化粧シート
【課題】化粧パフとしてもパック材としても使用できるスキンケア用の化粧シートとして、使用時における適度なコシの確保や、吸水時(化粧料含浸時)におけるヘタリの低減、シート中央部分における吸水量(化粧料含浸量)の確保等が可能であるだけでなく、化粧料の無駄の抑制や、パック材として使用する際の手間の軽減を実現することができ、従来の化粧パフに比べて容易に製造できる化粧シートを提供する。
【解決手段】長辺2aが120〜200mm、短辺2bが40〜90mm、目付け量が32〜100g/m2 である吸水性を有する長方形のシート2を使用する。このシート2を、その短辺2bと平行な方向(短手方向)にのみ折り目21〜24が形成されるように折り畳み、当該折り目21〜24と直交する方向(x−x’方向)におけるシート中央部11側を両端部12側よりもシート積層数の多い嵩高のシート重なり部分13とする。
【解決手段】長辺2aが120〜200mm、短辺2bが40〜90mm、目付け量が32〜100g/m2 である吸水性を有する長方形のシート2を使用する。このシート2を、その短辺2bと平行な方向(短手方向)にのみ折り目21〜24が形成されるように折り畳み、当該折り目21〜24と直交する方向(x−x’方向)におけるシート中央部11側を両端部12側よりもシート積層数の多い嵩高のシート重なり部分13とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧水などの化粧料を含浸させて肌に塗布する際に用いられる、いわゆるスキンケア用の化粧シートに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧水を用いたパッティングやクレンジング液を用いた化粧落とし等には、一般に化粧パフが使用されている。化粧パフにおいては、化粧水等に対する十分な吸収・保持性能が要求されることから、主にコットンないし脱脂綿、レーヨン、パルプといった吸水性繊維素材(繊維ウエブ)を使用し、使い勝手等を考慮して比較的厚みのある平面視で四角形等の形態としたものが多い。
【0003】
このような化粧パフとしては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているようなものがある。前者は、使用中の形くずれを防止する等のために、パフを構成する内層の繊維ウエブを所定の表面材(湿式不織布に高圧水を噴射して得られたもの)で被覆したうえで、端縁部を熱融着や圧着によってシールしたものである。また、後者は、脱脂綿ウエブを複数枚積層した平面視で四角形状の化粧パフにおいて、その対向する両辺に沿って圧着による接合部(水素結合部)を形成し、この接合部で脱脂綿帯を層剥離させることによってパック材としても使用できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60−151425号公報
【特許文献2】登録実用新案第3134297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常のコットン繊維等を使用した化粧パフは吸水性や風合いに優れる反面、いわゆるコシがなく(剛性が低い)、また吸水すると嵩が小さくなって、いわゆるヘタリやすく、ひいてはパフ中央部分における吸水量(化粧水等の含浸量)の低下を招くという問題がある。加えて、コットン繊維等の毛羽立ちがあるため肌に刺激があるだけでなく、使用時にコットン繊維等が脱落して顔などに付着しやすい。さらに、化粧料をパフに染み込ませて顔面に塗布したりパッティングしたりする際には、パフの中央部分しか使用しないことが多く、化粧料がパフの周縁部で未使用状態のまま比較的多く残りやすいため、その分の化粧料が無駄になってしまいやすい。
【0006】
この点、上述した特許文献1記載の化粧パフでは、形くずれや繊維の顔面への付着を低減できるように特定の表面材が用いられ、その端縁部をシールした状態において当該シール部間の中央部分の厚みが相対的に分厚くなるような形状、言い換えると中央部分が嵩高となるような形状とされ、特許文献2記載の化粧パフでは、所定厚みを有する複数枚の脱脂綿ウエブを積層した構造とされている。これらの化粧パフは、周縁部の一部または全部をシールないし接合することによってパフ中央部分が周縁あるいは端縁のシール部よりも分厚くて嵩高となる構造であり、このような構造によって、使用時における適度なコシの確保や、吸水時におけるヘタリの低減、パフ中央部分における吸水量の確保等が図られていると考えられる。
【0007】
しかしながら、これらの化粧パフのように、端縁部や周縁部を熱融着や圧着によりシールあるいは接合した構造によると、当該シール部や接合部が硬くなり、使用時にその部分が肌に触れたときに痛いと感じることがある。また、パフの周縁部においてコットンや脱脂綿の繊維が露出している部分があると、その部分の繊維が毛羽立ったり脱落したりしやすい。さらに、化粧水などの化粧料を含浸させて使用されることの多い化粧パフでは、或る程度の嵩と厚みとを持った状態に仕上げられるの通例であるが、このような化粧パフの製造は通常のティッシュのようなシート体の製造と比べると技術的に困難であることが多い。上述した特許文献1や特許文献2に記載された化粧パフのように周縁部や端縁部をシールないし接合する必要のあるものにおいては尚更である。
【0008】
ところで、化粧パフは、これに化粧料を含浸させたうえでパック材として使用する場合もあるが、従来の化粧パフおいては、一般に、パッティング時の使用を考慮して中指または中指と薬指の腹側に片面側を当てて残りの指で両端部を挟める程度の比較的小さな四角形サイズ(例えば、縦:40〜45mm×横:60〜65mm)としたものが多い。そのため、化粧料を含浸させたパフを顔に貼って顔面全体をパックする場合、パフを何個も使用する必要があった。このような場合、一個のパフを厚み方向に分離して複数のパック材として使用することもあるが、その都度パフを手で一枚ずつ剥がしたうえで顔に貼る必要があって煩わしい。なお、上述した特許文献2記載のパック材兼用の化粧パフでは、積層された複数枚の脱脂綿ウエブが、これに化粧水等を含浸させたときに各脱脂綿ウエブごとに容易に剥離するように構成されているので、その点での煩わしさは軽減されるが、剥離された脱脂綿ウエブのサイズは剥離前の化粧パフのそれと同じであるから、顔全体をパックする際にそれらを何枚も顔に貼る必要があるから、その点での煩わしさは上述の場合と何ら異ならない。
【0009】
本発明は、上記のような問題に対処するもので、化粧パフ(パッティング材)としてもパック材としても使用できるスキンケア用の化粧シートとして、使用時における適度なコシの確保や、吸水時(化粧料含浸時)におけるヘタリの低減、シート中央部分における吸水量(化粧料含浸量)の確保等が可能であるだけでなく、化粧料の無駄の抑制や、パック材として使用する際の手間の軽減を実現することができ、しかも従来の化粧パフに比べて容易に製造できる化粧シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明に係るスキンケア用の化粧シートは、次のように構成したものである。すなわち、長辺を120〜200mm、短辺を40〜90mm、目付け量を32〜100g/m2 とした、吸水性を有する長方形のシートで化粧シートを構成する。そして、このシートを、前記短辺と平行な方向(短手方向)にのみ折り目が形成されるように折り畳むことによって、当該折り目と直交する方向におけるシート中央部側を両端部側よりもシート積層数の多い嵩高のシート重なり部分としたものである。なお、この場合の長辺および短辺とは、未だ折り畳んでいない状態(広げた状態)におけるシートの長辺および短辺をいう。
【0011】
本発明の化粧シートは、具体的には、長方形のシートの長手方向の中央から左右の両端部にそれぞれ到る両側部分をまず左右一対の第1の折り目でそれぞれ内側に折り、次いで当該折った部分の先端側をさらに左右一対の第2の折り目でそれぞれ外側に向けて折り畳んだ構成とすることができる。
【0012】
長方形のシートは、不織布またはティッシュペーパーで構成することができる。これらは、1枚からなる単層構造のものであってもよいし、複数枚からなる積層構造のものであってもよい。
【0013】
長方形のシートは、使用時に化粧料を含浸させるタイプのシート、あるいは化粧料を予め含浸させたタイプのシートのいずれでもよい。したがって、ドライ状態の不織布もしくはティッシュペーパー、または化粧料を含浸させた不織布もしくはティッシュペーパーで構成することができる。
【0014】
本発明の化粧シートは、上述の形態に折り畳んだ状態で容器に収容することができる。容器には、化粧シートを取り出すためのシート取出口を設ける。容器は、可撓性を有する袋タイプの容器でもよいし、保形性を有するボックスタイプの容器でもよい。予め化粧料を含浸させた含浸タイプの化粧シートの場合には、化粧シートが乾燥してしまわないように、気密性と液密性とを具備した容器を使用する。
【0015】
容器に収容する化粧シートの枚数は任意である。容器に多数組の化粧シートを収容する場合には、化粧シートを上下方向に重ねた状態で収容してもよいし、化粧シートのシート面が上下方向となるように並べた状態で収容してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の化粧シートは、吸水性を有する所定のシートで構成されているので、使用時に化粧料を容易に含浸させることができる。その場合に、シートが所定の一方向にのみ折り目が形成されるように折り畳まれてシート中央部側が両端部側よりもシート積層数の多い嵩高のシート重なり部分となっているので、このシート重なり部分に化粧料を十分に含浸させることができる。
【0017】
逆に、シート重なり部分よりもシート積層数の少ないシート両端部側では化粧料の含浸量が相対的に少なくなる。しかし、このような部分はパッティング時等にあまり利用されない部分であるから、含浸量が相対的に少なくなる分だけ化粧料の無駄を削減することができる。
【0018】
また、上記のようにシート中央部側に嵩高のシート重なり部分が形成されているので、使用する際に適度のコシが確保されるだけでなく、コシのない脱脂綿等を使用した通常の化粧パフに比べると吸水時のヘタリも少ない。
【0019】
本発明の化粧シートは、パッティング時には、通常、折り畳んだ状態のままこれに化粧料を含浸させて使用されるが、その状態からシート全体を広げることによって従来の化粧パフよりも面積の広い1枚のパック材としても使用することができる。したがって、従来の化粧パフのように厚み方向に分離させてそれらを一枚ずつ顔に貼るといった動作を何回も繰り返す必要がなく、これよりも少ない枚数で顔面全体のパックを行うことが可能となる。
【0020】
特に、長方形のシートの長手方向の中央から左右の両端部にそれぞれ到る両側部分をまず左右一対の第1の折り目でそれぞれ内側に折り、次いで当該折った部分の先端側をさらに左右一対の第2の折り目でそれぞれ外側に向けて折り畳んだ構成とした場合には、第2の折り目の外側にあるシート両端部を持って外側に広げるだけで当初の長方形状となるので、従来の化粧パフよりも面積の広い1枚のパック材として使用可能な長方形のシートが容易に得られることとなる。
【0021】
本発明の化粧シートは、吸水性を有する長方形のシートを一方向に沿って折り畳んだものであるが、このような比較的簡素な構成の化粧シートは、従来のコットン等を使用した嵩高の化粧パフと比べると製造が容易である。
【0022】
長方形のシートを不織布またはティッシュペーパーで構成すると、嵩高の脱脂綿等を使用した場合に比べて、折り畳んだ状態における適度のコシの確保等が容易になるだけでなく、製造時においてシートを一方向に折り畳む作業などが特に容易に行えることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1の化粧シートを示す斜視図である。
【図2】実施例1の化粧シートを構成する長方形のシートを示す平面図である。
【図3】図1に示した化粧シートの折り目と直交する方向の断面構造を示す断面図である。
【図4】実施例1の化粧シートを容器に収容した状態を示す縦断面図である。
【図5】実施例1の化粧シートを指に挟んだ状態の一例を示すもので、(a)は正面図、 (b)はその横断面図である。
【図6】実施例1の化粧シートを指に挟んだ状態の他の例を示すもので、(a)は正面図、(b)はその縦断側面図である。
【図7】実施例1の化粧シートを広げるときの動作を説明するために使用した図である。
【図8】実施例2の化粧シートを示すもので、(a)は斜視図、(b)は当該化粧シートの折り目と直交する方向の断面構造を示す断面図である。
【図9】実施例3の化粧シートを示すもので、(a)は斜視図、(b)は当該化粧シートの折り目と直交する方向の断面構造を示す断面図である。
【図10】実施例4の化粧シートを示すもので、(a)は斜視図、(b)は当該化粧シートの折り目と直交する方向の断面構造を示す断面図である。
【図11】実施例2の化粧シートを示すもので、(a)は斜視図、(b)は当該化粧シートの折り目と直交する方向の断面構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0025】
(実施例1) 図1は本発明の実施例1に係る化粧シート1を示し、図2は化粧シート1を構成する長方形のシート2を示す。長方形のシート2は、吸水性を有する不織布によって構成されており、本実施例では、その長辺2aの長さが200mm、短辺2bの長さが90mm、目付け量が60g/m2 であるものが使用されている。
【0026】
化粧シート1は、前記長方形のシート2の短辺2bと平行なy−y’方向(短手方向)にのみ折り目21・22が形成されるように折り畳み、当該折り目21・22と直交するx−x’方向(長手方向)におけるシート中央部11側を両端部12・12側よりもシート積層数の多い嵩高のシート重なり部分13としたものである。
【0027】
具体的には、図2に示した長方形のシート2において、その長手方向(x−x’方向)の中央から左右の両端(各短辺2a)部にそれぞれ到る両側部分23・23をまず左右一対の第1の折り目21・21でそれぞれ内側に折り、次いでその折った部分の先端(短辺2a)側をさらに左右一対の第2の折り目22・22でそれぞれ外側に向けて且つ先端が第2の折り目22・22よりも所定量だけ第1の折り目21・21寄りに位置するように折り畳むことによって、図1および図3に示すように、第2の折り目22・22の位置するシート中央部11側が、第1の折り目21・21の位置するシート両端部12・12よりもシート積層数の多い嵩高のシート重なり部分13となったシート構造としたものである。図示例の化粧シート1の場合、シート積層数は、シート中央部11側が3層で、シート両端部12側が2層であり、前者が後者よりもシート1層分だけ多くなっており、その分だけ分厚く、嵩高となっている。
【0028】
図4は、上記の化粧シート1を容器3内に多数枚(多数組)収容した状態を示したものである。図示例では、上端が開口されてシート取出口3aとされた容器本体3と、シート取出口3aに着脱自在に装着された開閉用の蓋4とを具備してなるプラスチック製の容器5が使用されている。容器本体3内の中央部には隔壁3bが設けられており、この隔壁3bの両側に形成された左右の収納スペース3c・3cに、上記の折り畳んだ状態の化粧シート1が複数枚重ねられた状態でそれぞれ収納されている。
【0029】
容器5に収容した化粧シート1を使用する際は、蓋4を開けて容器本体3内から最上部の化粧シート1を通り出し、例えば、図5や図6に示すように中指Fと薬指Gの腹側に化粧シート1の片面側を当て、そのシート両端部12・12側を人指指Hと小指Iとで挟むことによって、パッティングが行いやすくなる。この場合、化粧シート1は、折り目21・22の方向と中指F等の方向とが直交するように挟むこともできるし(図5(a)、(b)の場合)、折り目21・22の方向と中指F等の方向とが同じ向きとなるように挟むこともできる(図6(a)、(b)の場合)。なお、化粧シート1の持ち方がこれらに限られるものでないことは言うまでもない。
【0030】
パッティングは、上記のようにして指に挟んだ化粧シート1に化粧料を含浸させて、当該シート1で顔面を軽く叩くことによって行う。その場合、化粧シート1において人指指Hと中指Fとで挟まれた部分と薬指Gと小指Iとで挟まれた部分、つまり化粧シート1の両端部12・12はパッティングに使用せず人指指Hと小指Iとの間にあって掌側に露出している部分、つまり化粧シートの中央部11を使用する。このとき、本発明の化粧シート1では、その中央部11側のシート積層数が両端部12・12側のそれよりも多くされてシート中央部11側が嵩高とされているので、当該シート中央部11側に両端部12・12側よりも多くの化粧料を含浸・保持させることができる。言い換えると、パッティングに使用するシート中央部11側に化粧料を多く含浸・保持させることができる一方、パッティングに使用されないシート両端部12・12側に対しては化粧料の含浸量を抑えることができる。こうして、実際に使用されるシート部分における化粧料の含浸量は多く、使用しないシート部分の化粧料の含浸量は少なくすることができるので、その分だけ化粧料の無駄を省くことができる。
【0031】
また、上記のように不織布製のシートで構成された化粧シート1のシート中央部11側に嵩高のシート重なり部分13が形成されているので、使用する際に適度のコシが確保されるだけでなく、コシのない脱脂綿等を使用した通常の化粧パフに比べると吸水時のヘタリも少ない。製造時においてシートを一方向に折り畳む作業なども容易に行えるので、周縁部や端縁部にシール部や接合部を設ける従来の化粧パフよりも製造が容易である。
【0032】
化粧シート1は、上記のようなパッティングに使用されるだけでなく、例えば顔全体をパックするような場合にも使用される。化粧シート1をパック材として使用する際には、上記の折り畳み状態の化粧シート1に化粧料を含浸させたのち、これを広げて1枚の長方形のシート2にした状態で顔面に貼る。このとき、本実施例の化粧シート1では、元の長方形のシート2の短辺と平行な短辺方向(y−y’方向)に延びる第1および第2の折り目21・22で折り畳まれているだけであるから、例えば図7に示すように各第2の折り目22の外側にあるシート両端部を持って図7の矢印で示す外側方向に広げるだけで、簡単に元の長方形のシート2の状態、すなわち従来の化粧パフよりも面積の広い1枚のパック材として使用可能な長方形のシート2にすることができる。したがって、従来の化粧パフのように厚み方向に分離させてそれらを一枚ずつ顔に貼るといった動作を何回も繰り返す必要がなく、これよりも少ない枚数のシート2で顔面全体のパックを行うことが可能となる。
【0033】
(他の実施例) 図8〜図11は、化粧シート1の他の折り畳み形態例をそれぞれ示したものである。各化粧シート1は、いずれも吸水性を有する不織布からなる長方形のシート2を所定の状態に折り畳むことよって形成されている。図8〜図11における(a)おいては、折り畳む前の長方形のシート2の状態において長辺と平行な方向(長手方向)を矢印x−x’で示し、短辺と平行な方向(短手方向)をyーy’で示した。
【0034】
このうち、図8の(a)および(b)に示す化粧シート1は、吸水性を有する長方形のシート2の長手方向の両端側を、短辺2bと平行な左右一対の折り目21・21で内側に折って、シート中央部11側に3層のシート重なり部を形成したものである。
【0035】
図9の(a)および(b)に示す化粧シート1は、吸水性を有する長方形のシート2の長手方向の両端側を、これらがシート中央部11側で重なるように、短辺2bと平行な左右一対の第1の折り目21・21で内側に折り、そのうちの一方の端部側を短辺2bと平行な第2の折り目22でさらに外側に折って、その上に先に折った他方の端部が重なるように折り畳むことによって、シート中央部11側に4層のシート重なり部13を形成したものである。
【0036】
図10の(a)および(b)に示す化粧シート1は、吸水性を有する長方形のシート2の長手方向の両端側を、これらがシート中央部11側で重なるように、短辺と平行な左右一対の第1の折り目21・21で内側に折り、その折った部分の先端側を短辺と平行な左右一対の第2の折り目22・22で反対側に折り畳むことによって、シート中央部11側に5層のシート重なり部13を形成したものである。
【0037】
図11の(a)および(b)に示す化粧シート1は、吸水性を有する長方形のシート2の長手方向の両端(両短辺2b)側を、一方はシート中央部11の上面側で、他方はシート中央部11の下面側で順次幅を狭めつつ重なっていくように、いずれも短辺2bと平行な折り目21〜24で葛折り状に交互に折り畳むことによって、シート中央部11側に複数層(図示例では9層)のシート重なり部13を形成したものである。
【0038】
上記の各実施例では、化粧シート1(長方形のシート2)のシート素材としては不織布を使用したが、ティッシュペーパーを使用してもよい。これらを構成する繊維の材質は、吸水性を有する繊維であればよく、例えばコットン、レーヨン、パルプ等を挙げることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 化粧シート
2 長方形のシート
2a 長辺
2b 短辺
5 容器
11 シート中央部
12 端部
13 重なり部分
21〜24 折り目
x−x’ 長方形のシートの長手方向
y−y’ 長方形のシートの短手方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧水などの化粧料を含浸させて肌に塗布する際に用いられる、いわゆるスキンケア用の化粧シートに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧水を用いたパッティングやクレンジング液を用いた化粧落とし等には、一般に化粧パフが使用されている。化粧パフにおいては、化粧水等に対する十分な吸収・保持性能が要求されることから、主にコットンないし脱脂綿、レーヨン、パルプといった吸水性繊維素材(繊維ウエブ)を使用し、使い勝手等を考慮して比較的厚みのある平面視で四角形等の形態としたものが多い。
【0003】
このような化粧パフとしては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているようなものがある。前者は、使用中の形くずれを防止する等のために、パフを構成する内層の繊維ウエブを所定の表面材(湿式不織布に高圧水を噴射して得られたもの)で被覆したうえで、端縁部を熱融着や圧着によってシールしたものである。また、後者は、脱脂綿ウエブを複数枚積層した平面視で四角形状の化粧パフにおいて、その対向する両辺に沿って圧着による接合部(水素結合部)を形成し、この接合部で脱脂綿帯を層剥離させることによってパック材としても使用できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60−151425号公報
【特許文献2】登録実用新案第3134297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常のコットン繊維等を使用した化粧パフは吸水性や風合いに優れる反面、いわゆるコシがなく(剛性が低い)、また吸水すると嵩が小さくなって、いわゆるヘタリやすく、ひいてはパフ中央部分における吸水量(化粧水等の含浸量)の低下を招くという問題がある。加えて、コットン繊維等の毛羽立ちがあるため肌に刺激があるだけでなく、使用時にコットン繊維等が脱落して顔などに付着しやすい。さらに、化粧料をパフに染み込ませて顔面に塗布したりパッティングしたりする際には、パフの中央部分しか使用しないことが多く、化粧料がパフの周縁部で未使用状態のまま比較的多く残りやすいため、その分の化粧料が無駄になってしまいやすい。
【0006】
この点、上述した特許文献1記載の化粧パフでは、形くずれや繊維の顔面への付着を低減できるように特定の表面材が用いられ、その端縁部をシールした状態において当該シール部間の中央部分の厚みが相対的に分厚くなるような形状、言い換えると中央部分が嵩高となるような形状とされ、特許文献2記載の化粧パフでは、所定厚みを有する複数枚の脱脂綿ウエブを積層した構造とされている。これらの化粧パフは、周縁部の一部または全部をシールないし接合することによってパフ中央部分が周縁あるいは端縁のシール部よりも分厚くて嵩高となる構造であり、このような構造によって、使用時における適度なコシの確保や、吸水時におけるヘタリの低減、パフ中央部分における吸水量の確保等が図られていると考えられる。
【0007】
しかしながら、これらの化粧パフのように、端縁部や周縁部を熱融着や圧着によりシールあるいは接合した構造によると、当該シール部や接合部が硬くなり、使用時にその部分が肌に触れたときに痛いと感じることがある。また、パフの周縁部においてコットンや脱脂綿の繊維が露出している部分があると、その部分の繊維が毛羽立ったり脱落したりしやすい。さらに、化粧水などの化粧料を含浸させて使用されることの多い化粧パフでは、或る程度の嵩と厚みとを持った状態に仕上げられるの通例であるが、このような化粧パフの製造は通常のティッシュのようなシート体の製造と比べると技術的に困難であることが多い。上述した特許文献1や特許文献2に記載された化粧パフのように周縁部や端縁部をシールないし接合する必要のあるものにおいては尚更である。
【0008】
ところで、化粧パフは、これに化粧料を含浸させたうえでパック材として使用する場合もあるが、従来の化粧パフおいては、一般に、パッティング時の使用を考慮して中指または中指と薬指の腹側に片面側を当てて残りの指で両端部を挟める程度の比較的小さな四角形サイズ(例えば、縦:40〜45mm×横:60〜65mm)としたものが多い。そのため、化粧料を含浸させたパフを顔に貼って顔面全体をパックする場合、パフを何個も使用する必要があった。このような場合、一個のパフを厚み方向に分離して複数のパック材として使用することもあるが、その都度パフを手で一枚ずつ剥がしたうえで顔に貼る必要があって煩わしい。なお、上述した特許文献2記載のパック材兼用の化粧パフでは、積層された複数枚の脱脂綿ウエブが、これに化粧水等を含浸させたときに各脱脂綿ウエブごとに容易に剥離するように構成されているので、その点での煩わしさは軽減されるが、剥離された脱脂綿ウエブのサイズは剥離前の化粧パフのそれと同じであるから、顔全体をパックする際にそれらを何枚も顔に貼る必要があるから、その点での煩わしさは上述の場合と何ら異ならない。
【0009】
本発明は、上記のような問題に対処するもので、化粧パフ(パッティング材)としてもパック材としても使用できるスキンケア用の化粧シートとして、使用時における適度なコシの確保や、吸水時(化粧料含浸時)におけるヘタリの低減、シート中央部分における吸水量(化粧料含浸量)の確保等が可能であるだけでなく、化粧料の無駄の抑制や、パック材として使用する際の手間の軽減を実現することができ、しかも従来の化粧パフに比べて容易に製造できる化粧シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明に係るスキンケア用の化粧シートは、次のように構成したものである。すなわち、長辺を120〜200mm、短辺を40〜90mm、目付け量を32〜100g/m2 とした、吸水性を有する長方形のシートで化粧シートを構成する。そして、このシートを、前記短辺と平行な方向(短手方向)にのみ折り目が形成されるように折り畳むことによって、当該折り目と直交する方向におけるシート中央部側を両端部側よりもシート積層数の多い嵩高のシート重なり部分としたものである。なお、この場合の長辺および短辺とは、未だ折り畳んでいない状態(広げた状態)におけるシートの長辺および短辺をいう。
【0011】
本発明の化粧シートは、具体的には、長方形のシートの長手方向の中央から左右の両端部にそれぞれ到る両側部分をまず左右一対の第1の折り目でそれぞれ内側に折り、次いで当該折った部分の先端側をさらに左右一対の第2の折り目でそれぞれ外側に向けて折り畳んだ構成とすることができる。
【0012】
長方形のシートは、不織布またはティッシュペーパーで構成することができる。これらは、1枚からなる単層構造のものであってもよいし、複数枚からなる積層構造のものであってもよい。
【0013】
長方形のシートは、使用時に化粧料を含浸させるタイプのシート、あるいは化粧料を予め含浸させたタイプのシートのいずれでもよい。したがって、ドライ状態の不織布もしくはティッシュペーパー、または化粧料を含浸させた不織布もしくはティッシュペーパーで構成することができる。
【0014】
本発明の化粧シートは、上述の形態に折り畳んだ状態で容器に収容することができる。容器には、化粧シートを取り出すためのシート取出口を設ける。容器は、可撓性を有する袋タイプの容器でもよいし、保形性を有するボックスタイプの容器でもよい。予め化粧料を含浸させた含浸タイプの化粧シートの場合には、化粧シートが乾燥してしまわないように、気密性と液密性とを具備した容器を使用する。
【0015】
容器に収容する化粧シートの枚数は任意である。容器に多数組の化粧シートを収容する場合には、化粧シートを上下方向に重ねた状態で収容してもよいし、化粧シートのシート面が上下方向となるように並べた状態で収容してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の化粧シートは、吸水性を有する所定のシートで構成されているので、使用時に化粧料を容易に含浸させることができる。その場合に、シートが所定の一方向にのみ折り目が形成されるように折り畳まれてシート中央部側が両端部側よりもシート積層数の多い嵩高のシート重なり部分となっているので、このシート重なり部分に化粧料を十分に含浸させることができる。
【0017】
逆に、シート重なり部分よりもシート積層数の少ないシート両端部側では化粧料の含浸量が相対的に少なくなる。しかし、このような部分はパッティング時等にあまり利用されない部分であるから、含浸量が相対的に少なくなる分だけ化粧料の無駄を削減することができる。
【0018】
また、上記のようにシート中央部側に嵩高のシート重なり部分が形成されているので、使用する際に適度のコシが確保されるだけでなく、コシのない脱脂綿等を使用した通常の化粧パフに比べると吸水時のヘタリも少ない。
【0019】
本発明の化粧シートは、パッティング時には、通常、折り畳んだ状態のままこれに化粧料を含浸させて使用されるが、その状態からシート全体を広げることによって従来の化粧パフよりも面積の広い1枚のパック材としても使用することができる。したがって、従来の化粧パフのように厚み方向に分離させてそれらを一枚ずつ顔に貼るといった動作を何回も繰り返す必要がなく、これよりも少ない枚数で顔面全体のパックを行うことが可能となる。
【0020】
特に、長方形のシートの長手方向の中央から左右の両端部にそれぞれ到る両側部分をまず左右一対の第1の折り目でそれぞれ内側に折り、次いで当該折った部分の先端側をさらに左右一対の第2の折り目でそれぞれ外側に向けて折り畳んだ構成とした場合には、第2の折り目の外側にあるシート両端部を持って外側に広げるだけで当初の長方形状となるので、従来の化粧パフよりも面積の広い1枚のパック材として使用可能な長方形のシートが容易に得られることとなる。
【0021】
本発明の化粧シートは、吸水性を有する長方形のシートを一方向に沿って折り畳んだものであるが、このような比較的簡素な構成の化粧シートは、従来のコットン等を使用した嵩高の化粧パフと比べると製造が容易である。
【0022】
長方形のシートを不織布またはティッシュペーパーで構成すると、嵩高の脱脂綿等を使用した場合に比べて、折り畳んだ状態における適度のコシの確保等が容易になるだけでなく、製造時においてシートを一方向に折り畳む作業などが特に容易に行えることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1の化粧シートを示す斜視図である。
【図2】実施例1の化粧シートを構成する長方形のシートを示す平面図である。
【図3】図1に示した化粧シートの折り目と直交する方向の断面構造を示す断面図である。
【図4】実施例1の化粧シートを容器に収容した状態を示す縦断面図である。
【図5】実施例1の化粧シートを指に挟んだ状態の一例を示すもので、(a)は正面図、 (b)はその横断面図である。
【図6】実施例1の化粧シートを指に挟んだ状態の他の例を示すもので、(a)は正面図、(b)はその縦断側面図である。
【図7】実施例1の化粧シートを広げるときの動作を説明するために使用した図である。
【図8】実施例2の化粧シートを示すもので、(a)は斜視図、(b)は当該化粧シートの折り目と直交する方向の断面構造を示す断面図である。
【図9】実施例3の化粧シートを示すもので、(a)は斜視図、(b)は当該化粧シートの折り目と直交する方向の断面構造を示す断面図である。
【図10】実施例4の化粧シートを示すもので、(a)は斜視図、(b)は当該化粧シートの折り目と直交する方向の断面構造を示す断面図である。
【図11】実施例2の化粧シートを示すもので、(a)は斜視図、(b)は当該化粧シートの折り目と直交する方向の断面構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0025】
(実施例1) 図1は本発明の実施例1に係る化粧シート1を示し、図2は化粧シート1を構成する長方形のシート2を示す。長方形のシート2は、吸水性を有する不織布によって構成されており、本実施例では、その長辺2aの長さが200mm、短辺2bの長さが90mm、目付け量が60g/m2 であるものが使用されている。
【0026】
化粧シート1は、前記長方形のシート2の短辺2bと平行なy−y’方向(短手方向)にのみ折り目21・22が形成されるように折り畳み、当該折り目21・22と直交するx−x’方向(長手方向)におけるシート中央部11側を両端部12・12側よりもシート積層数の多い嵩高のシート重なり部分13としたものである。
【0027】
具体的には、図2に示した長方形のシート2において、その長手方向(x−x’方向)の中央から左右の両端(各短辺2a)部にそれぞれ到る両側部分23・23をまず左右一対の第1の折り目21・21でそれぞれ内側に折り、次いでその折った部分の先端(短辺2a)側をさらに左右一対の第2の折り目22・22でそれぞれ外側に向けて且つ先端が第2の折り目22・22よりも所定量だけ第1の折り目21・21寄りに位置するように折り畳むことによって、図1および図3に示すように、第2の折り目22・22の位置するシート中央部11側が、第1の折り目21・21の位置するシート両端部12・12よりもシート積層数の多い嵩高のシート重なり部分13となったシート構造としたものである。図示例の化粧シート1の場合、シート積層数は、シート中央部11側が3層で、シート両端部12側が2層であり、前者が後者よりもシート1層分だけ多くなっており、その分だけ分厚く、嵩高となっている。
【0028】
図4は、上記の化粧シート1を容器3内に多数枚(多数組)収容した状態を示したものである。図示例では、上端が開口されてシート取出口3aとされた容器本体3と、シート取出口3aに着脱自在に装着された開閉用の蓋4とを具備してなるプラスチック製の容器5が使用されている。容器本体3内の中央部には隔壁3bが設けられており、この隔壁3bの両側に形成された左右の収納スペース3c・3cに、上記の折り畳んだ状態の化粧シート1が複数枚重ねられた状態でそれぞれ収納されている。
【0029】
容器5に収容した化粧シート1を使用する際は、蓋4を開けて容器本体3内から最上部の化粧シート1を通り出し、例えば、図5や図6に示すように中指Fと薬指Gの腹側に化粧シート1の片面側を当て、そのシート両端部12・12側を人指指Hと小指Iとで挟むことによって、パッティングが行いやすくなる。この場合、化粧シート1は、折り目21・22の方向と中指F等の方向とが直交するように挟むこともできるし(図5(a)、(b)の場合)、折り目21・22の方向と中指F等の方向とが同じ向きとなるように挟むこともできる(図6(a)、(b)の場合)。なお、化粧シート1の持ち方がこれらに限られるものでないことは言うまでもない。
【0030】
パッティングは、上記のようにして指に挟んだ化粧シート1に化粧料を含浸させて、当該シート1で顔面を軽く叩くことによって行う。その場合、化粧シート1において人指指Hと中指Fとで挟まれた部分と薬指Gと小指Iとで挟まれた部分、つまり化粧シート1の両端部12・12はパッティングに使用せず人指指Hと小指Iとの間にあって掌側に露出している部分、つまり化粧シートの中央部11を使用する。このとき、本発明の化粧シート1では、その中央部11側のシート積層数が両端部12・12側のそれよりも多くされてシート中央部11側が嵩高とされているので、当該シート中央部11側に両端部12・12側よりも多くの化粧料を含浸・保持させることができる。言い換えると、パッティングに使用するシート中央部11側に化粧料を多く含浸・保持させることができる一方、パッティングに使用されないシート両端部12・12側に対しては化粧料の含浸量を抑えることができる。こうして、実際に使用されるシート部分における化粧料の含浸量は多く、使用しないシート部分の化粧料の含浸量は少なくすることができるので、その分だけ化粧料の無駄を省くことができる。
【0031】
また、上記のように不織布製のシートで構成された化粧シート1のシート中央部11側に嵩高のシート重なり部分13が形成されているので、使用する際に適度のコシが確保されるだけでなく、コシのない脱脂綿等を使用した通常の化粧パフに比べると吸水時のヘタリも少ない。製造時においてシートを一方向に折り畳む作業なども容易に行えるので、周縁部や端縁部にシール部や接合部を設ける従来の化粧パフよりも製造が容易である。
【0032】
化粧シート1は、上記のようなパッティングに使用されるだけでなく、例えば顔全体をパックするような場合にも使用される。化粧シート1をパック材として使用する際には、上記の折り畳み状態の化粧シート1に化粧料を含浸させたのち、これを広げて1枚の長方形のシート2にした状態で顔面に貼る。このとき、本実施例の化粧シート1では、元の長方形のシート2の短辺と平行な短辺方向(y−y’方向)に延びる第1および第2の折り目21・22で折り畳まれているだけであるから、例えば図7に示すように各第2の折り目22の外側にあるシート両端部を持って図7の矢印で示す外側方向に広げるだけで、簡単に元の長方形のシート2の状態、すなわち従来の化粧パフよりも面積の広い1枚のパック材として使用可能な長方形のシート2にすることができる。したがって、従来の化粧パフのように厚み方向に分離させてそれらを一枚ずつ顔に貼るといった動作を何回も繰り返す必要がなく、これよりも少ない枚数のシート2で顔面全体のパックを行うことが可能となる。
【0033】
(他の実施例) 図8〜図11は、化粧シート1の他の折り畳み形態例をそれぞれ示したものである。各化粧シート1は、いずれも吸水性を有する不織布からなる長方形のシート2を所定の状態に折り畳むことよって形成されている。図8〜図11における(a)おいては、折り畳む前の長方形のシート2の状態において長辺と平行な方向(長手方向)を矢印x−x’で示し、短辺と平行な方向(短手方向)をyーy’で示した。
【0034】
このうち、図8の(a)および(b)に示す化粧シート1は、吸水性を有する長方形のシート2の長手方向の両端側を、短辺2bと平行な左右一対の折り目21・21で内側に折って、シート中央部11側に3層のシート重なり部を形成したものである。
【0035】
図9の(a)および(b)に示す化粧シート1は、吸水性を有する長方形のシート2の長手方向の両端側を、これらがシート中央部11側で重なるように、短辺2bと平行な左右一対の第1の折り目21・21で内側に折り、そのうちの一方の端部側を短辺2bと平行な第2の折り目22でさらに外側に折って、その上に先に折った他方の端部が重なるように折り畳むことによって、シート中央部11側に4層のシート重なり部13を形成したものである。
【0036】
図10の(a)および(b)に示す化粧シート1は、吸水性を有する長方形のシート2の長手方向の両端側を、これらがシート中央部11側で重なるように、短辺と平行な左右一対の第1の折り目21・21で内側に折り、その折った部分の先端側を短辺と平行な左右一対の第2の折り目22・22で反対側に折り畳むことによって、シート中央部11側に5層のシート重なり部13を形成したものである。
【0037】
図11の(a)および(b)に示す化粧シート1は、吸水性を有する長方形のシート2の長手方向の両端(両短辺2b)側を、一方はシート中央部11の上面側で、他方はシート中央部11の下面側で順次幅を狭めつつ重なっていくように、いずれも短辺2bと平行な折り目21〜24で葛折り状に交互に折り畳むことによって、シート中央部11側に複数層(図示例では9層)のシート重なり部13を形成したものである。
【0038】
上記の各実施例では、化粧シート1(長方形のシート2)のシート素材としては不織布を使用したが、ティッシュペーパーを使用してもよい。これらを構成する繊維の材質は、吸水性を有する繊維であればよく、例えばコットン、レーヨン、パルプ等を挙げることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 化粧シート
2 長方形のシート
2a 長辺
2b 短辺
5 容器
11 シート中央部
12 端部
13 重なり部分
21〜24 折り目
x−x’ 長方形のシートの長手方向
y−y’ 長方形のシートの短手方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキンケア用の化粧シート(1)であって、
吸水性を有する長方形のシート(2)で構成されており、
その長辺(2a)が120〜200mm、短辺(2b)が40〜90mm、目付け量が32〜100g/m2 であり、
前記短辺(2b)と平行な方向(短手方向)にのみ折り目(21〜24)が形成されるように折り畳まれて、当該折り目(21〜24)と直交する方向(x−x’方向)におけるシート中央部(11)側が両端部(12)側よりもシート積層数の多い嵩高のシート重なり部分(13)とされていることを特徴とする化粧シート。
【請求項2】
前記長方形のシート(2)は、その長手方向の中央部から左右の両端部にそれぞれ到る両側部分がまず左右一対の第1の折り目(21・21)でそれぞれ内側に折られ、次いで当該折られた部分の先端側がさらに左右一対の第2の折り目(22・22)でそれぞれ外側に向けて折られている、請求項1記載の化粧シート。
【請求項3】
前記長方形のシート(2)は、不織布またはティッシュペーパーで構成されている、請求項1または2記載の化粧シート。
【請求項4】
前記長方形のシート(2)は、ドライ状態の不織布もしくはティッシュペーパー、または化粧料を含浸させた不織布もしくはティッシュペーパーで構成されている、請求項1または2記載の化粧シート。
【請求項1】
スキンケア用の化粧シート(1)であって、
吸水性を有する長方形のシート(2)で構成されており、
その長辺(2a)が120〜200mm、短辺(2b)が40〜90mm、目付け量が32〜100g/m2 であり、
前記短辺(2b)と平行な方向(短手方向)にのみ折り目(21〜24)が形成されるように折り畳まれて、当該折り目(21〜24)と直交する方向(x−x’方向)におけるシート中央部(11)側が両端部(12)側よりもシート積層数の多い嵩高のシート重なり部分(13)とされていることを特徴とする化粧シート。
【請求項2】
前記長方形のシート(2)は、その長手方向の中央部から左右の両端部にそれぞれ到る両側部分がまず左右一対の第1の折り目(21・21)でそれぞれ内側に折られ、次いで当該折られた部分の先端側がさらに左右一対の第2の折り目(22・22)でそれぞれ外側に向けて折られている、請求項1記載の化粧シート。
【請求項3】
前記長方形のシート(2)は、不織布またはティッシュペーパーで構成されている、請求項1または2記載の化粧シート。
【請求項4】
前記長方形のシート(2)は、ドライ状態の不織布もしくはティッシュペーパー、または化粧料を含浸させた不織布もしくはティッシュペーパーで構成されている、請求項1または2記載の化粧シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−254858(P2011−254858A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129333(P2010−129333)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(504373864)明広商事株式会社 (43)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(504373864)明広商事株式会社 (43)
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