説明

化粧品とその製造方法

【課題】ケイ素化合物を化粧品に応用するに当たり、恒pH精酸素水のもつ皮膚組織に対する間接的な効能を補助的に活用することにより、ケイ素化合物の皮膚組織に対する直接的な効能をより効果的に発揮し得る化粧品の提供。
【解決手段】水をイオン交換樹脂及び/又は活性炭により処理した、比電導度約15〜35μU/cu、PH約7.2〜7.4の範囲の精製水にオゾン含有空気を吸収せしめて得た、PH約7.5〜8.0、酸素溶存量約8〜11ppmの範囲の恒pH性の酸素水にケイ素化合物を配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はケイ素化合物を応用した化粧品及びその製造方法に関し特にケイ素化合物の皮膚組織に対する直接的な効能を恒pH性酸素水の持つ皮膚組織に対する間接的な効能を補助的に作用させることにより効果的に発揮し得る化粧品とのその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、酸素溶存料及びpHの径時変化のない恒pH性酸素水を利用した化粧品が開発、実施されている。
【0003】
この恒pH性酸素水は、板状ガラスの両面に網状電極を配置してなる放電装置を容器内に収容し、空気が該容器内を通り抜けるようにしてオゾン発生器によりオゾン含有空気を製造し、このオゾン含有空気を、一定の精製処理を経た特定のpH範囲にある高比電導度の水に吸収させることにより、
(1)水が上記オゾン含有空気によってイオン化され、負の電気を帯びた水酸イオンを多量に含むイオン水が得られること、
(2)該イオン水は、酸素溶存料及びpHの径時変化がなく、pHを外的因子によって変動させても元のpHへ回復する力を有すること
(3)さらに、該イオン水は、皮膚の角層を軟化させ、皮膚の決行を高め皮膚機能を正常化する等の優れた効能を有することに着目したものである。
そして、前記特異の性質及び効能を有する酸素水を化粧品の希釈水として利用する発明が特許文献1により開示されている。
【0004】
またケイ素化合物の皮膚組織に対する保湿作用、皮膚組織を再構築し、老化を予防する作用、皮膚代謝を刺激し、正常化する作用を有する者として注目され、化粧品への応用が種々研究、開発されている。(非特許文献1)。
そして、ケイ素化合物を化粧品に応用すべく、ポリマー水性分散物とシリコーンジシラノールエマルジョンを含む化粧品組成物および方法(特許文献2)有機シリコーン微粒子、その製造方法、有機シリコーン微粒子からなる高分子材料用改質剤及び化粧品原料(特許文献3)、光遮断剤(特許文献4)等の化粧品原料が開発されるとともにメークアップの化粧料(特許文献5)や、化粧品活性剤と、毛髪に供給結合される外因性配粒子一時受容体制とを含む化粧組成物及びこの組成物を用いた毛髪処置方法(特許文献6)等により具体的化粧品として開発されている。
【特許文献1】特公平3−68843号公報
【特許文献2】特表2001−515024号公報
【特許文献3】特開2000−19178号公報
【特許文献4】特開平10−251273号公報
【特許文献5】特開平10−87433号公報
【特許文献6】特開2004−2398号公報
【非特許文献1】香粧品科学研究開発専門誌・フレブランスジャーナル・2000年11月15日・第28巻第11号通巻241号第23〜48頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、前記従来の化粧品による効能は、特定のオゾン水による効能を利用したもので、ケイ素化合物の持つ皮膚組織に対する直接的な効能を期待することは出来ないものである。
【0006】
又、前記ケイ素化合物の皮膚組織に対する直接的な効能を効果的に達成し得る化粧品自体についても単に応用性のみの存在にとどまるもので具体的な開発は全くされていないのが現状である。
【0007】
さらに、前記特許文献2〜6についてもケイ素化合物としての皮膚組織に対する効能が完全に達成されるものであることについての実証はされていないものである。
【0008】
因って、本発明はこれらの点に鑑みて開発されたもので、特に皮膚の角層を軟化させ、肌の新陳代謝を活発化するとともに皮膚の血行を高め皮膚機能を正常化する等の間接的な効能を有する酸素水の効能をケイ素化合物の皮膚組織に対する直接的な効能を的確に作用させる補助的な作用として活用することによりケイ素化合物本来の効能を有効に得られる化粧品の開発に成功したものである。
【0009】
又、同時に前記酸素水が有する皮膚組織に対する効能も、当然相乗的な効能として得られる化粧品を提供することができるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の課題を達成するための手段となる請求項1の発明は、水をイオン交換樹脂及び/又は活性炭により処理した、比電導度約15〜35μU/cu、PH約7.2〜7.4の範囲の精製水にオゾン含有空気を吸収せしめて得た、PH約7.5〜8.0、酸素溶存量約8〜11ppmの範囲の恒pH性の酸素水にケイ素化合物を配合するとともに、これに化粧料基材を配合した事を特徴とする化粧品である。
【0011】
又、請求項2の発明は、前記ケイ素化合物として、アルギン酸メチルシラルエステル、アルギン酸メチルシラノールエステル/カフェイン、ジメシルシランジオール・ブチレングリコール・トリエタノールアミン、ブチルシラノール・ヒアルロン酸縮合液、サリチル酸シランジオール、アスパラギン酸・モノヒドカキシプロリンモノメチルシラノール酸液、メチルシラノール・乳酸縮合液のうちの一つ又は複数の有機ケイ素化合物を配合したことを特徴とする請求項1記載の化粧品である。
【0012】
請求項3の発明は、前記ケイ素化合物として、海藻エキス、スギナエキス、その他の天然シラノールを配合したことを特徴とする請求項1記載の化粧品である。
【0013】
請求項4の発明は、前記精製水に吸収せしめるオゾン含有空気として、容器内に間隔を置いて配置されたスペーサを挟むように網状電極が配置され、かつ該電極に電圧が印加されている放電装置中に空気を通すことにより得たオゾン空気であることを特徴とする請求項1記載の化粧品である。
【0014】
更に、請求項5の発明は、水をイオン交換樹脂及び/又は活性炭により処理した、比電導度約15〜35μU/cu、PH約7.2〜7.4の範囲の精製水にオゾン含有空気を吸収せしめて得た、PH約7.5〜8.0、酸素溶存量約8〜11ppmの範囲の恒pH性の酸素水にケイ素化合物を配合するとともに、これに化粧料基材を配合する事を特徴とする請求項1から4記載の化粧品の製造方法である。
【発明の効果】
【0015】
先ず、皮膚とケイ素については、 前記した引用文献において開示され、ケイ素は結合組織の構造的要素であり人間の正常な発達に必須であるとともに有機珪素は細胞代謝と分裂を正常化するものであって、細胞増殖に対する細胞刺激剤および細胞調整剤である点から、皮膚組織におけるケイ素の減少が皮膚組織の破壊により皮膚の老化につながることが明白にされている。
【0016】
又、皮膚の塑性および弾力性は皮膚の水分量に依存し、健康な皮膚が柔軟で、弾力性があり、衝撃、微生物の侵入、攻撃に対する保護の役割を果たしている。
【0017】
従って、この皮膚の保湿を得るためにケイ素誘導体が有用で、シラノールが多数の一連の有機ケイ素として注目された。
【0018】
表皮および角質層の水分含量は外部の物理的条件に依存しているが、特に水分とクリコサミノグリカンとの熱力学的平衡にも依存している。
【0019】
真皮および表皮の深い層は、ヒトの組織の平均値と同じ割合である60〜70%の水分を、角質層は通常10〜15%の水分を含んでいる。
【0020】
これに対して、正常な条件のもとでは、およそ600ml/24時間と見積もられる感知できない水分損失があり、皮膚が十分に手入れされないと、皮膚のバリヤが表皮を保護できなくなり、細胞間セメントが密でなくなるとすぐに水分は容易に逃げ去ってしまう。
【0021】
従って、皮膚を保湿するという概念は、香粧品学上、根本的なものになっている。
老化に関連した変動は全ての真皮構造、特に、個体の年齢を考慮して分解および減速した速度で再生されるグリコサミノグリカンに影響を与え、皮膚の水和は混乱することになる。従って、皮膚の水和は細胞代謝に関連した生物学的現象である。皮膚細胞は多孔質の水の貯蔵所であり、恒久的な交換が存在している。保湿性の制御は表面の親水脂質膜、細胞間セメントおよびNMFの3つの用により確保される。
【0022】
細胞代謝が混乱し、破壊され、皮膚が十分に水和されなくなった場合、古典的な保湿剤では持続した水和を再構築することができない。それらは表層のみでの水和剤にすぎないからである。SILANOLSはシラノール型の水酸基集団であるため、水和剤と言える。結合水の形で組織中に水分を保持する能力のゆえに、SILANOLSは従来の保湿剤と異なり、表皮や真皮にとっての生物学的保湿剤と見なすことができる。直接的な結合と水素結合間での恒久的な交換が存在するため、SILANOLSの構造は不安定である。ヒドロキシル基は水分子の組織を創りあげ、その結果重要な水和球を構築する。結合していると考えることができるこの水は、実際に皮膚のために利用でき、皮膚に対してスペア水を提供する。インピーダンスや誘電率の測定、SILANOLS的用語の弾力性測定によるヒトの皮膚水和に関するin vivo試験によっても、正常な平衡状態に戻すSILANOLSの保湿作用が証明されている。
【0023】
6人の被験者についてプラセボゲル、D.S.H Cを10%含むゲルおよび想到する量のグリコサミノグリカンとヒアルロン酸を含むゲルを、前腕に2回/日、2週間塗布し、経時的に皮膚水分量を測定した。皮膚水分量は、皮膚のFT−IRスペクトルのC=OバンドとN−Hバンドの比より求めた。D.S.H Cは皮膚を非常によく保湿し、水酸基に富んだシラノール構造が自由水と結合水の両者と水素結合を構築し、表皮中に熱力学的平衡を創りあげている。シラノール構造をもたない添加物に比較してその保湿性は有意に高く、その効果は長時間継続することが明確に示された。
【0024】
SILANOLSはメチルシラノール基を水分子基本骨格として、これを安定化するために種々の官能基を付加した化合物の総称である。分子内に多くの水酸基をもつことが特徴であり、この水酸基に水素結合や共有結合によって多くの水分子を保持することができる。従って、その共通的な性質として皮膚の水和を維持することによる生物学的保湿剤としての機能をもっている。
【0025】
その作用機序は従来の吸湿を主体とする保湿剤とは根本的に異なっている。また、SILANOLSは皮膚から吸収することも確認されており、その官能基の種類により1)細胞賦活性作用、2)再組織化作用、3)抗ラジカル作用、4)抗グリケーション作用、5)抗炎症作用、6)脂肪分解作用などの多彩な活性を示すことが確認されている。
【0026】
SILANOLSの一般的性質
SILANOLSはいくつかの主要な特性を示し、皮膚の老化に対向するために特に適するような構造になっている。そして、生体、特に皮膚に対して有機ケイ素(生物学的に利用できるケイ素)を供給している。
【0027】
1)構造的活性成分:SILANOLSは構造構成要素として細胞マトリックス中に含まれており、細胞外マトリックスの混乱によって引き起こされる代謝的変質に対して非常に有効に作用する。
2)機能的活性成分:SILANOLSは老化した結合組織において変化する組織代謝の調節、組織の”恒常性”の修復および細胞伝達にかかわっている。
【0028】
SILANOLSの主要な性質は以下の通りである。
−老化防止作用(引き締め、コウフリーラジカル、シワ防止、抗グリケーションなど)
−保湿作用
−引き締め作用
−抗セリュライト作用
−鎮静作用
【0029】
SILANOLSの抗ラジカルおよび抗グリーション作用
SILANOLSを含むin vitro細胞培養は、乳酸デヒドロゲナーゼ試験に示されるようにフリーラジカル攻撃に対する良好な耐性を示す。
【0030】
(a)SILANOLSは間接的な抗ラジカル作用をもっている
SILANOLSはフリーラジカルに対して直接的には作用しないが、細胞培養で実施されたESR研究によれば、オーダーパラメーターが増加するに従って細胞膜脂質の組織化は改善することが示されている。
細胞膜は老化における特別な標的として知られている。SILANOLSはその細胞間膜の再組織化を促進することにより、細胞膜をラジカルの攻撃から守り、老化による栄起用を受けにくくする。
その標的とする抗ラジカル作用により、SILANOLSは細胞膜(細胞や組織の活力に関して不可欠な役割がよく知られている)の安定化剤として作用する。
【0031】
(b)SILANOLSは酸化的ラジカルベンジャーである(抗グリケーション)
糖尿病患者において実施されたCeramiの研究は、グリケーションおよびタンパク質網状化現象におけるグルコースの関与を証明している。皮膚の老化や糖尿病患者における早期白内障の原因であるこれら網状化は、程度は低いが非糖尿病の全てのヒトにも存在している。コラーゲンのグリケーションは内因的な生理学的老化に伴いゆっくりと進行している。
【0032】
グルコース酸化物質(glucosone)による酸素の脱活性化の試験に因れば、タンパク質のある特異的部位を示すことおよび酸化的構造と反応することによりSILANOLSはこれらの化学反応を防ぐことが示されました。
【0033】
ALGISUM Cまたは最新のALGISUM CのようなSILANOLSは、タンパク質のグリケーションに関係する老化の防止に肘用に効果的であるように思われた。
【0034】
非特異的免疫調節
老化とともに、メッセンジャーによって行われる細胞伝達とも呼ばれる細胞間の上方移動は変化する。SILANOLSは正常な細胞伝達の修復およびその結果起こる免疫調節過程(皮膚構造の完全性を維持する際の重要性がよく知られている)にかかわってくる。
【0035】
SILANOLSがレセプターが位置している細胞膜にその作用の優先サイトを持っていることをすでに述べた。
【0036】
また、SILANOLSはサイトカインや他の細胞情報伝達の水準変化を引き起こすことができる。
【0037】
細胞分裂過程におけるSILANOLSの制御的役割はすでに証明されている。
そこで細胞膜に対する特異的作用、細胞伝達物質(インターロイキン、プロスタグランジンなど)の基底レベルの変動および細胞分裂において誘起される制御により、SILANOLSは皮膚がその自然の防御を強化することを助けるために、非特異的皮膚の免疫調節において作用できるのではないかと思われる。
【0038】
脂肪分解
cAMPに対する間接作用および細胞伝達のメカニズムの両方にかかわるSILANOLSの脂肪分解作用は、in vitroおよびin vivoで証明されている。SILANOLSによる通常作用は、ラジカルによる作用により完結される。ALGISIUM CおよびCAFEISILANE Cは脂肪分解を促進し、分子や濃度に依存してその程度を変化させる。
【0039】
SILANOLSは、その多様な生物学的活性(保湿性、皮膚の抗老化作用、抗炎症作用)を有することにより、スリミング化粧品への応用についても有効であることが証明できる。
【0040】
有機ケイ素は結合組織の構造的元素であり、グリコサミノグリカン連鎖(コラーゲンやエラスチン繊維を細胞外マトリックス中の細胞と組み立てる働きをもつ)を改善することにより組織ネットワークに参加している。
【0041】
有機ケイ素のこれら誘導体のすべては、個々の化粧品の目的に対して二重の働きを持っている。ひとつは、全てのSILANOLS中に存在するケイ素元素(Si)の働きで、結合組織を修復し、再生し、保湿、老化防止、シワ防止のような化粧品的な有効性をより高めることであり、もうひとつは、結合組織に対するその親和性により、安定化しているラジカルの浸透性を高めることである。
【0042】
SILANOLSの一例と主要特性
・ALGISIUM C
INCI名:Methylsilanol mannuronate/成分コード:532275(アルギン酸メチルシラノールエステル)
機能:老化防止、(引き締め、抗グリケーション)、抗セリュライト(身体と顔の引き締め)、鎮静、保湿
【0043】
・CAFEISILANE C
INCI名:Siloxanetiol alginate (and) caffeine (and)butylene glycol
成分コード:532275/001196(アルギン酸メチルシラノールエステル/カフェイン)
機能:保湿、脂肪分解(身体及び顔の引き締め用)、抗セリュライト
【0044】
・CAPILLISIL
INCI名:dimethylsilanediol (and)Butylene Glycol (and)Triethanoleamine
使用前例あり(ジメチルシランジオール・ブチレングリコール・トリエタノールアミン)
機能:保湿、組織再生、抗炎症
【0045】
・D.S.H CN
INCI名:Dimethylsilanol hyaluronate
成分コード:532260(ジメチルシランジオール・ヒアルロン酸縮合液)
機能:保湿、細胞賦活
【0046】
・D.S.B.C
INCI名:Silanediol salicylate
使用前例あり(サリチル酸シランジオール)
機能:保湿、鎮静、抗炎症、抗フリーラジカル
【0047】
・HYDROXYPROLISILANE CN
INCI名:Methylsilanol hydoroxyproline aspartate
成分コード:532273(アスパラギン酸・モノヒドロキシプロリンモノメチルシラノール塩液)
機能:コラーゲンの再構築、抗セリュライト、引き締め
【0048】
・LASILIUM
INCI名:Sodium Iactate methylsilanol
成分コード:532245(メチルシラノール・乳酸縮合液)
機能:保湿、組織再生、抗炎症、老化防止
【0049】
・PHYKOSIL 2000
INCI名:Asparagopsis armate extract
成分コード:522025(海藻エキス(4))
機能:100%天然シラノール、老化防止、保湿、鎮静
【0050】
・PROTEOSILANE C
INCI名:Methylsilanol elastinate
成分コード:532264(メチルシラノール・加水分解エラスチン縮合液)
機能:へ質、繊維芽細胞増殖促進、引き締め
【0051】
・PRO DSB
INCI名:Dimethyl Oxobenzo Dioxasilane
使用前例あり(ジメチルオキソベンゾジオキザシラン)
機能:保湿、組織再生、抗炎症
以上の点は従来の技術にての引用文献に於いて、ケイ素の効能が明白にされているところでもある。
【0052】
そして、また前記シラノールが化粧品のスキンケア、ヘアケア、サンケなどのあらゆる領域への効能が直接的に得られることが明白にされ、以下の点にその効能のキーポイントとなる点も明白にされている。
【0053】
(a)皮膚組織に対する保湿作用
結合組織の水分含量を正常化し、弾力繊維の柔軟性を維持する。
(b)皮膚組織を再構築し、老化を防止する。
脂質過酸化グリケーション、皮膚組織の分解、皮膚深部での脱水和を防止する。
(c)皮膚代謝を刺激し、正常化する作用
細胞機能を高め、その代謝を正常化する。
【0054】
因って、以上の皮膚に対するケイ素の効能をさらに効果的に前記した恒酸素水が間接的に皮膚組織に、その効能を作用することによって、助長かつ相乗的に作用せしめることができるものである。
【0055】
すなわち、前記した水をイオン交換樹脂及び/又は活性炭により処理し、非伝導約15〜35μU/cm、pH約7.2〜7.4の範囲にある精製水にオゾン含有空気を吸収せしめることにより、pH約7.5〜8.0、酸素溶存量約8〜11ppmの範囲にある恒pH性の酸素水が皮膚の角層を軟化させ、肌の新陳代謝を活発化するとともに決行を高めることにより前記ケイ素の効能をより効果的に発揮する。
【0056】
しかも前記したように前記恒pH酸素水自体も化粧品等について、以下のような効能の得られる点が明らかにされている。
【0057】
すなわち、前記恒pH性の酸素水は、美容及び健康上の各種用途に供することができ、例えば美容用スチーマに適用した場合には、角層を軟化させ、毛孔から皮脂や汚れを拭きたたせ、正常化する作用容易にすると同時に、皮膚にうるおいを与え、肌の新陳代謝を活発にするのに役立つ。また、マイナスイオンは皮膚の血行を高め、自律神経の機能を調整し、血液をアルカリ性化して細胞機能を賦活するから、肌の老化予防やトラブル解消に積極的に作用し、また皮膚機能を正常化する結果、脱毛予防や育毛にも極めて効果がある。
【0058】
従って、化粧水、クリーム、ローション、洗浄料、ヘヤートニック等の化粧品の他に、医療用にも例えば筋心縮症布薬等各種の用途に供することができる。そして、化粧水等の基礎化粧品に使用した場合には、皮膚の新陳代謝を活発にすることにより、皮膚機能を正常に戻すと共に、皮膚に柔軟性、弾力性、滑らかさを付与し、また血液の循環がよくなことにより、皮膚の色、艶が良くなり、さらに日焼け、肌荒れ等の皮膚のトラブルに対してはそれを治癒し、シミ、ソバカス等もよくなる。化粧水に使用する場合の酸素水は、溶存酸素量8〜8.5ppmのものが好ましい。また、本発明に係る毛発揚化粧品は、上記作用の他に、頭皮のトラブルをなくし育毛し易い状態を作り、従って白髪の発生がなくなるなどの効果がある。頭髪用化粧品に使用する酸素水は、酸素溶存量8.5〜10ppmのものが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
以下、本発明の実施の形態を以下の化粧品に適用した製造方法とともに説明する。尚、%は重量%を示す。
【実施例1】
【0060】
(トーニングローション)
(a)アルコール 8.00%
酸素水 25.70%
を混合溶解する。
(b)1.3−ブチレングリコール 9.00%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.10%
酸素水 50.00%
を混合撹拌する。この混合液(b)に上記(a)の混合液を加えて撹拌し、さらに
ヒアルロン酸Na1%液 4.00%
水溶性コラーゲン液(サメ) 2.00%
ダイズエキス 0.50%
VC−PMG 0.10%
アロエベラエキス 0.50%
キューカンバーエキス 0.10%
を加えて撹拌・濾過後に容器に充填し、製品とする。
【実施例2】
【0061】
(ヘアートニック)
(a)アルコール 15.00%
酸素水 40.40%
を混合溶解する。
(b)グリチルリチン酸ジカリウム 0.10%
アミノ酸混合液 2.50%
センブリエキス 0.50%
ニンニクエキス 1.00%
サンショウエキス 0.50%
酸素水 40.00%
を混合撹拌する。この混合液(b)に上記(a)の混合液を加え撹拌し、濾過した後容器に充填
し、製品とする。
【実施例3】
【0062】
(モイスチャーローション)
(a)スクワラン 0.10%
水酸化レシチン 0.20%
を85℃にて加熱溶解する。
(b)1.3−ブチレングリコール 4.50%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.10%
酸素水 82.90%
を75℃にて加熱溶解する。
次に、(a)の混合液を撹拌しながら温度72℃で上記(b)の混合液を少量づつ加えながら撹拌する。
(c)トレハロース 7.00%
海藻エキス 0.50%
シルクエキス 0.10%
ホエイエキス 0.10%
ヒアルロン酸ナトリウム液 4.50%
さらに冷却しながら撹拌し、40℃以下で上記(c)を加えて混合撹拌する。
その後25℃になった時に撹拌を止め、放冷後容器に充填し製品とする。
【実施例4】
【0063】
(モイスチャークリーム)
(a)スクワラン 5.00%
ホホバ油 2.50%
ベヘニルアルコール 2.00%
ステアリン酸 1.50%
天然ビタミンE 0.10%
水素添加卵黄レシチン 0.10%
を85℃にて加熱溶解する。
(b)1.3−ブチレングリコール 4.00%
酸素水 70.60%
を75℃にて加熱溶解する。
次に、(a)の混合液を撹拌しながら温度72℃で上記(b)の混合液を少量づつ加えながら撹拌する。
(c)水酸化カリウム 0.20%
酸素水 10.00%
さらに(c)を加えて中和し40℃以下で
(d)ヒアルロン酸ナトリウム液 4.00%
上記(c)を加えて冷却しながら撹拌し、25℃になった時に撹拌を止め、放冷後容器に充填し製品とする。
【実施例5】
【0064】
(エッセンス<ドライ>)
(a)セラミド 0.01%
天然ビタミンE 0.01%
水酸化レシチン 0.20%
を90℃にて加熱溶解する。
(b)濃グリセリン 10.00%
1.3−ブチレングリコール 8.50%
酸素水 49.48%
を75℃にて加熱溶解する。
次に、(a)の混合液を撹拌しながら温度72℃で上記(b)の混合液を少量づつ加えながら撹拌する。
(c)アルコール 4.00%
酸素水 10.00%
さらに上記(c)を加えて撹拌する。
(d)水酸化カリウム 0.10%
酸素水 10.00%
その後上記(d)を加えて中和し
(e)ヒアルロン酸ナトリウム液 5.00%
加水分解コラーゲン液 2.50%
ホエイエキス 0.10%
ローズマリーエキス 0.10%
その後40℃以下で上記(e)を加え混合撹拌し、25℃以下になった時に撹拌を止め、放冷後容器に充填し製品とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水をイオン交換樹脂及び/又は活性炭により処理した、比電導度約15〜35μU/cu、PH約7.2〜7.4の範囲の精製水にオゾン含有空気を吸収せしめて得た、PH約7.5〜8.0、酸素溶存量約8〜11ppmの範囲の恒pH性の酸素水にケイ素化合物を配合するとともに、これに化粧料基材を配合した事を特徴とする化粧品。
【請求項2】
前記ケイ素化合物は、アルギン酸メチルシラルエステル、アルギン酸メチルシラノールエステル/カフェイン、ジメシルシランジオール・ブチレングリコール・トリエタノールアミン、ブチルシラノール・ヒアルロン酸縮合液、サリチル酸シランジオール、アスパラギン酸・モノヒドカキシプロリンモノメチルシラノール酸液、メチルシラノール・乳酸縮合液のうちの一つ又は複数の有機ケイ素化合物を配合したことを特徴とする請求項1記載の化粧品。
【請求項3】
前記ケイ素化合物は、海藻エキス、スギナエキス、その他の天然シラノールを配合したことを特徴とする請求項1記載の化粧品。
【請求項4】
前記精製水に吸収せしめるオゾン含有空気は、容器内に間隔を置いて配置されたスペーサを挟むように網状電極が配置され、かつ該電極に電圧が印加されている放電装置中に空気を通すことにより得たオゾン空気であることを特徴とする請求項1記載の化粧品。
【請求項5】
水をイオン交換樹脂及び/又は活性炭により処理した、比電導度約15〜35μU/cu、PH約7.2〜7.4の範囲の精製水にオゾン含有空気を吸収せしめて得た、PH約7.5〜8.0、酸素溶存量約8〜11ppmの範囲の恒pH性の酸素水にケイ素化合物を配合するとともに、これに化粧料基材を配合する事を特徴とする請求項1から4記載の化粧品の製造方法。

【公開番号】特開2006−176429(P2006−176429A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−370454(P2004−370454)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(397019955)ステファニー化粧品株式会社 (2)
【Fターム(参考)】