説明

化粧品組成物のライン

【課題】単独の作業で被覆及び着色の双方を有するメークアップを得ることを可能にする、被覆を提供し、且つ、満足のいく飽和色を生じさせ得る組成物の利益を得る必要が存在する。加えて、得られるメークアップの質に不利益ではない消費者を惹きつけるような新規な効果が存在する化粧品組成物を使用するケラチン物質のメークアップの利益を得ることが望ましい。
【解決手段】本発明は、化粧品として許容される媒体及び少なくとも1つの多層干渉顔料を各々が含む、少なくとも2つの組成物であって、各組成物が25、良好には30以上の被覆率を提供し、各種の組成物の各多層干渉顔料が、組成物のバルクの色が2つずつ比べた場合は3以下の色の違いΔE適用前によって異なり、適用後に前記組成物が2つずつ比べた場合は5以上の色の差ΔE適用後を提供するように選択される、組成物を含む化粧品組成物のラインを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品組成物、とりわけケラチン物質をメークアップするための化粧品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の発色団を使用する吸光減少によって色を生じさせるように、メークアップ用組成物に拡散顔料を導入することが知られている。
【0003】
連続的且つ十分な被覆である着色された背景の利益を受けるために必要とされる拡散顔料に対して、例えばハイライト又は真珠光沢面を生じさせるために有効な粒子が添加され得る。
【0004】
しかしながら、その様な組成物によって生じる色の強度は、完全に満足のいく結果を得るには不十分である。
【0005】
干渉減少によって色を生じさせるために都合良く選択される反射指数及び厚みを有する層の堆積を含む多層干渉顔料は、上述の拡散顔料の色の強度より大きな色の強度を生じさせることが可能である。
【0006】
本発明者の知る限り、市販されている組成物において、パウダーを除いて、その様な多層干渉顔料は、5重量%を超えない濃度で使用される。
【0007】
加えて、被覆を与える拡散顔料を含有する黒色のベースコートをケラチン物質に堆積させる第一の作業、次いで、多層干渉顔料によって色を与える組成物を前記ベースコートに堆積させる第二の作業において、適用されるメークアップによって被覆率及び色の強度の双方が与えられることは、LANCOMEによるCHRYSALIDEという商品名のアイシャドウから既知である。ベースコート無しでは、被覆力及び色を有さないためトップコートは実際には目に見えない。
【0008】
2つの連続する適用の必要が、メークアップの適用を複雑にし、且つ、包装を更に高価にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
化粧品組成物のライン
単独の作業で被覆及び着色の双方を有するメークアップを得ることを可能にする、被覆率を提供し、且つ、満足のいく飽和色を生じさせ得る組成物の利益を得る必要が存在する。
【0010】
加えて、得られるメークアップの質に不利益ではない消費者を惹きつけるような新規な効果が存在する化粧品組成物を使用するケラチン物質のメークアップの利益を得ることが望ましい。
【0011】
本発明は、特に、上述の必要性の全て又は幾つかを満足しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1つの態様では、本発明は、化粧品として許容される媒体及び少なくとも1つの多層干渉顔料を各々が含む、少なくとも2つの組成物を含む化粧品組成物のラインであって、各組成物が25、良好には30以上の被覆率を提供し、各種の組成物の各多層干渉顔料が、組成物のバルクの色が、2つずつ比べた場合は、3以下の色の差ΔE適用前によって異なり、適用後において前記組成物が、2つずつ比べた場合は、5以上の色の差ΔE適用後を示すように選択される、化粧品組成物のラインを提供する。
【0013】
ΔEを算出するために、適用後の色は、被覆率を測定する際のように、前記組成物をコントラストカードに広げた後に測定する。
【0014】
用語「ライン」は、例えば、同じ商品名及び同じ包装において、消費者に提案される複数の組成物として解されるべきである。
【0015】
消費者に提供される製品において、本発明のラインは、本発明に相当しない組成物を含むより大きなライン(例えば、本発明の組成物と同じ商品名及び同じ包装で提案されるより大きなライン)の一部を形成して良い。
【0016】
前記ラインの組成物は全て無水物であるか、又は含水物であって良い。
【0017】
ΔE適用前は、2以下であって良い。
【0018】
ΔE適用後は、5、良好には6以上であって良い。
【0019】
被覆率は、25以上、例えば30から70の範囲、例えばこの範囲における任意の整数より大きく、例えば40以上であって良い。
【0020】
各組成物は、5以上、例えば5から30の間の任意の整数より大きい、バルクの色と適用後の色との間の色の差を提供して良い。
【0021】
多層干渉顔料を使用する、干渉現象による発色は、顔料の表面層による吸収現象による発色と競合する。
【0022】
かくして、顔料濃度が十分に増大している際には、干渉現象によって生じる色が低減し、吸収によって生じる色が増大する。
【0023】
この特性を利用することによって、本発明は、適用の間の前記ラインの各組成物における色の変化を観察することを可能にし、使用において面白い態様を与える。前記ラインの全ての組成物が実質的に同じバルクの色を呈して、この面白い特徴が増強される。
【0024】
本発明は、その包装において適用前後の色における変化を利用することを可能にして、化粧品組成物の販売に関して新しい可能性を提供する。
【0025】
前記ラインにおける各組成物のバルクの色は白色であって良い。用語「白色」は、CIEの意味において無色のものと理解されるべきである。
【0026】
そのバルクにおいて、前記ラインの各組成物は、40以上の白色指数を有して良い。
【0027】
前記ラインの各組成物は、多層干渉顔料以外のいずれの着色剤も含む必要がない。
【0028】
前記ラインの組成物の少なくとも1つの多層干渉顔料は、例えば少なくとも4つの層を含んで良い。
【0029】
前記ラインの少なくとも1つの組成物の少なくとも1つの多層干渉顔料は、透明な原料からなる基材を含んで良い。
【0030】
前記ラインの組成物は、同じ原料からなる層を有するが、1つの顔料の少なくとも1つの層が他の顔料の対応する層と異なる厚みを有して異なる色を生じさせる、2つの多層干渉顔料を含んで良い。
【0031】
前記ラインの組成物は、酸化鉄又は酸化アルミニウムを含む基材を有する少なくとも1つの多層干渉顔料を各々が含んで良い。
【0032】
前記ラインの全ての組成物の多層干渉顔料は、20%以内の同じ体積を有して良い。
【0033】
前記ラインの全ての組成物の多層干渉顔料は、同種の基材及び/又は同種の表面層を有して良い。前記ラインの全ての組成物は、個々の多層干渉顔料を除けば、同じ化合物を有して良い。このことが、同じバルクの色を得ることをより容易にし得る。
【0034】
少なくとも2つの組成物が、それら各々の干渉顔料の少なくとも1つの干渉層の厚みのみが互いに異なるものであって良い。
【0035】
前記ラインの組成物の数は、例えば2から8の範囲であって良い。
【0036】
前記ラインは多層干渉顔料を有する少なくとも3つの組成物を含んで良く、前記ラインにおける3つの組成物の多層干渉顔料の全含有量は、各々が8重量%以下、厳格には14重量%より大きく、12重量%から14重量%の範囲であって良い。
【0037】
前記ラインの全ての組成物は、同じ多層干渉顔料を有して良い。
【0038】
前記ラインは、少なくとも2つ、又は3若しくは4つの、同じ重量の各種の個々の多層干渉顔料を有する組成物を含んで良い。
【0039】
前記ラインの全ての組成物は、共通の容器に包装されて良い。
【0040】
本発明は化粧品組成物のラインであって、パウダーではなく、特に液体又はスティックの形態であり、各化粧品組成物が化粧品として許容される媒体中に1つ以上の多層干渉顔料を含み、少なくとも1つの組成物については多層干渉顔料の全含量が9重量%以下であり、且つ、1つの組成物については含量が11重量%以上である、化粧品組成物のラインも提供する。
【0041】
各組成物は、ケラチン物質(唇、皮膚、爪、睫毛、眉毛、及び毛髪)に適用した後の組成物の色を示す手段で包装されて良い。
【0042】
例えば、前記手段は、印刷インク若しくは塗料、組成物の薄層、又は多層干渉顔料を含む物質をモールド若しくはオーバーモールドすることであろう。
【0043】
1つの実施態様では、本発明は、化粧品として許容される媒体、及び7%以上の重量割合で少なくとも1つの多層干渉顔料を各々が含有する少なくとも2つの組成物を含む化粧品組成物のラインであって、前記多層干渉顔料が適用後に各種の色を生じ、好ましくは、例えばマイカ、ガラス、シリカからなる不透明ではない基材を有し、好ましくは着色層を含まず、各組成物に存在する吸光現象によって色を生じさせる拡散顔料の割合が好ましくは0.5%未満である、化粧品組成物のラインを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
それらのバルクにおいて白色の組成物
その様な組成物は、本発明に係る組成物のラインを形成するために使用されて良い。その様な組成物は、それら自体においても興味深いものであっても良い。
【0045】
1つの実施態様では、本発明は、バルクにおける組成物に白色を与え、且つ、組成物の適用後に少なくとも5の色の変化ΔEを生じさせるために適切な少なくとも1つの多層干渉顔料を、化粧品として許容される媒体中に含む、特にスティック形態である固体の化粧品組成物を提供する。用語「スティック」は、摩擦によってメークアップを移すことを可能にする固体形態、一般的には細長いブロック形態の組成物を意図して使用する。例えば、スティックは、モールディング又はによって得られて良い。
【0046】
ΔEを算出するために、被覆率を測定するように、組成物をコントラストカードに広げた後に、適用後の色を測定する。
【0047】
バルクにおいて、前記組成物は、40以上の白色指数を有して良い。
【0048】
前記組成物は、無水物又は含水物であって良い。
【0049】
前記組成物に依存して、ΔEの差は、例えば、5から30の範囲であって良く、特に、その範囲の任意の整数より大きい値であって良い。
【0050】
前記組成物の被覆率は、30から70の範囲であって良く、特に、その範囲の任意の整数より大きい値であって良く、例えば40以上であって良い。多層干渉顔料の量は、特にパウダー形態ではない組成物、例えばスティック形態の組成物については、7重量%から20重量%、好ましくは8重量%から15重量%の範囲であって良い。
【0051】
ルースパウダー又はコンパクトパウダーについては、多層干渉顔料の量は、例えば40%から95%、好ましくは50%から80%の範囲であって良い。
【0052】
前記組成物は、多層干渉顔料以外のいずれの着色剤も含む必要がない。
【0053】
前記多層干渉顔料は、例えば、少なくとも4つの層を含んで良い。
【0054】
前記多層干渉顔料は、多かれ少なかれ光沢を組成物に与えることを可能にし得る程度と大なり小なりの程度で粗いものであって良い。
【0055】
例えば、前記基材は、比較的粗い天然マイカ、合成マイカ、アルミナ、シリカ、又はガラス若しくはより滑らかな表面のための金属から選択されて良い。
【0056】
前記組成物は、同じ原料からなる層を有する2つの多層干渉顔料を含んで良く、1つの顔料の少なくとも1つの層が、異なる色を生じさせるように、他の顔料の対応する層と異なる厚みを有する。
【0057】
1つの実施態様では、本発明は、大量の状態にある組成物に40以上の白色指数で白色を与えるために適切な少なくとも1つの多層干渉顔料を化粧品として許容される媒体中に含む化粧品組成物であって、前記多層干渉顔料の全量が、非パウダー組成物に関して7重量%から20重量%の範囲であり、パウダー組成物に関して40%から95%、好ましくは40%から80%の範囲である化粧品組成物を提供する。
【0058】
1つの実施態様では、本発明は
-上述のバルクにおいて白色の組成物;及び
-ケラチン物質(皮膚、唇、毛髪、爪、睫毛、眉毛)に適用した後の前記組成物の色について使用者に知らせる手段
を含む包装も提供する。例えば、それは、インク又は塗料の印刷によって、前記組成物の薄層によって、又は前記多層干渉顔料を含む物質のモールド若しくはオーバーモールドによって為されて良い。
【0059】
2つの被覆の適用のためのセット
1つの実施態様では、本発明は、
-少なくとも1つの多層干渉顔料を化粧品として許容される媒体中に含む、ケラチン物質に適用するための第一の化粧品組成物であって、前記第一の組成物は25、好ましくは30以上の被覆率を示し、前記多層干渉顔料の量が、少なくとも2、好ましくは5の、バルクの色とそのケラチン物質への適用後の色との間の色の変化ΔEを与えるものである、第一の化粧品組成物;
-前記第一の組成物に適用するためのトップコートとして言及される第二の組成物;又は
-前記ケラチン物質に第一の組成物を適用する前のベースコートとして言及される第二の組成物
を含むセットを提供する。
【0060】
ΔEを算出するために、適用後の色が、前記組成物を以下に詳述するようにコントラストカードに広げた後に測定される。
【0061】
前記第二の組成物は好ましくは液体である。
【0062】
前記第二の組成物は、メークアップに光沢を与えるように脂肪相を含んで良い。
【0063】
前記第二の組成物は、前記第一の組成物によって生じる色の飽和度に影響を与えることを避けるように透明であって良い。
【0064】
前記第二の組成物は、前記第一の組成物によって反射される光を拡散することを避けるように、固形物を有さない必要がある。変形例において、前記第二の組成物は、少なくとも1つの効果的な顔料、特に金属の反射顔料、干渉顔料、光発色性、熱発色性、溶媒発色性、ピエゾクロミズム、トリボクロミズム、又はメカノルミネッセンス特性から選択される特性を有する化合物を含む。
【0065】
前記第一の組成物は、無水物又は含水物であって良い。
【0066】
前記第一の組成物に依存して、ΔEの差は、5から30の範囲の任意の整数より大きくて良い。
【0067】
前記第一の組成物又は前記ベースコートの被覆率が、30より大きく、特に30から70の間の任意の整数より大きく、例えば、40より大きくて良い。前記第一の組成物における多層干渉顔料の重量%は、特に、パウダー形態で無く、例えば液体又はスティック形態の第一の組成物については7%から15%、好ましくは8%から15%であって良い。
【0068】
パウダー形態の第一の組成物については、前記多層干渉顔料の割合は、例えば40%から95%、好ましくは40%から80%の範囲であって良い。
【0069】
前記第一の組成物のバルクの色は、白色、すなわちCIEの意味において無色であって良い。前記ベースコート組成物のバルクの色は、40以上の白色指数を有して良い。
【0070】
前記第一の組成物は、前記多層干渉顔料以外のいずれの着色剤も含む必要がない。前記第一の組成物は、同じ原料からなる層を有する2つの多層干渉顔料を含んで良く、1つの顔料の少なくとも1つの層が、異なる色を生じるように、他の顔料の対応する層と異なる厚みを有する。
【0071】
前記セットは、適用後の第一の組成物の色、又はケラチン物質(皮膚、唇、爪、睫毛、眉毛、毛髪)に適用後の前記セットの双方の組成物の色を示す手段を含んで良い。
【0072】
例えば、それは、インク又は塗料の印刷によって、前記組成物の薄層によって、又は前記多層干渉顔料を含む物質のモールド若しくはオーバーモールドによって為されて良い。トップコートとしての第二の組成物は、化粧品として許容される媒体を含む。
【0073】
この媒体の処方は、第一の組成物に適用することを可能にするような様式、例えば光沢を与える目的、及び/又は定着を改善する目的、及び/又は第一の組成物によって与えられる光効果を遮る目的で選択されて良い。
【0074】
トップコートとしての前記第二の組成物は、液体脂肪物質又は皮膜形成剤を含んで良い。
【0075】
トップコートとしての前記第二の組成物は、着色剤又は多数の活性剤及び他の化合物を含んで良い。
【0076】
トップコートとしての前記第二の組成物は、前記第一の組成物への適用に適合する任意の形態で存在して良い。
【0077】
光沢が得られるのが望ましい際には、前記トップコート組成物は好ましくは透明液体であり、有利には脂肪相を含む。
【0078】
前記第二の組成物は、少なくとも1つの効果的な顔料を含んで良い。前記顔料は、前記ベースコート組成物がケラチン物質に適用されて生じる色の観察に影響を与えない量で存在すべきである。
【0079】
前記組成物は、任意の容器、又はこの目的のために提供される任意の支持体に包装されて良い。前記第一及び第二の組成物は、適当には、最初に使用する前に単独の包装器具(packaging device)の2つの区画、及び/又は単独の包装に含まれて良い。
【0080】
各組成物は、任意に集められたアプリケーター(optionally-flocked applicator)、例えば発泡剤、エンドピース、ペイントブラシ、フェルト、スパチュラ、焼結要素、ブラシ、くし、又は任意の織物を使用して適用されて良い。
【0081】
適用は、指を使用して、又はメークアップする素地に直接各組成物を配置することによって、例えばスティックをこすり付けるか、又はピエゾエレクトリック若しくは静電気的な器具の助けによってスプレーすることによって、又は中間物質に事前に堆積させた組成物の層を移すことによって実施しても良い。
【0082】
前記第一の組成物は、前記組成物のバルクの色を見ることを可能にする包装器具に包装されて良い。
【0083】
前記包装器具は、少なくとも部分的に透明の本体を有する容器、及び/又は少なくとも部分的に透明な栓の部材を含む包装器具であって良い。
【0084】
前記第一の組成物は、前記組成物のバルクの色及びケラチン物質に適用した後の前記組成物の色の双方を見ることを可能にする器具に包装されて良い。
【0085】
前記第一の組成物は、適用で明らかになる色を表わす手段、例えば、前記第一の組成物と同じ色を付ける着色剤を含む組成物あるいはインク又は塗料の層の堆積を含む器具に包装されて良い。
【0086】
適当な場合には、前記第一の組成物又は前記トップコートである第二の組成物は、前記顔料がゼロではない磁化率を示す際に、前記多層干渉顔料の粒子の配向を調節することを可能にする磁石と共に包装されて良い。
【0087】
被覆率の測定
液体組成物(25℃)
用語「液体組成物」は、測定され得る粘度の組成物を意味して使用される。液体組成物は、その自重の影響下で流れ得る。
【0088】
組成物の被覆率は、50マイクロメートル(μm)の最終的な厚みで測定され、前記液体組成物は、例えば、唇に適用するための組成物、特に液体口紅、液体リップグロス、及び液体リップクリーム;マニキュア;アイシャドウ;液体ファンデーション;マスカラ;及び口紅に適用しない他の液体メークアップである。
【0089】
前記組成物は、つや消しの黒色(マットブラック)及びつや消しの白色(マットホワイト)のコントラストカード(例えば、つや消しの黒色のカードに関しては商品名Leneta Form WP1、及びつや消しの白色のカードに関しては商品名Leneta 1A)に広げられる。
【0090】
適用は、自動スプレッダーを用いて実施して良い。
【0091】
被覆率は、この方法において組成物の広がりに対して測定される。
【0092】
固体組成物(25℃)
固体組成物は、測定し得ない粘度の組成物である。
【0093】
固体組成物は、スティックの形態に成型された組成物であるか、又はフリー若しくはコンパクト形態のパウダーである。
【0094】
a)フリー又はコンパクトパウダー固体組成物については、前記組成物は、上述と同じコントラストカードを使用して適用されるが、コントラストカードは個々に僅かに粗い透明接着細片(例えば、3M社によって販売され15025として参照される商品名BLENDERM(登録商標))に覆われ、前記細片は、前記コントラストカードに接着面を介して結合させる。
【0095】
前記組成物は、0.5マイクログラム/平方セインチメートル(mg/cm2)±0.02 mg/cm2の均一な堆積を得るような様式で、接着細片上に堆積される。
【0096】
前記堆積を実施するために、事前に規定した動きの実施をスポンジに与えるスプレッダー器具に載せた、組成物を有するスポンジを使用して良い。例えば、前記スポンジは、その桃色側において使用される「LANCOME-Photogenic」タイプの使い捨てスポンジである。
【0097】
b)スティック組成物は、例えば90℃で融解し、次いで液体状態において、例えば上述のつや消し黒色又はつや消し白色のコントラストカード上に、50μmの厚みで広げられるが、BLENDERM(登録商標)で覆われない。スプレッダーの棒は、いかなる熱ショックも避けるように組成物と同じ温度に維持する。
【0098】
測定及び計算
反射スペクトルは、白色及び黒色の背景に対してMINOLTA 3700-d分光比色計(measurement shape diffuse//8°及びobservation D65/10°、specular component mode excluded、small opening (CREISS))を使用して得て、コントラストカードは上述のBLENDERM(登録商標)に任意に覆われる。
【0099】
前記スペクトルは、推奨(recommendation)15:2004に従ってCIEの意味においてCIELab76空間における比色分析の座標で表わされる。
【0100】
被覆率又はコントラスト比は、黒色の背景におけるYの計算平均値を得て、白色の背景におけるYの平均値によって割り、100を掛けることによって算出する。
【0101】
前記組成物のバルクの色の測定
前記バルクの色は、組成物の厚みが測定の目的としてきわめて大きいと解され得るのに十分深い深さ(例えば、3mm以上の深さ)である容器を満たした後に測定される。
【0102】
L*、a*、及びb*座標は、分光比色計(例えば、表品名MINOLTA CM-2002(D65/10°,specular component mode excluded))を用いて測定される。
【0103】
適用後の色の測定
コントラストカードの暗い背景上で色を測定する。前記組成物は、被覆率の測定のために上述したように広げられるが、液体及び非パウダー組成物、特にスティック形態の組成物については50μmの代わりに150μmの厚みで広げた。
【0104】
色の差ΔEは、以下:
ΔE=[(a*バルク-a*適用後)2+(b*バルク-b*適用後)2+(L*バルク-L*適用後)2]1/2
のように計算する。
【0105】
ゴニオクロマティック剤の存在のために、色の差ΔEが観察角の関数として変化する際は、最大の差がΔEとして得られる。
【0106】
白色指数の測定
色の測定後に、ASTM E313-05基準に従って、極めて大きな厚みで白色指数を算出する。
【0107】
多層干渉顔料
「多層干渉顔料」という表現は、異なる屈折率の多数の重ね合わせた層、特に高低の屈折率の連続した層による反射光線の間の干渉現象によって色を生じ得る顔料を意味する。前記顔料は、異なる屈折率を有する唯一のコーティング、例えばTiO2のコーティングで覆われた基材、例えば、マイカを含んで良い。
【0108】
任意の多層干渉顔料が予測されて良い。
【0109】
例えば580から650nmの範囲の主波長であってもよい任意の色が、前記多層干渉顔料によって生じて良い。
【0110】
前記組成物は、単独の多層干渉顔料又は異なる主波長を有する多数の多層干渉顔料を含んで良い。
【0111】
前記多層干渉顔料は、干渉によって色が生じるように選択される原料及び厚みからなる1つ以上の層で、少なくとも1つの面が覆われた基材(核としても知られている)を含んで良い。
【0112】
前記干渉顔料の層は、任意に平面形状を示して良い基材の周りにあって良い。
【0113】
前記基材は、天然マイカ、合成マイカ、ガラス、アルミナ、シリカ、又は任意の金属、合金、あるいは金属酸化物を含んで良い。前記基材の種類は、所望の光沢に応じて選択されるであろう。例えば、非常に光沢のある結果物のためには、ガラス又は金属からなる基材が好ましいであろう。
【0114】
前記干渉顔料は、異なる屈折率の4つより多い層を含んで良い。
【0115】
多層干渉顔料の粒径は、集団の半分の平均粒径で与えられ、D50とも示され、1μmから2000μm、例えば5μmから2000μmの範囲である。
【0116】
多層干渉顔料の割合は、7%より大きく、例えばパウダーではない液体又は成型組成物については7%から20%、例えば好ましくは8%から15%の範囲であり、例えばフリー又はコンパクトパウダー組成物については40%から95%、例えば好ましくは40%から80%の範囲である。
【0117】
前記組成物の被覆率は、その多層干渉顔料の含量に本質的に起因するものであって良い。変形例では、少なくとも1つの拡散含量及び/又はフィラーが被覆率を与える。
【0118】
真珠光沢材は、例えば、適切な多層干渉含量である。
【0119】
真珠光沢材
用語「真珠光沢材」は、ある軟体動物の貝殻で生産されるような任意に虹色であって良く、又は合成されて、光干渉による「真珠光沢」着色効果を示す、任意の形態の着色された粒子を意味する。
【0120】
挙げられて良い真珠光沢材の例は、酸化鉄被覆マイカチタン、オキシ塩化ビスマス被覆マイカ、酸化クロム被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタンのような真珠光沢顔料、特に、オキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料である。
【0121】
それらは、金属酸化物の少なくとも2つの連続した層、及び/又は有機着色物質が重ねあわされた表面にマイカの粒子が存在して良い。
【0122】
前記真珠光沢材は、黄色、桃色、赤色、ブロンズ、橙色、茶色、金色、及び/又は銅色若しくは輝きを有して良い。
【0123】
多層干渉顔料として導入するために適切な真珠光沢材であって、金色の真珠光沢材として挙げられる代表例は、特に、ENGELHARD社によって市販されている商品名Brillant gold 20 212G (Timica)、Gold 222C (Cloisonne)、Sparkle gold (Timica)、Gold 4504 (Chromalite)、及びMonarch gold 233X (Cloisonne)のもの; ブロンズ色の真珠光沢材、特にMERCK社によって市販されている商品名Bronze fine (17384) (Colorona)及びBronze (17353) (Colorona)、及びENGELHARD社によって市販されている商品名Super bronze (Cloisonne)のもの; 橙色の真珠光沢材、特にENGELHARD社によって市販されている商品名Orange 363C (Cloisonne)及びOrange MCR 101 (Cosmica)、及びMERCK社によって市販されている商品名Passion orange (Colorona)及びMatte orange (17449) (Microna)のもの; 茶色に薄く色付けされた真珠光沢材、特にENGELHARD社による商品名Nu-antique copper 340XB (Cloisonne)及びBrown CL4509 (Chromalite)のもの; 銅色に輝く真珠光沢材、特にENGELHARD社によって市販されている商品名Copper 340A (Timica)のもの; 赤色に輝く真珠光沢材、特にMERCK社によって市販されている商品名Sienna fine (17386) (Colorona)のもの; 黄色に輝く真珠光沢材、特にENGELHARD社によって市販されている商品名Yellow (4502) (Chromalite)のもの; 赤色に薄く色付けされた金色に輝く真珠光沢材、特にENGELHARD社によって市販されている商品名Sunstone G012 (Gemtone)のもの; 桃色の真珠光沢材、特にENGELHARD社によって市販されている商品名Tan opale G005 (Gemtone)のもの; 黒色の金色に輝く真珠光沢材、特にENGELHARD社によって市販されている商品名Nu antique bronze 240 AB (Timica)のもの; 青色の真珠光沢材、特にMERCK社によって市販されている商品名Matte blue (17433) (Microna)のもの; 白色の銀色に輝く真珠光沢材、特にMERCK社によって市販されている商品名Xirona Silverのもの; 並びに橙色-桃色緑色-金色ハイライト真珠光沢材、特にMERCK社によって市販されている商品名Indian summer (Xirona)のもの;並びにそれらの混合物である。
【0124】
例えば、磁性を示す多層干渉顔料は、COLORONA BLACKSTAR BLUE、COLORONA BLACKSTAR GREEN、COLORONA BLACKSTAR GOLD、COLORONA BLACKSTAR RED、CLOISONNE NU ANTIQUE SUPER GREEN、MICRONA MATTE BLACK (17437)、MICA BLACK (17260)、COLORONA PATINA SILVER (17289)、及びCOLORONA PATINA GOLD (117288) (MERCK社); 又は実際には: FLAMENCO TWILIGHT RED、FLAMENCO 25 TWILIGHT GREEN、FLAMENCO TWILIGHT GOLD、FLAMENCO TWILIGHT BLUE、TIMICA NU ANTIQUE SILVER 110 AB、TIMICA NU ANTIQUE GOLD 212 GB、TIMICA NU-ANTIQUE COPPER 340 AB、TIMICA NU ANTIQUE BRONZE 240 AB、CLOISONNE NU ANTIQUE GREEN 828 CB、CLOISONNE NU ANTIQUE BLUE 626 CB、GEMTONE MOONSTONE G 004、CLOISONNE NU ANTIQUE RED 424、CHROMA-LITE BLACK (4498)、CLOISONNE NU ANTIQUE ROUGE FLAMBE (code 440 XB)、CLOISONNE NU ANTIQUE BRONZE (240 XB)、CLOISONNE NU ANTIQUE GOLD (222 CB)、及びCLOISONNE NU ANTIQUE COPPER (340 XB) (ENGELHARD社)という商品名で市販されているものである。
【0125】
前記ラインの各組成物の多層干渉顔料は、バルクの白色を前記組成物に与えるものから選択されて良く、例えばENGELHARD社によってSPARKLE 110P (Timica)、Flamenco blue (Flamenco)、Flamenco green (Flamenco)、Flamenco red (Flamenco)、Flamenco violet (Flamenco)、Flamenco orange (Flamenco)、Silkbalnc 110W (Timica)、Extra large sparkle (Timica)、Flamenco sparkle Gold (Flamenco)、Flamenco sparkle green (Flamenco)、Flamenco sparkle orange (Flamenco)、Flamenco sparkle blue (Flamenco)、Flamenco sparkle violet (Flamenco)、Flamenco sparkle red (Flamenco)、Flamenco summit gold (Flamenco)という商品名で市販されている真珠光沢材;MERK社によってSilk blue (Timiron)、Silk green (Timiron)、Silk red (Timiron)、Super red (Timiron)、Super green (Timiron)、Super blue (Timiron)、Artic Silver (Timiron),splendid copper (Timiron)、Splendid Violet (Timiron)という商品名で市販されている真珠光沢材;ECKART社によってPrestige Silver (Prestige)、Prestige Silver Star (Prestige)、Prestige Gold (Prestige)、Prestige soft gold (Prestige)、Prestige silk green (Prestige)、Prestige silk lilac (Prestige)、Prestige silk blue (Prestige)、Prestige silk red (Prestige)という商品名で
市販されている真珠光沢材から選択されて良い。
前記多層干渉顔料は、例えば、FeOOH、Fe2O3、Cr2O3、TiO2-x、TiOxNy、CrPO4、KFe[Fe(CN)6]、Fe3O4、TiO、TiN、FeTiO3、C、Ag、Au、Fe、Mo、Cr、Wから選択される着色された物質の層が乏しいものであって良い。
【0126】
前記多層干渉顔料は、たとえば、TiO2(ルチル又はアナターゼ)、ZrO2、SnO2、SiO2から選択される原料の1つ又は複数の層を基材に含むだけであって良い。
【0127】
前記多層干渉顔料は、反射干渉粒子から選択されても良い。
【0128】
反射干渉粒子
これらの粒子は、例えば酸化チタン、特にTiO2、酸化鉄、特にFe2O3、酸化スズ、又は酸化クロム、硫酸バリウム、及び以下の物質:MgF2、CrF3、ZnS、ZnSe、SiO2、Al2O3、MgO、Y2O3、SeO3、SiO、HfO2、ZrO2、CeO2、Nb2O5、Ta2O5、MoS2、及びそれらの混合物又は合金から選択される、少なくとも1つの金属酸化物の少なくとも1つの層で少なくとも部分的に覆われた合成基材の粒子から選択されて良い。
【0129】
挙げられて良いその様な粒子の例は、二酸化チタンで被覆された合成マイカの基材を含む粒子、又は茶色の酸化鉄、酸化チタン、酸化スズ、又はENGELHARD社によってREFLECKS(登録商標)という商品名で市販されているもののようなそれらの混合物のいずれかで被覆されたガラス粒子である。
【0130】
前記多層干渉顔料は、ゴニオクロマティック顔料であっても良い。
【0131】
ゴニオクロマティック顔料
本発明の背景において使用される用語「ゴニオクロマティック顔料」は、組成物が表面に広げられる際において、45°の入射角の光について0°から80°の範囲内で垂線に対して観察角が変化する際に、少なくとも20°の色相角h°の変化Dh°に相当する、1976CIE色空間のa*b*平面における色経路(color path)を得ることを可能にする顔料を意味する。
【0132】
例えば、前記色経路は、流動体の状態の前記組成物を自動スプレッダーで300μmの厚みにTyp 24/5と称されるERICHSEN社製のコントラストカード上に広げた後に、GON 360 GONIOMETERと称されるINSTRUMENT SYSTEMS社製の分光ゴニオリフレクトメーター(spectrogonioreflectometer)によって測定される。前記測定は黒色の背景のカード上で実施される。
【0133】
前記ゴニオクロマティック顔料は、例えば、多層干渉構造及び液晶着色剤から選択されて良い。
【0134】
例えば、多層構造は、例えば各々の層が、以下の原料:MgF2、CeF3、ZnS、ZnSe、Si、SiO2、Ge、Te、Fe2O3、Pt、Va、Al2O3、MgO、Y2O3、S2O3、SiO、HfO2、ZrO2、CeO2、Nb2O5、Ta2O5、TiO2、Ag、Al、Au、Cu、Rb、Ti、Ta、W、Zn、MoS2、氷晶石、合金、ポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの原料から作られる少なくとも2つの層を含んで良い。
【0135】
前記多層構造は、積層した層の化学的性質について中央の層に対して、任意に対称であって良い。
【0136】
各種の層の厚み及び性質に依存して、異なる効果が得られる。
【0137】
対称多層干渉構造の例は、以下:Fe2O3/SiO2/Fe2O3/SiO2/Fe2O3、BASF社によって商品名SICOPEARLで市販されている構造を有する顔料;MoS2/SiO2/マイカ-酸化物/SiO2/MoS2; Fe2O3/SiO2/マイカ-酸化物/SiO2/Fe2O3; TiO2/SiO2/TiO2 及び TiO2/Al2O3/TiO2、MERCK社(Darmstadt)によって商品名XIRONAで市販されている構造を有する顔料である。
【0138】
例えば、液晶着色剤は、シリコーン、又はメソモルフィック基がグラフトされたセルロースエーテルを含む。適切な液晶ゴニオクロマティック粒子の例は、CHENIX社によって市販されているもの、WACKER社によって商品名HELICONE(登録商標)で市販されているものである。
【0139】
適切なゴニオクロマティック顔料は、ある真珠光沢材;合成基材、特にアルミナ、シリカ、ボロシリケート、酸化鉄、又はアルミナタイプの基材上で効果を有する顔料;あるいはポリテレフタレート被膜からなる干渉薄片である。
【0140】
前記原料は、分散されたゴニオクロマティック繊維も含有して良い。その様な繊維は、例えば80μmより短い長さで存在するであろう。
【0141】
化粧品として許容される媒体
用語「化粧品として許容される媒体」は、ヒトのケラチン物質に対する適用に適切な被毒性の媒体を意味する。
【0142】
前記化粧品として許容される媒体は、適用しようとする組成物の表面の性質、及び包装しようとする組成物の形態に適合する。
【0143】
本発明の組成物は、水性媒体、及び/又は任意に無水の脂肪相を含んで良い。
【0144】
水相又は脂肪相
前記組成物は、水、又は水と親水性有機溶媒、例えばアルコール、特に2から5炭素原子を有する直鎖若しくは分枝の低級モノアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、又はn-プロパノール、ポリオール、例えばグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ペンチレングリコール、又はポリエチレングリコールとの混合物を含んで良い。
【0145】
前記親水性相は、親水性C2エーテル及びC2-C4アルデヒドを含んでも良い。
【0146】
前記水、又は水と親水性有機溶媒との混合物は、0から90重量%、特に組成物の全重量に対して0.1から90重量%、好ましくは0から60重量%、更に好ましくは0.1から60重量%の範囲の含量において、本発明の組成物に存在して良い。
【0147】
前記組成物は、特に、25℃で液体であって、環境温度で固体である可能性がある脂肪、例えばワックス、ペースト状の脂肪、ガム、及びそれらの混合物からなる脂肪層を含んでも良い。
【0148】
本発明で使用される、環境温度で液体である脂肪(通常「油」と称される)は、とりわけ、炭化水素含有植物油、例えば4から10の炭素原子を有する液体脂肪酸トリグリセリド、例えば、ヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド、又はヒマワリ油、コーン油、ダイズ油、グレープシード油、ゴマ油、アプリコットカーネル油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、又はアボカド種油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、ホホバ油、シアナッツバター油;鉱物又は合成起源の直鎖若しくは分枝の炭化水素、例えばパラフィン油、特に、C8-C16イソパラフィン、例えばイソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、ワセリン、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、例えばパーリーム(登録商標);スクアラン;合成エステル及びエーテル、特に脂肪酸、例えば、ピュアセリン油、イソプロピルミリステート、2-エチルヘキシルパルミテート、2-オクチルドデシルステアレート、2-オクチルドデシルエルケート、イソステアリルイソステアレート;水酸化エステル、例えば、イソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、オクチルドデシルヒドロキシステアレート、ジイソステアリルマレート、トリイソセチルシトレート、脂肪アルコールヘプタノエート、オクタノエート、又はデカノエート;ポリオールエステル、例えば、プロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、ジエチレングリコールジイソノナノエート;及びペンタエリスリトールエステル;12から26の炭素原子を含有する脂肪アルコール、例えば、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、又はオレインアルコール;フッ化炭化水素及び/又はシリコーン油;シリコーン油、例えば、環境温度で液体又はペースト状であって良い、揮発性若しくは不揮発性直鎖若しくは環状のポリメチルシロキサン(PDMS)、例えば、シクロメチコン又はジメチコン、任意にフェニル基を含むもの、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルメチルジメチル-トリシロキサン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、ポリメチルフェニルシロキサン;及びそれらの混合物である。
【0149】
前記油は、組成物の全重量に対して0.01重量%から90重量%の範囲の含量で存在して良い。
【0150】
本発明の組成物は、1つ以上の生理学的に許容される有機溶媒を含んでも良い。親油性の溶媒は、組成物の全重量に対して、0から90重量%の範囲、好ましくは0から60重量%の範囲、更に好ましくは0.1重量%から30重量%の範囲の含量で存在して良い。
【0151】
前記媒体は、水が分散されているか又はエマルション化されている液体有機相を含んでも良い。
【0152】
前記組成物は、組成物の全重量に対して、5重量%未満の水、特に1重量%未満の水を含有しても良い連続する脂肪相を有しても良く、特に無水の形態であっても良い。
【0153】
皮膜形成剤
前記媒体は、皮膜形成剤、特に皮膜形成ポリマーを含んでも良い。
【0154】
用語「皮膜形成剤」は、それ自体又は任意の皮膜形成剤の存在下で、ケラチン物質に接着する巨視的に連続した皮膜、好ましくは粘着性の皮膜、より良好には粘着性、及び被膜を単離でき、且つ、テフロン(登録商標)若しくはシリコーン表面のような接着性ではない表面に皮膜を成形した際に単離して扱うことのできるような機械的性質を示す皮膜を形成するために適切な剤を意味して使用する。
【0155】
前記組成物は水相を含んで良く、前記皮膜形成ポリマーは前記水相に存在して良い。前記皮膜形成ポリマーは、分散物又は溶液中のポリマーであろう。
【0156】
前記組成物は油相を含んで良く、前記皮膜形成ポリマーは前記油相に存在して良い。かくして、前記ポリマーは、分散物又は溶液に存在するであろう。
【0157】
挙げられて良い適切な皮膜形成ポリマーは、合成ポリマー、ラジカルの合成ポリマー、又は重縮合タイプの天然のポリマー、及びそれらの混合物を含む。
【0158】
ラジカルタイプの皮膜形成ポリマーは、特に、ビニルポリマー又はコポリマー、特にアクリルポリマーであって良い。
【0159】
挙げられて良い皮膜形成重縮合物の例は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリアミド、エポキシエステル樹脂、及びポリウレアを含む。
【0160】
ポリエステルは、ポリオール、特にジオールとジカルボン酸の重縮合によって既知の様式で得られて良い。
【0161】
ポリエステルアミドは、ジアミン又はアミノアルコールと二塩基酸の重縮合によって、ポリエステルと類似の様式で得られて良い。
【0162】
脂溶性皮膜形成ポリマーの例は、ビニルエステル(ビニル基はエステル基の酸素原子に直接結合しており、ビニルエステルは、エステル基のカルボニルに結合した1から19の炭素原子の飽和、直鎖、又は分枝の炭化水素基を有する)と、ビニルエステル(既に挙げたビニルエステルとは異なる);8から28の炭素原子を有するα-オレフィン;アルキルビニルエーテル(アルキル基は2から18の炭素原子を有する);又はアリル又はメタリルエステル(エステル基のカルボニルに結合した1から19の炭素原子を有する飽和、直鎖、又は分枝の炭化水素基を有する)であって良い少なくとも1つの他のモノマーとのコポリマーが挙げられて良い。
【0163】
これらのコポリマーは、ビニルタイプ又はアリル若しくはメタリルタイプのいずれかであって良い剤、例えば:テトラアリルオキシエタン;ジビニルベンゼン;ジビニルオクタンジオエート;ジビニルドデカンジオエート;及びジビニルオクタデカンジオエートの助けによって架橋されて良い。
【0164】
これらのコポリマーの例として、以下のコポリマー:ビニルアセテートおよびアリルステアレート;ビニルアセテート及びビニルラウレート;ビニルアセテートおよびビニルステアレート;ビニルアセテート及びオクタデセン;ビニルアセテート及びオクタデシルビニルエーテル;ビニルプロピオネート及びアリルラウレート;ビニルプロピオネート及びビニルラウレート;ビニルステアレート及び1-オクタデセン;ビニルアセテート及び1-ドデセン;ビニルステアレート及びエチルビニルエーテル;ビニルプロピオネート及びセチルビニルエーテル;ビニルステアレート及びアリルアセテート;ビニルジメチル-2,2-オクタノエート及びビニルラウレート;アリルジメチル-2,2-ペンタノエート及びビニルラウレート;ビニルジメチルプロピオネート及びビニルステアレート;アリルジメチルプロピオネート及びビニルステアレート;0.2%ジビニルベンゼンで架橋されているビニルプロピオネート及びビニルステアレート;0.2%ジビニルベンゼンで架橋されているビニルジメチルプロピオネート及びビニルラウレート;0.2%テトラアリルオキシエタンで架橋されているビニルアセテート及びオクタデシルビニルエーテル;0.2%ジビニルベンゼンで架橋されているビニルアセテート及びアリルステアレート;0.2%ジビニルベンゼンで架橋されているビニルアセテート及び1-オクタデセン;並びに0.2%ジビニルベンゼンで架橋されているアリルプロピオネート及びアリルステアレートが挙げられて良い。
【0165】
前記皮膜形成ポリマーは、架橋ポリオルガノシロキサンポリマーから構成される、一般的にシリコーン油に可溶性又は膨潤性のシリコーン樹脂から選択されても良い。
【0166】
前記皮膜形成ポリマーは、一般的にはラテックス又はスードラテックスとして知られる、水相又は非水性溶媒相における分散物中の粒子の形態で前記組成物中に存在しても良い。その様な分散物を調製する技術は、当業者によく知られている。
【0167】
本発明の組成物は、前記皮膜形成ポリマーでの皮膜形成を促進する可塑剤を含んでも良い。その様な可塑剤は、所望の機能を満たすために適切なものとして、当業者に既知の任意の化合物から選択されて良い。
【0168】
当然ながら、このようなポリマーは包括的なものではない。
【0169】
他の着色剤
前記組成物は、ケラチン物質に適用された組成物の色に寄与する干渉現象を保存することを可能にする割合において、吸収減少によって色を生じさせる、1つ以上の拡散顔料を含んで良い。前記組成物は、前記多層干渉顔料以外の着色剤を含まなくても良く、例えば、酸化鉄を含む顔料又は吸光減少によって色を生じさせる他の顔料を含まなくて良い。
【0170】
前記ラインの各組成物は、例えば、0.5重量%未満の、吸光減少によって色を生じさせる顔料、例えば0.5重量%以下、例えば0.2重量%以下の酸化鉄を有する顔料を含んで良い。
【0171】
拡散顔料が存在する際は、各種の拡散顔料が想定され、特に以下の原料:
-コチニールカルミン;
-アゾ、アントラキノン、インディゴ、キサンテン、ピレン、キノリン、トリフェニルメタン、又はフルオラン染料の有機顔料;並びに
-ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム、ストロンチウム、チタン、又はアゾ、アントラキノン、インディゴ、キサンテン、ピレン、キノリン、トリフェニルメタン、又はフルオリン染料のような酸染料(少なくとも1つのカルボン酸基又はスルホン酸基を含む)の不溶性の塩又は有機レーキ
及びそれらの混合物から選択される顔料又は有機レーキから選択される。
【0172】
挙げられて良い有機顔料は、以下:D&C Blue No.4、D&C Brown No.1、D&C Green No.5、D&C Green No.6、D&C Orange No.4、D&C Orange No.5、D&C Orange N10、D&C Orange No.11、D&C Red No.6、D&C Red No.7、D&C Red No.17、D&C Red No.21、D&C Red No.22、D&C Red No.27、D&C Red No.28、D&C Red No.30、D&C Red N31、D&C Red No.33、D&C Red No.34、D&C Red No.36、D&C Violet No.2、D&C Yellow No.7、D&C Yellow No.8、D&C Yellow No.10、D&C Yellow No.11、FD&C Blue No.1、FD&C Green No.3、FD&C Red No.40、FD&C Yellow No.5、FD&C Yellow No.6のものを含む。
【0173】
前記レーキは、例えばコロファン(colophane)又はアルミニウムベンゾエートのような有機支持体によって支持されても良い。
【0174】
特に挙げられて良い有機レーキは、以下:D&C Red No.2 アルミニウムレーキ、D&C Red No.3 アルミニウムレーキ、D&C Red No.4 アルミニウムレーキ、D&C Red No.6 アルミニウムレーキ、D&C Red No.6 バリウムレーキ、D&C Red No.6 バリウム/ストロンチウムレーキ、D&C Red No.6 ストロンチウムレーキ、D&C Red No.6 カリウムレーキ、D&C Red No.7 アルミニウムレーキ、D&C Red No.7 バリウムレーキ、D&C Red No.7 カルシウムレーキ、D&C Red No.7 カルシウム/ストロンチウムレーキ、D&C Red No.7 ジルコニウムレーキ、D&C Red No.8 ナトリウムレーキ、D&C Red No.9 アルミニウムレーキ、D&C Red No.9 バリウムレーキ、D&C Red No.9 バリウム/ストロンチウムレーキ、D&C Red No.9 ジルコニウムレーキ、D&C Red No.10 ナトリウムレーキ、D&C Red No.19 アルミニウムレーキ、D&C Red No.19 バリウムレーキ、D&C Red No.19 ジルコニウムレーキ、D&C Red No.21 アルミニウムレーキ、D&C Red No.21 ジルコニウムレーキ、D&C Red No.22 アルミニウムレーキ、D&C Red No.27 アルミニウムレーキ、D&C Red No.27 アルミニウム/チタン/ジルコニウムレーキ、D&C Red No.27 バリウムレーキ、D&C Red No.27 カルシウムレーキ、D&C Red No.27 ジルコニウムレーキ、D&C Red No.28 アルミニウムレーキ、D&C Red No.30レーキ、D&C Red No.31 カルシウムレーキ、D&C Red No.33 アルミニウムレーキ、D&C Red No.34 カルシウムレーキ、D&C Red No.36レーキ、D&C Red No.40 アルミニウムレーキ、D&C Blue No.1 アルミニウムレーキ、D&C Green No.3 アルミニウムレーキ、D&C Orange No.4 アルミニウムレーキ、D&C Orange No.5 アルミニウムレーキ、D&C Orange No.5 ジルコニウムレーキ、D&C Orange No.10 アルミニウムレーキ、D&C Orange No.17 バリウムレーキ、D&C Yellow No.5 アルミニウムレーキ、D&C Yellow No.5 ジルコニウムレーキ、D&C Yellow No.6 アルミニウムレーキ、D&C Yellow No.7 ジルコニウムレーキ、D&C Yellow No.10 アルミニウムレーキ、FD&C Blue No.1 アルミニウムレーキ、FD&C Red No.4 アルミニウムレーキ、FD&C Red No.40 アルミニウムレーキ、FD&C Yellow No.5 アルミニウムレーキ、FD&C Yellow No.6 アルミニウムレーキを含む。
【0175】
上述の有機着色物質の各々に相当する化学物質は、参照することによってその内容を本明細書に組み込む「The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association」によって発行された「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」という表題の文献371から386頁及び524から528頁においても言及されている。
【0176】
前記拡散顔料は、膜によって少なくとも部分的に被覆された核を含む複合顔料であって良い。特に、その様な複合顔料は、無機の核、及び少なくとも1つの有機着色物質の少なくとも1つの粒子コーティングを含む粒子からなって良い。少なくとも1つのバインダーが、前記無機の核に有機着色物質を固定化するために、有利に寄与する可能性がある。
【0177】
複合顔料の粒子は、各種の形態を有して良い。特に、前記粒子は細片の形態であって良いか、又は球形(globular)、特に球状(spherical)であって良く、中空であるか又は中空でなくて良い。用語「細片の形態」は、厚みに対する最も寸法の比率が5以上の粒子を意味する。複合顔料は、例えば、1平方メートル/グラム(m2/g)から1000m2/gの範囲、特に約10m2/gから約600m2/g、特に約20m2/gから約400m2/gの範囲の特定の表面積を有して良い。特定の表面積は、BET(Brunauer-Emmett-Teller)法を用いて測定される値である。核の重量割合は、複合顔料の全重量に対して50重量%を超えて良く、例えば、50重量%から70重量%、例えば60重量%から70重量%であって良い。
【0178】
前記着色剤は、コロラント(colorant)であっても良い。
【0179】
前記コロラントは、植物、動物、又は無機起源であって良く、特に植物又は無機起源であって良く、特に植物起源であって良い。前記コロラントは、非合成タイプであって良い。
【0180】
前記コロラントは、天然の水溶性又は脂溶性コロラントであって良い。
【0181】
例えば、本発明に使用するために挙げられて良い適切な天然の水溶性着色剤は、カラメル、ビートの根の絞り汁;カルミン;ベタニン(ビートの根);銅クロロフィリン;メチレンブルー;アントシアニン(エノシアニン、クロニンジン、ハイビスカス、ニワトコ);及びリボフラビンである。
【0182】
例えば、本発明に使用するために特に挙げられる適切な天然の脂溶性着色剤は、スーダンレッド;β-カロテン;カロテノイド;リコペン;パーム油;スーダンブラウン;キノリンイエロー;キサントフィル(カプサンチン、カプソルビン、ルテイン);及びクルクミンである。
【0183】
特に挙げられて良い他の適切な天然のコロラントは、アントシアニンの花又は果実又はその誘導体;天然又は発酵させた植物のフラボノイド及びタンニン抽出物;ジュグロン;ローソン;発酵させたダイズ、藻、マッシュルーム、微生物の抽出物;特許EP 1 172 091に記載のように3位で置換されていないフラビリウム塩;Gesneria Fulgens、Blechum Procerum、Saxifragaの抽出物;及びMonascusタイプのmonascusの微生物の培養培地から有機又は水-有機溶媒で抽出し得る顔料である。
【0184】
挙げられて良い適切な合成コロラントは、合成脂溶性コロラント、例えば、DC Red 17、DC Red 21、DC Red 27、DC Green 6、DC Yellow 11、DC Violet 2、及びDC Orange 5である。
【0185】
挙げられて良い適切な合成水溶性コロラントは、FDC Red 4、DC Red 6、DC Red 22、DC Red 28、DC Red 30、DC Red 33、DC Orange 4、DC Yellow 5、DC Yellow 6、DC Yellow 8、FDC Green 3、DC Green 5、及びFDC Blue 1である。
【0186】
フィラー
本発明の化粧品組成物はフィラーを含んで良い。
【0187】
用語「フィラー」は、組成物を製造する温度に関係なく組成物の媒体に不溶性の任意の形態の粒子を意味する。前記フィラーは、主に、前記組成物のレオロジー又は質感を調節するために働く。
【0188】
挙げられて良いフィラーの例は、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、及びポリアミド(Atochem社製のNylon(登録商標)又はOrgasol(登録商標))の粉末である。
【0189】
フィラーの含有量は、所望の結果を過度に妨げることが無い様な様式で選択される。
【0190】
活性成分及び他の化合物
本発明の化粧品組成物は、1つ以上の化粧品的、皮膚科学的、衛生学的、又は製薬学的な活性成分を含有しても良い。
【0191】
挙げられて良い本発明の組成物において使用するための適切な、化粧品的、皮膚科学的、衛生学的、又は製薬学的な活性成分は、保湿剤(グリセリンのようなポリオール)、ビタミン(C、A、E、F、B、又はPP)、必須脂肪酸、必須油、セラミド、スフィンゴ脂質、脂溶性若しくはナノ粒子のサンスクリーン剤、及び特定の皮膚処理活性成分(保護剤、抗菌剤、抗シワ剤など)である。前記活性成分は、例えば、前記組成物の全重量に対して0.001%から15%の範囲の濃度で使用して良い。
【0192】
前記化粧品組成物は、美容において日常的に使用されている成分、例えば、増粘剤、界面活性剤、オリゴエレメンツ、保湿剤、柔軟剤、金属イオン封鎖剤、芳香剤、アルカリ化若しくは酸性化剤、保存剤、抗酸化剤、UVフィルター、又はそれらの混合物も含有して良い。
【0193】
想定される適用に依存して、前記組成物は、関連する技術分野において従来使用されており、望ましい用量又は「剤形」に適当な量で存在する成分を含んでも良い。
【0194】
形態
前記ラインの各化粧品組成物は、居所的な適用に通常使用される任意の形態、特に無水又は非無水の形態、油性又は水性の溶液の固体又は半固体の形態、油性又は水性のゲル、水中油型エマルション、油中水型エマルション、多層エマルション、油/水の界面に位置するベシクルによる水中油型の分散物、又はスプレーであって良い。
【0195】
好ましくは、ラインの全ての組成物が同じ形態で存在して良い。
【0196】
用語「無水の組成物」は、5重量%未満、好ましくは3重量%未満、さらに好ましくは1重量%未満の水を有する組成物を意味する。無水の組成物は、組成物の調製の間に意図して添加された水を含む必要が無い。
【0197】
前記ラインの各組成物は、特に、スティックの形状であって良い。
【0198】
前記ラインの各化粧品組成物は、とりわけ、以下のメークアップ:口紅;液体グロス;リップスティックペースト;ブラッシャー;眼の輪郭のための組成物;アイライナー;マスカラ;マニキュア;アイシャドウ;ファンデーション;又は身体若しくは毛髪のメークアップを構成して良い。
【0199】
前記ラインの全ての組成物は、皮膚、口紅、爪、睫毛、又は眉毛、あるいは毛髪をメークアップするためのものであって良い。
【0200】
前記ラインの全ての組成物は、化粧品に従来使用されている製造方法に従って得られて良い。
【0201】
包装及び適用方法
前記ラインの各組成物は、任意の容器に包装されて良く、又はこの目的のために提供される任意の支持体上に包装されて良い。
【0202】
各組成物は、任意に集められたアプリケーター、例えば、発泡剤、エンドピース、ペイントブラシ、フェルト、スパチュラ、焼結要素、ブラシ、くし、又は任意の織物を用いて適用されて良い。
【0203】
適用は、指を使用して、又はメークアップする表面に直接組成物を配置することによって、例えばスティックをこすり付けるか、又はピエゾエレクトリック器具の助けによってスプレーすることによって、又は中間表面に事前に堆積させた組成物の層を移すことによって実施しても良い。
【0204】
適当な場合には、各組成物は、例えば、光沢を与えるためにトップコートによって被覆されるベースコートとして適用されて良く、又はベースコート上のトップコートとして適用されて良く、あるいはベースコートとトップコートとの間に適用されて良い。
【0205】
各組成物は、前記組成物のバルクの色を見ることを可能にする包装器具に包装されて良い。
【0206】
前記包装器具は、少なくとも部分的に透明な本体を有する容器であり、及び/又は少なくとも部分的に透明な栓の部材を含む。
【0207】
各組成物は、ケラチン物質に適用した後の色と組成物のバルクの色の双方を見ることを可能にする器具に包装されて良い。
【0208】
各組成物は、適用して明らかになる色を表わす手段、例えば、前記組成物の層の堆積又は前記組成物と同じ色を付ける着色剤を含むインク若しくは塗料の堆積を含む器具に包装されても良い。
【0209】
適当な場合には、各組成物は、磁石と共に包装され、多層干渉顔料がゼロではない磁化率を示す際に、多層干渉顔料の粒子の配向を調節することを可能にし得る。
【0210】
提供方法及びディスプレイスタンド
本発明の他の態様では、本発明は、以下:
-バルクの色を明らかにするように、散光で前記ラインのサンプルの少なくとも第一の領域を照らすこと;及び
-干渉色を明らかにするように、直接光で前記ラインのサンプルの少なくとも第二の領域を照らすこと
からなるステップをふくむ、本発明に係る化粧品組成物のラインを提供する方法も提供する。
【0211】
前記第一及び第二の領域は、組成物の同一のサンプルの異なる領域であって良い。
【0212】
変形例では、前記第一の領域及び第二の領域は、異なるサンプルに属するものである。
【0213】
更なる変形例では、前記第一の領域及び第二の領域は同一の領域に相当し、散光及び直接光が交互に適用される。
【0214】
本発明は、
-前記ラインの2つの組成物が、同じバルクの色を出現させるような様式で照らされ;及び
-前記2つの組成物が、組成物の多層干渉顔料が異なることから、異なる適用後の色を明らかにするような様式で照らされる
という提供方法も提供する。
【0215】
他の態様では、本発明は、
-直接光の光源、
-散光の光源、及び
-前記ラインの少なくとも1つのサンプル、好ましくは前記ラインの異なる組成物に由来する2つのサンプルを、散光の光源に曝し、少なくとも1つのサンプル、好ましくは双方のサンプルを直接光の光源に曝すことを可能にする支持体
を含むディスプレイスタンドも提供する。
【0216】
メークアップの適用方法
本発明は、本発明のラインの組成物を用いるケラチン物質のメークアップ方法も提供する。
【0217】
前記方法は、皮膚、唇、爪、睫毛、眉毛、又は毛髪をメークアップするためのものであって良い。
【0218】
キット
本発明は、
-本発明のラインの第一の組成物;及び
-前記第一の組成物の下又は上に適用するための化粧品として許容される媒体を含む第二の組成物
を含む、メークアップキットを含んでも良い。
【0219】
例えば、前記第二の組成物は、前記第一の組成物の耐久性を改善し、及び/又はその外観を調節するためのものである。
【実施例】
【0220】
(実施例1)
4つの口紅のライン
【0221】
【表1】

【0222】
(実施例2)
3つの口紅のライン
【0223】
【表2】

【0224】
前記ラインの3つの組成物の各々に関して、前記含量Xkは、X1=13、X2=7.2、及びX3=14.9である。
【0225】
前記ラインの3つの組成物の各々に関して、前記含量Ykは、Y1=9、Y2=10.5、及びY3=8.5である。
【0226】
前記ラインの3つの組成物の各々に関して、前記含量Zkは、Z1=14、Z2=18.3、及びZ3=12.6である。
【0227】
以下:
組成物1(X1=13)の被覆率:41%、組成物2(X2=7.2)の被覆率:32%、組成物3(X3=14.9)の被覆率:42.60%
の被覆率が得られる。
【0228】
(実施例3)
3つの液体ファンデーションのライン
【0229】
【表3】

【0230】
(実施例4)
4つの水系マニキュアのライン
【0231】
【表4】

【0232】
(実施例5)
4つの有機溶媒系マニキュアのライン
【0233】
【表5】

【0234】
(実施例6)
4つのパウダーアイシャドウのライン
【0235】
【表6】

【0236】
(実施例7)
4つの液体アイシャドウ
【0237】
【表7】

【0238】
前記ラインの各組成物は、トップコート又はベースコートと組み合わせて良い。その様な組成物を以下に記載する。
【0239】
(実施例8)
口紅
【0240】
【表8】

【0241】
【表9】

【0242】
前記第一の組成物は、非常に強い赤色を有するメークアップの均一な層を生じさせ得る。前記第二の組成物は、メークアップ全体の結果に輪郭を与える銀色のハイライトを伴う拡大ガラス効果(magnifying glass effect)を生じさせるために役立つ。
【0243】
(実施例9)
口紅
【0244】
【表10】

【0245】
【表11】

【0246】
前記ベースコートが最初に適用され、非常に強い黒色を有するメークアップの均一な層を生じさせるために役立つ。多層干渉顔料を含有する組成物がその上に適用され、非常に強いメークアップの結果を与える色効果を生じさせるために役立つ。
【0247】
当然ながら、本発明は、上述の実施例に限られない。用語「含む」は、用語「少なくとも1つ含む」と同義であり、用語「の範囲」は、範囲の上限及び下限を含むものとして理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品として許容される媒体及び少なくとも1つの多層干渉顔料を各々が含む、少なくとも2つの組成物を含む化粧品組成物のラインであって、前記各組成物は25以上の被覆率を与え、大量の状態にある組成物の色が、2つずつ比べた場合は、3以下の色の差ΔE適用前によって異なり、適用後において、前記組成物が、2つずつ比べた場合は、5以上の色の差ΔE適用後を示すように、各種の組成物の多層干渉顔料の各々が選択される、化粧品組成物のライン。
【請求項2】
前記ラインの組成物の多層干渉顔料が同じ種類の基材を有する、請求項1に記載のライン。
【請求項3】
前記ラインの全ての組成物が、多層干渉顔料の各々を除いて同じ化合物を有する、請求項1に記載のライン。
【請求項4】
前記ラインの組成物が、多層干渉顔料以外にはいずれの着色剤も含まない、請求項1に記載のライン。
【請求項5】
前記ラインの少なくとも1つの組成物の少なくとも1つの多層干渉顔料が、シリカ、マイカ、又はガラスからなる基材を含む、請求項1に記載のライン。
【請求項6】
前記ラインの組成物のバルクの色が白である、請求項1に記載のライン。
【請求項7】
前記ラインの少なくとも1つの組成物の少なくとも1つの多層干渉顔料が、透明の原料からなる基材を含む、請求項1に記載のライン。
【請求項8】
パウダーではなく、特に液体又はスティックであり、各々が1つ以上の多層干渉顔料を化粧品として許容される媒体中に含む化粧品組成物のラインであって、少なくとも1つの組成物については9重量%以下の多層干渉顔料の全含有量であり、1つの組成物については11重量%以上の含有量である、化粧品組成物のライン。
【請求項9】
化粧品として許容される媒体及び少なくとも1つの多層干渉顔料を7%以上の割合で含む、少なくとも2つの組成物を含む化粧品組成物のラインであって、前記多層干渉顔料が適用後に異なる色を生じ、前記多層干渉顔料が、好ましくは、例えば、マイカ、ガラス、シリカからなる不透明ではない原料からなる基材を有し、好ましくは着色されたコーティングを含まず、吸光現象によって色を生じる拡散顔料の割合が、各組成物において、好ましくは0.5%未満である、化粧品組成物のライン。
【請求項10】
請求項1に記載のラインからの組成物をケラチン物質に適用することを含む、ケラチン物質をメークアップする方法。

【公開番号】特開2008−127388(P2008−127388A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−298510(P2007−298510)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】