化粧料収納容器
【課題】口紅等の棒状化粧品とリップグロス等の粘性のある液状化粧料とを1個の容器に収納して、同時に所持することができる化粧料収納容器を得る。
【解決手段】筒部材5とハカマ部材4とを回転させることで該筒部材5の先端部より口紅等の棒状化粧品2を出没させることができる棒状化粧品容器8と、ハカマ部材4の後端部より外方へ突出する筒状の液状化粧料収納筒9、この液状化粧料収納筒9の先端部に該液状化粧料収納筒9内の液状化粧料3を流出させることができるアプリケーター10、ハカマ部材4と一体となって回転する液状化粧料収納筒9内の先端部近傍まで位置するねじ棒11、このねじ棒11に螺合された液状化粧料3を押し出すピストン12、ピストン12を先端部方向へ移動させるピストン12の回転防止手段、およびアプリケーター10の流出口を覆う液状化粧料用キャップ15とからなる液状化粧料容器16とを備えた化粧料収納容器。
【解決手段】筒部材5とハカマ部材4とを回転させることで該筒部材5の先端部より口紅等の棒状化粧品2を出没させることができる棒状化粧品容器8と、ハカマ部材4の後端部より外方へ突出する筒状の液状化粧料収納筒9、この液状化粧料収納筒9の先端部に該液状化粧料収納筒9内の液状化粧料3を流出させることができるアプリケーター10、ハカマ部材4と一体となって回転する液状化粧料収納筒9内の先端部近傍まで位置するねじ棒11、このねじ棒11に螺合された液状化粧料3を押し出すピストン12、ピストン12を先端部方向へ移動させるピストン12の回転防止手段、およびアプリケーター10の流出口を覆う液状化粧料用キャップ15とからなる液状化粧料容器16とを備えた化粧料収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は口紅等の棒状化粧品とリップグロス等の粘性のある液状化粧料とを収納する化粧料収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の化粧料収納容器は、ハカマ部材、このハカマ部材の先端部に回転可能に取付けられた筒部材、この筒部材と前記ハカマ部材とを回転させることにより、該筒部材の先端部より口紅等の棒状化粧品を出没させることができる棒状化粧品の出没機構とからなる棒状化粧品容器と、この棒状化粧品容器のハカマ部材の後端部に着脱可能に取付ける取付け手段を介して取付けられた内部にリップグロス等の粘性のある液状化粧料が収納されたチューブを押し圧することができるチューブカバー、このチューブカバーの先端部に前記チューブ内の液状化粧料を流出口を介して先端部より流出させることができるように取付けられたアプリケーター、このアプリケーターの流出口を覆うように該アプリケーターに着脱可能に取付けられる液状化粧料用キャップとからなる液状化粧料容器とで構成している。
【0003】
このような化粧料収納容器は、リップグロス等の粘性のある液状化粧料をチューブに収納し、該チューブを押し圧して、アプリケーターより流出させるため、チューブの押し圧操作で液状化粧料の流出量がかわる。したがって、最適量を流出させて使用するのがむずかしいという欠点があった。また、チューブの押し圧を解除すると、チューブ内に空気が入り込むので、液状化粧料が硬化する。さらに、液状化粧料をチューブより押し出す場合、アプリケーターを下方に位置させてチューブを押し圧しないと流出させづらいという欠点を有するとともに、リップグロスを最後まで使えない、所謂かなり残量が生じてしまうという問題があった。
【0004】
加えて、液状化粧料を収納したチューブを押し圧して、チューブより流出させているので、チューブを押し圧する押し圧部の寸法が長くなり、その結果、全長が非常に長くなってしまうという難点があると共に、チューブの押し圧機構でデザインが損なわれるという問題点を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−220626
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような従来の欠点に鑑み、その所期の目的は、全長を小さくできると共に、液状化粧料収納筒内に空気が入り込むことなく、順次液状化粧料をピストンを利用して押し出して、最後まで残量を生じることなく使用することができることである。本発明の第2の目的はデザインが損なわれることのない化粧料収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の化粧料収納容器は、ハカマ部材、このハカマ部材の先端部より外方へ突出する該ハカマ部材に回転可能に取付けられた筒部材、この筒部材と前記ハカマ部材とをつかんで回転させることにより該筒部材の先端部より口紅等の棒状化粧品を出没させることができる棒状化粧品の出没機構とからなる棒状化粧品容器と、この棒状化粧品容器のハカマ部材の後端部より外方へ突出する該ハカマ部材に回転可能に取付けられた粘性のある液状化粧料が収納される液状化粧料収納筒、この液状化粧料収納筒の先端部に該液状化粧料収納筒内の液状化粧料を流出させることができるように取付けられたアプリケーター、前記ハカマ部材と一体となって回転するように取付けられた前記液状化粧料収納筒内の先端部近傍まで位置するねじ棒、このねじ棒に螺合された前記液状化粧料収納筒内の液状化粧料を押し出すピストン、前記液状化粧料収納筒と前記ハカマ部材とをつかんで回転させることにより前記ピストンを該液状化粧料収納筒の先端部方向へ移動させるピストンの回転防止手段、および前記アプリケーターの流出口を覆うように前記液状化粧料収納筒に着脱可能に取付けられた液状化粧料用キャップとからなる液状化粧料容器とを有する。
【発明の効果】
【0008】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1によって、ハカマ部材と筒部材をつかんで回転させることにより、棒状化粧品を筒部材の先端部より出没させて使用することができると共に、ハカマ部材と液状化粧料収納筒とをつかんで回転させることにより、液状化粧料収納筒内をピストンが移動し、液状化粧料をアプリケーターより流出させて使用することができる。
したがって、棒状化粧品と液状化粧料の2種類の化粧料を常時携帯し、メーキャップ効果を高めることができるものである。
また、ネジ棒を液状化粧料収納筒内に配設したことにより、化粧料収納容器全体の長さを短くすることができ、携帯性に優れているという効果も有する
(2)前記(1)により、一方の化粧料の使用状態にする操作では他方の化粧料が使用状態に作動しないので、安全であると共に、楽に使用することができる。
(3)前記(1)により、液状化粧料収納筒内に収納された液状化粧料をピストンで押し出すので、液状化粧料収納筒内に空気が入り込むのを阻止できるとともに、リップグロスのような粘性の高い液状化粧料において残量を少なくすることができる。この点、従来のチューブを用いる化粧料収納容器とは相違する。
付言すると、液状化粧料収納筒内に収納された液状化粧料を使用初めと同じ状態で使用することができると共に、液状化粧料が空気の流入で硬化しないため、最後まで、使用することができ、かつ従来のチューブを用いるもののように押し圧機構が外部にでないため、デザインを損なうことがない。
(4)前記(1)により、液状化粧料をねじ棒の回転で、移動するピストンを用いているので、ねじ棒のねじのピッチを小さく設定することにより、液状化粧料を少しずつ流出させて使用できるようにできる。
【0009】
したがって、だれでもが、楽にきれいに化粧することができると共に、液状化粧料収納筒内の液状化粧料を最後まで流出できるため、液状化粧料収納筒の長さを小さく設定でき、ひいては全体の長さを小さく設定することができる。
(5)請求項2は前記(1)〜(4)と同様な効果が得られると共に、液状化粧料収納筒内の液状化粧料をピストンで、きれいに押し出すことができる。
(6)請求項3は前記(1)〜(4)と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の平面図。
【図2】本発明を実施するための第1の形態の両キャップを外した正面図。
【図3】図1の3−3線に沿う拡大断面図。
【図4】本発明を実施するための第1の形態のハカマ部材の説明図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の筒部材の説明図。
【図6】本発明を実施するための第1の形態のねじ筒の説明図。
【図7】本発明を実施するための第1の形態の棒状化粧品支持皿の説明図。
【図8】本発明を実施するための第1の形態の液状化粧料収納筒の説明図。
【図9】本発明を実施するための第1の形態のアプリケーターの説明図。
【図10】本発明を実施するための第1の形態のねじ棒の説明図。
【図11】本発明を実施するための第1の形態のピストンの説明図。
【図12】本発明を実施するための第1の形態のピストンの回転防止手段の説明図。
【図13】本発明を実施するための第1の形態の液状化粧料用キャップの説明図。
【図14】本発明を実施するための第1の形態の棒状化粧品の使用状態の説明図。
【図15】本発明を実施するための第1の形態の液状化粧料の使用状態の説明図。
【図16】本発明を実施するための第2の形態の縦断面図。
【図17】図16の17−17線に沿う断面図。
【図18】本発明を実施するための第2の形態のピストンの回転防止手段の説明図。
【図19】本発明を実施するための第3の形態の縦断面図。
【図20】図19の20−20線に沿う断面図。
【図21】本発明を実施するための第3の形態のピストンの回転防止手段の説明図。
【図22】本発明を実施するための第4の形態の縦断面図。
【図23】本発明を実施するための第4の形態の両キャップを外した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0012】
図1ないし図15に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は一端部より口紅等の棒状化粧品2を出没させて使用したり、他端部よりリップグロス等の粘性のある液状化粧料3を流出させて使用することができる本発明の化粧料収納容器で、この化粧料収納容器1は筒状のハカマ部材4、このハカマ部材4の先端部より外方へ突出すると共に、該ハカマ部材4に回転可能に取付けられた筒部材5、この筒部材5と前記ハカマ部材4とをつかんで回転させることにより、該筒部材5の先端部より口紅等の棒状化粧品2を出没させることができる棒状化粧品用の出没機構6および前記筒部材5を覆うことができ、かつ前記ハカマ部材4に着脱可能取付けることができるキャップ7とからなる棒状化粧品容器8と、この棒状化粧品容器8のハカマ部材4の後端部(図3では下方)より外方へ突出すると共に、該ハカマ部材4に回転可能に取付けられかつリップグロス等の粘性のある液状化粧料3が収納される筒状の液状化粧料収納筒9、この液状化粧料収納筒9の先端部(図3では下端部)に該液状化粧料収納筒9内の液状化粧料3を流出させることができるように取付けられたアプリケーター10、前記ハカマ部材4と一体となって回転するように取付けられかつ前記液状化粧料収納筒9内の先端部近傍まで位置するねじ棒11、このねじ棒11に螺合されていると共に前記液状化粧料収納筒9内の液状化粧料3を押し出すピストン12、前記液状化粧料収納筒9と前記ハカマ部材4とをつかんで回転させることにより、前記ピストン12を該液状化粧料収納筒9の先端部方向へ移動させるピストン回転防止手段13(例えば図12を参照)および前記アプリケーター10の流出口14を覆うように前記液状化粧料収納筒9に着脱可能に取付けられた液状化粧料用キャップ15とからなる液状化粧料容器16とで構成されている。
【0013】
前記ハカマ部材4は、図4に示すように筒状のハカマ部材本体17と、このハカマ部材本体17の先端部(図4では右側)より小外径寸法で外方へ突出するように一体形成されかつ外周部にキャップ嵌合突片18を有するキャップ嵌合筒19と、このキャップ嵌合筒19の先端部より小外径寸法であると共に外方へ突出するように一体形成された外周にOリング収納リング溝20および筒部材嵌合凹部21が形成され、かつ内壁面に軸心方向の筋状嵌合溝22が形成する所定間隔で複数個の嵌合突片23を有する筒部材嵌合筒24と、この筒部材嵌合筒24の先端部の対向する外径に形成された係合凹部25と、前記ハカマ部材本体17の後端部(図4では左側)の内壁面に形成されていると共に前記液状化粧料収納筒9に回転可能に嵌合する液状化粧料収納筒嵌合部26とで構成されている。
【0014】
前記筒部材5は、図5に示すように先端部が傾斜面27に形成された筒部材本体28と、この筒部材本体28の先端部を除く内壁面に形成された軸心方向の複数の係合溝29と、前記筒部材本体28の後端部寄りの内壁面に形成されていると共に前記ハカマ部材4の筒部材嵌合凹部21に回転可能で、かつ抜け脱が容易にできないように嵌合するハカマ部材嵌合部30とで構成されている。
【0015】
前記棒状化粧品の出没機構6は、図6および図7に示すように前記ハカマ部材4の筒状嵌合筒24の嵌合溝22と嵌合する複数個の軸心方向のハカマ部材係合片31が上部側の外壁面に形成され、かつ小外径寸法の下部側の外壁面に形成された複数個の軸心方向の係合片32が形成されたねじ筒本体33、このねじ筒本体33の上部に外方へ突出するように形成されていると共に前記ハカマ部材4の係合凹部25と係合する係合片34および前記ねじ筒本体33の上部内壁に形成された一対のねじ片35とが形成されたねじ筒36と、このねじ筒36の一対のねじ片35と螺合する該ねじ筒36とほぼ同じ長さで、かつ下端部に切欠溝37を有するねじ軸38、このねじ軸38の上端部が底面中央部に位置するように一体形成された口紅等の棒状化粧品2を支持する皿部材39およびこの皿部材39の外周部に一体形成された前記筒部材5の係合溝29と係合する係合ピン40とからなる棒状化粧品支持皿41とで構成されている。
【0016】
前記液状化粧料収納筒9は、図8に示すように筒状の液状化粧料収納筒本体42と、この液状化粧料収納筒本体42の後端部(図8では右側)に一体形成されていると共に前記ハカマ部材4の後端部より内部に挿入でき、かつ前記液状化粧料収納筒嵌合部26と嵌合する第1の嵌合片43および内壁部に軸心方向の複数個の係合溝44が形成されたハカマ部材嵌合筒45と、前記液状化粧料収納筒本体42の先端部(図8では左側)に該液状化粧料収納筒本体42の外径寸法よりも小外径寸法に形成されかつ外壁面に前記液状化粧料用キャップ15と着脱可能に嵌合する第2の嵌合片46が形成されたキャップ嵌合筒47と、このキャップ嵌合筒47の先端部に該キャップ嵌合筒47の外形寸法よりも小外径寸法に形成された外壁面にアプリケーター嵌合片48が形成されたアプリケーター嵌合筒49とで構成されている。
【0017】
前記アプリケーター10は、図9に示すように先端部に傾斜面50が形成され、かつ中心部に流出口14が形成されたポリプロピレン等の合成樹脂製のアプリケーター本体51と、このアプリケーター本体51の後端部に形成された前記液状化粧料収納筒9のアプリケーター嵌合筒49および該アプリケーター嵌合筒49内に嵌合固定されるプラグ52が挿入されるアプリケーター嵌合片48と嵌合する嵌合部53を有する取付穴54とで構成されている。
【0018】
前記ねじ棒11は、図10に示すように、微小なピッチのねじ山55が形成されたねじ棒本体56と、このねじ棒本体56の後端部と底面中央部が一体形成された前記ハカマ部材4のキャップ嵌合筒19の内壁面に形成された嵌合部57と回転可能な嵌合する嵌合片58が形成されかつ内部の軸心方向の複数個の係合部59と前記ねじ筒36の係合片34と係合するように挿入される皿状の支持部材60と、この支持部材60の外周部に形成された前記液状化粧料収納筒9のハカマ部材嵌合筒45の端部に支持されるフランジ61と、このフランジ61の下部位置の外壁面に形成された前記ハカマ部材嵌合筒45の係合溝44と係合する軸心方向の係合片62とで構成されている。
【0019】
前記ピストン12は、図11に示すように中央部に前記ねじ棒11のねじ棒本体56と螺合するねじ孔63が形成され、かつ外壁面が中央部より両端部が大径となるように形成されたピストン本体64と、このピストン本体64の先端部側に一体形成された前記ねじ棒11のねじ谷65と密着するフィン66とで構成されている。
【0020】
前記ピストンの回転防止手段13は図12に示すように前記液状化粧料収納筒9に形成された長径と短径の差が小さい楕円形状の内壁9aと、この内壁9aと密着し、ねじ棒11の回転と一体になって回転することのない外周部が楕円形状のピストン12とで構成され、液状化粧料収納筒9を回転させピストン12を前進させる際にピストン12が回転しないようになっている。なお、この形態において、液状化粧料収納筒9の内壁9aとピストン12の外周部をともに楕円形状にして回転防止手段13を形成しているが、液状化粧料3がリップグロス等のように粘性が高い場合は、液状化粧料収納筒9の内壁9aまたはピストン12の外周部のいずれか一方を楕円形状にするだけで回転を防止することができ、液状化粧料3がピストン外周部の脇からしみ出たりすることはない。部品等の生産性を考慮すると液状化粧料収納筒9の内壁9aを楕円形状にし、ピストン12の外周部を正円とする構成が好ましい。
【0021】
前記液状化粧料用キャップ15は図13に示すように前記液状化粧料収納筒9のキャップ嵌合片46と着脱可能に嵌合する前記アプリケーター10を覆う液状化粧料用キャップ本体67と、この液状化粧料用キャップ本体67の天板67aの内壁中央部に一体形成された前記アプリケーター10の流出口14を閉じる閉塞材68とで構成されている。
上記構成の化粧料収納容器1は図14に示すように棒状化粧品2を使用する場合キャップ7を外し、ハカマ部材4と筒部材5とを持って、回転させることにより、ハカマ部材4と一体になって回転するねじ筒36が回転し、棒状化粧品支持皿41の係合ピン40が筒部材5の係合溝29と係合しているため、ねじ軸38が上下方向に移動し、筒部材5の先端部より、棒状化粧品2を出没させて、従来と同様に使用することができる。
【0022】
この時、液状化粧料収納筒9はハカマ部材4と一体なっているため、ピストン12は移動することはない。
【0023】
次に、液状化粧料3を使用する場合、液状化粧料用キャップ15を外し、図15に示すようにハカマ部材4と液状化粧料収納筒9とを持って、回転させることにより、ねじ棒11が回転する。このねじ棒11の回転により、ピストン12と液状化粧料収納筒9とはピストンの回転防止手段13で回転していないため、ピストン12が流出口14方向へ移動し、内部に充填されている液状化粧料3をアプリケーター10の流出口14より流出させて使用することができる。
【0024】
この時、ねじ棒11のねじ山55は微小なピッチで形成されているため、ねじ棒11の回転に対して、わずかな液状化粧料3の流出となり、安全で、最適量の流出で使用することができる。
【0025】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図16ないし図23に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当たって、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0026】
図16ないし図18に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、液状化粧料収納筒9の真円の内壁面に形成した軸心方向の係合片69と、この係合片69と密着する係合凹部70を真円のピストン12Aの外周部に形成したピストンの回転防止手段13Aを用いた点で、このようなピストンの回転防止手段13Aを用いて構成した化粧料収納容器1Aにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0027】
図19ないし図21に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は液状化粧料収納筒9の真円の内壁面に形成した軸心方向の係合溝71と、この係合溝71と密着する係合片72を真円のピストン12Bの外周部に形成したピストンの回転防止手段13Bを用いた点で、このようなピストンの回転防止手段13Bを用いて構成した化粧料収納容器1Bにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0028】
図22および図23に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は棒状化粧品容器8のハカマ部材4の後端部より外方へ突出する該ハカマ部材4に螺合固定された粘性のある液状化粧料3が収納される筒状の液状化粧料収納筒9A、この液状化粧料収納筒9Aの先端部に取り付けられたシゴキ部材73を備えた口部材74、この口部材74を密閉するように着脱可能に取付けられる前記液状化粧料収納筒9Aに収納される軸75の先端部に傾斜面76の塗布体77が備えられた塗布具78とで液状化粧料容器16Aを構成した点で、このような液状化粧料容器16Aを用いて構成した化粧料収納容器1Cにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は化粧料収納容器を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0030】
1、1A、1B:化粧料収納容器、
2:棒状化粧品 3:液状化粧料、
4:ハカマ部材、 5:筒部材、
6:棒状化粧品の出没機構、
7:キャップ、
8:棒状化粧品容器、
9:液状化粧料収納筒、
10:アプリケーター、 11:ねじ棒、
12、12A、12B:ピストン、
13、13A、13B:ピストンの回転防止手段、
14:流出口、
15:液状化粧料用キャップ、
16:液状化粧料容器、
17:ハカマ部材本体、
19:キャップ嵌合筒、
20:Oリング収納リング溝、
21:筒部材嵌合凹部、 22:嵌合溝、
23:嵌合突片、 24:筒部材嵌合筒、
25:係合凹部、
26:液状化粧料収納筒嵌合部、
27:傾斜面、 28:筒部材本体、
29:係合溝、 30:ハカマ部材嵌合部、
31:ハカマ部材係合片、 32:係合片、
33:ねじ筒本体、 34:係合片、
35:ねじ片、 36:ねじ筒、
37:切欠溝、 38:ねじ軸、
39:皿部材、 40:係合ピン、
41:棒状化粧品支持皿、
42:液状化粧料収納筒本体、
43:嵌合片、 44:嵌合溝
45:ハカマ部材嵌合筒、 46:嵌合片、
47:キャップ嵌合筒、 48:アプリケーター嵌合片、
49:アプリケーター嵌合筒、 50:傾斜面、
51:アプリケーター本体、 52:プラグ、
53:嵌合部、 54:取付穴、
55:ねじ山、 56:ねじ棒本体、
57:嵌合部、 58:嵌合片、
59:係合部 60:支持部材、
61:フランジ、 62:係合片、
63:ねじ孔、 64:ピストン本体、
65:ねじ谷、 66:フィン、
67:液状化粧料用キャップ本体、
68:閉塞材、 69:係合片、
70:係合凹部、 71:係合溝、
72:係合片。
【技術分野】
【0001】
本発明は口紅等の棒状化粧品とリップグロス等の粘性のある液状化粧料とを収納する化粧料収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の化粧料収納容器は、ハカマ部材、このハカマ部材の先端部に回転可能に取付けられた筒部材、この筒部材と前記ハカマ部材とを回転させることにより、該筒部材の先端部より口紅等の棒状化粧品を出没させることができる棒状化粧品の出没機構とからなる棒状化粧品容器と、この棒状化粧品容器のハカマ部材の後端部に着脱可能に取付ける取付け手段を介して取付けられた内部にリップグロス等の粘性のある液状化粧料が収納されたチューブを押し圧することができるチューブカバー、このチューブカバーの先端部に前記チューブ内の液状化粧料を流出口を介して先端部より流出させることができるように取付けられたアプリケーター、このアプリケーターの流出口を覆うように該アプリケーターに着脱可能に取付けられる液状化粧料用キャップとからなる液状化粧料容器とで構成している。
【0003】
このような化粧料収納容器は、リップグロス等の粘性のある液状化粧料をチューブに収納し、該チューブを押し圧して、アプリケーターより流出させるため、チューブの押し圧操作で液状化粧料の流出量がかわる。したがって、最適量を流出させて使用するのがむずかしいという欠点があった。また、チューブの押し圧を解除すると、チューブ内に空気が入り込むので、液状化粧料が硬化する。さらに、液状化粧料をチューブより押し出す場合、アプリケーターを下方に位置させてチューブを押し圧しないと流出させづらいという欠点を有するとともに、リップグロスを最後まで使えない、所謂かなり残量が生じてしまうという問題があった。
【0004】
加えて、液状化粧料を収納したチューブを押し圧して、チューブより流出させているので、チューブを押し圧する押し圧部の寸法が長くなり、その結果、全長が非常に長くなってしまうという難点があると共に、チューブの押し圧機構でデザインが損なわれるという問題点を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−220626
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような従来の欠点に鑑み、その所期の目的は、全長を小さくできると共に、液状化粧料収納筒内に空気が入り込むことなく、順次液状化粧料をピストンを利用して押し出して、最後まで残量を生じることなく使用することができることである。本発明の第2の目的はデザインが損なわれることのない化粧料収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の化粧料収納容器は、ハカマ部材、このハカマ部材の先端部より外方へ突出する該ハカマ部材に回転可能に取付けられた筒部材、この筒部材と前記ハカマ部材とをつかんで回転させることにより該筒部材の先端部より口紅等の棒状化粧品を出没させることができる棒状化粧品の出没機構とからなる棒状化粧品容器と、この棒状化粧品容器のハカマ部材の後端部より外方へ突出する該ハカマ部材に回転可能に取付けられた粘性のある液状化粧料が収納される液状化粧料収納筒、この液状化粧料収納筒の先端部に該液状化粧料収納筒内の液状化粧料を流出させることができるように取付けられたアプリケーター、前記ハカマ部材と一体となって回転するように取付けられた前記液状化粧料収納筒内の先端部近傍まで位置するねじ棒、このねじ棒に螺合された前記液状化粧料収納筒内の液状化粧料を押し出すピストン、前記液状化粧料収納筒と前記ハカマ部材とをつかんで回転させることにより前記ピストンを該液状化粧料収納筒の先端部方向へ移動させるピストンの回転防止手段、および前記アプリケーターの流出口を覆うように前記液状化粧料収納筒に着脱可能に取付けられた液状化粧料用キャップとからなる液状化粧料容器とを有する。
【発明の効果】
【0008】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1によって、ハカマ部材と筒部材をつかんで回転させることにより、棒状化粧品を筒部材の先端部より出没させて使用することができると共に、ハカマ部材と液状化粧料収納筒とをつかんで回転させることにより、液状化粧料収納筒内をピストンが移動し、液状化粧料をアプリケーターより流出させて使用することができる。
したがって、棒状化粧品と液状化粧料の2種類の化粧料を常時携帯し、メーキャップ効果を高めることができるものである。
また、ネジ棒を液状化粧料収納筒内に配設したことにより、化粧料収納容器全体の長さを短くすることができ、携帯性に優れているという効果も有する
(2)前記(1)により、一方の化粧料の使用状態にする操作では他方の化粧料が使用状態に作動しないので、安全であると共に、楽に使用することができる。
(3)前記(1)により、液状化粧料収納筒内に収納された液状化粧料をピストンで押し出すので、液状化粧料収納筒内に空気が入り込むのを阻止できるとともに、リップグロスのような粘性の高い液状化粧料において残量を少なくすることができる。この点、従来のチューブを用いる化粧料収納容器とは相違する。
付言すると、液状化粧料収納筒内に収納された液状化粧料を使用初めと同じ状態で使用することができると共に、液状化粧料が空気の流入で硬化しないため、最後まで、使用することができ、かつ従来のチューブを用いるもののように押し圧機構が外部にでないため、デザインを損なうことがない。
(4)前記(1)により、液状化粧料をねじ棒の回転で、移動するピストンを用いているので、ねじ棒のねじのピッチを小さく設定することにより、液状化粧料を少しずつ流出させて使用できるようにできる。
【0009】
したがって、だれでもが、楽にきれいに化粧することができると共に、液状化粧料収納筒内の液状化粧料を最後まで流出できるため、液状化粧料収納筒の長さを小さく設定でき、ひいては全体の長さを小さく設定することができる。
(5)請求項2は前記(1)〜(4)と同様な効果が得られると共に、液状化粧料収納筒内の液状化粧料をピストンで、きれいに押し出すことができる。
(6)請求項3は前記(1)〜(4)と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の平面図。
【図2】本発明を実施するための第1の形態の両キャップを外した正面図。
【図3】図1の3−3線に沿う拡大断面図。
【図4】本発明を実施するための第1の形態のハカマ部材の説明図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の筒部材の説明図。
【図6】本発明を実施するための第1の形態のねじ筒の説明図。
【図7】本発明を実施するための第1の形態の棒状化粧品支持皿の説明図。
【図8】本発明を実施するための第1の形態の液状化粧料収納筒の説明図。
【図9】本発明を実施するための第1の形態のアプリケーターの説明図。
【図10】本発明を実施するための第1の形態のねじ棒の説明図。
【図11】本発明を実施するための第1の形態のピストンの説明図。
【図12】本発明を実施するための第1の形態のピストンの回転防止手段の説明図。
【図13】本発明を実施するための第1の形態の液状化粧料用キャップの説明図。
【図14】本発明を実施するための第1の形態の棒状化粧品の使用状態の説明図。
【図15】本発明を実施するための第1の形態の液状化粧料の使用状態の説明図。
【図16】本発明を実施するための第2の形態の縦断面図。
【図17】図16の17−17線に沿う断面図。
【図18】本発明を実施するための第2の形態のピストンの回転防止手段の説明図。
【図19】本発明を実施するための第3の形態の縦断面図。
【図20】図19の20−20線に沿う断面図。
【図21】本発明を実施するための第3の形態のピストンの回転防止手段の説明図。
【図22】本発明を実施するための第4の形態の縦断面図。
【図23】本発明を実施するための第4の形態の両キャップを外した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0012】
図1ないし図15に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は一端部より口紅等の棒状化粧品2を出没させて使用したり、他端部よりリップグロス等の粘性のある液状化粧料3を流出させて使用することができる本発明の化粧料収納容器で、この化粧料収納容器1は筒状のハカマ部材4、このハカマ部材4の先端部より外方へ突出すると共に、該ハカマ部材4に回転可能に取付けられた筒部材5、この筒部材5と前記ハカマ部材4とをつかんで回転させることにより、該筒部材5の先端部より口紅等の棒状化粧品2を出没させることができる棒状化粧品用の出没機構6および前記筒部材5を覆うことができ、かつ前記ハカマ部材4に着脱可能取付けることができるキャップ7とからなる棒状化粧品容器8と、この棒状化粧品容器8のハカマ部材4の後端部(図3では下方)より外方へ突出すると共に、該ハカマ部材4に回転可能に取付けられかつリップグロス等の粘性のある液状化粧料3が収納される筒状の液状化粧料収納筒9、この液状化粧料収納筒9の先端部(図3では下端部)に該液状化粧料収納筒9内の液状化粧料3を流出させることができるように取付けられたアプリケーター10、前記ハカマ部材4と一体となって回転するように取付けられかつ前記液状化粧料収納筒9内の先端部近傍まで位置するねじ棒11、このねじ棒11に螺合されていると共に前記液状化粧料収納筒9内の液状化粧料3を押し出すピストン12、前記液状化粧料収納筒9と前記ハカマ部材4とをつかんで回転させることにより、前記ピストン12を該液状化粧料収納筒9の先端部方向へ移動させるピストン回転防止手段13(例えば図12を参照)および前記アプリケーター10の流出口14を覆うように前記液状化粧料収納筒9に着脱可能に取付けられた液状化粧料用キャップ15とからなる液状化粧料容器16とで構成されている。
【0013】
前記ハカマ部材4は、図4に示すように筒状のハカマ部材本体17と、このハカマ部材本体17の先端部(図4では右側)より小外径寸法で外方へ突出するように一体形成されかつ外周部にキャップ嵌合突片18を有するキャップ嵌合筒19と、このキャップ嵌合筒19の先端部より小外径寸法であると共に外方へ突出するように一体形成された外周にOリング収納リング溝20および筒部材嵌合凹部21が形成され、かつ内壁面に軸心方向の筋状嵌合溝22が形成する所定間隔で複数個の嵌合突片23を有する筒部材嵌合筒24と、この筒部材嵌合筒24の先端部の対向する外径に形成された係合凹部25と、前記ハカマ部材本体17の後端部(図4では左側)の内壁面に形成されていると共に前記液状化粧料収納筒9に回転可能に嵌合する液状化粧料収納筒嵌合部26とで構成されている。
【0014】
前記筒部材5は、図5に示すように先端部が傾斜面27に形成された筒部材本体28と、この筒部材本体28の先端部を除く内壁面に形成された軸心方向の複数の係合溝29と、前記筒部材本体28の後端部寄りの内壁面に形成されていると共に前記ハカマ部材4の筒部材嵌合凹部21に回転可能で、かつ抜け脱が容易にできないように嵌合するハカマ部材嵌合部30とで構成されている。
【0015】
前記棒状化粧品の出没機構6は、図6および図7に示すように前記ハカマ部材4の筒状嵌合筒24の嵌合溝22と嵌合する複数個の軸心方向のハカマ部材係合片31が上部側の外壁面に形成され、かつ小外径寸法の下部側の外壁面に形成された複数個の軸心方向の係合片32が形成されたねじ筒本体33、このねじ筒本体33の上部に外方へ突出するように形成されていると共に前記ハカマ部材4の係合凹部25と係合する係合片34および前記ねじ筒本体33の上部内壁に形成された一対のねじ片35とが形成されたねじ筒36と、このねじ筒36の一対のねじ片35と螺合する該ねじ筒36とほぼ同じ長さで、かつ下端部に切欠溝37を有するねじ軸38、このねじ軸38の上端部が底面中央部に位置するように一体形成された口紅等の棒状化粧品2を支持する皿部材39およびこの皿部材39の外周部に一体形成された前記筒部材5の係合溝29と係合する係合ピン40とからなる棒状化粧品支持皿41とで構成されている。
【0016】
前記液状化粧料収納筒9は、図8に示すように筒状の液状化粧料収納筒本体42と、この液状化粧料収納筒本体42の後端部(図8では右側)に一体形成されていると共に前記ハカマ部材4の後端部より内部に挿入でき、かつ前記液状化粧料収納筒嵌合部26と嵌合する第1の嵌合片43および内壁部に軸心方向の複数個の係合溝44が形成されたハカマ部材嵌合筒45と、前記液状化粧料収納筒本体42の先端部(図8では左側)に該液状化粧料収納筒本体42の外径寸法よりも小外径寸法に形成されかつ外壁面に前記液状化粧料用キャップ15と着脱可能に嵌合する第2の嵌合片46が形成されたキャップ嵌合筒47と、このキャップ嵌合筒47の先端部に該キャップ嵌合筒47の外形寸法よりも小外径寸法に形成された外壁面にアプリケーター嵌合片48が形成されたアプリケーター嵌合筒49とで構成されている。
【0017】
前記アプリケーター10は、図9に示すように先端部に傾斜面50が形成され、かつ中心部に流出口14が形成されたポリプロピレン等の合成樹脂製のアプリケーター本体51と、このアプリケーター本体51の後端部に形成された前記液状化粧料収納筒9のアプリケーター嵌合筒49および該アプリケーター嵌合筒49内に嵌合固定されるプラグ52が挿入されるアプリケーター嵌合片48と嵌合する嵌合部53を有する取付穴54とで構成されている。
【0018】
前記ねじ棒11は、図10に示すように、微小なピッチのねじ山55が形成されたねじ棒本体56と、このねじ棒本体56の後端部と底面中央部が一体形成された前記ハカマ部材4のキャップ嵌合筒19の内壁面に形成された嵌合部57と回転可能な嵌合する嵌合片58が形成されかつ内部の軸心方向の複数個の係合部59と前記ねじ筒36の係合片34と係合するように挿入される皿状の支持部材60と、この支持部材60の外周部に形成された前記液状化粧料収納筒9のハカマ部材嵌合筒45の端部に支持されるフランジ61と、このフランジ61の下部位置の外壁面に形成された前記ハカマ部材嵌合筒45の係合溝44と係合する軸心方向の係合片62とで構成されている。
【0019】
前記ピストン12は、図11に示すように中央部に前記ねじ棒11のねじ棒本体56と螺合するねじ孔63が形成され、かつ外壁面が中央部より両端部が大径となるように形成されたピストン本体64と、このピストン本体64の先端部側に一体形成された前記ねじ棒11のねじ谷65と密着するフィン66とで構成されている。
【0020】
前記ピストンの回転防止手段13は図12に示すように前記液状化粧料収納筒9に形成された長径と短径の差が小さい楕円形状の内壁9aと、この内壁9aと密着し、ねじ棒11の回転と一体になって回転することのない外周部が楕円形状のピストン12とで構成され、液状化粧料収納筒9を回転させピストン12を前進させる際にピストン12が回転しないようになっている。なお、この形態において、液状化粧料収納筒9の内壁9aとピストン12の外周部をともに楕円形状にして回転防止手段13を形成しているが、液状化粧料3がリップグロス等のように粘性が高い場合は、液状化粧料収納筒9の内壁9aまたはピストン12の外周部のいずれか一方を楕円形状にするだけで回転を防止することができ、液状化粧料3がピストン外周部の脇からしみ出たりすることはない。部品等の生産性を考慮すると液状化粧料収納筒9の内壁9aを楕円形状にし、ピストン12の外周部を正円とする構成が好ましい。
【0021】
前記液状化粧料用キャップ15は図13に示すように前記液状化粧料収納筒9のキャップ嵌合片46と着脱可能に嵌合する前記アプリケーター10を覆う液状化粧料用キャップ本体67と、この液状化粧料用キャップ本体67の天板67aの内壁中央部に一体形成された前記アプリケーター10の流出口14を閉じる閉塞材68とで構成されている。
上記構成の化粧料収納容器1は図14に示すように棒状化粧品2を使用する場合キャップ7を外し、ハカマ部材4と筒部材5とを持って、回転させることにより、ハカマ部材4と一体になって回転するねじ筒36が回転し、棒状化粧品支持皿41の係合ピン40が筒部材5の係合溝29と係合しているため、ねじ軸38が上下方向に移動し、筒部材5の先端部より、棒状化粧品2を出没させて、従来と同様に使用することができる。
【0022】
この時、液状化粧料収納筒9はハカマ部材4と一体なっているため、ピストン12は移動することはない。
【0023】
次に、液状化粧料3を使用する場合、液状化粧料用キャップ15を外し、図15に示すようにハカマ部材4と液状化粧料収納筒9とを持って、回転させることにより、ねじ棒11が回転する。このねじ棒11の回転により、ピストン12と液状化粧料収納筒9とはピストンの回転防止手段13で回転していないため、ピストン12が流出口14方向へ移動し、内部に充填されている液状化粧料3をアプリケーター10の流出口14より流出させて使用することができる。
【0024】
この時、ねじ棒11のねじ山55は微小なピッチで形成されているため、ねじ棒11の回転に対して、わずかな液状化粧料3の流出となり、安全で、最適量の流出で使用することができる。
【0025】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図16ないし図23に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当たって、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0026】
図16ないし図18に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、液状化粧料収納筒9の真円の内壁面に形成した軸心方向の係合片69と、この係合片69と密着する係合凹部70を真円のピストン12Aの外周部に形成したピストンの回転防止手段13Aを用いた点で、このようなピストンの回転防止手段13Aを用いて構成した化粧料収納容器1Aにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0027】
図19ないし図21に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は液状化粧料収納筒9の真円の内壁面に形成した軸心方向の係合溝71と、この係合溝71と密着する係合片72を真円のピストン12Bの外周部に形成したピストンの回転防止手段13Bを用いた点で、このようなピストンの回転防止手段13Bを用いて構成した化粧料収納容器1Bにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0028】
図22および図23に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は棒状化粧品容器8のハカマ部材4の後端部より外方へ突出する該ハカマ部材4に螺合固定された粘性のある液状化粧料3が収納される筒状の液状化粧料収納筒9A、この液状化粧料収納筒9Aの先端部に取り付けられたシゴキ部材73を備えた口部材74、この口部材74を密閉するように着脱可能に取付けられる前記液状化粧料収納筒9Aに収納される軸75の先端部に傾斜面76の塗布体77が備えられた塗布具78とで液状化粧料容器16Aを構成した点で、このような液状化粧料容器16Aを用いて構成した化粧料収納容器1Cにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は化粧料収納容器を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0030】
1、1A、1B:化粧料収納容器、
2:棒状化粧品 3:液状化粧料、
4:ハカマ部材、 5:筒部材、
6:棒状化粧品の出没機構、
7:キャップ、
8:棒状化粧品容器、
9:液状化粧料収納筒、
10:アプリケーター、 11:ねじ棒、
12、12A、12B:ピストン、
13、13A、13B:ピストンの回転防止手段、
14:流出口、
15:液状化粧料用キャップ、
16:液状化粧料容器、
17:ハカマ部材本体、
19:キャップ嵌合筒、
20:Oリング収納リング溝、
21:筒部材嵌合凹部、 22:嵌合溝、
23:嵌合突片、 24:筒部材嵌合筒、
25:係合凹部、
26:液状化粧料収納筒嵌合部、
27:傾斜面、 28:筒部材本体、
29:係合溝、 30:ハカマ部材嵌合部、
31:ハカマ部材係合片、 32:係合片、
33:ねじ筒本体、 34:係合片、
35:ねじ片、 36:ねじ筒、
37:切欠溝、 38:ねじ軸、
39:皿部材、 40:係合ピン、
41:棒状化粧品支持皿、
42:液状化粧料収納筒本体、
43:嵌合片、 44:嵌合溝
45:ハカマ部材嵌合筒、 46:嵌合片、
47:キャップ嵌合筒、 48:アプリケーター嵌合片、
49:アプリケーター嵌合筒、 50:傾斜面、
51:アプリケーター本体、 52:プラグ、
53:嵌合部、 54:取付穴、
55:ねじ山、 56:ねじ棒本体、
57:嵌合部、 58:嵌合片、
59:係合部 60:支持部材、
61:フランジ、 62:係合片、
63:ねじ孔、 64:ピストン本体、
65:ねじ谷、 66:フィン、
67:液状化粧料用キャップ本体、
68:閉塞材、 69:係合片、
70:係合凹部、 71:係合溝、
72:係合片。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のハカマ部材、このハカマ部材の先端部より外方へ突出する該ハカマ部材に回転可能に取付けられた筒部材、この筒部材と前記ハカマ部材とをつかんで回転させることにより該筒部材の先端部より口紅等の棒状化粧品を出没させることができる棒状化粧品の出没機構とからなる棒状化粧品容器と、この棒状化粧品容器のハカマ部材の後端部より外方へ突出する該ハカマ部材に回転可能に取付けられた粘性のある液状化粧料が収納される筒状の液状化粧料収納筒、この液状化粧料収納筒の先端部に該液状化粧料収納筒内の液状化粧料を流出させることができるように取付けられたアプリケーター、前記ハカマ部材と一体となって回転するように取付けられた前記液状化粧料収納筒内の先端部近傍まで位置するねじ棒、このねじ棒に螺合された前記液状化粧料収納筒内の液状化粧料を押し出すピストン、前記液状化粧料収納筒と前記ハカマ部材とをつかんで回転させることにより前記ピストンを該液状化粧料収納筒の先端部方向へ移動させるピストンの回転防止手段、および前記アプリケーターの流出口を覆うように前記液状化粧料収納筒に着脱可能に取付けられた液状化粧料用キャップとからなる液状化粧料容器とを備えたことを特徴とする化粧料収納容器。
【請求項2】
ピストンの回転防止手段は液状化粧料収納筒の内壁面およびピストンの外壁面を楕円形状に形成したものであることを特徴とする請求項1記載の化粧料収納容器。
【請求項3】
ピストンの回転防止手段は液状化粧料収納筒の内壁面又はピストンの外壁面のいずれか一方を楕円形状に形成したものであることを特徴とする請求項1記載の化粧料収納容器。
【請求項4】
ピストンの回転防止手段は液状化粧料収納筒の軸心方向の内壁に形成された係合片あるいは係合溝と、この係合片あるいは係合溝と軸心方向に移動できるように係合するピストンの外壁面に形成された係合溝あるいは係合片とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の化粧料収納容器。
【請求項5】
ピストンの先端部にはねじ棒のねじ谷と密着するフィンが設けられていることを特徴とする請求項1,2,3,4いずれかに記載の化粧料収納容器。
【請求項6】
筒状のハカマ部材、このハカマ部材の先端部より外方へ突出する該ハカマ部材に回転可能に取付けられた筒部材、この筒部材と前記ハカマ部材とをつかんで回転させることにより該筒部材の先端部より口紅等の棒状化粧品を出没させることができる棒状化粧品の出没機構とからなる棒状化粧品容器と、この棒状化粧品容器のハカマ部材の後端部より外方へ突出する該ハカマ部材に螺合固定された粘性のある液状化粧料が収納される筒状の液状化粧料収納筒、この液状化粧料収納筒の先端部に取り付けられたシゴキ部材を備えた口部材、この口部材を密閉するように着脱可能に取付けられる前記液状化粧料収納筒に収納される軸の先端部に傾斜面の塗布体が備えられた塗布具とからなる液状化粧料容器とを備えたことを特徴とする化粧料収納容器。
【請求項1】
筒状のハカマ部材、このハカマ部材の先端部より外方へ突出する該ハカマ部材に回転可能に取付けられた筒部材、この筒部材と前記ハカマ部材とをつかんで回転させることにより該筒部材の先端部より口紅等の棒状化粧品を出没させることができる棒状化粧品の出没機構とからなる棒状化粧品容器と、この棒状化粧品容器のハカマ部材の後端部より外方へ突出する該ハカマ部材に回転可能に取付けられた粘性のある液状化粧料が収納される筒状の液状化粧料収納筒、この液状化粧料収納筒の先端部に該液状化粧料収納筒内の液状化粧料を流出させることができるように取付けられたアプリケーター、前記ハカマ部材と一体となって回転するように取付けられた前記液状化粧料収納筒内の先端部近傍まで位置するねじ棒、このねじ棒に螺合された前記液状化粧料収納筒内の液状化粧料を押し出すピストン、前記液状化粧料収納筒と前記ハカマ部材とをつかんで回転させることにより前記ピストンを該液状化粧料収納筒の先端部方向へ移動させるピストンの回転防止手段、および前記アプリケーターの流出口を覆うように前記液状化粧料収納筒に着脱可能に取付けられた液状化粧料用キャップとからなる液状化粧料容器とを備えたことを特徴とする化粧料収納容器。
【請求項2】
ピストンの回転防止手段は液状化粧料収納筒の内壁面およびピストンの外壁面を楕円形状に形成したものであることを特徴とする請求項1記載の化粧料収納容器。
【請求項3】
ピストンの回転防止手段は液状化粧料収納筒の内壁面又はピストンの外壁面のいずれか一方を楕円形状に形成したものであることを特徴とする請求項1記載の化粧料収納容器。
【請求項4】
ピストンの回転防止手段は液状化粧料収納筒の軸心方向の内壁に形成された係合片あるいは係合溝と、この係合片あるいは係合溝と軸心方向に移動できるように係合するピストンの外壁面に形成された係合溝あるいは係合片とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の化粧料収納容器。
【請求項5】
ピストンの先端部にはねじ棒のねじ谷と密着するフィンが設けられていることを特徴とする請求項1,2,3,4いずれかに記載の化粧料収納容器。
【請求項6】
筒状のハカマ部材、このハカマ部材の先端部より外方へ突出する該ハカマ部材に回転可能に取付けられた筒部材、この筒部材と前記ハカマ部材とをつかんで回転させることにより該筒部材の先端部より口紅等の棒状化粧品を出没させることができる棒状化粧品の出没機構とからなる棒状化粧品容器と、この棒状化粧品容器のハカマ部材の後端部より外方へ突出する該ハカマ部材に螺合固定された粘性のある液状化粧料が収納される筒状の液状化粧料収納筒、この液状化粧料収納筒の先端部に取り付けられたシゴキ部材を備えた口部材、この口部材を密閉するように着脱可能に取付けられる前記液状化粧料収納筒に収納される軸の先端部に傾斜面の塗布体が備えられた塗布具とからなる液状化粧料容器とを備えたことを特徴とする化粧料収納容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−218046(P2011−218046A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92486(P2010−92486)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(500470840)アサヌマ コーポレーション株式会社 (18)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(500470840)アサヌマ コーポレーション株式会社 (18)
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