説明

化粧品用光学活性粒子

化粧品組成物および薬学的組成物において用いる光学活性粒子が開示されている。 この光学活性粒子は、蛍光化合物が固定された固体基質を含み、透明または半透明の架橋ポリビニルアルコールによって被覆または被包されている。 この光学活性粒子は、紫外線波長域で光線を吸収し、より長波長の可視光を放出するものであって、光線を吸収するのみならず、光線を拡散して散乱させることで、セルライト、シワ、陰影、皮膚変色、シミ、瘢痕などの皮膚の欠陥を目立たなくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、化粧品に利用する光学活性粒子に関する。 本願発明の光学活性粒子は、皮膚の欠陥を目立たなくする。 具体的には、本願発明の光学活性粒子が、周囲光を拡散しつつ、可視光を放出することによって、セルライト、目および口の周囲のシワ(皺)、静脈および動脈による皮膚の変色、陰影、毛穴、瘢痕、毛包、皮膚のシミなどの欠陥を目立たなくする。 本願発明の光学活性粒子は、各種の化粧品組成物、例えば、スキンローション、クリーム、ヘアシャンプー、ボディリンス、バスジェル、スキンクレンジング剤、ヘアコンディショナー、肌用着色組成物、染毛剤、ファンデーションリキッドおよび(固形または非固形の)パウダー、歯磨剤、洗口液、局所用医薬品、およびスキンケア剤などに利用することができる。
【背景技術】
【0002】
普通の皮膚は、様々な生理的および遺伝的要素の影響を受ける。 通常は、緩和色が均質に分布した透明質の皮膚(例えば、血色の良い赤い頬)が、美しい皮膚であると定義されている。 このような皮膚の外観は、皮膚構造そのものに起因している。 ヒトの皮膚の外層には、角質層と呼ばれる半透明層がある。 この角質層の透明性は、皮膚の深層側に位置する血管や色素の観察をも可能にする。 血中のヘモグロビンに由来する赤みがかった色調、それに、主要な皮膚色素であるメラニンに由来する褐色/黒色の色調が混ざり合わさることで、個体特有の皮膚の色が形成される。 理想的な皮膚とは、緩和色が均質に分布した透明質の皮膚であることに加えて、表面上に明瞭な欠陥が見当たらず、しかも平滑かつ平坦である皮膚をいう。 このような理想的な皮膚の持ち主は極僅かでしかなく、従って、大多数の人々については、化粧品の助けが必要であった。 それ故に、これまでに、多種多様の「メイクアップ」用の組成物が、皮膚の外観を改善するために開発されてきた。
【0003】
従来のメイクアップは、美しい皮膚の自然な外観を再現することを目的としておらず、皮膚の欠陥を遮蔽するために塗布されるものでしかなかった。 現在の化粧品の意図しているところは、より自然に見える外観を皮膚に付与することにある。 特に、使用者に「化粧をしました」という外観を付与しない化粧品が研究されている。 しかしながら、清潔で健康な皮膚の美しい外観を維持しながら、皮膚の欠陥および不均質な皮膚の色調を改善することは困難であった。 このような現象は、化粧品成分として一般的に含まれている成分であって、所望の色を付与して、被覆層は形成するものの、皮膚の透明性を損なってしまう不透明成分、例えば、酸化チタンや酸化鉄顔料が原因となっている。 最近になって、透明性顔料が入手できるようになったが、それでも皮膚の表面に現れた欠陥を遮蔽する上で必要な被覆力が欠けている場合が多い。
【0004】
パーソナルケア製品は、主要な二つの方法を利用して、細線およびシワといった、皮膚の欠陥ならびに皮膚の老化の兆候を減退せしめる作用を奏する。 第一の方法は、各種の生物活性老化防止成分を使用することである。 そして、第二の方法は、細線およびその他の皮膚の表面に現れた欠陥を無機材料で遮蔽するという物理的手法である。 この第二の方法は、散乱光の原理を利用した「ソフトフォーカス」技術としても知られている。 最近になって、光散乱と蛍光放射とを組合せた第三の方法が提唱されている。 放射光は、皮膚の陰影箇所を照らして、欠陥があたかも存在しないという錯覚を与える。
【0005】
クレンジング剤および化粧品の成分として、蛍光増白剤化合物を利用することも公知である。 米国特許第4,032,263号は、アニオン性および/または非イオン性洗浄剤、ビルダー塩、ペルオキシモノサルフェート漂白剤、ブロミド漂白促進剤、それに、漂白剤および促進剤の存在下で安定な一つ以上の光学増白剤を含有する、漂白剤および増白洗剤を開示している。
【0006】
米国特許第4,752,496号は、化粧品成分を基質に塗布する方法を開示している。 化粧品成分は、液体担体および造膜剤と共に基質に定着される。 造膜剤は、マイクロカプセルを形成し、そこに化粧品成分を封じ込めて、乾燥した後の化粧品成分を保護する。 このように保護された化粧品成分は基質に塗布されて、次いで、板紙で被覆される。
【0007】
米国特許第6,117,435号は、「自然な外観」の化粧品組成物を開示している。 皮膚に塗布するタイプのこれら局所用組成物は、シリカ内核、金属酸化物中間層およびシリカ外層を具備したシリカビーズ、少なくとも一つの干渉性顔料、および、少なくとも一つの任意の非干渉性顔料を、化粧品的または薬学的に許容される処方に沿って調製される。 これら化粧品組成物は、不透明な外観や化粧を終えた外観を伴わずにして、皮膚上の欠点または欠陥の出現を抑えながら、皮膚に自然な外観を与える。
【0008】
米国特許第6,194,375号は、粒子表面上にポリマー被覆層をさらに具備したポリマー粒子内に吸収された香水を開示している。 粒子表面上のポリマーは、被膜層の一部を構成し、また、高度に加水分解されたポリビニルアルコール(PVA)に変化し得る。 米国特許第第6,204,033号は、生体分子の結合のために用いる磁気コロイドを内包している球状のPVAポリマー粒子を開示している。 国際公開公報第WO 94/28223号は、有機繊維で作られた不織布と、複数の水酸基を有する樹脂で少なくとも部分的に架橋されたバインダーとを含む不織物品を開示している。
【0009】
微孔性ナイロン−12の粉末核に担持され、ポリオキシメチレン尿素(PMU)で被包された蛍光増白剤を含有する光学活性粒子は、ニュージャージー州パターソンに所在のLipo Chemicals社からLipoLight(商標)OAP/Cの商品名で市販されている。 このPMUで被包された粒子の蛍光強度は、未被包の同一粒子の蛍光強度の約2倍である。 被包された粒子は、皮膚の欠陥を認識しにくくするために使用される。 しかしながら、PMU保護層は、遊離ホルムアルデヒドを使用しているため、環境上および毒性の問題を引き起こしかねない。 したがって、研究者たちは、皮膚の欠陥を認識しにくくする上で必要な作用効果を維持しながら、PMUを不要とする粒子の研究を行ってきた。
【0010】
したがって、当該技術分野では、シワやセルライトなどの欠陥を少なくし、一様な色調を生成し、皮膚の変色を遮蔽し、および/または皮膚のシミを減少させる効果をヒトの皮膚に付与することができる化粧品組成物が待望されているのである。 本願発明の光学活性粒子は、可視光を放出および反射し、そして、光の拡散を増大させることによって、この要求を満足せしめるのである。 従来の光学活性粒子で認められた欠点を解消した、改良された光学活性粒子も待望されている。
【発明の開示】
【0011】
本願発明は、化粧品組成物および薬学的組成物などの局所塗布用組成物において有用な光学活性粒子に関する。 この光学活性粒子は、皮膚の欠陥を認識しにくくする。 具体的には、本願発明は、蛍光化合物が結合した固体基質を含み、かつ蛍光化合物で処理された当該基質が、架橋ポリビニルアルコール(PVA)で被包された光学活性粒子、または、架橋ポリビニルアルコールによって被覆された光学活性粒子に関する。
【0012】
本願発明は、可視光の放出および光散乱によって皮膚の欠陥を認識しにくくするために、局所塗布用組成物において使用する光学活性(OA)粒子を提供する。 光学活性粒子は、(a)固体基質、例えば、合成ポリマー基質、天然ポリマー材料、不溶性塩、無機物、またはその他の不溶性固体、(c)透明な架橋PVA保護層で被包された(b)蛍光化合物処理粒子を形成するために、固体基質に永久的または半永久的に固定された蛍光化合物を含む。
【0013】
OA粒子は、可視光を拡散および放出して、セルライト、陰影、皮膚変色、シワ、および同様の皮膚の欠陥を認識しにくくする。 具体的には、光学活性粒子を皮膚の表面に局所的に塗布した後に、被包されたOA粒子(カプセル化OA粒子)は、紫外線の一部を吸収し、可視光を放出して、皮膚の欠陥を認識しにくくする。
【0014】
被包されたOA粒子は、局所塗布用組成物、例えば、スキンローション、クリーム、ヘアシャンプー、ボディリンス、バスジェル、スキンクレンジング剤、ヘアコンディショナー、肌用着色組成物、染毛剤、ファンデーションリキッドおよび(固形または非固形の)パウダー、歯磨剤、洗口液、局所用医薬品、およびスキンケア剤の調製において利用することができる。
【0015】
従って、本願発明の一態様によれば、局所塗布用組成物に用いられる被包されたOA粒子が提供され、このOA粒子は、すべての波長の光を散乱し、特定の波長の紫外光を吸収し、波長のより長い可視光を放出して(すなわち、光の形でエネルギーを放出して)、皮膚の欠陥を認識しにくくすることで、その外観を改善しようとするものである。
【0016】
本願発明の他の態様によれば、蛍光化合物を静電的またはイオン的に湿潤性の固体基質に固定化するために、固体基質を、例えば、湿潤剤または膨潤剤で前処理して、OA粒子を提供する。 好ましい実施形態において、この膨潤剤は、蛍光化合物を基質に固定する目的で、ポリマー基質を膨潤させるために用いる。
【0017】
本願発明の他の態様によれば、蛍光化合物を永久的または少なくとも半永久的に固体基質に固定せしめるべく、ファンデルワールス力、イオン結合、共有結合、水素結合、またはその他の強力または微弱な物理的または化学的会合の1つ以上によって、固体基質に付着または固定された蛍光化合物を有する、被包されたOA粒子が提供される。
【0018】
本願発明の他の態様によれば、透明および/または半透明の架橋PVA被覆で被包されたOA粒子が提供される。 被包されたOA粒子は、PMUで被包されたOA粒子で認められた問題点を解消し、また、局所塗布用組成物で用いられるOA粒子の効果を著しく改善する。
【0019】
本願発明の他の態様によれば、直径が約50μ(ミクロン)未満、好ましくは約0.1μ〜約50μ、さらに好ましくは約1μ〜約30μ、そして最も好ましくは約2μ〜約15μの平均粒径を有する被包されたOA粒子が提供される。 好ましい実施形態によれば、本願発明の被包されたOA粒子は、無色、透明または半透明であり、肉眼で確認できないほどの非常に小さな粒径を有する。
【0020】
本願発明の他の態様によれば、ナイロン、アクリレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、または同様のプラスチック様ポリマー、およびこれらの混合物からなるグループより選択される合成ポリマー基質を含む被包されたOA粒子が提供される。
【0021】
本願発明のさらに他の態様によれば、固体基質を、例えば、球体、立方体、円筒体、四面体(ピラミッド形状)、菱形体、板状体、またはその他の多角形形状、あるいはその他の規則形状体または不規則形状体とした、被包されたOA粒子が提供される。 なお、固体基質は、中実または中空の構造とすることができる。
【0022】
本願発明の前出のおよびさらにその他の新規の態様および特徴は、添付図面の説明を含めた、好ましい実施態様に関する以下の説明によって明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本願発明の光学活性粒子は、可視光を放出および拡散して、皮膚の欠陥を劇的に認識しにくくする。 肉眼で認識できないミクロンサイズの粒子は、架橋ポリビニルアルコールによって被包されたされた固体基質に固定された蛍光化合物の核を含んでいる。 OA粒子は、シワ、毛穴、およびその他の皮膚の欠陥の外観を改善するために、リンクルクリーム、固形または非固形のパウダー、ファンデーション、およびアイジェルなどの局所塗布用組成物として処方することができる。
【0024】
この粒子は、皮膚の欠陥である陰影箇所を照らし出す光の放出と、ソフトフォーカス効果を付与する光散乱の効果を相乗的に奏する。 この光学的効果は、拡散光放出(すなわち、蛍光)と可視光の散乱との組合せに起因するものである。 特に、固体基質に固定化された蛍光化合物は、肉眼で確認できない紫外線の一部を吸収し、それを拡散可視光として再び放出する。 放出された可視光は、シワ、拡大した毛穴、およびその他の皮膚上の陰影部分を照らし出すので、それら欠陥を非常に認識しにくくする。 反射された入射可視光の拡散は、所望の光学効果に関与するソフトフォーカス効果をもたらす。 このような作用効果の組み合せによって、OA粒子は、皮膚の欠陥を劇的に認識しにくくする。
【0025】
具体的には、本願発明の光学活性粒子は、顔表面に出現した、例えば、セルライト、陰影、シワ、軽い皮膚変色、瘢痕、静脈瘤および皮膚のシミなどを認識しにくくするための化粧品組成物に使用される。 この粒子は、好ましくは無色、透明、または半透明であり、ヒトの肉眼で検知できない非常に小さな粒径を有する。 ヒトの肉眼で、光学活性粒子が発する散乱光および放出光の双方を認識することができる。 OA粒子は、ゲル、分散物、エマルジョン、およびパウダーに取り込むことが可能であり、OA粒子を含有する組成物は、単独で、またはメイクアップ組成物の構成成分として使用できる。
【0026】
OA粒子での固体基質は、局所塗布用組成物の賦形剤または担体に対して不溶で、永久的または半永久的に蛍光化合物を固定できるものであれば、いずれの固体材料でも利用可能である。 蛍光化合物は、ファンデルワールス力、イオン結合、共有結合、水素結合、またはその他の物理的および化学的会合などの1つ以上によって、固体基質に固定することができる。
【0027】
固体基質としては、通常、合成ポリマー基質、例えば、ポリアミド、ポリアセテート、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、レーヨン、またはその他の同様の合成ポリマーが使用できる。 また、天然ポリマー材料、例えば、綿セルロース、再生セルロース、微結晶性セルロース、デンプン、および同様の天然繊維、不溶性塩、無機物、または蛍光化合物の基質および散乱中心の双方として機能する任意のその他の不溶性固体材料も、固体基質として使用することができる。 本明細書で使用する「不溶性」の語は、本願発明のOA粒子を含む局所塗布用組成物の賦形剤または担体に対して不溶性の基質として定義される。
【0028】
固体基質は、通常、直径が約50μ(ミクロン)未満、好ましくは直径約0.1〜約50μの平均粒径を有する。 さらに好ましくは、固体基質は、直径約1〜約30μ、および最も好ましくは約2〜約15μの平均粒径を有する。 固体基質は、約0.001〜約150μの粒径範囲を有する。 好ましくは、固体基質は、無色、透明または半透明であり、ヒトの肉眼で認識できない直径に調整する。
【0029】
固体基質の形態または形状は、限定されない。 例えば、固体基質は、球体、立方体、円筒体、四面体(ピラミッド形状)、菱形体、板状体、またはその他の多角形形状とすることができる。 また、固体基質粒子は、不規則形状でもよく、さらには、中実または中空の構造とすることができる。
【0030】
好ましい実施態様によれば、固体基質を、直径が約5〜約10μmの平均粒径を有する、ナイロン-12またはナイロン-6の球体とすることができる。 他の好ましい実施態様によれば、固体基質を、微結晶性セルロースの球体とすることができる。
【0031】
固体基質の重量の約0.01%〜約1%、好ましくは約0.02%〜約0.7%の量の蛍光化合物が、固体基質に固定化される。 本願発明が奏する効果を最大限に引き出す観点からすれば、固体基質の重量の約0.05重量%〜約0.5重量%の量の蛍光化合物が、固体基質に固定される。
【0032】
前述したように、蛍光化合物は、1つ以上の物理的方法または化学的方法によって、固体基質に固定される。 蛍光化合物は、永久的に(例えば、共有結合で)あるいは半永久的に(例えば、水素結合で)固体基質に固定される。 半永久的に固定化された蛍光化合物は、本願発明のOA粒子を含有する局所塗布用組成物の製造、貯蔵および使用の間を通じて、固体基質に固定されたままとなる。
【0033】
蛍光化合物は、固体基質に対して直接に固定できる。 本願発明のその他の実施態様によれば、固体基質への蛍光化合物の固定を促すために、適切な溶媒で固体基質を膨潤させることができる。 これら膨潤性溶媒としては、通常、アルコール、ジオールまたはポリオール、例えば、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、グリセロールなどのC1-4アルコールや、同様の水酸基溶媒などがある。
【0034】
蛍光化合物は、特に限定されるものではなく、肉眼で認識できない昼光スペクトルの紫外線部分を吸収して、このエネルギーを、スペクトルがさらに長大な可視波長部分に変換できる化合物であれば、いずれでも利用可能である。 蛍光化合物は、基質上で無色であり、スペクトルの可視部分に対応するエネルギーを吸収しない。 蛍光化合物としては、一般的には、スチルベンまたは4,4'-ジアミノスチルベン、ビフェニル、5員複素環、例えば、トリアゾール、オキサゾールまたはイミダゾール、あるいは、6員複素環、例えば、クマリン、ナフタルアミド、またはs-トリアジンの誘導体などがある。
【0035】
蛍光化合物の一例として、表1に例示したような、4,4'-ジアミノスチルベン-2,2'-ジスルホン酸のビストリアジニル誘導体がある。
【0036】
【表1】

その他のクラスに属する蛍光化合物として;
【0037】
【化1】

の式で示される2-(スチルベン-4-イル)ナフトトリアゾール[式中、R=-SO3H、R'=H、およびR=-CNおよびR'=-Clである];
【0038】
【化2】

の式で示される2-(4-フェニルスチルベン-4-イル)ベンゾオキサゾール;
【0039】
【化3】

の式で示されるビス(アゾール-2-イル)スチルベン;
【0040】
【化4】

の式で示される1,4-ビス(スチリル)ベンゼン;
【0041】
【化5】

の式で示される4,4'-ビス(スチリル)ビフェニル;
【0042】
【化6】

の式で示される1,3-ジフェニル-2-ピラゾリン誘導体[式中、Rは、-SO3H、-SO2NH2、-SO2NHCH2CH2CH2N+(CH3)3-SO3OCH3、-SO2CH2CH2SO3H、ナトリウム塩、または
【0043】
【化7】

である];
【0044】
【化8】

のビス(ベンゾオキサゾール-2-イル)誘導体;
【0045】
【化9】

の式で示されるビス(ベンズイミダゾール-2-イル)誘導体[式中、Xは、-CH=CH-または
【0046】
【化10】

である];
2-(ベンゾフラン-2-イル)ベンズイミダゾール;
【0047】
【化11】

の式で示される3-フェニル-7-アミノクマリン、3-フェニル-7-(アゾール-2-イル)クマリン、3,7-ビス(アゾリル)-クマリンなどのクマリン;
【0048】
【化12】

の式で示されるカルボスチリル;
【0049】
【化13】

の式で示されるナフタルイミド;
そして、第四級ピリドトリアゾール、
【0050】
【化14】

の式で示されるピレン化合物のようなその他の化合物;
および、好ましいアシル基が、
【0051】
【化15】

の式で示されるアルコキシベンゾイルである、3,7-ジアミノ-ジベンゾチオフェン-2,8-ジスルホン酸-5,5-ジオキシドのアシルアミノ(R,R')誘導体などがある。
【0052】
蛍光化合物は、TINOPAL、LEUCOPHORおよびCALCOFLUORなどの商品名のものを入手することができる。 好ましい蛍光化合物として、TINOPAL 5BM、CALCOFLUOR CG、LEUCOPHOR BSBなどがあるが、これらに限定されない。
【0053】
蛍光化合物を固体基質に固定して得られた蛍光化合物処理基質は、架橋PVAによって被覆されるか、架橋PVAで被包される。 架橋PVAの被覆層は、放たれた光の新たな拡散界面として機能し、それにより、光の放出および反射光の拡散を増加させて、結果として、皮膚の欠陥を視覚的に認識しにくくする。 架橋PVAの被覆層は、従来のポリオキシメチレン尿素で粒子を被覆した際に認められた欠点を解消すると共に、OA粒子の効果をも改善する。
【0054】
架橋ポリビニルアルコールの量は、本願発明のOA粒子の重量の約0.01%〜約25%、好ましくは約0.05%〜約10%の量に調整する。 本願発明が奏する効果を最大限に引き出す観点から、架橋PVAの量は、本願発明のOA粒子の重量の約0.1%〜約5%の量に調整する。
【0055】
ポリビニルアルコールは、重合によって直接に調製できず、ポリ酢酸ビニルの加水分解によって得られる。 一般に、加水分解は、その完了前に停止されてしまうので、異なる加水分解量のポリマーが市販されている。 本願発明のOA粒子で使用した好ましいポリビニルアルコールでの加水分解度は、実質的なレベルに達している。
【0056】
特に、約70%〜100%の加水分解、すなわち、酢酸塩残基の約70%〜100%が加水分解によって除去されたポリビニルアルコールが好ましい。 少なくとも約85%、好ましくは少なくとも約90%、さらに好ましくは少なくとも約96%、例えば、約96%〜100%の加水分解度に達したポリビニルアルコールが、より好適である。
【0057】
加えて、酢酸ビニル内の対応するコポリマーを加水分解して入手できるポリビニルアルコールのコポリマーを用いて、処理粒子を被包することもできる。 例えば、酢酸ビニルの割合が高い酢酸ビニルやビニルホルムアミドのコポリマーは、ビニルアルコールおよびビニルホルムアミドのコポリマーに加水分解できる。
【0058】
ポリビニルアルコールは、水溶性または分散性ポリマーである。 それ故に、本願発明の重要な特徴に従うと、PVAは架橋されて不溶性の被膜をもたらす。 PVAは、当該技術分野で周知の方法、例えば、二官能性架橋剤または多官能性架橋剤、ガンマ線照射、または凍結解凍サイクルを用いて架橋される。 PVA架橋剤の具体例として;
(a) ジスルホナートエステル、例えば、Y-(CH2)p-Yの式(式中、pは、2〜12の数であり、Yは、互いに独立して、トシラート、メシラート、あるいはその他のアルキルまたはアリールスルホナートエステルである)で示される化合物;
(b) 多官能性アジリジン;
(c) 多官能性アルデヒド、例えば、グルタルアルデヒド、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、テレフタルアルデヒド、マロンアルデヒド、およびグリオキサール、およびアセタールおよびその二硫酸塩;
(d) ハロヒドリン、例えば、エピクロロヒドリン;
(e) 多官能性エポキシ化合物、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルおよびビスフェノールFジグリシジルエーテル;
(f) 多官能性カルボン酸およびエステル、酸塩化物、ならびにそれらに由来する無水物、例えば、2〜12個の炭素原子を有するジカルボン酸およびポリカルボン酸、ならびにメチルおよびエチルエステル、酸塩化物、ならびにそれらに由来する無水物、例えば、シュウ酸、アジピン酸、コハク酸、ドデカン酸、マロン酸、およびグルタル酸、およびエステル、無水物、ならびにそれらに由来する酸塩化物;
(g) 有機チタナート、例えば、デラウェア州ウィルミントンに所在の E.I.DuPont de Nemoursから入手可能なTYZOR AA;
(h) メラミン樹脂、例えば、ニュージャージー州ウェインに所在のCytec Industriesから入手可能なCYMEL樹脂;
(i) ヒドロキメチル尿素、例えば、N,N-ジヒドロキシメチル-4-,5-ジヒドロキシエチレン尿素;
(j) 多官能性イソシアナート、例えば、トルエンジイソシアナート、イソフォロンジイソシアナート、メチレンジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、およびヘキサメチレンジイソシアナート;および
(k) ヒドロキシ含有ポリマーとして当該技術分野で周知のその他の架橋剤、
などがあるが、これらに限定されない。
【0059】
好ましいPVA架橋剤は、多官能性アルデヒド、特に、グリオキサールである。
【0060】
OA粒子は、架橋PVA保護層によって被包されているか、あるいは架橋PVA保護層が塗布されており、任意の成分をも含有している。 任意の成分として、化粧品成分、例えば、肌用着色組成物、スキンコンディショナー、レチノール、タンパク質、ビタミンなど、それに、局所用医薬品、例えば、抗ニキビ薬、抗生剤、日焼け止め剤、皮疹または皮膚疾患用薬剤、痒み止め化合物、抗真菌化合物などが利用できる。
【0061】
局所塗布用組成物で使用する本願発明のOA粒子を、図1〜図3に詳細に示す。 OA粒子は、光を放出および拡散して、セルライト、シワ、陰影、毛穴、毛包、静脈および動脈による皮膚変色を認識しにくくして、皮膚表面の欠陥を遮蔽する。 さらに、OA粒子は、例えば、顔面上の軽度の瘢痕や擦過傷、皮膚のシミも認識しにくくする。
【0062】
本願発明の光学活性粒子12を、図1に例示したようにして調製する。 OA粒子の調製にあたっては、蛍光化合物22を、固体基質24または任意に膨潤させた固体基質24S上に固定する。 蛍光化合物22を、永久的または半永久的に固体基質24または24Sに固定せしめて、蛍光化合物を粒子10の構成要素にならしめるべく、蛍光化合物22を、共有結合、イオン結合、ファンデルワールス力、水素結合、あるいはその他の強力なまたは微弱な物理的または化学的会合によって固体基質24(例えば、ナイロン球)に固定する。
【0063】
固体基質24または24Sとして球体を使用すると、光学活性粒子12は、図2に示すように、光40を半径方向に伝播させて拡散させる。 蛍光化合物を固定した粒子10は、透明または半透明な架橋ポリビニルアルコール被膜30で被包される。 それ故に、光学活性粒子12を、図4に示すように、皮膚の表面14に塗布することで、セルライト、シワ、皮膚変色または陰影箇所16が、視覚的に認識しにくくなる。
【0064】
本願発明の光学活性粒子は、以下の手順に従って調製することができる。
【実施例】
【0065】
実施例1
スターラー、凝縮器および加熱マントルが装備された3リットル容の丸底フラスコに、プロピレングリコール(875g)とPEG 200(125g)を投入した。 ナイロン-12の粉末(直径7μ)を、反応混合物に対して、15分間かけてゆっくりと加えた。 混合物を、さらに15分間攪拌して、ナイロン粒子を膨潤させて、次いで、LEUCOPHOR BSB溶液(Clariant社からの市販品、50g)を添加し、得られた混合物を、室温にて10分間攪拌した。 そして、蒸留水(950g)をさらに添加して得られた混合物を、1〜2℃/分の傾斜速度で、90℃にまでゆっくりと加熱した。 温度を90℃にて30分間維持して、次いで、室温にまで冷却した。
【0066】
混合物を濾過して回収した白色粉末を、1200mLの蒸留水で4回洗浄し、次いで、風乾を行って湿潤粉末を得た。 この湿潤粉末を、75℃の乾燥機で、15時間乾燥させたところ、白色の蛍光粉末が得られた。 洗浄溶液を分光分析に供したところ、ナイロン粒子での蛍光化合物の含有率が0.3%であることが判明した。
【0067】
実施例2
反応温度を100℃にまで上昇させた以外は、実施例1の手順に従った。 分析を行ったところ、ナイロン粒子での蛍光化合物の含有率が0.4重量%であることが判明した。
【0068】
実施例3
ナイロン-12の粉末に代えて、ナイロン-6の粉末を使用した以外は、実施例2の手順に従った。 分析を行ったところ、ナイロン粒子での蛍光化合物の含有率が0.5重量%であることが判明した。
【0069】
実施例4
プロピレングリコールとPEG 200との混合物に代えて、エチレングリコール(1000g)を使用した以外は、実施例2の手順に従った。 分析を行ったところ、ナイロン粒子での蛍光化合物の含有率が0.4重量%であることが判明した。
【0070】
実施例5
プロピレングリコールとPEG 200との混合物に代えて、ブチレングリコール(1000g)を使用し、かつ水を加えなかった以外は、実施例2の手順に従った。 分析を行ったところ、ナイロン粒子での蛍光化合物の含有率が0.4重量%であることが判明した。
【0071】
実施例6
ナイロン-12の粉末に代えて、微結晶性セルロース粉末を使用した以外は、実施例2の手順に従った。 分析を行ったところ、微結晶性セルロース粉末での蛍光化合物の含有率が0.3重量%であることが判明した。
【0072】
実施例7
スターラー、凝縮器および加熱マントルが装備された1リットル容の丸底フラスコに、イソプロピルアルコール(150g)を投入した。 ナイロン-12の粉末(直径7μ)を、反応混合物に対して、15分間かけてゆっくりと加えた。 混合物を、さらに15分間攪拌して、ナイロン粒子を膨潤させた。 そして、混合物を濾過して、約80gのイソプロピルアルコールとナイロン粉末とを含有する濾過ケーキを、反応フラスコに戻した。 蒸留水(312g)およびLEUCOPHOR BSB溶液(Clariant社からの市販品、8g)を添加し、得られた混合物を、室温にて10分間攪拌した。 得られた混合物を、88℃にて30分間加熱し、次いで、室温にまで冷却した。 混合物を濾過して回収した白色粉末を、200mLの蒸留水で4回洗浄し、次いで、風乾を行って湿潤粉末を得た。 この湿潤粉末を、75℃の乾燥機で、15時間乾燥させたところ、白色の蛍光粉末が得られた。 洗浄溶液を分光分析に供したところ、ナイロン粒子での蛍光化合物の含有率が0.3%であることが判明した。
【0073】
実施例8
ポリビニルアルコール(PVA)(CELVOL 165、10g、加水分解度:99.3+%)を、20〜25℃の温度下で、90gの冷水中に分散させて得た懸濁物を、絶えず攪拌しながら、できるだけ急速に95℃まで加熱した。 PVAは、95℃にて、最大45分間で、残留粒子を残さずに完全に溶解した。 混合物を、室温にまで冷却して、貯蔵中の微生物増殖を防止するために殺生物剤を添加した。
【0074】
スターラー、温度計および凝縮器が装備された2000ml容の三口フラスコに、PVA溶液の一部を冷水に添加して、PVAの総濃度を0.2重量%とした。
【0075】
35重量%の実施例7に記載の粒子を10.5重量%の水に分散させて得た分散液を、攪拌した0.2重量%のPVA水溶液にゆっくりと添加した。 反応容器内の混合物が均質になった後、1.25重量%のグリオキサールを添加し、加熱を開始した。 反応混合物を55℃まで加熱し、その温度を1時間維持して、PVA架橋を完了させて、粒子上に架橋PVA被膜を形成した。 得られたOA粒子を、濾過および乾燥した。 走査型電子顕微鏡法(SEM)およびX線光電子分光法(ESCA)によって、蛍光化合物で処理した基質粒子が完全に被包されていたことが確認された。
【0076】
本願発明のOA粒子は、液体および固体の局所塗布用組成物に利用される。 OA粒子は、液体の局所塗布用組成物の約0.5重量%〜約20重量%、好ましくは約1重量%〜約15重量%の量で利用される。 本願発明が奏する効果を最大限に引き出す観点からすれば、OA粒子の量を、組成物の重量の約2重量%〜約12重量%に調整の量に調整する。
【0077】
OA粒子は、固体の局所塗布用組成物の約0.5重量%〜約50重量%、好ましくは約1重量%〜約30重量%の量で利用される。 本願発明が奏する効果を最大限に引き出す観点からすれば、OA粒子の量を、組成物の重量の約2重量%〜約20重量%に調整の量に調整する。
【0078】
実施例9
実施例8に記載の固定処理を終えた光学活性粒子を含むスキンクリームを、以下の手順に従って調製した。
【0079】
【表2】

実施手順
1. ビーカー内で、工程1の成分を、中速/高速の高剪断翼で混合しながら、78℃〜80℃にまで加熱した。
【0080】
2. 別のビーカーに、工程2の成分を移して混合し、80℃にまで加熱した。
【0081】
3. 工程1および工程2で得た混合物を、中速/高速の高剪断翼で混合して合わせた。
この混合は、5分間または乳化が完了するまで継続した。
【0082】
4. 25℃にまで冷却した。
【0083】
5. 工程3の成分を添加して、均質になるまで混合した。
【0084】
得られた化粧クリームの蛍光強度に関する試験を行い、ポリオキシエチレン尿素で被覆したOA粒子を利用した標準クリームと比較した。 驚くべきことに、PVAで被包された粒子は、図3に示すように、PMUで被包された粒子より優れていた。 従って、本願発明のOA粒子は、従来のOA粒子よりも優れており、すなわち、その強度は、1.6 a.u.から2.2 a.u.にまで上昇し、PMUに起因する欠点、例えば、遊離ホルムアルデヒドの問題は解消される。
【0085】
紫外線に曝された光学活性粒子12は、紫外線の一部をエネルギーとして取り込み、図2に示すように、このエネルギーを利用して可視光40を放出する。 つまり、固体基質24に蛍光化合物22が固定されることで、可視光40の放射発散源が提供されるのである。 理論の拘束を受けるものではないが、可視光40の光量は非常に少なく、ヒトが意識して認識できるものでなく、視覚中枢によって検知される程度のものであると考えられる。 つまり、粒子12は、皮膚の欠陥を遮蔽して、皮膚の欠陥を視覚的に認識しにくくする作用を奏するのである。
【0086】
本願発明のOA粒子は、透明または半透明の架橋PVA保護層で被包される。 被包して得られた粒子の蛍光強度は、被包されていない粒子の2倍以上の強度である。 理論の拘束を受けるものではないが、PVA保護層が、可視光40の効果的な拡散を促す拡散レンズの役割を果たし、それにより、皮膚表面14の構造とは無関係に、皮膚の欠陥の視覚的な認識を難しくしているものと考えられる。 他の理論に従えば、PVA被膜が、入射した紫外線を集束して、蛍光強度を高めるレンズとして作用するとも考えられる。 本願発明で利用したPVA被膜は、従来のポリオキシメチレン尿素被膜で認められていた問題点を解消し、なおかつ、OA粒子の効果を増大させる。
【0087】
すなわち、本願発明は、局所塗布用組成物で使用する光学活性粒子を提供するものであって、その粒子を皮膚の表面に塗布した場合において、陰影、皮膚の変色、シワおよびセルライトなどの皮膚の欠陥の認識を困難ならしめるべく、ある波長(例えば、約350nm)の光エネルギーを吸収し、別異の可視波長の光を放出および拡散させる(すなわち、約400〜約450nmの光としてエネルギー放出する)ことができる。 OA粒子は、粒子の下方側に位置する皮膚を遮蔽する機能をも兼ね備えている。
【0088】
本願発明の光学活性粒子は、各種の化粧品組成物、例えば、スキンローション、クリーム、ヘアシャンプー、ボディリンス、バスジェル、スキンクレンジング剤、ヘアコンディショナー、肌用着色組成物、染毛剤、ファンデーションリキッドおよび(固形または非固形の)パウダー、歯磨剤、洗口液、局所用医薬品、およびスキンケア剤などに利用することができる。
【0089】
本願発明の趣旨および範囲を逸脱せずに、本願発明に対して上記したような多くの変更と修正を加えることができる。 従って、ここに添付した特許請求の範囲に記載の制限のみが本願発明に課せられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本願発明の被包されたOA粒子の調製手順の概略図である。
【図2】皮膚の欠陥である陰影を解消するために、皮膚の表面のシワ内部で、光を拡散しながら、光の放出を行っている、被包された光学活性粒子の拡大概略図である。
【図3】本願発明のOA粒子とPMUで被包されたOA粒子に関する、強度と波長(λ)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0091】
10 蛍光化合物が固定した粒子
12 光学活性粒子
14 皮膚の表面
16 陰影箇所
22 蛍光化合物
24 固体基質
24S 膨潤した固体基質
30 被膜
40 光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)固体基質、(b)当該固体基質に固定された蛍光化合物、および(c)当該固体基質ならびに当該蛍光化合物を被覆する架橋ポリビニルアルコール保護層を含む光学活性粒子。
【請求項2】
前記固体基質が、合成ポリマー基質、天然ポリマー材料、不溶性塩、無機物またはこれらの混合物を含む請求項1に記載の粒子。
【請求項3】
前記固体基質が、ポリアミド、ポリアセテート、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、ポリ塩化ビニル、およびこれらの混合物からなるグループから選択される合成ポリマー基質を含む請求項2に記載の粒子。
【請求項4】
前記固体基質が、セルロース、再生セルロース、デンプン、微結晶性セルロース、およびこれらの混合物からなるグループから選択される天然ポリマー材料を含む請求項2に記載の粒子。
【請求項5】
前記固体基質が、直径が約0.1ミクロン〜約50ミクロンの平均粒径を有する請求項1に記載の粒子。
【請求項6】
前記固体基質が、直径が約2ミクロン〜約15ミクロンの平均粒径を有する請求項1に記載の粒子。
【請求項7】
中実または中空の前記固体基質が、球体、立方体、円筒体、四面体、菱形体、板状体、または不規則形状体である請求項1に記載の粒子。
【請求項8】
前記固体基質が、溶媒膨潤性基質であって、かつ当該溶媒が、アルコール、ジオール、ポリオールまたはこれらの混合物を含む請求項1に記載の粒子。
【請求項9】
前記蛍光化合物の量が、前記固体基質の約0.01重量%〜約1重量%である請求項1に記載の粒子。
【請求項10】
前記蛍光化合物の量が、前記固体基質の約0.05重量%〜約0.5重量%である請求項1に記載の粒子。
【請求項11】
前記蛍光化合物が、4,4'-ジアミノスチルベン-2,2'-ジスルホン酸、2-(スチルベン-4-イル)ナフトトリアゾール、2-(4-フェニルスチルベン-4-イル)ベンゾオキサゾール、ビス(アゾール-2-イル)-スチルベン、1,4-ビス(スチリル)ベンゼン、4,4'-ビス(スチリル)ビフェニル、1,3-ジフェニル-2-ピラゾリン、ビス(ベンゾオキサゾール-2-イル)、ビス(ベンズイミダゾール-2-イル)、2-(ベンゾフラン-2-イル)ベンズイミダゾール、クマリン、カルボスチリル、ナフタルイミド、第四級ピリドトリアゾール、ピレン化合物、3,7-ジアミノ-ジベンゾチオフェン-2,8-ジスルホン酸-5,5-ジオキシド、およびこれらの混合物からなるグループから選択される請求項1に記載の粒子。
【請求項12】
前記架橋ポリビニルアルコールの約70%〜100%が加水分解されている請求項1に記載の粒子。
【請求項13】
その重量の約0.01%〜約25%が、前記架橋ポリビニルアルコールである請求項1に記載の粒子。
【請求項14】
前記架橋ポリビニルアルコールが、多官能性アルデヒドによって架橋されている請求項1に記載の粒子。
【請求項15】
請求項1に記載の光学活性粒子を含む局所塗布用組成物。
【請求項16】
その約0.5重量%〜約20重量%が、光学活性粒子を含む液体である請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
その約0.5重量%〜約50重量%が、光学活性粒子を含む固体である請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
スキンローション、クリーム、ヘアシャンプー、ボディリンス、バスジェル、スキンクレンジング剤、ヘアコンディショナー、肌用着色組成物、染毛剤、ファンデーションリキッド、ファンデーションパウダー、歯磨剤、洗口液、局所用医薬品、およびスキンケア剤からなるグループから選択される請求項14に記載の組成物。
【請求項19】
請求項1に記載の光学活性粒子を、ヒトの皮膚に局所的に塗布することを含む、皮膚の欠陥を認識しにくくする方法。
【請求項20】
前記欠陥が、シワ、セルライト、皮膚変色、陰影、毛穴、瘢痕、静脈瘤、毛包、およびシミからなるグループから選択される請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−506351(P2006−506351A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−536047(P2004−536047)
【出願日】平成15年8月26日(2003.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2003/026575
【国際公開番号】WO2004/024103
【国際公開日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【出願人】(503440071)リポ ケミカルズ インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】