説明

化粧品の成分として使用される組織培養培地

本発明は、都合よく水性無血清培地である組織細胞培養培地、特に皮膚細胞培養培地を含有する化粧用もしくは皮膚科学的調製物に関する。本発明の調製物は、好ましくは無水投与形態物で、健康な、炎症を起こしたおよび/もしくは罹患した皮膚への使用のために、スキンケア、ヘアケアおよびボディケア製品における使用に適している。調製物はまた、インビトロ、エクスビボおよびインビボにおいて皮膚細胞を維持すること、培養することおよびケアすることに用いることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組織培養培地、特に皮膚細胞培養培地、特に含水無血清培地を含んでなる化粧用(cosmetic)もしくは皮膚科学的(dermatological)調製物、ならびにスキンケア、ヘアケアおよびボディケアのための調製物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
血液循環、リンパ系ならびに細胞内および細胞外組織液のような、種々の循環が人体の環境内に存在する。これらの種々の「輸送媒体」におけるその無機および生物有機成分を有する溶媒水の組成は同じであり、そして非常に単純化して、塩、アミノ酸、ビタミン、糖、タンパク質および複合タンパク質、ならびに微量元素に基づく。進化の過程で、我々の体は、我々の多細胞体の複雑系生命を実際に可能にする、「伝達網」(“communication networks”)および栄養的戦略(nutritional strategis)、ならびに異化対同化プロセスの平衡をこれらの流動体内に生み出すことを習得した。
【0003】
細胞がこの連関から取り除かれる場合、それらは体内の自然生存条件にできるだけ近づく「環境」において培養されなければならない。このための必要条件は、栄養の供給および離れた所への輸送、ならびに必須因子の存在である。
【0004】
これらの環境は、細胞培養培地として知られている。大部分は液体の培地は、微生物もしくは細胞が増殖するのを可能にする。原則として、細胞培養培地の組成は、増殖させる細胞の必要条件によって決まる。純物質に基づいてその成分が正確に既知である合成培地とその正確な組成が異なる可能性がありそして部分的に正確に既知ではない天然培地を区別する。細胞培養培地は、水に加えて、通常は炭素源および窒素源、リン酸化合物および硫黄化合物、ならびにミネラルおよび必要に応じて成長促進物質もしくはビタミンを含んでなる。
【0005】
培地の組成が適当である場合、細胞は増殖しそして「in situ」で細胞から生存に必要な因子を生産することができる。従って、適当な間隔で培地を交換することにより、組織内の「定常状態」(“steady state”)条件を調整することが可能である。
【0006】
細胞の優れた増殖をもたらすために、血清が高い頻度で細胞培養培地に加えられる。血清は天然産物であり、そして仔ウシ、ウシ、ブタ、ヤギ、ウマの血清から、そしてまたヒト血清からも得られる。これらの血清は種々の生体分子の複雑な混合物であり、その機能性は特定の種に合わせて調整される。それらは、例えば、ホルモン、接着因子、アミノ酸などを含んでなる。存在する個々の因子は、血清源の由来によって多様であり、従って、個々の血清間のバッチでさえ、かなり異なることもある。従って、使用する血清の組成をその後のバッチにより再現することができないので、生物学的実験をそれ故に再現できないこともある。
【0007】
さらに、血清は高価であり、不十分にしか生物学的に標準化できず、そして加熱殺菌ができない。さらに、スキンケアおよび皮膚科学のための製品内の動物血清の使用は、ウイルス不純物が除かれないので望ましくない。従って、血清を含有しない培地で間に合わせようと試みられる。無血清培養培地は、制御されそして定義された条件下で細胞を培養することを可能にし、その結果、血清組成のバリエーションに起因する好ましくない影響が除かれる。さらに、ウイルスおよび細菌での細胞培養物の汚染は、無血清培地の使用で減
少される。
【0008】
特に皮膚細胞は、特に穏やかに(gently)そして長期間生かし続けることができ、そして培養培地内の成分を最適化することにより増殖しそして1次元、2次元および3次元培養物において分化するように誘導することさえできることが既知である。適当な培地はまたin situでの増殖因子の生産も可能にすることを示すこともまた可能であり、これらのいわゆる「ならし培地」(“conditioned media”)は、増殖もしくは分化を促進する細胞培養添加剤として用いられる。
【0009】
角化表皮は、皮膚の防御シールドを形成する。この機能が最適に発揮されるためには、皮膚細胞(ケラチノサイト)はいわゆる表皮分化のプロセスを通過することが必要である。基底層における細胞の分裂後に、ケラチノサイトは皮膚表面に移動し、そしてそれらが死んだ扁平無核角質細胞として角質層(horny layer)(角質層(stratum corneum))を形成するまでこの間に多数の変化を受け、そして最終的にはがれ落ちる。表皮分化の間に、特定の機能を有する種々のタンパク質の形成がある。これらには、とりわけ、ケラチン、インボルクリン、フィラグリンおよびトランスグルタミナーゼが包含される。表皮および角質層の最適な形成には、これらのタンパク質が協調的にそして十分な量で形成されることが必要である。
【0010】
先行技術は、皮膚の障害を補うかもしくは少なくとも減少するのに役立つ多数の化粧品、スキンケア調製物もしくは創傷治癒調製物を開示する。
【0011】
従って、例えば、老化皮膚は、表皮における基底細胞の増殖の刺激によって、表皮を厚くすることおよびそれ故に皮膚を滑らかにすることをもたらす主としてビタミンA誘導体もしくはヒドロキシ酸で美容的に処置される。さらに最近の方法は、乾燥皮膚もしくは老化皮膚に存在しないかもしくは減少した量で存在するタンパク質の標的置換、または乾燥皮膚においてもしくは加齢に伴って支障をきたす代謝プロセスへの間接的介入を、それらを正常化するために含む。ここで挙げることができる例は、しわを減らす目的でのコラーゲン合成の刺激である。さらに、例えば、ラミニン、皮膚細胞の寿命を延ばすための物質およびある種の抽出物は、表皮分化を刺激するために使用される。しかしながら、これらのいくつかは、副作用の高い可能性を有する薬理学的活性物質である。
【0012】
先行技術から既知である調製物のいずれも、ある程度の有害な副作用もしくは少なくとも好ましくない副作用を有することなしに皮膚がそれ自体再生することを可能にしない。非常に多くの場合に、これは標的器官で生物製薬学的有効濃度を達成するために使用されなければならない活性物質の高い濃度のためである。皮膚標的器官で、皮膚防壁は活性物質の皮膚効果を妨げる。皮膚防壁を変えることは皮膚の増加した感受性をもたらし得るので、特に皮膚用製品の場合に、付随する皮膚炎は典型的でないことはない。
【0013】
敏感な皮膚は、ホメオスタシスの調節障害に基づくことが多い。ここで、脂質もしくはメッセンジャーのいずれかは、仮にあったとしても、不十分な量で生産される。これは減少した本来備わっている防御に、そして皮膚の増加した感受性につながる。
【0014】
さらに、例えば熱傷のような皮膚損傷の場合に、皮膚の上層は不可逆的に破壊され、この場合、残存する細胞が最短時間内に健康な組織結合を再生できることが可能にされなければならない。これは適当な条件を必要とする。
【発明の開示】
【0015】
本発明の目的は、必須の無機および/もしくは有機バイオファクターの皮膚への供給を改善することである。従って、本発明の目的は、有害な副作用もしくは好ましくない副作
用が生じることなしに皮膚がそれ自体再生できることを可能にする化粧用もしくは皮膚科学的調製物を提供することである。本発明のさらなる目的は、先行技術の質を高めそしてスキンケア、ヘアケアおよびボディケアに、そしてまた皮膚炎および熱傷の処置に用いることができる調製物を提供することである。
【0016】
記載の目的は、メインクレームに対応する化粧用もしくは皮膚科学的調製物により達成される。従属請求項は、本発明の調製物の都合のよい態様に関する。さらに、本発明には、皮膚疾患の処置のためのそしてスキンケア、ヘアケアおよび頭皮ケアのためのそのような調製物の使用が包含される。
【0017】
1種もしくはそれ以上の組織(特に皮膚)細胞培養培地を含んでなる化粧用および/もしくは皮膚科学的調製物が記載の目的を達成することは驚くべきことであり、そして当業者により予測不可能であった。器官型皮膚培養物を培養するためにそして繊維芽細胞およびケラチノサイトを培養するために適当である皮膚細胞培養培地は、化粧用および/もしくは皮膚用調製物における使用に都合がよいと考えられることが、多数の実験により示されることができている。特に、培地が、単独でもしくは混合物において、ハムF10、ハムF12もしくはMCDB、特にDMEM/ハムF−12(1:1)および/もしくはMCDB153から選択される調製物は、特に都合がよいと指定されている。
【0018】
特に、無血清調製物は、先行技術において記載される不都合な点を回避する。
【0019】
細胞培養培地は、全てのタイプの組織に、これを培養するために、増殖を助けるかもしくは組織に都合のよい効果を及ぼすために原則として適していることが実験により示されている。
【0020】
組織培養培地という用語は、組織、特に皮膚細胞がその中でもしくはその上で増殖しそして/もしくは培養されることができる全ての液体、半固形もしくは固形培地またはミネラル成分、ビタミン、酵素、タンパク質、複合タンパク質もしくは微量成分の混合物を意味すると当業者により理解される。従って、本発明の組織培養培地は、全てのタイプの皮膚細胞を培養するために、またメラニン細胞、ランゲルハンス細胞、メルケル細胞などのような、皮膚における非皮膚由来の細胞を培養するためにも特に適している。本発明によれば、組織は好ましくは皮膚細胞組織であると考えられる。従って、本発明の皮膚細胞培養培地には、以下の組織:
1.繊維芽細胞、ケラチノサイト細胞、ケラチノサイトと繊維芽細胞との共培養物、繊維芽細胞/ケラチノサイトと免疫細胞、メラニン細胞などのようなさらなる皮膚関連細胞との共培養物
2.3次元皮膚モデルを作製するための培養培地
3.免疫応答性3次元皮膚モデルを作製するための培養培地
4.特に熱傷の処置のための、残存する皮膚細胞を新たに培養する目的の、インビトロ、エクスビボおよびインビボにおける健康なヒト皮膚
5.適切な場合に皮膚の罹患領域の切除後の、皮膚の健康な再生の目的の、インビトロ、エクスビボおよびインビボにおける罹患ヒト皮膚
6.下腿潰瘍、打撲傷および熱傷の場合に残存する細胞から皮膚を再生する目的の、インビトロ、エクスビボおよびインビボにおける損傷を受けたヒト皮膚
を培養するために、それらの個々の成分の組成に関して、適当である培地が包含される。
【0021】
皮膚関連培養培地の使用は、インビボで欠損皮膚機能の自系の健全なそして個々の再生をもたらす。例えば、皮膚の再生、皮膚の張りあるいは単にスキンケアへの貢献のみを著しく改善することができる。
【0022】
原則として、全ての組織(特に皮膚)細胞培養培地は、化粧用調製物における使用に適している。しかしながら、特に適当であり、従って、本発明に従うのは、皮膚炎および熱傷を処置するために、皮膚細胞もしくは皮膚関連細胞を培養するために文献において用いられる皮膚細胞培養培地である。特に、広範囲熱傷後の残存細胞を培養するための培地は、局所用調製物の使用後に、非常に都合のよい効果、すなわち、健康な皮膚の、開始状態の迅速な無痛の回復を示す。
【0023】
本発明の都合のよい皮膚細胞培養培地はまた、単独でもしくは混合培養物において繊維芽細胞もしくはケラチノサイトの保存および新生を可能にする培地でもある。無機もしくは有機バイオファクターの細胞培養培地の成分の比率は、それらがインビボ、エクスビボおよびインビボにおける皮膚細胞の保存、培養およびケアに適当であるように選択される。
【0024】
特に、いわゆる無血清培地は、ケラチノサイトの細胞画分が、最適化されたホメオスタシスの意味でポジティブな方向に影響を受ける場合に都合がよいと判明している。
【0025】
驚くべきことに、皮膚細胞を培養するための皮膚細胞培養培地を含んでなる本発明の化粧用もしくは皮膚科学的調製物は、ヒト皮膚自体の中もしくは上で、ホメオスタシスおよびオートポイエーシスのために皮膚を使用する機序を活性化できることを示すことが可能であった。これに関して、繊維芽細胞およびケラチノサイト関連増殖培地の混合物を直接もしくは適当な小胞技術において使用し、そして医学的/製薬学的目的および化粧用目的に用いることが可能である。適当な小胞系は、ここで好ましくは、例えばリポソームもしくはシクロデキストリン調製物、および流動体もしくは固体脂質に基づくマイクロエマルジョンもしくはナノエマルジョンのような膜系である。これらの小胞使用の利点は、培地を皮膚防壁にもしくはそれを通ってそれらの表皮もしくは真皮作用部位でもたらすことである。
【0026】
皮膚細胞培養培地および小胞技術、特に化粧用エマルジョン調製物のこの組み合わせは、皮膚の効率のよい処置およびケアを実際に初めて保証する。特定の、特に無血清の、皮膚細胞培養培地の供給のこの相乗的組み合わせ、適当な局所用調製物における導入および皮膚へのこれらの調製物の使用によって、皮膚がそれ自体再生すること、および健全な流動平衡、ホメオスタシスにおいて維持されること、およびまたオートポイエーシスを刺激することを可能にする最適条件が作り出される。
【0027】
Maturana/Varela定義によれば、オートポイエーシス(autopoiesis)は、一方で生物系にとって厳密な自立性を意味し、もう一方でこの概念は生物系とそれらの環境との間の相互連結の強さおよび程度を強調する。オートポイエーシス系は構造的に決定され、すなわち、それらは相互作用する培地および他の生物系に構造的に連結している。皮膚では、このオートポイエーシスは、環境条件および栄養供給が適切である場合にそれ自体からの永続的な健全な再生を意味する。まさにこれらの条件および供給は、本発明の調製物により提供される。
【0028】
本発明によれば、示す濃度範囲内で以下の成分を含んでなる組織培養培地が特に好ましい:
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
表に示す成分を含んでなる組織培養培地を含んでなる化粧用調製物は、提示する目的を満たし、そして皮膚疾患の処置のためにそしてスキンケア、ヘアケアおよび頭皮ケアのた
めに非常に適している。
【0032】
皮膚細胞培養培地DMEM/ハムF−12(1:1)およびMCDB153もまた、化粧用調製物における本発明の使用にここで特に適している。
【0033】
しかしながら、これらの調製物の個々の適応は有益である。これに関して、これらの適応は、血清代用品組成を変えることもしくは培地成分の濃度の比率を変えることによることにあることができる。さらに、塩化コリン、対応するセレニウム塩などを無視して調製される改変の全てが可能である。
【0034】
Barnes D.and Sato G.;Anal.Biochem 102,255[1980]からの文献情報によれば、DMEM/ハムF−12(1:1)は1:1混合物であり、ハムF−12培地の栄養分含有量は、ダルベッコMEM(DMEM=ダルベッコ改変イーグル培地)を加えることにより増加される。この培地は、例えばエリスロポエチンのようなヒトタンパク質用の細胞系を培養するための基本である。
【0035】
DMEM/ハムF−12(1:1)は、以下の組成を有する(mg/l単位のデータ):
NaCl 6999.5 L-ロイシン 59
KCl 311.8 L-リシンHCl 91.25
Na2HPO4 71 L-メチオニン 17.24
Na2HPO4-H2O 62.5 L-フェニルアラニン 35.5
MgSO4-7H2O 100 L-プロリン 17.25
MgCl2-6H2O 61 L-セリン 26.25
CaCl2 116.61 L-トレオニン 53.5
Fe(NO3)3-9H2O 0.05 L-トリプトファン 9
FeSO4-7H2O 0.417 L-チロシン 38.7
CuSO4-5H2O 0.00125 L-バリン 52.85
ZnSO4-7H2O 0.432
D-グルコース 3151 塩化コリン 9
NaHCO3 2438 α-ビオチン 0.00365
ピルビン酸Na 55 葉酸 2.65
フェノールレッド 12.5 D-パントテン酸Ca 2.24
ミオイノシトール 12.6
L-アラニン 4.5 ニコチンアミド 2.02
L-アルギニンHCl 147.5 ピリドキシカル(Pyridoxcal)HCl 2
L-アスパラギン-H2O 7.5 ピリドキシンHCl 0.031
L-アスパラギン酸 6.65 リボフラビン 0.22
L-システインHCl 15.75 チアミンHCl 2.17
L-システイン 24 ビタミンB12 0.68
L-グルタミン 365.3 ヒポキサンチン 2.05
L-グルタミン酸 7.35 チミジン 0.37
グリシン 18.75 リポ酸 0.11
L-ヒスチジンHCl-H2O 31.5 リノール酸 0.042
L-イソロイシン 54.5 プトレシン2HCl 0.081
【0036】
文献引例Barnes D.and Sato G.;Anal.Biochem 102,255[1980]によれば、MCDB153はヒトケラチノサイトを培養するために用いられる。また、最小培地として3.5〜8のpH値を有するPBS、リン酸緩衝食塩水。
【0037】
MCDB153は、以下の組成を有する(mg/l):
NaCl 7599 塩化コリン 13.96
KCl 111.83 プトレシン 0.1611
酢酸ナトリウム-3H2O 500 ビタミン1312 4.07
Na2HPO4-7H2O 536.2 ビオチン 0.0146
MgCl2-6H2O 122 パントテン酸カルシウム 0.258
CaCl2-2H2O 4.411 ニコチンアミド 0.03663
グルコース 1081 ピリドキシンHCl 0.06171
ピルビン酸ナトリウム 55 チアミンHCl 0.3373
NaHCO3 1176 アデニン 24.32
フェノールレッド 1.317 ミオイノシトール 18.02
HEPES 6600 リポ酸 0.2063
チミジン 0.7266
L-アラニン 8.91 葉酸 0.79
L-アルギニンHCl 210.7 リボフラビン 0.03764
L-アスパラギン 15.01
L-アスパラギン酸 3.99 CuSO4-5H2O 0.0002496
L-システインHCl-H2O 42.04 FeSO4-7H2O 1.39
L-グルタミン 877.2 MnSO4-5H2O 0.000241
L-グルタミン酸 14.71 (NH4)6Mo7O24-4H2O 0.001236
グリシン 7.51 NiCl2-6H2O 0.0001188
L-ヒスチジンHCl-H2O 16.77 H2SeO3 0.003869
L-イソロイシン 1.968 Na2SiO3-9H2O 0.1421
L-ロイシン 65.6 SnCl2-2H2O 0.0001128
L-リシンHCl 18.27 NH4VO3 0.000585
L-メチオニン 4.476 ZnSO4-7H2O 0.144
L-フェニルアラニン 4.956
L-プロリン 34.53
L-セリン 63.06
L-トレオニン 11.91
L-トリプトファン 3.06
L-チロシン 2.718
L-バリン 35.13
【0038】
DMEM/ハムF−12(1:1)およびMCDB153倍地の利点は、特に選択されそして単層の培養に適当である化粧用もしくは皮膚科学的調製物において、それらが2次元のそして器官型の皮膚モデル、ならびに皮膚特異的生体機能のインビトロおよびエクスビボ刺激もしくは保存を可能にすることである。
【0039】
組織(特に皮膚)細胞培養培地は、化粧用もしくは皮膚科学的調製物における水相の成分として容易に用いることができ、また、それらが調製物の水相を完全に置換することも可能である。
【0040】
従って、組織培養培地の比率は、化粧用調製物の総質量に基づいて、0.1〜100重量%、好ましくは1〜50重量%、非常に特に好ましくは40重量%である。
【0041】
従って、本発明によれば、100重量%の皮膚細胞培養培地、例えば上記のようなMCDB153からなる水性調製物は、化粧用調製物として用いられる。
【0042】
ここで、これらの培地はそのままでまたは例えばSeromedからの「血清代用品A」もしくは「血清代用品B」のような関連血清代用因子との混合物において用いることができる。血清代用品は、プロテオグリカン、糖タンパク質、コラーゲン、キチン誘導体(キトサン)もしくは例えばキトサン/コンドロイチン−6−硫酸/コラーゲンのようなその混合物または細胞培養物における必須因子の刺激を最適化することができる植物皮膚機能性誘導剤の群からの浸透圧調節剤により用いられることができる。適当な血清代用品はまた、例えば、Seromedからの血清代用品Aのような微量元素ならびに/もしくは例えばコラーゲン、コンドロイチン−6−硫酸およびキトサンのような細胞外マトリックス物質の添加でもある。
【0043】
これらの培地および適切な場合に例えば熱傷に使用される「キトサン/コンドロイチン−6−硫酸/コラーゲン」(Damour et al.,1986)のような血清代用品(SES)の混合物を含んでなる調製物は、罹患した、炎症を起こしたもしくはわずかに損傷を受けた皮膚に特に優れた効果を示す。
【0044】
特に都合のよい組み合わせは、細胞に栄養分を与える培養培地、好ましくはコラーゲン、50%までのアセチル化度を有するキトサンおよびグリコシルアミノグリカンを含んでなる細胞マトリックスを有する全てのタイプの皮膚もしくは角膜培養物の培養のための培地の連結にある。グリコシルアミノグリカンは、コンドロイチン−4−硫酸および/もしくはコンドロイチン−6−硫酸から選択される。従って、コラーゲン、50%まで、好ましくは40%までのアセチル化度を有するアセチル化キトサンおよびコンドロイチン硫酸を含んでなる調製物が特に好ましい。コラーゲンは、好ましくは、3型、1型、4型および/もしくは5型またはその混合物の群から選択される海洋性コラーゲンから得られる。そのままか、化粧用調製物との混合物におけるかもしくはポリウレタンマトリックスに導入されるこの組み合わせは、皮膚再生、スキンケアおよび創傷治癒に関して非常に有効であると判明している。本発明は、個々の細胞(真皮および表皮)からの皮膚もしくは部分皮膚の再生、ならびに創傷治癒の間の完全な皮膚再生および/または瘢痕組織の予防もしくは減少のための損傷組織へのインビトロで前培養したこのゲルマトリックスの導入を可能にする。本発明はまた、局所使用で皮膚の再生に理想的な環境(マトリックス)も提供する。
【0045】
マトリックスの製造は、EP296078に記述されている。EP296078の開示内容は、その全部が本発明に本明細書によって組み込まれる。
【0046】
EP296078に記述されているマトリックスはまた、海洋性および/もしくは合成原料源によりその全部が得られることもでき、そして特許EP296078におけるのと同じ結果をもたらすことは、新規であり、そして当業者により予測不可能であり、従って、本発明に基づく。
【0047】
さらに、培地に血清代用品として都合よく以下の組成物AもしくはBの溶液を加えることが可能であり、溶液の濃度は、用途により0.1から10000μgまで異なることが可能である。
【0048】
溶液A 溶液B
成分(1000×) μM 成分(1000×) μM
FeSO4-7H2O 3000 0.01MのHCl中のヒトインシュリン 86
ZnSO4-7H2O 3000
CoCl2-6H2O 1000
CuSO4-5H2O 10
Na2SeO3 10
AlCl3-6H2O 5
CrK(SO4)2-12H2O 1.4
NiCl3-6H2O 1
MnCl2-4H2O 1
EDTA.Na2-2H2O 30000
ポリソルベート80VG 3820
【0049】
血清代用品は、好ましくは浸透圧調節因子として用いられる。
【0050】
文献における情報によれば、液体培地は、通常、高純度のパイロジェンフリーの水を用いて調製され、これは欧州薬局方のWFI品質(注射用水)に対応する。液体培地は濾過により滅菌され、そして瓶に詰められ、製造の系および方法は、内毒素および微生物の侵入が実質的に排除されるようにである。しかしながら、高純度のパイロジェンフリーの水に加えて、純粋天然水を用いることもまた可能である。
【0051】
例えば塩化コリンの有無、HSeOの有無のような、培地組成をたとえ変えても、本発明の培地は皮膚再生に関して有益な特性を有する。
【0052】
適切な場合、グルタミンおよび/もしくは安定化グルタミン、安定化グルタミンN−アセチル−アラニルグルタミンを培地に加えることができる。これらの組み合わせもまた、利点を有する。
【0053】
組織(特に皮膚)細胞培養培地および適切な場合に添加剤は、調製物の総質量に基づいて、99.9重量%までの量で化粧用もしくは皮膚用調製物に混合される。
【0054】
有利には、例えば「スポンジ」(“sponges”)もしくはパウダーの形態の、無水使用形態、従って皮膚細胞培養培地の100%の使用もまた、皮膚処置のために可能であることができる。
【0055】
使用の分野および処置する組織により、当業者は、培地成分を改変することにより、培養条件の強化および最適化に到達することが可能である。従って、培養条件は、標準培地と比較して改変された形態の成分およびそれらの画分を用いることにより特定の目的に個々に適応することができる。
【0056】
化粧用もしくは皮膚科学的調製物は、微細分布(fine distribution)でそして好ましくは皮膚により吸収されることができる形態で皮膚に該培地を使用するために適当な局所用調製物を意味すると理解される。ここで適当であるのは、例えば、水性および水性−アルコール性溶液、スプレー、フォーム、フォームエアロゾル、軟膏、水性ゲル、O/W、W/OもしくはW/O/Wタイプのエマルジョン、マイクロエマルジョンまたは化粧用スティック調製物である。特に好ましい担体は、水性ゲル、O/Wエマルジョンもしくはマイクロエマルジョンである。本発明の目的のために、調製物はまた例えば石鹸、シャワーバス、シャンプーなどのようなボディクレンジング組成物において用いることもできる。
【0057】
化粧用配合物は、特にO/Wエマルジョンである。
【0058】
化粧品において既知である脂質の全てを油相もしくは脂質相として用いることができる。
【0059】
本開示の目的のために、「脂質」という表現は、当業者に完全によく知られているよう
に、脂肪、油、ロウなどの総称として用いられる。「油相」および「脂質相」という用語もまた、同意語として用いられる。
【0060】
適当な極性油は、例えば、レシチンおよび脂肪酸トリグリセリド、すなわち、8〜24個、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/もしくは不飽和の分枝鎖状および/もしくは非分枝鎖状アルカンカルボン酸のトリグリセロールエステルの群からのものである。例えば、脂肪酸トリグリセリドは、例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、ダイズ油、ピーナッツ油、菜種油、扁桃油、ヤシ油、ココナッツ油、ヒマシ油、コムギ胚芽油、グレープシード油、アザミ油、月見草油、マカダミアナッツ油などのような、合成、半合成および天然の油の群から都合よく選択することができる。
【0061】
本発明の目的のために特に都合のよい極性脂質は、例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、ダイズ油、ピーナッツ油、菜種油、扁桃油、ヤシ油、ココナッツ油、ヒマシ油、コムギ胚芽油、グレープシード油、アザミ油、月見草油、マカダミアナッツ油、トウモロコシ胚芽油、アボカド油などのような全ての天然脂質、および以下に記載するものである。
【0062】
【表3】

【0063】
さらに、油相はジアルキルエーテルの群、飽和もしくは不飽和の分枝鎖状もしくは非分枝鎖状アルコールの群から都合よく選択することができる。油相が安息香酸C12〜15−アルキルの含有量を有するかもしくはこれから完全になる場合に特に都合がよい。
【0064】
さらに、油相はGuerbetアルコールの群から都合よく選択することができる。Guerbetアルコールは、それらの製造を初めて記述したMarcel Guerbetにちなんで名付けられる。それらは、アルデヒドを生成せしめるためのアルコールの酸化、アルデヒドのアルドール縮合、アルドールからの水の除去およびアリルアルデヒドの水素化により、反応式
【0065】
【化1】

【0066】
に従って形成される。Guerbetアルコールは低温でさえ液体であり、そして皮膚炎を実質的に引き起こさない。それらは、スキンケアおよびヘアケア組成物においてファッティング(fatting)、スーパーファッティング(superfatting)およびまたリファッティング(refatting)成分として都合よく用いることができる。
【0067】
化粧品におけるGuerbetアルコールの使用は、それ自体が既知である。その場合に、そのような種は大部分の場合において構造
【0068】
【化2】

【0069】
を特徴とする。ここで、RおよびRは、通常、非分枝鎖状アルキル基である。
【0070】
本発明によれば、Guerbetアルコールもしくは複数のアルコールは、
=プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルもしくはオクチル、そして
=ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシルもしくはテトラデシル
の群から選択される。
【0071】
本発明に従って好ましいGuerbetアルコールは、2−ブチルオクタノール(これは、化学構造
【0072】
【化3】

【0073】
を有し、そして例えばCondea Chemie GmbHから商標名Isofol
12で入手可能である)および2−ヘキシルデカノール(これは、化学構造
【0074】
【化4】

【0075】
を有し、そして例えばCondea Chemie GmbHから商標名Isofol
16で入手可能である)である。本発明のGuerbetアルコールの混合物もまた、本発明に従って都合よく用いられる。2−ブチルオクタノールと2−ヘキシルデカノールとの混合物は、例えば、Condea Chemie GmbHから商標名Isofol 14で入手可能である。
【0076】
完成した化粧用もしくは皮膚科学的調製物におけるGuerbetアルコールの総量は、調製物の総質量に基づいて、25.0重量%まで、好ましくは0.5〜15.0重量%の範囲から都合よく選択される。
【0077】
そのような油およびロウ成分の任意の所望の混合物もまた、本発明の目的のために都合よく用いられる。ある場合には、油相の唯一の脂質成分としてロウ、例えばパルミチン酸セチルを用いることもまた好都合であり得る。
【0078】
本発明の目的のために特に都合のよい中間極性脂質は、以下に記載する物質である:
【0079】
【表4】

【0080】
【表5】

【0081】
非極性油は、例えば、分枝鎖状および非分枝鎖状炭化水素および炭化水素ロウ、特にワセリン(ペトロラタム)、パラフィン油、スクアランおよびスクアレン、ポリオレフィンならびに水素化ポリイソブテンの群から選択されるものである。ポリオレフィンの中で、ポリデセンが好ましい物質である。
【0082】
本発明の目的のために特に都合のよい非極性脂質は、以下に記載する物質である:
【0083】
【表6】

【0084】
【表7】

【0085】
しかしながら、より高いおよびより低い極性などを有する脂質の混合物を使用することもまた都合がよい。例えば、油相は、分枝鎖状および非分枝鎖状炭化水素および炭化水素ロウ、ジアルキルエーテルの群、飽和もしくは不飽和の分枝鎖状もしくは非分枝鎖状アルコール、および脂肪酸トリグリセリド、すなわち、8〜24個、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/もしくは不飽和の分枝鎖状および/もしくは非分枝鎖状アルカンカルボン酸のトリグリセロールエステルの群から都合よく選択することができる。脂肪酸トリグリセリドは、主請求項において必要とされる条件が守られるならば、例えば、合成、半合成および天然の油、例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、ダイズ油、ピーナッツ油、菜種油、扁桃油、ヤシ油、ココナッツ油、パーム核油などの群から都合よく選択することができる。
【0086】
本発明に従って都合よく用いられる脂肪および/もしくはロウ成分は、植物ロウ、動物ロウ、鉱ロウおよび石油化学ロウの群から選択することができる。本発明によれば、主請求項において必要とされる条件が守られるならば、例えば、カンデリラロウ、カルナバロウ、日本ロウ、アフリカハネガヤロウ、コルクワックス、グアルマロウ(guaruma
wax)、コメ胚芽油ロウ、サトウキビロウ、ベリーロウ、オウリクリロウ(ouricury wax)、モンタンロウ、ホホバロウ、シアバター、蜜ロウ、シェラックロウ、鯨ロウ、ラノリン(羊毛脂)、尾隆起グリース(uropygial grease)、セレシン、オゾケライト(地ロウ)パラフィンロウおよびマイクロワックスが好ましい。
【0087】
さらなる都合のよい脂肪および/もしくはロウ成分は、例えば、CRODA GmbHから商標名Syncrowax HRC(トリベヘン酸グリセリル)およびSyncro
wax AW 1C(C18〜36−脂肪酸)で入手可能なもの、およびモンタンエステルロウ、サソールロウ(sasole waxes)、水素化ホホバロウ、合成もしくは改変された蜜ロウ(例えば、ジメチコンコポリオール蜜ロウおよび/もしくはC30〜50−アルキル蜜ロウ)、ポリアルキレンロウ、ポリエチレングリコールロウのような、化学的に改変されたロウおよび合成ロウ、さらに例えば水素化植物油(例えば、水素化ヒマシ油および/もしくは水素化ココナッツ脂肪グリセリド)、例えばトリヒドロキシステアリンのようなトリグリセリド、脂肪酸、例えばステアリン酸C20〜40−アルキル、ヒドロキシステアロイルステアリン酸C20〜40−アルキルおよび/もしくはモンタン酸グリコールのような脂肪酸エステルおよびグリコールエステルのような化学的に改変された脂肪である。さらに、同様に好都合であるのは、主請求項において必要とされる条件が守られるならば、例えばステアロキシトリメチルシランのような、該脂肪および/もしくはロウ成分と同様の物理的性質を有するある種の有機ケイ素化合物である。
【0088】
本発明によれば、脂肪および/もしくはロウ成分は、個々にもしくは混合物として存在することができる。そのような油およびロウ成分の任意の所望の混合物もまた、本発明の目的のために都合よく用いられる。
【0089】
油相は、主請求項において必要とされる条件が守られるならば、イソステアリン酸2−エチルヘキシル、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソトリデシル、ジカプリル酸/ジカプリン酸ブチレングリコール、ヤシ油脂肪酸2−エチルヘキシル、安息香酸C12〜15−アルキル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ジカプリリルエーテルよりなる群から都合よく選択される。
【0090】
オクチルドデカノール、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ジカプリリルエーテル、炭酸ジカプリリル、ココグリセリドの混合物、もしくは安息香酸C12〜15−アルキルおよびイソステアリン酸2−エチルヘキシルの混合物、安息香酸C12〜15−アルキルおよびジカプリル酸/ジカプリン酸ブチレングリコールの混合物、ならびに安息香酸C12〜15−アルキル、イソステアリン酸2−エチルヘキシルおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物は、主請求項において必要とされる条件が守られるならば、特に都合がよい。
【0091】
炭化水素のうち、パラフィン油、シクロパラフィン、スクアラン、スクアレン、水素化ポリイソブテンおよびポリデセンは、本発明の目的のために都合よく用いられる。
【0092】
本開示の目的のために「シリコーン油」とも呼ばれる、環状および/もしくは直鎖状シリコーンの群から部分的にもしくは完全に本発明の調製物の油相を選択することは同様に好都合であり得る。そのようなシリコーンもしくはシリコーン油は、以下のような構造要素:
【0093】
【化5】

【0094】
を一般に特徴とするモノマーの形態であることができる。
【0095】
シリコーン油は、ケイ素原子が鎖状および/もしくは格子状の形で酸素原子を介して連
結されそしてケイ素の残りの原子価が炭化水素基(とりわけ、大部分の場合においてメチル基、頻度は低いがエチル、プロピル、フェニル基)により飽和されている高分子量合成ポリマー化合物である。
【0096】
本発明に従って都合よく用いられる複数のシロキシル単位を有する直鎖状シリコーンは、以下のような構造要素:
【0097】
【化6】

【0098】
を一般に特徴とし、ここで、ケイ素原子は、基R〜Rにより一般用語でここに示される、同一のもしくは異なるアルキル基および/もしくはアリール基により置換されることができる(すなわち、異なる基の数は、必ずしも4までに限定されない)。mはここで2〜200000からの値と仮定することができる。
【0099】
体系的に、直鎖状シリコーン油はポリオルガノシロキサンと呼ばれ;量に関してこの群の最も重要な化合物に相当しそして以下の構造式
【0100】
【化7】

【0101】
を特徴とするメチル置換されたポリオルガノシロキサンはまた、ポリジメチルシロキサンもしくはジメチコン(INCI)とも呼ばれる。ジメチコンは、様々な鎖長および様々な分子量を有する。様々な鎖長のジメチコンおよびフェニルトリメチコンは、本発明の目的のために特に都合のよい直鎖状シリコーン油である。
【0102】
本発明の目的のために特に都合のよいポリオルガノシロキサンはまた、例えば、Th.Goldschmidtから商標名ABIL10〜10000で入手可能である、例えばジメチルポリシロキサン[ポリ(ジメチルシロキサン)]である。また好都合であるのは、フェニルメチルポリシロキサン(INCI:フェニルジメチコン、フェニルトリメチコン)、INCIに従ってシクロメチコンとも呼ばれる環状シリコーン(オクタメチルシクロテトラシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサン)、アミノ変性シリコーン(INCI:アモジメチコン)およびシリコーンロウ、例えばポリシロキサン−ポリアルキレンコポリマー(INCI:ステアリルジメチコンおよびセチルジメチコン)およびジアルコキシジメチルポリシロキサン(ステアロキシジメチコンおよびベヘノキシステアリルジメチコン)であり、これらはTh.Goldschmidtから様々なAbil W
ax等級として入手可能である。
【0103】
また、本発明の目的のために特に好都合であるのは、以下に記載するシリコーン油である:
【0104】
【表8】

【0105】
本発明に従って都合よく用いられる環状シリコーンは、以下のような構造要素
【0106】
【化8】

【0107】
を一般に特徴とし、ここで、ケイ素原子は、基R〜Rにより一般用語でここに表される、同一のもしくは異なるアルキル基および/もしくはアリール基で置換されることができる(すなわち、異なる基の数は、必ずしも4までに限定されない)。nはここで3/2〜20からの値と仮定することができる。nの分数値は、奇数のシロキシル基が環に存在し得ることを考慮する。
【0108】
本発明の目的のために特に都合のよい環状シリコーン油は、シクロメチコン、特にシクロメチコンD5および/もしくはシクロメチコンD6である。
【0109】
本発明の目的のために都合のよいシリコーン油およびシリコーンロウは、環状および/もしくは直鎖状シリコーン油およびシリコーンロウである。
【0110】
約1:1(一般にx:y)であるように脂質:シリコーン油の比率を選択することは、本発明の目的のために特に都合がよい。
【0111】
フェニルトリメチコンは、シリコーン油として都合よく選択される。他のシリコーン油、例えばジメチコン、フェニルジメチコン、シクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、セチルジメチコン、ベヘノキシジメチコンもまた、本発明の目的のために都合よく用いられる。
【0112】
また好都合であるのは、シクロメチコンとイソノナン酸イソトリデシルとの混合物、およびシクロメチコンとイソステアリン酸2−エチルヘキシルとのものである。
【0113】
しかしながら、その有機側鎖が誘導体化される、例えばポリエトキシル化されそして/もしくはポリプロポキシル化される上記の化合物と同様の構造のシリコーン油を選択することもまた都合がよい。これらには、例えば、セチルジメチコンコポリオール、およびセチルジメチコンコポリオール(および)ポリグリセリル−4−イソステアレート(および)ラウリン酸ヘキシルのような、ポリシロキサン−ポリアルキル−ポリエーテルコポリマーが包含される。
【0114】
エマルジョンの形態である本発明の調製物は、1つもしくはそれ以上の乳化剤を含んでなる。これらの乳化剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性もしくは両性乳化剤の群から都合よく選択することができる。
【0115】
非イオン性乳化剤には、
a)多価アルコールの部分脂肪酸エステルおよび脂肪酸エステルならびにそのエトキシル化誘導体(例えば、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン、クエン酸ステアリルグリセリル、ショ糖ステアリン酸エステル)
b)エトキシル化脂肪アルコールおよび脂肪酸
c)エトキシル化脂肪アミン、脂肪酸アミド、脂肪酸アルキルアミド
d)アルキルフェノールポリグリコールエーテル(例えばTriton X)
が包含される。
【0116】
陰イオン性乳化剤には、
a)石鹸(例えばステアリン酸ナトリウム)
b)脂肪アルコール硫酸エステル
c)モノ−、ジ−およびトリアルキルリン酸エステルおよびそのエトキシレート
が包含される。
【0117】
陽イオン性乳化剤には、
a)長鎖脂肪族基を有する第四級アンモニウム化合物、例えば塩化ジステアリルジモニウム
が包含される。
【0118】
両性乳化剤には、
a)アルキルアミノアルカンカルボン酸
b)ベタイン、スルホベタイン
c)イミダゾリン誘導体
が包含される。
【0119】
また、天然に存在する乳化剤もあり、これらには蜜ロウ、羊毛脂、レシチンおよびステロールが包含される。
【0120】
O/W乳化剤は、例えば、ポリエトキシル化もしくはポリプロポキシル化もしくはポリ
エトキシル化およびポリプロポキシル化生成物、例えば:
−脂肪アルコールエトキシレート
−エトキシル化羊毛脂アルコール
−一般式R−O−(−CH−CH−O−)−R’のポリエチレングリコールエーテル
−一般式R−COO−(−CH−CH−O−)−Hの脂肪酸エトキシレート
−一般式R−COO−(−CH−CH−O−)−R’のエーテル化脂肪酸エトキシレート
−一般式R−COO−(−CH−CH−O−)−C(O)−R’のエステル化脂肪酸エトキシレート
−ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル
−エトキシル化ソルビタンエステル
−コレステロールエトキシレート
−エトキシル化トリグリセリド
−一般式R−O−(−CH−CH−O−)−CH−COOHのそしてnは5〜30の数であるアルキルエーテルカルボン酸
−ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル
−一般式R−O−(−CH−CH−O−)−SO−Hのアルキルエーテル硫酸エステル
−一般式R−O−(−CH−CH(CH)−O−)−Hの脂肪アルコールプロポキシレート
−一般式R−O−(−CH−CH(CH)−O−)−R’のポリプロピレングリコールエーテル
−プロポキシル化羊毛脂アルコール
−エーテル化脂肪酸プロポキシレートR−COO−(−CH−CH(CH)−O−)−R’
−一般式R−COO−(−CH−CH(CH)−O−)−C(O)−R’のエステル化脂肪酸プロポキシレート
−一般式R−COO−(−CH−CH(CH)−O−)−Hの脂肪酸プロポキシレート
−ポリプロピレングリコールグリセロール脂肪酸エステル
−プロポキシル化ソルビタンエステル
−コレステロールプロポキシレート
−プロポキシル化トリグリセリド
−一般式R−O−(−CH−CH(CH)−O−)−CH−COOHのアルキルエーテルカルボン酸
−アルキルエーテル硫酸エステルおよびこれらの硫酸エステルが基づきそして一般式R−O−(−CH−CH(CH)−O−)−SO−Hの酸
−一般式R−O−X−Y−Hの脂肪アルコールエトキシレート/プロポキシレート
−一般式R−O−X−Y−R’のポリプロピレングリコールエーテル
−一般式R−COO−X−Y−R’のエーテル化脂肪酸プロポキシレート
−一般式R−COO−X−Y−Hの脂肪酸エトキシレート/プロポキシレート
の群から都合よく選択することができる。
【0121】
本発明によれば、使用するポリエトキシル化もしくはポリプロポキシル化もしくはポリエトキシル化およびポリプロポキシル化O/W乳化剤は、O/W乳化剤が飽和基RおよびR’を有する場合に、11〜18のHLB値を有する、非常に特に好都合には14.5〜15.5のHLB値を有する物質の群から特に都合よく選択される。O/W乳化剤が不飽和基Rおよび/もしくはR’を有する場合、またはイソアルキル誘導体が存在する場合、そのような乳化剤の好ましいHLB値はまた、より低いかもしくはより高い可能性もある

【0122】
エトキシル化ステアリルアルコール、セチルアルコール、セチルステアリルアルコール(セテアリルアルコール)の群から脂肪アルコールエトキシレートを選択することは都合がよい。ポリエチレングリコール(13)ステアリルエーテル(ステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)ステアリルエーテル(ステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)ステアリルエーテル(ステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)ステアリルエーテル(ステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)ステアリルエーテル(ステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)ステアリルエーテル(ステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)ステアリルエーテル(ステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)ステアリルエーテル(ステアレス−20)、
ポリエチレングリコール(12)イソステアリルエーテル(イソステアレス−12)、ポリエチレングリコール(13)イソステアリルエーテル(イソステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソステアリルエーテル(イソステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソステアリルエーテル(イソステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソステアリルエーテル(イソステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソステアリルエーテル(イソステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソステアリルエーテル(イソステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソステアリルエーテル(イソステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソステアリルエーテル(イソステアレス−20)、
ポリエチレングリコール(13)セチルエーテル(セテス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルエーテル(セテス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルエーテル(セテス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルエーテル(セテス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルエーテル(セテス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルエーテル(セテス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルエーテル(セテス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルエーテル(セテス−20)、
ポリエチレングリコール(13)イソセチルエーテル(イソセテス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソセチルエーテル(イソセテス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソセチルエーテル(イソセテス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソセチルエーテル(イソセテス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソセチルエーテル(イソセテス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソセチルエーテル(イソセテス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソセチルエーテル(イソセテス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソセチルエーテル(イソセテス−20)、ポリエチレングリコール(12)オレイルエーテル(オレス−12)、ポリエチレングリコール(13)オレイルエーテル(オレス−13)、ポリエチレングリコール(14)オレイルエーテル(オレス−14)、ポリエチレングリコール(15)オレイルエーテル(オレス−15)、
ポリエチレングリコール(12)ラウリルエーテル(ラウレス−12)、ポリエチレングリコール(12)イソラウリルエーテル(イソラウレス−12)、
ポリエチレングリコール(13)セチルステアリルエーテル(セテアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルステアリルエーテル(セテアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルステアリルエーテル(セテアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルステアリルエーテル(セテアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルステアリルエーテル(セテアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルステアリルエーテル(セテアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルステアリルエーテル(セテアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルステアリルエーテル(セテアレス−20)
は特に好ましい。
【0123】
また、以下の群:
ステアリン酸ポリエチレングリコール(20)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(21)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(22)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(23)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(24)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(25)、
イソステアリン酸ポリエチレングリコール(12)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(13)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(14)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(15)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(16)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(17)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(18)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(19)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(20)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(21)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(22)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(23)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(24)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(25)、
オレイン酸ポリエチレングリコール(12)、オレイン酸ポリエチレングリコール(13)、オレイン酸ポリエチレングリコール(14)、オレイン酸ポリエチレングリコール(15)、オレイン酸ポリエチレングリコール(16)、オレイン酸ポリエチレングリコール(17)、オレイン酸ポリエチレングリコール(18)、オレイン酸ポリエチレングリコール(19)、オレイン酸ポリエチレングリコール(20)
から脂肪酸エトキシレートを選択することも都合がよい。
【0124】
都合よく用いることができるエトキシル化アルキルエーテルカルボン酸もしくはその塩は、ラウレス−11カルボン酸ナトリウムである。
【0125】
ラウレス1−4硫酸ナトリウムは、アルキルエーテル硫酸エステルとして用いることができる。
【0126】
都合よく用いることができるエトキシル化コレステロール誘導体は、ポリエチレングリコール(30)コレステロールエーテルである。ポリエチレングリコール(25)ソヤステロールもまた、有用であると判明している。
【0127】
都合よく用いることができるエトキシル化トリグリセリドは、ポリエチレングリコール(60)月見草グリセリドである。
【0128】
ポリエチレングリコール(20)ラウリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(21)ラウリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(22)ラウリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(23)ラウリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(6)グリセリルカプレート(caprate)/カプリネート(caprinate)、ポリエチレングリコール(20)オレイン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(20)イソステアリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(18)オレイン酸/ヤシ油脂肪酸グリセリルよりなる群からポリエチレングリコールグリセリル脂肪酸エステルを選択することもまた都合がよい。
【0129】
ポリエチレングリコール(20)モノラウリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール(20)モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール(20)モノイソステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール(20)モノパルミチン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール(20)モノオレイン酸ソルビタンよりなる群からソルビタンエステルを選択することは、同様に好ましい。
【0130】
用いることができる都合のよいW/O乳化剤は:8〜30個の炭素原子を有する脂肪アルコール、8〜24個、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/もしくは不飽和の分枝鎖状および/もしくは非分枝鎖状アルカンカルボン酸のモノグリセロールエステル、8〜24個、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/もしくは不飽和の分枝鎖状および/もしくは非分枝鎖状アルカンカルボン酸のジグリセロールエステル、8〜24個、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/もしくは不飽和の分枝鎖状および/もしくは非分枝鎖状アルコールのモノグリセロールエーテル、8〜24個、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/もしくは不飽和の分枝鎖状および/もしくは非分枝鎖状アルコールのジグリセロールエーテル、8〜24個、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/もしくは不飽和の分枝鎖状および/もしくは非分枝鎖状アルカンカルボン酸のプロピレングリコールエステル、ならびに8〜24個、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/もしくは不飽和の分枝鎖状および/もしくは非分枝鎖状アルカンカルボン酸のソルビタンエステルである。
【0131】
特に都合がよいW/O乳化剤は、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノイソステアリン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノカプリル酸ソルビタン、モノイソオレイン酸ソルビタン、ショ糖ジステアリン酸エステル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール、セラキルアルコール、キミルアルコール、ポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル(ステアレス−2)、モノラウリン酸グリセリル、グリセリルモノカプリネート(glyceryl monocaprinate)、モノカプリル酸グリセリルである。
【0132】
特定の乳化剤系を調製物に加えることができる。適当な乳化剤系は、好都合には、ステアレス−2、ステアレス21およびステアリン酸PEG−20−100である。
【0133】
水および生理学的に適当な溶媒に加えて、とりわけ、ケア成分、油、ロウ、脂肪、リファッティング物質、酸化防止剤、乳化剤、日焼け止めフィルターとして適当な物質、酵素、アミノ酸、タンパク質、多糖および/もしくは香料が存在することができる。本発明によれば、上記の物質のほかに、調製物は場合により化粧品において慣例の添加剤、例えば香料、染料、抗微生物物質、リファッティング剤、錯化剤および金属イオン封鎖剤、パール化剤(pearlizing agents)、植物抽出物、ビタミン、有効成分、防腐剤、殺菌剤、着色効果を有する色素、増粘剤、柔軟剤、保湿および/もしくは湿潤性物質、またはアルコール、ポリオール、ポリマー、気泡安定剤、電解質、有機溶媒もしくはシリコーン誘導体のような、化粧用もしくは皮膚科学的配合物の他の慣例の成分を含んでなってもよい。
【0134】
適当な調製物はまた、例えば、ポリウレタン調製物もしくは創傷被覆剤、キトサン/コラーゲン/コンドロイチン−6−硫酸スポンジもしくは溶液のような、専門的創傷包帯および/もしくは創傷治癒に用いることができるものでもある。
【0135】
皮膚細胞培養培地はまた、例えば、特にポリウレタンマトリックスのようなポリマーマトリックスに導入し、そして創傷被覆剤として用いることもできる。導入は、直接もしくは都合よく封入で実施することができる。適当な封入材料は当業者によく知られており、そして先行技術から既知である。
【0136】
加える酸化防止剤は、非常に低い耐量(例えばpmol〜μmol/kg)のアミノ酸(例えば、グリシン、リシン、アルギニン、システイン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質化合物のような)、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびその誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび/もしくは脂質化合物のような)、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシン、アンセリンのようなペプチドおよびその誘導体(例えば、塩、エステル、エーテル、糖、チオール、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質化合物のような)、カロテノイド、カロテン(例えば、α−カロテン、β−カロテン、ψ−リコピン、フィトエン)およびその誘導体(例えば、塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび/もしくは脂質化合物のような)、クロロゲン酸およびその誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、チオール、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび/もしくは脂質化合物のような)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、リポ酸、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンならびにそのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)ならびにその塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、チオール、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび/もしくは脂質化合物のような)、ならびにスルホキシミン化合物(例えば、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミン)よりなる群から都合よく選択される。また、(金属)キレート剤(例えば、アポフェリチン、デスフェラル、ラクトフェリン、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸)およびその誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、チオール、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび/もしくは脂質化合物のような)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えば、γ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、フルフリリデンソルビトールおよびその誘導体、ユビキノン、ユビキノール、プラストキノンおよびその誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、チオール、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質化合物のような)、ビタミンCおよび誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、ビタミンE酢酸エステル)、ならびに例えば、フラボノイド(例えば、グリコシルルチン、フェルラ酸、カフェー酸)、フルフリリデングルシトール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤ酸、ノルジヒドログアヤレチック酸、トリヒドロキシブチロフェノンおよびその誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質化合物のような)のような、フェノール性化合物およびこれらを含んでなる植物抽出物、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、チオール、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質化合物のような)、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレノメチオニン、エブセレン)、スチルベンおよび誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド)ならびにこれらの特定の有効成分の本発明に従って適当な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、チオール、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび/もしくは脂質化合物のような)。
【0137】
本発明の調製物におけるpH変動は無視できるほどに小さいので、バッファーの追加使用は必要ではない。ヒト皮膚への使用のために適当な値に対応する値への完成調製物のpH調整は、都合がよい。
【0138】
本発明の調製物は、既知の製造方法に従って例えばエマルジョンとして製造される。こ
こで、エマルジョンを最初に油相および水相から形成し、そして次に水性細胞培養培地相を加える。
【0139】
化粧用配合物への細胞培養培地の導入は、培地の熱不安定性のために、最大でも48℃で、好ましくは35℃未満で、理想的には30℃で行われるべきである。
【0140】
培地をゆっくりと加え、そして最大4〜5℃より大きい温度変動を避けるべきである。
【0141】
培地は都合よく保存され、そしてまた冷蔵庫温度でも使用され、これはある状況において結晶化および不均一性をもたらす可能性があるので、従って、製造中の過剰冷却を避ける。
【0142】
しかしながら、生産性(producibility)は特により高い温度でも可能であり、そして本発明の調製物は、約体温範囲の温度で用いる場合に特に有効である。
【0143】
先行技術からの化粧用調製物の不都合な点は、それらの不安定性および保存の問題である。これらは、例えば、ツインチャンバー系、カートリッジ包装もしくはマルチプルエマルジョン(multiple emulsions)のような、適当な調合技術の選択によって保証することができる。細胞培養培地は、W/O/W技術を安定させるために生理食塩水溶液と同程度に適当である。
【0144】
最初の試み、いわゆる、本発明の調製物の防腐剤負荷試験は、細菌の増加に影響を受けやすいことを示さなかった。美容的に慣例の使用濃度の防腐剤での試験を実施した。
表1は、使用する防腐剤のリストを示す。
【0145】
【表9】

【0146】
試験した配合物1−1、1−2、2−1、4−1は、O/Wエマルジョンおよびクレンジングローション(2−1)である。調製物1−1および2−1は、ケラチノサイト培地MCDB153を、調製物1−2および4−1はDMEM/ハムF−12を含んでなる。乳化剤系は、サンプル1−1および1−2で同一である。負荷試験の全ては陽性結果、すなわち、不安定性もしくは任意の種類の細菌の増加がないことを示した。
【0147】
本発明の調製物の優れた安定性にもかかわらず、それが細菌の増加に対する化粧品の最適な防御を与えるように化粧品の包装を選択することがそれでもなお望ましい。
【0148】
包装は、顧客による起こりうる再汚染を可能にしないように微生物学的ガイドラインに従って選択されるべきである。
【0149】
細胞培地を調製物の製造中にすぐに導入することができない問題のある配合物の場合、細胞培養培地および化粧品を使用直前に混合するという選択肢がある。これは、例えば2成分接着剤から既知であるように、例えばミキシングヘッドを有するツインカートリッジのような特別な包装要素により本発明に従って保証される。細胞培養培地の包装はまた、新しい製品のみが使用されるように補給されるために設計することもできる。これに関して、記載するように、粉末もしくは固体の皮膚細胞培養培地の使用もまた可能である。
【0150】
本発明の都合のよい実施例を以下に示す。定量的データは、他に記載されない限り、いつも、調製物の総質量に基づいて、重量パーセントをさす。
【実施例1】
【0151】
O/Wエマルジョン
水(アクア) 69%
このうちケラチノサイト培地MCDB153 40%
グリセロール 4.3%
水素化ココグリセリド 3.0%
スクアラン 2.5%
クエン酸ステアリン酸グリセリル 2.5%
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 2.5%
ヤシ油脂肪酸エチルヘキシル 2.3%
ミリスチルアルコール 2.2%
ブチロスパーマム・パーキー(シアバター) 2.0%
ブチレングリコール 2.0%
セチルアルコール 1.8%
酢酸トコフェリル 2.0%
フェノキシエタノール 0.74%
塩化ナトリウム 0.33%
イミダゾリジニル尿素 0.3%
カーボマー 0.26%
キサンタンゴム 0.2%
メチルパラベン 0.15%
EDTA 0.1%
水酸化ナトリウム 0.05%
BHT 0.05%
エチルパラベン 0.04%
ブチルパラベン 0.04%
イソプロピルパラベン 0.02%
プロピルパラベン 0.01%
【実施例2】
【0152】
W/O/Wエマルジョン
ステアリン酸PEG−100 2.00%
ステアリン酸グリセリル 4.00%
スクアラン 1.50%
スクアレン 1.50%
パルミチン酸イソプロピル 5.40%
硫酸マグネシウム 0.60%
防腐剤 0.50%
完全に脱塩した、水 100.00%まで
このうちDMEM/ハムF−12(1:1) 0.5%
【0153】
乳化剤を含んでなる脂肪相、培地を含んでなる画分のない水相を同様に80℃に加熱する。80℃で、両方の相を合わせ、約3〜10分間均質化し、そして次に48℃もしくは室温に冷却する。次に、±1℃の一定温度で、水画分を培地と混ぜ、そして混合する。それに従って以下の調製物を製造する。
【実施例3】
【0154】
ステアリン酸PEG−40 1.00%
ステアリン酸グリセリル 2.00%
セチルアルコール 3.00%
鉱油DAB9 2.00%
ベニバナ油 2.00%
パルミチン酸イソプロピル 4.50%
グリセロール 3.00%
硫酸マグネシウム 1.20%
防腐剤 0.50%
完全に脱塩した、水 100.00%まで
このうちDMEM/ハムF−12(1:1) 2.5%
【実施例4】
【0155】
ステアリン酸PEG−80 2.00%
セチルアルコール 3.00%
鉱油DAB9 1.50%
月見草油 2.50%
パルミチン酸イソプロピル 5.40%
プロピレングリコール 3.00%
塩化カリウム 0.60%
防腐剤 0.50%
完全に脱塩した、水 100.00%まで
このうちEMEM/ハムF−12(1:1) 5%
【実施例5】
【0156】
ステアレス−100 2.00%
ミリスチルアルコール 1.00%
鉱油DAB9 3.00%
ヒマシ油 3.00%
シクロメチコン 2.00%
プロピレングリコール 3.00%
グリセロール 5.00%
塩化カリウム 3.00%
防腐剤 0.50%
完全に脱塩した、水 100.00%まで
このうちMCDB153 0.5%
【実施例6】
【0157】
ステアレス−20 2.00%
セテアリル 3.00%
ワセリン 0.50%
コムギ胚芽油 1.50%
ジメチコン 5.00%
グリセロール 5.00%
塩化ナトリウム 3.00%
防腐剤 0.50%
完全に脱塩した、水 100.00%まで
このうちDMEM/ハムF−12(1:1) 15%
[実施例6a]
ジメチコンコポリオール 2.00%
セテアリルアルコール 3.00%
ワセリン 0.50%
コムギ胚芽油 1.50%
ジメチコン 5.00%
グリセロール 5.00%
塩化ナトリウム 3.00%
防腐剤 0.50%
完全に脱塩した、水 100.00%まで
このうちMCDB153 1.5%
【実施例7】
【0158】
ベヘン酸PEG−20 2.00%
ステアリルアルコール 3.00%
ワセリン 1.00%
グレープシード油 3.00%
ジメチコン 3.00%
ソルビトール 5.00%
硫酸亜鉛 3.00%
防腐剤 0.50%
完全に脱塩した、水 100.00%まで
このうちMCDB153 5%
[実施例7a]
デカグリン1−IS 2.00%
ステアリルアルコール 3.00%
ワセリン 1.00%
グレープシード油 3.00%
ジメチコン 3.00%
ソルビトール 5.00%
硫酸亜鉛 3.00%
防腐剤 0.50%
完全に脱塩した、水 100.00%まで
このうちMCDB153 40%
【実施例8】
【0159】
ミリスチン酸PEG−20 2.00%
ステアリルアルコール 3.00%
ワセリン 2.00%
ヒマシ油 5.00%
ジメチコン 5.00%
ソルビトール 5.00%
硫酸亜鉛 3.00%
防腐剤 0.50%
完全に脱塩した、水 100.00%まで
このうちMCDB153 0.1%
[実施例8a]
ショ糖ラウリン酸エステル 2.00%
ステアリルアルコール 3.00%
ワセリン 2.00%
ヒマシ油 5.00%
ジメチコン 5.00%
ソルビトール 5.00%
硫酸亜鉛 3.00%
防腐剤 0.50%
完全に脱塩した、水 100.00%まで
このうちMCDB153 12%
【実施例9】
【0160】
ベヘン酸PEG−80 2.00%
ベヘン酸グリセリル 4.00%
スクアラン 3.00%
ヒマシ油 5.40%
グリセロール 6.00%
硫酸マグネシウム 2.60%
防腐剤 0.50%
完全に脱塩した、水 100.00%まで
このうちMCDB153 8.5%
【実施例10】
【0161】
(O/Wエマルジョン)
重量%
クエン酸ステアリン酸グリセリル 3.00
ステアリルアルコール 1.00
オクチルドデカノール 1.00
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 1.00
ジカプリリルエーテル 1.00
カーボマー 0.15
グリセロール 3.00
香料、防腐剤、NaOH、染料、酸化防止剤など 適量
水 100.00まで
このうちDMEM/ハムF−12(1:1) 2.5%
pHを5.5に調整する
【実施例11】
【0162】
(O/Wエマルジョン)
重量%
クエン酸ステアリン酸グリセリル 3.00%
ステアリルアルコール 1.00%
オクチルドデカノール 0.25%
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 0.25%
ジカプリリルエーテル 0.25%
カーボマー 0.15%
グリセロール 3.00%
香料、防腐剤、NaOH、染料、酸化防止剤など 適量
水 100.00まで
このうちMCDB153 0.5%
pHを5.5に調整する
【実施例12】
【0163】
(O/Wエマルジョン)
重量%
クエン酸ステアリン酸グリセリル 3.00
ベヘニルアルコール 1.00
ジメチコン 1.50
シクロメチコン 1.50
カーボマー 0.15
グリセロール 6.00
香料、防腐剤、NaOH、染料、酸化防止剤など 適量
水 100.00まで
このうちDMEM/ハムF−12(1:1) 5%
pHを5.5に調整する
【実施例13】
【0164】
(O/Wエマルジョン)
重量%
クエン酸ステアリン酸グリセリル 3.00
ステアリルアルコール 1.00
オクチルドデカノール 0.25
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 0.25
ジカプリリルエーテル 0.25
ジメチコン 0.50
カーボマー 0.15
グリセロール 3.00
オクテニルコハク酸澱粉アルミニウム 0.50
タルク 0.50
ベントナイト 0.50
香料、防腐剤、NaOH、染料、酸化防止剤など 適量
水 100.00まで
このうちMCDB153 80%
pHを5.5に調整する
【実施例14】
【0165】
(O/Wエマルジョン)
重量%
クエン酸ステアリン酸グリセリル 3.00
セチルアルコール 1.00
スクアラン 1.00
ホホバ油 1.00
鉱物油 1.00
カーボマー 0.10
グリセロール 3.00
セリン 0.50
酢酸トコフェロール 1.00
カーボマー 0.10
キサンタンゴム 0.10
香料、防腐剤、NaOH、染料、酸化防止剤など 適量
水 100.00まで
このうちMCDB153 75.5%
pHを6.0に調整する
【実施例15】
【0166】
(O/Wエマルジョン)
重量%
クエン酸ステアリン酸グリセリル 3.00
セチルアルコール 0.50
オクチルドデカノール 0.40
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 0.40
ジカプリリルエーテル 0.40
カーボマー 0.10
グリセロール 3.00
セリン 0.50%
香料、防腐剤、NaOH、染料、酸化防止剤など 適量
水 100.00まで
このうちMCDB153 40%
pHを5.5に調整する
【実施例16】
【0167】
(エマルジョン化粧品)
重量%
クエン酸ステアリン酸グリセリル 3.00
ステアリルアルコール 1.00
ジメチコン 0.50
グリセロール 1.50
1,3−ブチレングリコール 1.50
ケイ酸マグネシウム 1.00
雲母 1.00
酸化鉄 1.00
二酸化チタン 2.50
タルク 5.00
カーボマー 0.15
香料、防腐剤、NaOH、染料、酸化防止剤など 適量
水 100.00まで
このうちMCDB153 20%
pHを5.5に調整する
【0168】
本実施例は、皮膚細胞培養培地を含んでなる化粧用調製物の本発明による都合のよい用途を強調して示す。調製物は化粧品として用いることができるので、それは、例えば熱傷の場合において、使用者がこれらを化粧的に隠すことを可能にし、そして同時に使用者は外部から見えることなしに損傷した皮膚の再生および回復に寄与する。
【実施例17】
【0169】
(O/Wエマルジョン)
重量%
クエン酸ステアリン酸グリセリル 3.00
ステアリルアルコール 1.00
オクチルドデカノール 0.25
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 0.25
ジカプリリルエーテル 0.25
メトキシ桂皮酸オクチル 4.00
ベンゾフェノン−3 3.00
サリチル酸オクチル 3.00
カーボマー 0.15
グリセロール 3.00
香料、防腐剤、NaOH、染料、酸化防止剤など 適量
水 100.00まで
このうちMCDB153 40%
pHを5.5に調整する
【実施例18】
【0170】
(O/Wエマルジョン)
重量%
クエン酸ステアリン酸グリセリル 3.00
ステアリルアルコール 1.00
オクチルドデカノール 0.50
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 0.50
ジカプリリルエーテル 0.50
リン酸ジスターチ(distarch phosphate) 1.00
エタノール 10.00
カーボマー 0.15
グリセロール 3.00
香料、防腐剤、NaOH、染料、酸化防止剤など 適量
水 100.00まで
このうちMCDB153 35%
pHを5.5に調整する
【実施例19】
【0171】
(乳化剤ゲル)
重量%
クエン酸ステアリン酸グリセリル 3.00
ステアリルアルコール 1.00
エタノール 2.00
オクテニルコハク酸澱粉アルミニウム 0.25
タルク 0.25
タピオカ澱粉 0.25
カーボマー 0.15
グリセロール 3.00
香料、防腐剤、NaOH、染料、酸化防止剤など 適量
水 100.00まで
このうちDMEM/ハムF−12(1:1) 3.5%
pHを5.5に調整する

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種もしくはそれ以上の組織培養培地、特に皮膚細胞培養培地を含んでなる化粧用および/もしくは皮膚科学的調製物。
【請求項2】
少なくとも1種の皮膚細胞培養培地が、1種もしくはそれ以上の他の組織培養培地との混合物中に存在することを特徴とする請求項1に記載の調製物。
【請求項3】
培地もしくはその混合物が、調製物の総質量に基づいて、0.1〜100重量%の量で調製物の水相の成分として存在することを特徴とする請求項1もしくは2に記載の調製物。
【請求項4】
組織培養培地が、mg/l単位の濃度範囲内で以下の成分:
ビオチン 0.0036 0.0146
CaCl2.2H2O 4.41 116.61
パントテン酸カルシウム 0.25 2.24
塩化コリン 9 13.96
CuSO4.5H2O 0.0002496 0.00125
D-グルコース 1081 3151
FeSO4.7H2O 0.417 1.39
葉酸 0.79 2.65
グリシン 7.51 18.75
イノシトール 12.6 18.02
KCl 111.83 311.8
L-アラニン 4.5 8.91
L-アルギニン.HCl 147.5 210.7
L-アスパラギン 7.5 15.01
L-アスパラギン酸 3.99 6.65
L-システイン.HCl 15.75 42.04
L-グルタミン 365.3 877.2
L-グルタミン酸 7.35 14.71
L-ヒスチジン.HCl.H2O 16.77 31.5
リポ酸 0.11 0.2063
L-イソロイシン 1.968 54.5
L-ロイシン 59 65.6
L-リシン.HCl 18.27 91.25
L-メチオニン 4.475 17.24
L-フェニルアラニン 4.956 35.5
L-プロリン 17.25 34.53
L-セリン 26.25 63.06
L-トレオニン 11.91 53.5
L-チロシン 2.718 38.7
L-バリン 35.13 52.85
MgCl2.6H2O 61 122
Na2HPO4.7H2O 71 536.2
NaCl 6999.5 7599
NaHCO3 1176 2438
ピルビン酸ナトリウム 47 63
ニコチンアミド 0.03663 2.02
ピリドキシンHCl 0.031 0.06171
リボフラビン 0.03764 0.22
チアミンHCl 0.3373 2.17
チミジン 0.37 0.7266
ビタミンB12(コバラミン) 0.68 4.07
を含んでなることを特徴とする請求項1、2もしくは3に記載の調製物。
【請求項5】
培地がDMEM/ハムF−12(1:1)および/もしくはMCDB153から選択されることを特徴とする請求項1、2もしくは3に記載の調製物。
【請求項6】
培地が血清を含まないことを特徴とする請求項1、2、3、4もしくは5に記載の調製物。
【請求項7】
コラーゲン、50%までのアセチル化度を有するキトサンおよびグリコシルアミノグリカンを含んでなる混合物が添加されることを特徴とする請求項1、2、3、4もしくは5に記載の調製物。
【請求項8】
血清代用品、特にキトサン、コンドロイチン−6−硫酸、コラーゲンもしくはそれらの混合物、または植物皮膚機能性誘導剤が添加されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5もしくは7に記載の調製物。
【請求項9】
調製物が水性もしくは水性−アルコール性溶液、スプレー、フォーム、フォームエアロゾル、軟膏、水性ゲル、O/W、W/OもしくはW/O/Wタイプのエマルジョン、マイクロエマルジョンまたは化粧用スティック調製物であることを特徴とする請求項1〜8の1つに記載の調製物。
【請求項10】
調製物がO/Wエマルジョンであることを特徴とする請求項9に記載の調製物。
【請求項11】
グルタミンが培地に添加されることを特徴とする請求項1〜10の1つに記載の調製物。
【請求項12】
健康な、炎症を起こしたおよび/もしくは罹患した皮膚への使用のための請求項1〜11の1つに記載の調製物の使用。
【請求項13】
水性界面活性剤調製物、エマルジョン、軟膏もしくはクリーム、ゲル、パウダー、マスク、マトリックス硬膏、ゲル硬膏、フォームまたはエアロゾル調製物の形態の皮膚、頭皮へのもしくは毛髪への局所使用のための請求項1〜11の1つに記載の調製物の使用。
【請求項14】
エマルジョンがO/Wエマルジョンであるかもしくはマトリックス硬膏がポリウレタンマトリックスであることを特徴とする請求項13に記載の使用。
【請求項15】
特にポリウレタンに基づく創傷被覆剤の形態の、創傷包帯および/もしくは創傷治癒における請求項14に記載の調製物の使用。
【請求項16】
無水の適用形態としての、特にスポンジもしくはパウダーの形態の請求項1〜11の1つに記載の調製物の使用。
【請求項17】
組織培養培地を使用直前まで調製物の他の化粧用成分と混合しないことを特徴とする請求項1〜11の1つに記載の調製物の使用。
【請求項18】
無機もしくは有機バイオファクターにおける細胞培養培地の成分の比率が、それらがイ
ンビトロ、エクスビボおよびインビボにおける皮膚細胞の保存、培養およびケアに適当であるように選択されることを特徴とする請求項1〜11の1つに記載の調製物の使用。
【請求項19】
代用品が浸透圧調節剤として用いられることを特徴とする請求項7もしくは8に記載の調製物の使用。
【請求項20】
a.繊維芽細胞、ケラチノサイト細胞、ケラチノサイトと繊維芽細胞との共培養物、繊維芽細胞/ケラチノサイトと免疫細胞、メラニン細胞のような他の皮膚関連細胞との共培養物のインビトロ、エクスビボおよび/もしくはインビボにおける培養のため、保持のためもしくはケアのための、
b.3次元皮膚モデルの作製のための、
c.免疫応答性3次元皮膚モデルの作製のための、
d.特に熱傷の処置のための、特に残存する皮膚細胞の新規培養のための、インビトロ、エクスビボおよびインビボにおける正常ヒト皮膚の保存のためのもしくはケアのための、
e.適宜皮膚の罹患領域の切除後の、特に皮膚の再生のための、インビトロ、エクスビボおよびインビボにおける罹患したヒト皮膚の保存のためのもしくはケアのための、および/または
f.特に下腿潰瘍、打撲傷および熱傷の場合に残存する細胞からの皮膚の再生のための、インビトロ、エクスビボおよびインビボにおける損傷を受けたヒト皮膚の保存のためのもしくはケアのための
請求項1〜11の1つに記載の調製物の使用。

【公表番号】特表2007−500196(P2007−500196A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529900(P2006−529900)
【出願日】平成16年5月22日(2004.5.22)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005532
【国際公開番号】WO2004/103333
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(591010376)バイヤースドルフ・アクチエンゲゼルシヤフト (20)
【氏名又は名称原語表記】BEIERSDORF AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】