説明

化粧ユニット

【課題】日々変化し得るユーザの行動予定に含まれるシーンにおいて化粧映え効果が高いメークを行うことができる技術を提供する。
【解決手段】洗面室ユニット1に設けられた操作表示端末14から、ユーザが当日の行動予定に含まれるシーンを入力すると、その情報がネットワーク線L1を介してホームサーバ20に送信される。ホームサーバ20では、送信されたシーンにおける照明光の照明特性のデータを、記憶部22に記憶された想定シーン照明データベースから取得する。そして、ホームサーバ20の制御部21は、照明装置11に対し、前記取得した照明特性で照明する制御信号をネットワーク線L1を介して送信し、照明装置11はその制御信号に従って照明を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置と化粧鏡とを備えた化粧ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに適したメーク態様を提案する技術が種々提供されている。例えば特許文献1に開示された技術では、ユーザから送信された顔画像に基づいて肌状態を分析し、その結果とユーザの希望(好み)とに基づいて最適な化粧品の調合データを作成し、調合化粧品のアドバイスを行う。これによりユーザは、客観的に分析された肌状態と自身の希望とを反映したメークを行うことが可能となる。
【特許文献1】特開2005−148797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記技術では、肌状態を分析する基となる顔画像が撮像された場所が、実際にメークをして出掛ける場所と異なる場合もあると考えられる。また、肌状態を分析してアドバイスを行う他の多くの技術でも、実際に出掛ける場所と同じ条件下で肌状態を分析するとは限らない。ユーザの行動予定は日々変化し得ることもあり、提案されたアドバイスに従ってメークを行っても、想定したメーク効果を外出先で十分に発揮できない虞もある。
【0004】
本発明は、日々変化し得るユーザの行動予定に含まれるシーンにおいて化粧映え効果が高いメークを行うことができる技術を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0006】
すなわち、第1の手段は、照明特性を調整可能な照明装置と化粧鏡とを備えた化粧ユニットであり、予め想定したシーンにおける照明光の照明特性を記憶している手段と、ユーザの行動予定を取得する行動予定取得手段と、前記照明装置の照明特性を、前記行動予定に含まれる前記シーンにおける照明光の照明特性に調節する調節手段とを備える。
【0007】
ユーザは一日中メークをした状態でいるわけではない。ユーザがメークをした状態で行動するシーンは予め想定することができ、例えばオフィス、街中、パーティ、アウトドア等が考えられる。そして、これら各シーンにおける照明光の照度、色温度等の照明特性はそれぞれ異なることが知られている。そこで、第1の手段では、これら照明光の照明特性を予め記憶しておき、当日のユーザの行動予定に含まれるシーンにおける照明光の照明特性によって照明を行うように照明装置を調節する。これにより、ユーザは、予定しているシーンでの照明光を擬似体験しながら実際に近い状態でメークの出来栄えを確認することができ、ひいてはそのシーンにおいて化粧映え効果が高い仕上がりを得ることが可能となる。
【0008】
第2の手段は、前記シーンにおける照明光の照明特性を変化させるファクタに関する情報を取得する手段をさらに備え、前記調節手段は、前記取得されたファクタ情報に基づいて変更した照明特性に調節することを特徴とする。
【0009】
照明光の照明特性は、例えば天候、時間、季節等のファクタによって変化する。第2の手段では、これらファクタによる変化を反映させた照明特性によって照明を行うため、より実際に近い状態でメークの出来栄えを確認することができ、ひいては予定しているシーンにおいて化粧映え効果が高い適切なメークを行うことが可能となる。
【0010】
第3の手段は、ユーザを特定する識別情報を記憶する携帯通信装置から送信される当該識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記識別情報に対応付けてユーザの行動予定を記憶している行動予定記憶手段とをさらに備え、前記行動予定取得手段は、前記識別情報取得手段が前記識別情報を取得した場合、前記行動予定記憶手段から、ユーザの行動予定を取得し、前記調節手段は、当該取得された行動予定に含まれるシーンにおける照明光の照明特性に調節する。
【0011】
第3の手段では、ユーザの行動予定が予め記憶されており、その行動予定がユーザの識別情報に基づいて自動取得されるため、例えばユーザが予定を勘違いしたり忘れたりした場合であっても、本来の予定に応じた適切な照明を行うことができる。
【0012】
第4の手段は、肌の状態に適したメーク態様を記憶しているメーク態様記憶手段と、前記照明特性が調節された照明光の下でのユーザの肌の状態を分析する手段と、当該分析された肌の状態に適したメーク態様を前記照明特性に応じて検索するメーク態様検索手段と、当該検索されたメーク態様を表示する手段とをさらに備える。
【0013】
ユーザの肌状態は個々で異なるとともに、1人のユーザでも健康状態等により日々変化する。このため、肌状態を分析することは意義が大きい。また、分析された肌状態に基づいて各ユーザに適したメーク態様を提案することはユーザにとって有意義だと考えられるが、実際に行動するシーンにおいて映えるメーク態様でなければその有効性が減少する。一方、そのシーンの照明光の下で最も映えるメーク態様だとしても、他の照明光の下ではメーク態様として違和感があるものは除外したいニーズがあると思われる。例えば、行動シーンがパーティである場合、パーティ会場で化粧映え効果が高いだけでなく、パーティ会場までの移動中においても一定以上の見栄え効果を奏するメーク態様が希望されると思われる。この点、第4の手段では、予定しているシーンと近似した照明光の下で肌の色や滑らかさ等の肌の状態を分析した結果に基づき、その照明光の下で映えるメーク態様を検索する。そしてその際、その照明光の照明特性に応じて、他の照明光の下でも違和感のないメーク態様を検索する。このため、ユーザが予定しているシーンにおいて化粧映え効果が高く、かつそのシーンと別の場所においても違和感のない適切なメークを提案することが可能となる。
【0014】
第5の手段は、ユーザ固有の肌状態特性を取得する手段をさらに備え、前記肌の状態に適したメーク態様は、ユーザ固有の肌状態特性により調整される。
【0015】
ユーザによっては、肌の色が日焼けにより想定以上に変化していたり、年齢によって肌の滑らかさが変化していたりする等、固有の肌状態特性を有することが考えられる。このような特性を考慮してメーク態様が調整されれば、そのユーザの肌状態にとって無理のないメーク態様が検索される。
【0016】
第6の手段では、前記メーク態様は、前記シーンに対応して分類されており、前記メーク態様検索手段は、前記行動予定に含まれる前記シーンに対応して分類されたメーク態様を検索する。
【0017】
メークはTPOに合わせた態様で行われると一層好ましい。この点、第6の手段では、肌の状態に適すると共に、予定しているシーンにも適切なメーク態様が検索されるため、より高感度の高いメークを行うことができる。
【0018】
第7の手段では、前記メーク態様記憶手段は、メーク態様ごとに、当該メーク態様を実現可能な化粧品を対応付けて記憶しており、前記表示手段は、前記検索されたメーク態様を実現可能な化粧品をさらに表示する。
【0019】
現在販売されている化粧品の種類は多岐に亘り、あるメーク態様を実現するために考え得る化粧品の組合せは数多く存在する。このため、ユーザが自力で化粧品を適切に選択することは容易でない。この点、第7の手段によれば、ユーザは化粧品の選択に迷うことなく、ユーザに適したメーク態様を実現することができる。
【0020】
第8の手段は、ユーザが実行したメーク態様を取得する手段と、メーク態様に応じた美容ケアを記憶している手段と、前記取得したメーク態様に応じた美容ケアを決定する手段と、当該決定された美容ケアを表示する手段とをさらに備える。
【0021】
メーク後の美容ケアとして、メーク落としやパック等の手入れが考えられるが、メーク態様によっては特別な美容ケアを要する場合がある。例えば、乾燥した場所に長時間いた場合は保湿を重点においた手入れが必要であり、日焼け止め効果が高い化粧品を使用した場合は専用リムーバが必要である。第8の手段では、ユーザが実行したメーク態様に応じた美容ケアが提案されるため、ユーザは客観的に効果が高いと考えられる美容ケアを行うことが可能となる。
【0022】
第9の手段は、美容ケアに用いられる機器と、前記決定された美容ケアに従って、前記機器を制御する手段とをさらに備える。
【0023】
美容ケアに用いられる機器として、例えば蒸気・ミストを発生するスチーマや、湯水を供給する設備が考えられる。第9の手段によれば、美容ケアを実現するために、スチーマや温水供給設備等が適切に制御されるため、ユーザは最適な条件で美容ケアを実行することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明を具現化した一実施形態について図面に基づいて説明する。最初に、本実施形態における洗面室ユニット1の概略について、図1の配置図及び図2のシステム構成図に基づいて説明する。なおこれらの図では、本発明と関連しない構成等は適宜省略されている。
【0025】
図1に示すように、洗面室ユニット1は、照明装置11と、化粧鏡12と、カメラ13と、操作表示端末14と、スチーマ15と、蛇口16と、ボウル17とを備えている。また、洗面室ユニット1の天井には、受信装置18が設けられている。図2に示すように、受信装置18、照明装置11、カメラ13、操作表示端末14、スチーマ15及び温調部30は、ネットワーク線L1によって、それぞれホームサーバ20と双方向に通信可能に接続されている。
【0026】
照明装置11は、色温度(相関色温度)及び照度等の照明特性を変化させることのできるものであり、種々の構成を採用することができる。例えば、発光色の異なる複数のランプ(RGBランプ等)で構成し、各ランプを調整信号に応じたレベルで発光させて照明特性を変化させることができる。また、色温度の異なる複数のランプで構成し、各ランプを調整信号に応じて選択的に用いて照明特性を変化させてもよい。あるいは、複数のフィルタ設置し、フィルタを調整信号に応じて切換えて照明特性を変化させる構成であってもよい。
【0027】
カメラ13は、主としてユーザの顔画像を撮像するものであり、例えばCCDカメラ、ウェブカメラ、ビデオカメラ等を用いることができる。
【0028】
操作表示端末14は、タッチパネルディスプレイに操作メニューやメークアドバイス情報等の各種情報を表示するとともに、そのタッチパネルディスプレイの画面タッチに伴いユーザによる入力操作を受付ける。
【0029】
スチーマ15は、蒸気発生機能とミスト発生機能とを有している。蒸気発生機能により、温水P3を介して温調部30より供給される温水から蒸気が生成される。ミスト発生機能により、スチーマ15内のタンクに貯留される冷水からミストが生成される。タンクに化粧水や美容液を混入すれば、化粧水ミストや美容液ミストが生成される。生成された蒸気やミストは、それぞれユーザの顔面に吹き付けられる。
【0030】
温調部30は、ユニット外から導入された給水管P1及び給湯管P2が接続されており、これら管から供給される水と湯とを混合して温度調節し、適温となった温水をスチーマ15及び蛇口16に供給する。この温調部30もネットワーク線L1によってホームサーバ20に接続されている。
【0031】
受信装置18は、ユーザに携帯される携帯機40(携帯型通信装置)との間で無線通信を行い、携帯機40から受信した情報をホームサーバ20に送信する。
【0032】
携帯機40は、小型で携帯しても邪魔になりにくくかつ常備しやすいものである。例えば、携帯機本体にリストバンドを取り付けた構成のブレスレット式携帯機や、同携帯機本体にネックチェーンを取り付けた構成のペンダント式携帯機や、同携帯機本体にバネフックやバッジピンを取り付けた構成のバッジ式携帯機等として具現化することが考えられる。また、スマートキーシステムで使用される電子キーを携帯機40として用いたり、日常的に使用される携帯電話を携帯機40として用いたり、通信機能を有するICカードを携帯機40として用いたりすることもできる。
【0033】
携帯機40は無線通信部41を備えており、例えば、1つ部屋程度のエリアを通信範囲(送受信範囲)として、受信装置18との間で無線通信が可能となっている。また、携帯機40にはメモリ42が設けられており、そのメモリ42には、それぞれの所有者(ユーザ)ごとに異なる個別の識別情報が記憶されている。受信装置18が設けられているエリアに携帯機40が進入してきた場合、受信装置18は同携帯機40から送信される情報を受信できる。
【0034】
ホームサーバ20は、制御部21、記憶部22及び通信部23等を備えている。制御部21は、照明装置11、カメラ13、操作表示端末14、スチーマ15及び温調部30等を制御する。具体的には、照明装置11に対し特定の照明特性で照明させるための制御信号を生成し、カメラ13に対しユーザの顔画像を撮像させるための制御信号を生成し、操作表示端末14に対し各種情報を表示させるための制御信号を生成し、スチーマ15に対し蒸気及び/又はミストを発生させる制御信号を生成し、温調部30に対し適温の温水に混合させる制御信号を生成する。これら制御信号生成のため、記憶部22には、各制御信号生成プログラムが記憶されている。また制御部21は、後述する「メークアドバイス処理」「シーン対応照明処理」「メーク補修アドバイス処理」「メーク落とし・お手入れ処理」等の各種処理を実行する。そのため記憶部22には、これら処理を実行するために必要な各種プログラム及び各種データベースも記憶されている。
【0035】
ホームサーバ20の通信部23は、受信装置18、照明装置11、カメラ13、操作表示端末14、スチーマ15及び温調部30との間で通信を行う。通信部23を介して、制御部21で生成された制御信号が、それぞれ照明装置11、カメラ13、操作表示端末14、スチーマ15及び温調部30に送信される。また、通信部23により、受信装置18で受信された携帯機40の情報や、照明装置11のON/OFF状態情報や、カメラ13が撮像した画像情報や、操作表示端末14から入力された情報等の各種情報が受信され、記憶部22に記憶されて適宜制御部21で利用される。また、通信部23は、インターネット50にも接続されており、外部と情報をやりとりすることができる。
【0036】
本実施形態の洗面室ユニット1では、メークを行う時と、メークを落とす時に、各ユーザにとって有効な情報表示及び設備制御等の処理が実行される。具体的には、メークを行う時に行われる処理として、(1)ユーザの行動予定に含まれるシーンにおいて最適なメーク方法をアドバイスする「メークアドバイス処理」と、(2)行動予定に含まれるシーンでの照明光を擬似体験させる「シーン対応照明処理」と、(3)その照明光の下でのメークの出来栄えについてアドバイスする「メーク補修アドバイス処理」とが実行される。また、メークを落とす時に行われる処理として、(4)メーク落とし・お手入れのサポートを行う「メーク落とし・お手入れ処理」が実行される。なお、これら処理の実行主体は、主としてホームサーバ20であるが、ユーザが洗面室ユニット1に進入した時点で携帯機40から送信されたユーザの識別情報が受信装置18で受信されており、ホームサーバ20ではそのユーザに対応した処理を行うことができる。以下、各処理について説明する。
【0037】
(1)メークアドバイス処理
最初に、図3のフローチャートに基づき、「メークアドバイス処理」について説明する。通常この処理は、ユーザがメークを行う前に操作表示端末14の操作メニューで「メークアドバイス」を選択したことをトリガーとして開始される。
【0038】
「メークアドバイス処理」が開始されると、図3のステップS11において、照明装置11の照明がON状態か否かを判定する。ON状態であれば(ステップS11でYES)、ステップS13に移行する。一方、ON状態でなければ(ステップS11でNO)、ステップS12に移行し、スイッチONの要求情報を操作表示端末14で表示する。なお、このとき照明装置は、標準照明特性(素肌を撮像するために最も適した照明特性)にて照明を行うように設定されている。
【0039】
続くステップS13では、操作表示端末14でシーンが選択されているか(入力されているか)否かを判定する。選択されていれば(ステップS13でYES)、ステップS15に移行する。一方、選択されていなければ(ステップS13でNO)、ステップS14に移行し、選択の要求情報を操作表示端末14で表示する。なお、本実施形態では、ユーザがメークをして出掛けて行くと想定されるシーンとして、「屋内:オフィス」「屋内:昼間パーティ」「屋内:夜間パーティ」「屋外:街」「屋外:アウトドア」の5つが用意されている。ユーザは、当日の行動予定のうち、行動時間が最も長いシーン(複数ある場合は最も重要視するシーン)を選択することができる。
【0040】
シーンが選択されると、ステップS15では、メークの程度について「通常」か「念入り」かの選択の要求情報を操作表示端末14で表示する。例えば「屋内:オフィス」を選択した場合や、「屋内:夜間パーティ」を選択していてもメークにかける時間がない場合は、操作表示端末14から「通常」が入力されると考えられる。
【0041】
次いでステップS16では、ユーザの肌状態分析処理を行う。具体的には、カメラ13が撮像した画像が送信されているので、その画像からユーザの顔画像を抽出し、その顔画像を分析して「肌の色を示す情報」と「肌の滑らかさを示す情報」とを抽出する。なお、画像の色認識は種々の従来手法を用いて行われるが、画像中の特定の色(肌色)を指定し、画像内の一致する部分のみを抽出することで、顔画像のみを背景から分離して抽出することができる。また、この手法により唇、眼、鼻、頬等の部分抽出も行うことができる。なお、健康状態や日焼け等により顔色は日々変化するため、その日の「肌の色を示す情報」を抽出することは意義が大きい。また、「肌の滑らかさを示す情報」の抽出方法として、頬等の一部分をピックアップし、同部分の濃度ヒストグラムを調べることで推測する方法を用いることができる(例えば、滑らかな状態であれば濃度差は少なく、荒れた状態であれば濃度差は大きい)。
【0042】
次にステップS17では、メークアドバイス決定処理を行う。この処理のため、ホームサーバ20の記憶部22には、メーク知識データベースが格納されている。図7にメーク知識データベースが例示されており、市場で販売されている主要な化粧品(A1,A2,A3,…,B1,B2,B3,…)ごとに、色に関するデータ(色記号、適切なシーン、最適な肌の色、最適な季節、適切な年齢、組合せることが適切な他の化粧品の色記号等)と、環境適応に関するデータ(対応可能な湿度、紫外線量等)と、刺激に関するデータ(肌荒れ状態、アレルギ等に対する使用の可否、香りの強さ等)とが記録されている。なお、各化粧品の色記号(「A−BC8F8F」、「A−9370DB」等)は、各色に関する色相、明度及び彩度の情報が対応付けられている。また、最適な肌の色は、その化粧品が適するユーザの肌の地色(日焼け肌、色白肌等)を記号で表している。さらに、組合せることが適切な他の化粧品の色記号は、例えば緑系のアイシャドーに対して口紅は薄いオレンジ系・明るいブラウン系、チークは明るいオレンジ系との組合せ等、組合せることが適切と考えられる他の化粧品の色記号が全て記録されている。
【0043】
メーク知識データベースに記録されている化粧品に関するデータと、次に列挙するデータとをマッチングすることで、ユーザが利用すべき最適な化粧品が決定される;
・ユーザに選択されたシーンのデータ(操作表示端末14から入力済み)、
・ユーザに選択されたメークの程度のデータ(操作表示端末14から入力済み)、
・「肌の色を示す情報」及び「肌の滑らかさを示す情報」(ステップS16で分析済み)、
・年月日等の暦データ(インターネット50から取得)、
・天候、気温、湿度、紫外線量等の気象データ(インターネット50から取得)、
・ユーザの識別情報、年齢、性別、アレルギの有無等の個人データ(ホームサーバ20の記憶部22に格納されたユーザデータベースに記録)、
・ユーザが所有する化粧品のデータベース。なお、利用頻度が高い化粧品についてはその旨の情報が付与されている(ホームサーバ20の記憶部22に格納された所有化粧品データベースに記録)。
【0044】
マッチングの手順として、まず、選択されたシーンのデータと、「肌の色を示す情報」及び「肌の滑らかさを示す情報」と、年月日等の暦データと、気温・湿度・紫外線量等の気象データと、ユーザの年齢・性別・アレルギの有無等のデータとに基づいて、メーク知識データベースの内容とマッチングを行い、最適な化粧品の候補を選択する。例えば、「肌の色を示す情報」に関し、通常に比して顔色が悪いと分析された場合、体調が良くないことが考えられるが、顔色をカバーでき、かつ香料のきつくない化粧品を選択する。また、選択されたシーンが「屋外:アウトドア」で、8月中旬という暦データと紫外線量が多いという気象データとが得られていれば、強力な日焼け止め効果を有する化粧品を選択する。このように各データの条件を順に照合してマッチングをおこない、販売されている主要な化粧品の中から、該当する全ての化粧品を候補として選択する。
【0045】
次に、メークの程度のデータと、平均メーク所要時間のデータと、ユーザ所有化粧品データとを参照して、先に選択した化粧品の候補の中から、当日実際に使用可能な化粧品を絞り込む。この絞り込みでは、ユーザが所有していない化粧品を除外する。それと共に、選択されたメークの程度によって適宜除外できる化粧品を除外する。例えば、候補の化粧品の中からユーザ所有の化粧品に絞り込んだ結果、これら化粧品を使用すると所要時間が「1時間」となる場合、メークの程度が「普通」で平均メーク所要時間が「30分」であれば、さらに化粧品を絞り込み(めったに使用しないコンシーラを除外する等)、所要時間が「30分」以内に収まるように調整する。
【0046】
最後にステップS18で、上記マッチングにより決定した化粧品を、メークアドバイスとして操作表示端末14で表示する。これにより、ユーザは、その日の肌状態に応じた、かつその日の行動のTPOに合わせた最適なメークを行うことができる。なお、化粧品の組合せが複数表示される場合もあり得るが、この場合はユーザが自分の好みの組合せを選択することができる。また、決定された化粧品は記憶部22に記憶され、ユーザが使用した化粧品データが日々蓄積されていくと共に、プログラムの学習機能によってより高精度なアドバイスを行うことが可能となる。
【0047】
なお、他の構成として、ホームサーバ20の記憶部22に、ユーザのスケジュールをユーザの識別情報と対応付けて記憶しておいてもよい。これにより、携帯機40を携帯するユーザが洗面室ユニット1に進入することで、ユーザの行動予定に含まれるシーンを予め把握することができ、上記ステップS13でユーザがシーンを選択する必要がない。またこの場合、上記ユーザデータベースに各ユーザの平均メーク所要時間を記憶しておけば、スケジュールから把握される出発時刻までに残された時間を考慮して、メークの程度(「普通」か「念入り」か)を自動的に選択することができ、上記ステップS15でユーザがメークの程度を選択する必要がない。
【0048】
(2)シーン対応照明処理
次に、図4のフローチャートに基づき、「シーン対応照明処理」について説明する。この処理は、ユーザが操作表示端末14の操作メニューで「シーン対応照明」を選択したことをトリガーとして開始されるが、上記アドバイスに従いメークを行った後が多いと想定される。
【0049】
まずステップS21で、既に照明装置11の照明がON状態となっているか否かを判定する。ON状態となっていれば(ステップS21でYES)、ステップS23に移行する。一方、ON状態となっていなければ(ステップS21でNO)、ステップS22に移行し、スイッチONの要求情報を操作表示端末14で表示する。
【0050】
続くステップS23では、既に操作表示端末14でシーンが選択されているか否かを判定する。先に「メークアドバイス処理」が実行されていれば選択されているので(ステップS23でYES)、ステップS25に移行する。一方、「メークアドバイス処理」が実行されておらず未だ選択されていなければ(ステップS23でNO)、ステップS24に移行し、選択の要求情報を操作表示端末14で表示する。
【0051】
次にステップS25では、シーン対応照明決定処理を行う。この処理のため、ホームサーバ20の記憶部22には、想定シーン照明データベースが格納されている。図8に想定シーン照明データベースが例示されており、想定シーンごと及び天候ごとに、照明光に関する基本データ(照度、色温度等)が記録されている。なお、各記号「L01」「K00」等には、具体的な値が対応付けられて記録されている。例えば、照度の記号「L01」(「屋内:オフィス」の「晴れ」のときの照度)には、「750〜1,000ルクス」といった値が対応付けられており、「L41」(「屋外:アウトドア」の「晴れ」のときの照度)には、「9月〜6月:100,000〜150,000ルクス」「7月、8月:150,000〜200,000ルクス」といった、季節に応じた複数の値が対応付けられている。また、色温度の記号「K43」(「屋外:アウトドア」の「曇り・雨」のときの色温度)には「7,000ケルビン」といった値が対応付けられている。
【0052】
想定シーン照明データベースに記録されている基本データと、次に列挙するデータとをマッチングすることで、照明装置11の色温度及び照度等の照明特性を変化させる具体的な値が決定される;
・ユーザに選択されたシーンのデータ(操作表示端末14から入力済み)
・年月日、日の出、日没等の暦データ(照明特性を変化させるファクタ情報。インターネット50から取得)、
・天候、気温、湿度、紫外線量等の気象データ(照明特性を変化させるファクタ情報。インターネット50から取得)。
【0053】
このようにして照明特性が決定されると、ステップS26で、当該照明特性により照明を行うよう照明装置11を制御する。
【0054】
以上の「シーン対応照明処理」により、ユーザは、予定しているシーンでの照明光を擬似体験しながら実際に近い状態でメークの出来栄えを確認することができる。あるいは、この時点で未だメークをしていなければ、当該照明光の下でメークを行うことにより、実際に近い見映えでメークを仕上げることができる。
【0055】
(3)メーク補修アドバイス処理
次に、図5のフローチャートに基づき、「メーク補修アドバイス処理」について説明する。通常この処理は、ユーザがメークを行った後に操作表示端末14の操作メニューで「メークアドバイス」を選択したことをトリガーとして開始される。
【0056】
まずステップS31で、既に照明装置11の照明がON状態となっているか否かを判定する。ON状態となっていれば(ステップS31でYES)、ステップS33に移行する。一方、ON状態となっていなければ(ステップS31でNO)、ステップS32に移行し、スイッチONの要求情報を操作表示端末14で表示する。なお、この処理に先立ち「シーン対応照明処理」が実行されており、照明光が調整された状態が継続されていれば、より実際に近い見栄えに対応した補修アドバイスを行うことができる。
【0057】
続くステップS33では、既に操作表示端末14でシーンが選択されているか否かを判定する。先に「メークアドバイス処理」が実行されていれば選択されているので(ステップS33でYES)、ステップS35に移行する。一方、「メークアドバイス処理」が実行されておらず未だ選択されていなければ(ステップS33でNO)、ステップS34に移行し、選択の要求情報を操作表示端末14で表示する。
【0058】
次いでステップS35では、メークを行った状態での肌状態を分析する。分析においては上述した「メークアドバイス処理」中の手法と同様の手法を採用することができる。これにより、「肌の色を示す情報」と「肌の滑らかさを示す情報」とを抽出することができる(「肌の色を示す情報」については、唇、眼、鼻、頬等の部分抽出も行う)。
【0059】
そしてステップS36では、メーク補修アドバイス決定処理を行う。具体的には、上記分析した肌状態が、所定の「色」「滑らかさ」を達成しているか否かを判定する。
【0060】
ここで、所定の「色」を達成しているか否かの判定は、例えば次の手順により行うことができる。
(i)顔画像より、唇、目蓋、頬等の各部分の色を分析する。
(ii)メーク知識データベースを参照し、基準部分の色に最も近い色の色記号を選択する。例えば、基準部分を「唇」とした場合、顔画像により分析した「唇」の色に最も近い「口紅」の色の色記号を選択する。なお、上述のように、各色記号には、それぞれ色相、明度及び彩度の情報が対応付けられており、顔画像により分析した色との対比が可能である。ここでは、図7に示す口紅B1の色記号「B−FF69B4」が選択されたとして説明を続ける。
(iii)上記(ii)で選択した色記号について、組合せが適切な他の化粧品の色記号を取得する。図7に示す口紅B1の色記号「B−FF69B4」については、組合せが適切な他の化粧品の色記号「A−FFE4E1」等を取得する。なお、先に「メークアドバイス処理」が行われていた場合は、先に選択された化粧品の組合せの色相と大きく異ならない組合せとなる色記号を取得する。
(iV)上記(iii)で選択した他の化粧品の色記号の色と、顔画像より分析した他の部分の色とを比較する。例えば、上記選択したアイシャドーの色記号「A−FFE4E1」の色と、顔画像より分析した目蓋の色とを比較する。
(V)上記(iV)の比較の結果、対比した色同士の相違値が所定範囲内であれば、所定の「色」を達成していると判定する。一方、相違値が所定範囲を超える場合(例えば、色相は相違しないが彩度が高すぎる場合や、色相自体がちぐはぐな組合せとなっている場合等)は、所定の「色」を達成していないと判定する。以上により、所定の「色」を達成しているか否かが判定される。
【0061】
なお、「シーン対応照明処理」により照明光が調節された状態では、その照明特性によっては「色」に与える変化が異なる場合があると考えられる。この場合、調節された照明光の下で分析された「色」に基づいて忠実に補修を行うと、その照明光の下での化粧映えはベストであるとしても、他の照明光の下で見ると思わぬ色の組合せとなってしまうケースもあり得る。例えば、色温度が低い(赤っぽい)照明光が「赤色」に及ぼす変化と「青色」に及ぼす変化は異なると考えられ、変化した色に基づいて忠実に補修を行うと、他の照明光の下ではちぐはぐな色の組合せになり得ることも考えられる。このような事態を防止するために、調節された照明光の照明特性に応じて、上記対比した色同士の相違値が許容される所定範囲を適宜補正する。これにより、実際のシーンに応じて調節された照明光の下で化粧映え効果が高いとともに、他の照明光の下でも違和感のない「色」に補修することができる。
【0062】
一方、所定の「滑らかさ」を達成しているか否かの判定は、以下の手順により行うことができる。
(i)顔画像より、主として頬部分の滑らかさ(濃度ヒストグラム)を分析する。
(ii)滑らかさ(濃度差)が所定範囲内であれば、所定の「滑らかさ」を達成していると判定する。一方、所定範囲を超える場合は、所定の「滑らかさ」を達成していないと判定する。以上により、所定の「滑らかさ」を達成しているか否かが判定される。
【0063】
なお、「色」も「滑らかさ」も、判定に用いられる所定範囲の値(差異が許容される所定範囲の値)は、各ユーザ固有の肌状態の特性によって適宜補正される。例えば、メーク前の肌状態分析(「メークアドバイス処理」中での肌状態分析)で日焼け色が認められた場合、頬部分についての「色」の所定範囲の値は、本来の値より低い明度の値にまで拡大される。あるいは、ユーザの年齢(ホームサーバ20の記憶部22に格納されたユーザデータベースに記録されている)に基づき、「滑らかさ」の所定範囲の値が、本来の値より拡大される。このような補正により、各ユーザに対応した無理のない(不自然でない)「色」や「滑らかさ」であるか否かが判定されることになる。
【0064】
以上のように、所定の「色」「滑らかさ」を達成しているか否かが判定されると、図5のステップS37において、メーク補修アドバイスを表示する。具体的には、操作表示端末14において、「アイシャドーの色をもう少し薄くすることをお勧めします」、「口紅の色をピンク系にすることをお勧めします」「パウダー仕上げをお勧めします」等の補修アドバイスを表示する。一方、補修の必要がなければ「OKです」等の表示が行われる。また、分析された「色」「滑らかさ」のデータとアドバイス内容のデータが記憶部22に記憶される。
【0065】
ユーザが補修アドバイスに従ってメークを補修する場合、補修後の出来栄えについてさらにアドバイスを求めることができる。このためステップS38において、その再要求が操作表示端末14からユーザにより入力されたか否かを判定する。再要求が入力されていれば(ステップS38でYES)、ステップS35に戻って一連の処理を繰り返す。一方、再要求が入力されていなければ(ステップS38でNO)、メーク補修アドバイス処理を終了する。なお、「色」「滑らかさ」のデータとアドバイス内容のデータは、処理が繰り返される度に記憶部22に蓄積されていき、プログラムの学習機能によってより高精度なアドバイスを行うことが可能となる。
【0066】
以上の「メーク補修アドバイス処理」により、ユーザが予定しているシーンにおいて化粧映え効果が高い適切なメークを実現することが可能となる。
【0067】
(4)メーク落とし・お手入れ処理
次に、図6のフローチャートに基づき、「メーク落とし・お手入れ処理」について説明する。この処理は、上述した「メークアドバイス処理」(及び「メーク補修アドバイス処理」)が同日に実行されており、メーク前の肌状態が分析され、かつユーザがどの化粧品を使用してメークを行ったか把握されている場合に有効である。そして通常この処理は、ユーザが帰宅した後、操作表示端末14の操作メニューで「メーク落とし・お手入れ」を選択したことをトリガーとして開始される。
【0068】
最初にステップS41で、当日のメークのデータ(ユーザが当日使用した化粧品のデータ)及びシーンのデータを取得する。
【0069】
次にステップS42で、メーク落とし・お手入れ決定処理を行う。ここでは、当日使用した化粧品について最適なメーク洗浄剤を決定し、また当日のシーンでの影響を考慮した手入れを決定する。例えば、ウォータープルーフ系の化粧品を使用した場合は専用リムーバを決定し、冷房の効いたオフィスが含まれていた場合は保湿を重点に置いた手入れを決定する。
【0070】
上記決定は、ステップS43において、操作表示端末14で表示される。例えば「いつものメーク落とし・お手入れで結構です」「メーク落としは××ジェルを使用して下さい」「洗顔前に蒸しタオルを使用して下さい」「お手入れには××美容液を使用して下さい」「洗顔後に××パックをして下さい」等の表示がなされる。
【0071】
そしてステップS44に移行し、メーク落とし支援処理を行う。ここでは、上記決定されたメーク洗浄剤に応じて、蛇口16から出る温水が適温となるように温調部30を制御する。また、蒸しタオル作成用の熱水が出るように温調部30を制御することも可能だが、この場合は操作端末表示でアラームを表示してユーザの注意を喚起する。あるいは、スチーマ15を制御して蒸気を発生させることもできる。
【0072】
次に、所定時間経過した時点で(例えば3分経過時点で)顔画像を撮像し、肌状態を分析する。そして、その肌状態とメーク前の肌状態とを比較し、「色」「滑らかさ」に関する値の差異が所定範囲内か否かを判定する。すなわち、メーク前の肌状態との差異が小さければメークは残存しておらず、メーク前の肌状態との差異が大きければメークが残存していると判定できる。差異が所定範囲内であると判定されれば(ステップS45でYES)、ステップS47に移行する。一方、差異が所定範囲を超えると判断されれば(ステップS45でNO)、ステップS46に移行し、操作表示端末14において「まだメークが残っています」等のアラーム表示を行う。そしてステップS45に戻り、再び所定時間経過した時点で、メーク残存判定を繰り返す。
【0073】
最終的にメーク落としが完了すると、ステップS47で、お手入れ支援処理を行う。ここでは、上記決定された手入れ用化粧品に応じて、スチーマ15を制御して蒸気やミストを発生させる。
【0074】
以上の「メーク落とし・お手入れ処理」により、ユーザは客観的に効果が高いと考えられるメーク落とし・お手入れを行うこと知ることができる。また、湯温やスチーマが適切に制御されるため、ユーザは最適な条件でメーク落とし・お手入れを実行することが可能となる。
【0075】
(他の実施形態)
なお、以上説明した実施の形態に限らず、例えば以下に別例として示した形態で実施することもできる。
【0076】
・「メークアドバイス処理」において、ユーザの特別な要望を入力できる構成とし、入力された条件に従って最適化粧品のマッチングを行ってもよい。このためメーク知識データベースには、各化粧品を使用した場合の効果に関するデータを記憶しておく。これにより、例えば、眼を強調したい、毛穴をカバーしたい等の要望を適える化粧品を提示することができる。
【0077】
・メーク知識データベースに、各化粧品と組合せが適切な髪色・服色のデータを記憶しておいてもよい。これにより、「メークアドバイス処理」において、髪色・服色を考慮したマッチングを行うことができ、メーク・ヘア・ファッションのトータルコーディネートが可能となる。
【0078】
・想定シーン照明データベースにおいて、屋外での照明特性を時間で区別して記憶しておいてもよい。これにより、時間に応じて変化する照明特性をより忠実に実現することが可能となる。
【0079】
・受信装置18が同時に複数のユーザの識別情報を受信した場合の順番を決定するために、ホームサーバ20の記憶部22に優先順位を記憶しておいてもよい。あるいは、各ユーザのスケジュールを記憶しておいて、スケジュールから把握される出発時刻までに残された時間を考慮して、「メークアドバイス処理」を行う優先順位を決定することもできる。
【0080】
・ユーザの外出中に携帯電話等の携帯端末で顔画像を撮像し、その画像をインターネット50を介してホームサーバ20に送信してもよい。この場合ホームサーバ20は、送信された顔画像に基づいて「メーク補修アドバイス処理」を実行し、メーク補修アドバイスを携帯端末へ送信することができる。これにより、ユーザは、外出先の実際の照明に応じた最適な化粧直しを行うことができる。
【0081】
・使用頻度の高い化粧品を洗面室ユニット1内に置き、カメラ13で撮像するようにしてもよい。撮像画像より化粧品の残存量を分析し、所有化粧品データベースに残存量の変化履歴を記録する。残存量が少なくなったことが把握されたら、ホームサーバ20が自動で購入処理を実行し、インターネット50を介して発注を行うことができる。なお、この購入処理を行うに際し、メーク知識データベースを参照し、同機能のより効果の高い化粧品やより価格の低い化粧品が検索された場合は、検索された化粧品やそのサンプルを発注することも可能である。
【0082】
・洗面室ユニット1に、ユーザの体温・身長・体重等を検知する検知手段(温度センサ・赤外線センサ・応力センサ等)を設け、日々の検知結果をホームサーバ20の記憶部22に蓄積する構成としてもよい。この場合、検知値に異常が認められたらインターネット50を介して病院へ通報したり、異常ではないが注意する必要があればその旨・改善アドバイスを操作表示端末14で表示する。ここで、体重について注意の必要がある場合、キッチンに設けられた操作表示端末でカロリー制限メニューを表示することもできる。なお、検知結果は、当ユーザだけでなく、必要に応じて他のユーザにも通知することが可能であり、これにより他のユーザも当ユーザの健康管理に留意することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】洗面室ユニットの配置を概略的に示す図。
【図2】洗面室ユニットのシステム構成を概略的に示す図。
【図3】メークアドバイス処理の手順を示すフローチャート。
【図4】シーン対応照明処理の手順を示すフローチャート。
【図5】メーク補修アドバイス処理の手順を示すフローチャート。
【図6】メーク落とし・お手入れ処理の手順を示すフローチャート。
【図7】メーク知識データベースの例を示す図。
【図8】想定シーン照明データベースの例を示す図。
【符号の説明】
【0084】
1…洗面室ユニット、11…照明装置、12化粧鏡、13…カメラ、14…操作表示端末、15…スチーマ、16…蛇口、17…ボウル、18…受信装置、20…ホームサーバ、21…制御部、22…記憶部、23…通信部、30…温調部、40…携帯機、41…無線通信部、42…メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明特性を調整可能な照明装置と化粧鏡とを備えた化粧ユニットにおいて、
予め想定したシーンにおける照明光の照明特性を記憶している手段と、
ユーザの行動予定を取得する行動予定取得手段と、
前記照明装置の照明特性を、前記行動予定に含まれる前記シーンにおける照明光の照明特性に調節する調節手段と、
を備えることを特徴とする化粧ユニット。
【請求項2】
前記シーンにおける照明光の照明特性を変化させるファクタに関する情報を取得する手段をさらに備え、
前記調節手段は、前記取得されたファクタ情報に基づいて変更した照明特性に調節することを特徴とする請求項1に記載の化粧ユニット。
【請求項3】
ユーザを特定する識別情報を記憶する携帯通信装置から送信される当該識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報に対応付けてユーザの行動予定を記憶している行動予定記憶手段とをさらに備え、
前記行動予定取得手段は、前記識別情報取得手段が前記識別情報を取得した場合、前記行動予定記憶手段から、ユーザの行動予定を取得し、
前記調節手段は、当該取得された行動予定に含まれるシーンにおける照明光の照明特性に調節する請求項1又は2に記載の化粧ユニット。
【請求項4】
肌の状態に適したメーク態様を記憶しているメーク態様記憶手段と、
前記照明特性が調節された照明光の下でのユーザの肌の状態を分析する手段と、
当該分析された肌の状態に適したメーク態様を前記照明特性に応じて検索するメーク態様検索手段と、
当該検索されたメーク態様を表示する手段とをさらに備える請求項1から3のいずれか1つに記載の化粧ユニット。
【請求項5】
ユーザ固有の肌状態特性を取得する手段をさらに備え、
前記肌の状態に適したメーク態様は、ユーザ固有の肌状態特性により調整されることを特徴とする請求項4に記載の化粧ユニット。
【請求項6】
前記メーク態様は、前記シーンに対応して分類されており、
前記メーク態様検索手段は、前記行動予定に含まれる前記シーンに対応して分類されたメーク態様を検索することを特徴とする請求項4又は5に記載の化粧ユニット。
【請求項7】
前記メーク態様記憶手段は、メーク態様ごとに、当該メーク態様を実現可能な化粧品を対応付けて記憶しており、
前記表示手段は、前記検索されたメーク態様を実現可能な化粧品をさらに表示することを特徴とする請求項4から6のいずれか1つに記載の化粧ユニット。
【請求項8】
ユーザが実行したメーク態様を取得する手段と、
メーク態様に応じた美容ケアを記憶している手段と、
前記取得したメーク態様に応じた美容ケアを決定する手段と、
当該決定された美容ケアを表示する手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の化粧ユニット。
【請求項9】
美容ケアに用いられる機器と、
前記決定された美容ケアに従って、前記機器を制御する手段とをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の化粧ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−125114(P2009−125114A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300305(P2007−300305)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】