説明

化粧剤としてのレペチニア・カウレセンス(Lepechiniacaulescens)抽出物の使用、及びそれを含有する化粧品組成物

【課題】皮膚加齢の徴候を予防又は遅延するため、又はその効果を低減するため、及び/又はとりわけ、特に紫外線照射によって損傷を受けた場合の、表皮又はその角質層の美容ケアのための、治癒を加速又は促進することを目的とした、及び/又は脱毛を予防又は減速し、毛髪の再成長を加速又は促進し、又は脆弱毛を強化するため、及び/又は爪の成長を促進する、及び/又はその強度を強化するための化粧品組成物を提供する。
【解決手段】レペチニア属に属する植物抽出物、特にレペチニア・カウレセンスの抽出物を使用した化粧品組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、化粧剤としての、レペチニア属に属する植物抽出物の使用、及びそれを含有する化粧品組成物に関する。
【0002】
より具体的には、本発明の主題は、化粧剤としての植物種レペチニア・カウレセンスの抽出物の使用、化粧品組成物中の活性剤としての使用であり、また、前記組成物を用いる美容ケアの方法でもある。
【0003】
[技術的背景]
アポトーシスは、断片化による、生物の特定の細胞の排除の能動的な生物学的過程である。
それは、遺伝制御下の生物学的組織レベルでプログラムされた細胞の排出に相当する。排出は自然なものである場合も(組織における余剰な細胞)、又は種々の形のストレスによって誘導される場合もある。
【0004】
生物学的に次々に起きるアポトーシスは、公知であり、特に、アポトーシスプログラムを実行するエフェクターカスパーゼ3又は7のカスパーゼのようないくつかのエフェクター並びにそれを誘発するイニシエーターカスパーゼ8及び/又は9などを用いる。
【0005】
特定の数のアポトーシス阻害剤も知られており(Deverauxら、Genes Dev.13(1999)、239〜252頁)、その中にサバイビンがある。したがって、これらの阻害剤は、細胞生存を調節し、ひいては、生物学的組織における細胞の恒常性に関与する。
【0006】
IAP(アポトーシスタンパクの阻害剤)ファミリーの唯一のメンバーであるサバイビンは、細胞のアポトーシスのバランスをとることもでき、その細胞周期を調節することもできる二機能性タンパク質である。
【0007】
サバイビンは、特に、特定のカスパーゼ、特に、カスパーゼ3、7及び9の活性化を阻害する。
【0008】
このタンパク質は、強力に増殖する胚組織において発現されるが、成体の分化した組織では、生理学的細胞再生を有する組織及び/又は修復プロセスに関与する組織において以外は発現されない。したがって、皮膚レベルでは、このタンパク質は、表皮の基底層のケラチノサイトにおいて最も著しく発現され、後者の形成及び再生をもたらす。
【0009】
表皮幹ケラチノサイトが見られるのは、この基底層においてであり、これらは、この組織の新生に対して高い可能性を有する細胞であり、完全な表皮の形成において最も有効であると実証されている(JL Xieら、J Plast Reconstr.Aesthet.Surg.2007年、60(9)、983〜90頁)。
【0010】
今では、サバイビンは、表皮の幹細胞において主に発現されることがわかっている(Marconi A、Dallaglio K、Lotti R、Vaschieri C、Truzzi F、Fantini F、Pincelli C、Stem Cells 2007年、25、149〜155頁)。
【0011】
逆に、サバイビンの過剰発現は、紫外照射に対する曝露後の表皮におけるアポトーシス細胞数の相当な減少を示す(Grossmanら、2001年、J Clin Invest 108、991〜999頁)。
【0012】
β−1インテグリンの不活性化は、サバイビンの細胞発現を完全に無効にし(Marconi Aら、Stem cells 2007年、25、149〜155頁)、細胞をアポトーシスへと導くことも実証されている。
【0013】
β−1インテグリンは、それを介して、表皮基底層のケラチノサイトが、真皮−表皮接合部のタンパク質と接着する接着タンパク質である。
【0014】
β−1インテグリンは、表皮の幹細胞によって最も強力に発現され(P.Jones、Cell 1993年、73、713〜724頁、Kaur J Invest Dermatol 2006年、126、1450〜1458頁)、このことは、これらの細胞におけるサバイビンの強力な発現の観察結果を裏付けるものである。
【0015】
今では、加齢の間に、ケラチノサイトにおける(B Le Varletら、J Investig Dermatol Symp Proc.1998年、3、172〜179頁)及び光に曝露されたしわの多い皮膚領域における(S Bossetら、British J Dermatol 2003年、148、7770〜778頁)β−1インテグリンの発現の低下が観察されている。
【0016】
したがって、表皮の基底細胞におけるサバイビンの維持を確実にするタンパク質が、加齢に伴って減少し、並行して、アポトーシスに対する細胞の感受性の増大及びサイクリングセル(cycling cells)の減少が観察され(Zulianiら、J.Invest.Dermatol.2004年、123、2、A50、302)、これらの観察結果が、加齢した皮膚におけるサバイビン欠乏の可能性を示すように集中している。
【0017】
サバイビンは、そのアポトーシス調節の役割のほかにも、有糸分裂の際に染色体を細胞骨格と適合させる「染色体パッセンジャー複合体」(chromosomal passenger complex)の成分として同定されており(Vaderら、EMBO reports、2006年、7、1、85〜92頁)、したがって、サバイビンは、正常な細胞分裂において必須の役割を果たし、この分裂は、加齢の間に弱まり、結果として、表皮の再生が少なくなり、薄くなり、しわが発生する。
【0018】
したがって、サバイビンは、生存の、及びケラチノサイトの抵抗力調整剤であり、幹細胞を含む、表皮の基底層に位置するケラチノサイトのアポトーシスの感受性を調節することによって作用する。また、サバイビンは、表皮の再生及び新生能力も調節する。
【0019】
したがって、サバイビンは、表皮の細胞ストックを残し、効率的な表皮細胞再生を維持することが可能である。
【0020】
[従来技術]
国際公開第2006/069192号パンフレット(GILLETTE Co)の明細書は、毛髪及び体毛成長減少効果のための、サバイビン阻害剤の化粧品における使用を開示している。

今日までに、化粧品において使用するための、サバイビン発現刺激剤として作用する化合物は記載されていない。
【0021】
レペチニア属の植物に関しては、前記属は、約40種を含み、その中に、レペチニア・カウレセンスがあり、これは元来メキシコ及び南アメリカで見られる。
【0022】
レペチニア・カウレセンス(同義語:Horminum caulescens Ortega)は、これらの種の1種であり、直生で多年生の30〜80cmの高さの低い植物であり、その成長周期は季節依存性であり、メキシコ、ニカラグア及びガテマラにおいて、標高1200〜3900mの間に見られる。レペチニア・カウレセンスは、特に、下痢及び嘔吐に対するその活性のために伝統的な薬において認められている種である。
【0023】
これらの植物中に存在する化合物を単離することを目的とした研究に関する公開されたデータが存在する。
【0024】
レペチニア・カウレセンスの地上部からジ−及びトリテルペノイド酸が単離されている(Delgadoら、Phytochemistry、1994年、37(4)、1119〜21頁)。
【0025】
何人かの著者によって、レペチニア・カウレセンスのメタノール抽出物の血管弛緩活性が実証され、この活性は、この植物から単離される2種のトリテルペン酸である、オレアノール酸及びウルソル酸の存在によって媒介される。
【0026】
その他の著者によって、種レペチニア・カウレセンスの植物全体から得られた有機抽出物の、ラットから単離された回腸に対する鎮痙活性が実証され、これによって、地元のメキシコ住民によるこの植物の伝統的な使用が実験的に確認された(Rodriguez−Lopezら、Fitoterapia、2003年74 725〜728頁)。
【0027】
また、何人かの著者によって、この植物の有機抽出物のインスリン様活性が明らかにされている(Romanら、Arch.Med.Res.(Mex.)、1992年、23 105)。
【0028】
最近になって、米国特許第6,265,370号の明細書に、微粉化した形のレペチニアの新鮮な、又は乾燥した花の、石鹸を製造する方法における香りのする薬剤としての使用が記載された。
【0029】
しかし、今日まで、どのような抽出方法の生成物の形のレペチニア属の植物種の、化粧品組成物中の活性剤としての使用に関するデータも存在しない。
【0030】
本発明の発明者らは、その研究の間に、レペチニア属の、特に、植物種レペチニア・カウレセンスの少なくとも1種の植物を含む、又はそれらから形成される植物材料から得られた抽出物が、表皮の基底層のケラチノサイトにおける、より具体的には、前記基底層の幹細胞におけるサバイビンタンパク質の発現を活性化又は刺激することを実証した。
【0031】
したがって、前記抽出物は、ヒト表皮の新生細胞、最も具体的には、表皮の基底層の幹細胞に関して保護的役割を果たす。
【0032】
したがって、これらの抽出物は、特に、皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延すること、又はその効果を低減することを目的とした、或いは細胞又は組織寿命を促進することを目的とした、損傷を受けた表皮の再構築並びにまた、正常皮膚における皮膚創傷及び治癒しにくい潰瘍性創傷の治癒を促進することを目的とした、毛髪の再成長又は毛髪の強化を促進することを目的とした、爪の成長の促進及び/若しくはその強度の強化を促進することを目的とした、化粧剤若しくは皮膚病薬として、又は化粧品組成物若しくは皮膚科用組成物中の活性剤として、治療目的のための、例えば、移植における、培養表皮製造(再構築された表皮)を目的としたインビトロ(in vitro)細胞培養を延長するための、又は治療若しくは研究目的のための、インビトロでの表皮の幹細胞若しくは毛嚢の精製集団を維持する際のアジュバントとして使用できる。
【0033】
[発明の目的]
本発明の主目的は、植物から得られた、化粧品上許容される植物抽出物の、化粧剤としての使用を提案することである。
本発明のもう1つの目的は、
a)皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延し、又はその効果を減速するため、及び/又は、
b)とりわけ、特に紫外線照射によって損傷を受けた場合の、表皮又はその角質層の美容ケアのため、及び/又は、
c)例えば、脱毛症の場合において、脱毛を予防若しくは減速するために、毛髪の再成長を加速若しくは促進するために、又は脆弱毛を強化するために、毛周期の機能を回復させるため、及び/又は、
d)爪の成長を促進する、及び/又はその強度を強化するための、
前記抽出物の、化粧剤としての、又は化粧品組成物中の活性剤としての使用、及び前記組成物を用いる美容ケアの方法である。
【0034】
本発明のもう1つの主目的は、特に、上記に示される美容ケアの種類を実施するための、美容上許容される植物抽出物を用いる美容ケアの方法を提供することである。
【0035】
本発明のさらなる主目的は、基礎的研究の目的のための、又は例えば、やけど若しくは治癒しにくい潰瘍性創傷後の移植の場合における、治療目的のための、培養表皮、例えば、再構築された表皮の製造の目的のための、幹細胞及び/又は高いクローン形成能を有する細胞のインビトロ培養法を提供することであり、これは、植物から得られた前記細胞培養物に関して許容される植物抽出物の使用を含む。
【0036】
[発明の説明]
本発明の第1の態様は、レペチニア属に属する種の少なくとも1種の植物によって形成され、又はこれを含む植物材料から得られた植物抽出物を含む化粧剤に関し、前記抽出物は、植物材料を、C〜Cアルコール及び前記アルコールと水の混合物から選択される極性溶媒と接触させることによって得られる。
用いられる植物材料は、植物全体であってもよく、植物の一部、例えば、根、根茎又は地上部、特に、茎、葉、花、種子若しくは花芽であってもよい。
抽出物は、植物の地上部、特に、葉から得られることが好ましい。
抽出ステップ自体に先立って、植物材料を乾燥及び/又は粉末にしてもよい。
抽出の1つの好ましい実施形態によれば、植物材料は、乾燥及び粉末にされた状態である。
【0037】
レペチニア属の、特に、植物種レペチニア・カウレセンスの植物に加え、本発明の抽出物が調製される植物材料は、植物全体の、又は植物の一部の形を問わず、1種又は複数のその他の植物を含むものであってもよい。
【0038】
これらの植物は、レペチニア・カウレセンス属の植物について実証されるものと同様の、又はこれを補完する特性を有するとわかっているレペチニア属以外の属のもの、又は別の科の植物であってもよい。
【0039】
抽出物が、種々の機序によって、例えば、皮膚構造の完全性又はしわに対する作用を維持することによって皮膚加齢の効果を減速又は予防することがわかっている植物を、特に選択してもよい。
【0040】
抽出物は、当業者に公知の種々の抽出法によって調製してもよい。
【0041】
しかし、抽出は、選択された植物材料を、C〜Cアルコール又はC〜Cアルコール及び水から選択される極性溶媒の混合物から選択される極性溶媒又は極性溶媒の混合物と接触させることによって実施する。
【0042】
本発明によれば、表現「極性溶媒」は、溶媒が4の値以上の極性指数値P’を有することを示す。
【0043】
極性指数は、(溶解度及び状態の変化の)熱力学的値に基づいて算出された値であり、多かれ少なかれ分子の極性性質を実証する。
【0044】
溶媒の極性指数については、参照により本願に含まれる、L.R.SNYDERによる論文;Classification of the solvent properties of common liquids;Journal of Chromatography、92(1974年)、223〜230頁が参照される。
【0045】
抽出ステップに使用できる極性溶媒又は極性溶媒の混合物として、前記C〜Cアルコールは、エタノール又はブタノール、グリセロール、ブチレングリコール及びプロピレングリコールから選択されることが好ましいグリコール並びにそれらの混合物から選択される。
【0046】
好ましい混合物は、少なくとも10%v/vのアルコール又はグリコールを含み、残部が水で構成されている、少なくとも1種のアルコール及び水の混合物、又は少なくとも1種のグリコール及び水の混合物である。
【0047】
これらの溶媒混合物の中でも、50/50v/v比の水及びエタノールの混合物、又は50/50v/v比の水及びブチレングリコールの混合物が好ましい。
【0048】
抽出ステップ自体は、熱還流によって少なくとも30分間実施されることが好ましい。
【0049】
本発明の別の変法によれば、抽出はまた、極性溶媒を未臨界状態で用いる方法によって実施してもよく、前記溶媒は、未臨界状態の水であることが有利である。
【0050】
抽出はまた、部分若しくは完全変色すること又は精製することを目的とした、植物材料又は植物抽出物の処理を含むさらなるステップを場合により含んでもよい。
【0051】
この変色ステップは、例えば、抽出自体に先立つ植物材料の、又は抽出物の、無極性溶媒若しくは無極性溶媒の混合物の溶液での処理、好ましくは、C〜Cアルカン、例えば、ヘプタンでの処理、又は抽出物を活性炭の粒子と接触させることを含む処理、或いは、COを未臨界状態で用いる処理を含む場合もある。
【0052】
抽出は、抽出溶媒の部分又は全排除のステップによって完了してもよい。
【0053】
第1の場合では、抽出物は、通常、相当な量の有機溶媒を欠く水性濃縮物が得られるまで濃縮され、第2の場合では、乾燥残渣が得られる。
【0054】
或いは、抽出ステップの生成物は、粉末の形であるよう凍結乾燥又は微粉化してもよい。
【0055】
粉末は、本発明の化粧品組成物中でそのままに使用してもよく、又は溶媒若しくは溶媒混合物中に再分散してもよい。
【0056】
通常、抽出ステップの生成物は、本発明の化粧品組成物中で活性剤として使用されるよう、溶媒又は溶媒混合物中に溶解又は分散してもよい。
【0057】
抽出物が溶解又は分散される溶媒又は溶媒混合物は、抽出に使用されたものと同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0058】
本発明の抽出物はまた、多孔性若しくは無孔性ナイロン粉末及びマイカ又は任意の層状鉱物から選択されることが有利である支持体に吸着されてもよい。
【0059】
この場合には、用いられる抽出物は、水性抽出物であることが好ましい。
【0060】
本発明のさらなる態様は、レペチニア属に属する種の植物の植物抽出物、好ましくは、植物種レペチニア・カウレセンスの抽出物の、化粧品組成物中での美容上活性の作用剤としての使用である。
【0061】
本発明は、特に、上記種類の美容ケアを実施するための、特に、皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延又はその効果を減速するための、及び/又は、とりわけ、特に紫外線照射によって損傷を受けた場合の、表皮若しくはその角質層の美容ケアのための、及び/又は、特に、脱毛症の場合において、脱毛を予防若しくは減速するために、毛髪の再成長を加速若しくは促進するために、又は脆弱毛を強化するために、及び/又は、爪の成長を促進する、及び/又はその強度を強化するための、化粧品組成物中での、化粧剤の1種としての、又は活性剤の1種としての抽出物の使用に関する。
【0062】
本発明によれば、上記の化粧剤又は活性剤は、より具体的には、その活性剤の1種としてそれを含有する化粧品組成物の形で、前記組成物の身体の皮膚若しくは顔面の皮膚又は爪への塗布に適した少なくとも1種の美容上許容される担体中の溶液で、又は分散物で、局所的に供給される。
【0063】
したがって、化粧品組成物は、所望の効果を得るために、植物レペチニアの抽出物を含む少なくとも1種の上記で定義される有効量の化粧剤を含む。
【0064】
本発明の別の態様は、皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延し、又はその効果を減少するための美容ケアの方法であり、前記方法は、身体の又は顔面の皮膚に関与する少なくとも1領域への、上記で定義されるような、又は実施例から得られるようなレペチニア属の植物、特に、種レペチニア・カウレセンスの植物の少なくとも1種の抽出物を含む、サバイビン発現を活性化又は刺激する、少なくとも1種の美容上許容される作用剤の有効量の供給を含むことを特徴とする。
【0065】
本発明の第1の実施形態によれば、前記美容ケアの方法は、しわのくぼみにおける表皮の細胞の再高密度化という現象による、及びその再生の加速又は維持によって抗しわ効果を得ることを目的とした、皮膚加齢の徴候を示しているか、示す傾向がある顔面又は身体の皮膚の少なくとも一部への、その活性剤の1種として、レペチニア属に属する、特に、種レペチニア・カウレセンスの植物の少なくとも1種の抽出物を含むサバイビン発現を刺激する少なくとも1種の活性剤を含む化粧品組成物、例えば、クリーム又は美容液の塗布を含む。表皮の細胞の再高密度化という現象は年齢とともにより細かくなり、一方で、表皮の細胞再生は年齢とともに減少することがわかっている。
【0066】
本発明の別の実施形態によれば、前記美容ケアの方法は、基底層での日光に対する曝露に起因する細胞喪失を低減するような方法で、アポトーシスに対する、表皮の基底層のケラチノサイトの抵抗性を強化し、このようにして、紫外線による老化を抑えるための、日光に曝された皮膚の領域への、その活性剤の1種として、レペチニア属に属する、特に、植物種レペチニア・カウレセンスの少なくとも1種の抽出物を含むサバイビン発現を活性化又は刺激する少なくとも1種の抽出物を含む組成物の塗布を含む。アポトーシスは、太陽放射線のUVB線によって誘導されることがわかっている。
【0067】
本発明のさらに別の態様は、治癒の加速又は促進を目的とした、とりわけ、特に紫外線照射によって損傷を受けた場合の、表皮若しくはその角質層の美容ケアのための美容ケアの方法又は皮膚科的ケア方法に関する。この方法は、関係する身体の又は顔面の皮膚の領域への、皮膚におけるサバイビン発現を刺激し、レペチニア属の植物、特に、植物種レペチニア・カウレセンスの抽出物を含む、少なくとも1種の美容品上許容される作用剤の有効量の供給を含む。
【0068】
本発明のさらに別の態様は、特に、脱毛症の場合において、脱毛を予防若しくは減速するために、毛髪の再成長を促進若しくは加速するために、又は脆弱毛、毛球のケラチノサイトの増殖に起因する毛幹の成長を強化するために、毛周期の機能を回復させることを目的とした美容ケアの方法に関し、頭皮の少なくとも一部への、頭皮におけるサバイビン発現を活性化又は刺激し、レペチニア属の植物、特に、植物種レペチニア・カウレセンスの抽出物を含む、少なくとも1種の美容上許容される作用剤の有効量の供給を含むことを特徴とする。
【0069】
本発明のさらに別の態様は、爪の成長を促進する、及び/又はその強度を強化するための美容ケアの方法に関し、爪又は周囲の領域の少なくとも一部への、サバイビン発現を活性化又は刺激して、前記の爪の成長を促進する、及び/又はその強度を強化し、レペチニア属の植物、特に、植物種レペチニア・カウレセンスの少なくとも1種の植物抽出物を含む、少なくとも1種の美容上許容される有効量の作用剤の供給を含むことを特徴とする。
【0070】
本発明者らによって実施された試験によって、本発明の抽出物の予想外の特性は、また抽出物が、本発明の抽出物と同様の及び/又は補完的な美容効果を有するその他の活性剤と組み合わされている化粧品組成物において、得られる又は改善され得るということが示された。
【0071】
本発明者らによって実施された試験によって、本発明の抽出物の予想外の特性は、また抽出物が、本発明の抽出物と同様の及び/又は補完的な美容効果を有するその他の活性剤と組み合わされている化粧品組成物において、得られる又は改善され得るということが示された。
【0072】
特に、レペチニア抽出物は、皮膚の構造の維持に、及び完全性に寄与する少なくとも1種のその他の活性剤と組み合わせて使用してよい。
【0073】
第1の実施形態によれば、本発明の抽出物を含む組成物はまた、特に、皮膚におけるサバイビン発現を活性化又は刺激する、少なくとも1種のその他の活性剤を含んでもよく、前記作用剤は、抽出法の単離分子又は生成物である可能性があり、フォルスコリン又はそれを含有する抽出物、例えば、コレウス・フォルスコリ(Coleus forskolii)の抽出物又はリムノフィラ(Limnophila)属の植物、特に、植物種リムノフィラ・コンフェルタ(Limnophila conferta)の、又はイシクラゲ(Nostoc commune)、セネデスムス・ジモルファス(Scenedesmus dimorphus)、ウコン(Curcuma longa)、サフラン(Crocus sativus)及びダニエリア・オリベリ(Daniellia oliveri)の中の植物種の1種に属するものの抽出物から選択されることが有利である。
【0074】
本発明の化粧品活性剤の有効性は、表皮ケラチノサイトのβ−1インテグリンなどの接着タンパク質の発現を、及びこれらの細胞の接着自体を刺激する分子又は抽出物(アスパラギン酸マグネシウム、マンガン塩及び誘導体、インテグリンによって認識される特定のペプチド、例えば、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸のひと続き、KGFなどの特定の増殖因子)によって改善されることが有利である。
【0075】
本発明の化粧品活性剤の活性化の有効性はまた、cAMPを分解するホスホジエステラーゼを阻害できる分子又は抽出物、例えば、メチルキサンチン、特に、カフェインによって改善され、これによって細胞内サイクリックAMPレベルの増大がもたらされることが有利であり得る。
【0076】
上記の化粧剤を含む組成物はまた、皮膚美白活性を有する物質;痩身活性を有する物質、水分を補給する活性を有する物質、鎮静、鎮痛又は弛緩活性を有する物質、皮膚の微小循環を刺激して、肌の色の、特に、顔の輝きを改善する活性を有する物質、脂性の皮膚のケアのための皮脂調節活性を有する物質、皮膚を洗浄又は浄化する物質、フリーラジカル捕捉活性を有する物質、皮膚構造の維持を促進すること及び/若しくは真皮の表層の、及び表皮の細胞外マトリックスの分解を制限することを目的とした、及び/又は皮膚保護、矯正又は再構築効果を得ることを目的とした活性によって、皮膚加齢の効果、特に、しわの形成を低減又は遅延する物質、抗炎症活性を有する物質から選択され得る1種又は複数のその他の活性剤を含む場合もある。
【0077】
前記化粧品組成物は、本発明の抽出物に加え、顔料、染料、ポリマー、界面活性剤、レオロジー剤、香料、電解質、pH調整剤、抗酸化物質及び保存料並びにこれらの混合物から選択され得る少なくとも1種の美容上許容される賦形剤を含む。
【0078】
本発明の化粧品組成物は、例えば、美容液、ローション、エマルジョン、例えば、クリーム若しくはヒドロゲル、好ましくは、マスクであってもよく、スティック、パッチ又は頭皮用の衛生製品、例えば、シャンプー、コンディショナー又はメイクアップ製品、特に、爪に塗布することを意図する組成物、例えば、マニキュア液の形であってもよい。
【0079】
レペチニア植物抽出物、特に、種レペチニア・カウレセンスの抽出物を得るための処理条件は、上記のもの又は実施例1若しくは2においてと同一であってもよい。
【0080】
特定の一実施形態によれば、本発明は、上記で定義される本発明の少なくとも1種の抽出物を、単独又はその他の抽出物と組み合わせて、皮膚又は爪への局所塗布に適合する美容上許容される担体中の溶液中に、又は分散物中に含有する化粧品組成物に関する。
【0081】
上記のケアの方法の1つの別の好ましい変法によれば、美容上許容される作用剤はまた、フォルスコリン又はそれを含有する抽出物を含む。
【0082】
本発明の上記の任意の一主題によれば、本発明の化粧剤は、その活性剤の1種として前記化粧剤を含み、また、少なくとも1種の化粧品上許容される賦形剤も含む化粧品組成物の形で、関与する身体の部分へのこの組成物の塗布によって局所的に供給され得る。
【0083】
最後に、本発明の別の態様は、基礎的研究の目的のため、又は例えば、やけど若しくは治癒しにくい潰瘍性創傷後の移植の場合における、治療目的のための、培養表皮、例えば、再構築された表皮の製造の目的のための、幹細胞及び/又は高いクローン形成能を有する細胞のインビトロ培養のための方法に関し、培養において、前記細胞を維持するために、又は表皮を製造するために、培養培地に、有効量のレペチニア属の植物、特に、種レペチニア・カウレセンスの植物の少なくとも1種の抽出物を含む活性剤を添加することを含むことを特徴とする。
【0084】
1つの変法によれば、活性剤又は抽出物の濃度は、培養培地の0.001重量%〜5重量%、特に0.01重量%〜3重量%である。
【0085】
さらに、本発明の任意の態様について、用語「有効量」は、
a)皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延し、又はその効果を減速するため、
b)とりわけ、特に紫外線照射によって損傷を受けた場合に、表皮若しくはその角質層の美容ケアのため、及び/又は
c)特に、脱毛症の場合において、脱毛を予防若しくは減速するために、毛髪の再成長を加速若しくは促進するために、又は脆弱毛を強化するために、毛周期の機能を回復させるため、及び/又は、
d)爪の成長を促進する、及び/又はその強度を強化するため、及び/又は、
e)幹細胞及び/又は高クローン形成能を有する細胞を、培養で維持し、これらの培養を、良好な条件下での培養を実施するのに、また、必要な場合には表皮の製造を実施するのにも十分な一定期間保存するのを可能にするために
必要な量と少なくとも同等である量を意味するよう意図される。
【0086】
実際、この有効量は、当業者によって容易に決定できる。通常、レペチニアの抽出物を含む作用剤の、又は抽出物自体の濃度は、組成物の、又は培養培地の0.001重量%〜5重量%、特に、0.01〜3重量%となる。
【0087】
抽出物に関しては、いずれの態様についても、濃度は、組成物の、又は培養培地の重量に対する乾燥抽出物の重量で表される。
【0088】
実施例1及び2において実施され、報告された具体的な試験によって実証されるように、本発明の化粧剤は、特に、予期しないことに、真皮の、又は表皮の基底層の幹細胞におけるサバイビンの発現を刺激することによって有効である。
【0089】
本発明のその他の目的、特徴及び利点は、以下の、本発明のいくつかの例示的実施形態に関してなされており、例示として簡単になされており、決して本発明の範囲を制限するものではない説明的な記載から明確に明らかになる。実施例では、特に断りのない限り、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧であり、量又はパーセンテージは重量で与えられている。
【実施例】
【0090】
材料及び方法
1)細胞培養
正常ヒトケラチノサイトを、EGF(表皮増殖因子)及びBPE(ウシ下垂体抽出物)(KSFMc)(Gibco参照、17005−034+37000−015)を補充した無血清ケラチノサイト培地で、5%COを含有する加湿雰囲気下、37℃のインキュベーター中で、75cmフラスコで培養する。細胞を、ウェルあたり500μlの培地中50000個細胞の割合で48ウェルマイクロプレートに播種する(D0日)。
【0091】
24時間インキュベートした後(D1日)、細胞が接着し、次いで、処理ステップを実施する。次いで、播種培地を除去し、各々、種々の濃度の溶媒(例えば、DMSO)中の溶液で評価される抽出物を含有する処理培地を、各培養ウェルに添加する。対照もまた、この同じ溶媒を用い、同じ割合で調製する。
【0092】
16時間処理した後、細胞によるサバイビン発現のピークを観察する。次いで、ウェルをPBSですすぐ。マイクロプレートのウェルの半分を用いて、ケラチノサイトを溶解し、細胞内サバイビンをアッセイする。マイクロプレートのウェルのその他の半分を用いて、BCA法によって総タンパク質をアッセイし、それによって、アッセイされるサバイビンの量を、タンパク質の単位量へと関連付けることが可能となる。
【0093】
非細胞傷害性用量での抽出物の効果を続いて評価することができるよう、試験した各植物抽出物の細胞傷害性を測定する相は、事前に必要である。
【0094】
この目的を達成するために、抽出物の細胞傷害性用量を、XTT試験によって調べる(参照:Cell Proliferation Kit II、Roche Diagnostic)。テトラゾリウム塩(XTT試薬)は、ミトコンドリアの呼吸鎖に位置するデヒドロゲナーゼによってホルマザンに変換される。生細胞のみが、その呼吸鎖が機能的であり、ホルマザンを生成することができ、450nmで橙色の化合物が検出される。
【0095】
試験した各抽出物を希釈し、マイクロプレート上に2倍希釈範囲を調製し、試験サンプルの抽出物の濃度は、50mg/ml〜0.195mg/mlの範囲とする。予め調製した希釈液の各々を、最後にKSFM−C培地で1/1000に希釈し、次いで、ケラチノサイトと48時間接触させ、その時点で、細胞傷害性試験が実施される。
【0096】
2)サバイビンのアッセイ
植物種レペチニア・カウレセンスの植物の植物抽出物の活性を、サバイビン発現に関して評価する。サバイビンを、正常ヒトケラチノサイトの培養物で、ELISA酵素免疫測定法(参照、Duoset Survivin ELISA from R&D Systems)によってアッセイする。
【0097】
総タンパク質を、BCA比色試験(参照、BC Assay Kit、Uptima Interchim)によって、570nmの吸光度を測定することによってアッセイする。
【0098】
16時間処理した後、サバイビンのELISAアッセイのために、ウェルをPBSですすぎ、次いで、100μl/ウェルの溶解バッファーを加え、続いて、穏やかに撹拌しながら10分間インキュベートする。このバッファーは、アンチプロテアーゼを含み、これが、細胞溶解の間のサバイビンを含めたタンパク質の分解を防ぐ。
【0099】
ELISAマイクロプレート(参照Clear Microplate R&D systems DY992)を調製する。ヒトサバイビンを用いた標準範囲を、細胞溶解物を用いたものと同条件下で0〜2000pg/mlで調製する。酵素反応を硫酸で遮断した後、450nmの吸光度を測定することによってサバイビンを定量する。
【0100】
実施例1:レペチニア・カウレセンスの葉の抽出物の調製及びサバイビン発現に対するその活性の測定
乾燥状態のレペチニア・カウレセンスの葉から形成される植物材料を、実験室のミル−ミキサーを用いて、即座に0.1〜1mmの程度の平均粒径の粉末にする。
【0101】
10gの粉末にした植物材料を、250mlの丸底フラスコに入れ、それに、150mlの、以下に列挙されるものの中の溶媒又は溶媒混合物を加える:
−水、
−ブタノール、
−90/10(v/v)エタノール/水、
−プロパノール
−50/50(v/v)エタノール/水
−50/50(v/v)ブチレングリコール/水。
【0102】
バルブコンデンサーを載せた丸底フラスコを、恒温槽中で磁気的に撹拌し、次いで、溶媒還流に加熱する。
還流を撹拌しながら30分間維持する。
加熱を停止すると、丸底フラスコを、槽の外で周囲温度に放冷させる。
【0103】
次いで、混合物を、Whatman70μm GF/Fフィルターを備えたブフナー漏斗及び風袋計量された(tared)フラスコを通して真空濾過し、このようにして濾液1が得られる。ブフナー漏斗上のケーキを、50mlの抽出溶媒で洗浄し、濾液2が得られる。
2種の濾液を合わせ、秤量する。
得られた濾液を、予め風袋計量した丸底フラスコに入れ、次いで、最高温度50℃の水浴中真空下で、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固する。
【0104】
乾燥残渣を定量し、乾燥粉末化状態の100gの出発植物材料あたりの得られた乾燥抽出物の質量として表される、質量による抽出率を得る。
【0105】
上記で列挙されたものの中の溶媒又は溶媒混合物を用いて実施された各方法について得られた、質量による抽出率が、以下の表Iに示されている:
【0106】
【表1】

【0107】
実施例2:サバイビン発現に対するレペチニア・カウレセンスの抽出物の活性
実施例1において調製された乾燥抽出物をそれぞれ、3.125mg/mlの濃度にDMSOで希釈する。
【0108】
細胞に対する処理の際に、0.1%v/v、すなわち、3.125μg/mlの終濃度が得られるよう、培養培地に各抽出物を添加する。溶媒対照(DMSO)もまた調製し、0.1%v/vの終濃度とする。
【0109】
以下の表IIは、100%を構成する溶媒対照によって表される、発現の基礎レベルと比較した、サバイビンに対する、試験されたレペチニア・カウレセンスの葉の各抽出物の活性を示す。
【0110】
【表2】

【0111】
結論:水性抽出物を除いて、すべての抽出物は、タンパク質発現の基礎レベル(対照)と比較して、ケラチノサイト内サバイビン発現を大幅に増大する。水及びアルコール性又はグリコール性極性溶媒の混合物から得られた抽出物は、ケラチノサイトによるサバイビン発現を最も強力に刺激するものである。
【0112】
実施例3:レペチニア・カウレセンスの葉の抽出物を含む化粧品組成物
エタノール/水(50/50v/v)溶媒混合物を用いる抽出後に得られた乾燥抽出物を、エタノール/水混合物中、質量で1%に可溶化する。
【0113】
乾燥抽出物の1質量%の溶液を得、以下の化粧品組成物において用いる:
−レペチニア・カウレセンスの植物抽出物 0.1%
−界面活性剤(アラセル(Arlacel)(登録商標)165VP) 5%
−95%セチルアルコール 1%
−ステアリルアルコール 1%
−蜜蝋 1.5%
−オイル(パーリーム(Perleam)(登録商標)) 8.5%
−トリカプレート/カプリレートグリセリド 3%
−シリコーンオイル(ジメチコン100CS) 1%
−ポリマー(ケルトロール(Keltrol)(登録商標)) 0.35%
−水酸化ナトリウム 0.04%
−EDTA四ナトリウム粉末 0.1%
−保存料 0.5%
−水 適量100
化粧品組成物を、1又は複数のステップで種々の成分を混合することによって、当業者に周知の通常の方法で調製する。
【0114】
この組成物は、上記の美容効果を得るために、皮膚又は頭皮或いは爪に、数週間の間毎日塗布できる。
【0115】
実施例4:レペチニア・カウレセンスの抽出物を含む抗しわトニックローション
エタノール/水(50/50v/v)溶媒混合物を用いる抽出後に得られた乾燥抽出物を、エタノール/水混合物に1質量%で可溶化する。
【0116】
乾燥抽出物の1質量%の溶液を得、以下の化粧品組成物において用いる:
−レペチニア・カウレセンスの植物抽出物 2%
−ブチレングリコール 3%
−EDTA 0.1%
−可溶化剤 1%
−香料濃縮物 0.3%
−エタノール 5%
−UVスクリーン(ベンゾフェノン−4) 0.13%
−水 適量100
化粧品組成物を、1又は複数のステップで種々の成分を混合することによって、当業者に周知の通常の方法で調製する。
【0117】
この組成物は、しわを含む皮膚の領域に数週間の間、毎日塗布し、前記しわの減少又は完全な消失の効果を得ることができる。
【0118】
実施例5:レペチニア・カウレセンスの抽出物を含むエマルジョンの形の抗しわデイクリーム
エタノール/水(50/50v/v)溶媒混合物を用いる抽出後に得られた乾燥抽出物を、エタノール/水混合物に1質量%で可溶化する。
【0119】
乾燥抽出物の1質量%の溶液を得、以下の化粧品組成物において用いる:
−レペチニア・カウレセンスの植物抽出物 2%
−ステアレス−21(Steareth−21:Brij721) 2.5%
−ステアリン酸グリセリル(Tegrin) 1.1%
−ステアリルアルコール 5%
−グリセロールトリカプレート/カプリレート 12.5%
−ブチレングリコール 3%
−グリセロール 2%
−保存料 0.5%
−香料濃縮物 0.5%
−UVスクリーン(オクチルメトキシシンナメート) 7.5%
−水 適量100
化粧品組成物を、1又は複数のステップで種々の成分を混合することによって、当業者に周知の通常の方法で調製する。
【0120】
この組成物は、しわを含む皮膚の領域に数週間の間、毎日塗布し、前記しわの減少又は完全な消失の効果を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レペチニア属に属する種の少なくとも1種の植物によって形成され、又は含む植物材料から得られた植物抽出物を含む化粧剤において、前記抽出物が、植物材料を、C〜Cアルコール及び前記アルコールと水の混合物から選択される極性溶媒と接触させることによって得られる化粧剤。
【請求項2】
抽出物が、植物種レペチニア・カウレセンスの植物から得られることを特徴とする、請求項1記載の化粧剤。
【請求項3】
植物全体の抽出物、又は根、根茎、茎、葉、花、種子若しくは花芽から選択される前記植物の一部の抽出物であることを特徴とする、請求項1又は2記載の化粧剤。
【請求項4】
抽出物が葉から得られることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧剤。
【請求項5】
前記C〜Cアルコールが、エタノール、ブタノール、グリコール又はそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧剤。
【請求項6】
前記グリコールが、グリセロール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、又はそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項5記載の化粧剤。
【請求項7】
前記極性溶媒が、少なくとも10%v/vのアルコール又はグリコールを含み、残部が水で構成されている、少なくとも1種のアルコール及び水の混合物、又は少なくとも1種のグリコール及び水の混合物であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧剤。
【請求項8】
極性溶媒混合物が、50/50v/v比の水及びエタノールの混合物又は50/50v/v比の水及びブチレングリコールの混合物を含むことを特徴とする、請求項7記載の化粧剤。
【請求項9】
抽出物が、上記の溶媒又は溶媒混合物中での抽出ステップの生成物を凍結乾燥又は微粉化した後の粉末の形であることを特徴とする、請求項8記載の化粧剤。
【請求項10】
植物抽出物が、有利には多孔性又は無孔性のナイロン(nylon)(登録商標)粉末及びマイカ又は任意の層状鉱物から選択される支持体に吸収されていてもよいことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の抽出物の化粧剤。
【請求項11】
皮膚加齢の徴候を予防又は遅延するため、又はその効果を低減するため、及び/又はとりわけ、特に紫外線照射によって損傷を受けた場合の、表皮又はその角質層の美容ケアのための、治癒を加速又は促進することを目的とした、及び/又は脱毛を予防又は減速し、毛髪の再成長を加速又は促進し、又は脆弱毛を強化するため、及び/又は爪の成長を促進する、及び/又はその強度を強化するための化粧品組成物において、皮膚、頭皮又は爪への局所塗布に適合する美容上許容される担体中の溶液又は分散物中に、レペチニア属の植物種の植物抽出物を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化粧剤を含む組成物。
【請求項12】
レペチニア抽出物が、皮膚の構造の維持及び完全性に寄与する少なくとも1種の他の活性剤と組み合わせて用いられることを特徴とする、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
抽出物が、組成物に対して、乾重で0.001%〜5%の濃度で前記組成物中に含まれることを特徴とする、請求項11及び12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
抽出物が、組成物に対して、乾重で0.01%〜3%の濃度で前記組成物中に含まれることを特徴とする、請求項11、12及び13のいずれか一項に記載の組成物。

【公開番号】特開2009−298789(P2009−298789A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−136414(P2009−136414)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(502189579)エルブイエムエイチ レシェルシェ (68)
【Fターム(参考)】