Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
化粧品用基礎組成物
説明

化粧品用基礎組成物

【課題】使用感のよい化粧料を調製するための、化粧料用基礎組成物を提供する。
【解決手段】化粧料用基礎組成物のずり応力及び貯蔵弾性率が特定の範囲の値となるように、増粘多糖類を添加して該組成物を調製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧水、美容液、クリーム等のスキンケア化粧品や、ヘアムース、ワックス等のヘアケア化粧品、その他の各種化粧品に使用感のよい適度な保形性を有する基礎的な化粧品用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品には、適度な保形性や粘度を付与することにより、使い勝手が良くなる傾向がある。
【0003】
化粧品の具体的としては、乳液、クリーム、化粧水、クレンジング、日焼け止め、美容液、ローション、洗顔料、整髪料、ヘアカラーリング剤、洗浄剤等の各種化粧品、さらにはアルコール類を含有した除菌用・衛生用の洗浄剤が例示できる。
【0004】
これら化粧品や洗浄剤は、当初粘度の低い液状で調製されていた。しかし使用時に手等に出した際、粘度が低いと流れ落ちてしまうため、必要以上の量を使用する場合があった。また、使用用途に応じて適量が求められる洗浄剤等の場合、粘度が低い液体の状態ではどれくらいの量であるかの把握が困難であり、計量の必要があった。さらに粘度を付与することにより、汚れのある部分に洗浄剤等が長時間留まり、より良い洗浄効果が得られるといったことや、内容成分を均一に分散保持することができるといったメリットが挙げられる。
【0005】
そこで、使用時の利便性を向上させるために、増粘多糖類等を添加して粘度を付与した化粧品等が提供されるようになった。具体的な例として、手の洗浄用組成物として粘性のある液体又はゲル形態である、アルコールと、水と、増粘剤とを含む衛生用組成物であって、前記粘性のある液体又はゲルは前記組成物に懸濁される粒子を含む、前記粒子はすり合わせた場合に粒子の質感があり、磨滅し得るものである、衛生用組成物(特許文献1)、化粧品として受容可能な媒体中に、少なくともひとつのゲランガム又はその誘導体、少なくとも一つの1価の塩並びにフェニルシリコーン、非−フェニルシリコーン及び非−シリコーン脂肪物質から選択する懸濁物の形態にある少なくとも一つの化合物を含む液状又は流体状の水性化粧組成物(特許文献2)、炭素数1〜3のアルコール60〜90体積%を含有し、pH(25℃)が5.5〜8.0のゲル状手指殺菌剤(特許文献3)、(メタ)アクリル酸100重量部、アルキル基の炭素数が18〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル0.5〜5重量部および、0〜0.1重量部のエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物と重合させて得られるカルボキシル基含有水溶性重合体と、カチオン性ポリマーとを含む化粧料(特許文献4)、特定のカチオン性増粘剤と、所定値以上の粘度を有するノニオン性高分子増粘剤とを特定量配合することにより、単独配合では発揮し得ない高度な増粘性を示しながら、手のひらの上でのばしたときののびに優れ、なおかつべたつきの少ないジェル状化粧料(特許文献5)などが開示されている。
【0006】
しかしながら、上記技術では、化粧品等に増粘多糖類等を用いることによって粘度を付与し、使用時の利便性向上を狙っているが、粘度を付与した化粧品等を容器から手に出すまでは上記技術を用いることで使用感は改善されているが、塗布した部分に残る使用後のべたつきや不快感、塗り残しについては、まだまだ改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2008−508189号公報
【特許文献2】特開2005−154447号公報
【特許文献3】特開2011−144146号公報
【特許文献4】特開2010−202627号公報
【特許文献5】特開2000−86439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、粘度を付与した化粧品等を手等に塗布した際の使用感を向上するものである。具体的には、化粧品等に特定の増粘多糖類を使用することにより保形性や粘度を付与し、容器からの取り出しを容易にし、また使用後の皮膚等のベタツキや不快感を改善した化粧品等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、下記特定の物性を有する化粧品用基礎組成物を調製することによって、化粧品等を使用する際の使用感を向上し、さらには使用後の不快感を解消できるとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づき完成されたものであり、具体的には、下記<項1>〜<項4>に示すゲル状の化粧品用基礎組成物である。
【0010】
<項1>
次に記載するa〜hのいずれかの増粘多糖類を含有し、レオメーターによる測定で、温度30℃、周波数1.0Hzの条件で、ずり応力を変化させ、貯蔵弾性率(G´)を測定したとき、ずり応力0.1Paのときの貯蔵弾性率(G´)の値が1.5〜300Paであって、貯蔵弾性率(G´)の変化点が、ずり応力3〜20Paの範囲内であることを特徴とするゲル状の化粧品用基礎組成物。
a) サイリウムシードガム
b) サイリウムシードガム、κ-カラギーナン
c) κ-カラギーナン、ι-カラギーナン
d) キサンタンガム 1質量%
e) κ-カラギーナン 0.5質量%
f) κ-カラギーナン、ι-カラギーナン、発酵セルロース
g) サイリウムシードガム、脱アシルジェランガム
h) 寒天、サイリウムシードガム
<項2>
ゲル状物であって、手で肌へすり合わせた際にゲル状物が摩滅することにより肌へ塗布されるものである、項1に記載の化粧品用基礎組成物。
<項3>
化粧品が、乳液、クリーム、化粧水、クレンジング、クリーム剤、ヘアワックス、ヘアムースのいずれかである項1又は2に記載の化粧品用基礎組成物。
<項4>
発酵セルロースが、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム又はグァーガムの一種以上と複合化したものである項1記載の化粧品用基礎組成物。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のゲル状の化粧品用基礎組成物は、特定の増粘多糖類を含有し、レオメーターによる測定で、温度30℃、周波数1.0Hzの条件で、ずり応力を変化させ、貯蔵弾性率(G´)を測定したとき、ずり応力0.1Paのときの貯蔵弾性率(G´)の値が1.5〜300Paであって、貯蔵弾性率(G´)の変化点が、ずり応力3〜20Paの範囲内であることを特徴とする化粧品用基礎組成物であり、そして当該化粧品用基礎組成物に対し、化粧品用等として既知の各種有効成分等を添加・混合することにより、一般に販売されている化粧品や洗浄剤等とすることができる。
【0012】
本発明で対象となる化粧品等とは、乳液、クリーム、化粧水、クレンジング、クリーム剤、ヘアワックス、ヘアムース等をいい、本発明に係る化粧品用基礎組成物は、これらのベースとして用いることができる。また、整髪料等の頭髪用の化粧品や、頭皮用の化粧品、アルコール類を含有した除菌用・衛生用の洗浄剤が例示できる。
【0013】
本発明にかかる化粧品用基礎組成物は、特定の増粘多糖類を含有し、レオメーターによる測定で、温度30℃、周波数1.0Hzの条件で、ずり応力を変化させ、貯蔵弾性率(G´)を測定したとき、ずり応力0.1Paのときの貯蔵弾性率(G´)の値が1.5〜300Paであって、貯蔵弾性率(G´)の変化点が、ずり応力3〜20Paの範囲内であることを特徴とする。係る物性値は、既存の増粘性を有する成分である増粘多糖類を添加して付与することができるが、好ましくは下記a〜hのいずれかの増粘多糖類を該化粧品用基礎組成物に添加して得る。
a) サイリウムシードガム
b) サイリウムシードガム、κ-カラギーナン
c) κ-カラギーナン、ι-カラギーナン
d) キサンタンガム 1質量%
e) κ-カラギーナン 0.5質量%
f) κ-カラギーナン、ι-カラギーナン、発酵セルロース
g) サイリウムシードガム、脱アシルジェランガム
h) 寒天、サイリウムシードガム
【0014】
本発明でいう貯蔵弾性率(G´)とは、粘弾性を有する物質の弾性的成分を示す数値であって、当該数値が高いほどその物質が固体的であることを示すものとして知られている。また、ずり応力(ストレス)は、粘弾性物質の構造を壊すために必要な力、ここではゲルを壊すために必要な力をいう。かかる力の値が増加することは、ゲルを壊すために大きな力を有することを意味し、例えばゲル状の化粧品であれば塗り広げにくくなることを意味する。
【0015】
本発明で規定する貯蔵弾性率(G´)の変化点とは、貯蔵弾性率(G´)の値が急激に低下し、線形領域を示すグラフが急激に右下がりになる点をいう。詳細には、レオメーターによって温度30℃、周波数1.0Hzの条件でずり応力を変化させて貯蔵弾性率(G´)を測定したとき、ずり応力が0.1Paのときの貯蔵弾性率(G´)が1.5〜300Paの範囲内にあって、ずり応力が3〜20Paの範囲内において貯蔵弾性率(G´)が0.1Paのときの80%になる点をいう。ここで変化点を線形領域における貯蔵弾性率(G´)の値が80%となる(20%減少する)点と規定したのは、測定の結果から、多くの場合、貯蔵弾性率(G´)の値が急激に低下しはじめる点と貯蔵弾性率(G´)の値が20%減少した点が良く一致することに由来する。
【0016】
即ち変化点とは、レオメーターによる測定値において、ずり応力0.1Paのときの貯蔵弾性率(G´)の値が1.5〜300Paの範囲にあり、当該貯蔵弾性率(G´)をグラフにした際に線形領域を形成する。そしてずり応力が3〜20Paの範囲においてG´が減少するその減少の程度が、ずり応力0.1PaのときのG´の80%値となる点のことを指す。
【0017】
線形領域における貯蔵弾性率(G´)の値が300Pa以上であるとゲルの磨滅がスムーズにできず、また1.5Pa以下になるとゲル状態とならないため、取り扱いに不便を生じるため好ましくない。また、ゲルの崩しやすさ、塗り広げやすさという点では、ある一定のずり応力(Stress値)に達した際に、急激に貯蔵弾性率(G´)が減少する点(ここでは、便宜的に線形領域における貯蔵弾性率(G´)の値が20%低下した点とする)におけるずり応力が20Pa以上であるとゲルが崩れにくく、塗り広げにくいと感じられ、3.0Pa以下であると本発明の目的とする化粧品用基礎組成物を提供することができない。
【0018】
すなわち、変化点が貯蔵弾性率(G´)1.5〜300Pa、ずり応力(Stress値)3〜20Paの範囲において生じる化粧品用基礎組成物であれば、適度な固体性を有しているため取り扱いが容易であり、例えば容器からの取り出しやすさ、手にとったときのまとまり感が良く、肌へ塗り広げる際には程よい抵抗感の後にゲルが壊れ、十分に広範囲に塗り広げることが可能となる。
【0019】
化粧品用基礎組成物を測定した際に変化点の現れる場所が当該範囲外であると、調製した化粧品を容器から取り出す際に液ダレを起こし容器周囲を汚すおそれがある。あるいは適度なゲル状を維持できないため、手にとった際に流れ落ちたり、皮膚への塗り広げが困難であったり残存感が感じられるため、好ましくない。
【0020】
本発明で用いられる発酵セルロースは、セルロース生産菌が生産するセルロースであれば特に限定されない。通常、セルロース生産菌を既知の方法、例えば特開昭61−212295号公報、特開平3−157402号公報、特開平9−121787号公報に記載される方法に従って培養し、得られる発酵セルロースを所望に応じて適宜精製することによって製造することができる。
【0021】
また、本発明の発酵セルロースは、特開平9−121787号公報に記載される方法に従い、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、キサンタンガム、グァーガム等の高分子物質の一種もしくは二種以上と複合化していることが望ましい。簡便には、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のサンアーティスト(商標)PXシリーズ、同PGシリーズを利用することができる。
【0022】
また、サイリウムシードガム、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、脱アシルジェランガム、キサンタンガムおよび寒天は、いずれも食品添加物として公知の成分であり、一般に入手可能なものであれば制限なく本発明で利用することができる。市販品の例として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のカラギニンCSK−1(F)、カラギニンCSI−1(F)、ビストップ(商標)D−2074、ケルコゲル(商標)、ビストップ(商標)D−2050、サンエース(商標)C、ゲルアップ(商標)J−1630等が挙げられる。
【0023】
これらの成分によりレオメーターによってずり応力を変化させて貯蔵弾性率(G´)を測定したとき、ずり応力が0.1PaのときG´が1.5〜300Paであって、ずり応力が3〜20Paの範囲における貯蔵弾性率(G´)が、G´=0.1Paのときの80%となる物性値を示す化粧料用基礎組成物を調製するために、上述の増粘剤(増粘多糖類等)の添加量は、使用する成分やその組み合わせによっても異なるが、例えば発酵セルロースを使用する場合は、化粧品用基礎組成物100質量部に対し0.1〜0.5質量部、カラギーナンであれば0.1〜2.0質量部、サイリウムシードガムであれば1.0〜3.0質量部を例示できる。また、これらを併用する場合は、先の添加量の範囲内で上記物性値をとるように適宜調節して添加すればよい。
【0024】
本発明は、レオメーターでの測定により、ずり応力の値が3〜20Paのときの貯蔵弾性率(G´)が、G´=0.1Paのときの80%となる変化点が現れる物性値を有する化粧品用基礎組成物を調製し、これに様々な有効成分を添加して所望の化粧品等とすることができる。係る物性を付与することにより、当該化粧品等は容器から出すときに適度なゲル状の塊として取り出すことができ、手のひらに出しても流れ落ちることがなく、取り出した分量も容易に把握することができ、使用時の目安として非常に都合の良い物性といえる。さらに当該物性値を有するものは、手肌に塗布する際に、手のひらでのばすことにより均一に広げることができる。特に本発明に係る化粧品用基礎組成物を利用した化粧品等であれば、塗りのばしたあとはゲル状物の残存感を感じることはないが、目的とする効果、例えば保湿感付与を目的とする化粧品であればしっとりとした使用感を残し、制汗作用を目的とする制汗剤であればさらさらとした使用感を残すことができる。
【0025】
使用後のべたつきがないことを効果とする先行技術として、特開2011−144146号公報が開示されているが、本発明で特定されたような物性は特定されておらず、官能試験による評価によるのみであった。本願では、係る物性を貯蔵弾性率(G´)及びすり応力という容易に計測可能であり、かつ複合的な物性値によって化粧品用基礎組成物をより明確に発明の対象を特定することが可能となった。このような物性値による規定は、先行文献には一切記載されておらず、既存の技術からは想起しえない全く新規なものである。
【0026】
本発明では、上述の増粘多糖類のほかに、既存のものを本発明の効果を妨げない範囲で使用することができる。具体的には、グルコマンナン、アラビアガム、グァーガム、キサンタンガム、ペクチン、水溶性大豆多糖類、タラガム、カラヤガム、タマリンド種子ガムを挙げることができる。
【0027】
また、本発明にかかる化粧品用基礎組成物に配合できる有効成分としては、既存の化粧品等に使用されている各種成分を制限なく例示することができる。
【0028】
具体的には、高分子物質、界面活性剤、脂肪酸、アルコール類、多価アルコール、抽出物、アミノ酸、核酸、ビタミン、酵素、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、キレート剤、制汗剤、顔料、色素、酸化染料、有機及び無機粉体、pH調整剤、パール化剤、湿潤剤、保湿剤等の化粧品原料基準、化粧品種別配合成分規格、医薬部外品原料規格、日本薬局方、食品添加物公定書等に記載されている原料や成分などが挙げられる。
【0029】
さらにその他の任意成分の例としては、美白用薬剤としてアルブチン、コウジ酸、ビタミンC及びその誘導体;血管拡張剤としてセンブリエキス、セファランチン、ビタミンE及びその誘導体、ハイドロキノンおよびその誘導体;γ−オリザノール;局所刺激剤としてトウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、ニコチン酸ベンジルエステル;ビタミンA、D、E、K及びそれらの誘導体等の脂溶性ビタミンや、B群、C及びそれらの誘導体等の水溶性ビタミン;シスチン、システイン、アセチルシステイン、メチオニン、セリン、ロイシン、トリプトファン、グリシン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、イソロイシン、アラニン、ヒスチジン、リジン、プロリン、オキシプロリン、フェニルアラニン、スレオニン、チロシン、バリン、ε−アミノカプロン酸等のアミノ酸及びその誘導体;女性ホルモン剤として、エストラジオール、エチニルエストラジオール;毛根賦活剤としてパントテン酸およびその誘導体、プラセンタエキス、アラントイン等;抗炎症剤としてβ−グリチルリチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、ε−アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾン、ヒノキチオール等;抗プラスミン剤としてトラネキサム酸;収れん剤として酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸、クエン酸、乳酸等;天然物由来として、ハマメリス、オドリコ草、白樺、ダイオウ等;清涼化剤としてメントール、カンフル、p−メンタン−3,8−ジオール、メンチル−3−ヒドロキシブチレート、メンチルラクテート、3−メントキシプロパン−1,2−ジオール、2−(l−メントキシ)エタノール等;ホルモンとしてエストラジオールおよびそのエステル誘導体;エストロン、エチニルエストラジオール、コルチゾンおよびそのエステル誘導体;ヒドロコルチゾンおよびそのエステル誘導体、プレドニゾン、プレドニゾロン等;抗ヒスタミン剤として塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェラミン;天然物由来としてカミツレエキス、ユーカリ油エキス;新陳代謝促進、血行促進、創傷治癒等として、ニンジンエキス、アロエ、シコン、リリー、ヘチマ、マロニエ、オオバク、ベニハナ等;紫外線吸収剤として、ベンゾフェノンフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サルチル酸誘導体、ウロカニン酸及びその誘導体、アントラニル酸メチル;吸血性昆虫(蚊、シラミ、ノミ、ダニなど)の忌避成分として、ジメチルフタレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ビスブチレンテトラヒドロフルフラール、N,N−ジエチル−m−トルアミド等;防腐剤としてパラベン誘導体、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体;抗酸化剤としてヤマモモ抽出物、ルチン、ケルセチン等が挙げられる。
【0030】
上に説明した種々の成分を配合して本発明の化粧料組成物を作成するには、本発明において規定される物性を満たすものとすることを除いては、特別の制限はなく、従来公知の常法に準ずることができる。
【実施例】
【0031】
以下、本発明の内容を以下の実施例及び実験例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、以下特に断らない限り、%は質量%を意味する。
【0032】
次の処方に基づき、ゲル状の化粧水(化粧品用基礎組成物に保湿成分としてのピロリドンカルボン酸(PCA)イソステアリン酸グリセレス、1,3−ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム(PCA−Na)を添加したもの)を調製した。
<処方>
1 PCAイソステアリン酸グリセレス 1
2 1,3−ブチレングリコール 1.4
3 メチルパラベン 0.1
4 PCA−Na 5
5 ゲル化剤(ゲル化剤又は増粘剤) 表1参照
6 イオン交換水 残部
合計 100
【0033】
<調整方法>
(1) 処方中1〜3までを50℃で攪拌溶解した(これをA相とする)。
(2) 5、6を80℃で攪拌溶解した(これをB相とする)。
(3) B相を攪拌しながら、A相及び4を加えた。
(4) (3)で得た溶液を冷却し、ゲル状化粧水を得て、これを試験体とした
【0034】
次いで、得られたゲルをレオメーターによりずり応力と貯蔵弾性率(G´)の測定を行い、当該ゲルの崩れやすさ、べたつき感、伸ばすやすさ及びゲルの透明性について評価を行った。結果を表1(実施例)及び表2(比較例)のそれぞれ下段に示す。表1、2及び図1〜3において、「実」は実施例を、「比」は比較例であることを示す。
【0035】
<レオメーターによる測定方法>
上記で得られた各試験体について、測定面がテフロン製円錐−ステンレス製円盤型のレオメーターを用い、温度30℃、周波数1.0Hzの条件でずり応力を増加させながら貯蔵弾性率(G´)を測定し、その結果を、横軸をずり応力、縦軸を貯蔵弾性率(G´)とするグラフとした。(図1〜3参照)。グラフ中の矢印は、貯蔵弾性率(G´)の値がずり応力0.1PaのときのG´の値が80%となった「変化点」を示す。
測定機器:フルイドレオメーター ARES−LS1(TA Instrumental社製)
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
<結果>
レオメーターによる測定とゲルの崩れやすさ等の評価より、本願発明にかかる物性を有するゲルであれば、崩れやすさ等の評価に優れているものであることが明らかとなった。
実施例1乃至6並びに実施例7乃至11で得られたゲルでは、いずれも線形領域が3〜20Paの間で生じており、変化点についても1.5〜300Paの範囲において生じていた(図1並びに図2参照)。
【0039】
詳細には、実施例1の試験体では、増粘多糖類としてサイリウムシードガムを用いた。得られた試験体のレオメーターによる測定結果を図1に示した。実施例1の場合、ずり応力が0.1Paのときの貯蔵弾性率(G´)は7.47であった。これをAとし、この貯蔵弾性率(G´)の値の80%程度となる、ずり応力12.38PaでG´の値は6.04であった。この点を変化点とした。
【0040】
以下、同様に実施例2〜11について同様の操作を行い、表1に記載の結果が得られた。実施例1〜11で得られた試験体では、いずれもずり応力が0.1Paのときの貯蔵弾性率(G´)は3〜20Paの範囲内であり、かかるG´の値において線形領域が形成されていた。かかる領域は、ずり応力の変化が貯蔵弾性率(G´)に影響を及ぼさない範囲であることがわかる。即ち、試験体に対し当該範囲内のずり応力を加えても、貯蔵弾性率に影響はない、即ちゲルの構造に影響を与えない範囲であるといえる。
【0041】
一方の比較例1〜11(表2参照)で得られた試験体では、まず比較例1及び2のゲルでは線形領域が生じていないものであったため、ゲルを手に塗りつけようとしても適度な抵抗感が感じられず、実施例品に比べ明確な使用感が得られるものではなかった。次いで比較例3乃至6で得られたゲルでは、線形領域は比較例3、4及び6で生じていたが、変化点が本発明で規定する範囲内で生じていないものであった(図3参照)。これを実際に使用してみたが、ゲルは崩れにくくべたつき感もあり、好ましいものではなかった。また、比較例5のゲルでは比較例1及び2と同様線形領域がなく、変化点も規定範囲内に生じておらず、ゲル感のないゾル状になっていた。比較例7乃至11で得られた試験体は、ゲルが硬くなってしまい、レオメーターによる測定ができなかった。これを肌へ塗り広げようとしたが、ゲルが硬く崩れず、塗り広げることができなかった。
【0042】
上記の評価による結果は、図1〜3中の本願発明が規定する貯蔵弾性率G´及びずり応力の範囲を示す線で囲まれた部分に、変化点が含まれるか否かと一致していた。即ち、当該範囲内に変化点が生じる物性を有する化粧品用基礎組成物であれば、本願発明の効果を奏することができることが明らかとなった。
【0043】
以上より、本願発明にかかる化粧料用基礎組成物を得るためには、使用する増粘多糖類の種類は特に制限されず、特定の物性を有する状態となるように調製することによって本願発明の効果を教授できることが明らかとなった。また、実施例品1及び5としてサイリウムシードガムを用いたもの、さらにサイリウムシードガムとκ−カラギーナンを併用した実施例品2を用いて調製した試験体に関しては、当該試験体をカップ容器に充填し静置後、そこからスプーンですくい取ってしばらく時間が経つと、すくい取った後の窪み部分が目立たなくなり、表面が均一化するという変化が見受けられた。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施例1乃至6で得られたゲルのレオメーターによる測定結果をグラフに表したものである。グラフ中の矢印は、各試験体の変化点を示す。縦軸、横軸からそれぞれ引いた2本の線は、本願発明が規定する貯蔵弾性率(G´)及びずり応力の範囲を示す。
【図2】実施例7乃至11で得られたゲルのレオメーターによる測定結果をグラフに表したものである。グラフ中の矢印は、各試験体の変化点を示す。縦軸、横軸からそれぞれ引いた2本の線は、本願発明が規定する貯蔵弾性率(G´)及びずり応力の範囲を示す。
【図3】比較例1乃至6で得られたゲルのレオメーターによる測定結果をグラフに表したものである。グラフ中の矢印は、各試験体の変化点を示す。縦軸、横軸からそれぞれ引いた2本の線は、本願発明が規定する貯蔵弾性率(G´)及びずり応力の範囲を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次に記載するa〜hのいずれかの増粘多糖類を含有し、レオメーターによる測定で、温度30℃、周波数1.0Hzの条件で、ずり応力を変化させ、貯蔵弾性率(G´)を測定したとき、ずり応力0.1Paのときの貯蔵弾性率(G´)の値が1.5〜300Paであって、貯蔵弾性率(G´)の変化点が、ずり応力3〜20Paの範囲内であることを特徴とするゲル状の化粧品用基礎組成物。
a) サイリウムシードガム
b) サイリウムシードガム、κ-カラギーナン
c) κ-カラギーナン、ι-カラギーナン
d) キサンタンガム 1質量%
e) κ-カラギーナン 0.5質量%
f) κ-カラギーナン、ι-カラギーナン、発酵セルロース
g) サイリウムシードガム、脱アシルジェランガム
h) 寒天、サイリウムシードガム
【請求項2】
ゲル状物であって、手で肌へすり合わせた際にゲル状物が摩滅することにより肌へ塗布されるものである、請求項1に記載の化粧品用基礎組成物。
【請求項3】
化粧品が、乳液、クリーム、化粧水、クレンジング、クリーム剤、ヘアワックス、ヘアムースのいずれかである請求項1又は2に記載の化粧品用基礎組成物。
【請求項4】
発酵セルロースが、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム又はグァーガムの一種以上と複合化したものである請求項1記載の化粧品用基礎組成物。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−103920(P2013−103920A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250267(P2011−250267)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000175283)三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 (429)
【Fターム(参考)】