもしくはOCFで所望により置換されている]により独立して所望により置換されている]化合物を提供する。
【0022】
なおもう一つの態様において、本発明は、式(I)[式中、特に指示しない限り、アリール、フェニルおよびヘテロアリールの部分は、一つもしくはそれ以上のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、S(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1〜4アルキル)、S(O)N(C1〜4アルキル)、シアノ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C(O)NH、C(O)NH(C1〜4アルキル)、COH、CO(C1〜4アルキル)、NHC(O)(C1〜4アルキル)、NHS(O)(C1〜4アルキル)、CF、CHF、CHF、CHCFもしくはOCFにより独立して所望により置換されている]化合物を提供する。
【0023】
本発明のもう一つの態様において、R10、R13、R15、R16およびR18は、水素もしくはC1〜4アルキル(例えばメチル)である。なおもう一つの態様において、R10、R13、R15、R16およびR18は、水素である。
【0024】
本発明のさらなる態様において、R11、R12、R14、R17およびR19は、C1〜8アルキル(ハロ、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル(ハロにより所望により置換されている)、C5〜6シクロアルケニル、S(O)(C1〜4アルキル)、ヘテロアリール、フェニル、ヘテロアリールオキシもしくはアリールオキシ(例えばフェノキシ)により所望により置換されている)、フェニル、ヘテロアリール、C3〜7シクロアルキル(ハロもしくはC1〜4アルキルにより所望により置換されている)、フェニル環に縮合しているC4〜7シクロアルキル、C5〜7シクロアルケニル、または、複素環(それ自身オキソ、C(O)(C1〜6アルキル)、S(O)(C1〜6アルキル)、ハロもしくはC1〜4アルキルにより所望により置換されている)であり;kは0、1もしくは2であり;またはR10およびR11、ならびに/もしくはR16およびR17は、結合して、窒素、酸素もしくは硫黄原子を所望により含む4−、5−または6−員環を形成し得て、当該環はC1〜6アルキルもしくはC(O)(C1〜6アルキル)により所望により置換されている。
【0025】
本発明のなおもう一つの態様において、R11、R12、R14、R17およびR19は、C1〜8アルキル(ハロ(フルオロのような)により所望により置換されている)、フェニル(上に列挙されるように所望により置換されている)、C3〜6シクロアルキル(ハロ(フルオロのような)により所望により置換されている)もしくはCに連結した窒素を含有する複素環(環窒素の上で所望により置換されている)である。
【0026】
さらなる態様において、Rは、NHC(O)R14、フェニルもしくは複素環(式中、R14は上で規定されるようであり、そしてフェニルおよび複素環は上で記述されるように所望により置換されている)である。
本発明のもう一つの態様において、Rは、NR13C(O)R14(式中、R13およびR14は上で規定されるようである)である。例えば、R13は水素である。
【0027】
本発明のなおもう一つの態様において、R14は、C1〜8アルキル(ハロ(例えばCFCHを形成する、フルオロのような)により所望により置換されている)、フェニル(上に列挙されるように所望により置換されている)、C3〜6シクロアルキル(ハロ(例えば1,1−ジフルオロシクロヘクス−4−イルを形成する、フルオロのような)により所望により置換されている)またはCに連結した窒素を含有する複素環(環窒素の上で所望により置換されている、テトラヒドロピランもしくはピペリジンのような)である。
【0028】
もう一つの態様において、本発明は、本発明の化合物[そこでは、R14は、C1〜8アルキル(ハロ(例えばCFCHを形成する、フルオロのような)により所望により置換されている)、フェニル(ハロにより所望により置換されている)、もしくはC5〜6シクロアルキル(ハロ(例えば1,1−ジフルオロシクロヘクス−4−イルを形成する、フルオロのような)により所望により置換されている)である]を提供する。
【0029】
本発明のさらなる態様において、Rの複素環は、C1〜6アルキル[フェニル{それ自身ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、OCF、(C1〜4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1〜4アルキルチオもしくはS(O)(C1〜4アルキル)により所望により置換されている}またはヘテロアリール{それ自身ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、(C1〜4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1〜4アルキルチオもしくはS(O)(C1〜4アルキル)により所望により置換されている}により所望により置換されている]、フェニル{ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、OCF、(C1〜4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1〜4アルキルチオもしくはS(O)(C1〜4アルキル)により所望により置換されている}、ヘテロアリール{ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、(C1〜4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1〜4アルキルチオまたはS(O)(C1〜4アルキル)もしくはS(O)(C1〜4アルキル)により所望により置換されている}、SONR40NR41、C(O)R42、C(O)NHR43またはS(O)44(式中、R40、R41、R42、R43、およびR44は、独立して、水素もしくはC1〜6アルキルである)により所望により置換(例えば、存在するときには環窒素原子上で単一に置換されるように)されている。
【0030】
本発明のなおもう一つの態様において、Rは、所望により置換されているアリール(所望により置換されているフェニルのような)もしくは所望により置換されているヘテロアリール(そこでは、所望の置換基は上で列挙されたようである)である。
【0031】
本発明のさらなる態様において、Rが複素環であるときには、それは、例えば、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロジオキシチオピラン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジンもしくはアゼチジンである。もう一つの態様において、Rが複素環であるときには、それは、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジンもしくはアゼチジンである。
【0032】
本発明のさらなる態様において、Rは、所望により置換されている:ピペリジン−1−イル、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−3−イル、アゼチジン−1−イルもしくはアゼチジン−3−イルのような、所望により置換されている複素環である。
【0033】
本発明のなおもう一つの態様において、Rの複素環は、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、フェニル{ハロ(例えばフルオロ)、C1〜4アルキル(例えばメチル)、C1〜4アルコキシ(例えばメトキシ)、CF、OCF、により所望により置換されている}、S(O)(C1〜4アルキル)(例えば、S(O)CH、S(O)CHCHもしくはS(O)CH(CH))、S(O)(C1〜4フルオロアルキル)(例えば、S(O)CFもしくはS(O)CHCF)、S(O)フェニル{ハロ(例えばクロロ)、シアノ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、CF、OCF、S(O)(C1〜4アルキル)(例えば、S(O)CHもしくはS(O)CHCHCH)またはS(O)(C1〜4フルオロアルキル)(例えば、S(O)CHCF)により所望により置換(モノ−置換されるように)されている}、ベンジル{ハロ(例えばクロロもしくはフルオロ)、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ(例えばメトキシ)、CFもしくはOCFにより所望により置換されている}、C(O)H、C(O)(C1〜4アルキル)、ベンゾイル{ハロ(例えばクロロもしくはフルオロ)、C1〜4アルキル(例えばメチル)、C1〜4アルコキシ、CFもしくはOCFにより所望により置換されている}、C(O)(C1〜6アルキル)、C(O)NH、C(O)NH(C1〜4アルキル)またはC(O)NHフェニル{ハロ(例えばフルオロ)、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、CF、OCF、により所望により置換されている}によりモノ−置換されている。当該複素環は、S(O)N(C1〜4アルキル)によりまたモノ−置換され得る。なおさらなる態様において、当該複素環は、4−置換のピペリジン−1−イル、1−置換のピペリジン−4−イル、4−置換のピペラジン−1−イル、3−置換のピロリジン−1−イル、1−置換のピロリジン−3−イル、3−置換のアゼチジン−1−イルもしくは1−置換のアゼチジン−3−イル(例えば、そこでは当該置換基はこの節において先に列挙されたように)である。もう一つの態様において、当該複素環は、1−置換のピペリジン−4−イルまたは4−置換のピペラジン−1−イル[そこでは置換基は、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4ハロアルキル)、S(O)(フェニル)、S(O)N(C1〜4アルキル)もしくはフェニルである]である。
【0034】
本発明のもう一つの態様において、Rは、ピペリジニルまたはピペラジにル(ピペリジン−4−イルもしくはピペラジン−1−イルのような)であり、そのいずれかが、フェニル、S(O)39(式中R39は、C1〜4アルキル(メチルもしくはエチルのような)、フェニルまたはCFである)またはSONR29NR30(式中、R29およびR30は、独立して、C1〜4アルキル(メチルのような)である)によりN−置換されている。
【0035】
本発明のなおもう一つの態様において、Rは、NHC(O)R14[式中、R14は、C1〜4ハロアルキル(例えば、CHCFもしくはCHCHCFのような、C1〜4フルオロアルキル)、フェニル(ハロにより所望により置換されている)またはC3〜6シクロアルキル(一つもしくは二つのフルオロにより置換されている)である]である。
本発明のさらなる態様において、Rは、S(O)39[式中R39は、C1〜4アルキル(メチルのような)である]により所望により置換されているフェニルである。
【0036】
本発明のなおさらなる態様において、Rは、CFにより所望により置換されているヘテロアリール(ピリジニルのような)である。
本発明のもう一つの態様において、Rは、複素環(テトラヒドロピランもしくはテトラヒドロチオピランのような)である。
【0037】
本発明のなおもう一つの態様において、Rは、フェニルまたはヘテロアリールであり、そのいずれかが、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、S(O)(C1〜4アルキル)、ニトロ、シアノもしくはCF(式中、nは、0、1または2、例えば0もしくは2、である)により所望により置換されている。Rがヘテロアリールであるときには、それは例えば、所望により置換されているチオフェニル(即ち、チエニル)である。
さらなる態様において、Rは、フェニルまたはチエニルであり、そのいずれかが、ハロ(クロロもしくはフルオロのような)またはCFにより所望により置換されている。
【0038】
なおさらなる態様において、Rは、ハロ(フルオロのような)もしくはCFにより所望により置換されているフェニルである。例えば、Rは、フェニル、3−フルオロフェニル、3−クロロフェニル、3−CF−フェニル、3,5−ジクロロフェニルもしくは3,5−ジフルオロフェニルである。本発明のなおさらなる態様において、Rは、フェニル、3−フルオロフェニルもしくは3,5−ジフルオロフェニルである。
【0039】
本発明のもう一つの態様において、Rは、水素もしくはメチルである。本発明のさらなる態様において、RがC1〜4アルキル(メチルのような)であるときには、それにRが付着する炭素はRの絶対配置を有している。本発明のなおもう一つの態様において、Rは水素である。
【0040】
本発明のさらなる態様において、Rは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、アリルもしくはシクロプロピルである。もう一つの態様において、Rはエチルである。
もう一つの態様において、XはCHであって、Yは不在である。
なおもう一つの態様において、XはNHであって、YはCHである。
【0041】
さらなる態様において、ZはC(O)(C1〜6アルキル)、C(O)(C1〜6アルコキシ)もしくはS(O)(C1〜4アルキル)により所望により置換されている(環窒素の上のように)複素環(ピペリジニルもしくはピペラジニルのような)である。
【0042】
さらなる態様において、本発明は、式(Ia):
【化2】

[式中、R2aは一つもしくは2個のハロゲン(例えば二つのフルオロ)であり;RはC1〜4アルキル(例えばエチルもしくはn−プロピル)であり;ZはCHもしくはNであり;ZはC(O)(C1〜6アルキル)(アセチルのような)、C(O)(C1〜6アルコキシ)(tert−ブトキシカルボニルのような)もしくはS(O)(C1〜4アルキル)(S(O)CHのような)である]の化合物を提供する。
【0043】
なおもう一つの態様において、本発明は、式(Ib):
【化3】

[式中、R2aおよびZは上で規定されるようである]の化合物を提供する。
【0044】
なおもう一つの態様において、本発明は、式(Ic):
【化4】

[式中、R2aおよびZは上で規定されるようであり;Zは酸素もしくはN−S(O)(C1〜4アルキル)(N−S(O)CHのような)である]の化合物を提供する。
【0045】
なおもう一つの態様において、本発明は、式(Id):
【化5】

[式中、R2aおよびZは上で規定されるようである]の化合物を提供する。
【0046】
なおもう一つの態様において、本発明は、式(Ie):
【化6】

[式中、R2a、R、ZおよびZは上で規定されるようである]の化合物を提供する。
【0047】
なおもう一つの態様において、本発明は、式(If):
【化7】

[式中、R2a、RおよびZは上で規定されるようである]の化合物を提供する。
【0048】
表I、II、III、IV、VおよびVIに列挙される化合物は本発明を説明する。
【0049】
表I
表Iは、式(Ia)の化合物を含む。
【化8】

【表1】

【0050】
表II
表IIは、式(Ib)の化合物を含む。
【化9】

【表2】

【0051】
表III
表IIIは、式(Ic)の化合物を含む。
【化10】

【表3】

【0052】
表IV
表IVは、式(Id)の化合物を含む。
【化11】

【表4】

【0053】
表V
表Vは、式(Ie)の化合物を含む。
【化12】

【表5】

【0054】
表VI
表VIは、式(If)の化合物を含む。
【化13】

【表6】

【0055】
なおもう一つの態様において、本発明は、上の表に列挙されたそれぞれの個別の化合物を提供する。
式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)および(If)の化合物を下に示すように製造することができる。
【0056】
本発明の化合物を、式(II):
【化14】

の化合物を式(III):
【化15】

の化合物と還元的アミノ化条件{例えば、適当な溶媒(メタノールのような脂肪族のアルコールのような)、適当な有機酸(脂肪族の酸、例えば酢酸のような)および適当な還元剤(水素化トリアセトキシホウ素ナトリウムもしくは水素化シアノホウ素ナトリウムのような)の存在下において}の下で、反応させることにより製造することができる。
【0057】
これに代えて、本発明の化合物を、式(IV):
【化16】

[式中、脱離基のLGは、例えば、トシレート、メシレート、トリフレートもしくはハロゲンである]の化合物を;式(III)の化合物と、標準的な文献条件下に、反応させることにより製造することができる。
【0058】
これに代えて、本発明の化合物を、(V):
【化17】

を、
XがCHであるときには、式(VI):
【化18】

[式中、LGは、例えば、ハロゲン、活性エステルもしくはHATUのようなカルボジイミドカップリング剤で活性化された、OH(かくしてカルボン酸を形成する)または酸とカルボニルジイミダゾールの反応の活性生成物である]の化合物を反応させるか(該反応は塩基(トリエチルアミンのような)の存在下に不活性溶媒(ジクロロメタンのような)中で行う);
または
XがNHであるときには、式(VII):
【化19】

の化合物と反応させるか(該反応は塩基(トリエチルアミンのような)の存在下に不活性溶媒(ジクロロメタンのような)の中で行う);
または
XがNRであるときには、式(VIII):
【化20】

[式中、LGは、ハロゲンもしくは活性エステルである]の化合物と反応させることにより(該反応は、塩基(トリエチルアミンのような)の存在下に不活性溶媒(ジクロロメタンのような)の中で行う)、製造することができる。
【0059】
式(V)の化合物を、(IX):
【化21】

[式中、保護基のPGは、例えば、ベンジル、Cbz(ベンジルオキシカルボニル)もしくはtert−ブトキシカルボニルであって、水素化によりもしくは酸(トリフルオロ酢酸のような)との処理により除去され得る]を脱保護することにより製造することができる。
【0060】
式(IX)の化合物を、(X):
【化22】

を、上記の式(II)もしくは(IV)の化合物と、式(II)もしくは(IV)の化合物と式(III)の化合物の反応について上述した条件を使用して、反応させることにより製造することができる。
【0061】
本発明の化合物(そこでは、Yが不在であり、XはCHでありそしてZはNを含有する複素環である)を式(XI):
【化23】

[式中、LGは、ハロゲン(臭素のような)、トシレートもしくはメシレートである]の化合物を、塩基(トリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミンのような)の存在下に不活性溶媒(ジクロロメタン、ジオキサンもしくはテトラヒドロフランのような)の中で環境温度から溶媒の沸点の範囲の温度で、N含有複素環と反応させることにより製造することができる。
【0062】
式(XI)の化合物を、当分野で既知の酸カップリング剤を用いて、ハロ酢酸との、もしくはハロゲン化ハロアセチルとの、式(V)の化合物の反応により製造することができる。
【0063】
なおさらなる態様において、本発明は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物を製造するための方法を提供する。方法における多くの中間体は、新規であり、そしてそれらは本発明のさらなる特徴として提供される。
【0064】
本発明の化合物は、医薬品として、特にケモカイン受容体(特にCCR5)活性のモジュレーター(アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニストもしくはアンタゴニストのような)として活性を有し、そして自己免疫性の、炎症性の、増殖性のもしくは高増殖性の疾患、または免疫的に仲介される疾患(移植された臓器もしくは組織の拒絶および後天性免疫不全症候群(AIDS)を含む)の処置に使用され得る。
【0065】
本発明の化合物は、ウイルス(ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のような)の標的細胞の中への侵入を阻害するのにまた価値を有して、それ故に、ウイルス(HIVのような)による感染の予防、ウイルス(HIVのような)による感染の処置ならびに後天性免疫不全症候群(AIDS)の予防および/もしくは処置に価値を有する。
【0066】
本発明のさらなる特徴にしたがって、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、またはその薬学的に許容される塩が、治療(予防を含んで)により温血動物(ヒトのような)の処置の方法における使用のために、提供される。
【0067】
本発明のさらなる特徴にしたがって、そのような処置を必要とする、ヒトのような、温血動物の中でケモカイン受容体活性(特にCCR5受容体活性)を調整するための方法であって、当該動物へ本発明の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩の有効な量を投与することを含む方法が提供される。
【0068】
本発明はまた、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物またはその薬学的に許容される塩の、医薬品、特に移植拒絶、呼吸器疾患、乾癬もしくは関節リウマチ(関節リウマチのような)の処置のための医薬品としての使用を提供する。[呼吸器疾患は、例えば、COPD、喘息{気管支の、アレルギー性の、内因性の、外因性の、もしくは粉塵誘発性(dust)の喘息のような、特に慢性または難治性喘息(例えば、遅発型喘息もしくは気道反応性亢進)}または鼻炎{急性の、アレルギー性の、萎縮性の鼻炎、または乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎もしくは薬物性鼻炎を含む慢性鼻炎;クループ性の、線維素性のまたは偽膜性の鼻炎もしくは腺病性(scrofoulous)の鼻炎を含む膜性鼻炎;神経性鼻炎を含む季節性鼻炎(枯草熱)または血管運動神経性鼻炎}であり;そして特に喘息もしくは鼻炎である]。
【0069】
もう一つの態様において、本発明は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、またはその薬学的に許容される塩の、治療(例えば、ヒトのような温血動物におけるケモカイン受容体活性(特にCCR5受容体活性(特に関節リウマチ))を調整する)において使用するための医薬品の製造における、使用を提供する。
【0070】
本発明はまた、医薬品、特に関節リウマチの処置用医薬品として使用するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0071】
もう一つの態様において、本発明は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、またはその薬学的に許容される塩の、治療(例えば、ヒトのような温血動物におけるケモカイン受容体活性(特にCCR5受容体活性(特に関節リウマチ))を調整する)において使用するための医薬品の製造における、使用を提供する。
【0072】
本発明はさらに、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物、またはその薬学的に許容される塩の、ヒトのような温血動物における、
(1)(気道)慢性閉塞性肺疾患(COPD)(非可逆性COPDのような);喘息{気管支の、アレルギー性の、内因性の、外因性のもしくは粉塵誘発性の喘息、特に慢性または難治性の喘息(例えば、遅発性喘息もしくは気道応答亢進)のような};気管支炎{好酸球増加性気管支炎のような};急性の、アレルギー性の、萎縮性の鼻炎または乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎もしくは薬物性鼻炎を含む慢性鼻炎;クループ性の、線維素性のまたは偽膜性の鼻炎もしくは腺病性の鼻炎を含む膜性鼻炎;神経性鼻炎を含む季節性鼻炎(枯草熱)または血管運動神経性鼻炎;サルコイドーシス、農夫肺および関連疾患;鼻茸症;肺線維症または特発性間質性肺炎:を含む気道の特発性疾患;
(2)(骨および関節)リウマチ性の、感染性の、自己免疫性の、血清陰性の脊椎関節症(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎もしくはライター病のような)、ベーチェット病、シェーグレン症候群もしくは全身性硬化症を含む関節炎;
(3)(皮膚および眼)乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎または他の湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水泡症、蕁麻疹、皮膚脈管炎、紅斑性脈管炎、皮膚好酸球増加症、ブドウ膜炎、円形脱毛症もしくは春季結膜炎;
(4)(消化管)小児脂肪便症、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性大腸炎もしくは胃から遠隔性に作用を有する食物関連アレルギー(例えば片頭痛、鼻炎もしくは湿疹);
(5)(同種異系移植片拒絶反応)例えば腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚もしくは角膜の移植後の急性のおよび慢性の拒絶反応;または慢性移植片対宿主病;ならびに/または
(6)(他の組織もしくは疾患)アルツハイマー病、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、ループス障害(紅斑性狼蒼もしくは全身性狼蒼のような)、エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、I型糖尿病、ネフローゼ症候群、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、ハンセン病(結節癩のような)、歯周病、セザリー症候群、特発性血小板減少性紫斑病もしくは月経周期の障害:
の処置における使用のための医薬品の製造における使用を提供する。
【0073】
本発明はさらに、ヒトのような温血動物におけるケモカイン仲介性の疾患状態(特にCCR5仲介性の疾患状態)を処置する方法であって、そのような処置を必要とする哺乳動物に式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効な量を投与することを含む方法を提供する。
【0074】
ヒトのような、温血動物の治療的処置のために、特にケモカイン受容体(例えば、CCR5受容体)の活性を調整するために、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物を使用するためには、当該成分は、標準的な薬学実施要綱にしたがって医薬組成物として通常製剤される。
【0075】
それ故に、もう一つの態様において、本発明は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物またはその薬学的に許容される塩(活性成分)および薬学的に許容されるアジュバント、賦形剤もしくは担体を含む医薬組成物を提供する。さらなる態様において、本発明は、活性成分を薬学的に許容されるアジュバント、賦形剤もしくは担体と混合することを含む当該組成物の製造のための方法を提供する。投与モードに依存して、医薬組成物は、例えば、0.05〜80%wのように、0.05〜99%w(重量パーセント)の、例えば、0.10〜70%w(0.10〜50%wのように)の活性成分を含む(ここで、全ての重量百分率は全体の組成物に基づく)。
【0076】
本発明の医薬組成物は、例えば、局所的(肺および/もしくは気管へまたは皮膚へ)、口腔内、直腸内または非経腸投与により、処置することが望まれる疾患状態に対して標準的な様式で投与され得る。これらの目的のために、本発明の化合物は、当分野において既知の手段により、例えば、エアゾール剤、乾燥粉末製剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、散剤、顆粒剤、水性のもしくは油性の溶液剤または懸濁剤、(脂質)乳剤、分散性散剤、坐薬、軟膏、クリーム、滴剤および無菌の注射用の水性のもしくは油性の溶液剤または懸濁剤の形に製剤され得る。
【0077】
本発明の適当な医薬組成物は、単回投与剤型で経口投与に適するもの、例えば、0.1mg〜1gの活性成分を含有する、錠剤もしくはカプセルである。
もう一つの態様において、本発明の医薬組成物は、静脈内、皮下もしくは筋肉内注射に適するものである。
【0078】
それぞれの患者に、例えば、0.01mg/kg〜100mg/kgの範囲の、好ましくは0.1mg/kg〜20mg/kgの範囲の、例えば、静脈内、皮下もしくは筋肉内の用量の本発明の化合物を投与してよく、組成物は、一日当り1〜4回投与される。静脈、皮下もしくは筋肉内の用量は、ボーラス注射の手段により投与し得る。これに代えて、静脈の用量は、ある期間にわたって連続注入により投与し得る。これに代えて、それぞれの患者に、一日の注射用量におよそ同等である一日の経口用量を投与し、組成物は、一日当り1〜4回投与される。
【0079】
以下は、ヒトにおいて治療的なもしくは予防的な使用のための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物またはその薬学的に許容される塩(以下では化合物X)を含有する代表的な医薬投与剤型を説明する:
【0080】
【表7】

【0081】
【表8】

【0082】
【表9】

【0083】
【表10】

【0084】
【表11】

【0085】
緩衝液、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロールもしくはエタノールのような薬学的に許容される共溶媒またはヒドロキシ−プロピルβ−シクロデキストリンのような複合化剤は、製剤化を助けるために使用され得る。
【0086】
上の製剤は、薬学分野において周知の従来の手順により得られ得る。錠剤(a)〜(c)は、例えば、酢酸フタール酸セルロースのコーティングを施すための、従来の手段により腸溶性コーティングし得る。
【0087】
本発明はさらに、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物またはその薬学的に許容される塩、または式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)もしくは(If)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が、並行して(可能であれば同じ組成物で)または上の疾患状態のいずれか一つの処置用の薬剤と一緒に連続して投与される、併用療法または組成物に関する。
【0088】
特に、炎症性疾患関節リウマチ、乾癬、炎症性大腸炎、COPD、喘息およびアレルギー性鼻炎の処置のために、本発明の化合物を、TNF−α阻害剤(抗TNFモノクローナル抗体(Remicade、CDP−870およびD.sub2.E.sub7.のような)またはTNF受容体イムノグロブリン分子(Enbrel.reg.のような)のような)、非選択的COX−1/COX−2阻害剤(ピロキシカムもしくはディクロフェナク;ナプロキセン、フルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンもしくはイブプロフェンのようなプロピオン酸;メフェナミン酸、インドメサシン、スリンダクもしくはアパゾンのようなフェナム酸;フェニルブタゾンのようなピラゾロン;またはアスピリンのようなサリチル酸のような)、COX−2阻害剤(メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブもしくはエトリコキシブのような)、低用量メトトレキセート、レフノミド;シクレソニド、ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミンもしくはオーラノフィン、または注射性のもしくは経口性の金剤と組合せることができる。
【0089】
本発明はなおさらに、本発明の化合物の、
・ジロートン、ABT−761、フェンロートン、テポキサリン、Abott−79175、Abott−85761、N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾン、Zeneca ZD−2138のようなメトキシテトラヒドロピラン、SB−210661、L−739,010のようなピリジニル−置換2−シアノナフタレン化合物;L−746,530のような2−シアノキノリン化合物;MK−591、MK−886もしくはBAY x 1005のようなインドールまたはキノリン化合物;のようなロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト;
・L−651,392のようなフェノチアジン−3−オン;CGS−25019cのようなアミジノ化合物;オンタゾラストのようなベンゾキサラミン;BILL284/260のようなベンゼンカルボキシミダミド;またはザフィルルカスト、アブルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト(MK−679)、RG−12525、Ro−245913、イラルカスト(CGP 45715A)もしくはBAY x 7195のような化合物;からなる群から選択される、ロイコトリエンLTB.sub4.、LTC.sub4.、LTD.sub4.もしくはLTE.sub4に対する受容体アンタゴニスト;
・イソ型PDE4Dの阻害剤を含むPDE4阻害剤;
・セチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アステミゾール、アゼラスチンもしくはクロルフェニラミンのような抗ヒスタミンH.sub1.受容体アンタゴニスト;
・胃保護性H.sub2.受容体アンタゴニスト;
・プロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノラミン、シュードエフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸キシロメタゾリンもしくは塩酸エチルノルエピネフリンのようなα.sub1.−およびα.sub2.−アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮交感神経模倣薬剤;
・臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピンもしくはテレンゼピンのような抗コリン作動剤;
【0090】
・メタプロテレノール、イソプロテレノール、イソプレナリン、アルブテロール、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、メシル酸ビトルテロールもしくはピルブテロールのようなβ.sub.1−〜β.sub4.−アドレナリン受容体アゴニスト、またはテオフィリンおよびアミノフィリンを含むメチルキサンタニン;クロモグリク酸ナトリウム;またはムスカリン受容体(M1、M2およびM3)アンタゴニスト;
・I型インシュリン様成長因子(IGF−I)模倣薬剤;
・プレドニソン、プレドニソロン、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ジプロピオン酸ベクロメタソン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカソンもしくはフロン酸モメタソンのような、低全身副作用を持つ吸入グルココルチコイド;
・コラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)、およびストロメライシン−3(MMP−11)もしくはMMP−12のような;ストロメライシン、コラゲナーゼ、またはゼラチナーゼもしくはアグリカナーゼのような、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の阻害剤;
・CCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10およびCCR11(C−Cファミリーに対する);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4およびCXCR5(C−X−Cファミリーに対する)ならびにC−X−Cファミリーに対するCXCR1のようなケモカイン受容体の機能のモジュレーター;
・ロロキシフェン、ドロロキシフェン、ラソフォキシフェンもしくはフォソマックスのような骨粗鬆症剤;
・FK−506、ラパマイシン、シクロスポリン、アザチオプリンもしくはメトトレキサートのような免疫抑制剤;または、
・骨関節炎の処置のための既存の治療薬、例えばピロキシカムもしくはジクロフェナクのような非ステロイド抗炎症剤(以後NSAID)、ナプロキセン、フルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンもしくはイブプロフェンのようなプロピオン酸、メフェナミン酸、インドメタシン、スリンダクもしくはアパゾンのようなフェナメート、フェニルブタゾンのようなピラゾロン、アスピリンのようなサリチル酸エステル、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブもしくはエトリコキシブのようなCOX−2阻害剤、コルチコステロイドのような鎮痛剤もしくは関節内治療薬またはヒアルガンもしくはシンビスクのようなヒアルロン酸、またはP2X7受容体アンタゴニスト:
との組み合わせに関する。
【0091】
本発明はなおさらに、本発明の化合物の、(i)トリプターゼ阻害剤;(ii)血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト;(iii)インターロイキン変換酵素(ICE)阻害剤;(iv)IMPDH阻害剤;(v)VLA−4アンタゴニストを含む接着分子阻害剤;(vi)カテプシン;(vii)MAPキナーゼ阻害剤;(viii)グルコース−6−リン酸エステル脱水素酵素阻害剤;(ix)キニン−B.sub1.−およびB.sub2.−受容体アンタゴニスト;(x)抗痛風剤、例えばコルヒチン:(xi)キサンチン酸化酵素阻害剤、例えばアロプリノール;(xii)尿酸排泄剤、例えばプロベネシド、スルフィンピラゾンもしくはベンズブロマロン;(xiii)成長ホルモン分泌促進物質;(xiv)トランスフォーミング成長因子(TGFβ);(xv)血小板由来成長因子(PDGF);(xvi)線維芽細胞成長因子、例えば塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF);(xvii)顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);(xviii)カプサイシンクリーム;(xix)NKP−608C;SB−233412(タルネタント);およびD−4418からなる群から選択される、タキキニンNK.sub1.およびNK.sub3.受容体アンタゴニスト;(xx)UT−77およびZD−0892からなる群から選択されるエラスターゼ阻害剤;(xxi)TNFα変換酵素阻害剤(TACE);(xxii)誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤(iNOS);または(xxiii)TH2細胞上に発現される化学誘引物質受容体−相同分子(CRTH2アンタゴニスト):
との組み合わせに関する。
【0092】
本発明を、ここで、以下の非限定的な実施例により説明し、そこでは、別に言及されない限り:
(i)温度は、摂氏温度(℃)で示され;操作は、室温もしくは環境温度、即ち、18〜25℃の範囲の温度で行われた;
(ii)有機溶媒は、無水硫酸マグネシウム上で乾燥された;溶媒の蒸発は、60℃までの浴温度をもって減圧(600〜4000パスカル;4.5〜30mmHg)下においてロータリーエバポレーターを用いておこなわれた;
(iii)別に言及されない限り、クロマトグラフィーは、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーを意味する;薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲルプレート上で行われた;“Bond Elut”カラムが言及される場合には、これは40ミクロン粒子径のシリカの10gもしくは20gを含有するカラムを意味して、シリカは、60mlの使い捨て注射筒の中に含有されかつ多孔性円板により支持されて、“Mega Bond Elut SI”の名前の下でVarian, Harbor City, California, USAから得られる。“Isolute[登録商標] SCXカラム”が言及される場合には、これは、International Sorbent Technology Ltd., 1st House, Duffryn Industial Estate, Ystrad Mynach, Hengoed, Mid Glamorgan, UKから得られる、ベンゼンスルホン酸を含有するカラム(端末キャップの無い)を意味する。“Argonaut[登録商標] PS-トリスアミン捕集剤樹脂”が言及される場合には、これは、Argonaut Technologies Inc., 887 Industrial Road, Suite G, San Carlos, California, USAから得られる、トリス−(2−アミノエチル)アミンポリスチレン樹脂を意味する。
(iv)一般に、反応の進行はTLCにより追跡された、そして反応時間は説明のみのために示される;
(v)収量は、示されるときには、説明のみのためであって、必ずしも念入りなプロセス開発により得られ得るものではない;もしさらに多くの物質が必要であれば、製造は繰り返された。
(vi)示されるときには、H NMRデータは、主要な診断用プロトンについてデルター値の形で引用されてあり、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対して百万分率(ppm)で示され、別に言及されない限り、過重水素化DMSO(CDSOCD)を溶媒として用いて400MHzにおいて測定された;結合定数(J)は、Hzで示される;
(vii)化学記号はそれらの通常の意味を有する;SI単位および記号が使用される;
【0093】
(viii)溶媒比は容積百分率で示される;
(ix)質量スペクトル(MS)は、直接暴露プローブを用いる化学イオン化(APCI)モードで70電子ボルトの電子エネルギーで持って操作された;指示される場合には、イオン化はエレクトロスプレー(ES)により引き起こされた;m/zについての値が示される場合には、一般に、親質量を示すイオンのみが報告されて、別に言及されない限り、引用される質量イオンは正の質量イオンの(M+H)である;
(x)LCMSの特色化は、Gilson 233 XLサンプラーを持つ一対のGilson 306ポンプおよびWaters ZMD4000質量分析計を用いて実施された。LCは、5ミクロン粒子径を持つ水対称の4.6×50カラムC18から成った。溶離剤は:Aは、0.05%ギ酸入りの水で、Bは、0.05%ギ酸入りのアセトニトリルであった。溶離剤のグラジエントは、6分で95%Aから95%Bへ進んだ。指示される場合には、イオン化はエレクトロスプレー(ES)により引き起こされた;m/zについての値が示される場合には、一般に、親質量を示すイオンのみが報告されて、別に言及されない限り、引用される質量イオンは正の質量イオンの(M+H)である;
(xi)以下の略語が用いられる:
DMSO ジメチルスルホキシド
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DCM ジクロロメタン
THF テトラヒドロフラン
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
NMP N−メチルピロリジノン
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩
HBTU O−(7−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩
Boc tert−ブトキシカルボニル
MeOH メタノール
EtOH エタノール
EtOAc 酢酸エチル
MP マクロ多孔性;および
PS ポリマー支持
【実施例】
【0094】
実施例1
この実施例は、4−{2−[(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物1表I)の製造を説明する。
【化24】

MP−水素化トリアセトキシホウ素(2.5g)を、ジクロロメタン(25ml)中の(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパノール(662mg)(A法)および4−{2−[エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(B法)(704mg)の溶液に加えて、混合液を18時間攪拌した。反応混合液をろ過して、樹脂をジクロロメタン(50ml)中のメタノールの1:9混合液で洗浄した。合併したろ液を蒸発乾固して、残渣を、酢酸エチル〜30%メタノール−酢酸エチルの溶媒グラジエントで溶出する40gのシリカカラムを通過することにより精製した。表題化合物を58%収率、LC−MS M+H=670で得た。
1H NMR: 1.15 (3H, m), 1.20-2.17 (14H, m), 1.42 (9H, s), 2.36-2.54 (6H, m), 2.62 (2H, t), 2.74 (3H, s), 2.90 (2H, m), 3.18 (2H, d), 3.22-3.48 (6H, m), 3.71 (1H, d), 3.79 & 4.29 (1H, m), 3.85 (1H, d), 6.63 (3H, m)。
【0095】
実施例1b
4−{2−[エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルの代わりに4−{2−[イソブチル(ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(B法)を用いる以外、類似の方式で、4−{2−[(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(イソブチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物12表I)、LC−MS M+H=698が製造された。
NMR CDCl3: 0.65 (d, 3H), 0.75 (d, 3H), 1.1-1.3 (m, 3H), 1.4 (s, 9H), 1.45-2.1 (m, 14H), 2.3-2.6 (m, 10H), 2.7 (s, 3H), 2.8-3.2 (m, 4H), 3.3-3.4 (m, 3H), 3.7 (m, 1H), 3.8 (m, 1H), 6.6 (m, 3H)。
【化25】

【0096】
実施例1c
4−{2−[エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルの代わりに4−{2−[メチル(ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(B法)を用いる以外、類似の方式で、4−{2−[(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(メチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物20表I);LC−MS M+H=656が製造された。
NMR CDCl3: 1.2-1.4 (2H, m), 1.45 (9H, s), 1.5-2.2 (14H, m), 2.35-2.5 (5H, m), 2.6 (1H, m), 2.7 (3H, s), 2.75-2.95 (5H, m), 3.2 (2H, d), 3.45-3.5 (4H, m), 3.7 (1H, m), 3.75 (1H, m), 4.4 (1H, m), 3.85 (1H, m), 6.7 (3H, m)。
【化26】

【0097】
実施例1d
4−{2−[エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルおよび(3R)−3−(3−フルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパノール(A法)の代わりに4−{2−[イソブチル(ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(B法)を用いる以外、類似の方式で、4−{2−[(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(イソブチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル;LC−MS M+H=680が製造された。
NMR CDCl3: 0.75 (3H, d), 0.85 (3H, d), 1.1-1.35 (4H, m), 1.4 (9H, s), 1.45-2.1 (16H, m), 2.3-2.5 (5H, m), 2.55 (1H, t), 2.65 (3H, s), 2.7-3.05 (4H, m), 3.1 (1H, s), 3.3-3.4 (3H, m), 3.6 (1H, m), 3.8-4 91H, m), 6.7-6.9 (3H, m), 7.2 (1H, m)。
【化27】

【0098】
実施例2
この実施例は、4−{2−[(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物2表I)の製造を記述する。
【化28】

MP−水素化トリアセトキシホウ素(2.5g)を、ジクロロメタン(25ml)中の(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパナール(662mg)(A法)および4−{2−[エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(B法)(706mg)の溶液に加えて、混合液を18時間攪拌した。反応混合液をろ過して、樹脂をジクロロメタン(50ml)中のメタノールの1:9混合液で洗浄した。合併したろ液を蒸発乾固して、残渣を、酢酸エチル〜10%メタノール−酢酸エチルの溶媒グラジエントで溶出する40gのシリカカラムを通過することにより精製して、表題化合物を収量、684mg、LC−MS M+H=669で得た。
1H NMR: 1.10-2.23 (25H, m), 1.43 (9H, s), 2.38 (1H, t), 2.51 (1H, t), 2.62 (1H, t), 2.72 (2H, m), 2.73 (3H, s), 2.88 (2H, m), 3.24 (2H, m), 3.48 & 4.38 (1H, m), 3.72 (1H, d), 3.84 (1H, d), 4.08 (2H, m), 6.62 (3H, m)。
【0099】
実施例3
この実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イルアセタミド(化合物3表I)の製造を記述する。
【化29】

4−{2−[(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(635mg)をジオキサン(10ml)中の4M HClに加えて、混合液を15分間放置した。メタノール(10ml)を加えて、溶液を45分間攪拌した。溶媒を蒸発して、白色の泡、収量560mg、LC−MS M+H=569を得た。
1H NMR (CDCl3): 1.10-2.14 (23H, m), 2.22 (2H, m), 2.42 (1H, t), 2.54 (1H, t), 2.66 (3H, m), 2.74 (3H, s), 2.88 (2H, m), 3.12 (2H, d), 3.28 (2H, m), 3.50 & 4.38 (1H, m), 3.72 (1H, d), 3.84 (1H, d), 6.64 (3H, m)。
【0100】
4−{2−[(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(エチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物1表I)を出発原料として用いて、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(化合物4表I);LC−MS M+H=570、1H NMR (CDCl3): 1.10-2.14 (18H, m), 2.36-2.56 (6H, m), 2.64 (2H, t), 2.74 (3H, s), 2.78-2.96 (5H, m), 3.14 (2H, d), 3.32 (2H, m), 3.72 (1H, m), 3.78 & 4.28 (1H, m), 3.86 (1H, m), 6.64 (3H, m)が得られた。
【0101】
実施例3a
4−{2−[(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(イソブチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物12表I)を出発原料として用いて、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(化合物13表I);LC−MS M+H=598が得られた。
NMR CDCl3:0.7 (d, 3H), 0.8 (d, 3H), 1-2.1 (m, 20 H), 2.3-2.45 (m, 5H), 2.6 (t, 1H), 2.7 (s, 3H), 2.75-2.8 (m, 2H), 2.9 (d, 1H), 3.1 (m, 2H), 3.7 (d, 1H), 3.8 (m, 1H), 6.6 (m, 3H)。
【0102】
実施例3b
4−{2−[(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(イソブチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(実施例1d)を出発原料として用いて、N−(1−{(3R)−3−(3−フルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(化合物16表I);LC−MS M+H=580が製造された。
NMR: CDCl3 :0.75 (3H, d), 0.85 (3H, d), 1.1-2.1 (14H, m), 2.2-2.5 (7H, m), 2.55 (1H, t), 2.65 (3H, s), 2.7-2.9 (8H, m), 2.95 (1H, d), 3.05 (2H, m), 3.6 (1H, m), 3.7-3.9 (2H, m), 6.6-6.9 (3H, m), 7.2 (1H, m)。
【0103】
実施例3c
4−{2−[エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルを用いて、4−{2−[(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(メチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(実施例1c)が製造され、それを出発原料として用いて、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−メチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド;LC−MS M+H=556が製造された。
【0104】
実施例4
この実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]アセタミド(化合物5表I)の製造を記述する。
【化30】

塩化メタンスルホニル(55μl)を、ジクロロメタン(3.5ml)中のN−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(200mg)およびトリエチルアミン(143μl)の溶液にアルゴン下に0℃で加えた。反応混合液を室温に暖めさせて、攪拌を3時間継続した。反応混合液をジクロロメタン(15ml)で希釈して、飽和塩化アンモニウム溶液(2×10ml)および食塩水(1×10ml)で洗浄して、乾燥した。溶媒を蒸発して、表題化合物を白色の泡、収量185mg、LC−MS M+H648として得た。
1H NMR (CDCl3): 1.10-2.98 (27H, m), 2.74 (3H, s), 2.78 (3H, s), 3.18-3.32 (8H, m), 3.62 & 4.34 (1H, m), 3.72 (1H, d), 3.84 (1H, d), 6.64 (3H, m)。
【0105】
この手順を用いかつN−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イルアセタミド(実施例3)で出発して、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−1−イル]アセタミド(化合物6表I)、LC−MS M+H647、1H NMR (CDCl3): 1.08-2.96 (32H, m), 2.72 (3H, s), 2.74 (3H, s), 3.26 (2H, m), 3.48 & 4.38 (1H, m), 3.72 (1H, d), 3.82 (3H, m), 6.64 (3H, m)が得られる。
【0106】
この手順を用いかつN−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(実施例3a)で出発して、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−2−[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]アセタミド(化合物14表I)、LC−MS M+H676、1H NMR (CDCl3): 0.8 (d, 3H), 0.9 (d, 3H), 1.1-2.2 (m, 16H), 2.4-2.7 (m, 7H), 2.75 (s, 3H), 2.8 (s, 3H), 2.85-3.1 (m, 4H), 3.2-3.4 (m, 6H), 3.6 (m, 1H), 3.7 (m, 1H), 3.8 (m, 1H), 6.6 (m, 3H)が得られる。
【0107】
この手順を用いかつN−(1−{(3R)−3−(3−フルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(実施例3b)で出発して、N−(1−{(3R)−3−(3−フルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−2−[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]アセタミド(化合物17表I)、LC−MS M+H658、1H NMR (CDCl3): 0.85 (3H, d), 0.95 (3H, d), 1.2-2.2 (17H, m), 2.4 (1H, m), 2.5 (1H, m), 2.6-2.7 (5H, m), 2.75 (3H, s), 2.78 (3H, s), 2.8-2.95 (2H, m), 3.05 (2H, m), 3.2-3.35 (6H, m), 3.6,4.05 (1H, m), 3.7 (1H, m), 3.85 (1H, m), 6.75-6.95 (3H, m), 7.2 (1H, m)が得られる。
【0108】
この手順を用いかつN−(シクロプロピルメチル)−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(H法)で出発して、N−(シクロプロピルメチル)−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−2−[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]アセタミド(化合物22表I)、LC−MS M+H674、1H NMR (CDCl3): 0.2(d,2H), 0.4 (d, 1H), 0.6 (d, 1H), 1.5-1.1 (m, 10H), 2.1-1.7 (m, 6H), 1.55 (br, 3H), 2.6-2.3 (m, 6H), 2.55 (s, 3H), 2.6 (s, 3H), 2.9-2.78 (m, 2H), 3.3-3.1 (m, 6H), 3.5 (m, 1H), 3.7 (d, 1H), 3.8 (d, 1H), 6.65 (m, 3H)が得られる。
【0109】
この手順を用いかつN−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−メチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(実施例3c)で出発して、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−メチル−2−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アセタミド(化合物24表I)、LC−MS M+H634、1H NMR (CDCl3): 1.2-2.2 (16H, m), 2.4 (1H, m), 2.5 (1H, m), 2.6-2.7 (5H, m), 2.75 (3H, s), 2.8 (3H, s), 2.85 (1H, m), 2.9-2.95 (3H, m), 3.2-3.3 (6H, m), 3.6, 4.4 (1H, m), 3.75 (1H, m), 3.85 (1H, m), 6.7 (3H, m)が得られる。
【0110】
この手順を用いかつN−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−N'−ピペリジン−4−イルウレア(K法)で出発して、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−N'−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]ウレア(化合物1表VI)が得られる。LC−MS M+H676、1H NMR (CDCl3): 0.9 (6H, d), 1.2-2.2 (24H, m), 2.4 (1H, m), 2.5 (1H, m), 2.6 (1H, m), 2.7 (3H, s), 2.75-2.8 (4H, m), 2.9 (2H, m), 3.7-4 (4H, m), 4.25 (1H, d), 6.7 (3H, m)。
【0111】
この手順を用いかつN−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−メチル−N'−ピペリジン−4−イルウレア(K法)で出発して、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−メチル−N'−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]ウレア(化合物4表VI)が得られる。LC−MS M+H634、1H NMR (CDCl3): 1.3-1.7 (7H, m), 1.9-2.3 (8H, m), 2.4 (1H, m), 2.5 (1H, m), 2.6 (1H, m), 2.7 (7H, m), 2.8 (5H, m), 2.85-2.9 (3H, m), 3.7-3.9 (6H, m), 4.1 (1H, m), 4.2 (1H, d), 6.65 (3H, m)。
【0112】
実施例5
この実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−N'−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}ウレア(化合物1表II)の製造を記述する。
【化31】

PS−水素化トリアセトキシホウ素(694mg)を、ジクロロメタン(10ml)中のN−エチル−N'−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}−N−ピペリジン−4−イルウレア(173mg)の溶液に加えて、18時間攪拌した。反応混合液をろ過して、ろ液を飽和重炭酸ナトリウム溶液(1×15ml)および食塩水(1×15ml)で洗浄して、乾燥した。溶媒の除去で得られた残渣を、酢酸エチル〜30%メタノール/酢酸エチルの溶媒グラジエントで溶出する20gのシリカBond Elut上で精製して、得られた物質を、最初メタノールで、次いで、メタノール中の10%7Mアンモニアで溶出する20gのSCX2カラムを通過させた。メタノール性アンモニア洗液の蒸発により、表題化合物を白色の泡、収量120mg、LC−MS M+H662として得た。
1H NMR (CDCl3): 1.2 (t, 3H), 1.2-2.1(m, 19H), 2.4-2.7 (m, 5H), 2.8 (m, 6H), 2.9 (m, 2H), 3.2 (m, 4H), 3.7-3.9 (m, 4H), 4.1 (m, 1H), 4.5 (m, 1H), 6.6 (m, 3H)。
【0113】
実施例6
この実施例は、N−アリル−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−2−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アセタミド(化合物7表I)の製造を記述する。
【化32】

CHCl(40ml)中の(R)3−(N−メタンスルホニルピペリジン−4−イル)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)プロピオンアルデヒド(300mg)の溶液に、塩酸N−アリル−2−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−N−ピペリジン−4−イルアセタミド(412mg)、トリエチルアミン(0.15ml)および水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(471mg)を加えて、混合液を室温で18時間攪拌した。反応混合液を水性重炭酸ナトリウム(30ml)、次いで、食塩水(30ml)で洗浄して、乾燥(MgSO)した。分取HPLC(アセトニトリル/水)により、生成物を白色の固体(340mg)、MH(659)として得た。
NMR (DMSO): 1.0-1.3 (m, 2H), 1.35 (d, 1H), 1.5-2.0 (m, 6H), 2.0-2.5 (m, 5H), 2.5-2.7 (m, 2H), 2.81 (s, 3H), 2.83 (s, 3H), 2.8-3.1 (m, 1H), 3.3-3.7 (m, 5H), 3.7-4.0 (m, 9H), 4.5 (t, 1H), 5.0-5.2 (m, 2H), 5.8-5.9 (m, 1H), 7.0 (m, 2H), 7.1 (t, 1H)。
【0114】
実施例7
この実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−2−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−N−プロピルアセタミド(化合物8表I)の製造を記述する。
【化33】

エタノール(20ml)中のN−アリル−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−2−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アセタミド(50mg)およびパラジウム炭(10%、20mg)の懸濁液を、水素雰囲気下に室温で18時間攪拌した。反応混合液を、Celite[登録商標]のプラグを通してろ過して、ろ液を減圧下に濃縮して、生成物を白色の固体(50mg)として得た。MH(661)。
NMR (DMSO): 0.8 (m, 2H), 0.9 (t, 3H), 1.0-1.4 (m, 4H), 1.4-1.8 (m, 4H), 1.8-2.2 (m, 6H), 2.2-2.4 (m, 6H), 2.6-2.8 (m, 6H), 2.85 (s, 3H), 2.9 (s, 3H), 2.9-3.1 (m, 4H), 3.4-3.6 (m, 6H), 6.9-7.0 (m, 2H), 7.1 (t, 1H)。
【0115】
実施例8
この実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アセタミド(化合物1表III)の製造を記述する。
【化34】

ジイソプロピルエチルアミン(130μl)を、ジクロロメタン(3ml)中の[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]酢酸[CAS 423722-27-4](111mg)およびHATU(228mg)の懸濁液に加えて、混合液を15分攪拌した。ジクロロメタン(2ml)中の1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]プロピル}−N−エチルピペリジン−4−アミン(218mg)の溶液を加えて、混合液を16時間攪拌した。反応混合液をジクロロメタン(15ml)で希釈して、水(2×20ml)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×20ml)、食塩水(10ml)で洗浄して、乾燥した。溶媒を蒸発して、残渣を、酢酸エチル〜20%メタノール/酢酸エチルの溶媒グラジエントで溶出するシリカカラムで精製した、収量184mg、M+H640。
【0116】
テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル酢酸[CAS 85064-61-5]を出発原料として用いる以外、類似の方式で、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセタミド、M+H563、(化合物2表III)が得られる。
【0117】
テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル酢酸[CAS 85064-61-5]および1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}−N−イソブチルピペリジン−4−アミン(H法)を出発原料として用いる以外、類似の方式で、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセタミド(化合物1表V)が得られた。LC−MS M+H598、1H NMR (CDCl3): 0.75 (d, 3H), 0.8 (d, 3H), 1.1-2.2 (m, 26H), 2.3 (m, 1H), 2.4 (t, 1H), 2.6 (t, 1H), 2.7 (s, 3H), 2.75-2.9 ( m, 2H), 3.4-3.5 (m, 2H), 3.65 (m, 1H), 3.8 (m, 1H), 3.85 (m, 2H), 6.6 (m, 3H)。
【0118】
テトラヒドロフラン−2−イル酢酸および1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}−N−イソブチルピペリジン−4−アミン(H法)を出発原料として用いる以外、類似の方式で、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−2−(テトラヒドロフラン−2−イル)アセタミド(化合物2表V)が得られた。LC−MS M+H584、1H NMR (CDCl3): 0.75 (3H, d), 0.85 (3H, d), 1.1-2.15 (22H, m), 2.35 (2H. m), 2.45 (1H, m), 2.55 (1H, m), 2.65 (4H, m), 2.7-2.8 (2H, m), 3.5, 4.1 (1H, m), 3.65 (2H, m), 3.8 (2H, m), 4.2 (1H, m), 6.6 (3H, m)。
【0119】
(1,1−ジオキシドチオモルホリン−4−イル)酢酸および1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}−N−イソブチルピペリジン−4−アミン(H法)を出発原料として用いる以外、類似の方式で、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−2−(1,1−ジオキシドチオモルホリン−4−イル)−N−イソブチルアセタミド(化合物3表V)が得られた。LC−MS M+H647、1H NMR (CDCl3): 0.9(dt, 6H), 1.4-2.0 (m, 23H), 2.4-2.6 (m, 4H), 2.7 (s, H), 3.1 (br, 5H), 3.35 (s, 2H), 3.7 (d, 1H), 3.85 (d, 1H), 6.65 (m, 3H)。
【0120】
実施例9
この実施例は、2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチルアセタミド(化合物9表I)の製造を記述する。
【化35】

無水酢酸(66μl)を、ジクロロメタン(3.5ml)中のN−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(200mg)[実施例3、パート2]およびトリエチルアミン(143μl)の攪拌した溶液にアルゴン雰囲気下に0℃で加えた。混合液を室温に暖めさせて、16時間攪拌した。反応混合液をジクロロメタン(10ml)で希釈して、塩化アンモニウム溶液(2×10ml)および食塩水(10ml)で洗浄して、乾燥した。溶媒の蒸発で得られた残渣を、酢酸エチル〜40%メタノール/酢酸エチルの溶媒グラジエントで溶出する12gのシリカカートリッジでのクロマトグラフィーにより精製した、収量105mg、M+H612。
【0121】
N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−ピペリジン−4−イルアセタミド(実施例3)を出発原料として用いる以外、類似の方式で、2−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチルアセタミド(化合物10表I)が得られる。
【0122】
N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(化合物13、表I)を出発原料として用いる以外、類似の方式で、2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチルアセタミド(化合物15表I)、LC−MS M+H640、1H NMR (CDCl3): 0.8 (d, 3H)0.9 (d, 3H)1.1-2.2 (m, 24H)2.4-2.65 (m 7H)2.7 (m, 3H)2.8-3.2 (m, 4H)3,45 (m, 1H)3.6 (m, 1H)3.7 (m, 1H)3.8 (m, 1H)が得られる。
【0123】
N−(1−{(3R)−3−(3−フルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(化合物16、表I)を出発原料として用いる以外、類似の方式で、2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−N−(1−{(3R)−3−(3−フルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチルアセタミド(化合物19表I)、LC−MS M+H622、1H NMR (CDCl3): 0.85 (3H, d)0.95 (3H, d)1.2-2.0 (15H, m)2.05 (3H, s)2.1 (1H, m)2.35 (1H, m)2.5-2.65 (6H, m)2.75 (3H, s)2.8-2.95 (2H, m)3.1 (2H, m)3.2 (2H, m)3.45 (2H, m)3.5, 4.05 (1H, m)3.6-3.75 (3H, m)3.85 (1H, m)6.8-6.95 (3H, m)7.25 (1H, m)が得られる。
【0124】
N−(シクロプロピルメチル)−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(H法)を出発原料として用いる以外、類似の方式で、2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−N−(シクロプロピルメチル)−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)アセタミド(化合物25表I)、LC−MS M+H638、1H NMR (CDCl3): 0.3 (d, 2H), 0.5 (d, 1H), 0.65 (d, 1H), 1.2-1.55 (m, 8H), 1.65 (br, 3H), 1.75-2.05 (m, 4H), 2.1 (s, 3H), 2.4-2.7 (m, 8H), 2.75 (s, 3H), 2.85-2.95 (m, 2H), 3.0-3.3 (m, 5H), 3.45-3.6 (m, 4H), 3.75 (d, 1H), 3.85 (d, 1H), 6.65 (m, 3H)が得られる。
【0125】
N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−メチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(実施例3c)を出発原料として用いる以外、類似の方式で、2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−メチルアセタミド(化合物26表I)、LC−MS M+H598、1H NMR (CDCl3): 1.2-2.05 (15H, m), 2.1 (3H, s), 2.4 (1H, m), 2.45-2.65 (6H, m), 2.7 (3H, s), 2.8-2.95 ((5H, m), 3.2 (2H, d), 3.4-3.5 ((2H, m), 3.6-3.7 (2H, m), 3.75 (1H, m), 3.85 (1H, m), 4.4 (1H, m), 6.7 (3H, m)が得られる。
【0126】
N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−N'−ピペリジン−4−イルウレア(K法)を出発原料として用いる以外、類似の方式で、N'−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチルウレア(化合物3表VI)、LC−MS M+H640、1H NMR (CDCl3): 0.95 (6H, d), 1.2-2.1 (21H, m), 2.15 (3H, s), 2.35 (1H, m), 2.5 (1H, m), 2.6 (1H, m), 2.7 (4H, m), 2.8-2.9 (4H, m), 3.15 (1H, m), 3.75 (2H, m), 3.8-4 (3H, m), 4.2 (1H, d), 4.5 (1H, m), 6.65 (3H, m)が得られる。
【0127】
実施例10
この実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−モルホリン−4−イルアセタミド(化合物3表III)の製造を記述する。
【化36】

【0128】
工程1:2−ブロモ−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチルアセタミドの製造
【化37】

ジクロロメタン(3.5ml)中の1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]プロピル}−N−エチルピペリジン−4−アミン(F法)(314mg)およびトリエチルアミン(200μl)の溶液を、ジクロロメタン(3.5ml)中の塩化ブロモアセチル(72μl)の攪拌した溶液にアルゴン下に0℃で加えた。混合液を室温に暖めさせて、攪拌を2時間継続した。反応混合液をジクロロメタン(10ml)で希釈し、塩化アンモニウム溶液(2×15ml)、食塩水(15ml)で洗浄して、乾燥した。溶媒の蒸発で得られた褐色の泡(339mg)[M+H558]を、工程2で直接に使用した。
【0129】
工程2:表題化合物の製造
ジオキサン(3.1ml)中の2−ブロモ−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチルアセタミド(170mg)、モルホリン(53μl)および炭酸カリウム(126mg)の混合液を室温で30分間攪拌し、次いで、50℃に1時間暖めた。溶媒を蒸発して、残渣をジクロロメタン(15ml)の中に溶解し、水(2×15ml)、食塩水(15ml)で洗浄して、乾燥した。溶媒の蒸発で得られた残渣を、酢酸エチル〜30%メタノール/酢酸エチルの溶媒グラジエントで溶出する12gのシリカカートリッジで精製した(収量58mg、M+H564)。
【0130】
実施例11
この実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(トリフルオロメチル)スルホニルフェニル]ピペリジン−4−イル}プロピル)ピペリジン−4−イル]−N−エチル−2−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アセタミド(化合物11表I)の製造を記述する。
【化38】

【0131】
工程1:4−{2−[[(1−((3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−{1−(トリフルオロメチル)スルホニル]ピペリジン−4−イル}プロピル)ピペリジン−4−イル](エチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの製造
【化39】

ジクロロメタン(7ml)中の(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−{1−(トリフルオロメチル)スルホニル]ピペリジン−4−イル}プロパナール(271mg)(A法)および4−{2−[エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(C法)の溶液に、氷酢酸(50μL)および水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(178mg)を加えて、生じた混合液を18時間攪拌した。混合液を重炭酸ナトリウム溶液で失活して、ジクロロメタンで抽出した。有機物を乾燥して、蒸発して固体を得て、それを酢酸エチル/イソヘキサン(0〜20%)のグラジエントで溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製して、副標題化合物を白色の固体(収量270mg)M+H723として得た。
【0132】
工程2:表題化合物の製造
メタノール(1ml)中の4−{2−[[(1−((3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−{1−(トリフルオロメチル)スルホニル]ピペリジン−4−イル}プロピル)ピペリジン−4−イル](エチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(270mg)の溶液にジオキサン(4ml)中の4N HClを加えて、生じた混合液を1時間攪拌した。混合液を濃縮して、ジクロロメタンおよび2M NaOHの間に分配して、水層をさらなるジクロロメタン(3×)で抽出した。有機物を乾燥して、蒸発乾固した。残渣をジクロロメタン(4ml)の中に溶解し、アルゴン雰囲気下に5℃に冷却した。トリエチルアミン(104μl)および塩化メタンスルホニル(44μl)を加えて、混合液を室温に暖めて、18時間攪拌した。混合液をジクロロメタンで希釈して、飽和塩化アンモニウム(2×)で洗浄した。有機物を乾燥して、ガムに蒸発して、それをメタノール/ジクロロメタン(0:100〜20:80)のグラジエントで溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製して、題化合物を白色の固体(121mg)として得た。LC−MS M+H701、H NMR (CDCl3): 1.06 - 2.29 (m, 26H), 2.42 (m, 1H), 2.67 (t, 2H), 2.76 (s, 3H), 2.78 (m, 1H), 2.89 (t, 1H), 3.00 (t, 1H), 3.28 (m, 2H), 3.48 and 4.37 (m, 1H), 3.78 (m, 2H), 3.87 (m, 1H), 4.00 (m, 1H), 6.66 (m, 3H)。
【0133】
実施例12
この実施例は、4−{2−[(1−{(3R)−3−(3−フルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(イソブチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸メチル(化合物18表I)の製造を記述する。
【化40】

ジクロロメタン(25ml)中のN−(1−{(3R)−3−(3−フルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(化合物16表I)(329mg)およびトリエチルアミン(104μL)の溶液に、クロロギ酸メチル(53μL)を加えた。反応混合液を室温で24時間攪拌し、2N NaOH(2×25ml)で洗浄し、MgSOの上で乾燥して、蒸発した。残渣を、酢酸エチル〜35%メタノール/酢酸エチルのグラジエントで溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を固体として得た。収量159mg。LC−MS M+H638、H NMR (CDCl3): 0.85 (3H, d), 0.95 (3H, d), 1.2-2.2 (18H, m), 2.4 (1H, m), 2.5 (4H, m), 2.6 (1H, m), 2.7 (3H, s), 2.8-2.95 (2H, m), 3.05 (2H, m), 3.2 (2H, m), 3.45 (3H, m), 3.5 (xH, y), 4.05 (1H, m), 3.7 (4H, m), 3.85 (1H, m), 6.8-6.95 (3H, m), 7.25 (1H, m)。
【0134】
N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−メチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(実施例3c)を出発原料として用いる以外、類似の方式で、4−{2−[(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(メチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸メチル(化合物25表I)、LC−MS M+H614、1H NMR (CDCl3): 1.15-2.1, (16H, m), 2.35-2.5 (5H, m), 2.6 (1H, m), 2.75 (3H, s), 2.8-2.95 (5H, m), 3.15 (2H, d), 3.45-3.55 (4H, m), 3.7 (4H, m), 3.75 (xH, y), 4.4 (1H, m), 3.85 (1H, m), 6.7 (3H, m)が得られた。
【0135】
N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(化合物13表I)を出発原料として用いる以外、類似の方式で、4−{2−[(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(イソブチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸メチル(化合物27表I)、LC−MS M+H656、1H NMR (CDCl3): 0.35 (m, 3H), 0.9 (m, 3H), 1.2-2.1 (m, 17H), 2.35-2.55 (m, 6H), 2.65 (m, 1H), 2.8 (s, 3H), 2.9 (m, 2H), 3.1 (m, 2H), 3.2 (d, 2H), 3.5 (m, 4H), 3.7 (s, 3H), 3.75 (d, 1H), 3.85 (d, 1H), 6.65 (m, 3H)が得られた。
【0136】
N−(シクロプロピルメチル)−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(H法)を出発原料として用いる以外、類似の方式で、4−{2−(シクロプロピルメチル)(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸メチル(化合物28表I)、LC−MS M+H654、1H NMR (CDCl3): 0.25 (m, 2H), 0.45 (d, 1H), 0.6 (d, 1H), 1.0-2.1 (m, 12H), 2.35-2.65 (m, 9H), 2.7 (s, 3H), 2.8 (s, 1H), 2.9 (m, 2H), 3.1-3.25 (m, 5H), 3.45 (m, 5)3.7 (s, 3H), 3.75 (d, 1H), 3.85 (d, 1H), 6.65 (m, 3H)が得られた。
【0137】
N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−N'−ピペリジン−4−イルウレア(K法)を出発原料として用いる以外、類似の方式で、4−({[(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(イソブチル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸メチル(化合物2表VI)が得られた。LC−MS M+H656、1H NMR (CDCl3): 0.9 (6H, d), 1.2-2.2 (19H, m), 2.35 (1H, m), 2.5 (1H, m), 2.6 (1H, m), 2.75 (3H, s), 2.8-2.95 (6H, m), 3.65 (3H, s), 3.7 (1H, m), 3.85 (2H, m), 3.9-4.15 (3H, m), 4.2 (1H, d), 6.7 (3H, m)。
【0138】
N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−メチル−N'−ピペリジン−4−イルウレア(K法)を出発原料として用いる以外、類似の方式で、4−({[(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(メチル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸メチル(化合物5表VI)が得られた。LC−MS M+H656、1H NMR (CDCl3):
【0139】
実施例13
この実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル]−N−イソブチル−2−[4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル]アセタミド(化合物21表I)の製造を記述する。
【化41】

ジクロロメタン(10ml)中のN−(1−{(3R)−3−(3−フルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−2−ピペラジン−1−イルアセタミド(化合物13表I)(105mg)およびトリエチルアミン(0.033ml)の溶液に、2−クロロエチルメチルエーテル(0.018ml)を加えた。反応混合液を室温で18時間攪拌し、2N NaOH(2×10ml)で洗浄し、MgSOの上で乾燥し、ろ過して、蒸発乾固した。残渣を、MeOH(10ml)の中に溶解して、SCX2カートリッジの上に注いで、MeOH(6×20ml)、次いで、1M NH/メタノール(6×50ml)で溶離した。合併したアンモニアフラクションを蒸発して油を得て、それをジクロロメタン/メタノール溶液の中にバイアルへ移して、Genevacを用いて蒸発乾固して、油を得て、高真空で乾燥して、表題化合物を泡として得た。収量44mg。LC−MS M+H656、1H NMR (CDCl3): 0.85 (d, 3H), 0.9 (d, 3H), 1.2-1.5 (m, 4H), 1.6-2.1 (m, 22H), 2.35-2.65 (m, 7H), 2.7 (s, 3H), 2.8-3.2 (m, 8H), 3.75 (d, 1H), 3.85 (d, 1H), 6.65 (m, 3H)。
【0140】
実施例14
この実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル]−N−メチル−2−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アセタミド(化合物30表I)の製造を記述する。
【化42】

[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]酢酸(117mg)およびHATU(202mg)をDMF(10ml)の中に溶解して、トリエチルアミン(149μL)を加えた。反応混合液を室温で10分間攪拌した。1−{(3R)−3−(3−フルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}−N−メチルピペリジン−4−アミン(I法)(250mg)を加えて、反応液を室温で18時間攪拌した。溶媒を蒸発により除去した。残渣をジクロロメタン(25ml)の中に溶解して、2N NaOH(2×25ml)で洗浄し、MgSOの上で乾燥して、蒸発した。残渣を、酢酸エチル〜30%メタノール/酢酸エチルで溶出するクロマトグラフィーにより精製した。収量105mg、LC−MS M+H633、1H NMR (CDCl3): 1.2-2.15 (21H, m), 2.25 (2H, d), 2.4 (1H, s), 2.5 (1H, s), 2.6-2.7 (3H, m), 2.75 (3H, s), 2.78 (3H, s), 2.8-2.95 (5H, m), 3.5 (xH, y), 4.45 (1H, m), 3.7-3.9 (4H, m), 6.65 (3H, m)。
【0141】
1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}−N−イソブチルピペリジン−4−アミン(I法)を用いる以外、類似の方式で、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−2−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アセタミド(化合物29表I)、LC−MS M+H675、1H NMR (CDCl3): 0.85 (3H, d), 0.9 (3H, d), 1.2-2.15 (21H, m), 2.25 (2H, d), 2.4 (1H, m), 2.5 (1H, m), 2.65 (3H, m), 2.75 (3H, s), 2.78 (3H, s), 2.8-2.9 (2H, m), 3.05 (1H, m), 3.1 (1H, m), 3.45, 4.1 (1H, m), 3.7-3.9 (4H, m), 6.65 (3H, m)が得られた。
【0142】
実施例15
この実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル]−N−イソブチル−2−[1−(メチルスルホニル)ピロリジン−3−イル]アセタミド(化合物4表V)の製造を記述する。
【化43】

[1−(メチルスルホニル)ピロリジン−3−イル]酢酸(J法)(93mg)をジクロロメタン(20ml)の中に溶解して、カルボニルジイミダゾール(73mg)を加えた。反応混合液を室温で2時間攪拌した。次いで、1−{(3R)−3−(3−フルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}−N−イソブチルピペリジン−4−アミン(I法)(212mg)を加えて、混合液を室温で24時間攪拌した。溶媒を蒸発して、残渣をジクロロメタン(25ml)の中に溶解して、2N NaOH(2×20ml)で洗浄し、MgSOの上で乾燥して、蒸発した。残渣を、酢酸エチル〜30%メタノール/酢酸エチルのグラジエントで溶出する、シリカクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色の泡として得た。収量16mg。LC−MS M+H661。
【0143】
1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}−N−エチルピペリジン−4−アミンを用いる以外、類似の方式で、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−エチル−2−[1−(メチルスルホニル)ピロリジン−3−イル]アセタミド(化合物5表V)が得られた。LC−MS M+H633、1H NMR (CDCl3): 1-2.2 (m, 23H), 2.3-2.6 (m, 5H), 2.7 (s, 3H), 2.75 (s, 3H), 2.8-2.9 (m, 2H), 3.2 (m, 3H), 3.35-3.5 (m, 2H), 3.65 (m,1H), 3.8 (m, 1H), 6.6 (m, 3H)。
【0144】
実施例16
この実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル]−N−エチル−2−[(2S)−1−(メチルスルホニル)ピロリジン−2−イル]アセタミドの製造を記述する。
【化44】

【0145】
工程1:(2S)−2−{2−[[(1−((3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−{1−(トリフルオロメチル)スルホニル]ピペリジン−4−イル}プロピル)ピペリジン−4−イル](エチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの製造
【化45】

DMF(10ml)中の[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]酢酸(399mg)およびHATU(343mg)の溶液に、トリエチルアミン(182mg)を加えて、生じた混合液を室温で10分間攪拌した。1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}−N−エチルピペリジン−4−アミンを加えて、反応混合液を室温で24時間攪拌した。反応混合液を2N NaOH(2×10ml)で洗浄し、MgSOの上で乾燥して、蒸発した。残渣を、酢酸エチル〜20%メタノール/酢酸エチルのグラジエントで溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製して、副表題化合物をガム(500mg)として得た。LC−MS M+H655、1H NMR (CDCl3): 1-1.3 (m, 8H), 1.4 (s, 9H), 1.45-2.1 (m, 18H), 2.6 (m, 3H), 2.7 (s, 3H), 2.7-2.9 (m, 2H), 3.0-3.4 (m, 4H), 3.65 (d, 1H), 3.8 (d, 1H), 6.6 (m, 3H)。
【0146】
工程2:N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル]−N−エチル−2−[(2S)−ピロリジン−2−イル]アセタミドの製造
【化46】

(2S)−2−{2−[(1−((3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−{1−(トリフルオロメチル)スルホニル]ピペリジン−4−イル}プロピル)ピペリジン−4−イル](エチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(400mg)をTFA(10ml)の中に溶解して、室温で1時間放置した。TFAを蒸発して、残渣をジクロロメタン(50ml)の中に溶解して、2N NaOHで洗浄し、MgSOの上で乾燥して、蒸発して、副表題化合物(350mg)をガラスとして得て、それをさらなる精製無しに使用した。LC−MS M+H555、1H NMR (CDCl3): 1.0- 2.1 (m, 23H), 2.2-2.6 (m 7H), 2.7 (s, 3H), 2.75-2.95 (m, 2H), 3.2 (m, 2H), 3.4 (m 1H), 3.65 (d, 1H), 3.8 (d, 1H), 6.6 (m, 3H)。
【0147】
工程3:表題化合物の製造
N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル]−N−エチル−2−[(2S)−ピロリジン−2−イル]アセタミド(250mg)をジクロロメタン(20ml)の中に溶解して、トリエチルアミン(45mg)を加えた。塩化メタンスルホニル(51mg)を加えて、反応混合液を室温で2時間攪拌した。反応混合液を2N NaOH(2×20ml)で洗浄し、MgSOの上で乾燥して、蒸発した。残渣を、ジクロロメタン(10ml)の中に溶解して、20gのSCX2カートリッジの上に注いで、メタノール(6×20ml)および1M NH/メタノール(6×20ml)で溶離した。合併したアンモニア洗液を蒸発して、表題化合物をガラス(112mg)として生じた。LC−MS M+H633、1H NMR (CDCl3): 1.0-2.0 (m, 19H), 2.6 (m, 6H), 2.65 (s, 3H), 2.7 (s, 3H), 2.75-3.2 (m, 3H), 3.3-3.6 (m, 3H), 3.65 (d, 1H), 3.8 (d, 1H), 3.95 (m, 1H), 6.6 (m, 3H)。
【0148】
実施例17
この実施例は、N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル]−N−エチル−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパンアミドの製造を記述する。
【化47】

【0149】
工程1:(2E)−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル]−N−エチル−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アクリルアミドの製造
【化48】

(2E)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アクリル酸(181mg)およびHATU(342mg)をDMF(10ml)の中に溶解して、トリエチルアミン(91mg)を加えた。反応液を室温で20分間攪拌した。{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}−N−エチルピペリジン−4−アミン(I法)を加えて、反応液を室温で24時間攪拌した。溶媒を蒸発して、残渣をジクロロメタン(50ml)の中に溶解して、2N NaOHで洗浄し、MgSOの上で乾燥して、蒸発した。残渣を、酢酸エチル〜25%メタノール/酢酸エチルのグラジエントで溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製して、副表題化合物をガラス(収量420mg)として得た。LC−MS M+H659、1H NMR (CDCl3): 1.1-2.1 (m, 22H), 2.2-2.6 (m, 7H), 2.65 (s, 3H), 2.7 (m, 3H), 2.8 (m, 1H), 3.2-3.4 (m, 3H), 3.6-3.9 (m, 4H), 6.1 (d, 1H), 6.6 (m, 3H), 6.8 (m, 1H)。
【0150】
工程2:表題化合物の製造
(2E)−N−(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル]−N−エチル−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アクリルアミド(300mg)をエタノール(25ml)の中に溶解して、アルゴンでパージし、20%水酸化パラジウム(50mg)を加えて、反応混合液をアルゴンでパージして、風船から水素で満たした。反応混合液を水素雰囲気下に室温で18時間攪拌した。反応混合液をアルゴンでパージして、セライトを通してろ過して、蒸発して、表題化合物を固体(収量214mg)として得た。LC−MS M+H661、1H NMR (CDCl3): 1.1-2.6 (m, 33H), 2.65 (s, 3H), 2.7 (s, 3H), 2.8-2.9 (m, 2H), 3.2 (m, 2H), 3.6-3.8 (m, 4H), 6.6 (m, 3H)。
【0151】
A法
(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパナールの製造
【化49】

【0152】
工程1 塩化(2E)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アクリロイルの製造
【化50】

塩化オキサリル(5.1g)を、2〜3滴のDMFを含有するジクロロメタン中の(2E)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アクリル酸(9.4g)の溶液に加えて、混合液を室温で1.5時間攪拌した。反応混合液を蒸発乾固して、得られた残渣を次の工程で直接に使用した。
【0153】
工程2 (4R,5S)−1,5−ジメチル−3−{(2E)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロプ−2−エノイル}−4−フェニルイミダゾリジン−2−オンの製造
【化51】

リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中の1M溶液の8ml)を、THF(20ml)中の(4R,5S)−1,5−ジメチル−4−フェニル−2−イミダゾリジノン(1.52g)の懸濁液にアルゴン下に−10℃で滴下して加えた。反応混合液を−10℃で10分間攪拌し、0℃に暖めて、この温度で10分間維持し、次いで、−10℃に再び冷却した。工程1で製造された酸塩化物(ジクロロメタン10ml中に溶解した2g)を滴下して加えて、反応混合液を室温に暖めさせて、水(100ml)で洗浄した。水性の抽出液を酢酸エチル(3×50ml)で抽出して、酢酸エチル抽出液を乾燥して、溶媒グラジエント(50%酢酸エチル/イソヘキサン〜70%酢酸エチル/イソヘキサン)で溶出する90gのBiotageカラムを通過させた。収量1.89g。LC−MS MH406、NMR (CDCl3): 0.8 (d, 3H), 1.5-1.6 (m, 3H), 1.9 (m, 2H), 2.3 (m, 1H), 2.7 (m, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.8 (s, 3H), 3.75 (m, 2H), 3.9 (m, 1H), 5.3 (d, 1H), 6.85 (d-d, 1H), 7.1 (d, 1H), 7.2-7.35 (m, 3H), 7.45 (d, 1H)。
【0154】
工程3 (4S,5R)−1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパノイル}−3,4−ジメチル−5−フェニルイミダゾリジン−2−オンの製造
【化52】

【0155】
工程A
TMEDA(11.6g)を、THF(240ml)中のヨウ化銅(19.4g)の懸濁液にアルゴン下に加えて、混合液を45分間攪拌し、次いで、−70℃に冷却した。THF(THF中の0.5M溶液の201.1ml)の中の臭化3,5−ジフルオロフェニルマグネシウムの溶液を10分間に亘って加えて、混合液を−70℃で30分間攪拌した。
【0156】
工程B
ジ−n−ブチルボロントリフレート(ジクロロメタン中の1M溶液の100.7ml)を、−40℃に維持したTHF中の(4R,5S)−1,5−ジメチル−3−{(2E)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロプ−2−エノイル}−4−フェニルイミダゾリジン−2−オン(20.41g)[工程2]の懸濁液に加えて、攪拌を10分間継続して、混合液を−70℃に冷却して、工程Aで製造された銅塩の懸濁液にカニューレを介して加えた。反応混合液を−70℃で1時間攪拌して、室温に暖め、次いで、飽和塩化アンモニウム溶液(200ml)を加えた。THFを蒸発して、酢酸エチル(200ml)を加えた。空気を1時間この混合液を通して吹き込んだ。酢酸エチル層を収集して、水層部分を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合併した酢酸エチル抽出液を飽和塩化アンモニウム溶液(2×100ml)で洗浄し、乾燥して、蒸発乾固した。残渣を、酢酸エチル−イソヘキサン(1:1)〜純粋な酢酸エチルの溶媒グラジエントで溶出するシリカの上のクロマトグラフィーにより精製して、副表題化合物を白色の固体、収量25g、NMR (CDCl3)0.78 (d, 3H), 1.2-1.6 (m, 6H), 1.9 (m, 1H), 2.4-2.65 (m, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.85 (s, 3H), 3-3.2 (m, 2H), 3.7-3.9 (m, 4H), 5.2 (d, 1H), 6.6(m, 3H), 6.85 (m, 2H), 7.2 (m, 3H)、として得た。
【0157】
工程4 (3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパン−1−オールの製造
【化53】

水素化ホウ素リチウム(THF中の2M溶液の48ml)を、THF(200ml)中の(4S,5R)−1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパノイル}−3,4−ジメチル−5−フェニルイミダゾリジン−2−オン(25g)の溶液に加えて、混合液を70℃で3時間加熱し、次いで、室温に冷却して、攪拌を16時間継続した。エタノール(20ml)を注意深く加えて、反応混合液を2M HClの添加によりpH4に酸性化した。THFを蒸発して、残渣をジクロロメタン(100ml)の中に溶解して、これを水(100ml)で洗浄し、乾燥した。溶媒を除去して、生成物を、酢酸エチル/イソヘキサンの1:1混合液で溶出するBiotage 65カラム上のクロマトグラフィーにより精製した。収量13g、NMR (CDCl3): 1.2-1.8 (m, 5H), 1.95-2.2 (m, 2H), 2.5-2.7 (m, 3H), 2.75 (s, 3H), 3.3-3.6 (m, 2H), 3.7 3.9 (m, 2H), 6.65 (m, 3H)。
【0158】
工程5:表題化合物の製造
Dess−Martinのペルヨージナン(5.09g)を、ジクロロメタン(100ml)中の(R)3−(N−メタンスルホニルピペリジン−4−イル)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)プロパノール(4.0g)の溶液に加えて、混合液を1.5時間攪拌した。反応混合液を2M NaOH(2×100ml)で洗浄して、乾燥した。ジクロロメタン中の表題化合物の溶液を次の反応に使用した。
【0159】
工程1で3−(N−メタンスルホニルピペリジン−4−イル)プロぺノン酸の代わりに3−(N−トリフルオロメチルスルホニルピペリジン−4−イル)プロぺノン酸を用いる以外、類似の方式で、(R)3−(N−トリフルオロメチルスルホニルピペリジン−4−イル)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)プロピオンアルデヒドが製造された。
【化54】

【0160】
工程3で臭化3,5−ジフルオロフェニルマグネシウムの代わりに臭化3−フルオロフェニルマグネシウムを用いる以外、類似の方式で、(3R)−3−(3−フルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパナールが製造された。
【化55】

【0161】
B法
4−{2−[エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルの製造
【化56】

【0162】
工程1:4−{2−[{1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペリジン−4−イル}(エチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルの製造
【化57】

ジイソプロピルエチルアミン(1.3ml)を、ジクロロメタン(16ml)中の[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]酢酸二水和物(1.12g)[154478-71-6]のスラリーに加えて、引き続いてHATU(1.82g)を加えて、混合液をアルゴン下30分に攪拌した。ジクロロメタン(4ml)中の4−(エチルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(1.05g)[159874-38-1]の溶液を加えて、混合液を24時間攪拌し、次いで、ジクロロメタン(25ml)で希釈し、2M NaOH(2×20ml)および食塩水(1×20ml)で遂次的に洗浄して、乾燥した。溶媒を蒸発して、残渣を、酢酸エチル〜5%メタノール:酢酸エチルで作られた溶媒グラジエントで溶出する40gのシリカカラムで精製した。得られた黄色の油を次の段階で直接使用した、LC−MS M+H489プラスHATUから誘導された不純物M+H175。
1H NMR (CDCl3): 1.12 (3H, m), 1.44 (9H, s), 1.54-1.74 (8H, m), 2.48 (4H, d), 3.19-3.38 (4H, m), 3.44 (4H, d), 4.30 (1H, m), 5.14 (2H, s). 7.36 (5H, s)。
【0163】
工程2:表題化合物の製造
エタノール(20ml)中の4−{2−[{1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペリジン−4−イル}(エチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.98g)の溶液を、炭素上の20%Pd(OH)を触媒として用いて、水素で満たした風船下に水素化した。反応混合液をCeliteを通してろ過して、溶媒を減圧下に蒸発した。残渣を、最初メタノールで、次いで、メタノール中のアンモニアの1M溶液で溶出するSCX−2シリカカラムを通過させることにより精製した。メタノール性アンモニアフラクションを蒸発乾固して、表題化合物を油、収量1.3g、LC−MS M+H335として得た。1H NMR (CDCl3): 1.18 (3H, m), 1.44 (9H, s), 1.72 (8H, m), 2.48 (3H, m), 2.70 (1H, m), 3.22 (2H, m), 3.32 (2H, m), 3.46 (4H, m), 3.92 & 4.38 (1H, m)。
【0164】
工程1で4−(エチルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルの代わりに4−(イソブチルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルを用いる以外、類似の方式で、4−{2−[イソブチル(ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルが製造された。
【0165】
工程1で4−(エチルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルの代わりに4−(メチルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルを用いる以外、類似の方式で、4−{2−[イソブチル(ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルが製造された。
【0166】
C法
4−{2−[エチル(ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの製造
【化58】

【0167】
工程1:4−{2−[{1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペリジン−4−イル}(エチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの製造
【化59】

1−クロロ−N,N−2−トリメチルプロペニルアミン(891μl)を、ジクロロメタン(10ml)中の[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル]酢酸(1.60g)[157688-46-5]の溶液に加えて、混合液を2時間攪拌した。さらに別の当量の1−クロロ−N,N−2−トリメチルプロペニルアミンを加えて、攪拌を3時間継続した。ジクロロメタン(30ml)中の4−(エチルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(1.735g)およびトリエチルアミン(1.84ml)の溶液を加えて、混合液を16時間攪拌し、次いで、ジクロロメタン(30ml)で希釈し、飽和塩化アンモニウム溶液(2×25ml)、2M NaOH(2×25ml)および食塩水(25ml)で洗浄して、乾燥した。溶媒の除去は、オレンジ色の油、LC−MS M+H(−Boc)388を得た。この物質を工程2で直接使用した。
【0168】
工程2:表題化合物の製造
エタノール(30ml)中の4−{2−[{1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペリジン−4−イル}(エチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(3.1g)の溶液を、炭素上の20%Pd(OH)を触媒として用いて、水素で満たした風船下に水素化した。反応混合液をCeliteを通してろ過して、溶媒を減圧下に蒸発した。残渣を、最初メタノールで、次いで、メタノール中のアンモニアの1M溶液で溶出するSCX−2の50gシリカカラムを通過させることにより精製した。メタノール性アンモニアフラクションを蒸発乾固して、表題化合物を油、収量2.08g、1H NMR (CDCl3): 1.14 (3H, m), 1.44 (9H, s), 1.52-1.78 (8H, m), 2.10 (1H, m), 2.22 (2H, m), 2.70 (4H, m), 3.14 (2H, m), 3.28 (2H, m), 3.62 & 4.48 (1H, m), 4.10 (2H, m)、として得た。
【0169】
上で略述された手順に従いかつ4−(エチルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルおよび[1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル]酢酸[157688-46-5]を出発原料として用いて、4−[{[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル]アセチル}(エチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルが得られる。
【0170】
D法
N−エチル−N'−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}−N−ピペリジン−4−イルウレアの製造
【化60】

【0171】
工程1:2,2,2−トリクロロ−N−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}アセタミドの製造
【化61】

塩化トリクロロアセチル(0.41ml)を、ピリジン(0.59ml)およびDMAP(73mg)を含有するジクロロメタン(20ml)中の{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}アミン(700mg)[325153-03-5]の溶液に加えて、混合液を3時間攪拌し、次いで、水(1×15ml)、食塩水(1×15ml)で洗浄して、乾燥した。溶媒の除去で得られた残渣を、1:1酢酸エチル/ヘキサン〜酢酸エチルの溶媒グラジエントで溶出する20gのシリカBond Elutの上で精製して、2,2,2−トリクロロ−N−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}アセタミド、収量578mg、LC−MS M+H337/339を得た。
1H NMR (CDCl3): 1.3-1.5 (m, 2H), 1.8 (m, 3H), 2.7 (m, 3H), 3.3 (m, 2H), 3.8 (m, 2H), 6.8 (bs, 1H)。
【0172】
工程2:4−{エチル[({[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}アミノ)カルボニル]アミノ}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの製造
【化62】

DMA(3ml)中の2,2,2−トリクロロ−N−{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}アセタミド(578mg)の溶液を、DMA(7ml)中の4−(エチルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの攪拌した溶液に加え、吹き続いてDBU(0.34ml)を加えて、混合液を85℃で4時間攪拌した。溶媒を蒸発して、残渣を、1:1酢酸エチル/ヘキサン〜酢酸エチルの溶媒グラジエントで溶出する20gのシリカBond Elutで精製した。収量770mg、LC−MS M+H469。
1H NMR (CDCl3): 1.2 (m, 3H), 1.4 (m, 2H), 1,5 (s, 9H), 1.6 (m, 3H), 1.8 (m, 1H), 2.1 (m, 3H), 2.6-2.8 (m, 5H), 2.9 (m, 3H), 3.0 (s, 3H), 3.1-3.2(m, 3H), 3.8 (m, 1H), 4.2 (m, 1H)。
【0173】
工程3:表題化合物の製造
TFA(5ml)を、ジクロロメタン(20ml)中の4−{エチル[({[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}アミノ)カルボニル]アミノ}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(750mg)の溶液に加えて、混合液を1時間攪拌した。溶媒を蒸発して、残渣を、2M NaOH(1×15ml)の中に再溶解して、ジクロロメタン(2×15ml)で抽出した。ジクロロメタン抽出液を乾燥して、溶媒を除去して、表題化合物、収量480mg、LC−MS M+H347を得た。
【0174】
E法
塩酸N−アリル−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−N−ピペリジン−4−イルアセタミドの製造
【化63】

【0175】
工程1:4−(アリル{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アセチル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの製造
【化64】

CHCl(20ml)中の[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]酢酸[CAS 423722-27-4](0.8g)の溶液に、1−クロロ−N,N−2−トリメチルプロペニルアミン(0.53ml)を加えて、混合液を室温で2時間攪拌した。次いで、CHCl(10ml)中の4−(アリルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル[CAS 235420-68-5](770mg)およびトリエチルアミン(1ml)の溶液を加えて、混合液を室温で18時間攪拌した。反応混合液を水性NaHCO(50ml)の中に注いで、CHCl(2×100ml)で抽出した。合併した抽出液を食塩水(100ml)で洗浄して、乾燥(MgSO)した。減圧下の濃縮は、粗生成物を澄明な油(1.5g)、M+H+(344、M−Boc)として得た。
NMR (CDCl3): 1.2-1.5 (m, 3H), 1.4 (s, 9H), 1.6 (d, 2H), 1.8-1.9 (m, 4H), 2.6-2.8 (m, 3H), 2.8 (s, 3H), 3.7-3.8 (m, 4H), 4.1-4.3 (m, 2H), 5.1-5.3 (m, 2H), 5.7-5.9 (m, 1H)。
【0176】
工程2:表題化合物の製造
CHCl(20ml)中の4−(アリル{[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]アセチル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(800mg)および飽和メタノール性塩化水素(15ml)の溶液を室温で18時間攪拌した。反応混合液を減圧下に濃縮して、粗生成物を吸湿性の白色の固体(560mg)として得た。M+H+(344.3)。
NMR (DMSO): 1.1-1.3 (m, 2H), 1.5-2.1 (m, 8H), 2.2 (d, 1H), 2.4 (d, 1H), 2.7 (m, 3H), 2.8 (s, 3H), 2.9-3.0 (m, 3H), 3.3 (d, 2H), 3.9 (br m, 2H), 4.5 (m, 1H), 5.0-5.3 (m, 2H), 5.8-5.9 (m, 1H)。
【0177】
F法
1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)フェニル]プロピル}−N−エチルピペリジン−4−アミンの製造
【化65】

水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(2.54g)を、ジクロロメタン中の(R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]プロパナール(50ml中の3.2g、G法)および酢酸(0.2ml)を含有するジクロロメタン(50ml)中のエチル(ピペリジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル(2.28g)[CAS 313977-45-6]の溶液に少しずつ加えて、混合液を16時間攪拌した。混合液をジクロロメタン(50ml)で希釈し、飽和水性重炭酸ナトリウム(2×25ml)および食塩水(25ml)で洗浄して、乾燥した。溶媒の蒸発で得られた残渣を、5%メタノール/酢酸エチルで溶出するシリカカラムで精製した、収量4.18g、M+H537。
【0178】
G法
(R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)フェニル]プロパナールの製造
【化66】

【0179】
工程1:E−(4S,5R)−1−(3−[4−(メタンスルホニルフェニル]アクリロイル)−3,4−ジメチル−5−フェニル−イミダゾリジン−2−オンの製造
【化67】

DCM(10mL)中の3−[4−(メタンスルホニルフェニル]アクリル酸(7.14g)の攪拌した溶液に、塩化チオニル(3mL)を滴下して加えて、生じた混合液を室温で18時間攪拌した。この溶液に、DIPEA(5.04mL)を室温で滴下して加えた。生じた溶液を、DCM(20mL)中の(4R,5S)−1,5−ジメチル−4−フェニル−イミダゾリジン−2−オン(5.0g)およびDIPEA(4.58mL)の攪拌した溶液に加えて、生じた混合液を室温で4時間攪拌した。混合液を水および食塩水で洗浄し、Bond Elutの上に予じめ吸着させて、ヘキサン〜酢酸エチルのグラジエントで溶離して、固体(7.61g、73%)として副標題化合物を得た。
NMR (CDCl3): 0.84 (d, 3H), 2.89 (s, 3H), 3.04 (s, 3H), 3.98 (m, 1H), 5.42 (d, 1H), 7.20 (m, 2H), 7.32 (m, 3H), 7.69 (d, 1H), 7.74 (d, 2H), 7.93 (d, 2H), 8.31 (d, 1H); MS: 399。
【0180】
工程2:(4S,5R)−1−[(R)−(3−[4−(メタンスルホニル−フェニル)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−プロピオニル]−3,4−ジメチル−5−フェニル−イミダゾリジン−2−オンの製造
【化68】

ヨウ化銅(I)(5.01g)およびTHF(90mL)の混合液に、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン(4.2mL)を加えて、生じた混合液を室温で10分間攪拌し、次いで、−78℃に冷却した。臭化3,5−ジフルオロフェニルマグネシウム(52mL、THF中の0.5M溶液)を加えて、生じた混合液を−78℃で30分間攪拌した。THF(90mL)中のジ−n−ブチルボロントリフレート(15.8mL、ジエチルエーテル中の1M)および(E)−(4S,5R)−1−(3−[4−メタンスルホニルフェニル]アクリロイル)−3,4−ジメチル−5−フェニル−イミダゾリジン−2−オン(5.2g)の溶液を徐々に加えて、生じた混合液を18時間攪拌し、その間に室温に暖めた。反応混合液を、飽和水性塩化アンモニウム、次いで、EDTA四ナトリウム濃厚溶液で洗浄して、蒸発して、黄色の固体を得た。これをジエチルエーテルで粉末化して、副表題化合物(4.04g、60%)を白色の粉末として得た。
NMR: 0.78 (d, 3H), 2.83 (s, 3H), 3.26 (s, 3H), 3.75 (dd, 1H), 4.05 (m, 2H), 4.80 (t, 1H), 5.35 (d, 1H), 7.10 (m, 3H), 7.20 (m, 2H), 7.35 (m, 3H), 7.73 (d, 2H), 7.93 (d, 2H); LC-MS: 513。
【0181】
工程3:(R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]プロパノールの製造
【化69】

(4S,5R)−1−[(R)−(3−[4−(メタンスルホニル−フェニル)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−プロピオニル]−3,4−ジメチル−5−フェニル−イミダゾリジン−2−オン(57g)およびTHF(500mL)の混合液に20℃で、水素化ホウ素リチウム(THF中の2M、80mL)を徐々に加えた。生じた混合液を、加熱して、1時間還流し、5℃に冷却して、反応を、2M塩酸(200mL)を徐々に添加してクエンチした。混合液をジエチルエーテルで抽出して、抽出液を乾燥して、濃縮した。残渣を酢酸エチル(200mL)で粉末化して、生じた混合液をろ過した。ろ液を濃縮して、シリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチルで溶出する)により精製して、副表題化合物を油(25.5g)として得た。
NMR (CDCl3): 1.65 (br s, 1H), 2.3 (m, 2H), 3.55 (m, 2H), 4.3 (t, 1H), 6.7 (m, 1H), 6.75 (m, 2H), 7.25 (d, 2H), 7.9 (d, 2H)。
【0182】
工程4:表題化合物の製造
Dess−Martinのペルヨージナン(5.09g)を、ジクロロメタン(50ml)中の(R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−(4−メチルスルホニル)フェニル]プロパノール(3.26g)の溶液に加えて、混合液を45分間攪拌し、等容量のジクロロメタンで希釈して、2M NaOH(2×25ml)および食塩水(25ml)で洗浄して、乾燥した。乾燥剤のろ過で得られた溶液を次の工程に直接使用した。
【0183】
H法
N−(シクロプロピルメチル)−N−(1−{3(R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−2−ピペラジン−1−イルアセタミドの製造
【化70】

【0184】
工程1:4−[(シクロプロピルメチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルの製造
【化71】

ジクロロメタン(250ml)中の4−オキソピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(10g)の溶液に、(シクロプロピルメチル)アミン(6.09g)を加えて、生じた混合液を室温で30分間攪拌した。反応混合液を0℃に冷却して、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(10.9g)を加えた。混合液を室温にし、次いで、18時間攪拌した。反応を2N NaOH(100ml)でクエンチした。有機相を、MgSOの上で乾燥し、ろ過して、蒸発乾固して、油を得て、それを真空乾燥した。(収量12.1g)。
NMR CDCl3: 0.1 (m, 2H), 0.6 (m, 2H), 0.85 (m, 1H), 1.15 (br, 3H), 1.7 (br, 2H), 2.4 (m, 2H), 2.52 (m, 1H), 2.89 (br, 2H), 4.0 (br, 2H), 5.02 (s, 2H), 7.25 (m, 5H)。
【0185】
工程2:4−[(tert−ブトキシカルボニル)(シクロプロピルメチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルの製造
【化72】

ジクロロメタン(250ml)中の4−[(シクロプロピルメチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(12.05g)およびトリエチルアミン(6.98ml)の溶液に、二炭酸二tert−ブチル(10.9g)を3回に分け20分に亘り加えた。反応混合液を室温で18時間攪拌した。反応混合液を2N NaOH(2×100ml)で洗浄し、MgSOの上で乾燥し、ろ過して、蒸発乾固して、油を得て、それをさらなる精製無しに使用した。収量17g。LC−MS(M+H−Boc)=288。
【0186】
工程3:(シクロプロピルメチル)ピペリジン−4−イルカルバミン酸tert−ブチルの製造
【化73】

エタノール(200ml)中の4−[(tert−ブトキシカルボニル)(シクロプロピルメチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(17g)の溶液に、炭素上の20%水酸化パラジウム(1.7g)を加えて、生じた反応混合液を水素の雰囲気下に18時間攪拌した。反応混合液をCeliteを通してろ過して、蒸発乾固して、油を得て、それをさらなる精製無しに使用した。収量10.79g。
NMR CDCl3: 0.25 (m, 2H), 0.45 (m, 2H), 0.95 (m, 1H), 1.45 (s, 9H), 1.6 (m, 1H), 1.7 (m, 2H), 1.85 (m, 2H), 2.65 (m, 2H), 3.0 (m,2H), 3.1 (m, 2H)。
【0187】
工程4:(シクロプロピルメチル)(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イルカルバミン酸tert−ブチルの製造
【化74】

ジクロロメタン(100ml)中の(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパナール(6.6g)の溶液を、ジクロロメタン(100ml)中の(シクロプロピルメチル)ピペリジン−4−イルカルバミン酸tert−ブチル(5.08g)の溶液に加えた。水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(5.09g)を加えて、生じた反応混合液を室温で18時間攪拌した。反応混合液を2M NaOH(2×150ml)で洗浄し、MgSOの上で乾燥し、ろ過した。PS−イソシアナート樹脂(1.2mm/g;5g)をろ液に加えて、混合液を室温で3時間攪拌した。反応混合液をろ過して、蒸発乾固して、無色の油を得て、それをさらなる精製無しに使用した。収量12.4g。LC−MS(M+H−Boc)=570。
NMR CDCl3: 0.25 (m, 2H), 0.5 (m, 2H), 0.95 (m, 1H), 1.2-1.4 (m, 4H), 1.45(s, 9H), 1.6-2.6(m, 17H), 2.75 (s, 3H), 2.95 (br, 3H), 3.7 (d, 1H), 3.85 (d, 1H), 6.65 (m, 3H)。
【0188】
工程5:N−(シクロプロピルメチル)−1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−アミンの製造
【化75】

(シクロプロピルメチル)(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル(11.4g)をTFA(150ml)の中に溶解して、室温で1時間攪拌した。反応混合液を濃縮して、残渣をジクロロメタン(150ml)および2M NaOH(150ml)の間に分配した。水層をさらなるジクロロメタン(3×100ml)で抽出した。有機抽出液を合併し、乾燥(MgSO)し、ろ過して、蒸発乾固して、油を得て、それをさらなる精製無しに使用した。収量8.28g。LC−MS(M+H)=470。NMR CDCl3: 0.1 (m, 1H), 0.5 (m,2H), 0.95-2.1 (m,16H), 2.3-2.7 (m,8H), 2.75 (s,3H), 2.8 (m,1H), 3.65 (d,1H), 3.8 (d,1H), 6.65 (m,3H)。
【0189】
工程6:4−{2−[(シクロプロピルメチル)(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルの製造
【化76】

[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]酢酸(518mg)およびHATU(804mg)をDMF(40ml)の中に溶解して、トリエチルアミン(0.9ml)を加えた。反応混合液を室温で10分間攪拌して、次いで、N−(シクロプロピルメチル)−1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−アミン(994mg)を加えた。反応混合液を室温で24時間攪拌して、蒸発乾固した。残存する油をジクロロメタン(100ml)の中に溶解して、2M NaOH(2×100ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過して、蒸発乾固して、黄色の油を得て、それを12gのRedisepカラムを用いて、0〜25%メタノール/酢酸エチルのグラジエントで溶出するコンビフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、油を得た。収量250mg。LC−MS(M+H)=696。
NMR CDCl3: 0.25 (m, 2H), 0.4 (d, 2H), 0.6 (d, 2H), 1.2-1.4 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.6 (br, 3H), 1.8 (m, 2H), 2.0 (m, 4H), 2.3-2.7 (m, 10H), 2.75 (s, 3H), 2.90 (m, 2H), 3.05-3.3 (m, 4H), 3.4 (m, 4H), 3.5 (s, 1H), 3.7 (d, 1H), 3.85 (d, 1H), 6.65 (m, 3H)。
【0190】
工程7:表題化合物の製造
TFA(10ml)中の4−{2−[(シクロプロピルメチル)(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(231mg)の溶液を1時間攪拌した。反応混合液を蒸発乾固して、2M NaOH(15ml)およびジクロロメタン(3×15ml)の間に分配した。有機相を収集し、MgSOで乾燥し、ろ過して、蒸発乾固して、表題化合物を油として得た。収量195mg。LC−MS(M+H)596。
NMR CDCl3: 0.3 (d, 2H), 0.55 (dd, 2H), 1.3-2.65 (m, 24H), 2.75 (s, 3H), 2.95 (m, 7H), 3.2 (m, 4H), 3.75 (d, 1H), 3.85 (d, 1H), 6.65 (m, 3H)。
【0191】
I法
1−{3(R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}−N−メチルピペリジン−4−アミンの製造
【化77】

【0192】
工程1:(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)メチルカルバミン酸tert−ブチルの製造
【化78】

ジクロロメタン(100ml)中のメチル(ピペリジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチル(CAS 188174-17-6)(4g)および(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロパナール(A法)(6.2g)の溶液に、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(4.7g)を加えた。反応混合液を室温で24時間攪拌し、次いで、2N NaOH(2×100ml)で洗浄し、MgSOの上で乾燥し、蒸発した。残渣を、酢酸エチル〜20%メタノール/酢酸エチルのグラジエントで溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製して、副表題化合物を淡褐色の油として得た。収量9.7g、LC−MS(M+H)530。NMR CDCl3: 1.2-1.35 (m, 3H), 1.4 (s, 9H), 1.6 (m, 7H), 1.9-2.1 (m, 6H), 2.35 (m, 1H), 2.5 (m, 1H), 2.6 (m, 1H), 2.7 (s, 3H), 2.75 (s, 3H), 2.8-2.9 (m, 2H), 3.7 (m, 1H), 3.85 (m, 1H), 6.6 (m, 3H)。
【0193】
工程2:表題化合物の製造
トリフルオロ酢酸(25ml)を、(1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)メチルカルバミン酸tert−ブチル(9.7g)に加えて、室温で1時間攪拌した。トリフルオロ酢酸を蒸発除去して、2N NaOH(100ml)を加えて、混合液をジクロロメタン(3×100ml)で抽出した。合併した抽出液をMgSOで乾燥して、蒸発して、淡褐色のガムを残し、それをさらなる精製無しに使用した。収量7.6g。LC−MS(M+H)430、NMR CDCl3: 1.2-2.2 (m, 15H), 2.4 (m, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.5-2.7 (m, 3H), 2.75 (s, 3H), 2.8 (m, 1H), 3.7 (m, 1H), 3.85 (m, 1H), 6.65 (m, 3H)。
【0194】
工程1でイソブチル(ピペリジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチルを用いることを除いて同様の方式で、1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}−N−イソブチルピペリジン−4−アミンが製造された。
【0195】
工程1でエチル(ピペリジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチルを用いることを除いて同様の方式で、1−{(3R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}−N−エチルピペリジン−4−アミンが製造された。
【0196】
J法
[1−(メチルスルホニル)ピロリジン−3−イル]酢酸の製造
【化79】

【0197】
工程1:[1−(メチルスルホニル)ピロリジン−3−イル]酢酸tert−ブチルの製造
【化80】

ジクロロメタン(50ml)中のピロリジン−3−イル−酢酸tert−ブチル(1g)およびトリエチルアミン(0.85ml)の溶液に、塩化メタンスルホニル(0.48ml)を加えた。反応混合液を室温で24時間攪拌した。反応混合液を2N NaOH(2×20ml)で洗浄し、MgSOの上で乾燥して、蒸発して、移動性の油を得て(収量1.8g)、それをさらなる精製無しに使用した。
【0198】
工程2:表題化合物の製造
[1−(メチルスルホニル)ピロリジン−3−イル]酢酸tert−ブチル(1.8g)をTFA(20ml)の中に溶解して、室温で1時間放置した。TFAを蒸発した。残渣をエーテル(6×20ml)で粉末化して、合併したエーテル抽出液を蒸発して、白色の固体(収量140mg)を生じた。LC−MS(M+H)206。NMR CDCl3: 1.6 (m, 1H), 2.15 (m, 1H), 2.4 (m, 2H), 2.6 (m, 1H), 2.75 (s, 3H), 2.9 (m, 1H), 3.25 (m, 1H), 3.4 (m, 1H), 3.6 (m, 1H)。
【0199】
K法
N−(1−{3(R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−イソブチル−N'−ピペリジン−4−イルウレアの製造
【化81】

【0200】
工程1:4−({[(1−{3(R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(イソブチル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルの製造
【化82】

1−{3(R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}−N−イソブチルピペリジン−4−アミン(I法)(600mg)をジクロロメタン(25ml)の中に溶解して、4−イソシアナートピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(331mg)を加えた。反応混合液を室温で18時間攪拌した。反応混合液を20gのSCX2カートリッジの上に注いで、メタノール(6×20ml)および1Mアンモニア/メタノール(6×20ml)で溶離した。合併したアンモニア洗液をガムに蒸発し、それを酢酸エチル〜20%メタノール/酢酸エチルのグラジエントで溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製して、副表題化合物を固体として得た。収量750mg。LC−MS(M+H)732、NMR CDCl3: 0.85 (6H, d), 1.21.7 (10H, m), 1.8-2.1 (9H, m), 2.35 (1H, m), 2.5 (1H, m), 2.6 (1H, m), 2.7 (3H, s), 2.8-95 (5H, m), 3.7 (1H, m), 3.8 (2H, m), 3.95 (1H, m), 4.05-4.2 (4H, m), 5.2 (2H, s), 6.7 (3H, m), 7.35 (5H, m)。
【0201】
工程2:表題化合物の製造
4−({[(1−{3(R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)(イソブチル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(600mg)をエタノール(50ml)の中に溶解して、アルゴンでパージした。20%水酸化パラジウム(100mg)を加えて、反応混合液をアルゴンでパージした。水素を風船から導入して、反応混合液を水素雰囲気下に24時間攪拌した。反応液をアルゴンでパージして、セライトを通してろ過して、蒸発して、表題化合物を得た。収量500mg、LC−MS M+H598、NMR CDCl3: 0.9 (6H, d), 1.1-2.2 (17H, m), 2.4 (1H, m), 2.5 (1H, m), 2.55-2.77 (4H, m), 2.75 (3H, s), 2.8-2.9 (4H, m), 3.05 (2H, m), 3.7-3.8 (3H, m), 3.85 (1H, m), 3.95 (1H, m), 4.25 (1H, m), 6.7 (3H, m)。
【0202】
工程1で1−{3(R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}−N−メチルピペリジン−4−アミンを用いる以外、類似の方式で、N−(1−{3(R)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)−N−メチル−N'−ピペリジン−4−イルウレアが得られた。LC−MS M+H556、NMR CDCl3: 1.2-2.3 (16H, m), 2.35-2.65 (5H, m), 2.7 (3H, s), 2.75 (3H, s), 2.8-2.95 (2H, m), 3.05 (2H, m), 3.7 (4H, m), 3,75 (1H, m), 4.15 (1H, m), 4.2 (1H, d), 6.7 (3H, m)。
【0203】
実施例18
化合物がMIP−1αの結合を阻害する能力をインビトロの放射性リガンド結合アッセイにより評価した。組換えヒトCCR5受容体を発現したチャイニーズハムスターの卵巣細胞から膜を製造した。これらの膜を、96穴プレートの中で0.1nMのヨウ素化MIP−1α、シンチレーション近接ビーズおよび種々の濃度の本発明の化合物と共にインキュベートした。受容体に結合したヨウ素化MIP−1αの量を、シンチレーション計数によって測定した。競合曲線を化合物に対して得て、結合したヨウ素化MIP−1αの50%を置換する化合物の濃度(IC50)を算出した。式(I)の好ましい化合物は、50μMより小さいIC50を有する。
【0204】
本発明のある特定の化合物についてのこの試験からの結果を、表VIIに提示する。表VIIでは、結果はPic50値として提示される。Pic50値は、IC50の結果の負のlog(底10に対する)であり、1μM(即ち、1×10−6M)のIC50は、6のPic50となる。化合物が二回以上試験されたならば、以下のデータは立証的試験結果の平均である。
【0205】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔式中
はC1〜8アルキル、C(O)NR1011、C(O)12、NR13C(O)R14、NR15C(O)NR1617、NR18C(O)19、複素環、アリールもしくはヘテロアリールであり;
10、R13、R15、R16およびR18は水素もしくはC1〜6アルキルであり;
11、R12、R14、R17およびR19はC1〜8アルキル(ハロ、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル(ハロにより所望により置換されている)、C5〜6シクロアルケニル、S(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリールオキシもしくはアリールオキシにより所望により置換されている)、アリール、ヘテロアリール、C3〜7シクロアルキル(ハロ、C1〜4アルキルもしくはC1〜4ハロアルキルにより所望により置換されている)、フェニル環に縮合しているC4〜7シクロアルキル、C5〜7シクロアルケニル、または、複素環であるか;またはR11、R12、R14およびR17は水素であってもよく;
またはR10およびR11、ならびに/もしくはR16およびR17は結合して、窒素、酸素もしくは硫黄原子を所望により含む4−、5−または6−員環を形成し得て、当該環はC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、S(O)(C1〜6アルキル)もしくはC(O)(C1〜6アルキル)により所望により置換されていて;
はC1〜6アルキル、フェニル、ヘテロアリールもしくはC3〜7シクロアルキルであり;
XがNRであるときには、Yは不在であるかもしくはCHであり;
XがCHであるときには、Yは不在であるか、CH、NR、O、S、S(O)もしくはS(O)であり;
Zは5−もしくは6−員環の複素環式環であり;
、RおよびRは、独立して、水素もしくはC1〜6アルキルであり;
は水素、C1〜4アルキル、C3〜4アルケニル、C3〜4アルキニルもしくはC3〜6シクロアルキルであり;
アリール、フェニルおよびヘテロアリールの部分はハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、OC(O)NR2021、NR2223、NR24C(O)R25、NR26C(O)NR2728、S(O)NR2930、NR31S(O)32、C(O)NR3334、CO36、NR37CO38、S(O)39、OS(O)49、C1〜6アルキル(S(O)50もしくはC(O)NR5152により所望によりモノ−置換されている)、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜10シクロアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ(C1〜6)アルキル、C1〜6アルコキシ(CO53、C(O)NR5455、シアノ、ヘテロアリールもしくはC(O)NHS(O)56により所望によりモノ−置換されている)、NHC(O)NHR57、C1〜6ハロアルコキシ、フェニル、フェニル(C1〜4)アルキル、フェノキシ、フェニルチオ、フェニルS(O)、フェニルS(O)、フェニル(C1〜4)アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1〜4)アルキル、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリール(C1〜4)アルコキシにより独立して所望により置換されていて;直前に記載のフェニルおよびヘテロアリールの部分のいずれかが、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、S(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1〜4アルキル)、S(O)N(C1〜4アルキル)、シアノ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C(O)NH、C(O)NH(C1〜4アルキル)、C(O)N(C1〜4アルキル)、COH、CO(C1〜4アルキル)、NHC(O)(C1〜4アルキル)、NHS(O)(C1〜4アルキル)、CFもしくはOCFで所望により置換されており;
別に言及されない限り複素環の部分はC1〜6アルキル[フェニル{それ自身ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、OCF、(C1〜4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1〜4アルキルチオ、S(O)(C1〜4アルキル)もしくはS(O)(C1〜4アルキル)により所望により置換されている}またはヘテロアリール{それ自身ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、(C1〜4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1〜4アルキルチオ、S(O)(C1〜4アルキル)もしくはS(O)(C1〜4アルキル)により所望により置換されている}により所望により置換されている]、フェニル{ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、OCF、(C1〜4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1〜4アルキルチオ、S(O)(C1〜4アルキル)もしくはS(O)(C1〜4アルキル)により所望により置換されている}、ヘテロアリール{ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、シアノ、ニトロ、CF、(C1〜4アルキル)C(O)NH、S(O)NH、C1〜4アルキルチオ、S(O)(C1〜4アルキル)もしくはS(O)(C1〜4アルキル)により所望により置換されている}、SONR40NR41、C(O)R42、C(O)(C1〜6アルキル)(tert−ブトキシカルボニルのような)、C(O)(フェニル(C1〜2アルキル))(ベンジルオキシカルボニルのような)、C(O)NHR43、S(O)44、NHS(O)NHR45、NHC(O)R46、NHC(O)NHR47もしくはNHS(O)48により独立して所望により置換されている:ただし、最後の四つの置換基の何も環窒素に連結しておらず;
k、l、pおよびqは、独立して、0,1もしくは2であり;
20、R22、R24、R26、R27、R29、R31、R33、R37、R40、R51およびR54は、独立して、水素もしくはC1〜6アルキルであり;
21、R23、R25、R28、R30、R32、R34、R36、R38、R39、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R52、R53、R55、R56およびR57は、独立して、C1〜6アルキル(ハロ、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル、C5〜6シクロアルケニル、S(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、ヘテロアリール、フェニル、ヘテロアリールオキシもしくはフェニルオキシにより所望により置換されている)、C3〜7シクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールであり;直前に記載のフェニルおよびヘテロアリールの部分のいずれかが、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、S(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1〜4アルキル)、S(O)N(C1〜4アルキル)、シアノ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C(O)NH、C(O)NH(C1〜4アルキル)、C(O)N(C1〜4アルキル)、COH、CO(C1〜4アルキル)、NHC(O)(C1〜4アルキル)、NHS(O)(C1〜4アルキル)、C(O)(C1〜4アルキル)、CFもしくはOCFで所望により置換されており;
21、R23、R25、R28、R30、R34、R35、R36、R41、R42、R43、R45、R46、R47、R52、R53、R55およびR57はこれに加えて水素であってもよく:
これに代えて、R20およびR21、ならびに/もしくはR22およびR23、ならびに/もしくはR27およびR28、ならびに/もしくはR29およびR30、ならびに/もしくはR33およびR34、ならびに/もしくはR51およびR52、ならびに/もしくはR54およびR55、ならびに/もしくはR40およびR41は結合して、ハロ、C1〜4アルキルまたはフェニル[そこでは、フェニル環が、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、S(O)(C1〜4アルキル)、S(O)NH、S(O)NH(C1〜4アルキル)、S(O)N(C1〜4アルキル)、NHS(O)(C1〜4アルキル)、NH、NH(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキル)、NHC(O)NH、C(O)NH、C(O)NH(C1〜4アルキル)、NHC(O)(C1〜4アルキル)、COH、CO(C1〜4アルキル)、C(O)(C1〜4アルキル)、CF、CHF、CHF、CHCFもしくはOCFで所望により置換されている]で所望により置換されている5−もしくは6−員環の環を形成し得て;
mは0,1もしくは2である。〕
の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が複素環である、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
がピペリジニルまたはピペラジにルであり、そのいずれかがフェニル、S(O)39(式中、R39はC1〜4アルキル、フェニルまたはCFである)またはSONR29NR30(式中、R29およびR30は、独立して、C1〜4アルキルである)によりN−置換されている、請求項1もしくは請求項2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
がフェニルまたはヘテロアリールであり、そのいずれかが、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、S(O)(C1〜4アルキル)、ニトロ、シアノもしくはCF(式中、nは、0、1または2である)により所望により置換されている、請求項1〜3のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
が水素、メチル、エチル、n−プロピル、アリルもしくはシクロプロピルである、請求項1〜4のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
ZがC(O)(C1〜6アルキル)、C(O)(C1〜6アルコキシ)もしくはS(O)(C1〜4アルキル)により所望により置換されている(例えば環窒素上を)、ピペリジニルもしくはピペラジニルである、請求項1〜5のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の式(I)の化合物の製造法であって、
(a)式(II):
【化2】

の化合物を式(III):
【化3】

の化合物と、適当な有機酸および適当な還元剤と共に、還元的アミノ化条件で、反応させるか;または
(b)式(IV):
【化4】

[式中、脱離基のLGはトシレート、メシレート、トリフレートもしくはハロゲンである]の化合物を式(III)の化合物と反応させるか;または
(c)式(V):
【化5】

の化合物を、
XがCHであるときには、式(VI):
【化6】

[式中、LGはハロゲン、活性エステルもしくはカルボジイミドカップリング剤で活性化されたOH、または酸のカルボニルジイミダゾールとの反応の活性生成物である]の化合物と反応させるか(該反応は塩基の存在下に不活性溶媒の中で行う);
または
XがNHであるときには、式(VII):
【化7】

の化合物と反応させるか(該反応は塩基の存在下に不活性溶媒の中で行う);
または
XがNRであるときには、式(VIII):
【化8】

[式中、LGは、ハロゲンもしくは活性エステルである]の化合物と反応させる(該反応は塩基の存在下に不活性溶媒の中で行う);
工程を含む、方法(上記式中、R、R、R、RおよびRは請求項1で定義の通りである)。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容されるアジュバント、賦形剤もしくは担体を含む医薬組成物。
【請求項9】
医薬品としての使用のための、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
治療に使用のための医薬品の製造における、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
CCR5仲介性の疾患状態を処置する方法であって、そのような処置を必要とする患者に請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効な量を投与することを含む、方法。

【公表番号】特表2008−524188(P2008−524188A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546181(P2007−546181)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004841
【国際公開番号】WO2006/067385
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】