説明

化学変性による表面特性の調整制御

接着面を有する基材の製造方法であって、(a)基材を、以下の式(I)の化合物であるカルベン前駆体であって、置換基が本明細書中で定義されており、但しRがアリールまたはヘテロアリールである場合、前記アリールまたはヘテロアリールは、独立して−L−Wを含む各種基から選択される一、二、三、四または五つの基によって置換されていてもよいカルベン前駆体と接触させる工程;並びに(b)(i)WまたはWが接着官能基を含有する場合、基材と反応して表面を官能化させるためにカルベン反応性中間体をカルベン前駆体から生成し、それによって接着面を有する前記基材を生じる工程か;または(ii)WまたはWが接着官能基の前駆体である基を含有する場合、基材と反応して表面を官能化するためにカルベン反応性中間体をカルベン前駆体から生成する工程、および(c)前駆体である前記基を接着官能基に転化し、それによって前記接着面を有する基材を生じる工程のいずれかを包含する、製造方法。本発明は、更に、この方法における使用に関するカルベン前駆体化合物、この方法によって製造される基材およびある前駆体化合物の製造に関する方法にも関する。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)基材を以下の式(I)
【化1】

(式中、
Aは、アリールまたはヘテロアリール環であり;
yは、1、2、3、4または5であり;
は、単結合、−alk−、−アリーレン−、−alk−アリーレン−、−X−alk−、−X−alk−X−、−X−アリーレン−、X−アリーレン−X−、−X−alk−アリーレン−、−alk−X−アリーレン−、−alk−アリーレン−X、−X−alk−X−アリーレン−、−alk−X−アリーレン−X−または−X−alk−X−アリーレン−X−であり、XはN(R’’)、O、またはSであり、alkは任意にN(R’’)、O、Sもしくはアリーレンによって割り込まれていてもよいC1〜20アルキレンであり、R’’はH、C1〜6アルキルまたはアリールであり;
は、接着官能基または接着官能基の前駆体である基を含有する基であり;
Rは、水素、アリール、ヘテロアリール、C1〜10アルコキシ、アリールオキシ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、C1〜10アルキルチオ、アリールチオおよびCR’から選択され、各R’は独立して、ハロゲン原子、アリール、ヘテロアリール、C3〜7シクロアルキル、C5〜7ヘテロシクリルおよびC1〜6アルキルから選択され、C1〜6アルキルは任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよく、R’’は上で定義されたとおりであり;
但し、Rがアリールまたはヘテロアリールである場合、前記アリールまたはヘテロアリールは非置換であっても、独立してC1〜6−アルキル、アリール、シアノ、アミノ、ケト、C1〜10アルキルアミノ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アミド、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシ、エステル、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、ハロアルキル、チオール、C1〜10アルキルチオ、アリールチオ、スルホン酸、スルホニルおよび−L−Wから選択される一、二、三、四または五つの基で置換されていてもよく、LはLに関して上で定義されたとおりであり、Lと同一であるかまたは異なっており、WはWに関して上で定義されたとおりであり、Wと同一であるかまたは異なっている。)
の化合物であるカルベン前駆体と接触させる工程;並びに
(b)(i)WまたはWが接着官能基を含有する場合、該基材と反応して表面を官能化させるように該カルベン前駆体からカルベン反応性中間体を生成し、それによって接着面を有する基材を生じる工程;または
(ii)WまたはWが接着官能基の前駆体である基を含有する場合、該基材と反応して表面を官能化させるように該カルベン前駆体からカルベン反応性中間体を生成する工程、および(c)前駆体である前記基を接着官能基に転化し、それによって接着面を有する前記基材を生じる工程;のいずれか
を包含する、接着面を有する基材の製造方法。
【請求項2】
またはWのいずれかが接着官能基を含有し、該接着官能基がOH、NH、SH、Mまたは脂肪族炭素−炭素二重結合を含む基であり、Mが金属、合金、または金属塩に接着可能な基である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
またはWのいずれかが、接着官能基の前駆体である基を含有し、前駆体である基が−OHおよび−NH(R’’)(式中、R’’はH、C1〜6アルキルまたはアリールである。)から選択され、該方法の工程(c)が前記−OHまたは−NH(R’’)をHal−C(O)C(R)=CR(式中、Halは好適な脱離基であり、R、RおよびRは同一であっても異なっていてもよく、それぞれH、C1〜6アルキル、アリール、シアノ、アミノ、C1〜10アルキルアミノ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アミド、ハロ、カルボキシ、エステル、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、C1〜10アルキルチオおよびアリールチオから選択される。)と反応させる工程を包含し、それによって前記−OHまたは−NH(R’’)を以下の構造
【化2】

(式中、XはOまたはN(R’’)である。)
を有する接着官能基に転化する、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
またはWのいずれかが接着官能基の前駆体である基を含有し、前駆体である基が脂肪族炭素−炭素二重結合を含み、該方法の工程(c)が前記脂肪族炭素−炭素二重結合を酸化してエポキシ基を形成し、それによって前駆体である前記基をエポキシド接着官能基に転化する工程を包含する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
またはWのいずれかが金属、合金または金属塩に接着可能な基の前駆体である基を含有し、該方法の工程(c)が前記前駆体である基を金属、合金または金属塩に接着可能な基に転化する工程を包含する、従前請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
またはWのいずれかが接着官能基の前駆体である基を含有し、基材と反応して表面を活性化するようにカルベン前駆体からカルベン反応性中間体を生成する工程(b)が前駆体である前記基を接着官能基に転化する工程(c)と組み合わされている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
またはWのいずれかが以下の構造
【化3】

(式中、
は、単結合、C(R’’)(R’’’)、N(R’’)またはOであり、R’’は請求項1において定義されたとおりであり、R’’’はH、C1〜6アルキルまたはアリールであり;
Protは、−CH=CH基の前駆体である保護基である。)
を有する接着官能基の前駆体である基を含有し、前駆体である該基が転化される前記接着官能基が以下の構造
【化4】

を有する、従前請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
およびWが独立して
【化5】

【化6】

、−L−OH、−L−NH、−L−SH、−L−M、C1〜20アルキル、C3〜20シクロアルキル、C3〜20ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、
前記C1〜20アルキル、C3〜20シクロアルキル、C3〜20ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールはそれぞれ
【化7】

【化8】

−L−OH、−L−NH、−L−SHおよび−L−Mから選択される一以上の基で置換されており、前記C1〜20アルキルは任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよく、R’’は請求項1において定義されたとおりであり;
は、単結合、C(R’’)(R’’’)、N(R’’)またはOであり、R’’は請求項1において定義されたとおりであり、R’’’はH、C1〜6アルキルまたはアリールであり;
Protは、−CH=CH基の前駆体である保護基であり;
は、単結合、C1〜6アルキレン、アリーレン、−アリーレン−C1〜6アルキレン−または−C1〜6アルキレン−アリーレン−であり、前記C1〜6アルキレン基のそれぞれが任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよく、R’’は請求項1において定義されたとおりであり、但しLが単結合である場合、
【化9】

【化10】

、−L−OH、−L−NHおよび−L−SH基は直接Xに結合せず;
、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれH、C1〜6アルキル、アリール、シアノ、アミノ、C1〜10アルキルアミノ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アミド、ハロ、カルボキシ、エステル、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、C1〜10アルキルチオおよびアリールチオから選択され;かつ
Mは、金属、合金、または金属塩に接着可能である基、および金属、合金または金属塩に接着可能な基の前駆体である基から選択され;
但し、WまたはWが基
【化11】

を含有する場合、該方法の工程(c)が前記基を以下の構造
【化12】

の一つに転化する工程を包含し;
但しWまたはWが金属、合金または金属塩に接着可能な基の前駆体である基を含有する場合、該方法の工程(c)が前駆体である前記基を金属、合金または金属塩に接着可能な基に転化する工程を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
金属、合金または金属塩に接着可能である基の前駆体である前記基がP(=O)(ORまたは
【化13】

のいずれかであり、該方法の工程(c)が前駆体である前記基を構造−P(=O)(OH)または
【化14】

(式中、Rは、C1〜6アルキルまたはアリールであり、かつYは、H、C1〜6アルキル、アリール、−OH、−SHまたはNHである。)
を有する対応するホスホン酸基に転化する工程を包含する、請求項5または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(d)構造−P(=O)(OH)または
【化15】

(式中、Rは、C1〜6アルキルまたはリールであり、Yは、H、C1〜6アルキル、アリール、−OH、−SHまたはNHである。)を有する前記ホスホン酸基を前記ホスホン酸基の塩に転化する工程
を更に包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
金属、合金または金属塩に接着可能である前記基が
(i)−C(=O)OH;
(ii)−CY(COOH)
(iii)−S(=O)OH;
(iv)−CY[S(=O)OH]
(v)−C(=O)NH
(vi)−CY[C(=O)NH
(vii)−S(=O)NH;および
(viii)−CY[S(=O)NH
(式中、Yは、H、C1〜6アルキル、アリール、−OH、−SHまたはNHである。)
から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
金属、合金または金属塩に接着可能である前記基が、構造−C(=O)OH;−CY(COOH);−S(=O)OHまたは−CY[S(=O)OH](式中、Yは請求項11において定義されたとおりである。)を有する基であり、該方法が更に前記基を前記基の塩に転化する工程を包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該塩がカルシウム塩である、請求項10または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
以下の式(I)
【化16】

(式中、
Aは、アリールまたはヘテロアリール環であり;
yは、1、2、3、4または5であり;
は、単結合、−alk−、−アリーレン−、−alk−アリーレン−、−X−alk−、−X−alk−X−、−X−アリーレン−、X−アリーレン−X−、−X−alk−アリーレン−、−alk−X−アリーレン−、−alk−アリーレン−X、−X−alk−X−アリーレン−、−alk−X−アリーレン−X−または−X−alk−X−アリーレン−X−であり、XはN(R’’)、O、またはSであり、alkは、任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよいC1〜20アルキレンであり、R’’はH、C1〜6アルキルまたはアリールであり;
は、接着官能基または接着官能基の前駆体である基を含有する基であり;
Rは、アリール、ヘテロアリール、C1〜10アルコキシ、アリールオキシ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、C1〜10アルキルチオ、アリールチオおよびCR’から選択され、各R’は、独立して、ハロゲン原子、アリール、ヘテロアリール、C3〜7シクロアルキル、C5〜7ヘテロシクリルおよびC1〜6アルキルから選択され、C1〜6アルキルは任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよく、R’’は上で定義されたとおりであり、但し、RはCF以外であり;
但し、Rがアリールまたはヘテロアリールである場合、前記アリールまたはヘテロアリールは非置換であっても、独立してC1〜6アルキル、アリール、シアノ、アミノ、ケト、C1〜10アルキルアミノ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アミド、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシ、エステル、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、ハロアルキル、チオール、C1〜10アルキルチオ、アリールチオ、スルホン酸、スルホニルおよび−L−Wから選択される一、二、三、四または五つの基で置換されていてもよく、LはLに関して上で定義されたとおりであり、Lと同一であるかまたは異なっており、WはWに関して上で定義されたとおりであり、Wと同一であるかまたは異なっており、
但し、4,4’−ビス(N−アセチル−2−アミノエチル)ジフェニルジアゾメタンでも、1−{2−[4−(ジアゾ−フェニル−メチル)−ベンジルオキシ]−エチル}−3−フェニルウレアでも、4−([N−エチル−N−フェニル−2−アミノエチル]オキシメチル)フェニルフェニルジアゾメタンでも、ビス−4,4’−N,N−ジメチルアミノジフェニルジアゾメタンでも、4−([3,4−ジメトキシフェニル]オキシメチル)フェニルフェニルジアゾメタンでも、4−([3−N,N−ジエチルアミノフェニル]オキシメチル)フェニルフェニルジアゾメタンでもビス−4,4’−tert−ブチルエステルジフェニルジアゾメタンでもない化合物である。)
のカルベン前駆体化合物。
【請求項15】
およびWが独立して
OH、NH、SH、M、脂肪族炭素−炭素二重結合含有基、および以下の構造
【化17】

(式中、
は、単結合、C(R’’)(R’’’)、N(R’’)またはOであり、R’’は請求項14において定義されたとおりであり、R’’’はH、C1〜6アルキルまたはアリールであり;
Protは、−CH=CH基の前駆体である保護基であり;かつ
Mは、金属、合金または金属塩に接着可能である基であるか、またはMは金属、合金または金属塩に接着可能である基の前駆体である基である。)
を有する基から選択される官能基を含有する基から選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項16】
およびWが独立して
【化18】

【化19】

、−L−OH、−L−NH、−L−SH、−L−M、C1〜20アルキル、C3〜20シクロアルキル、C3〜20ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、
前記C1〜20アルキル、C3〜20シクロアルキル、C3〜20ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、それぞれ
【化20】

【化21】

、−L−OH、−L−NH、−L−SHおよび−L−Mから選択される一以上の基で置換されており、前記C1〜20アルキルは任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよく、R’’は請求項16において定義されたとおりであり;
は、単結合、C(R’’)(R’’’)、N(R’’)またはOであり、R’’は請求項14において定義されたとおりであり、R’’’はH、C1〜6アルキルまたはアリールであり;
Protは、−CH=CH基の前駆体である保護基であり;
は、単結合、C1〜6アルキレン、アリーレン、−アリーレン−C1〜6アルキレン−または−C1〜6アルキレン−アリーレン−であり、前記C1〜6アリーレン基のそれぞれは任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよく、R’’は請求項1において定義されたとおりであり、但し、Lが単結合である場合、該
【化22】

【化23】

、−L−OH、−L−NHおよび−L−SH基はXに直接結合してはならず;
、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれH、C1〜6アルキル、アリール、シアノ、アミノ、C1〜10アルキルアミノ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アミド、ハロ、カルボキシ、エステル、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、C1〜10アルキルチオおよびアリールチオから選択され;かつ
Mは、金属、合金、または金属塩に接着可能である基および金属、合金または金属塩に接着可能である基の前駆体である基から選択される、
請求項14または請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
Mが
(a)−P(=O)(OR
(b)
【化24】

(c)−C(=O)OH;
(d)−CY(COOH)
(e)−S(=O)OH;
(f)−CY[S(=O)OH]
(g)−C(=O)NH
(h)−CY[C(=O)NH
(i)−S(=O)NH;および
(j)−CY[S(=O)NH
(式中、RはC1〜6アルキルまたはアリールであり;かつYはH、C1〜6アルキル、アリール、−OH、−SHまたはNHである。)から選択される、請求項15または請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
(a)基材を請求項14〜17のいずれか一項において定義されたとおりの化合物であるカルベン前駆体に接触させる工程;および
(b)該基材と反応して表面を官能化させ、それによって官能化面を有する前記基材を生じるように、カルベン反応性中間体を該カルベン前駆体から生成する工程
を包含する、官能化面を有する基材の製造方法。
【請求項19】
式(I)の該カルベン前駆体化合物が
[4−(ジアゾ(フェニル)メチル)フェニル]メタノール、7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸−4−(ジアゾ−フェニルメチル)−ベンジルエステル、1−(アリルオキシメチル)−4−(ジアゾ(フェニル)メチル)ベンゼンおよび[4−(ジアゾ−フェニル−メチル)−ベンジル]ホスホン酸ジエチルエステル
から選択される、請求項1もしくは請求項6に記載の方法または請求項14もしくは請求項16に記載の化合物。
【請求項20】
該基材が、ポリマー、無機材料、顔料、ナノ粒子、微粒子、テキスタイル、紙、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を含有する、請求項1〜13、18および19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
更に、
前記基材の該接着面、またはその一部を、被着体に、前記基材の前記被着体への接着を引き起こす条件下で接触させる工程
を包含する、請求項1〜13、19および20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
該被着体が、ポリマー、無機材料、顔料、ナノ粒子、微粒子、テキスタイル、紙、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、生体細胞または生体組織を含有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
該ポリマーが、ポリオレフィン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリアクリレート、ポリアクリル酸、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリグリコシド、ポリペプチド、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリケトン、ゴム、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリビニル、セルロースおよびブロックコポリマーから選択され、該ナノ粒子がC60またはナノチューブである、請求項20または請求項22に記載の方法。
【請求項24】
該無機材料が、シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、炭素同素体、金属塩、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属以外の金属、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属以外金属の合金から選択される、請求項20または請求項22に記載の方法。
【請求項25】
請求項1〜3および18〜24のいずれか一項に記載の方法によって得られる基材。
【請求項26】
以下の式(II)
【化25】

(式中、
は、式(II)の基の基材への取り付け点であり;
Aは、アリールまたはヘテロアリール環であり;
yは、1、2、3、4または5であり;
は、単結合、−alk−、−アリーレン−、−alk−アリーレン−、−X−alk−、−X−alk−X−、−X−アリーレン−、X−アリーレン−X−、−X−alk−アリーレン−、−alk−X−アリーレン−、−alk−アリーレン−X、−X−alk−X−アリーレン−、−alk−X−アリーレン−X−または−X−alk−X−アリーレン−X−であり、XはN(R’’)、O、またはSであり、alkは、任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよいC1〜20アルキレンであり、R’’はH、C1〜6アルキルまたはアリールであり;
は、OH、NH、SH、M、脂肪族炭素−炭素二重結合含有基、エポキシ基含有基、および以下の構造
【化26】

を有する基から選択される官能基を含有する基であり、
は、単結合、C(R’’)(R’’’)、N(R’’)またはOであり、R’’は上で定義されたとおりであり、R’’’はH、C1〜6アルキルまたはアリールであり;
Protは、−CH=CH基の前駆体である保護基であり;
Mは、金属、合金または金属塩に接着可能である基であるか、またはMは、金属、合金または金属塩に接着可能である基の前駆体である基であり;
Rは、水素、アリール、ヘテロアリール、C1〜10アルコキシ、アリールオキシ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、C1〜10アルキルチオ、アリールチオおよびCR’から選択され、各R’は、独立して、ハロゲン原子、アリール、ヘテロアリール、C3〜7シクロアルキル、C5〜7ヘテロシクリルおよびC1〜6アルキルから選択され、C1〜6アルキルは任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよく、R’’は上で定義されたとおりであり;
但し、Rがアリールまたはヘテロアリールである場合、前記アリールまたはヘテロアリールは非置換であっても、独立してC1〜6アルキル、アリール、シアノ、アミノ、ケト、C1〜10アルキルアミノ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アミド、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシ、エステル、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、ハロアルキル、チオール、C1〜10アルキルチオ、アリールチオ、スルホン酸、スルホニルおよび−L−Wから選択される一、二、三、四または五つの基で置換されていてもよく、LはLに関して上で定義されたとおりであり、Lと同一であるかまたは異なっており、WはWに関して上で定義されたとおりであり、Wと同一であるかまたは異なっている。)
の一以上の基で官能化されている官能化面を有する基材。
【請求項27】
Mが
(i)−P(=O)(OR
(ii)−P(=O)(OH)またはその塩;
(iii)
【化27】

(iv)
【化28】

またはその塩;
(v)−C(=O)OHまたはその塩;
(vi)−CY(COOH)またはその塩;
(vii)−S(=O)OHまたはその塩;
(viii)−CY[S(=O)OH]またはその塩;
(ix)−C(=O)NH
(x)−CY[C(=O)NH
(xi)−S(=O)NH;および
(xii)−CY[S(=O)NH
(式中、RはC1〜6アルキルまたはアリールであり;かつYは、H、C1〜6アルキル、アリール、−OH、−SHまたはNHである。)から選択される、請求項26に記載の基材。
【請求項28】
Mが以下の構造−P(=O)(OH)、−C(=O)OH、−CY(COOH)、−S(=O)OH、−CY[S(=O)OH]および
【化29】

のいずれか一つを有する基のカルシウム塩である、請求項27に記載の基材。
【請求項29】
前記脂肪族炭素−炭素二重結合含有基が
【化30】

および
【化31】

(式中、R、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれH、C1〜6アルキル、アリール、シアノ、アミノ、C1〜10アルキルアミノ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アミド、ハロ、カルボキシ、エステル、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、C1〜10アルキルチオおよびアリールチオから選択され;かつXは、単結合、O、N(R’’)またはC(R’’)(R’’’)であり、R’’およびR’’’は、請求項22において定義されたとおりである。)
から選択される、請求項26〜28に記載の基材。
【請求項30】
前記エポキシ基含有基が以下の構造
【化32】

(式中、R、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれH、C1〜6アルキル、アリール、シアノ、アミノ、C1〜10アルキルアミノ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アミド、ハロ、カルボキシ、エステル、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、C1〜10アルキルチオおよびアリールチオから選択される。)を有する、請求項26〜29のいずれか一項に記載の基材。
【請求項31】
およびWが、独立して、
【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

、−L−OH、−L−NH、−L−SH、−L−M、C1〜20アルキル、C3〜20シクロアルキル、C3〜20ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、
前記C1〜20アルキル、C3〜20シクロアルキル、C3〜20ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、それぞれ
【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

、−L−OH、−L−NH、−L−SHおよび−L−Mから選択される一以上の基によって置換されており、前記C1〜20アルキルは任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよく、R’’は請求項22において定義されたとおりであり;
は、単結合、C(R’’)(R’’’)、N(R’’)またはOであり、R’’およびR’’’は請求項20において定義されたとおりであり;
Protは、−CH=CH基の前駆体である保護基であり;
は、単結合、C1〜6アルキレン、アリーレン、−アリーレン−C1〜6アルキレン−または−C1〜6アルキレン−アリーレン−であり、前記C1〜6アルキレン基のそれぞれが任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよく、R’’は請求項22において定義されたとおりであり;
、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれH、C1〜6アルキル、アリール、シアノ、アミノ、C1〜10アルキルアミノ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アミド、ハロ、カルボキシ、エステル、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、C1〜10アルキルチオおよびアリールチオから選択され;かつ
Mは、請求項26〜28のいずれか一項において定義されたとおりである、
請求項26〜30のいずれか一項に記載の基材。
【請求項32】
式(III)
【化41】

(式中、
Aは、アリールまたはヘテロアリール環であり;
yは、1、2、3、4または5であり;
は、単結合、−alk−、−アリーレン−、−alk−アリーレン−、−X−alk−、−X−alk−X−、−X−アリーレン−、X−アリーレン−X−、−X−alk−アリーレン−、−alk−X−アリーレン−、−alk−アリーレン−X、−X−alk−X−アリーレン−、−alk−X−アリーレン−X−または−X−alk−X−アリーレン−X−であり、Xは、N(R’’)、O、またはSであり、alkは、任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよいC1〜20アルキレンであり、R’’は、H、C1〜6アルキルまたはアリールであり;
は、接着官能基または接着官能基の前駆体である基を含有する基であり;
Rは、アリール、ヘテロアリール、C1〜10アルコキシ、アリールオキシ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、C1〜10アルキルチオ、アリールチオおよびCR’から選択され、各R’は、独立して、ハロゲン原子、アリール、ヘテロアリール、C3〜7シクロアルキル、C5〜7ヘテロシクリルおよびC1〜6アルキルから選択され、C1〜6アルキルは任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよく、R’’は、上で定義されたとおりであり、但し、RはCF以外であり;
但し、Rがアリールまたはヘテロアリールである場合、前記アリールまたはヘテロアリールは、非置換であっても、独立して、C1〜6アルキル、アリール、シアノ、アミノ、ケト、C1〜10アルキルアミノ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アミド、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシ、エステル、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、ハロアルキル、チオール、C1〜10アルキルチオ、アリールチオ、スルホン酸、スルホニルおよび−L−Wから選択される一、二、三、四または五つの基で置換されていてもよく、Lは、Lに関して上で定義されたとおりであり、Lと同一であるかまたは異なっており、WはWに関して上で定義されたとおりであり、Wと同一であるかまたは異なっており;かつ
但し、4,4’−ビス(N−アセチル−2−アミノエチル)ベンゾフェノンヒドラゾンでも、1−{2−[4−(ヒドラゾノ−フェニル−メチル)−ベンジルオキシ]−エチル}−3−フェニルウレアでも、4,4−ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノンヒドラゾンでも、4−([3,4−ジメトキシフェニル]オキシメチル)ベンゾフェノンヒドラゾンでも、4−([3−N,N−ジエチルアミノフェニル]オキシメチル)ベンゾフェノンヒドラゾンでも、4−([N−エチル−N−フェニル−2−アミノエチル]オキシメチル)ベンゾフェノンヒドラゾンでも、4,4’−ビス−tert−ブチルエステルベンゾフェノンヒドラゾンでもない化合物である。)
の化合物の製造方法であって、
式(IV)
【化42】

(式中、R、A、L、W、およびyは、上で定義されたとおりである。)
の化合物を熱の存在下においてヒドラジンで処理する工程を包含する、
製造方法。
【請求項33】
式(I)
【化43】

(式中、
Aは、アリールまたはヘテロアリール環であり;
yは、1、2、3、4または5であり;
は、単結合、−alk−、−アリーレン−、−alk−アリーレン−、−X−alk−、−X−alk−X−、−X−アリーレン−、X−アリーレン−X−、−X−alk−アリーレン−、−alk−X−アリーレン−、−alk−アリーレン−X、−X−alk−X−アリーレン−、−alk−X−アリーレン−X−または−X−alk−X−アリーレン−X−であり、Xは、N(R’’)、O、またはSであり、alkは、任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよいC1〜20アルキレンであり、R’’は、H、C1〜6アルキルまたはアリールであり;
は、接着官能基または接着官能基の前駆体である基を含有する基であり;
Rは、アリール、ヘテロアリール、C1〜10アルコキシ、アリールオキシ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、C1〜10アルキルチオ、アリールチオおよびCR’から選択され、各R’は、独立して、ハロゲン原子、アリール、ヘテロアリール、C3〜7シクロアルキル、C5〜7ヘテロシクリルおよびC1〜6アルキルから選択され、C1〜6アルキルは、任意にN(R’’)、O、Sまたはアリーレンによって割り込まれていてもよく、R’’は、H、C1〜6アルキルまたはアリールであり、但し、RはCF以外であり;
但し、Rがアリールまたはヘテロアリールである場合、前記アリールまたはヘテロアリールは、非置換であっても、独立してC1〜6アルキル、アリール、シアノ、アミノ、ケト、C1〜10アルキルアミノ、ジ(C1〜10)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アミド、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシ、エステル、C1〜6アルコキシ、アリールオキシ、ハロアルキル、チオール、C1〜10アルキルチオ、アリールチオ、スルホン酸、スルホニルおよび−L−Wから選択される一、二、三、四または五つの基で置換されていてもよく、LはLに関して上で定義されたとおりであり、Lと同一であるかまたは異なっており、WはWに関して上で定義されたとおりであり、Wと同一であるかまたは異なっており、
但し、4,4’−ビス(N−アセチル−2−アミノエチル)ジフェニルジアゾメタンでも、1−{2−[4−ジアゾ−フェニル−メチル)−ベンジルオキシ]−エチル}−3−フェニルウレアでも、4−([N−エチル−N−フェニル−2−アミノエチル]オキシメチル)フェニルフェニルジアゾメタンでも、ビス−4,4’−N,N−ジメチルアミノジフェニルジアゾメタンでも、4−([3,4−ジメトキシフェニル]オキシメチル)フェニルフェニルジアゾメタンでも、4([3−N,N−ジエチルアミノフェニル]オキシメチル)フェニルフェニルジアゾメタンでもビス−4,4’−tert−ブチルエステルジフェニルジアゾメタンでもない化合物である。)
のカルベン前駆体化合物の製造方法であって、
請求項32において定義されたとおりの式(III)の化合物を酸化して式(I)のカルベン前駆体化合物を製造する工程を包含する、
製造方法。
【請求項34】
またはWのいずれかが−OHおよび−NH(R’’)から選択される基を含有し、R’’がH、C1〜6アルキルまたはアリールであり、
該方法が更に、前記−OHまたは−NH(R’’)をHal−C(O)−Prot(式中、Halは、好適な脱離基であり、Protは、−CH=CH基の前駆体である保護基である。)と反応させて式(I)の化合物であって、WまたはWのいずれかが以下の構造
【化44】

(式中、Xは、N(R’’)またはOであり、かつR’’およびProtは上で定義されたとおりである。)を有する官能基を含有する化合物を生成する工程を包含する、
請求項33に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2010−501536(P2010−501536A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525106(P2009−525106)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【国際出願番号】PCT/GB2007/003194
【国際公開番号】WO2008/023170
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(500056231)アイシス・イノベーション・リミテッド (17)
【氏名又は名称原語表記】ISIS INNOVATION LIMITED
【Fターム(参考)】