説明

化粧シート及びこれを用いた金属化粧板

【課題】耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、及び耐汚染性が高く、かつ耐候密着性に優れ、層間密着性が高く、耐水性が高く、かつ加熱収縮の小さい化粧シート及びこれを用いた金属化粧板を提供すること。
【解決手段】基材上に接着層、透明熱可塑性樹脂層、及びフッ素樹脂層をこの順に配してなる化粧シートであって、該接着層がポリエステル樹脂を主剤とし、イソシアネートを硬化剤とする2液硬化性樹脂により構成されることを特徴とする化粧シートである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建築物における内外装材として好適な化粧シート及びこれを用いた金属化粧板
に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の外装材である窓枠、玄関などに装飾を施すための化粧シートには、耐候性や耐熱性が求められる。このような化粧シートとしては、例えば、基材上にアクリル−ポリエステル−塩酢ビ系樹脂からなるヒートシール剤を介して表面樹脂層が積層されてなる化粧シートが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、その後、環境に対する配慮から非塩化ビニル系樹脂が使用されるようになってきており、非塩化ビニル系の化粧シートとして、厚みが20μm〜80μmである透明熱可塑性樹脂層と着色熱可塑性樹脂基材層からなり、透明熱可塑性樹脂層が、ポリフッ化ビニリデン樹脂からなる最外層とポリメチルメタアクリレート樹脂からなる内側層を有する化粧シートが提案されている(特許文献2参照)。
このような化粧シートは、通常鋼板等に貼付し、曲げ加工等が施されるが、特許文献2に開示される化粧シートは、低温環境下で折り曲げ加工を行っても、その折り曲げ部位において、白化を防止することができるとされている(特許文献2、段落0010参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−326451号公報
【特許文献2】特許第4433896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載される化粧シートは、最外層にポリフッ化ビニリデン樹脂からなる層を有し、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、及び耐汚染性が高いが、層間密着性が低いという問題点があった。また、特許文献2に記載される化粧シートは、耐水性が低く、かつ加熱収縮するという問題点があった。
このような課題に対して、本発明は、特許文献2に開示される化粧シートの性能を維持しつつ、耐候密着性に優れ、層間密着性の高い、耐水性の高い、かつ加熱収縮率の小さい化粧シート及びこれを用いた金属化粧板を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、接着層に特定の接着剤を用いることで、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、基材上に接着層、透明熱可塑性樹脂層、及びフッ素樹脂層をこの順に配してなる化粧シートであって、該接着層がポリエステル樹脂を主剤とし、イソシアネートを硬化剤とする2液硬化性樹脂により構成されることを特徴とする化粧シート及びこれを用いた金属化粧板
を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、及び耐汚染性が高く、かつ耐候密着性に優れ、層間密着性が高く、耐水性が高く、かつ加熱収縮率の小さい化粧シート及びこれを用いた金属化粧板
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の化粧シートの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1を参照しつつ、本発明の化粧シートの構成について詳細に説明する。本発明の化粧シート10は、基材11上に接着層12、透明熱可塑性樹脂層13、及びフッ素樹脂層14をこの順に配してなる。
【0009】
[基材]
本発明の化粧シートにおける基材11としては、通常化粧シートに用いられるものであれば、特に制限はなく、ポリオレフィン樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂などからなるものが好ましく挙げられる。
基材の厚さとしては、特に制限はないが、耐久性及び汎用性の観点から、通常20〜200μm程度、好ましくは30〜150μmの範囲である。
また、該基材は、基材と他の層との層間密着性や、各種の被着材との接着性の強化などのためのプライマー層や、裏面プライマー層を形成するなどの処理を施してもよい。プライマー層の形成に用いられる材料としては特に限定されず、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、2液硬化型ポリエステルウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。なお、裏面プライマー層に用いられる材料は被着材によって、適宜選択される。
【0010】
[接着層]
本発明の化粧シートにおける接着層12は、ポリエステル樹脂を主剤とし、イソシアネートを硬化剤とする2液硬化性樹脂により構成される。接着層12の厚さは、本発明の効果を奏する範囲で特に制限はないが、0.1〜5μm程度であることが好ましい。
【0011】
(ポリエステル樹脂)
ポリエステル樹脂は、ジオールとジカルボン酸との縮合重合によって生成する重合体であり、ジオールとジカルボン酸の種類や組合せを変えることにより種々の特性を有する。そして、分子内にエステル基を有し分子末端に水酸基やカルボキシル基を有するので極性が高く、接着性に優れる。また、結晶性を有し凝集力が高いので、硬化前の粘接着剤組成物に適度な凝集力を付与するものである。
【0012】
上記ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、接着温度によっても選択の幅があり、特に限定されるものではないが、一般的には100℃以下が好ましく、より好ましくは50℃以下である。また、ガラス転移温度(Tg)の下限値は10℃程度が好ましく、より好ましくは30℃である。Tgが100℃以下であると、ポリエステル系樹脂の凝集力が高くなり過ぎることがなく、粘接着剤組成物の粘着性や初期粘着力の低下がない。また、高温で接着する必要がなく、作業性がよい。また、Tgが10℃以上であれば、粘着性と凝集力の両立が可能ある。
ポリエステル樹脂の数平均分子量は、特に限定されるものではないが、一般的には3000〜10万が好ましい。数平均分子量が3000以上であると、十分な凝集力が得られ、10万以下であると、後述するエポキシ樹脂や他の添加物との相溶性が良好である。
【0013】
上記のようなポリエステル樹脂としては、より具体的には、大日精化株式会社製の商品名「セイカボンド」シリーズ、東洋紡績社製の商品名「バイロン」シリーズや「バイロナール」シリーズ、ユニチカ社製の商品名「エリーテル」シリーズ、大日本インキ化学工業社製の商品名「スピノドール」シリーズ、武田薬品工業社製の商品名「タケラック」シリーズ、クラレ社製の商品名「クラボール」シリーズ等が挙げられる。上記ポリエステル樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0014】
(イソシアネート)
イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートであればよく、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネート等のポリイソシアネートが用いられる。或いはまた、これら各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等も用いられる。
【0015】
(エポキシ樹脂)
上記接着層12を構成する2液硬化性樹脂の主剤として、前記ポリエステル樹脂にエポキシ樹脂を混合することが、耐水密着性、耐温水密着性などの耐水性の向上の点で好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;グリシジルエーテル型エポキシ樹脂;グリシジル化アミン型エポキシ樹脂;ハロゲン化エポキシ樹脂;或いは、グリシジル化ポリエステル、グリシジル化ポリウレタン、グリシジル化アクリル等のエポキシ基含有モノマーもしくはオリゴマーの付加重合体等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、該エポキシ樹脂は、変性されていてもよい。
【0016】
上記エポキシ樹脂は、常温で液状の数平均分子量が5000以下の化合物(モノマーもしくはオリゴマー)であることが好ましく、より好ましくは3000以下である。エポキシ系樹脂の数平均分子量が5000以下であると、前記ポリエステル樹脂との相溶性が良好である。
また、ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂の配合量は、ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂の全量に対して、ポリエステル樹脂が40〜90質量%、エポキシ樹脂が10〜60質量%の範囲が好ましい。この含有量比であると、優れた接着性が得られる。
【0017】
(電離放射線硬化性樹脂)
さらに、接着層12を構成する2液硬化性樹脂に、電離放射線硬化性樹脂を混合することができる(ハイブリッドタイプ)。電離放射線硬化性樹脂を混合することで、2液硬化による硬化と電離放射線を照射することによる硬化が行われ、より硬度の高い接着層が得られる。
【0018】
(紫外線吸収剤及び光安定剤)
上記接着層には、紫外線吸収剤(UVA)及び/又は光安定剤を含有させることが、本発明の化粧シートに耐候性を付与する点で好ましい。
紫外線吸収剤としては、無機系、有機系のいずれでもよく、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛などを好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、サリチレート系、アクリロニトリル系などが好ましく挙げることができる。なかでも、紫外線吸収能が高く、また紫外線などの高エネルギーに対しても劣化しにくいトリアジン系がより好ましい。
【0019】
トリアジン系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が好ましく、例えば、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2'−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
【0020】
トリアジン系紫外線吸収剤の含有量は、接着層を構成する樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、3〜10質量部がさらに好ましい。トリアジン系紫外線吸収剤の含有量が上記範囲内であれば、該吸収剤がブリードアウトすることなく、また十分な紫外線吸収能が得られるので、優れた耐候性が得られる。
【0021】
次に、光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)などが好ましく挙げられる。具体的には、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン)などが挙げられる。
【0022】
ヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、接着層を構成する樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、3〜10質量部がさらに好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤の含有量が上記範囲内であれば、該光安定剤がブリードアウトすることなく、また十分な光安定性が得られるので、優れた耐候性が得られる。
【0023】
[透明熱可塑性樹脂層]
本発明の化粧シートは、鋼板に貼付して好適に使用されるが、透明熱可塑性樹脂層13は、化粧シートを鋼板に貼付し、曲げ加工した際に、クラックを生じさせないためのものである。
本発明では、該透明熱可塑性樹脂層としては、透明性を有していれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン共重合体樹脂、塩化酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)、アイオノマー樹脂、オレフィン−αオレフィン共重合体樹脂などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、後述するフッ素樹脂層との接着性の観点から、特に(メタ)アクリル樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)が好ましい。
【0024】
[フッ素樹脂層]
本発明の化粧シートにおけるフッ素樹脂層14は、本発明の化粧シートに、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、耐汚染性を付与するものであり、フッ素樹脂から構成されるものである。フッ素樹脂としては、既知のものを使用することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレンペルフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、四フッ化エチレン・エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニルフロライド(PVF)等が使用可能であり、特には折り曲げ白化性、前述の透明熱可塑性樹脂層との密着性の点でポリフッ化ビニリデンが好適である。なお、ポリフッ化ビニリデンのガラス転移点(Tg)は−39℃である。
フッ素樹脂層は、前記透明熱可塑性樹脂層の厚さに対する比率(フッ素樹脂層の厚さ/透明熱可塑性樹脂層の厚さ)として、0.4〜1.0が耐白化性の点で好ましい。
【0025】
[表面保護層]
本発明の化粧シートにおいては、所望により、フッ素樹脂層14の上に表面保護層を設けることができる(図示せず)。表面保護層を設けることで、本発明の化粧シートに耐擦傷性等を付与することができる。該表面保護層は、フッ素樹脂層14の上に直接又は他の層を介して、硬化性樹脂を含有する樹脂組成物、好ましくは、さらにフッ素樹脂を含有する樹脂組成物を塗工し、これを架橋硬化したもので構成されることが好ましい。架橋硬化された硬化性樹脂を含有することで、化粧シートの表面特性を向上させることができ、かつフッ素樹脂を含有することで、フッ素樹脂層との高い層間密着性が得られる。
【0026】
表面保護層で用いられるフッ素樹脂としては、上述したフッ素樹脂層で用いられるものと同様のものを用いることができる。また、硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂や2液硬化性樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられ、これらを複数用いる、例えば、電離放射線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂を併用する、いわゆるハイブリッドタイプであってもよい。
これらのうち、表面保護層を形成する樹脂の架橋密度を高め、表面の耐摩耗性や耐擦傷性を向上させ得るとの観点から、電離放射線硬化性樹脂が好ましく、また、無溶媒で塗工することができ、取り扱いが容易との観点から、電子線硬化性樹脂がさらに好ましい。
また、硬化性樹脂の数平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算の数平均分子量)が、1000〜10000であることが好ましく、2000〜10000がより好ましい。数平均分子量が上記範囲内であれば、加工性に優れ、コーティング剤組成物が適度なチクソ性が得られるので、表面保護層の形成が容易となる。
【0027】
(電離放射線硬化性樹脂)
電離放射線硬化性樹脂とは、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂を指す。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似するものも同様の意である。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
【0029】
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。
【0030】
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートなどとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂の架橋硬化の態様としては特に限定されず、以下のような態様がある。エポキシ樹脂は、アミン、酸触媒、カルボン酸、酸無水物、水酸基、ジシアンジアミド又はケチミンとの反応、フェノール樹脂は、塩基触媒と過剰なアルデヒドとの反応、ユリア樹脂はアルカリ性または酸性下での重縮合反応、不飽和ポリエステル樹脂は無水マレイン酸とジオールとの共縮合反応、メラミン樹脂はメチロールメラミンの加熱重縮合反応、アルキド樹脂は、側鎖などに導入された不飽和基同士の空気酸化による反応、ポリイミド樹脂は、酸または弱アルカリ触媒の存在下での反応、又はイソシアネート化合物との反応(2液型の場合)、シリコーン樹脂は、シラノール基の酸触媒の存在下での縮合反応、水酸基官能性アクリル樹脂は、水酸基と自身が持つアミノ樹脂との反応(1液型の場合)、カルボキシル官能性アクリル樹脂は、アクリル酸またはメタクリル酸などのカルボン酸とエポキシ化合物による反応、アミド官能性共重合体は水酸基との反応または自己縮合反応、ウレタン樹脂は、水酸基を含有するポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂等の樹脂とイソシアネート化合物又はその変性物との反応などにより架橋硬化が促進される。これらの反応を利用した架橋剤または硬化剤が通常用いられる。
【0032】
熱硬化性樹脂の中では、2液硬化性樹脂が好ましく、ポリオールとイソシアネートとの2液硬化性の樹脂が好ましい。
ここで、ポリオールとしては、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、エポキシポリオール等、種々のものがあるが、アクリルポリオールが好ましい。このアクリルポリオールとしては、塩化ビニル変性アクリルポリオール、塩化ビニル−酢酸ビニル変性アクリルポリオール、塩素化ポリオレフィン変性アクリルポリオール、メチル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、オクチル(メタ)アクリレート−エチルヘキシル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等が挙げられるが、塩化ビニル変性アクリルポリオールが特に好ましい。
【0033】
また、イソシアネートとしては、上記粘着剤層を構成する2液硬化性樹脂において、硬化剤として用いられるイソシアネートと同様のものを用いることができる。
【0034】
本発明の化粧シートの表面保護層を構成する樹脂組成物中には、その性能を阻害しない範囲で、各種添加剤を含有することができる。各種添加剤としては、例えば、上述の紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALSなど)、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤などが挙げられる。
【0035】
表面保護層を形成するための、樹脂組成物の塗工は、硬化後の厚さが通常1〜20μm程度となるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより行う。また、優れた耐候性とその持続性、さらには透明性と防汚性とを得る観点から、硬化後の厚さは、好ましくは2〜20μmである。
【0036】
本発明において、電離放射線樹脂組成物の塗工により形成した未硬化樹脂層は、電子線、紫外線などの電離放射線を照射して架橋硬化することで、表面保護層となる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
【0037】
照射線量は、電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈などが用いられる。
【0038】
また、表面保護層は、凹部を有していてもよい。表面保護層に凹部を施す方法については特に制限はなく、例えばエンボス加工により施される。エンボス加工は、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機を使用する通常の方法により行えばよい。
【0039】
[絵柄層]
本発明の化粧シートには、装飾性を付与する目的で、所望により、基材11と接着層12の間に絵柄層を設けてもよい(図示せず)。該絵柄層は、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。
また、印刷方法としては、通常の、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷などの輪転印刷、枚葉印刷のいずれをも適用できる。
なお、絵柄層の印刷に用いるインキとしては、特に制限はなく、バインダーに、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、酸化チタン、紺青、カーボンブラック、紅柄などの無機顔料やジスアゾ系顔料、イソインドリノン、ポリアゾ系顔料、キナクリドン、フタロシアニンブルーなどの有機顔料、アルミニウム粉、銅粉、金属蒸着合成樹脂フィルムの微細断裁片、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔などのパール状光沢をもつ顔料などを混合したものが用いられる。
【0040】
(加熱収縮率)
本発明の化粧シートは、以下の測定方法による加熱収縮率が2%以内であることが好ましい。該加熱収縮率が2%以内であると、折り曲げ加工時に亀裂を生じることがなく、良好な寸法安定性が得られる。また、加熱収縮率は、1%以内がより好ましく、0.5%以内がさらに好ましく、0.2%以下が特に好ましい。加熱収縮率が上記範囲内にあれば、凹陥模様の形成時に熱を十分にかけることができる。なお、加熱収縮率は、化粧シートの長手方向(MD;Machine Direction)及び幅方向(TD;Transverse Direction)のいずれにおいても、加熱収縮率が2%以内であることを意味する。
本発明において、加熱収縮率は、以下の測定方法により測定し、得られた値である。化粧シートを100℃の雰囲気中で30分間加熱する前後の、化粧シートのMD方向及びTD方向の長さを測定し、それぞれの方向における収縮率を以下の式で計算して得られた値を加熱収縮率とする。
加熱収縮率=[(加熱前の寸法)−(加熱後の寸法)]/加熱前の寸法
【0041】
[化粧板]
本発明の化粧シートは、各種基板に必要に応じて接着剤を介して貼着して化粧版として使用することができる。被着体となる基板は、特に限定されず、金属板、木材などの木質系の板、窯業系素材等を用途に応じて適宜選択することができる。本発明の化粧シートは、層間密着性の高いことから、折り曲げ加工した場合に、白化の原因となる微細なクラックが入りにくいため、この特性を活用する観点から、特に金属板を基材にすることが好ましい。また、本発明の化粧シートを金属板などに貼り付けて使用する場合、該貼り付けの工程の際に、化粧シートや金属板を80〜120℃程度まで加熱することが一般的である。そのような場合であっても、本発明の化粧シートは、加熱収縮が小さいため、金属板を基材にすることが好ましい。
金属板としては、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は銅等からなるものを用いることができ、またこれらの金属をめっき等によって施したものを使用することもできる。
【0042】
接着剤はスプレー、スプレッダー、バーコーター等の塗布装置を用いて塗布する。この接着剤には、酢酸ビニル樹脂系、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、イソシアネート系等の接着剤を、単独であるいは任意混合した混合型接着剤として用いられる。接着剤には、必要に応じてタルク、炭酸カルシウム、クレー、チタン白等の無機質粉末、小麦粉、木粉、プラスチック粉、着色剤、防虫剤、防カビ剤等を添加混合して用いることができる。一般に、接着剤は固形分を35〜80質量%とし、塗布量30〜300g/m2の範囲で基板表面に塗布される。
【実施例】
【0043】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
1)耐候性の評価(耐候性試験)
実施例及び比較例で得られたシートを、ダイプラ・ウィンテス株式会社製メタルウェザーにセットし、ライト条件(照度:60mW/cm2、ブラックパネル温度63℃、層内湿度50%RH)で20時間、結露条件(照度:0mW/cm2、ブラックパネル温度30℃、層内湿度98%RH)で4時間、水噴霧条件(結露条件の前後10秒間)の条件で800時間放置する耐候性試験を行った。該試験後、25℃、50%RHの条件下で2日間保持してから、シート表面にクラックや白化などの外観を下記の基準で評価した。
◎:外観変化は全くなかった
○:外観変化はほとんどなかった
△:外観変化は若干あるが、実用上問題なかった
×:外観変化が著しかった
(2)耐候密着性の評価
上記耐候性試験を行ったシートについて、その表面にニチバン株式会社製のセロファン粘着テープ、「セロテープ(登録商標)」25mm幅を貼付けて、化粧シート表面と90度の方向に、急激に剥離する操作を1回行った。このときの、基材上に設けた各層が剥離するかどうかを肉眼観察により確認し、下記の基準で評価した。
○:層の剥離は全くなかった
△:層の剥離は若干あるが、実用上問題なかった
×:層の剥離が著しかった
(3)耐水性密着性の評価
実施例及び比較例で得られた化粧シートを、25℃の温水に浸漬し、2日間保持してから、化粧シートを幅2.5cmに切り抜いたサンプルを、幅方向と直交する方向に引張速度200mm/min、雰囲気温度20℃で、引張方向が互いに180°になるように剥離試験を行い、下記の基準で評価した。
○:層の剥離は全くなかった
△:層の剥離は若干あるが、実用上問題なかった
×:層の剥離が著しかった
(4)耐温水性密着性の評価
実施例及び比較例で得られた化粧シートを、80℃の温水に浸漬し、2日間保持してから、化粧シートを幅2.5cmに切り抜いたサンプルを、幅方向と直交する方向に引張速度200mm/min、雰囲気温度20℃で、引張方向が互いに180°になるように剥離試験を行い、下記の基準で評価した。
○:層の剥離は全くなかった
△:層の剥離は若干あるが、実用上問題なかった
×:層の剥離が著しかった
(5)加熱収縮率
実施例及び比較例で得られた化粧シートを、明細書本文中に記載の方法で、加熱収縮率を測定した。
【0044】
実施例1
基材11として、着色ポリプロピレン樹脂(厚さ80μm)からなる樹脂シートを準備した。この表面及び裏面にコロナ放電処理を施した後、表面に木目柄をグラビア印刷により形成し、絵柄層を得た。一方、裏面には、下記組成の裏面プライマー層用塗工液を用いて、裏面プライマー層(厚さ2μm)をグラビア印刷により形成した。
次いで、ポリフッ化ビニリデン樹脂とメチルメタクリレート樹脂をTダイで溶融して、押し出し、フッ素樹脂層14と透明熱可塑性樹脂層13からなる積層体(厚さ80μm、以下「積層体A」と称する。)を形成した。次いで、上記絵柄層の上に2液硬化性接着剤を塗工して接着層12(乾燥状態での厚さ15μm)を形成した上に、該積層体Aをドライラミネート法により積層させた。ここで用いた2液硬化性接着剤は、ポリエステル樹脂(主剤,2液硬化型ポリエステル接着剤「セイカボンド E−295NTL−D50(C−55)」,大日精化株式会社製)18質量部にヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)2質量部を配合したものである。次いで、フッ素樹脂層14の表面を赤外線非接触方式のヒーターで加熱し、フッ素樹脂層14の表面を柔らかくし、直ちに基材11と反対側のフッ素樹脂層14の表面に対し熱圧によるエンボス加工を行い、木目導管溝模様の凹凸模様を賦形した。得られた化粧シートについて、上記評価方法にて評価した結果を第1表に示す。
【0045】
(裏面プライマー層用塗工液)
二液硬化型ポリエステルウレタン(ポリエステルポリオールとポリイソシアネートを100:5(質量比)の割合で混合):100質量部
希釈溶剤(酢酸エチルとメチルイソブチルケトンの1:1(質量比)の割合で混合した混合溶剤):20質量部
【0046】
実施例2
実施例1において、接着層12をポリエステル樹脂と助樹脂としてエポキシ樹脂を添加したものを主剤とする接着剤(主剤,2液硬化型ポリエステル接着剤「TSB−074」,大日精化株式会社製)12質量部にヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)1質量部を配合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
【0047】
比較例1
実施例1において、接着層にアクリル−塩化ビニル−酢酸ビニル系熱接着性樹脂(ヒートシール剤)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
【0048】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明によれば、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、及び耐汚染性が高く、かつ、耐候密着性に優れ、層間密着性が高く、耐水性が高く、かつ加熱収縮率の小さい化粧シートを提供することができる。該化粧シートは、特に鋼板に貼着して鋼板用化粧シートとして用いることが好ましく、鋼板を折り曲げ加工した場合に、白化の原因となる微細なクラックが入りにくい。しかも、寸法安定性に優れるため、鋼板貼付用としてのハンドリング性に優れ、鋼板用化粧シートとして有用である。
【符号の説明】
【0050】
10 化粧シート
11 基材
12 接着層
13 透明熱可塑性樹脂層
14 フッ素樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に接着層、透明熱可塑性樹脂層、及びフッ素樹脂層をこの順に配してなる化粧シートであって、該接着層がポリエステル樹脂を主剤とし、イソシアネートを硬化剤とする2液硬化性樹脂により構成されることを特徴とする化粧シート。
【請求項2】
前記接着層がポリエステル樹脂とエポキシ樹脂の混合物を主剤とする請求項1に記載の化粧シート。
【請求項3】
前記接着層に紫外線吸収剤及び/又は光安定剤を含有する請求項1又は2に記載の化粧シート。
【請求項4】
以下の測定方法による加熱収縮率が2%以内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧シート。
(加熱収縮率の測定方法)
化粧シートを100℃の雰囲気中で30分間加熱する前後の、化粧シートのMD方向及びTD方向の長さを測定し、それぞれの方向における加熱収縮率を以下の式で計算する。
[(加熱前の寸法)−(加熱後の寸法)]/加熱前の寸法
【請求項5】
前記透明熱可塑性樹脂層が(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン共重合体樹脂、塩化酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)、アイオノマー樹脂、オレフィン−αオレフィン共重合体樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種により構成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の化粧シート。
【請求項6】
前記フッ素樹脂層を構成するフッ素樹脂がポリフッ化ビニリデン樹脂である請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧シート。
【請求項7】
前記フッ素樹脂層の上に電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなる表面保護層を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の化粧シート。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の化粧シートを金属板に貼り付けてなる金属化粧板。

【図1】
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【公開番号】特開2012−35513(P2012−35513A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177814(P2010−177814)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】