説明

化粧品用感覚的ワックス含有添加剤

【課題】 通常使用されるワックスを超えた、シリコーン油によって通常実現される更なる感覚的利点を与える、ワックス様物質を含む化粧品用添加剤を提供する。
【解決手段】 (a)0.3 重量%未満の C17 脂肪酸アシル基を含み、少なくとも 30 ℃の融点を有する、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及び/又はトリペンタエリスリトールの C6〜22 脂肪酸エステル組成物からなるワックス成分0.1〜10 重量%、(b)25 ℃で液体である少なくとも1種の油成分1〜25 重量%、(c)C12〜24 脂肪アルコール又は C12〜14 部分グリセリド或いはこれらの混合物0.1〜5 重量%、(d)C8〜24 アルキルオリゴグルコシド0.5〜10 重量%、及び(e)水を含む、化粧品用添加剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペンタエリスリトール又はペンタエリスリトールオリゴマーのワックス様エステルを含む、化粧品用添加剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ワックスベース製剤は、当業者に長い間知られており、とりわけ化粧品及び医薬品、例えば、座薬、スティック状又はクリーム及びローション状の種々の化粧品に、そして紙及び布地を被覆するためなどに使用されている。この目的のために、当業者は多数のワックス様物質及びそのような物質の混合物を利用する。これらは、例えば、最終製剤の感覚特性への著しい影響を有する、グリセリド及び脂肪アルコールを含む。例えば、グリセリドは皮膚に、油/脂っぽい感触をしばしば残す。脂肪アルコールは、使用者が重要な欠点と見なす白色残留物の形成を導く。白色残留物の形成を防ぐために、シリコーン油がしばしば添加される。シリコーン油は、製剤の粘着性を低下し、皮膚へのすべすべした滑らかな感触を改善するためにも使用される。残念ながら、シリコーン油の一部は、毒物学的及び生態学的欠点を有する。このため、シリコーン油の代替品が長い間求められてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、通常使用されるワックスを超えた、シリコーン油によって通常実現される更なる感覚的利点を与える、ワックス様物質を含む化粧品用添加剤を提供することである。このようなワックスは、シリコーン油不含有化粧品をシリコーン油特有の典型的な感覚特性を失うことなく調製することを可能にするであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
意外なことに、これらの特性が、動物性原料源よりむしろ植物性原料源から調製されたペンタエリスリトール又はそのオリゴマーに基づく特定のワックスによって達成され得ることが見出された。
【0005】
ペンタエリスリトールエステルは、以前から市販されており、とりわけ食品産業における乳化剤として使用されている。これらのエステルは、動物性原料源から得られる。これについては、ほんの一例として、Cognis Deutschland GmbH & Co. KG によって Loxiol(登録商標)P 728 の商品名で市販されている製品が挙げられる。これは、約 2 重量%の C17 脂肪酸を含み、約 30:70 の C16/C18 割合を有し、従って別の市販品に相当する。残念ながら、このようなワックスエステルは、それらから製造した化粧品の、安定性、粘度、巨視的/微視的外観に関して又は感覚特性に関して、完全には満足のいくものではない。
【0006】
従って、本発明は、
(a)0.3 重量%未満の C17 脂肪酸アシル基を含み、少なくとも 30 ℃の融点を有する、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及び/又はトリペンタエリスリトールの C6〜22 脂肪酸エステル組成物からなるワックス成分0.1〜10 重量%、
(b)25 ℃で液体である少なくとも1種の油成分1〜25 重量%、
(c)C12〜24 脂肪アルコール又は C12〜14 部分グリセリド或いはこれらの混合物0.1〜5 重量%、
(d)C8〜24 アルキルオリゴグルコシド0.5〜10 重量%、及び
(e)水
を含むことを特徴とする、化粧品用添加剤に関する。
驚くべきことに、上記脂肪酸エステル組成物(以下、単にエステルと称する)は、化粧品に非常に良好な感覚特性を与える。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明で使用するエステルは、単独種の脂肪酸アシル基又は種々の脂肪酸アシル基混合物を含んでよく、脂肪酸は、分枝又は直鎖及び/又は飽和又は不飽和であってよい。飽和直鎖脂肪酸の高含有量を有する脂肪酸、特に植物性原料源由来の脂肪酸を、好ましくはエステル化に使用する。本発明では、C14〜24 脂肪酸、特に C14〜20 脂肪酸が好ましい。本発明の好ましい態様は、(a)5〜35 重量%のモノエステル、(b)20〜50 重量%のジエステル、(c)25〜50 重量%のトリエステル及び任意のテトラエステルの含有率を有するペンタエリスリトールエステルである。(a)10〜25 重量%のモノエステル、(b)25〜40 重量%のジエステル、(c)30〜45 重量%のトリエステル及び任意のテトラエステルの含有量が好ましく、(a)12〜19 重量%のモノエステル、(b)25〜35 重量%のジエステル、(c)30〜40 重量%のトリエステル、(d)6〜11 重量%のテトラエステルの含有量が最も好ましい。
【0008】
他の好ましいエステルの態様は、40〜50 重量%の C16 脂肪酸と 45〜55 重量%の C18 脂肪酸を含む脂肪酸混合物をエステル化に使用することを特徴とする。脂肪酸混合物の残りは比較的短鎖(C14 以下)の脂肪酸及び比較的長鎖(C18 超)の脂肪酸からなる。約 0.7〜0.9 の C16/C18 脂肪酸の重量比を有するペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールのエステルは、感覚特性に関して優れている。本発明において、特に適当なエステルは、42〜48 重量%の C16 脂肪酸と 50〜56 重量%の C18 脂肪酸を含む脂肪酸混合物(残りは C14 以下の脂肪酸及び C18 超の脂肪酸)とペンタエリスリトールとの反応によって得られ、以下のエステル割合を有するペンタエリスリトールエステルである:(a)12〜19 重量%のモノエステル、(b)25〜35 重量%のジエステル、(c)30〜40 重量%のトリエステル、(d)6〜11 重量%のテトラエステル。ペンタエリスリトール 1 mol あたり通常 1.8〜2.2 mol、好ましくは 1.9〜2.1 mol の脂肪酸混合物をエステル化に使用する。
【0009】
本発明のエステルは、ペンタエリスリトール 1 mol あたり 1.8〜2.2 mol、好ましくは 1.9〜2.1 mol の、40〜50 重量%の C16 脂肪酸と 45〜55 重量%の C18 脂肪酸とを含む脂肪酸混合物又は対応する脂肪酸割合を有する原料混合物を使用して、(a)溶媒不存在下、不活性ガス雰囲気中、180〜250 ℃の温度でエステル化を行い、(b)生成水を留去し、(c)得られた反応混合物を、1 未満の酸価及び 145〜158 のヒドロキシル価に達するまで減圧下で撹拌し、(d)未反応ペンタエリスリトールを濾去し、(e)任意に、過酸化水素で後処理する、C16/C18 脂肪酸ペンタエリスリトールエステルの製造方法により製造することができる。酸価及びヒドロキシル価のモニタリング及び調整の方法は当業者によく知られており、ここで詳細に議論する必要はない。
【0010】
産業上の応用例
本発明のエステルを粘稠要素として含む化粧品は、安定性、粘度、巨視的/微視的外観に関して及び/又は感覚特性に関して、類似した既知の製品より優れている。これらは容易につけたり広げたりでき、難なく皮膚に吸収され、油っぽい、粘着性の又はべたべたした感触というよりむしろ、すべすべした滑らかな感触を皮膚に残す。
【0011】
本発明において、特に適当な組成物は、42〜48 重量%の C16 脂肪酸と 50〜56 重量%の C18 脂肪酸を含む脂肪酸混合物(残りは C14 以下の脂肪酸及び C18 超の脂肪酸)とペンタエリスリトールとの反応によって得られ、以下のエステル割合を有するペンタエリスリトールエステルを含む:(a)12〜19 重量%のモノエステル、(b)25〜35 重量%のジエステル、(c)30〜40 重量%のトリエステル、(d)6〜11 重量%のテトラエステル。該組成物は、安定性、粘度、巨視的/微視的外観に関して及び感覚特性に関して特に良好な特性を有する。本発明の組成物の好ましい態様は、シリコーン油を含まない。本発明は、本発明の組成物のボディケア製品への使用にも関する。
【0012】
別のワックス成分
本発明の他の好ましい態様は、少なくとも1種の別のワックス成分を含む。ワックスは、天然又は合成物質であり、下記特性を有する混合物であると通常理解される:固体又は脆くて堅い粘稠度を有し、粗い又は細かい結晶質であり、透明又は不透明であり、30 ℃超で分解することなく溶ける。融点を僅かに超えただけで、ワックスは、粘度が低下して糸曳きしなくなり、その粘稠性及び溶解性は温度に極めて依存している。30 ℃以上の温度で溶けるワックス成分又はワックス成分混合物を、本発明では使用してよい。ワックスは、本発明の組成物中に、0.1〜15 重量%の総量で存在する。本発明の好ましい態様では、追加のワックス成分の含有量は、組成物全体に基づいて、0.1〜10 重量%、好ましくは 0.5〜5 重量%、より好ましくは 1〜5 重量%である。
【0013】
本発明では、ワックス様粘稠性を有する脂肪及び脂肪様物質を、それらが所望の融点を有する場合は、ワックスとして使用してもよい。これらは、とりわけ、脂肪(トリグリセリド)、モノグリセリド及びジグリセリド、天然及び合成ワックス、脂肪アルコール及びワックスアルコール、脂肪酸、脂肪アルコールと脂肪酸とのエステル、脂肪酸アミド又はこれらの物質の混合物を含む。
【0014】
本発明において、脂肪は、トリアシルグリセロール、即ち、脂肪酸とグリセロールとのトリエステルであると理解される。これらは、好ましくは、飽和直鎖非置換脂肪酸成分を含む。これらは、混合エステル、即ち、グリセロールと種々の脂肪酸とのトリエステルであってもよい。部分水素化によって得られるいわゆる硬化脂肪及び硬化油を本発明では使用することができ、それらは粘稠要素として特に適している。植物性硬化脂肪及び油、例えば、硬化された、ひまし油、落花生油、大豆油、コルザ油、菜種油、綿実油、ヒマワリ油、パーム油、パーム核油、亜麻仁油、アーモンド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ゴマ油、カカオ脂、ココヤシ脂が好ましい。
【0015】
適当な脂肪は、とりわけ、グリセロールと C12〜60 脂肪酸、特に C12〜36 脂肪酸とのトリエステルである。これらは、例えば水素化ひまし油、Cutina(登録商標)HR の商品名で市販されているグリセロールとヒドロキシステアリン酸とのトリエステルを含む。ワックス成分又は混合物全体の融点が 30 ℃以上であるなら、グリセロールトリステアレート、グリセロールトリベヘネート(例えば Syncrowax(登録商標)HRC)、グリセロールトリパルミテート又は Syncrowax(登録商標)HGLC の商品名で知られているトリグリセリド混合物も適している。
【0016】
本発明において、別の適当なワックス成分は、モノグリセリド、ジグリセリド、及びこれらの部分グリセリドの混合物である。本発明で使用するのに適当なグリセリド混合物は、Cognis Deutschland GmbH & Co. KG 製の、Novata(登録商標)AB 及び Novata(登録商標)B(C12〜18 モノ、ジ及びトリグリセリドの混合物)、Cutina(登録商標)MD 又は Cutina(登録商標)GMS(グリセリルステアレート)を含む。本発明では、C12〜24 部分グリセリドが別のワックス成分として特に適当である。
【0017】
混合エステル、並びにモノ-、ジ-及びトリグリセリド混合物が、比較的低い結晶化傾向を有し、従って、本発明の組成物の特性を向上させるので、本発明の目的に特に適当である。更に、これらは、広範な極性を有する油に対してかなり良好な適合性を示す。
【0018】
本発明で使用するのに適当な脂肪アルコールは、C12〜50 脂肪アルコールを含む。本発明では、C12〜24 脂肪アルコールが、別のワックス成分として特に適当であり、C12〜24 部分グリセリドと組み合わせて使用してもよい。脂肪アルコールは、天然の脂肪、油及びワックスから得ることができ、その例は、ミリスチルアルコール、1-ペンタデカノール、セチルアルコール、1-ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、1-ノナデカノール、アラキジルアルコール、1-ヘンイコサノール、ベヘニルアルコール、ブラシジルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール又はミリシルアルコールである。本発明では、飽和直鎖脂肪アルコールが好ましい。しかしながら、不飽和の分枝又は直鎖脂肪アルコールも、それらが所望の融点を有するならば、本発明の目的のためのワックス成分として使用してよい。
【0019】
他の適当な脂肪アルコールは、天然由来の脂肪及び油、例えば、牛脂、落花生油、コルザ油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油、パーム核油、亜麻仁油、ひまし油、トウモロコシ油、菜種油、ゴマ油、カカオ脂及びココヤシ油の還元によって得られた脂肪アルコール画分である。
【0020】
しかしながら、合成アルコール、例えば、チーグラー合成から得られた直鎖偶数脂肪アルコール(Alfols(登録商標))又はオキソ合成から得られた部分分枝アルコール(Dobanols(登録商標))を使用してもよい。
【0021】
本発明の組成物の好ましい態様は、もう1つのワックス様脂質成分として少なくとも1種の脂肪アルコールを含む。例えば、Cognis Deutschland GmbH & Co. KG によって Lanette(登録商標)16(C16 アルコール)、Lanette(登録商標)14(C14 アルコール)、Lanette(登録商標)O(C16/18 アルコール)及び Lanette(登録商標)22(C18/22 アルコール)の商品名で市販されている C14〜22 脂肪アルコールが、本発明の目的のために特に適している。脂肪アルコールはトリグリセリドより皮膚に乾いた感触を与える組成物を提供するので、トリグリセリドのほうが好ましい。
【0022】
C14〜40 脂肪酸又はそれらの混合物をワックス成分として使用してもよい。これらは例えば、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、エルカ酸及びエレオステアリン酸、例えば 12-ヒドロキシステアリン酸のような置換脂肪酸、並びに該脂肪酸のアミド又はモノエタノールアミドを含む。この記載は、限定例ではなく単なる例示を意味する。
【0023】
本発明で使用するのに適当なワックスは、例えば天然植物性ワックス、例えば、カンデリラロウ、カルナウバロウ、木ロウ、アフリカハネガヤロウ、コルクロウ、グアルマロウ、ライスオイルロウ、サトウキビロウ、オウリカリロウ、モンタンロウ、ヒマワリロウ、果物ロウ、例えばオレンジロウ、レモンロウ、グレープフルーツロウ、ヤマモモロウ、及び動物性ワックス、例えば、蜜ロウ、セラックロウ、鯨ロウ、羊毛ロウ、尾羽脂である。本発明では、水素化又は硬化ワックスを使用することが有利であり得る。本発明で使用できる天然ワックスは、鉱ロウ、例えばセレシン及びオゾケライト(地ロウ)、又は石油化学ワックス、例えばペトロラタム、パラフィンワックス、マイクロワックスも含む。他の適当なワックス成分は、化学修飾ワックス、より好ましくは硬ロウ、例えばモンタンエステルロウ、サソールロウ、水素化ホホバロウである。本発明で使用できる合成ワックスは、例えばワックス様ポリアルキレンワックス及びポリエチレングリコールワックスを含む。植物性ワックスが、本発明の目的には好ましい。
【0024】
別のワックス成分は、飽和及び/又は不飽和の分枝及び/又は直鎖アルカンカルボン酸と飽和及び/又は不飽和の分枝及び/又は直鎖アルコールとのワックスエステルからなる群、芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸(例えば 12-ヒドロキシステアリン酸)と飽和及び/又は不飽和の分枝及び/又は直鎖アルコールとのエステルからなる群、並びに長鎖ヒドロキシカルボン酸のラクチドからなる群からも選ぶことができる。これらのワックス成分は、例えば、C16〜40 アルキルステアレート、C20〜40 アルキルステアレート(例えば Kesterwachs(登録商標)K82H)、ダイマー酸の C20〜40 ジアルキルエステル、C18〜38 アルキルヒドロキシステアロイルステアレート、又は C20〜40 アルキルエルケートを含む。有利に使用され得る他の適当なワックス成分は、C30〜50 アルキル蜜ロウ、トリステアリルシトレート、トリイソステアリルシトレート、ステアリルヘプタノエート、ステアリルオクタノエート、トリラウリルシトレート、エチレングリコールジパルミテート、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジ(12-ヒドロキシステアレート)、ステアリルステアレート、パルミチルステアレート、ステアリルベヘネート、セテアリルベヘネート及びベヘニルベヘネートである。
【0025】
油成分
他の好ましい態様では、本発明の組成物は、更に、25 ℃で液体である少なくとも1種の油成分及びこのような油成分の混合物を含む。該油成分は、組成物全体に基づいて、1〜25 重量%、好ましくは 1〜15 重量%、より好ましくは 5〜15 重量%の量で存在する。
【0026】
適当な油成分は、例えば、25 ℃で液体である下記化合物である。これらはとりわけ、6〜18 個、好ましくは 8〜10 個の炭素原子を有する脂肪アルコールベースのゲルベアルコール、直鎖又は分枝の飽和又は不飽和 C6〜22 脂肪酸と直鎖又は分枝の飽和又は不飽和 C6〜22 脂肪アルコール(より好ましくは 2-エチルヘキサノール)とのエステルを含む。以下に例を示す:ヘキシルラウレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルエルケート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、ココカプリレート/カプレート。他の適当なエステルは、例えば、C18〜38 アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖又は分枝の飽和又は不飽和 C6〜22 脂肪アルコールとのエステル、直鎖及び/又は分枝の飽和及び/又は不飽和脂肪酸と多価アルコール(例えばプロピレングリコール、二量体ジオール又は三量体トリオール)及び/又はゲルベアルコールとのエステル、トリグリセリド又はトリグリセリド混合物、液体モノ-、ジ-及びトリ-グリセリド混合物、C6〜22 脂肪アルコール及び/又はゲルベアルコールと芳香族カルボン酸(より好ましくは安息香酸)とのエステル、C2〜12 ジカルボン酸と直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の、1〜22 個の炭素原子を有するアルコール又は 2〜10 個の炭素原子及び 2〜6 個のヒドロキシル基を有するポリオールとのエステル、植物性油、分枝一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖ジアルキルカーボネート、6〜18 個、好ましくは 8〜10 個の炭素原子を有する脂肪アルコールベースのゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖及び/又は分枝 C6〜22 アルコールとのエステル(例えば Finsolv(登録商標)TN)、各アルキル基に 6〜22 個の炭素原子を有する直鎖又は分枝の対称又は非対称ジアルキルエーテル(例えばジ-n-オクチルエーテル(Cetiol(登録商標)OE))、エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールによる開環生成物、炭化水素、例えばパラフィン又は鉱油、オリゴ-又はポリ-α-オレフィンである。
【0027】
本発明では、ジアルキルエーテル、ジアルキルカーボネート、トリグリセリド混合物、C8〜24 脂肪酸と C8〜24 脂肪アルコールとのエステル又はこれらの物質の混合物が、油成分としての使用に特に適している。ジアルキルカーボネート及びジアルキルエーテルは、対称又は非対称、分枝又は直鎖、飽和又は不飽和であり得、従来技術から既知の反応によって調製され得る。本発明の好ましい態様は、エステル、ジアルキルエーテル及びトリグリセリドを含むがシリコーン油は含まない油成分の混合物を使用することを特徴とする。
【0028】
本発明において、他の適当な油成分は、とりわけ、好ましくは 8〜40 個の炭素原子の鎖長を有する、炭化水素である。これらは、分枝又は直鎖の飽和又は不飽和であり得る。なかでも、分枝飽和 C8〜40 アルカンが好ましい。純粋な物質及び混合物の両方を使用できる。混合物は、通常、異なった異性体化合物の混合物である。C10〜30、好ましくは C12〜20、より好ましくは C16〜20 アルカンを含む組成物が特に適当であり、なかでも、アルカンの総量に基づいて少なくとも 10 重量%の分枝アルカンを含むアルカン混合物が特に好ましい。アルカンは、好ましくは分枝飽和アルカンである。1 重量%超の 5,8-ジエチルドデカン及び/又は 1 重量%超のジデセンを含むアルカン混合物が特に適当である。
【0029】
界面活性物質
本発明の組成物の他の好ましい態様は、更に、本発明の製剤の安定化に寄与する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含む。非イオン性界面活性剤の含有量は、製剤の種類によって決定されるが、通常 10 重量%を超えない。好ましい含有量は、組成物全体に基づいて、0.5〜10 重量%、好ましくは 0.5〜5 重量%、より好ましくは 0.5〜3 重量%である。
【0030】
非イオン性界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、ポリグリセロールエステル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化モノ/ジ/トリグリセリド、混合エーテル及び混合ホルマール、場合により部分的に酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシド又はグルクロン酸誘導体、脂肪酸-N-アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に小麦系植物性の生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート並びにアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を有する場合、ポリグリコールエーテル鎖は通常の同族体分布を有し得るが、狭い同族体分布を有することが好ましい。1つの特に好ましい態様では、非イオン性界面活性剤は、アルキル(アルケニル)オリゴグリコシドからなる群から選ばれる。
【0031】
アルキル(アルケニル)オリゴグリコシドは、式(I):
R1O-[G]p (I)
[式中、R1 はアルキル(アルケニル)基を表し、G は 5 又は 6 個の炭素原子を有する糖単位を表し、p は 1〜10 の数を表す。]
に相当する既知の非イオン性界面活性剤である。これらは、従来の有機化学の適切な方法によって得ることができる。EP-A1-0 301 298 及び WO 90/03977 を、この対象に関する極めて有効な特許文献の代表としてここに引用する。
【0032】
アルキル(アルケニル)オリゴグリコシドは、5 又は 6 個の炭素原子を有するアルドース又はケトース、好ましくはグルコースから誘導され得る。従って、好ましいアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドは、アルキル(アルケニル)オリゴグルコシドである。一般式(I)の添え字 p は、オリゴマー度(DP)、即ちモノ-及びオリゴグリコシドの分布を示しており、1〜10 の数である。特定の化合物中の p は常に整数でなくてはならず、とりわけ 1〜6 の値をとり得るのに対して、あるアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドの値 p は、一般的に整数でない分析的に決定された計算値である。平均オリゴマー 度 p が 1.1〜3.0 である、アルキル(アルケニル)オリゴグリコシドが好ましく使用される。オリゴマー度が 1.7 未満、更に好ましくは 1.2〜1.4 であるアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドは、応用の観点から好ましい。置換基 R1 が一級 C8〜24、好ましくは C12〜24、より好ましくは C16〜18 アルコール由来であるアルキルオリゴグルコシドが、本発明では好ましく使用される。これらアルコールの工業用混合物を使用してもよい。
【0033】
アニオン性、カチオン性及び/又は両性又は双性イオン性の界面活性剤/乳化剤、又はこれら界面活性剤/乳化剤の混合物も、本発明の組成物中に界面活性剤として存在してよい。
【0034】
アニオン性界面活性剤の典型例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、α-メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノ-及びジ-アルキルスルホスクシネート、モノ-及びジ-アルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸及びその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N-アシルアミノ酸(例えばアシルラクチレート、アシルタートレート、アシルグルタメート及びアシルアスパルテート)、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に、小麦系植物性の生成物)、並びにアルキル(エーテル)ホスフェートである。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を有する場合、ポリグリコールエーテル鎖は通常の同族体分布を有し得るが、狭い同族体分布を有することが好ましい。
【0035】
カチオン性界面活性剤の典型例は、第四級アンモニウム化合物、例えば、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、及びエステルクォート、とりわけ第四級脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩である。
両性又は双性イオン性界面活性剤の典型例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタイン及びスルホベタインである。
【0036】
列挙した界面活性剤は全て既知の化合物である。これらの構造及び製造方法に関する情報は、関連概要書に見ることができる。特に適当で穏やかな、即ち特に皮膚科学的適合性である界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノ-及び/又はジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α-オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、アンフォアセタール及び/又はタンパク質脂肪酸縮合物(好ましくは小麦タンパク質ベース)である。
【0037】
他の好ましい組成物は、下記成分を含むことを特徴とする:(a)0.1〜10 重量%の本発明に従った少なくとも1種のワックス成分(脂肪酸エステル組成物)、(b)1〜25 重量%の 25 ℃で液体である少なくとも1種の油成分、(c)0.1〜5 重量%の C12〜24 脂肪アルコール又は C12〜14 部分グリセリド或いはこれらの混合物、(d)0.5〜10 重量%の C8〜24 アルキルオリゴグルコシド、及び(e)水。特に好ましい組成物は、(a)0.5〜5 重量%の本発明に従った少なくとも1種のワックス成分、(b)5〜15 重量%の 20 ℃で液体である少なくとも1種の油成分、(c)1〜5 重量%の C12〜24 脂肪アルコール又は C12〜14 部分グリセリド或いはこれらの混合物、(d)0.5〜5 重量%の C12〜24 アルキルオリゴグルコシド、及び(e)90 重量%までの水を含む。本発明では、42〜48 重量%の C16 脂肪酸と 50〜56 重量%の C18 脂肪酸を含む脂肪酸混合物(残りは C14 以下の脂肪酸及び C18 超の脂肪酸)とペンタエリスリトールとの反応によって得られ、(a)12〜19 重量%のモノエステル、(b)25〜35 重量%のジエステル、(c)30〜40 重量%のトリエステル、及び(d)6〜11 重量%のテトラエステルを含むペンタエリスリトールエステルが、好ましいワックス成分(a)に相当する。
【0038】
ヒドロトロープ
本発明の他の好ましい態様は、更に、ヒドロトロープの群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む。ヒドロトロープの機能は、流動性及び感覚特性を向上することである。適当なヒドロトロープは、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール又はポリオールである。適当なポリオールは、好ましくは、2〜15 個、より好ましくは 2〜6 個の炭素原子及び少なくとも 2 個のヒドロキシル基を含む。本発明では、グリセロールが好ましい。ヒドロトロープの含有量は、組成物全体に基づいて、0.1〜10 重量%、好ましくは 0.5〜5 重量%、より好ましくは 1〜5 重量%である。
【0039】
他の任意の助剤及び添加剤
対象とする用途によって、化粧品は、種々の他の助剤及び添加剤、例えば下記に例として記載する、増粘剤、過脂肪剤、安定剤、ポリマー、レシチン、リン脂質、生物起源活性剤、UV 保護剤、酸化防止剤、消臭剤、フィルム形成剤、膨潤剤、防虫剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、防腐剤、香油、染料などを含む。各添加剤が使用される量は、対象とする使用によって決定される。
【0040】
適当な増粘剤は、例えば、Aerosil(登録商標)タイプ(親水性ケイ酸)、多糖、とりわけキサンタンガム、グアー、寒天、アルギネート、チロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びベントナイト、例えば、Bentone(登録商標)Gel VS-5PC(Rheox)である。
【0041】
本発明における UV 保護剤は、例えば、室温で液状又は結晶であり、紫外線を吸収して、その吸収したエネルギーをより長波長の放射線(例えば熱)として放出することのできる有機物質(光フィルター)である。UV-B フィルターは、油溶性又は水溶性であり得る。典型的な UV-A フィルターは、とりわけベンゾイルメタン誘導体である。UV-A フィルター及び UV-B フィルターを混合物として使用しても当然よい。ベンゾイルメタン誘導体の組み合わせは、例えば 4-t-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)及び 2-シアノ-3,3-フェニル桂皮酸-2-エチルヘキシルエステル(オクトクリレン)と、桂皮酸エステル、好ましくは 4-メトキシ桂皮酸-2-エチルヘキシルエステル及び/又は 4-メトキシ桂皮酸プロピルエステル及び/又は 4-メトキシ桂皮酸イソアミルエステルである。このような組み合わせは、しばしば、水溶性フィルター、例えば 2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸並びにそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩及びグルカンモニウム塩と組み合わせる。
【0042】
上記可溶性物質の他に、不溶性遮光顔料、即ち、微分散金属酸化物又は塩を、この目的のために使用してもよい。適当な金属酸化物の例は、とりわけ、酸化亜鉛、二酸化チタンである。
【0043】
上記二群の主な日焼け止め剤の他に、抗酸化剤タイプの副次的日焼け止め剤をも使用し得る。抗酸化剤タイプの副次的日焼け止め剤は、UV 線が皮膚に侵入すると開始される光化学反応鎖を断つ。
【0044】
本発明における生物起源活性剤は、例えば、トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸及びその分裂生成物、β-グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA 酸、アミノ酸、セラミド、疑似セラミド、精油、植物抽出物、例えばスモモ抽出物、バンバラナッツ抽出物、及びビタミン複合体である。
【0045】
消臭成分は、体臭に対して作用するか、マスクするか、又は除去する。体臭は、アポクリン汗に皮膚細菌が作用して不快臭のある分解産物を形成することによって生じる。従って、適当な消臭成分は、とりわけ、発芽抑制物質、酵素阻害剤、臭気吸収剤又は臭気マスキング剤である。
【0046】
適当な防虫剤は、例えば、N,N-ジエチル-m-トルアミド、ペンタン-1,2-ジオール又は 3-(N-n-ブチル-N-アセチルアミノ)-プロピオン酸エチルエステル(Merck KGaA から Insect Repellent(登録商標)3535 として市販)及びブチルアセチルアミノプロピオネートである。
【0047】
適当な日焼け剤はジヒドロキシアセトンである。メラニンの生成を抑制し、脱色剤として使用する適当なチロシン抑制剤は、例えば、アルブチン、フェルラ酸、コウジ酸、クマリン酸及びアスコルビン酸(ビタミン C)である。
【0048】
適当な防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオール又はソルビン酸、Surfacine(登録商標)の名称で知られている銀複合物、並びに Cosmetics Directive の付録 6、パート A 及び B に挙げられた種類の化合物である。
【0049】
適当な香油は、天然及び合成香料の混合物である。天然香料は、下記植物の抽出物を包含する:花、茎及び葉、果実、果皮、根、木、草、針葉及び枝、樹脂及びバルサム。動物性原料、例えばシベット及びビーバー、並びにエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び炭化水素型の合成香料化合物も適当である。
【0050】
適当な染料は、化粧用目的に適当で承認された物質である。その例は、コチニールレッド A(C.I. 16255)、パテントブルー V(C.I. 42051)、インジゴチン(C.I. 73015)、クロロフィリン(C.I. 75810)、キノリンイエロー(C.I. 47005)、二酸化チタン(C.I. 77891)、インダントレンブルー RS(C.I. 69800)、及びマダーレーキ(C.I. 58000)を包含する。これらの染料は通常、混合物全体に基づいて 0.001〜0.1 重量%の濃度で使用される。
【実施例】
【0051】
記載した量は、組成物全体における市販品の重量%を表す。C1 は比較例である。
【表1】

【0052】
1) 90 重量%超の C18 脂肪酸を含むペンタエリスリトールエステル
2) 42〜48 重量%の C16 脂肪酸と 50〜56 重量%の C18 脂肪酸を含む脂肪酸混合物(残りは C14 以下の脂肪酸及び C18 超の脂肪酸)約 2 mol とペンタエリスリトール 1 mol との反応によって得られ、以下のエステル割合:(a)12〜19 重量%のモノエステル、(b)25〜35 重量%のジエステル、(c)30〜40 重量%のトリエステル、(d)6〜11 重量%のテトラエステルを有し、0.3 重量%未満の C17 脂肪酸アシル基を含むペンタエリスリトールエステル。
3) 粘度測定:ブルックフィールド RVF、スピンドル 5、10 rpm、23 ℃。
4) 視覚による相安定性の評価基準:1 = 安定;2 = 僅かに分離;3 = 分離;4 = 明瞭な分離;5 = 完全分離
5) 視覚による巨視的外観の評価基準:1 = 滑らかかつ光沢あり;2 = 滑らかかつ艶無し;3 = 艶無し;3 = 粗大構造;4 = 明らかな再結晶体。製剤を室温に調整した後に評価した。
6) 微視的外観の評価基準:1 = 1 μm 以下の平均液滴寸法;2 = 1〜4 μm の平均液滴寸法;3 = 4〜13 μm の平均液滴寸法;4 = 13〜20 μm の平均液滴寸法;5 = 20〜50 μm の平均液滴寸法。試験エマルションの液滴寸法は、標準的なエマルションの液滴寸法視覚的に比較した。標準的なエマルションの液滴寸法を測定するために、レーザー回折によって回折パターンを作成した。次いで、液滴寸法分布を、フラウン理論を用いて回折パターンの光強度から計算した(Sympatec 社製 Helos)。
7) 感覚評価基準
試験グループ: 10 人の経験ある訓練された有志;1 = 非常に好評;2 = 平均的に好評;3 = 不評
予め 20 ℃に調整した上記組成物 10 μl を、マイクロピペットによって、有志の前腕の毛の無い側へ適用し、反対側の手の指で擦り込んだ。吸収の間及び吸収後に感覚特性を評価した。書籍”Cosmetic Lipids and the Skin Barrier”(Marcel Dekker 著、ニューヨーク、2002 年、Thomas Foerster 編、319〜352 頁)に記載されたように、10 人の有志について感覚試験を実施した。
【0053】
記載した量は、組成物全体における市販品の重量%を表す。C2〜C4 は比較例である。
【表2】

【0054】
1) 42〜48 重量%の C16 脂肪酸と 50〜56 重量%の C18 脂肪酸を含む脂肪酸混合物(残りは C14 以下の脂肪酸及び C18 超の脂肪酸)約 2 mol とペンタエリスリトール 1 mol との反応によって得られ、以下のエステル割合:(a)12〜19 重量%のモノエステル、(b)25〜35 重量%のジエステル、(c)30〜40 重量%のトリエステル、(d)6〜11 重量%のテトラエステルを有し、0.3 重量%未満の C17 脂肪酸アシル基を含むペンタエリスリトールエステル。
2) 製剤 C2〜C4 と比較した感覚評価基準
試験グループ: 10 人の経験ある訓練された有志;++ = 優秀;+ = 非常に良好;0 = 良好;- = 並み;-- = 悪い;表 1 の下の項目 7) に記載したような手順。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)0.3 重量%未満の C17 脂肪酸アシル基を含み、少なくとも 30 ℃の融点を有する、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及び/又はトリペンタエリスリトールの C6〜22 脂肪酸エステル組成物からなるワックス成分0.1〜10 重量%、
(b)25 ℃で液体である少なくとも1種の油成分1〜25 重量%、
(c)C12〜24 脂肪アルコール又は C12〜14 部分グリセリド或いはこれらの混合物0.1〜5 重量%、
(d)C8〜24 アルキルオリゴグルコシド0.5〜10 重量%、及び
(e)水
を含むことを特徴とする、化粧品用添加剤。
【請求項2】
該脂肪酸エステル組成物は、(A)5〜35 重量%のモノエステル、(B)20〜50 重量%のジエステル、並びに(C)25〜50 重量%のトリエステル及び任意のテトラエステルの含有率を有する、ペンタエリスリトールのエステル組成物であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品用添加剤。
【請求項3】
該脂肪酸エステル組成物の脂肪酸成分は、40〜50 重量%の C16 脂肪酸と 45〜55 重量%の C18 脂肪酸とを含む脂肪酸混合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧品用添加剤。
【請求項4】
該脂肪酸エステル組成物は、(A)10〜25 重量%のモノエステル、(B)25〜40 重量%のジエステル、並びに(C)30〜45 重量%のトリエステル及び任意のテトラエステルを含むことを特徴とする、請求項2又は3に記載の化粧品用添加剤。

【公開番号】特開2012−6974(P2012−6974A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206048(P2011−206048)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【分割の表示】特願2007−506692(P2007−506692)の分割
【原出願日】平成17年3月26日(2005.3.26)
【出願人】(505066718)コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (191)
【氏名又は名称原語表記】Cognis IP Management GmbH
【Fターム(参考)】