説明

化粧のりの改善方法

【課題】化粧のりの悪さを引き起こす素肌の性状の因子及びその影響度を明らかにすることにより、日によって化粧のりが良くなったり悪くなったりすることのないように、化粧のりのタイプを正しく予測する。
【解決手段】複数の被験者について、化粧料塗布肌の目視観察により該化粧料塗布肌の化粧のりの悪さを複数のタイプに分類すると共に、素肌の性状の因子として複数の素肌因子の評価値を取得し、複数の素肌因子の評価値から化粧のりの悪さのタイプを予測する分類関数を求め、任意の被験者について、複数の素肌因子の評価値を取得し、取得した素肌因子の評価値から分類関数に基づいて化粧のりの悪さのタイプを予測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素肌の性状の因子から、それにより引き起こされる化粧のりの悪さのタイプを予測し、そのタイプに応じた化粧料の使用により化粧のりを改善する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者は、ファンデーション等の化粧料で化粧をした場合に、日によって化粧のりが悪いと感じるときがあり、化粧のりを改善することを望んでいる。
一方、化粧料が塗布されている被験者の肌の画像を解析し、化粧料の肌への付着量、不均一度及び粗さ度を数値評価する方法や、この方法で得られる、化粧料の付着量、不均一度、粗さの解析結果を、化粧料の製品評価や開発に活用することが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−245843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、化粧料の付着量、不均一度、粗さの個別的な解析結果が示されるだけであり、その場限りの評価にしかならない。そのため、或る被験者について、化粧料の付着量、不均一度、粗さが評価されたその日限りで個別的に化粧のりを改善させることはできても、その日と健康状態が異なる日も含めて化粧料のりを持続的に改善することは困難である。
【0005】
これに対し、本発明は、美容目的で、化粧のりの悪さを引き起こす素肌の性状の因子から化粧のりの悪さのタイプを判別し、化粧のり悪さに対して適切な化粧料を選択できるようにすること、特に、素肌の性状の因子を評価したときと健康状態が異なる日であっても化粧のりの悪さのタイプを良好に予測し、日によって化粧のりが良くなったり悪くなったりすることのないように、化粧のりの悪さのタイプに応じた適切な化粧料を選択できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、化粧のりの悪さをもたらすと考えられる落屑などの素肌の因子を複数の被験者について長期にわたって観察し、それらの因子と実際に生じる化粧のりの悪さとの関係を解析したところ、化粧のりの悪さは複数のタイプに分類できること、各タイプには素肌の性状の複数の因子が影響すること、したがって、化粧のりの悪さを解消するには、まずは、個々の被験者の素肌について、化粧のりの悪さをもたらすと考えられる種々の因子をみつけ、それにより引き起こされる化粧のりの悪さのタイプを予測することが有用であること、これにより、ひいては化粧のりの悪さを引き起こさない化粧料の選定が可能となることを見出した。
【0007】
即ち、本発明は、複数の被験者について、化粧料塗布肌の目視観察により該化粧料塗布肌の化粧のりの悪さを複数のタイプに分類すると共に、素肌の性状の因子(以下、素肌因子ともいう)の評価値を取得し、該評価値と化粧のりの悪さのタイプを関係づける分類関数を求め、その後任意の被験者について、同様に素肌因子の評価値を取得し、取得した素肌因子の評価値から前記分類関数に基づき、該被験者に生じる化粧のりの悪さのタイプを予測する、化粧のりの悪さの予測方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、上述の方法により化粧のりの悪さのタイプが予測された被験者に対し、該タイプの改善に適した化粧料を使用する化粧のりの改善方法を提供し、また、上述の方法により化粧のりの悪さのタイプが予測された被験者に対し、該タイプに基づいて化粧のりの悪さの改善に適した化粧料を選択し、推奨する化粧料の提案方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被験者の素肌因子の評価値に基づいて被験者の化粧のりの悪さのタイプが予測される。又、被験者の化粧のりの悪さを改善するために、被験者の化粧のりの悪さのタイプに応じた化粧料を選択することが可能となる。したがって、本発明によれば、被験者の化粧のりを改善することができ、また化粧のりを改善する化粧料を被験者に推奨することができる。
【0010】
さらに、分類関数から、各素肌因子が、化粧のりの悪さのいずれのタイプに大きく影響するかがわかるので、化粧のりの悪さを改善するために有用な化粧料の開発を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施例の評価方法の流れの説明図である。
【図2A】図2Aは、被験者Xの試験2日目の化粧料塗布肌の写真である。
【図2B】図2Bは、被験者Xの試験7日目の化粧料塗布肌の写真である。
【図3A】図3Aは、被験者Yの試験2日目の化粧料塗布肌の写真である。
【図3B】図3Bは、被験者Yの試験7日目の化粧料塗布肌の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の評価方法を具体的に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0013】
図1は、本発明の一実施例の評価方法の流れの説明図である。この評価方法では、まず、第1工程として、複数の被験者の化粧料塗布肌の目視観察により、化粧料塗布肌の化粧のりの悪さを複数のタイプに分類する。
【0014】
この場合、複数の被験者は、同性、同年代であることが好ましく、化粧のりが重要視される特定の年代層であることがより好ましい。例えば、30歳代女性とする。年代層の幅は、効率的なデータ蓄積の観点からはある程度の幅がとる方が好ましく、予測値の正確さの観点からは、その幅は狭い方が好ましい。両者の兼ね合いから1〜20歳が好ましく、より好ましくは5〜10歳であるが、この年代層の好ましい幅は、当該年代によって異なる。
【0015】
化粧料としては、化粧のりの悪さが直接的に問題となる化粧料として、化粧下地、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、コンシーラー、チーク、アイシャドウ等をあげることができる。
【0016】
本発明によれば、パウダーファンデーション、パウダーファンデーションの下地に用いるメークアップベース等の化粧料による化粧のりの悪さを適確に予測し、解消することができる。
【0017】
化粧のりの悪さのタイプの分類は、目視観察による。これは、化粧のりの良し悪しが、化粧料塗布肌の撮像や画像処理などにより評価されることがあるとしても、被験者にとって、最終的には、人の目視観察による印象が重要となるからである。
【0018】
目視による化粧のりの悪さのタイプの分類の例としては、ざらざら感、粉っぽさ、粉浮き感などで表現されるざらざらタイプの化粧肌状態と、ムラ、ダマ、ヨレなどで表現されるムラタイプの化粧肌状態のそれぞれについて美容研究員がスコアづけし、スコアの平均値の大小に基づいて分類する。また、化粧のりは、同一人でも、日によって良くなったり悪くなったりすることから、化粧のりの悪さのタイプの分類は、所定期間毎日あるいは定期的に観察した結果に基づくことが好ましい。
【0019】
より具体的には、例えば、女性、30歳代15名の化粧料塗布肌の目視観察による評価を、20日間毎日、美容研究員が評価者となって、ざらざらタイプの化粧肌状態であるか、ムラタイプの化粧肌状態であるかについて、次の7段階にスコアづけする。
7:非常に目立つ
6:目立つ
5:やや目立つ
4:どちらともいえない
3:あまり目立たない
2:目立たない
1:全く目立たない
【0020】
そして、各被験者について、ざらざらタイプの化粧肌状態のスコアと、ムラタイプの化粧肌状態のスコアの平均値を求め、次の基準で2つのタイプに分類する。
Aタイプ(ざらざらタイプ):ざらざらタイプの肌状態のスコアの平均値>ムラタイプの肌状態のスコアの平均値
Bタイプ(ムラタイプ):ムラタイプの肌状態のスコアの平均値>ざらざらタイプの肌状態のスコアの平均値
両スコアが同じ場合には、Aタイプでもあり、Bタイプでもあるものと判断することができるが、この場合のデータは、後述する分類関数の算出には使用しない。
【0021】
なお、被験者の化粧のりの悪さが上述の2つのタイプに大別でき、被験者がそれぞれのタイプに対応した化粧料を使用することにより、化粧のりの悪さを顕著に改善できることは、本発明者が、長期間、被験者の化粧料塗布肌の化粧のりの良し悪しの日間変動を追跡し、化粧のりの悪さを改善するために有効な化粧料を調べることにより見出したものである。
【0022】
本発明において、化粧のりの悪さのタイプの分類は上述の2タイプに限定されない。例えば、上述のざらざらタイプの化粧肌状態のスコアと、ムラタイプの化粧肌状態のスコアの平均値に加えて、それぞれの標準偏差を求め、平均値と標準偏差の双方に基づいて次の基準で4タイプに分類してもよい。
【0023】
aタイプ(ざらざらタイプ):ざらざらタイプの肌状態のスコアの平均値>ムラタイプの肌状態のスコアの平均値、かつ
ざらざらタイプの肌状態のスコアの標準偏差>ムラタイプの肌状態のスコアの標準偏差
但し、以下のcタイプを除く。
bタイプ(ムラタイプ):ざらざらタイプの肌状態のスコアの平均値<ムラタイプの肌状態のスコアの平均値、かつ
ざらざらタイプの肌状態のスコアの標準偏差<ムラタイプの肌状態のスコアの標準偏差
cタイプ(ムラが殆どないタイプ):ざらざらタイプの肌状態のスコアの平均値>(ムラタイプの肌状態のスコアの平均値+3)
dタイプ(その他のタイプ):aタイプ、bタイプ、cタイプのいずれにも該当しない場合
【0024】
一方、第2工程では、上述の被験者の化粧料塗布肌の下地となる素肌の性状因子の評価値を得る。この場合、落屑、水分量、皮脂量、くま、粘弾性、毛穴、キメの粗さ、くすみ、ニキビ、しわ、しみ等から選ばれる複数の素肌因子の評価値を得ることが好ましく、落屑、水分量、皮脂量、くま、粘弾性及び毛穴から選ばれる複数の素肌因子の評価値を得ることがより好ましい。評価値を得るために選ばれる素肌因子の数は4以上とすることが好ましい。
【0025】
ここで、落屑、くま、毛穴、キメの粗さ、くすみ、ニキビの評価値は、美容研究員の目視判定により、次の基準で7段階にスコア付けした場合の数値により得ることができる。7段階の基準は、7:非常に目立つ、6:目立つ、5:やや目立つ、4:どちらともいえない、3:あまり目立たない、2:目立たない、1:全く目立たない、とする。
水分量の評価値は、市販の皮表角層水分量測定装置(例えば、SKICONシリーズ(アイ・ビイ・エス社製)等により得ることができる。
皮脂量の評価値は、市販の油分計(例えば、Sebumeter、Courage+Khazaka electronic GmbH社製)等により得ることができる。
粘弾性の評価値は、市販の皮膚粘弾性測定装置(例えば、CUTOMETER(Courage+Khazaka electronic GmbH社製)等により得ることができる。
【0026】
なお、被験者から素肌因子の評価値を取得するにあたり、その部位は、一般に化粧のりの悪さが問題となる頬部とすることが好ましい。
【0027】
第3工程では、素肌因子の評価値から化粧のりのタイプを予測する分類関数を求める。分類関数自体は公知であり、図解アンケート調査と統計解析がわかる本(酒井隆著、日本能率協会マネジメントセンター、第11版、2008年)等に説明されている。また、分類関数は市販の統計解析ソフトウェア(SPSS、IBM社製等)を用いて求めることができる。
【0028】
本発明において分類関数は、第1工程で分類した化粧のりの悪さのタイプを目的変数とし、第2工程で取得した素肌因子の評価値を独立変数として、ステップワイズ法で求めればよい。
【0029】
例えば、第1工程で分類した、女性30歳代15名の化粧料塗布肌の化粧のりの悪さのタイプ(Aタイプ又はBタイプ)と、第2工程で取得した15名における20日間分の素肌因子の評価値とから分類関数として次の式(1A)と式(1B)を取得する。
【0030】
この場合、分類関数は統計解析ソフトウェア(IBM社製、SPSS for Windows(登録商標)リリース 11.0.1J)を用いた。
また、素肌因子として用いた水分量としては、皮表角層水分量測定装置としてSKICON-200(アイ・ビイ・エス社製)にて計測した値を用いた。
皮脂量としては、Sebumeter SM815PC(Courage+Khazaka electronic GmbH社製)により計測した値を用いた。
粘弾性としては、皮膚粘弾性測定装置(CUTOMETER SEM575(Courage+Khazaka electronic GmbH社製)により計測した値を用いた。
落屑スコア、くまスコア、毛穴スコアは、それぞれ前述の7段階の基準で評価した。
【0031】
得られた式(1A)、式(1B)はそれぞれ6種の素肌因子の一次関数となっている。同種の素肌因子ごとに係数の大きさを式(1A)と式(1B)で対比した場合に、係数の大きい方の式のタイプにおいて当該素肌因子の影響が強いことになる。
【0032】
【数1】

【数2】

【0033】
この式(1A)と式(1B)の分類関数を用いて素肌因子の評価値から化粧のりの悪さのタイプを予測する方法では、例えば、或る被験者の或る日の素肌因子の評価値(水分量、皮脂量、落屑スコア、くまスコア、毛穴スコア及び粘弾性)を式(1A)、(1B)にそれぞれ代入した場合に、得られた算出値の大きい方が、その被験者の化粧のりの悪さのタイプとなる。
【0034】
そこで、上述の式(1A)及び(1B)を用いて、第2工程で得た素肌因子の評価値から、各被験者の各評価日ごとに化粧のりの悪さのタイプを予測すると、次の表1のようになる。
【0035】
【表1】


表1から、或る被験者の或る評価日の素肌因子の評価値から分類関数を用いて予測された化粧のりの悪さのタイプがAで、その被験者の第1工程による化粧のりの悪さの分類もAであったデータ数が179、第1工程による化粧のりの悪さのタイプがAであったデータ数の合計が229であったので、分類関数を用いて予測された化粧のりの悪さのタイプAの正答率は、タイプAでは78.1%となり、予測精度の高いことがわかる。同様に、分類関数を用いて予測された化粧のりの悪さのタイプがBで、第1工程による化粧のりの悪さの分類もBであったデータ数が71、第1工程による化粧のりの悪さのタイプがBであったデータ数の合計が80であったので、タイプBの正答率は88.7%となる。そして、タイプAとタイプBを合わせた合計では正答率が80.9%となる。
【0036】
第4工程では、任意の被験者について、素肌因子の評価値を、式(1A)、(1B)の分類関数を求めるのに用いた素肌因子の評価値と同様の方法で取得する。そして第5工程で、式(1A)、(1B)の分類関数を用いて当該被験者に起こるであろう化粧のりの悪さがAタイプ、Bタイプのいずれであるかを予測する。この場合、分類関数の導出の基になった被験者の性別や年代と、第4工程で化粧のりの悪さのタイプを予測する被験者の性別や年代とを合わせることが好ましい。
【0037】
例えば、第4工程で、33歳の女性被験者Xと29歳の女性被験者Yのある日の素肌因子の評価値を、式(1A)、(1B)の分類関数を得るのに用いた素肌因子の評価値と同様に取得し、次の表2の評価値を得る。
【0038】
【表2】

【0039】
第5工程では、表2の被験者X、Yの素肌因子の評価値を前述の式(1A)、(1B)に代入することにより表2の算出値を得、その大小を比較し、大きい方の式に対応するタイプが女性被験者X、Yの化粧のりの悪さの予測タイプとなる。この結果を表2に示す。
【0040】
こうして分類関数により予測される化粧のりの悪さのタイプは、当該被験者にとって化粧のりの悪さを防止するために有用な情報となる。即ち、分類関数により、各素肌因子が化粧のりの悪さのいずれのタイプに大きく影響するかがわかるから、美容研究員は、化粧のりの悪さを抑制する化粧料として被験者に推奨すべき化粧料を容易に判断することができる。この場合、化粧料としては、化粧のりの悪さが直接的に問題となる化粧下地、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、コンシーラー、チーク、アイシャドウ等をあげることができ、また、化粧のりの悪さの改善に有用なスキンケア化粧料等も挙げることができ、これらは一種又は複数種を組み合わせて推奨してもよい。
【0041】
例えば、美容研究員は、経験的にAタイプ、Bタイプの化粧のりの悪さに対し、推奨すべきファンデーションの下地とファンデーションの組み合わせとして、表3の組み合わせを知っている。
【0042】
【表3】

【0043】
そこで、前述の第5工程でBタイプと予測された被験者XとAタイプと予測された被験者Yに、表3のAタイプに対応する化粧料の組み合わせと、Bタイプに対応する化粧料の組み合わせとを5日間ずつ適用し、その間の化粧のりの評価を美容研究員及び被験者本人から得た。この場合、化粧のりの評価は、美容研究員は毎日、次の5段階の基準でスコアづけを行い、被験者本人は、同様の基準のスコア付けを5日目と10日目に行った。結果を表4に示す。
【0044】
5段階の基準
1:よい、2:ややよい、3:どちらともない、4:ややわるい、5:わるい
【0045】
【表4】

(*1)ムラがめだつ
(*2)ざらざら感がつよい
【0046】
図2Aに被験者Xの2日目の化粧料塗布肌(塗布直後)の写真とその拡大画像を示し、図2Bに被験者Xの7日目の化粧料塗布肌(塗布直後)の写真とその拡大画像を示す。
また、図3Aに被験者Yの2日目の化粧料塗布肌(塗布直後)の写真とその拡大画像)を示し、図3Bに被験者Yの7日目の化粧料塗布肌(塗布直後)の写真とその拡大画像を示す。
【0047】
表4の結果から、分類関数で予測されたタイプに合った化粧料の組み合わせを用いると、化粧のりの評価は、そのタイプを用いた5日間の試験期間を通して美容研究員による評価がよく、本人評価もよい結果となった。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、店頭などで美容部員が消費者に、ベースクリーム、ファンデーション等のメイクアップ化粧料やスキンケア化粧料を推奨する提案方法あるいは販売促進方法として有用であり、また、化粧のりの悪さを引き起こさない化粧料の開発支援方法として、有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被験者について、化粧料を塗布した肌の目視観察により該化粧料を塗布した肌の化粧のりの悪さを複数のタイプに分類すると共に、素肌の性状の因子として複数の素肌因子の評価値を取得し、複数の素肌因子の評価値と化粧のりの悪さのタイプを関係付ける分類関数を求め、その後任意の被験者について、複数の素肌因子の評価値を取得し、取得した素肌因子の評価値から前記関数に基づいて化粧のりの悪さのタイプを予測する、化粧のりの悪さの予測方法。
【請求項2】
複数の被験者の化粧料塗布肌を、所定期間、毎日目視観察したときの化粧塗布肌の性状のデータを集積し、その集積したデータに基づいて任意の被験者の化粧のりの悪さのタイプを分類する請求項1記載の予測方法。
【請求項3】
化粧料塗布肌を目視観察したときのざらざら感のスコアとムラのスコアとに基づいて、化粧のりの悪さのタイプを分類する請求項1または2記載の予測方法。
【請求項4】
素肌因子の評価値に、落屑、水分量、皮脂量、くま、粘弾性、毛穴、キメの粗さ、及びくすみから選ばれる複数の評価値が含まれる請求項1〜3のいずれかに記載の予測方法。
【請求項5】
被験者の特定の年代層ごとに、分類関数を求める請求項1〜4のいずれかに記載の予測方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の方法により化粧のりの悪さのタイプが予測された被験者に対し、該タイプに適した化粧料を選択する化粧のりの改善方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の方法により化粧のりの悪さのタイプが予測された被験者に対し、該タイプに適した化粧料を選択し、推奨する化粧料の提案方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2012−254127(P2012−254127A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127645(P2011−127645)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】