説明

化粧品用途のためのアリールアルキル酸のアミノ酸およびペプチド共役体

本発明は、一般式(I)
【化1】


(式中、R、R、およびRは独立して、水素、OR、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルケニルであり、Rは、水素、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルケニルであり、−N−(AA)は、アミノ酸またはペプチドのN−末端の上で結合されたアミノ酸またはペプチドの残基を表わし、このペプチドは、2〜6個(すなわち、2、3、4、5、または6個を意味する)のアミノ酸から構成され、このアミノ酸またはペプチドのC−末端は場合により、C〜C16炭化水素部分でエステル化され、nは1〜5の整数である)の新規化合物を提供する。これらの化合物は、化粧品用途に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、短鎖アリールアルキルカルボン酸を有するアミノ酸−またはペプチド共役体、およびこれらを含有する組成物に関する。これらの組成物は好ましくは、化粧品調製物である。特定のペプチドまたはアミノ酸共役体、特にフェニル酪酸との共役体は、小皺の治療に特に有用であるが、同様に表皮の肥厚、皮膚脂質バリアーの修復、抜け毛の防止、および毛髪成長の改良にも有用であることが発見された。
【0002】
ヒトの皮膚は、あるいくつかの正常な角化プロセスを受け、これらは、皮膚にその特徴的な外見を与える。日常的な要因または外的要因、例えば厳しい(raw)気候、風、光損傷、および日光、雨、および雪によって引起こされた刺激は、しかしながら、皮膚のこの正常な状態を乱し、荒れ、鱗片の形成(例えば頭皮の)、過剰な角質化、および同様な現象が現われる。さらには、皮膚のエージングの間、特に皮膚の構造および機能中の変化によって反映された様々な兆候が現われる。これらの兆候の1つは、細かいしわおよび深い小皺の出現であり、これらの大きさおよび数は、年齢とともに増加する。皮膚の微起伏は、均質でなくなり、非等方(unisotropic)性を有する。年齢と平行して、皮膚は、内因性または外因性のどちらかの障害性の影響に対して、より感受性が高くなる。これらは結果として、色素沈着疾患によって、特に手および顔の部分に、痒み、赤み、またはより黒い斑点さえ生じることがある。これらの好ましくない兆候は、人の望ましくない年齢の判断につながることがある。
【0003】
化粧品調製物は本質的に、スキンケアにとって有用である。化粧品的な意味におけるスキンケアの目的は、環境的影響(例えばUV光、ほこり、化学物質、微生物)に対する、および内生物質(例えば水、天然脂質、電解質)の損失に対するバリアーとしての皮膚の自然の機能を強化するか、または再構築することである。この機能が損なわれるならば、毒性またはアレルギー性物質の増加した再吸収、または微生物による攻撃が結果として生じ、毒性またはアレルギー性皮膚反応につながることがある。
【0004】
スキンケアのもう1つの目的は、毎日の洗浄によって引起こされた脂質および水の皮膚による損失を補填することである。これは、自然の再生能力が不十分であるならば、特に重要である。さらにはスキンケア製品は、環境的影響、特に日光および風から保護し、皮膚のエージングを遅らせるべきである。
【0005】
最適化された皮膚のバリアー脂質合成とともに表皮の強化および肥厚は、皮膚のバリアー能力を再構築することができ、したがって有意な化粧品的価値を有する。減少された経皮の水分損失(TEWL)は、無傷な脂質バリアーの兆候であり、これはまた、皮膚の小皺の出現を防止するための第一の防御線としても作用する。
【0006】
小皺と闘うためのもう1つの手法は、真皮中のコラーゲン合成を刺激することである。いくつかの変性プロセスが、コラーゲンマトリックスに作用し、外因性要因、例えばUV放射線、一般的な汚染、および特別なタバコの煙、またはあらゆる慢性または亜慢性炎症につながる内因性要因によって引起こされる。破壊および/または損なわれた修復効率は、真皮のより濃密で、より弾性でないマクロ構造につながり、これは今度は、深い小皺の形成につながる。コラーゲン、または真皮のほかの構造タンパク質のデノボ合成の向上は、現存する小皺を減少させるため、および新しい小皺の出現を防止するための貴重な療法と考えられる。
【0007】
皮膚細胞の規則的な代謝レベルを一定かつ有利なレベルに維持するために、皮膚細胞の老化を阻止することは、アンチエージング化粧品にとって特別な重要性を有する。
【0008】
抜け毛または脱毛は、ヒトの共通の悩みである。男性および女性のどちらにおいても、抜け毛の最も共通の形態は、パターン化された禿げまたは男性ホルモン性脱毛症である。
【0009】
毛嚢は、大きさが、小さくて表面的なうぶ毛毛胞から、大きくて深い末端毛胞に及ぶ。毛嚢の周期的な成長期は、休止期(休止)、成長期I−III(発生)、成長期IV−VI(成長)、および退行期(退行)である。
【0010】
男性ホルモン性脱毛症の発生において、毛胞サイズの段階的減少がある。これは、太い色素沈着した毛髪線維(硬毛)を生成する大きい末端毛胞の、細い非色素沈着毛髪線維(うぶ毛)を生成する小さいうぶ毛毛胞(vellus follicles)への転換をともなう。これに加えて、成長する成長期毛胞の割合が減少する。
【0011】
化粧品調製物に関して、特に小皺の治療のため、および毛髪成長の促進のための化粧品調製物に関して、非常に多様な文献が存在する。広範囲にわたる文献の例として、例えばGB906,000号明細書、EP−A699429号明細書、または国際公開第03/086342号パンフレットを参照することができる。
【0012】
国際公開第98/17273号パンフレットは、特に、化学療法および/または放射線療法を受けているガン患者における抜け毛の防止のための酪酸誘導体を開示している。様々な酪酸誘導体が挙げられているが、この文献は、これらの酸のペプチドまたはアミノ酸共役体をまったく開示していない。
【0013】
EP1297830号明細書は、オゾンによる組織損傷の防止および治療のための様々なアルファ−またはベータ−アミノ酸誘導体を開示している。しかしながらこの文献は、アリール含有カルボン酸を有するアルファまたはベータ−窒素原子におけるアミドに関して記載していない。
【0014】
国際公開第00/15188号パンフレットは、皮膚の外見の治癒、水和、および改良、ならびに皮膚のエージングの治療のための特異的ペプチドについて報告している。親油性を向上させるために、N−末端アミンは、2〜22個の炭素を有する脂肪酸鎖を有すると考えられている。芳香族カルボン酸は挙げられていない。脂肪酸残基は、この分子をより親油性にするであろう。
【0015】
EP0864563号明細書は、セラミドのバイオミメティック化合物を設計することによる、皮膚および毛髪の保護のためのN−アシル−ヒドロキシアミノ酸エステルの使用を開示している。セラミドは、皮膚の脂質バリアーへ有意に寄与し、2つの長鎖脂肪酸のところに、好ましくは16個超の炭素原子を有するこれらのうちの1つを必要とする。この文献は、アリール含有カルボン酸を有するアミドを開示していない。
【0016】
EP1159952号明細書は、ヒドロキシプロリンまたはアシル化ヒドロキシプロリンを含有する化粧品を提案している。この文献は、アミノ酸またはペプチドの芳香族カルボン酸誘導体を開示していない。
【0017】
米国特許第5,492,894号明細書は、皮膚の小皺を治療するための、トリペプチドからヘキサペプチドまでを有する組成物を開示している。これらのペプチドは場合により、N−ならびにC−末端において、様々な置換パターンによって修飾されうる。N−末端におけるアリールアルコイル(arylalkoyl)残基は開示されていない。
【0018】
皮膚のエージングの兆候を防止し、かつこれらと闘うため、皮膚の外見を改良するため、または抜け毛の治療または防止のための多様な技術が存在するが、依然としてより効率的な成分への需要が存在する。
【0019】
本発明が解決しようとする課題は、新規化合物、これらの新規化合物を含有する組成物、特に小皺の治療および/または防止、表皮の肥厚、および抜け毛の防止および/または治療に有用な化粧品調製物の提供であるが、同様に、環境またはほかの外的影響によるか、または年齢による皮膚のエージングにともなって観察されるほかの症状に対して有用な調製物の提供でもある。新しい化合物は、公知の化粧品的に活性な化合物の活性に匹敵しうるが、好ましくは先行技術の化合物の活性よりも良好な活性を有すべきである。
【0020】
この課題は、あるいくつかのフェニルアルキルカルボン酸誘導体、すなわちこれらのペプチドまたはアミノ酸共役体が、化粧品用途、および関連製薬用途において、特に小皺および抜け毛を治療および防止するため、および表皮を肥厚するためであるが、同様に、外部または環境危険によって、または皮膚の自然なエージングによって引起こされることがある皮膚のエージング作用を改善するためでもある活性を示すという意外な発見に基づいて解決される。
【0021】
したがって本発明は、一般式(I):
【化1】


(式中、R、R、およびRは独立して、水素、OR、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルケニルであり、
は、水素、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルケニルであり、
N−(AA)は、アミノ酸またはペプチドのN−末端の上で結合されたアミノ酸またはペプチドの残基を表わし、このペプチドは、2〜6個(すなわち、2、3、4、5、または6個を意味する)のアミノ酸から構成されている)によって表わされる化合物を提供する。
アミノ酸またはペプチド残基のC−末端は、非修飾であってもよく、またはC〜C16炭化水素部分でエステル化されてもよい。好ましくは必要であれば、0〜6、好ましくは0〜4のlog p(オクタノール/水)の分配係数につながる修飾である。nは1〜5の整数、好ましくは1または3であり、より好ましくはn=3である。
【0022】
本発明によれば、0〜6、好ましくは0〜4のlog p(オクタノール/水)の分配係数を有する化合物が好ましい。アミノ酸−またはペプチド残基のC−末端は、C〜C16炭化水素残基でエステル化され、この残基は好ましくは、上記の分配係数を提供するように選択される。C〜C16炭化水素残基は好ましくは、脂肪族残基、より好ましくは直鎖または分岐であってもよいC〜C16−(好ましくはC〜C−)アルキル、またはC〜C16−(好ましくはC〜C−)アルケニル残基である。さらには、脂肪族C〜C環構造を含む残基が好ましい。
【0023】
より好ましい実施形態において、RおよびRはどちらも水素であり、Rは、残基−O−C〜Cアルキル、特にメトキシ残基である。
【0024】
さらに好ましい実施形態において、R、R、およびRは水素である。
【0025】
特に好ましくは、N−(AA)が、アミノ酸の残基のグリシン、α−またはβ−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、セレノメチオニン、セリン、トレオニン、システイン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、ヒドロキシリシン、ヒスチジン、アルギニン、オルニチン、シトルリン、タウリン、サルコシンおよびスタチン、ノルロイシン、ノルバリン、または2−N−メチルノルロイシンを表わす実施形態である。特に適切には、挙げられたアミノ酸の天然異性体である。
【0026】
より好ましいアミノ酸は、イソロイシン、アルギニン、ヒドロキシプロリンである。最も好ましくは、C−末端にエチルまたはパルミチルエステル基を有するという修飾を好ましくはともなうヒドロキシプロリンである。
【0027】
好ましくはまた、N−(AA)が、カルノシン(β−Ala−His)、ホモカルノシン、バレニン、アンセリン、Phe−β−Ala=アスパルテーム、Arg−ProまたはPro−Arg、Gln−β−Ala−Hisグルタチオン(γ−Glu−Cys−Gly)、Lys−Gly His、Lys Thr Ser、Leu−Arg−Trp、Ile−Lys−TrpおよびLeu−Lys−Trp、Gly−Pro−Tyr、リシン−プロリン−バリン、Arg−Lys−Arg、Arg−Gly−Asp、X1−X2−Pro、X1−X2−HPro、Arg−Gly−Asp−Ser、Gly−Gln−Pro−Arg、Phe−Gly−Ala−Leu−H、PhBu−Gly−Gln−Pro−Arg、Arg−Pro−Phe−Phe、タフトシン(Tyr−Lys−Pro−Arg)、レギン(Gly−Gln−Pro−Arg)、Phe−Tyr−Arg−Pro−Arg、Ala−Arg−Asp−Pro−Arg、Asn−Ser−Leu−Asp−Phe、Lys−Thr−Thr−Lys−Ser、Leu−Arg−Gly−Ile−Leu、Lys−Gly−Ile−Leu、Lys−Leu−Asp−Ala−Pro−Thrから選択されたペプチドの残基を表わす実施形態である。特に好ましくは、ジペプチドおよびトリペプチド、例えばX1−Gly−Pro、X1−Pro−Pro、Gly−Pro−Ala、Gly−Ala−Proである。X1およびX2は、上で確認されたアミノ酸のいずれか1つ、特に自然発生アミノ酸を意味する。
【0028】
本発明の化合物、すなわちアミノ酸またはペプチドとアリールアルキルカルボン酸との共役体は、単独で、または混合物として用いることができる。本発明の化合物の調製に有用なペプチドは、直接合成方法を用いて製造することができるが、これらはまた、タンパク質変性によって製造することもできる。タンパク質加水分解プロセスを用いた場合、結果として生じた混合物を用いて、この共役体を製造することができ、その結果生じた生成物もまた、本発明によれば適切であろう。しかしながら好ましい実施形態は、3種以下の化合物の混合物の使用であり、より好ましくは1種のみの化合物の使用である。
【0029】
本発明はまた、一般式(I)によって表わされる少なくとも1つの化合物、および化粧品的に許容しうる賦形剤または希釈剤を含む組成物も提供する。
【0030】
式Iの化合物が、1つまたはそれ以上のキラル中心を有する場合、一般式(I)によって表わされる化合物は、ラセミ混合物、ジアステレオマーの混合物、または鏡像異性体および/またはジアステレオマーの過剰として存在しうる。1つまたはそれ以上のキラル中心が存在するならば、この混合物の光学純度は、好ましくは、≧80%ee、より好ましくは≧90%ee、最も好ましくは≧95%eeである。2つまたはそれ以上のキラル中心が存在するならば、この混合物の純度は、好ましくは≧80%de、より好ましくは≧90%de、最も好ましくは≧95%deである。
【0031】
本発明の組成物は、製薬組成物または化粧品組成物、好ましくは化粧品組成物または化粧品調製物である。
【0032】
本出願において用いられている「化粧品調製物」または「化粧品組成物」という用語は、レンプの化学事典(Roempp Lexikon Chemie)、第10版、1997年、ゲオルク・ティーメ・フェアラーク・シュツットガルト(Georg Thieme Verlag Stuttgart)、ニューヨークにおいて、「化粧品(Kosmetika)」という表題で規定されている化粧品組成物のことを言う。
【0033】
本発明の組成物は、一般式(I)によって表わされる化合物を、化粧品的に許容しうる賦形剤または希釈剤とともに含有する。別段の記載がなければ、次に挙げられている賦形剤、添加剤、希釈剤などは、化粧品組成物に適している。
【0034】
別段の記載がなければ、この出願において、部およびパーセンテージは、重量当りであり、組成物の重量を基準にしている。
【0035】
好ましくは本発明の組成物は、局所組成物、例えば液体または固体水中油エマルジョン、油中水エマルジョン、多重エマルジョン、マイクロエマルジョン、PET−エマルジョン、ごぼごぼ流れる(bickering)エマルジョン、ヒドロゲル、アルコールゲル、リポゲル、1相または多相溶液、フォーム、軟膏、プラスター、縣濁液、粉末、クリーム、クレンザー、石鹸、およびほかの通常の組成物であり、これらはまた、ペンによって、マスクとして、またはスプレーとして塗布することもできる。
【0036】
本発明の組成物はまた、通常の化粧品アジュバントおよび添加剤、例えば防腐剤/酸化防止剤、脂肪物質/油、水、有機溶媒、シリコーン、増粘剤、柔軟剤、乳化剤、サンスクリーン、化粧品的活性物質発泡防止剤、保湿剤、香料、界面活性剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、または両性ポリマーまたはこれらの混合物、推進薬、酸化剤または塩基性化剤、染料、着色料、顔料またはナノ顔料、例えば紫外線を物理的に遮断することによって光保護効果を与えるのに適したもの、または通常、化粧品中に配合されるあらゆるほかの成分を含有しうる。化粧品組成物に適した添加剤の良い概要は、例えば国際公開第03/082232号パンフレットにも見出すことができる。この文献に開示された添加剤、特にワックス、増粘剤、構造化剤、皮膜形成剤、およびコンディショニング成分もまた、本発明の組成物に適しており、参照により本発明に含まれる。当然ながら、この文献に開示された安定化組成物はまた、本発明の組成物の調製に用いることもできる。
【0037】
本発明の組成物はまた、特ににきび、小皺、しわ、萎縮、炎症を防止または減少させるための、1つまたはそれ以上の追加の製薬的または化粧品的に活性な成分、ならびに局所麻酔剤、人工タンニング剤および加速剤、抗菌薬、および抗真菌薬、およびサンスクリーン添加剤も含有しうる。
【0038】
例は、ペプチド(例えばマトリキシル(Matrixyl)(商標)[ペンタペプチド誘導体])、ファルネソール、ビサボロール、フィタントリオール、グリセロール、尿素、グアニジン(例えばアミノグアニジン);ビタミンおよびこれらの誘導体、例えばアスコルビン酸、ビタミンA(例えばレチノイド誘導体、例えばレチニルパルミテート、またはレチニルプロピオネート)、ビタミンE(例えばトコフェロールアセテート)、ビタミンB(ナイアシンアミド)、およびビタミンB(例えばパンテノール)など、およびこれらの混合物、ワックスベースの合成ペプチド(例えばオクチルパルミテート、およびトリベヘニン、およびソルビタンイソステアレート、およびパルミトイル−オリゴペプチド)、にきび防止医薬(レゾルシノール、サリチル酸など);酸化防止剤(例えばフィトステロール、リポ酸);フラボノイド(例えばイソフラボン、フィトエストロゲン);皮膚鎮静剤および治癒剤、例えばアロエベラ抽出物、アラントインなど;キレート化剤および金属イオン封鎖剤;および美的目的に適した作用物質、例えば精油、香料、皮膚感覚物質(sensate)、乳白剤、芳香族化合物(例えば丁子油、メントール、カンファー、ユーカリ油、およびユージノール)、落屑性(desquamatory)活性物質、にきび防止活性物質、ビタミンB化合物、酸化防止剤、ペプチド、ヒドロキシ酸、ラジカルスカベンジャー、キレート化剤、ファルネソール、抗炎症剤、局所麻酔剤、タンニング活性物質、美白(skin lightening)剤、抗セリュライト剤、フラボノイド、抗菌活性物質、および抗真菌活性物質、特にビサボロール、アルキルジオール、例えば1,2−ペンタンジオール、ヘキサンジオールまたは1,2−オクタンジオール、ビタミン、パンテノール、フィトール、フィタントリオール、セラミドおよびシュードセラミド、アミノ酸および生物活性ペプチド、タンパク質加水分解物、AHA酸、ポリ不飽和脂肪酸、植物抽出物、DNAまたはRNA、およびこれらのフラグメンテーション生成物、または炭水化物、ビオチン、リポ酸、共役脂肪酸、カルニチン、ビタミンE、A、C、B3、B6、B12、パンテノール、K1、フィタントリオール、オリゴペプチド、カルノシン、ビオキノネン、フィトフルエン、フィトエン、葉酸、およびこれらの対応誘導体である。
【0039】
さらには本発明の組成物は、UV−AおよびUV−Bフィルターを含有してもよい。UV−Bまたは広域スクリーニング剤、すなわち吸収極大約290〜340nmを有する物質であって、本発明の化合物との組合せに好ましい物質の例は、次の有機および無機化合物である。
【0040】
アクリレート、例えば2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレン、パーソル(PARSOL)(登録商標)340)、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなど;
− カンファー誘導体、例えば4−メチルベンジリデンカンファー(パーソル(登録商標)5000)、3−ベンジリデンカンファー、カンファーベンズアルコニウムメトスルフェート、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、スルホベンジリデンカンファー、スルホメチルベンジリデンカンファー、テレフタリデンジカンファースルホン酸など;
− シンナメート誘導体、例えばオクチルメトキシシンナメート(パーソル(登録商標)MCX)、エトキシエチルメトキシシンナメート、ジエタノールアミンメトキシシンナメート(パーソル(登録商標)ヒドロ(Hydro))、イソアミルメトキシシンナメートなど、ならびにシロキサンへの桂皮酸誘導体結合;
− p−アミノ安息香酸誘導体、例えばp−アミノ安息香酸、2−エチルヘキシルp−ジメチルアミノベンゾエート、N−オキシプロピレン化エチルp−アミノベンゾエート、グリセリルp−アミノベンゾエート;
− ベンゾフェノン、例えばベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4,2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなど;
− ベンザルマロン酸のエステル、例えばジ−(2−エチルヘキシル)4−メトキシベンザルマロネート;
− 2−(4−エトキシ−アニリノメチレン)プロパンジオン酸のエステル、例えば欧州特許公報EP0895776号明細書に記載されている、2−(4−エトキシアニリノメチレン)プロパンジオン酸ジエチルエステル;
− 欧州特許公報欧州特許第0358584B1号明細書、同第0538431B1号明細書、および欧州特許出願公開第0709080A1号明細書に記載されている、ベンズマロネート基を含有するオルガノシロキサン化合物;
− ドロメトリゾールトリシロキサン(メキソリル(Mexoryl)XL);
− 顔料、例えば微粒子化TiOなど。「微粒子化」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒度のことを言う。TiO粒子はまた、金属酸化物、例えばアルミニウムまたはジルコニウムオキシドによって、または有機コーティング、例えばポリオール、メチコーン、アルミニウムステアレート、アルキルシランによってコーティングされてもよい。このようなコーティングは、当業界において周知である。
− イミダゾール誘導体、例えば2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、およびその塩(パーソル(登録商標)HS)。2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸の塩は、例えばアルカリ塩、例えばナトリウム−またはカリウム塩、アンモニウム塩、モルホリン塩、第一、第二、および第三アミンの塩、例えばモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩などである。
− サリチレート誘導体、例えばイソプロピルベンジルサリチレート、ベンジルサリチレート、ブチルサリチレート、オクチルサリチレート(ネオヘリオパン(NEO HELIOPAN)OS)、イソオクチルサリチレート、またはホモメンチルサリチレート(ホモサレート、ヘリオパン)など。
− トリアジン誘導体、例えばオクチルトリアゾン(ユビヌル(UVINUL)T−150)、ジオクチルブタミドトリアゾン(ユバソーブ(UVASORB)HEB)、ビスエトキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(チノソーブ(Tinosorb)S)など。
− カプセル化UV−フィルター、例えばカプセル化オクチルメトキシシンナメート(ユーソレックス(Eusolex)UV−パール)など。
【0041】
広域またはUV Aスクリーン剤、すなわち吸収極大約320〜400nmを有する物質であって、本発明の化合物との組合せに好ましい物質の例は、次の有機および無機化合物である。
− ジベンゾイルメタン誘導体、例えば4−tertブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(パーソル(登録商標)1789)、ジメトキシジベンゾイルメタン、イソプロピルジベンゾイルメタンなど;
− ベンゾトリアゾール誘導体、例えば2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール(チノソーブM)など;
− フェニレン−1,4−ビス−ベンズイミダゾールスルホン酸または塩、例えば2,2−(1,4−フェニレン)ビス−(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸)(ネオヘリオパン(Neoheliopan)AP);
− アミノ置換ヒドロキシベンゾフェノン、例えば欧州特許公報EP1046391号明細書に記載されている2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−安息香酸へキシルエステル;
− 顔料、例えば微粒子化ZnOまたはTiOなど。「微粒子化」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒度のことを言う。これらの粒子はまた、ほかの金属酸化物、例えばアルミニウムまたはジルコニウムオキシドによって、または有機コーティング、例えばポリオール、メチコーン、アルミニウムステアレート、アルキルシランによってコーティングされてもよい。このようなコーティングは、当業界において周知である。
【0042】
ジベンゾイルメタン誘導体は、限定された光安定性を有するので、これらのUV−Aスクリーニング剤を光安定化することが望ましいことがある。したがって「従来のUV−Aスクリーニング剤」という用語はまた、ジベンゾイルメタン誘導体、例えば次のものによって安定化された、例えばパーソル(登録商標)1789のことも言う。
− 欧州特許公報EP−A0514491号明細書およびEP−A0780119号明細書に記載されている、3,3−ジフェニルアクリレート誘導体;
− 米国特許第5,605,680号明細書に記載されているベンジリデンカンファー誘導体;
− 欧州特許公報EP−A0358584号明細書、EP−A0538431号明細書、およびEP−A0709080号明細書に記載されている、ベンズマロネート基を含有するオルガノシロキサン。
【0043】
本発明の組成物へ添加することができるUV−AおよびUV−B−フィルターの良い概要はまた、DE−A10327432号明細書に見出すことができる。この文献に開示されたすべてのUV−フィルターはまた、本発明の組成物のための成分としても有用であり、本明細書に参照により含まれる。
【0044】
本発明の組成物は好ましくは、1つまたはそれ以上の酸化防止剤/防腐剤を含有する。本発明に基づいて、化粧品中に通常配合されるすべての公知の酸化防止剤を用いることができる。特に好ましくは、次のものからなる群から選択された酸化防止剤である。すなわち、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびこれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)および誘導体、ペプチド例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよび誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコペン)および誘導体、クロロゲン酸および誘導体、リポ酸および誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよびほかのチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−、エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−、およびラウリル−、パルミトイル−;オレイル−、y−リノレイル−、コレステリル−、およびグリセリルエステル)およびこれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、および塩)、ならびにスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミン)を非常に低い適合性用量(例えばpモル〜μモル/kg)で、それに加えて(金属)−キレート化剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、没食子酸、没食子抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびこれらの誘導体(例えばγ−リノール酸(linoleic acid)、リノール酸(linolic acid)、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびこれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えばアスコルビルパルミテートおよびアスコルビルテトライソパルミテート、Mg−アスコルビルホスフェート、Na−アスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート、アスコルビルグルコシド)、トコフェロールおよび誘導体(例えばビタミン−E−アセテート)、天然(nat.)ビタミンEの混合物、ビタミンAおよび誘導体(ビタミン−A−パルミテートおよび−アセテート)、ならびにコニフェリルベンゾエート、ルチン酸および誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トリヒドロキシブチロフェノン、尿素およびその誘導体、マンノースおよび誘導体、亜鉛および誘導体(例えばZnO、ZnSO)、セレンおよび誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよび誘導体(例えばスチルベノキシド、トランス−スチルベノキシド)、および列挙された活性成分の適切な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、および脂質)である。1つまたはそれ以上の防腐剤/酸化防止剤は、本発明の組成物の総重量の約0.01重量%〜約10重量%の量で存在してもよい。好ましくは1つまたはそれ以上の防腐剤/酸化防止剤は、約0.1重量%〜約1重量%の量で存在する。
【0045】
典型的には、局所配合物はまた、界面活性剤成分、例えば乳化剤、可溶化剤なども含有する。乳化剤は、2つまたはそれ以上の不混和性成分が均質に組合わされることを可能にする。さらには、乳化剤は、組成物を安定化する作用を行なう。O/W、W/O、O/W/O、またはW/O/Wエマルジョン/マイクロエマルジョンを形成するために本発明において用いられてもよい乳化剤は、ソルビタンオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンイソステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリグリセリル−3−ジイソステアレート、オレイン酸/イソステアリン酸のポリグリセロールエステル、ポリグリセリル−6ヘキサリシノレート、ポリグリセリル−4−オレエート、ポリグリセリル−4−オレエート/PEG−8プロピレングリコールココエート、オレアミドDEA、TEAミリステート、TEAステアレート、マグネシウムステアレート、ナトリウムステアレート、カリウムラウレート、カリウムリシノレエート、ナトリウムココエート、ナトリウムタロウエート、カリウムカストレート、ナトリウムオレエート、およびこれらの混合物を包含する。さらなる適切な乳化剤は、ホスフェートエステルおよびこれらの塩、例えばセチルホスフェート(アンフィソール(Amphisol)(登録商標)A)、ジエタノールアミンセチルホスフェート(アンフィソール(登録商標))、カリウムセチルホスフェート(アンフィソール(登録商標)K)、ナトリウムグリセリルオレエートホスフェート、水素化植物グリセリドホスフェートおよびこれらの混合物である。さらには、1つまたはそれ以上の合成ポリマーが、乳化剤として用いられてもよい。例えばPVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー、PEG−22ドデシルグリコールコポリマー、PEG−45/ドデシルグリコールコポリマー、およびこれらの混合物である。好ましい乳化剤は、セチルホスフェート(アンフィソール(登録商標)A)、ジエタノールアミンセチルホスフェート(アンフィソール(登録商標))、カリウムセチルホスフェート(アンフィソール(登録商標)K)、PVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10〜30−アルキルアクリレートクロスポリマー、PEG−20ソルビタンイソステアレート、ソルビタンイソステアレート、およびこれらの混合物である。この1つまたはそれ以上の乳化剤は、本発明の組成物の総重量の約0.01重量%〜約20重量%の総量で存在する。好ましくは約0.1重量%〜約10重量%の乳化剤が用いられる。
【0046】
これらの局所組成物の脂質相は有利には、次のものから選択することができる:
− 鉱油およびミネラルワックス;
− 油、例えばカプリニン(caprinic)酸またはカプリル酸のトリグリセリド、好ましくはヒマシ油;
− 油またはワックス、およびほかの天然または合成油、好ましい実施形態において、脂肪酸とアルコールとのエステル、例えばイソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリン、または脂肪アルコールとカルボン酸または脂肪酸とのエステル;
− アルキルベンゾエート;および/または
− シリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、シクロメチコーン
およびこれらの混合物。
【0047】
本発明のエマルジョン、マイクロエマルジョン、オレオゲル、ヒドロ分散液、またはリポ分散液中の油相中に組み込むことができる脂肪物質例は有利には、3〜30個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の線状および/または分岐アルキルカルボン酸、および3〜30個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の線状および/または分岐アルコールのエステル、ならびに芳香族カルボン酸、および3〜30個の炭素原子の飽和および/または不飽和の線状または分岐アルコールのエステルから選択される。このようなエステルは有利には、オクチルパルミテート、オクチルココエート、オクチルイソステアレート、オクチルドデシルミリステート、セテアリルイソノナノエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、イソプロピルオレエート、n−ブチルステアレート、n−ヘキシルラウレエート、n−デシルオレエート、イソオクチルステアレート、イソノニルステアレート、イソノニルイソノナノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−エチルヘキシルラウレート、2−ヘキシルデシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、ステアリルヘプタノエート、オレイルオレエート、オレイルエルケート、エルシルオレエート、エルシルエルケート、トリデシルステアレート、トリデシルトリメリテート、ならびにこのようなエステルの合成、半合成、または天然混合物、例えばホホバオイルから選択することができる。
【0048】
本発明の局所組成物中への使用に適したほかの脂肪成分は、極性油、例えばレシチンおよび脂肪酸トリグリセリド、すなわち8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の直鎖または分岐カルボン酸のトリグリセロールエステルを包含し、一方、脂肪酸トリグリセリドは好ましくは、合成、半合成、または天然油(例えばココグリセリド、オリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、ラッカセイ油、菜種(rape seed)油、スイートアーモンド油、ヤシ油、ココナッツ油、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、小麦油、ブドウの種油、マカダミアナッツ油、およびその他);非極性油、例えば線状および/または分岐炭化水素およびワックス、例えば鉱油、ワセリン(ペトロラタム);パラフィン、スクアランおよびスクアレン、ポリオレフィン、水素化ポリイソブテンおよびイソヘキサデカンであって、有利なポリオレフィンはポリデセンであり;ジアルキルエーテル、例えばジカプリルエーテル;線状または環状シリコーン油、例えば好ましくはシクロメチコーン(オクタメチルシクロテトラシロキサン;セチルジメチコーン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、およびこれらの混合物から選択される。
【0049】
本発明の局所組成物中に有利に組み込むことができるほかの脂肪成分は、イソエイコサン;ネオペンチルグリコールジヘプタノエート;プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート;カプリル/カプリン/ジグリセリルスクシネート;ブチレングリコールカプリレート/カプラート;C12〜13アルキルラクテート;ジ−C12〜13アルキルタルトレート;トリイソステアリン;ジペンタエリトリチルヘキサカプリレート/ヘキサカプレート;プロピレングリコールモノイソステアレート;トリカプリリン;ジメチルイソソルビドである。特に有利には、C12〜15アルキルベンゾエートと2−エチルヘキシルイソステアレートとの混合物、C12〜15アルキルベンゾエートとイソトリデシルイソノナノエートとの混合物、ならびにC12〜15アルキルベンゾエート、2−エチルヘキシルイソステアレート、およびイソトリデシルイソノナノエートの混合物の使用である。
【0050】
本発明の組成物の油相はまた、天然植物蝋または動物蝋、例えば蜜蝋、中国蝋、マルハナバチ蝋、および昆虫のほかのワックス、ならびにシアバターおよびココアバターを含有してもよい。
【0051】
水和を維持するか、または皮膚を再水和するために、保湿剤が本発明の局所組成物中に組み込まれてもよい。保護コーティングを供給することによって水が皮膚から蒸発するのを防ぐ保湿剤は、エモリエントと呼ばれる。これに加えて、エモリエントは、皮膚表面に対して軟化または鎮静効果を与え、局所使用に安全であると一般に考えられている。好ましいエモリエントは、鉱油、ラノリン、ペトロラタム、カプリン/カプリルトリグリセラルデヒド、コレステロール、シリコーン、例えばジメチコーン、シクロメチコーン、アーモンド油、ホホバ油、アボカド油、ヒマシ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ココナッツ油、およびブドウの種油、カカオバター、オリーブ油アロエ抽出物、脂肪酸、例えばオレインおよびステアリン脂肪アルコール、例えばセチルおよびヘキサデシル(ENJAY)、ジイソプロピルアジペート、ヒドロキシベンゾエートエステル、C9〜15−アルコールの安息香酸エステル、イソノニルイソ−ノナノエート、エーテル、例えばポリオキシプロピレンブチルエーテル、およびポリオキシプロピレンセチルエーテル、およびC12〜15−アルキルベンゾエート、およびこれらの混合物を包含する。最も好ましいエモリエントは、ヒドロキシベンゾエートエステル、アロエベラ、C12〜15−アルキルベンゾエート、およびこれらの混合物である。エモリエントは、この組成物の総重量の約1重量%〜約20重量%の量で存在する。エモリエントの好ましい量は、約2重量%〜約15重量%、および最も好ましくは約4重量%〜約10重量%である。
【0052】
水と結合し、これによって皮膚表面に水を保持する保湿剤は、湿潤剤と呼ばれる。適切な湿潤剤は、本発明の局所組成物中に組み込むことができる。例えば、グリセリン、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、乳酸、ピロリドンカルボン酸、尿素、リン脂質、コラーゲン、エラスチン、セラミド、レシチンソルビトール、PEG−4、およびこれらの混合物である。追加の適切な保湿剤は、水溶性および/または膨潤性、/および/または水でゲル化する多糖類、例えばヒアルロン酸、キトサン、および/またはフコースリッチな多糖類であって、ソラビア(SOLABIA)Sによって、例えばフコゲル(Fucogel)(登録商標)1000(CAS−番号178463−23−5)として入手しうる多糖類の族のポリマー保湿剤である。1つまたはそれ以上の湿潤剤は場合により、本発明の組成物中に、約0.5重量%〜約8重量%、好ましくは約1重量%〜約5重量%で存在する。
【0053】
本発明の好ましい局所組成物の水相は、通常の化粧品または製薬添加剤、例えばアルコール、特に低級アルコール、好ましくはエタノールおよび/またはイソプロパノール、低ジオールまたはポリオールおよびこれらのエーテル、好ましくはプロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル−またはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル−、またはモノエチル−、またはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル−または−モノエチルエーテルおよび類似体生成物、ポリマー、フォーム安定剤;電解質、および特に1つまたはそれ以上の増粘剤を含有しうる。適切な製品のコンシステンシーを作るのを補助するために、本発明の配合物に用いられてもよい増粘剤は、カルボマー、二酸化ケイ素、マグネシウムおよび/またはアルミニウムシリケート、蜜蝋、ステアリン酸、ステアリルアルコール多糖類、およびこれらの誘導体、例えばキサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリルアミド、アクリレートクロスポリマー、好ましくはカルボマー、例えば単独の980、981、1382、2984、5984型のカルボポール(登録商標)、またはこれらの混合物を包含する。成分を中和するために本発明の組成物中に含めることができる適切な中和剤、例えば乳化剤またはフォームビルダー/安定化剤は、アルカリヒドロキシド、例えばナトリウムおよびカリウムヒドロキシド;有機塩基、例えばジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、アミノメチルプロパノール、およびこれらの混合物;アミノ酸、例えばアルギニンおよびリシンおよび前記のいずれかのものの任意の組合せを包含するが、これらに限定されるわけではない。中和剤は、本発明の組成物中に約0.01重量%〜約8重量%、好ましくは1重量%〜約5重量%の量で存在しうる。
【0054】
本発明の組成物中への電解質の添加は、疎水性乳化剤の挙動を変更するために必要であることがある。したがって、本発明のエマルジョン/マイクロエマルジョンは好ましくは、アニオンを含む1つまたはいくつかの塩、例えばクロライド、スルフェート、カーボネート、ボレート、およびアルミネートの電解質を含有してもよいが、これらに限定されるわけではない。ほかの適切な電解質は、有機アニオンをベースとしていてもよく、例えば非限定的に、ラクテート、アセテート、ベンゾエート、プロピオネート、タルトレート、およびシトレートである。カチオンとして、好ましくはアンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカリ−またはアルカリ土類金属、マグネシウム−、鉄−、または亜鉛イオンが選択される。特に好ましい塩は、カリウムおよびナトリウムクロライド、マグネシウムスルフェート、亜鉛スルフェート、およびこれらの混合物である。電解質は、本発明の組成物中に、約0.01重量%〜約8重量%の量で存在しうる。
【0055】
本発明の局所組成物は好ましくは、ローション、濃厚化されたローション、ゲル、クリーム、ミルク、軟膏、粉末、または固形チューブスティックの形態で提供することができ、場合によりエアゾールとして詰めることができ、ムース、フォーム、またはスプレーの形態で提供されてもよい。本発明による組成物はまた、溶媒または脂肪物質中の縣濁液または分散液の形態、あるいはまたエマルジョンまたはマイクロエマルジョン(特にO/WまたはW/O型、O/W/OまたはW/O/W−型のもの)、例えばクリームまたはミルク、小胞状(vesicular)分散液の形態、軟膏、ゲル、固形チューブスティック、またはエアゾールムースの形態にあってもよい。これらのエマルジョンはまた、アニオン性、非イオン性、カチオン性、または両性界面活性剤を含有しうる。
【0056】
局所使用は好ましくは、少なくとも一日1回、例えば一日2または3回である。通常、所望の効果が達成されるまで、少なくとも2日かかる。しかし、所望の効果が達成されるまで、数週間または数ヶ月かかることさえある。
【0057】
皮膚へ塗布されることになる局所組成物の量は、これらの組成物中の活性成分の濃度、および所望の化粧品または製薬効果による。例えば使用は、クリームが皮膚に塗布されるようなものであってもよい。クリームは通常、2mgクリーム/cm皮膚の量で塗布される。皮膚に塗布される組成物の量は、しかしながら、決定的ではなく、塗布された組成物のある量で所望の効果が達成されえないならば、例えばこの組成物をより多く塗布することによって、またはより活性な成分を含有する組成物を塗布することによって、より高い濃度の活性成分を利用することができる。
【0058】
本発明によれば、これらの組成物を調製するために、活性成分は、そのままで、またはカプセル化された形態で、例えばリポソーム形態で用いることができる。リポソームは好ましくは、ステロールまたはフォトステロールの添加をともなって、またはともなわずに、レシチンとともに形成される。活性成分のカプセル化は、単独であってもよく、ほかの活性成分とともに行われてもよい。
【0059】
本発明の組成物、特に本発明の局所組成物において、式(I)の化合物は、この組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.0001重量%〜約50重量%の量で含有されている。より好ましくはこの化合物は、組成物中に、この組成物の総量を基準にして、約0.01重量%〜約20重量%の量で、より好ましくは0.1重量%〜約5重量%の量で、特に約1重量%の量で含有されている。
【0060】
本発明の(好ましくは局所)組成物が、さらなる活性成分を含有する場合、このさらなる活性成分は、この組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.0001重量%〜約50重量%の量で含有されている。より好ましくはこのさらなる活性成分は、この組成物の総量を基準にして、約0.01重量%〜約20重量%の量で、より好ましくは約0.01重量%〜約1重量%の量で、特に約0.1重量%の量で含有されている。
【0061】
局所調製物の種類および局所調製物の調製に関して、ならびにさらなる適切な添加剤について、関連文献、例えばノバック(Novak)G.A.、化粧品調製物−2巻、化粧品調製物−調合、原料、科学的基礎(化学工業出版H.ジオコブスキー合資会社、アウグスブルク)(Die kosmetischen Praeparate−Band 2,Die kosmetischen Praeparate−Rezeptur,Rohstoffe,wissenschaftliche Grundlagen(Verlag fuer Chem.Industrie H.Ziolkowski KG,Augsburg)を参照することができる。
【0062】
さらには、本発明の組成物を、経口組成物として、例えば顆粒またはペレットを含有しうる丸薬、タブレット、カプセルの形態で、液体経口配合物として、または当業者に一般に公知であるような食品への添加剤として提供することも可能である。本発明の経口組成物の調製のための有用な手順および有用な添加剤は、例えば標準的な文献であるレミントン:製薬学の科学および実践、リッピンコット、ウイリアムズ、およびウイルキン(編)2000年(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincot,Williams & Wilking(Editors)2000)に開示されている。これは、参照により本明細書に含まれる。
【0063】
経口組成物、特にタブレットへの通常の添加剤として、通常の賦形剤、例えば微晶質セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二ナトリウムまたはリン酸二カリウム、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウム、グリシン、崩壊剤、例えばデンプンまたはアルギン酸、バインダー、例えばポリビニルピロリドン、サッカロース、ゼラチン、およびアラビアゴム潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ナトリウムラウリルスルフェート、またはタルカムを用いることができる。これらの組成物が、ゼラチンカプセル中にファイルされる(filed)ならば、グラニュールの調製のための通常の添加剤は、ラクトースまたはラクテート、ならびに高分子量のポリエチレングリコールである。さらなる添加剤および賦形剤、ならびにほかの経口配合物および食品添加剤用の添加剤および賦形剤が、当業者に公知であり、関連文献、例えば「食品技術の基本的特徴(Grundzuege der Lebensmitteltechnik)」、ホルスト・ディーター・チョイシュナー(Horst Dieter Tscheushner)(編)、第2版、ハンブルク、ベールス(Beers)1996年を参照することができる。
【0064】
本発明の経口組成物中の活性成分の総含量は通常、約1%〜90%、好ましくは約10%〜80%、例えば約50%またはそれ以上である。この使用は、所望の効果が発生するようなものであり、患者および所望の効果による。通常の一日用量は、約0.1μg/日〜50mg/日、例えば約20μg/日〜2mg/日の範囲内にあってもよい。
【0065】
本発明の組成物はまた、特にこれらの組成物が毛髪成長を促進するためのものであるならば、注射可能な組成物の形態にあってもよい。注射可能な組成物の調製は、当業者に公知であり、関連文献、特に既に上に引用されたレミントンを参照することができる。
【0066】
式(I)の化合物はまた、水和物または溶媒和物として存在してもよく、活性成分の水和物および溶媒和物もまた、本発明によって包含される。
【0067】
次の実施例は本発明を例示するが、これらは本発明を限定すると考えるべきではない。
【0068】
実施例1
4−ヒドロキシ−1−(4−フェニル−ブチリル)−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルの調製
【化2】


4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルハイドロクロライド(13.7g、70.0ミリモル、1.0当量)が、トルエン(200mL)中に溶解され、10℃に冷却され、NEt(21.3g、210.0ミリモル、3.0当量)が添加された。この溶液が15分間10℃で攪拌され、トルエン(60mL)中の4−フェニル−ブチリルクロライド(12.8g、70.0ミリモル、1.0当量)が、添加された。この溶液が一晩、室温で攪拌された。この溶液が、水性NaHCO溶液(10%、100mL)で一回、HO(100mL)で一回、ブライン((100mL)で一回洗浄され、NaSO上で乾燥された。溶媒が減圧下に蒸発させられ、残渣が、TBMEを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって精製されて、生成物(16.7g、78%)を薄黄色の油として生じた。− R(TBME)=0.28;H NMR(CDCl、300MHz)δ=1.19(t,J=7.1Hz,3H)、1.80−2.11(m,4H)、2.14−2.21(m,2H)、2.53−2.61(m,2H)、3.09−3.22(m,1H)、3.32−3.47(m,1H)、3.55−3.72(m,1H)、4.10(q,J=7.1Hz,2H)、4.32−4.49(m,2H)、7.06−7.19(m,5H);MS(EI)m/z=306(100)[M+H];IR(ストレート(neat))v=3399,2938,1738,1620,1434,1184,1083,1030,968。
【0069】
この化合物は、2.273の計算されたLog POWを有する。
【0070】
実施例2
(4−ヒドロキシ−1−[2−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルの調製
【化3】


4−フェニル酪酸(9.1g、50.0ミリモル、1.0当量)、グリシンエチルエステルハイドロクロライド(7.0g、50.0ミリモル、1.0当量)、およびHOBt(6.6g、50.0ミリモル、1.0当量)が、DMF(1.0L)およびCHCl(500mL)中に溶解され、0℃に冷却された。EDC(9.6g、50.0ミリモル、1.0当量)およびNEt(5.1g、50.0ミリモル、1.0当量)が添加された。この溶液が加温され、ついで72時間室温で攪拌された。この溶液が分離漏斗へ移し替えられ、酢酸エチル(1.0L)および水(500mL)が添加された。有機層が、5%HClの水溶液(500mL)、NaHCOの飽和水溶液(500mL)、NaClの飽和水溶液(500mL)で洗浄され、ついでNaSO上で乾燥された。溶媒が減圧下に蒸発させられ、残渣が、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーによって精製されて、(4−フェニル−ブチリルアミノ)−酢酸エチルエステル(8.0g、64%)を無色油として生じた。− R(酢酸エチル/ヘキサン)=0.42;H NMR(CDCl、300MHz)δ=1.26(t,J=7.1Hz,3H)、1.92−2.02(m,2H)、2.24(t,J=7.4Hz,2H)、2.65(t,J=7.4Hz,2H)、3.98(d,J=5.4Hz,2H)、4.18(q,J=7.1Hz,2H)、6.42(br s,1H)、7.16−7.29(m,5H)。
【0071】
(4−フェニル−ブチリルアミノ)−酢酸エチルエステル(5.0g、20.0ミリモル、1.0当量))がEtOH(40mL)中に溶解され、水(15mL)中に溶解されたNaOH(890mg、22.1ミリモル、1.1当量)が、添加され、この溶液が72時間室温で攪拌された。溶媒が蒸発させられ、残渣がTBME(100mL)中に取られ、0℃に冷却された。12.5%のHSOの水溶液(20mL)が添加され、これらの層が分離された。この水層がTBME(100mL)で2回抽出された。有機層が組合わされ、NaClの飽和水溶液(100mL)で洗浄され、NaSO上で乾燥された。溶媒が蒸発させられて、(4−フェニル−ブチリルアミノ)−酢酸(4.3g、97%)を白色固体として生じた。H NMR(CDCl、300MHz)δ=1.87−1.97(m,2H)、2.20(t,J=7.4Hz,2H)、2.60(t,J=7.4Hz,2H)、3.99(d,J=5.3Hz,2H)、5.95(br s,1H)、7.09−7.23(m,5H)。
【0072】
(4−フェニル−ブチリルアミノ)−酢酸(2.0g、9.0ミリモル、1.0当量)が、DMF(75mL)およびCHCl(125mL)中に溶解された。4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルハイドロクロライド(2.0g、9.9ミリモル、1.1当量)が添加され、−15℃に冷却され、NEt(1.0g、10.4ミリモル、1.1当量)およびHBTU(3.9g、10.4ミリモル、1.15当量)が添加された。この溶液が72時間室温で攪拌された。溶媒が減圧下に蒸発させられ、残渣が、酢酸エチル(400mL)中に取られ、5%の水溶液(200mL)、NaHCOの飽和水溶液(200mL)、NaClの飽和水溶液(200mL)で洗浄され、ついでNaSO上で乾燥された。溶媒が減圧下に蒸発させられ、残渣が、CHCl/MeOH(9:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーによって精製されて、4−ヒドロキシ−1−[2−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.0g、31%)を無色固体として生じた。− R(CHCl/MeOH(9:1))=0.54;H NMR(CDCl、300MHz)δ=1.23−1.28(m,3H)、1.87−2.02(m,3H)、2.20−2.43(m,3H)、2.58−2.64(m,2H)、3.46−3.71(m,2H)、3.84−3.91(m,1H)、4.07−4.24(m,3H)、4.50−4.58(m,3H)、6.74(br s,1H)、7.13−7.28(m,5H);13C NMR(CDCl、75.5MHz)δ=14.1,27.1,35.1,35.5,37.5,41.9,54.3,m58.1,61.4,69.9,126.0,128.4,128.5,141.3,167.4,172.1,173.5;MS m/z=363(100)[M+H]。
【0073】
この化合物は、1.17の計算されたLog POWを有する。
【0074】
実施例3
4−ヒドロキシ−1−[3−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−プロピオニル]−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルの調製
【化4】


β−アラニンエチルエステルハイドロクロライド(14.8g、96.4ミリモル、1.1当量)が、トルエン(260mL)中に溶解され、10℃に冷却された。NEt(5.1g、50.0ミリモル、1.0当量)がまず添加され、ついでトルエン(50mL)中の4−フェニル−酪酸クロライド(16.0g、87.6ミリモル、1.0当量)の溶液が、添加された。この溶液が加温され、ついで3時間室温で攪拌された。この溶液が減圧下に濃縮され、酢酸エチル(150mL)および水(200mL)が添加された。これらの層が分離され、有機層が、5%HClの水溶液(150mL)、NaHCOの飽和水溶液(150mL)、NaClの飽和水溶液(150mL)で2回洗浄され、ついでNaSO上で乾燥された。溶媒が減圧下に蒸発させられ、残渣が、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーによって精製されて、3−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−プロピオン酸エチルエステル(20.5g、89%)を無色油として生じた。− R(酢酸エチル/ヘキサン)=0.36;H NMR(CDCl、300MHz)δ=1.20(t,J=7.2Hz,3H)、1.86−1.98(m,2H)、2.11−2.16(m,2H)、2.48(t,J=6.2Hz,2H)、2.57−2.62(m,2H)、3.45(q,J=6.1Hz,2H)、4.09(q,J=7.2Hz,2H)、6.47(br s,1H)、7.11−7.28(m,5H)。
【0075】
3−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−プロピオン酸エチルエステル(9.1g、34.7ミリモル、1.0当量)が、EtOH(75mL)中に溶解され、水(25mL)中に溶解されたNaOH(1.88g、46.8ミリモル、1.4当量)が添加され、この溶液が16時間室温で攪拌された。溶媒が蒸発させられ、残渣がTBME(100mL)中に取られた。25%のHSOの水溶液(10mL)が添加され、これらの層が分離された。水層がTBME(100mL)で2回抽出された。有機層が組合わされ、NaClの飽和水溶液(100mL)で洗浄され、NaSO上で乾燥された。溶媒が減圧下に蒸発させられて、3−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−プロピオン酸(7.3g、90%)をベージュ色の固体として生じた。H NMR(CDCl、300MHz)δ=1.77−1.87(m,2H)、2.05−2.11(m,2H)、2.41−2.53(m,4H)、3.37(q,J=6.0Hz,2H)、6.52(t,J=5.9Hz,1H)、7.03−7.18(m,5H)。
【0076】
3−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−プロピオン酸(2.0g、8.5ミリモル、1.0当量)が、DMF(213mL)およびCHCl(100mL)中に溶解された。4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルハイドロクロライド(1.7g、8.5ミリモル、1.0当量)が添加され、5℃に冷却され、NEt(1.7g、17.0ミリモル、2.0当量)およびHBTU(4.2g、11.1ミリモル、1.3当量)が添加された。この溶液が72時間室温で攪拌された。溶媒が減圧下に蒸発させられ、残渣が、酢酸エチル(500mL)および5%HCl(250mL)の水溶液中に取られた。これらの層が分離され、水層が酢酸エチル(150mL)で抽出された。組合わされた有機層が、5%の水溶液(200mL)で、NaHCOの飽和水溶液(200mL)で2回、NaClの飽和水溶液(200mL)で2回洗浄され、ついでNaSO上で乾燥された。溶媒が減圧下に蒸発させられ、残渣が、CHCl/MeOH(9:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーによって精製されて、4−ヒドロキシ−1−[3−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−プロピオニル]−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル(2.2g、70%)をわずかに黄色い油として生じた。− R(CHCl/MeOH(9:1))=0.50;H NMR(CDCl、300MHz)δ=1.16−1.22(m,3H)、1.79−2.57(m,9H)、3.30−3.78(m,5H)、4.01−4.16(m,3H)、4.38−4.49(m,2H)、6.37−6.42(m,1H)、7.07−7.22(m,5H);13C NMR(CDCl、75.5MHz)δ=14.1,27.1,34.4,34.9,35.2,35.9,37.7,55.3,57.8,61.2,69.8,125.9,128.3,128.4,141.5,170.9,172.4,173.2;MS m/z=377(100)[M+H]。
【0077】
この化合物は、0.96の計算されたLog POWを有する。
【0078】
実施例4
3−(3H−イミダゾール−4−イル)−2−[3−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−プロピオニルアミノ]−プロピオン酸エチルエステルの調製
【化5】


3−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−プロピオン酸(235mg、1.0ミリモル、1.0当量)が、CHCl(20mL)中に溶解された。2−アミノ−3−(3H−イミダゾール−4−イル)−プロピオン酸エチルエステルジハイドロクロライド(256g、1.0ミリモル、1.0当量)が添加され、5℃に冷却され、NEt(304mg、3.0ミリモル、3.0当量)およびHBTU(455mg、1.2ミリモル、1.2当量)が添加された。この溶液が48時間室温で攪拌された。溶媒が減圧下に蒸発させられ、残渣が、酢酸エチル(50mL)および水(50mL)中に取られた。これらの層が分離され、水層が、酢酸エチル(50mL)で抽出された。組合わされた有機層が、NaHCOの飽和水溶液(75mL)で2回、NaClの飽和水溶液(75mL)で2回洗浄され、ついでNaSO上で乾燥された。溶媒が減圧下に蒸発させられ、残渣が、MeOH/アセトン(1:9)を用いたフラッシュクロマトグラフィーによって精製されて、3−(3H−イミダゾール−4−イル)−2−[3−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−プロピオニルアミノ]−プロピオン酸エチルエステル(124mg、31%)を白色固体として生じた。− R(アセトン/MeOH(9:1))=0.54;H NMR(CDCl、300MHz)δ=1.17(t,J=7.1Hz,3H)、1.80−1.90(m,2H)、2.06−2.11(m,2H)、2.34−2.40(m,2H)、2.55(t,J=7.6Hz,2H)、2.95−3.08(m,2H)、3.38−3.58(m,2H)、4.07(q,J=7.1Hz,2H)、4.68−4.73(m,1H)、6.65−6.72(m,2H)、7.07−7.22(m,7H)、7.35(s,1H);13C NMR(CDCl、75.5MHz)δ=13.2,26.1,34.3,34.7,34.9,35.3,51.6,60.4,76.2,124.9,127.3,127.5,134.1,140.7,170.3,170.7,172.0;MS m/z=401(100)[M+H]。
【0079】
この化合物は、1.68の計算されたLog POWを有する。
【0080】
実施例5
2−({1−[2−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボニル}−アミノ)−プロピオン酸エチルエステルの調製
【化6】


EtOH(100mL)へ、アセチルクロライド(484mg、6.2ミリモル、3.0当量)が添加された。2−{[1−(2−アミノ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸(500mg、2.1ミリモル、1.0当量)が添加され、溶液が室温で72時間攪拌された。溶媒が減圧下に蒸発させられ、残渣がペンタン(50mL)で2回、共蒸発(coevaporate)させられて、2−{[1−(2−アミノ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸エチルエステルハイドロクロライド(559mg、定量(quant.))を白色固体として生じた。−H NMR(DMSO−d、300MHz)δ=1.15−1.22(m,3H)、1.25−1.35(m,3H)、1.72−2.34(m,4H)、3.17−3.59(m,2H)、3.71−3.88(m,2H)、3.99−4.53(m,4H)、8.15−8.72(m,4H)。
【0081】
4−フェニル−酪酸(338mg、2.1ミリモル、1.0当量)が、DMF(20mL)およびCHCl(20mL)中に溶解された。HOBt(362mg、2.7ミリモル、1.3当量)およびEDC(474mg、2.5ミリモル、1.2当量)が添加され、この溶液が15分間室温で攪拌された。2−{[1−(2−アミノ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸エチルエステルハイドロクロライド(559mg、2.1ミリモル、1.0当量)およびNEt(313mg、3.1ミリモル、1.5当量)が添加された。この溶液が24時間室温で攪拌された。溶媒が推断された(educed)圧力下に蒸発させられ、残渣が、酢酸エチル(75mL)および水(30mL)中に取られた。水層が酢酸エチル(50mL)で取られ、組合わされた有機層が、5%HClの水溶液(50mL)、NaHCOの飽和水溶液(50mL)、NaClの飽和水溶液(50mL)で2回洗浄され、ついでNaSO上で乾燥された。溶媒が減圧下に蒸発させられ、残渣が、CHCl/MeOH(9:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーによって精製されて、2−({1−[2−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボニル}−アミノ)−プロピオン酸エチルエステル(320mg、37%)を無色固体として生じた。− R(酢酸エチル/ヘキサン)=0.50;H NMR(CDCl、300MHz)δ=1.12−1.42(m,6H)、1.80−2.42(m,8H)、2.52−2.61(m,2H)、3.30−4.56(m,7H)、6.41(s,1H)、6.70−7.29(m,7H);13C NMR(CDCl、75.5MHz)δ=14.1,18.2,24.8,27.1,27.9,35.2,35.6,42.1,46.5,48.4,60.2,61.4,61.7,77.2,125.9,128.4,128.5,141.5,168.1,170.4,170.7,172.8,172.8;MS m/z=418(100)[M+H]。
【0082】
この化合物は、1.59の計算されたLog POWを有する。
【0083】
実施例6
1−{2−[2−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−アセチルアミノ]−プロピオニル}−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルの調製
【化7】


EtOH(200mL)へ、アセチルクロライド(1.3g、16.1ミリモル、3.0当量)が添加された。1−(2−アミノ−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸(1.0g、5.4ミリモル、1.0当量)が添加され、この溶液が室温で48時間攪拌された。溶媒が減圧下に蒸発させられて、1−(2−アミノ−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルハイドロクロライド(1.4g、定量(quant.))を白色固体として生じた。− H NMR(DO、300MHz)δ=1.17(t,J=7.1Hz,3H)、1.45(d,J=7.0Hz,3H)、1.84−2.02(m,3H)、2.17−2.32(m,1H)、3.55−3.69(m,2H)、4.12(q,J=7.1Hz,2H)、4.28(q,J=7.1Hz,1H)、4.37−4.44(m,1H)。
【0084】
(4−フェニル−ブチリルアミノ)−酢酸(597mg、2.7ミリモル、1.0当量)が、DMF(10mL)およびCHCl(10mL)中に溶解された。HBTU(1.2g、3.0ミリモル、1.2当量)、1−(2−アミノ−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルハイドロクロライド(653mg、2.6ミリモル、1.0当量)、およびピリジン(0.2mg、3.0ミリモル、1.2当量)が添加され、この溶液が48時間室温で攪拌された。溶媒が推断された(educed)圧力下に蒸発させられ、残渣が、酢酸エチル(50mL)および水(50mL)中に取られた。水層が酢酸エチル(50mL)で2回で抽出され、組合わされた有機層が、5%HClの水溶液(75mL)、NaHCOの飽和水溶液(75mL)、NaClの飽和水溶液(75mL)で洗浄され、ついでNaSO上で乾燥された。溶媒が減圧下に蒸発させられ、残渣が、酢酸エチルを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって精製されて、1−{2−[2−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−アセチルアミノ]−プロピオニル}−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル(390mg、94%)を無色油として生じた。− R(酢酸エチル/ヘキサン)=0.56;H NMR(CDCl、300MHz)δ=1.19−1.31(m,4H)、1.97(d,J=7.7Hz,3H)、1.89−2.11(m,5H)、2.17−2.31(m,3H)、2.57−2.71(m,2H)、3.47−4.85(m,8H)、6.41−6.52(m,1H)、7.15−7.29(m,5H);13C NMR(CDCl、75.5MHz)δ=14.1,17.7,24.8,26.9,28.9,35.1,35.5,42.7,46.8,46.9,58.9,61.1,125.8,128.3,128.4,141.5,168.3,171.0,171.7,173.0;MS m/z=418(100)[M+H]。この化合物は、2.29の計算されたLog POWを有する。
【0085】
実施例7
1−{1−[2−(4−フェニル−ブチリルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボニル}−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル
【化8】

【0086】
実施例6と類似の合成
この化合物は、2.18の計算されたLog POWを有する。
分子量=443.55
正確な質量=443
分子式=C2433
分子組成=C 64.99% H 7.50% N 9.47% O 18.04%
【0087】
実施例8
アンチエージングクリーム
【0088】
【表1】

【0089】
実施例9
アンチエージングクリーム
【0090】
【表2】

【0091】
実施例10
アンチエージングクリーム
【0092】
【表3】

【0093】
小皺減少アッセイ
本発明の化合物および組成物が皮膚の小皺を減少させる能力は、「干渉縞投影による皮膚トポグラフィー測定:技術的検証(Skin topography measurement by interference fringe projection:a technical validation)」、(ラガルド(Lagarde)J M;ルーブレ(Rouvrais)C;ブラック(Black)D;ディリドルー(Diridollou)S;ゴール(Gall)Y、皮膚研究および技術(Skin research and technology):バイオエンジニアリングおよび皮膚国際学会(ISBS)[および]皮膚のデジタル画像化国際学会(ISDIS)[および]皮膚画像化国際学会(ISSI)の公報(official journal of International Society for Bioengineering and the Skin(ISBS)[and] International Society for Digital Imaging of Skin(ISDIS)[and] International Society for Skin Imaging(ISSI)(2001年5月)、7(2)、112−21、または「皮膚表面トポグラフィーの分析のための直接または非直接測定技術(Direct and non−direct measurement techniques for analysis of skin surface topography)」、フィッシャー(Fischer)T W;ウイッガー−アルベルティ(Wigger−Alberti)W;エルスナー(Elsner)P.皮膚薬理学および応用皮膚生理学(Skin pharmacology and applied skin physiology)(1999年1月−4月)、12(1−2)、1−11に記載されている側面計測方法によって評価することができる。
【0094】
加速された毛髪成長および保護毛髪成長の評価
本発明の化合物および組成物が、毛髪成長を刺激または保護する能力は、例えば国際公開第9817273号パンフレットに記載されているマウスモデルを用いて調査することができる。毛嚢に損傷を与えるために、シクロホスファミド(Cyclophosphamide)(ネオスター、ファルマシア(Neostar,Pharmacia))を用いる代わりに、ミトマイシン(Mitomycin)またはメソトレキセート(Methotrexate)を用いることができる。新生マウスを用いて、毛髪成長の加速を検出することも可能である。これらは、同期性毛髪サイクルを有し、約3週間後、すべての毛嚢は、休止期に入る。ついでこれらの動物が治療され、どれだけ早く、およびどの程度まで毛髪が成長しているかが評価される。試験管内または生体内設定(setup)を用いた同様のテストが、J.Invest.Dermato.シンポジウム議事録、毛髪研究学会の第3回国際会議(3rd Int.Meeting of Hair Research Societies)、8/1、39−45頁(2003年)にも見出すことができる。
【0095】
また、R.ホフマン(Hoffmann)、J.Invest.Dermato.シンポジウム議事録、毛髪研究学会の第3回国際会議8/1、109−115頁(2003年)に記載されたトリコスキャン(TrichoScan)分析器具を用いて、脱毛症を患っている男性を包含する臨床調査を実施することも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】


(式中、R、R、およびRは独立して、水素、OR、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルケニルであり、Rは、水素、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルケニルであり、
−N−(AA)は、アミノ酸またはペプチドのN−末端の上で結合されたアミノ酸またはペプチドの残基を表わし、前記ペプチドは、2〜6個(すなわち、2、3、4、5、または6個を意味する)のアミノ酸から構成され、前記アミノ酸または前記ペプチドのC−末端は場合により、C〜C16炭化水素部分でエステル化され、
nは1〜5の整数である)
によって表わされる化合物。
【請求項2】
およびRはどちらも水素であり、Rは、残基−O−C〜Cアルキルであることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
、R、およびRは、水素であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
n=3である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
前記アミノ酸または前記ペプチドのC−末端は、C〜C16アルキル残基でエステル化されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
−N−(AA)は、グリシン、α−またはβ−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、セレノメチオニン、セリン、トレオニン、システイン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、ヒドロキシリシン、ヒスチジン、アルギニン、オルニチン、シトルリン、タウリン、サルコシンおよびスタチン、ノルロイシン、ノルバリン、または2−N−メチルノルロイシンから選択されたアミノ酸の残基を表わすことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
N−(AA)は、ヒドロキシプロリンまたはヒドロキシプロリンのエステルを表わす、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
N−(AA)は、ヒドロキシプロリン−エチルエステルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
−N−(AA)は、ジペプチドの残基を表わすことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
−N−(AA)は、カルノシン、バレニン、アンセリン、グリシンヒドロキシプロリン、または上記のジペプチドのいずれかのエステルを表わすことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
−N−(AA)は、トリペプチドの残基を表わすことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
0〜6の計算されたlogPOWを有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物、および化粧品的または製薬的に許容しうる賦形剤または希釈剤を含む組成物。
【請求項14】
前記組成物が、局所組成物であることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、式(I)の化合物を、前記組成物の重量を基準にして0.001〜50重量%の濃度で含有することを特徴とする、請求項13または14に記載の化粧品組成物。
【請求項16】
式(I)の化合物が、前記組成物の重量を基準にして0.01〜1重量%の濃度で存在することを特徴とする、請求項15に記載の化粧品組成物。
【請求項17】
化粧品効果を与えるための組成物の調製のための、請求項1〜12のいずれか一項に記載の一般式(I)によって表わされる化合物の使用。
【請求項18】
前記化粧品効果が、小皺または乾燥肌または敏感肌、または健康な皮膚の生理的ホメオスタシスの不利な発展によって引起こされたあらゆる症状の治療または予防、毛髪成長の促進、抜け毛の防止、表皮の肥厚、にきび防止、皮膚細胞の老化の阻止、光損傷の防止または治療、酸化ストレス現象の防止または治療、セリュライトの防止または治療、色素沈着疾患および/またはさらに肌の色合いの防止または治療、セラミドおよび脂質合成の障害の防止および治療、過剰な皮脂生産の防止、マトリックスメタロプロテアーゼまたは皮膚中のほかのプロテアーゼの活性の減少、アトピー性湿疹、多型日光疹、乾癬、白斑を含む炎症性皮膚症状の治療および防止、痒いかまたはひりひりする皮膚の防止および治療である、請求項17に記載の使用。


【公表番号】特表2007−530488(P2007−530488A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504355(P2007−504355)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003116
【国際公開番号】WO2005/092850
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】