説明

化粧品用造粒組成物とその製造方法

【課題】化粧品用として好ましい物性を有する造粒組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】押出造粒法によって、口径0.3〜0.5mmで押し出され、乾燥することによって造粒、製造される造粒物であって、タルク40〜80重量%、結晶セルロース又はセルロース誘導体5〜20%を配合したことを特徴とする。また請求項2記載の発明は、請求項1記載の化粧品用造粒組成物において、造粒組成物が粒状洗顔料であることを特徴とする。藍藻類の加水分解物を含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品用造粒組成物と、その化粧品用造粒組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に造粒組成物には種々の用途に用いられるものが存在するが、化粧品用として使用される造粒組成物には、他の造粒組成物とは異なり、種々の物性が要求される。たとえば粉末状洗顔料の場合には、粒径が小さすぎて粉末状になると、粉立ちして吸い込み、周囲にこぼし、或いは吸湿して固まり易い等の不都合があるため、ある程度の大きさを有する塊状に造粒したものが好ましい。しかし造粒物の粒径が大きすぎる場合や造粒物が硬すぎる場合には、使用時に手のひらが痛み、また溶けにくく泡立ちが悪いなどの欠点が生じて使用者に好まれない。これに対して造粒物の強度が弱いと、製造中の段階、或いは輸送・使用中等において、積み重ねによる造粒物自身の重量による圧力や振り混ぜられることにより、せっかく造粒したものが崩壊して微粉になるなどの欠点が生ずる。
【0003】
従って、化粧品用造粒組成物には、ほぼ一定の大きさに仕上げられ、適度の強度をもつことが必要とされる。たとえば洗顔料の場合には、使用時には手のひらで水或いは湯で濡らして手指或いは手のひらで延ばす操作で崩壊し、浴室等の高湿度条件にも耐え得ることが要求され、また洗顔用基剤或いはその一部としてのスクラブ剤、さらには水性・油性の化粧品基剤に分散させて使用することができる等の物性を有することも要求される。そして、このような物性を有してこそ、化粧品に配合される効能成分や色素、粉体、香料などを特徴的に配合して、化粧品としての付加価値を高めるために使用することができるのである。
【0004】
このような化粧品用造粒組成物を得るために、化粧品に配合できる安全性と安定性を有し、適度の強度と崩壊性を併せ持ちうる基剤を選択し、さらに付加価値を高める成分を配合して造粒し、好ましい大きさの粒度に仕上げて乾燥する等の工程を経て製造されているが、強度と崩壊性とのバランスを維持するためには、造粒組成物の大きさには一定の限度があり、たとえばほぼ球状の粒子の場合には、直径で約0.7mmを超えると強度と崩壊性のバランスは失われ、強度を満足させると、ほどよい崩壊性は得られない。一方、直径が約0.2mm未満では外観上も単なる細かい粉末の範疇に入り、造粒の意味が失われる。
【0005】
従来では、このような崩壊性を有する造粒物を製造するために、通常、粉末状の基剤を用い、一定量の水を加えて混合して均一にした後、さらに強く混合して造粒させる方法(混合法)、やや大目の水分を加えて流動性を高めたものを噴霧乾燥する方法(流動法)、及び一定の大きさの多数の孔を空けた板に水を加えた状態で圧力を加えて押し出す方法(押出法)等の方法が採用されている。そして、これらの方法で造粒して乾燥し、さらにはその造粒物を解砕し、或いは角を取る等の方法で大きさや形状を揃える等のことが行われている。
【0006】
しかし、混合法では造粒物の大きさを均一にすることが難しく、造粒が不充分であっても、過剰に造粒した上でより細かい粒に解砕する場合にも、微粉が混入するという問題点がある。これに対して流動法では、粒の均一性や崩壊性・溶解性等の点において好ましく、さらには乾燥中に内部に気泡を含むため、粒子が軽くなり、その軽さの点でも最も好ましい仕上がりが得られる。しかし、流動法では下からの熱風を吹き上げて比較的大量の水分を蒸発させるために、設備投資が嵩み、エネルギーコストも非常に高くなる等の欠点がある。
【0007】
一方、従来の押出法では、押し出し時の口径は0.5mmが下限であり、0.5mmを超える口径で押し出されて得られる造粒物の直径が大きすぎるため、必要な短さに折ることができず、また直径のみならず、長さも長すぎて化粧品の造粒物には不向きであった。
【0008】
ところで、従来の化粧品用造粒組成物に関する発明として、たとえば下記特許文献1のような特許出願がなされている。この特許文献1に開示された化粧品用造粒組成物も、上記のような混合法、流動法、押出法等で製造されうることが開示されているが、造粒物の嵩密度が化粧料に適している等の理由により、流動法が好ましいことが開示されている(特許文献1の[0007])。しかしながら、設備投資が嵩み、エネルギーコストがかかる等の上述のような流動法の問題点は無視することができず、その解決が望まれるところである。
【0009】
【特許文献1】特開2003−277216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するためになされたもので、上述のような
化粧品用として好ましい物性を有する造粒組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、上述のような流動法の問題点に鑑み、化粧品用としては不向きと一般に認められていた押出法を採用する点に着目し、鋭意研究した結果、所定範囲の処方と造粒時の水分量で、従来困難とされていた口径0.3〜0.5mmで押出造粒を行うことができ、そのような口径で押出造粒した後に乾燥仕上げすることにより、化粧品用として好ましい物性を有する造粒組成物を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、化粧品用造粒組成物に係る請求項1記載の発明は、押出造粒法によって、口径0.3〜0.5mmで押し出され、乾燥することによって造粒、製造される造粒組成物であって、タルク40〜80重量%、結晶セルロース又はセルロース誘導体5〜20%を配合したことを特徴とする。また請求項2記載の発明は、請求項1記載の化粧品用造粒組成物において、造粒組成物が粒状洗顔料であることを特徴とする。
【0013】
さらに化粧品用造粒組成物の製造方法に係る請求項3記載の発明は、押出造粒法によって、口径0.3〜0.5mmで押し出され、乾燥することによって造粒、製造される造粒組成物の製造方法であって、タルク40〜80重量%、結晶セルロース又はセルロース誘導体5〜20%を配合して製造することを特徴とする。また請求項4記載の発明は、請求項3記載の化粧品用造粒組成物の製造方法において、押出造粒時に、組成物全量に対して水分5〜25重量%を含有させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、上述のようにタルク40〜80重量%、結晶セルロース又はセルロース誘導体5〜20%を配合することにより、一般の押出造粒法で採用されている口径よりも小さい0.3〜0.5mmという口径で押し出して造粒物を製造することが可能となり、その結果、そのようにして得られた造粒組成物は、直径が大きすぎることもなく、長さが長すぎることもなく、化粧品の造粒物として好適に使用することが可能となる。
【0015】
さらに、大きさの面のみならず、物性の面においても優れた化粧品用造粒組成物を提供することができる。たとえば本発明の化粧品用造粒組成物を粒状洗顔料として使用した場合、微粉を全く含まないので、粉立ちはなく、また使用時に手の平にとって、適量の水等を加えて溶かした際、特に手の平に痛みもなく、適度に崩壊し、容易に溶けて泡立ちも良好である等の利点がある。
【0016】
また押出造粒法を採用することが可能となるので、従来の化粧品用造粒組成物の製造において多く採用されていた流動法で得られるものに比べて、設備投資に要するコストやエネルギーコスト等を大幅に低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の化粧品用造粒組成物は、上述のように、押出造粒法によって、口径0.3〜0.5mmで押し出され、乾燥することによって造粒、製造される造粒物であり、タルク40〜80重量%、結晶セルロース又はセルロース誘導体5〜20重量%を配合したものである。
【0018】
ここで口径0.3〜0.5mmで押し出すこととしたのは、0.5mmを超える口径で
押し出された造粒物は、直径が大きすぎて必要な短さに折ることができず、また長さも長すぎて化粧品の造粒物には不向きだからである。また口径が0.3mm未満となると、造粒物の強度が不足し、製造中の段階、輸送時或いは使用中において、積み重ねによる造粒物自身の圧力や振り混ぜられることにより、せっかく造粒したものが微粉となる恐れがあるからである。
【0019】
またタルクの配合量を40〜80重量%としたのは、40重量%未満となると、造粒する段階で粘りが生じて押出造粒に適さない物性になるという問題がある一方で、80重量%を超えると、造粒物がもろくなり、容易に崩壊するという問題があるからである。
【0020】
さらに結晶セルロース又はセルロース誘導体の配合量を5〜20重量%としたのは、
5重量%未満となると、吸湿耐性が充分に得られないため、長期間の保存や浴室での使用などで造粒物どうしが付着するという問題がある一方で、20重量%を超えると、造粒の際に必要な水分の量が増加し、造粒後の乾燥に必要以上の時間を要するという問題があるからである。なお、セルロース誘導体としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどを挙げることができる。
【0021】
また本発明の化粧品用造粒組成物の製造方法においては、押出造粒時に、組成物全量に対して水分5〜25重量%を含有させることも可能である。この場合、含有させる水分を5〜25重量%としたのは、5重量%未満となると、造粒する段階でぱさついて造粒物が得られないという問題がある一方で、25重量%を超えると、造粒する段階でせっかく得られた造粒物どうしが付着するという問題があるからである。
【0022】
本発明の化粧品用造粒組成物の用途は問うものではないが、たとえば粒状洗顔料として使用することができる。
【0023】
本発明の造粒組成物は、一般に化粧品の配合成分として用いられている洗浄剤、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、薬効成分、油性成分、紫外線吸収剤、色素、香料、乳化安定剤、タンパク分解酵素等とともに化粧品に配合することができる。特に粒状洗顔料として供する場合には、洗浄成分の配合が必須となるが、その際の洗浄成分としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸或いはそのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩などの脂肪酸塩、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム、N−ヤシ油アシルグリシンカリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシルメチルタウリンナトリウム、N−ミリストイルメチルタウリンナトリウム、N−ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンカリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、パルミトイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどのアミノ酸系アニオン性洗浄剤、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルエーテルリン酸ナトリウム、(12−15)アルキルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルグリコール酢酸ナトリウムなどのアニオン性洗浄剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどの両性洗浄剤の他、ラウリルジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタアノールアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドなどの非イオン性洗浄剤などを挙げることができるが、配合には特に制限はない。さらには、これらのものに代表される洗浄成分の配合量としては、製造の段階及び得られる造粒物の品質に影響を与えないことが条件となるが、通常は10〜40重量%程度が好ましい。
【実施例】
【0024】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0025】
(実施例1)
本実施例は、本発明の化粧品用造粒組成物を粒状洗顔料に適用した場合の実施例である。
本実施例の化粧品用造粒組成物の処方は次のとおりである。
【0026】
組成 配合量(重量%)
(A)粉体成分
タルク 72.939%
結晶セルロース 12.0%
ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 7.0%
テトラデセンスルホン酸ナトリウム 3.0%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2%
イオウ 0.001%
プロテアーゼ(150000単位/g) 0.05%
リン酸L−アスコルビルマグネシウム 0.01%
(B)液体成分
ラウロイルメチルアラニンナトリウム30%液(残部は水)16.0%
水 4.0%
(水以外の成分で計100.0%、他に水が15.2%)
【0027】
水以外の成分で全量30kgとなるスケール(上記パーセント表示×300倍(g))でそれぞれの成分を秤量した後、上記A成分(粉体成分)を100L容量の混合釜に投入して粉体成分のみを充分に均一になるよう混合した。次いで、A成分を混合しながら、B成分(液体成分)を投入して全体が均一になるまで混合した。次に内容物を取り出し、押出造粒を行った。造粒機として、口径0.3mmの専用ドームを取り付けて、株式会社ダルトン製押出造粒機DG−L1型を用いた。得られた造粒物を流動式乾燥機を用いて水分を除くことにより、ほぼ完全に乾燥して、粒状洗顔料29.0kgを得た。
【0028】
(実施例2)
本実施例も、粒状洗顔料に適用した場合の実施例であり、その処方は次のとおりである。
【0029】
組成 配合量(重量%)
(A)粉体成分
タルク 65.55%
結晶セルロース 12.0%
ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 7.0%
テトラデセンスルホン酸ナトリウム 3.0%
パルミチン酸カリウム 4.0%
プロテアーゼ(150000単位/g) 0.05%
含硫ケイ酸アルミニウム(タナクラクレイ) 3.0%
(B)液体成分
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン36%液(残部は水) 15.0%
水 5.0%
(水以外の成分で計100.0%、他に水が14.6%)
【0030】
水以外の成分で全量30kgとなるスケール(上記パーセント表示×300倍(g))で以後、実施例1と同様に処理して粒状洗顔料28.7kgを得た。
【0031】
(実施例3)
本実施例は、本発明の化粧品用造粒組成物を黄色スクラブ剤に適用した場合の実施例である。本実施例の化粧品用造粒組成物の処方は次のとおりである。
【0032】
組成 配合量(重量%)
(A)粉体成分
タルク 78.6%
結晶セルロース 12.0%
ヒドロキシエチルセルロース 3.0%
ヒドロキシプロピルセルロース 3.0%
ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 3.0%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2%
クチナシ黄色素 0.2%
(B)液体成分
水 15.0%
(水以外の成分で計100.0%、他に水が15.0%)
【0033】
水以外の成分で全量30kgとなるスケール(上記パーセント表示×300倍(g))で口径0.3mmの専用ドームに代えて口径0.45mmの専用ドームを用いた他は実施例1と同様に処理して粉状洗顔料などに配合するための黄色スクラブ剤29kgを得た。
【0034】
(比較例1)混合造粒法による粉末及び粒の混合物からなる洗顔料
実施例1におけるB成分中の水を用いなかった他は実施例1と同じ処方で、水以外の成分で全量30kgとなるスケール(上記パーセント表示×300倍(g))でそれぞれの成分を秤量した後、A成分(粉体成分)を実施例1で用いた100L容量の混合釜に投入して粉体成分のみを均一になるよう混合した。
【0035】
次いで、A成分を混合しながら、B成分(液体成分)を投入して全体を均一にした後、さらに混合を続けて、主要な生成物の直径2〜5mmの造粒物とした。得られた造粒物を流動乾燥機を用いて乾燥後、ふるい目の大きさ0.8mmのスリット(金網)を用いて解砕することにより粉末及び粒の混合物からなる洗顔料29.3kgを得た。
【0036】
このようにして得られた洗顔料を篩目の開きがそれぞれ1.0mm、0.6mm、0.3mm、0.1mmの篩に連続して通し、その粒の大きさによって分け、得られた区分の重量パーセントに基づいて粒度分布を調べたところ、以下のような結果であった。
【0037】
1.0mm以上 0.2重量%
0.6〜1.0mm 7.9重量%
0.3〜0.6mm 42.4重量%
0.1〜0.3mm 38.5重量%
0.1mm以下 11.0重量%
【0038】
(比較例2)押出造粒法による粒状洗顔料、直径0.7mm
実施例1における口径0.3mmの専用ドームに代えて、口径0.7mmの専用ドームを用いた他は、実施例1と同様に操作した。結果として粒状洗顔料29.7kgを得た。
【0039】
(総括)
実施例1〜2で調製した顆粒状洗顔料はいずれもほぼ所定の粒径(直径0.3mm)、長さ3〜5mmであり、微粉は実質的に全く含まないため、粉立ちはなく、なおかつ使用時には手の平にとり、適量の水或いは湯を加えて溶かした際、特に手の平に痛みもなく容易に溶けて泡立ちも良好であった。
【0040】
また、実施例3で調製した黄色スクラブ剤はほぼ所定の粒径(直径0.3mm)、長さ3〜5mmであり、微粉は実質的に全く含まず、これを実施例1或いは2で調製した顆粒状洗顔料に2重量%配合することで黄色スクラブ剤入りの顆粒状洗顔料を得たが、化粧品として外観的に美しく、使用時には特に手の平に痛みはなく、スクラブ剤が使用中に適度に残ってスクラブ剤としての感触を残すが間もなく崩壊してその感触はなくなることが確認できた。
【0041】
一方、比較例1では、上記のように粒度が分けられた各区分のうち、1.0mm以上及び0.6〜1.0mmの範囲のものは粉立ちはないが、洗顔パウダーとして用いる際、手の平が痛い、溶けにくい、泡立つのが遅い等の欠点が明らかに認められた。0.3〜0.6mmの範囲のものでも手の平が痛む、溶けにくい傾向が認められた。一方、0.1mm以下の区分のものは容器から取り出す際、内容物をこぼした場合に微粉が粉立つ(空中に微粉が舞う)、それを吸い込む等の恐れがある、さらには浴室で入浴中に使用する場合に吸湿が早く、内容物がさらさらしない、容器を傾けても内容物が出にくいなどの欠点が明らかに認められた。すなわち、比較例1で得られる粉末及び粒の混合物からなる洗顔料には粒度の分布により、欠点が認められた。
【0042】
さらに比較例2のようにして得られた粒状洗顔料を使用したところ、手の平が痛い、溶けにくい、泡立つのが遅い等の欠点が明らかに認められた。
【0043】
以上のことから、実施例1及び2の粒状洗顔料は、比較例1及び2の粒状洗顔料に比べて物性が優れていることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出造粒法によって、口径0.3〜0.5mmで押し出され、乾燥することによって造粒、製造される造粒物組成物であって、タルク40〜80重量%、結晶セルロース又はセルロース誘導体5〜20重量%を配合したことを特徴とする化粧品用造粒組成物。
【請求項2】
粒状洗顔料である請求項1記載の化粧品用造粒組成物。
【請求項3】
押出造粒法によって、口径0.3〜0.5mmで押し出され、乾燥することによって造粒、製造される造粒物組成物の製造方法であって、タルク40〜80重量%、結晶セルロース又はセルロース誘導体5〜20重量%を配合して製造することを特徴とする化粧品用造粒組成物の製造方法。
【請求項4】
押出造粒時に、組成物全量に対して水分5〜25重量%を含有させる請求項3記載の化粧品用造粒組成物の製造方法。

【公開番号】特開2007−269656(P2007−269656A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−95388(P2006−95388)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000103219)エルソルプロダクツ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】