化粧料容器
【課題】
化粧料の使用の度に、化粧料容器から薄肉の中蓋トレイを取り出す必要のない、使い勝手のよい化粧料容器を提供する。
【解決手段】
中蓋トレイ6が本体部7と係合用延長片23を有し、その係合用延長片23が、容器本体1の切り欠き部9と略同じ幅で延びるとともに、二つの凸部(19,20)からなる凹凸を有し、上記容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12の隙間に挿入されて、上記凹凸が容器本体1と蓋体2のヒンジ連結部と係止することにより、上記中蓋トレイ6の本体部7が、容器本体1と蓋体2との間で開閉自在となっている。
化粧料の使用の度に、化粧料容器から薄肉の中蓋トレイを取り出す必要のない、使い勝手のよい化粧料容器を提供する。
【解決手段】
中蓋トレイ6が本体部7と係合用延長片23を有し、その係合用延長片23が、容器本体1の切り欠き部9と略同じ幅で延びるとともに、二つの凸部(19,20)からなる凹凸を有し、上記容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12の隙間に挿入されて、上記凹凸が容器本体1と蓋体2のヒンジ連結部と係止することにより、上記中蓋トレイ6の本体部7が、容器本体1と蓋体2との間で開閉自在となっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パフやブラシ等を載置するための中蓋トレイを軽量化し、全体として軽量化、小型化を図る化粧料容器において、使い勝手をよくするとともに、その製造を低コストで行うことができる化粧料容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧料容器は、外出時に携帯されることが多いため、意匠性だけでなく、緩衝性や携帯性に優れることが要求されている。特に、近年は、より小型の化粧料容器がユーザーに好まれるという状況にある。このため、例えば、特許文献1に示すように、化粧に用いるパフやブラシ等を化粧料の横に並べて収容するのではなく、容器本体と蓋体との間に、パフやブラシ等を収容する中蓋トレイを設けることにより、全体として小型化された化粧料容器が考案されている。
【0003】
しかし、このものは、容器本体と蓋体とを回動自在に係合する連結ピンを、中蓋トレイにも共用した構成になっているため、中蓋トレイを容器本体および蓋体と同様に強度の高い成形体に形成して、ヒンジ連結するための連結部を設ける必要がある。したがって、中蓋トレイの構造が複雑になって、その製造コストが上昇し、また、中蓋トレイの重量が増加し、化粧料容器全体としての重量が重くなるため、これらの改良が強く求められている。
【0004】
このような問題を解決するため、本発明の出願人らは、樹脂シートを賦形してなる薄肉成形品を、中蓋トレイとして用いる化粧料容器をすでに発明し、実施している。この化粧料容器は、容器本体の化粧料収容凹部の上に、薄肉成形によって浅皿状に形成された中蓋トレイを単に載せただけのものであり、化粧料を使用する際には、この中蓋トレイを一旦、化粧料容器から取り出し、使用後には元に戻すものである。この化粧料容器によれば、中蓋トレイが単純で、低コストで得られる上、従来品に比べ、全体形状のコンパクト化と軽量化を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭52−168698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の化粧料容器は、先に述べたように、化粧料の使用時には、中蓋トレイを一旦、化粧料容器の外へ取り出し、使用後には再び戻すという一連の動作が必要であるため、煩雑で使い勝手がよくないという問題がある。また、上記動作の途中でパフやブラシ等が脱落しやすいという問題がある。したがって、それらの改良が強く望まれている。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、薄肉に形成された中蓋トレイを化粧料容器に確実に固定することができ、しかも、使用の度に、化粧料容器から中蓋トレイを取り出す必要のない、使い勝手のよい化粧料容器の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の化粧料容器は、化粧料収容凹部を有する容器本体と、上記容器本体を蓋する蓋体と、上記容器本体と蓋体との間に位置する中蓋トレイとを備え、上記容器本体の後端部の一部が切り欠かれ、その切り欠き部に上記蓋体の後端部から突出する連結用部が嵌入されヒンジ連結されて容器本体に対して蓋体が開閉自在に取り付けられた化粧料容器であって、上記中蓋トレイが、樹脂シートを賦形してなる薄肉成形品からなるとともに、その後端部から後方に延びる係合用延長片を有し、この係合用延長片が上記容器本体の切り欠き部と蓋体の連結用部との隙間に挿入されることにより、上記中蓋トレイが、容器本体と蓋体との間で開閉自在に取り付けられていることをその要旨とする。
【0009】
本発明者らは、容器本体とこれを蓋する蓋体との間に、中蓋トレイを設けるという構造を踏襲しつつ、中蓋トレイを軽量化し、しかも化粧料容器自体にしっかりと取り付けることができないか研究を重ねた。その結果、容器本体に対し蓋体がヒンジ連結され開閉自在に取り付けられた化粧料容器において、上記中蓋トレイを、樹脂シートを賦形してなる薄肉成形品とし、さらにその後端部から後方に延びる係合用延長片を有するようにすると、この係合用延長片を上記容器本体と蓋体とのヒンジ連結部分に生じる隙間に挿入するだけで、上記中蓋トレイが、容器本体と蓋体との間で開閉自在に取り付くことを突き止め、本発明に到達した。
【発明の効果】
【0010】
このように、本発明の化粧料容器は、容器本体に対して蓋体がヒンジ連結により開閉自在に取り付けられた化粧料容器において、容器本体と蓋体との間に設けられる中蓋トレイとして、樹脂シートを賦形してなる薄肉成形品が用いられている。このため、中蓋トレイの重量が軽くなり、その結果、全体重量が軽くなる。しかも、上記中蓋トレイは、簡単に製造することができ、コストを低く抑えることができる。また、上記中蓋トレイが、その後端部から後方に延びる係合用延長片を有しているため、この係合用延長片を上記容器本体の切り欠き部と蓋体の連結用部との隙間に挿入するだけで、上記蓋体の開蓋時に、上記中蓋トレイの係合用延長片が、蓋体の後端部から突出する連結用部と容器本体の切り欠き部とで狭持された状態となり、上記中蓋トレイが、容器本体と蓋体との間で開閉自在となる。このため、化粧料の使用時に、中蓋トレイを一旦、化粧料容器の外へ取り出し、使用後には再び戻すという一連の動作が不要で、使い勝手がよい。
【0011】
そして、上記中蓋トレイが、上記化粧料収容凹部を覆う浅皿状の本体部と、その後端部から後方に、上記容器本体の切り欠き部と略同じ幅で延びる係合用延長片とを有し、上記係合用延長片には凹凸が設けられており、上記中蓋トレイの係合用延長片が上記容器本体の切り欠き部と蓋体の連結用部との隙間に挿入され、上記係合用延長片の凹凸の少なくとも一部が上記ヒンジ連結部と係止することにより、上記中蓋トレイの本体部が、容器本体と蓋体との間で開閉自在に取り付けられている場合には、上記係合用延長片を上記容器本体の切り欠き部と蓋体の連結用部との隙間に挿入するだけで、上記係合用延長片の凹凸の少なくとも一部が上記ヒンジ連結部と係止し、よりしっかりと中蓋トレイが容器本体と蓋体との間に取り付くため、上記中蓋トレイの本体部の開閉ががたつかず、よりスムーズになる。
【0012】
また、上記係合用延長片が二つ以上の凹部を有し、上記中蓋トレイを取り付けた状態で、上記凹凸のうち少なくとも一部が容器本体の上面に当接するとともに、他の少なくとも一部が容器本体の側面に当接するようになっている場合には、中蓋トレイを開閉する際の上下方向のがたつきが低減されるとともに、前後方向のがたつきも低減され、使い勝手がよい。
【0013】
そして、上記中蓋トレイの係合用延長片が、断面が下向き円弧状の接続部を介して浅皿状の本体部に一体的に形成されており、上記断面下向き円弧状の接続部において、上記係合用延長片屈曲時に反発力が発現されるようになっている場合には、上記蓋体を開蓋する際に、中蓋トレイを容器本体に対して任意の角度に保つことができるため、使い勝手がよい。
【0014】
さらに、上記中蓋トレイの係合用延長片が、平坦な接続部を介して浅皿状の本体部に一体的に形成されており、上記平坦な接続部に、上記係合用延長片屈曲時の反発力を調整するための反発調整手段が設けられている場合には、とりわけ簡単な構成でありながら、上記蓋体を開蓋する際に、中蓋トレイを容器本体に対して任意の角度に保つことができるため、使い勝手がよいとともに、低コスト化を図ることができる。
【0015】
また、上記化粧料容器の形状が平面視略円形状である場合には、必然的にヒンジ連結のための容器本体の切り欠き部および連結用部の幅が狭くなるが、その場合も、容器本体と蓋体との間に、中蓋トレイを開閉自在に取り付けることができるため、化粧料容器デザインのバリエーションの範囲が広がり、好適である。
【0016】
そして、上記中蓋トレイの厚みが0.15mm〜1.5mmの範囲にある場合には、軽量性と耐久性とのバランスがよいとともに、中蓋トレイを、よりがたつきをなくした状態で、容器本体と蓋体との間で開閉自在とすることができる。
【0017】
また、上記中蓋トレイが、樹脂シートの真空成形加工品である場合には、これを効率よく製造することができ、化粧料容器全体の製造コストを低減することができる。
【0018】
なお、平面視略円形状とは、その平面視が、単なる円形だけでなく、多角形のうち、角の数が多く、各辺の長さが比較的短くなるものを含むことを意味し、具体的には、六角形以上の多角形を含むものをいう。
【0019】
また、略同じ幅とは、全く同じ幅だけでなく、成形品形成の際に生じる若干の差異を有する幅をも含むことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の化粧料容器の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】上記化粧料容器の容器本体を示す平面図である。
【図3】上記化粧料容器の蓋体を示す平面図である。
【図4】上記化粧料容器の中蓋トレイを示す平面図である。
【図5】図4における上記中蓋トレイのA矢視図である。
【図6】図4における上記中蓋トレイのB−B断面図である。
【図7】図4における上記中蓋トレイのC−C断面図である。
【図8】図4の部分拡大図である。
【図9】図6の部分拡大図である。
【図10】上記中蓋トレイを化粧料容器に取り付ける方法の説明図である。
【図11】上記中蓋トレイが容器本体に対し任意の角度に保持される状態を示す説明図である。
【図12】上記実施の形態における接続部の他の例を示す平面図である。
【図13】上記接続部のさらに他の例を示す平面図である。
【図14】上記接続部のさらに他の例を示す平面図である。
【図15】上記実施の形態における係合用延長片の他の例を示す平面図である。
【図16】図15に示す係合用延長片の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0022】
図1は、本発明の化粧料容器の一実施の形態を示している。この図において、1は白色半透明の容器本体で、その上面には、化粧料4が充填された中皿5を収容するための収容凹部3が形成されている。また、2は上記容器本体1を蓋する無色透明の蓋体であり、上記容器本体1と蓋体2との間には、無色透明の薄肉の中蓋トレイ6が設けられている。そして、上記容器本体1の後端部の一部に切り欠き部9が設けられ、この切り欠き部9に上記蓋体2の後端部から突出する連結用部12が嵌入されヒンジ連結されて、容器本体1に対して蓋体2が開閉自在に取り付けられている。また、上記中蓋トレイ6の上面には、化粧料4を肌に塗布するためのパフやブラシ等を収容するためのスペース8が設けられている。なお、図において、各部分は模式的に示したものであり、実際の大きさ、厚み等とは異なっている(以下の図においても同じ)。
【0023】
より詳しく説明すると、上記容器本体1は、合成樹脂製であり、その平面図である図2に示すように、平面視略円形状である八角形をしており、その上面に、平面視円形状の中皿5を収容できるよう、平面視円形状の収容凹部3を有している。この収容凹部3の後端近傍の底面には、中皿5を取り出すために外部からピン等を差し込むことができる貫通孔14が穿設されている。また、容器本体1の後端部には、切り欠き部9(幅W1=14mm)が設けられており、その両側に、蓋体2とヒンジ連結するための連結ピンを保持する横孔15がそれぞれ設けられている。そして、容器本体1の前端部には、切り欠き部10が設けられ、この切り欠き部10の奥側の垂直壁部分に、後述する蓋体2の係合凸部16と着脱自在に係合する係合凸部11が設けられている。
【0024】
上記容器本体1を蓋する上記蓋体2は、上記容器本体1と同じく合成樹脂製であり、その平面図である図3に示すように、上記容器本体1と同じく平面視略八角形をしている。そして、蓋体2の前端部には、切り欠き部13が設けられ、この切り欠き部13から、上記容器本体1側の係合凸部11と着脱自在に係合する係合凸部16が垂設されている。また、蓋体2の後端部には、上記容器本体1とヒンジ連結する連結用部12(幅W2=11.5mm)が突出形成され、この連結用部12の先端近傍には、容器本体1とヒンジ連結する連結ピンを保持する横孔17が設けられている。
【0025】
また、上記容器本体1と上記蓋体2との間に位置する中蓋トレイ6は、一枚のポリエチレンテフタレート(PET)製のシート(厚み0.4mm)を真空成形によって賦形したもので、全体が薄肉で軽量である。そして、この中蓋トレイ6は、その平面図である図4に示すように、上記容器本体1の収容凹部3を覆う浅皿状の本体部7と、その後端部から後方に、上記容器本体1の切り欠き部9と略同じ幅(W3=13.2mm)で延びる係合用延長片23とを有し、この係合用延長片23が、ヒンジ連結された容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間に、上記本体部7の開口が上向きになる状態で挿入されている(図1参照)。
【0026】
なお、上記係合用延長片23には、係合用延長片23を水平に延ばした状態で上方に突出する二つの凸部(19,20)からなる凹凸と、後述する四つの凹部(21,22)からなる凹凸が形成されており、上記二つの凸部(19,20)からなる凹凸が、上記ヒンジ連結部と係止することにより、上記中蓋トレイ6の本体部7が、容器本体1と蓋体2との間で開閉自在に取り付けられている。
【0027】
すなわち、上記中蓋トレイ6の後端部から所定幅で延びる係合用延長片23は、図4のA矢視図である図5と、同じく図4のB−B断面図である図6と、図4の部分拡大図である図8および図6の部分拡大図である図9に示すように、その断面が下向き円弧状の接続部18(幅W11=2mm、高さH3=1.5mm)を介して本体部7と一体的に形成されており、接続部18に近い順に、断面が略台形状である凸部19(下辺W4=3.3mm、上辺W5=1.7mm、高さH1=1.15mm)と、断面が略三角形状である凸部20(底辺W6=2.5mm、高さH2=1.0mm)とがこの順で設けられて、この部分が凹凸になっている(図9参照)。したがって、上記凹凸を有する係合用延長片23を、ヒンジ連結された容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間に挿入する際には、上記凸部20の断面が略三角形状であり、その上端部分の幅が狭く、撓ませやすいため、この断面が略三角形状の凸部20をヒンジ連結部の狭い隙間を乗り越えさせ、奥まで挿入しやすく、また、上記凸部19の断面が略台形状であり、その上端部分が一定の幅を有し、撓ませにくいため、この断面が略台形状の凸部19をヒンジ連結部の狭い隙間を乗り越えさせることが困難であり、奥まで挿入しにくいようになっている。したがって、これらの凸部19,凸部20の特殊な形状の組み合わせによって、上記係合用延長片23を上記ヒンジ連結部分に、簡単に、しかも確実に係止させることができる。
【0028】
一方、上記凸部19の、係合用延長片23が延びる方向の左右両側には、略正方形の四角錐台状に窪んだ凹部22(長辺W7=3.8mm、短辺W8=3.5mm、深さD1=0.9mm)がそれぞれ設けられている(図8,図9参照)。上記凹部22は、ヒンジ連結された容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間に挿入されると、容器本体1側に凸部として突出し、図1に示すように、その外周側壁22aが、容器本体1の上面に当接するようになっている。このため、上記容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間において、その上下方向への可動範囲を制限する効果を奏する。したがって、これにより中蓋トレイ6の開閉を、がたつかせることなくさらにスムーズに行うことができる。
【0029】
そして、上記凹部22より先端側の左右両側に、略長方形の四角錐台状に窪んだ凹部21(長辺W9=2.2mm、短辺W10=1.5mm、深さD2=0.3mm)がそれぞれ設けられている(図8、図9参照)。この凹部21は、ヒンジ連結された容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間に挿入されると、上記凹部22と同様に、容器本体1側に凸部として突出し、図1に示すように、容器本体1の側面にその外周底壁21aが当接するようになっている。このため、上記容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間において、その前後方向への可動範囲を制限する効果を奏する(図1参照)。したがって、これにより中蓋トレイ6の開閉を、がたつかせることなくさらにスムーズに行うことができる。
【0030】
また、上記中蓋トレイ6の本体部7は、その底面が断面下向き円弧状に形成されており、中央にいく程高くなっている。そして、その高くなった頂部に、図4およびそのB−B断面図である図6に示すように、パフやブラシ等を載置するための、平面視楕円形状の凹部24が設けられており、その左右両側であって、本体部7を平面視した際に、最も幅広となる位置に、中蓋トレイ6の底面を補強するためのリブ27がそれぞれ設けられている(図7参照)。さらに、上記本体部7の外周面には、図4のA矢視図である図5に示すように、上記収容凹部3に係止させるための凸部25が左右二個所ずつ(合計四個所)に設けられている。これらの凸部25は、上記収容凹部3の内壁面への当たりとなり、中蓋トレイ6を上記収容凹部3に一旦はめ込むとその状態を確実に保つことができるようになっている。そして、上記本体部7は上記収容凹部3と上記凸部25の四個所において当接し、互いの接触面積が少ないため、これを開蓋する際の摩擦が小さくなり、上記本体部7を小さな力で押し上げることができるため、使い勝手がよい。
【0031】
上記中蓋トレイ6を、化粧料容器に取り付けるには、図10に示すように、まず、係合用延長片23を、接続部18部分を中心に下方におよそ90°の角度に折り曲げる。そして、その状態で、上記係合用延長片23を容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間(ヒンジ連結部の周囲)に挿入し、上記凸部19および凸部20との間に蓋体2の回動部26が入り込むようにする。このようにすると、前述のとおり、係合用延長片23の凹凸部分(凸部19および凸部20)を上記ヒンジ連結部に係止できる。なお、このとき、係合用延長片23の凹部22の外周側壁22aが、上記容器本体1の切り欠き部9の垂直壁上面9aに当接するとともに、係合用延長片23の凹部21の外周底壁21aが上記容器本体1の切り欠き部9の垂直壁側面9bに当接するため、中蓋トレイ6を開閉する際のがたつきが制限されるようになっている。
【0032】
そして、上記蓋体2を開蓋するために、図1に示す状態から連結用部12を90°以上回動させると、この連結用部12の回動部26が、容器本体1の切り欠き部9側に回り込むようになる。このため、図11に示すように、中蓋トレイ6の係合用延長片23が上記回動部26によって切り欠き部9部分に押し付けられ、回動部26と切り欠き部9とで狭持される状態となり、中蓋トレイ6がしっかりと化粧料容器に固定される。そこで、上記凹部24上のパフやブラシを手で取り出すことができる。そして、化粧するには、中蓋トレイ6の本体部7と係合用延長片23とが断面が下向き円弧状の接続部18によって連結されているため、上記本体部7を指先で押し上げるとともに、上記蓋体2をさらに開蓋すると、中蓋トレイ6の本体部7は押し上げられた状態のまま保持される。したがって、この状態で、取り出したパフやブラシを用いて、容器本体1の収容凹部3に収容された化粧料4を顔に塗布して化粧することができる。そして、化粧が終わったら、中蓋トレイ6にパフやブラシを載せ、蓋体2を閉じれば、内側の中蓋トレイ6ともども閉めることができる。
【0033】
このように、この実施の形態の化粧料容器によれば、中蓋トレイ6として、樹脂シートを真空成形により賦形してなる薄肉成形品が用いられているため、これを簡単に大量に製造することができ、コストを低く抑えることができる。しかも、その重量が軽くなり、その結果、化粧料容器全体の重量が軽くなる。そして、中蓋トレイ6が浅皿状の本体部7とその後端から所定幅で延びる係合用延長片23とを有し、この係合用延長片23に二つの凸部(19,20)からなる凹凸が設けられているため、この係合用延長片23をヒンジ連結された容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間に挿入するだけで、上記中蓋トレイ6の本体部7を、容器本体1と蓋体2との間で開閉自在となるように取り付けることができる。
【0034】
また、中蓋トレイ6(本体部7および係合用延長片23)の厚みが0.4mmに形成され、係合用延長片23が上記切り欠き部9と連結用部12との間でほぼ隙間なく保持されているため、中蓋トレイ6の軽量性と耐久性のバランスがよいとともに、中蓋トレイ6を開閉する際の左右方向のがたつきが低減されている。そして、上記係合用延長片23に、上記凸部(19,20)とともに、凹部22が設けられているため、中蓋トレイ6を開閉する際の上下方向のがたつきが低減されている。さらに、上記係合用延長片23に凹部21が設けられているため、中蓋トレイ6を開閉する際の前後方向のがたつきも低減されている。また、上記係合用延長片23の二つの凸部(19,20)の間に、連結用部12の回動部26がほぼ隙間ない状態で入り込んでいるため、中蓋トレイ6を開閉する際の上下方向のがたつきが、さらに低減されている。
【0035】
また、上記中蓋トレイ6の係合用延長片23が、断面が下向き円弧状の接続部18を介して本体部7と一体的に形成されているため、中蓋トレイ6を開蓋する際、上記接続部18の反発力を利用して、上記本体部7を容器本体に対して任意の角度に保った状態にすることができる。なお、仮に上記接続部18を、断面上向き円弧状に形成すると、上記本体部7を上に押し上げるために余分な力が必要となり、また、容器本体1に対して本体部7を任意の角度に保つことが困難となるため、接続部18を円弧状に形成する場合には、断面下向きに形成することが好ましい。
【0036】
そして、上記容器本体1および蓋体2のそれぞれの形状が、平面視略円形状である八角形状であり、ヒンジ連結のための切り欠き部9および連結用部12のそれぞれの幅が必然的に狭められているが、このようにヒンジ連結部分の幅が狭い場合(全体が平面視略円形状の場合)であっても、その部分に中蓋トレイ6を開閉時のがたつきを少なくした状態で取り付けることができるため、より化粧料容器デザインのバリエーションの範囲を広げることができる。
【0037】
なお、上記の実施の形態では、上記中蓋トレイ6をPETからなるシートを賦形して得るようにしているが、その他にも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン等の樹脂、さらにはこれらを発泡させた発泡樹脂からなるシートを賦形して得るようにしてもよい。また、上記中蓋トレイ6の厚みを0.4mmとしているが、その他の厚みにしてもよい。しかし、軽量性と耐久性とのバランスの観点からPETを用い、その厚みを0.15mm〜1.5mmの範囲にすることが好ましい。すなわち、厚みが薄すぎると、保形性に問題が生じる傾向がみられ、逆に、厚すぎると、中蓋トレイ6の軽量性が失われる傾向がみられるためである。
【0038】
そして、上記の実施の形態では、上記中蓋トレイ6の係合用延長片23が、断面が下向き円弧状の接続部18を介して本体部7と一体的に形成されているが、接続部18の形状は、必ずしも断面下向き円弧状にする必要はない。すなわち、図12に示すように、接続部18を平坦な板状体に形成しても、この接続部18に、上記係合用延長片屈曲時の反発力を調整するための反発調整手段として、係合用延長片23が延びる方向と垂直にミシン目18aを入れることにより、上記中蓋トレイ6を所望の開蓋角度に保つことができる。
【0039】
また、図13に示すように、接続部18を平坦な板状体に形成し、この接続部18の中央近傍に、上記係合用延長片23の屈曲時の反発力を調整するための反発調整手段として、係合用延長片23が延びる方向と垂直方向に細長い貫通孔18bを設けるようにしてもよい。さらに、図14に示すように、接続部18を平坦な板状体に形成し、上記反発調整手段として、この接続部18の幅を狭く形成するようにしてもよい。このように、接続部18を平坦な板状体に形成しても、これらの反発調整手段を設けることにより、上記中蓋トレイ6を所望の開蓋角度に保つことができる。
【0040】
そして、上記の実施の形態では、上記中蓋トレイ6において、浅皿状の本体部7の中央部分に凹部24を設けるようにしているが、特に設けなくてもよい。しかし、上記凹部24を設けるようにすると、本体部7に収容したパフやブラシ等を化粧料容器内で動かないように保持することができる。
【0041】
さらに、上記の実施の形態では、上記中蓋トレイ6の本体部7に、リブ27を左右二個所設けるようにしているが、特に設けなくてもよい。しかし、リブ27を設けると、底面形状を補強することができる。
【0042】
そして、上記の実施の形態では、上記中蓋トレイ6の係合用延長片23に、二つの凸部(19,20)と、四つの凹部(21,22)とからなる凹凸を設けるようにしているが、凸部、凹部の個数や形状は、必ずしも上記の実施の形態に限らない。しかし、凸部19,凸部20の形状をそれぞれ上記の実施の形態の形状とすると、単純な構成で、容器本体1と蓋体2のヒンジ連結部に確実に係止させることができる。
【0043】
また、図15および図16に示すように、係合用延長片23に、凹部22を設けず、二つの凸部(19,20)および凸部19の左右にそれぞれ設けられた凹部21とからなる凹凸を形成するようにしてもよい。この実施の形態においては、上記実施の形態における係合用延長片23より簡略な構成でありながら、容器本体1と蓋体2とのヒンジ連結部において、互いの距離が短い(隙間が狭い)の場合等に、上記実施の形態とほぼ同様の作用、効果を奏する。
【0044】
さらに、容器本体1と蓋体2とのヒンジ連結部において、互いの距離が短い(隙間が狭い)等、中蓋トレイ6の開閉に伴うがたつきが発生しにくい場合には、必ずしも上記凹部21や凹部22を設けなくてもよい。これにより、さらに製造コストを削減することができる。
【0045】
また、上記の実施の形態では、上記中蓋トレイ6の本体部7の外周面に、上記収容凹部3に係止させるための凸部25が左右それぞれ二個所(合計四個所)に設けられているが(図5参照)、本体部7の撓みだけで充分に上記収容凹部3に係止できる場合には、これらを設けなくてもよい。
【0046】
そして、上記の実施の形態では、上記容器本体1の収容凹部3に、化粧料4が充填された中皿5を収容するようにしているが、中皿5を用いずに化粧料4を直接、上記収容凹部3に充填するようにしてもよい。この場合、部品点数を少なくでき、より低コスト化を図ることができる。
【0047】
さらに、上記の実施の形態では、蓋体2および中蓋トレイ6を無色透明に形成しているが、これらを有色、不透明に形成してもよい。しかし、蓋体2および中蓋トレイ6の双方を無色透明に形成すると、これらを透かして化粧料容器の外側から化粧料4の表面模様を見せることができ、一目で化粧料4の色を把握できるとともに、見栄えがよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、軽量化、小型化された、使い勝手のよい化粧料容器として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 容器本体
2 蓋体
6 中蓋トレイ
7 本体部
9 切り欠き部
12 連結用部
19 凸部
20 凸部
23 係合用延長片
【技術分野】
【0001】
本発明は、パフやブラシ等を載置するための中蓋トレイを軽量化し、全体として軽量化、小型化を図る化粧料容器において、使い勝手をよくするとともに、その製造を低コストで行うことができる化粧料容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧料容器は、外出時に携帯されることが多いため、意匠性だけでなく、緩衝性や携帯性に優れることが要求されている。特に、近年は、より小型の化粧料容器がユーザーに好まれるという状況にある。このため、例えば、特許文献1に示すように、化粧に用いるパフやブラシ等を化粧料の横に並べて収容するのではなく、容器本体と蓋体との間に、パフやブラシ等を収容する中蓋トレイを設けることにより、全体として小型化された化粧料容器が考案されている。
【0003】
しかし、このものは、容器本体と蓋体とを回動自在に係合する連結ピンを、中蓋トレイにも共用した構成になっているため、中蓋トレイを容器本体および蓋体と同様に強度の高い成形体に形成して、ヒンジ連結するための連結部を設ける必要がある。したがって、中蓋トレイの構造が複雑になって、その製造コストが上昇し、また、中蓋トレイの重量が増加し、化粧料容器全体としての重量が重くなるため、これらの改良が強く求められている。
【0004】
このような問題を解決するため、本発明の出願人らは、樹脂シートを賦形してなる薄肉成形品を、中蓋トレイとして用いる化粧料容器をすでに発明し、実施している。この化粧料容器は、容器本体の化粧料収容凹部の上に、薄肉成形によって浅皿状に形成された中蓋トレイを単に載せただけのものであり、化粧料を使用する際には、この中蓋トレイを一旦、化粧料容器から取り出し、使用後には元に戻すものである。この化粧料容器によれば、中蓋トレイが単純で、低コストで得られる上、従来品に比べ、全体形状のコンパクト化と軽量化を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭52−168698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の化粧料容器は、先に述べたように、化粧料の使用時には、中蓋トレイを一旦、化粧料容器の外へ取り出し、使用後には再び戻すという一連の動作が必要であるため、煩雑で使い勝手がよくないという問題がある。また、上記動作の途中でパフやブラシ等が脱落しやすいという問題がある。したがって、それらの改良が強く望まれている。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、薄肉に形成された中蓋トレイを化粧料容器に確実に固定することができ、しかも、使用の度に、化粧料容器から中蓋トレイを取り出す必要のない、使い勝手のよい化粧料容器の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の化粧料容器は、化粧料収容凹部を有する容器本体と、上記容器本体を蓋する蓋体と、上記容器本体と蓋体との間に位置する中蓋トレイとを備え、上記容器本体の後端部の一部が切り欠かれ、その切り欠き部に上記蓋体の後端部から突出する連結用部が嵌入されヒンジ連結されて容器本体に対して蓋体が開閉自在に取り付けられた化粧料容器であって、上記中蓋トレイが、樹脂シートを賦形してなる薄肉成形品からなるとともに、その後端部から後方に延びる係合用延長片を有し、この係合用延長片が上記容器本体の切り欠き部と蓋体の連結用部との隙間に挿入されることにより、上記中蓋トレイが、容器本体と蓋体との間で開閉自在に取り付けられていることをその要旨とする。
【0009】
本発明者らは、容器本体とこれを蓋する蓋体との間に、中蓋トレイを設けるという構造を踏襲しつつ、中蓋トレイを軽量化し、しかも化粧料容器自体にしっかりと取り付けることができないか研究を重ねた。その結果、容器本体に対し蓋体がヒンジ連結され開閉自在に取り付けられた化粧料容器において、上記中蓋トレイを、樹脂シートを賦形してなる薄肉成形品とし、さらにその後端部から後方に延びる係合用延長片を有するようにすると、この係合用延長片を上記容器本体と蓋体とのヒンジ連結部分に生じる隙間に挿入するだけで、上記中蓋トレイが、容器本体と蓋体との間で開閉自在に取り付くことを突き止め、本発明に到達した。
【発明の効果】
【0010】
このように、本発明の化粧料容器は、容器本体に対して蓋体がヒンジ連結により開閉自在に取り付けられた化粧料容器において、容器本体と蓋体との間に設けられる中蓋トレイとして、樹脂シートを賦形してなる薄肉成形品が用いられている。このため、中蓋トレイの重量が軽くなり、その結果、全体重量が軽くなる。しかも、上記中蓋トレイは、簡単に製造することができ、コストを低く抑えることができる。また、上記中蓋トレイが、その後端部から後方に延びる係合用延長片を有しているため、この係合用延長片を上記容器本体の切り欠き部と蓋体の連結用部との隙間に挿入するだけで、上記蓋体の開蓋時に、上記中蓋トレイの係合用延長片が、蓋体の後端部から突出する連結用部と容器本体の切り欠き部とで狭持された状態となり、上記中蓋トレイが、容器本体と蓋体との間で開閉自在となる。このため、化粧料の使用時に、中蓋トレイを一旦、化粧料容器の外へ取り出し、使用後には再び戻すという一連の動作が不要で、使い勝手がよい。
【0011】
そして、上記中蓋トレイが、上記化粧料収容凹部を覆う浅皿状の本体部と、その後端部から後方に、上記容器本体の切り欠き部と略同じ幅で延びる係合用延長片とを有し、上記係合用延長片には凹凸が設けられており、上記中蓋トレイの係合用延長片が上記容器本体の切り欠き部と蓋体の連結用部との隙間に挿入され、上記係合用延長片の凹凸の少なくとも一部が上記ヒンジ連結部と係止することにより、上記中蓋トレイの本体部が、容器本体と蓋体との間で開閉自在に取り付けられている場合には、上記係合用延長片を上記容器本体の切り欠き部と蓋体の連結用部との隙間に挿入するだけで、上記係合用延長片の凹凸の少なくとも一部が上記ヒンジ連結部と係止し、よりしっかりと中蓋トレイが容器本体と蓋体との間に取り付くため、上記中蓋トレイの本体部の開閉ががたつかず、よりスムーズになる。
【0012】
また、上記係合用延長片が二つ以上の凹部を有し、上記中蓋トレイを取り付けた状態で、上記凹凸のうち少なくとも一部が容器本体の上面に当接するとともに、他の少なくとも一部が容器本体の側面に当接するようになっている場合には、中蓋トレイを開閉する際の上下方向のがたつきが低減されるとともに、前後方向のがたつきも低減され、使い勝手がよい。
【0013】
そして、上記中蓋トレイの係合用延長片が、断面が下向き円弧状の接続部を介して浅皿状の本体部に一体的に形成されており、上記断面下向き円弧状の接続部において、上記係合用延長片屈曲時に反発力が発現されるようになっている場合には、上記蓋体を開蓋する際に、中蓋トレイを容器本体に対して任意の角度に保つことができるため、使い勝手がよい。
【0014】
さらに、上記中蓋トレイの係合用延長片が、平坦な接続部を介して浅皿状の本体部に一体的に形成されており、上記平坦な接続部に、上記係合用延長片屈曲時の反発力を調整するための反発調整手段が設けられている場合には、とりわけ簡単な構成でありながら、上記蓋体を開蓋する際に、中蓋トレイを容器本体に対して任意の角度に保つことができるため、使い勝手がよいとともに、低コスト化を図ることができる。
【0015】
また、上記化粧料容器の形状が平面視略円形状である場合には、必然的にヒンジ連結のための容器本体の切り欠き部および連結用部の幅が狭くなるが、その場合も、容器本体と蓋体との間に、中蓋トレイを開閉自在に取り付けることができるため、化粧料容器デザインのバリエーションの範囲が広がり、好適である。
【0016】
そして、上記中蓋トレイの厚みが0.15mm〜1.5mmの範囲にある場合には、軽量性と耐久性とのバランスがよいとともに、中蓋トレイを、よりがたつきをなくした状態で、容器本体と蓋体との間で開閉自在とすることができる。
【0017】
また、上記中蓋トレイが、樹脂シートの真空成形加工品である場合には、これを効率よく製造することができ、化粧料容器全体の製造コストを低減することができる。
【0018】
なお、平面視略円形状とは、その平面視が、単なる円形だけでなく、多角形のうち、角の数が多く、各辺の長さが比較的短くなるものを含むことを意味し、具体的には、六角形以上の多角形を含むものをいう。
【0019】
また、略同じ幅とは、全く同じ幅だけでなく、成形品形成の際に生じる若干の差異を有する幅をも含むことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の化粧料容器の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】上記化粧料容器の容器本体を示す平面図である。
【図3】上記化粧料容器の蓋体を示す平面図である。
【図4】上記化粧料容器の中蓋トレイを示す平面図である。
【図5】図4における上記中蓋トレイのA矢視図である。
【図6】図4における上記中蓋トレイのB−B断面図である。
【図7】図4における上記中蓋トレイのC−C断面図である。
【図8】図4の部分拡大図である。
【図9】図6の部分拡大図である。
【図10】上記中蓋トレイを化粧料容器に取り付ける方法の説明図である。
【図11】上記中蓋トレイが容器本体に対し任意の角度に保持される状態を示す説明図である。
【図12】上記実施の形態における接続部の他の例を示す平面図である。
【図13】上記接続部のさらに他の例を示す平面図である。
【図14】上記接続部のさらに他の例を示す平面図である。
【図15】上記実施の形態における係合用延長片の他の例を示す平面図である。
【図16】図15に示す係合用延長片の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0022】
図1は、本発明の化粧料容器の一実施の形態を示している。この図において、1は白色半透明の容器本体で、その上面には、化粧料4が充填された中皿5を収容するための収容凹部3が形成されている。また、2は上記容器本体1を蓋する無色透明の蓋体であり、上記容器本体1と蓋体2との間には、無色透明の薄肉の中蓋トレイ6が設けられている。そして、上記容器本体1の後端部の一部に切り欠き部9が設けられ、この切り欠き部9に上記蓋体2の後端部から突出する連結用部12が嵌入されヒンジ連結されて、容器本体1に対して蓋体2が開閉自在に取り付けられている。また、上記中蓋トレイ6の上面には、化粧料4を肌に塗布するためのパフやブラシ等を収容するためのスペース8が設けられている。なお、図において、各部分は模式的に示したものであり、実際の大きさ、厚み等とは異なっている(以下の図においても同じ)。
【0023】
より詳しく説明すると、上記容器本体1は、合成樹脂製であり、その平面図である図2に示すように、平面視略円形状である八角形をしており、その上面に、平面視円形状の中皿5を収容できるよう、平面視円形状の収容凹部3を有している。この収容凹部3の後端近傍の底面には、中皿5を取り出すために外部からピン等を差し込むことができる貫通孔14が穿設されている。また、容器本体1の後端部には、切り欠き部9(幅W1=14mm)が設けられており、その両側に、蓋体2とヒンジ連結するための連結ピンを保持する横孔15がそれぞれ設けられている。そして、容器本体1の前端部には、切り欠き部10が設けられ、この切り欠き部10の奥側の垂直壁部分に、後述する蓋体2の係合凸部16と着脱自在に係合する係合凸部11が設けられている。
【0024】
上記容器本体1を蓋する上記蓋体2は、上記容器本体1と同じく合成樹脂製であり、その平面図である図3に示すように、上記容器本体1と同じく平面視略八角形をしている。そして、蓋体2の前端部には、切り欠き部13が設けられ、この切り欠き部13から、上記容器本体1側の係合凸部11と着脱自在に係合する係合凸部16が垂設されている。また、蓋体2の後端部には、上記容器本体1とヒンジ連結する連結用部12(幅W2=11.5mm)が突出形成され、この連結用部12の先端近傍には、容器本体1とヒンジ連結する連結ピンを保持する横孔17が設けられている。
【0025】
また、上記容器本体1と上記蓋体2との間に位置する中蓋トレイ6は、一枚のポリエチレンテフタレート(PET)製のシート(厚み0.4mm)を真空成形によって賦形したもので、全体が薄肉で軽量である。そして、この中蓋トレイ6は、その平面図である図4に示すように、上記容器本体1の収容凹部3を覆う浅皿状の本体部7と、その後端部から後方に、上記容器本体1の切り欠き部9と略同じ幅(W3=13.2mm)で延びる係合用延長片23とを有し、この係合用延長片23が、ヒンジ連結された容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間に、上記本体部7の開口が上向きになる状態で挿入されている(図1参照)。
【0026】
なお、上記係合用延長片23には、係合用延長片23を水平に延ばした状態で上方に突出する二つの凸部(19,20)からなる凹凸と、後述する四つの凹部(21,22)からなる凹凸が形成されており、上記二つの凸部(19,20)からなる凹凸が、上記ヒンジ連結部と係止することにより、上記中蓋トレイ6の本体部7が、容器本体1と蓋体2との間で開閉自在に取り付けられている。
【0027】
すなわち、上記中蓋トレイ6の後端部から所定幅で延びる係合用延長片23は、図4のA矢視図である図5と、同じく図4のB−B断面図である図6と、図4の部分拡大図である図8および図6の部分拡大図である図9に示すように、その断面が下向き円弧状の接続部18(幅W11=2mm、高さH3=1.5mm)を介して本体部7と一体的に形成されており、接続部18に近い順に、断面が略台形状である凸部19(下辺W4=3.3mm、上辺W5=1.7mm、高さH1=1.15mm)と、断面が略三角形状である凸部20(底辺W6=2.5mm、高さH2=1.0mm)とがこの順で設けられて、この部分が凹凸になっている(図9参照)。したがって、上記凹凸を有する係合用延長片23を、ヒンジ連結された容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間に挿入する際には、上記凸部20の断面が略三角形状であり、その上端部分の幅が狭く、撓ませやすいため、この断面が略三角形状の凸部20をヒンジ連結部の狭い隙間を乗り越えさせ、奥まで挿入しやすく、また、上記凸部19の断面が略台形状であり、その上端部分が一定の幅を有し、撓ませにくいため、この断面が略台形状の凸部19をヒンジ連結部の狭い隙間を乗り越えさせることが困難であり、奥まで挿入しにくいようになっている。したがって、これらの凸部19,凸部20の特殊な形状の組み合わせによって、上記係合用延長片23を上記ヒンジ連結部分に、簡単に、しかも確実に係止させることができる。
【0028】
一方、上記凸部19の、係合用延長片23が延びる方向の左右両側には、略正方形の四角錐台状に窪んだ凹部22(長辺W7=3.8mm、短辺W8=3.5mm、深さD1=0.9mm)がそれぞれ設けられている(図8,図9参照)。上記凹部22は、ヒンジ連結された容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間に挿入されると、容器本体1側に凸部として突出し、図1に示すように、その外周側壁22aが、容器本体1の上面に当接するようになっている。このため、上記容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間において、その上下方向への可動範囲を制限する効果を奏する。したがって、これにより中蓋トレイ6の開閉を、がたつかせることなくさらにスムーズに行うことができる。
【0029】
そして、上記凹部22より先端側の左右両側に、略長方形の四角錐台状に窪んだ凹部21(長辺W9=2.2mm、短辺W10=1.5mm、深さD2=0.3mm)がそれぞれ設けられている(図8、図9参照)。この凹部21は、ヒンジ連結された容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間に挿入されると、上記凹部22と同様に、容器本体1側に凸部として突出し、図1に示すように、容器本体1の側面にその外周底壁21aが当接するようになっている。このため、上記容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間において、その前後方向への可動範囲を制限する効果を奏する(図1参照)。したがって、これにより中蓋トレイ6の開閉を、がたつかせることなくさらにスムーズに行うことができる。
【0030】
また、上記中蓋トレイ6の本体部7は、その底面が断面下向き円弧状に形成されており、中央にいく程高くなっている。そして、その高くなった頂部に、図4およびそのB−B断面図である図6に示すように、パフやブラシ等を載置するための、平面視楕円形状の凹部24が設けられており、その左右両側であって、本体部7を平面視した際に、最も幅広となる位置に、中蓋トレイ6の底面を補強するためのリブ27がそれぞれ設けられている(図7参照)。さらに、上記本体部7の外周面には、図4のA矢視図である図5に示すように、上記収容凹部3に係止させるための凸部25が左右二個所ずつ(合計四個所)に設けられている。これらの凸部25は、上記収容凹部3の内壁面への当たりとなり、中蓋トレイ6を上記収容凹部3に一旦はめ込むとその状態を確実に保つことができるようになっている。そして、上記本体部7は上記収容凹部3と上記凸部25の四個所において当接し、互いの接触面積が少ないため、これを開蓋する際の摩擦が小さくなり、上記本体部7を小さな力で押し上げることができるため、使い勝手がよい。
【0031】
上記中蓋トレイ6を、化粧料容器に取り付けるには、図10に示すように、まず、係合用延長片23を、接続部18部分を中心に下方におよそ90°の角度に折り曲げる。そして、その状態で、上記係合用延長片23を容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間(ヒンジ連結部の周囲)に挿入し、上記凸部19および凸部20との間に蓋体2の回動部26が入り込むようにする。このようにすると、前述のとおり、係合用延長片23の凹凸部分(凸部19および凸部20)を上記ヒンジ連結部に係止できる。なお、このとき、係合用延長片23の凹部22の外周側壁22aが、上記容器本体1の切り欠き部9の垂直壁上面9aに当接するとともに、係合用延長片23の凹部21の外周底壁21aが上記容器本体1の切り欠き部9の垂直壁側面9bに当接するため、中蓋トレイ6を開閉する際のがたつきが制限されるようになっている。
【0032】
そして、上記蓋体2を開蓋するために、図1に示す状態から連結用部12を90°以上回動させると、この連結用部12の回動部26が、容器本体1の切り欠き部9側に回り込むようになる。このため、図11に示すように、中蓋トレイ6の係合用延長片23が上記回動部26によって切り欠き部9部分に押し付けられ、回動部26と切り欠き部9とで狭持される状態となり、中蓋トレイ6がしっかりと化粧料容器に固定される。そこで、上記凹部24上のパフやブラシを手で取り出すことができる。そして、化粧するには、中蓋トレイ6の本体部7と係合用延長片23とが断面が下向き円弧状の接続部18によって連結されているため、上記本体部7を指先で押し上げるとともに、上記蓋体2をさらに開蓋すると、中蓋トレイ6の本体部7は押し上げられた状態のまま保持される。したがって、この状態で、取り出したパフやブラシを用いて、容器本体1の収容凹部3に収容された化粧料4を顔に塗布して化粧することができる。そして、化粧が終わったら、中蓋トレイ6にパフやブラシを載せ、蓋体2を閉じれば、内側の中蓋トレイ6ともども閉めることができる。
【0033】
このように、この実施の形態の化粧料容器によれば、中蓋トレイ6として、樹脂シートを真空成形により賦形してなる薄肉成形品が用いられているため、これを簡単に大量に製造することができ、コストを低く抑えることができる。しかも、その重量が軽くなり、その結果、化粧料容器全体の重量が軽くなる。そして、中蓋トレイ6が浅皿状の本体部7とその後端から所定幅で延びる係合用延長片23とを有し、この係合用延長片23に二つの凸部(19,20)からなる凹凸が設けられているため、この係合用延長片23をヒンジ連結された容器本体1の切り欠き部9と蓋体2の連結用部12との隙間に挿入するだけで、上記中蓋トレイ6の本体部7を、容器本体1と蓋体2との間で開閉自在となるように取り付けることができる。
【0034】
また、中蓋トレイ6(本体部7および係合用延長片23)の厚みが0.4mmに形成され、係合用延長片23が上記切り欠き部9と連結用部12との間でほぼ隙間なく保持されているため、中蓋トレイ6の軽量性と耐久性のバランスがよいとともに、中蓋トレイ6を開閉する際の左右方向のがたつきが低減されている。そして、上記係合用延長片23に、上記凸部(19,20)とともに、凹部22が設けられているため、中蓋トレイ6を開閉する際の上下方向のがたつきが低減されている。さらに、上記係合用延長片23に凹部21が設けられているため、中蓋トレイ6を開閉する際の前後方向のがたつきも低減されている。また、上記係合用延長片23の二つの凸部(19,20)の間に、連結用部12の回動部26がほぼ隙間ない状態で入り込んでいるため、中蓋トレイ6を開閉する際の上下方向のがたつきが、さらに低減されている。
【0035】
また、上記中蓋トレイ6の係合用延長片23が、断面が下向き円弧状の接続部18を介して本体部7と一体的に形成されているため、中蓋トレイ6を開蓋する際、上記接続部18の反発力を利用して、上記本体部7を容器本体に対して任意の角度に保った状態にすることができる。なお、仮に上記接続部18を、断面上向き円弧状に形成すると、上記本体部7を上に押し上げるために余分な力が必要となり、また、容器本体1に対して本体部7を任意の角度に保つことが困難となるため、接続部18を円弧状に形成する場合には、断面下向きに形成することが好ましい。
【0036】
そして、上記容器本体1および蓋体2のそれぞれの形状が、平面視略円形状である八角形状であり、ヒンジ連結のための切り欠き部9および連結用部12のそれぞれの幅が必然的に狭められているが、このようにヒンジ連結部分の幅が狭い場合(全体が平面視略円形状の場合)であっても、その部分に中蓋トレイ6を開閉時のがたつきを少なくした状態で取り付けることができるため、より化粧料容器デザインのバリエーションの範囲を広げることができる。
【0037】
なお、上記の実施の形態では、上記中蓋トレイ6をPETからなるシートを賦形して得るようにしているが、その他にも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン等の樹脂、さらにはこれらを発泡させた発泡樹脂からなるシートを賦形して得るようにしてもよい。また、上記中蓋トレイ6の厚みを0.4mmとしているが、その他の厚みにしてもよい。しかし、軽量性と耐久性とのバランスの観点からPETを用い、その厚みを0.15mm〜1.5mmの範囲にすることが好ましい。すなわち、厚みが薄すぎると、保形性に問題が生じる傾向がみられ、逆に、厚すぎると、中蓋トレイ6の軽量性が失われる傾向がみられるためである。
【0038】
そして、上記の実施の形態では、上記中蓋トレイ6の係合用延長片23が、断面が下向き円弧状の接続部18を介して本体部7と一体的に形成されているが、接続部18の形状は、必ずしも断面下向き円弧状にする必要はない。すなわち、図12に示すように、接続部18を平坦な板状体に形成しても、この接続部18に、上記係合用延長片屈曲時の反発力を調整するための反発調整手段として、係合用延長片23が延びる方向と垂直にミシン目18aを入れることにより、上記中蓋トレイ6を所望の開蓋角度に保つことができる。
【0039】
また、図13に示すように、接続部18を平坦な板状体に形成し、この接続部18の中央近傍に、上記係合用延長片23の屈曲時の反発力を調整するための反発調整手段として、係合用延長片23が延びる方向と垂直方向に細長い貫通孔18bを設けるようにしてもよい。さらに、図14に示すように、接続部18を平坦な板状体に形成し、上記反発調整手段として、この接続部18の幅を狭く形成するようにしてもよい。このように、接続部18を平坦な板状体に形成しても、これらの反発調整手段を設けることにより、上記中蓋トレイ6を所望の開蓋角度に保つことができる。
【0040】
そして、上記の実施の形態では、上記中蓋トレイ6において、浅皿状の本体部7の中央部分に凹部24を設けるようにしているが、特に設けなくてもよい。しかし、上記凹部24を設けるようにすると、本体部7に収容したパフやブラシ等を化粧料容器内で動かないように保持することができる。
【0041】
さらに、上記の実施の形態では、上記中蓋トレイ6の本体部7に、リブ27を左右二個所設けるようにしているが、特に設けなくてもよい。しかし、リブ27を設けると、底面形状を補強することができる。
【0042】
そして、上記の実施の形態では、上記中蓋トレイ6の係合用延長片23に、二つの凸部(19,20)と、四つの凹部(21,22)とからなる凹凸を設けるようにしているが、凸部、凹部の個数や形状は、必ずしも上記の実施の形態に限らない。しかし、凸部19,凸部20の形状をそれぞれ上記の実施の形態の形状とすると、単純な構成で、容器本体1と蓋体2のヒンジ連結部に確実に係止させることができる。
【0043】
また、図15および図16に示すように、係合用延長片23に、凹部22を設けず、二つの凸部(19,20)および凸部19の左右にそれぞれ設けられた凹部21とからなる凹凸を形成するようにしてもよい。この実施の形態においては、上記実施の形態における係合用延長片23より簡略な構成でありながら、容器本体1と蓋体2とのヒンジ連結部において、互いの距離が短い(隙間が狭い)の場合等に、上記実施の形態とほぼ同様の作用、効果を奏する。
【0044】
さらに、容器本体1と蓋体2とのヒンジ連結部において、互いの距離が短い(隙間が狭い)等、中蓋トレイ6の開閉に伴うがたつきが発生しにくい場合には、必ずしも上記凹部21や凹部22を設けなくてもよい。これにより、さらに製造コストを削減することができる。
【0045】
また、上記の実施の形態では、上記中蓋トレイ6の本体部7の外周面に、上記収容凹部3に係止させるための凸部25が左右それぞれ二個所(合計四個所)に設けられているが(図5参照)、本体部7の撓みだけで充分に上記収容凹部3に係止できる場合には、これらを設けなくてもよい。
【0046】
そして、上記の実施の形態では、上記容器本体1の収容凹部3に、化粧料4が充填された中皿5を収容するようにしているが、中皿5を用いずに化粧料4を直接、上記収容凹部3に充填するようにしてもよい。この場合、部品点数を少なくでき、より低コスト化を図ることができる。
【0047】
さらに、上記の実施の形態では、蓋体2および中蓋トレイ6を無色透明に形成しているが、これらを有色、不透明に形成してもよい。しかし、蓋体2および中蓋トレイ6の双方を無色透明に形成すると、これらを透かして化粧料容器の外側から化粧料4の表面模様を見せることができ、一目で化粧料4の色を把握できるとともに、見栄えがよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、軽量化、小型化された、使い勝手のよい化粧料容器として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 容器本体
2 蓋体
6 中蓋トレイ
7 本体部
9 切り欠き部
12 連結用部
19 凸部
20 凸部
23 係合用延長片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料収容凹部を有する容器本体と、上記容器本体を蓋する蓋体と、上記容器本体と蓋体との間に位置する中蓋トレイとを備え、上記容器本体の後端部の一部が切り欠かれ、その切り欠き部に上記蓋体の後端部から突出する連結用部が嵌入されヒンジ連結されて容器本体に対して蓋体が開閉自在に取り付けられた化粧料容器であって、上記中蓋トレイが、樹脂シートを賦形してなる薄肉成形品からなるとともに、その後端部から後方に延びる係合用延長片を有し、この係合用延長片が上記容器本体の切り欠き部と蓋体の連結用部との隙間に挿入されることにより、上記中蓋トレイが、容器本体と蓋体との間で開閉自在に取り付けられていることを特徴とする化粧料容器。
【請求項2】
上記中蓋トレイが、上記化粧料収容凹部を覆う浅皿状の本体部と、その後端部から後方に、上記容器本体の切り欠き部と略同じ幅で延びる係合用延長片とを有し、上記係合用延長片には凹凸が設けられており、上記中蓋トレイの係合用延長片が上記容器本体の切り欠き部と蓋体の連結用部との隙間に挿入され、上記係合用延長片の凹凸の少なくとも一部が上記ヒンジ連結部と係止することにより、上記中蓋トレイの本体部が、容器本体と蓋体との間で開閉自在に取り付けられている請求項1記載の化粧料容器。
【請求項3】
上記係合用延長片が二つ以上の凹部を有し、上記中蓋トレイを取り付けた状態で、上記凹凸のうち少なくとも一部が容器本体の上面に当接するとともに、他の少なくとも一部が容器本体の側面に当接するようになっている請求項2記載の化粧料容器。
【請求項4】
上記中蓋トレイの係合用延長片が、断面が下向き円弧状の接続部を介して浅皿状の本体部に一体的に形成されており、上記断面下向き円弧状の接続部において、上記係合用延長片屈曲時に反発力が発現されるようになっている請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧料容器。
【請求項5】
上記中蓋トレイの係合用延長片が、平坦な接続部を介して浅皿状の本体部に一体的に形成されており、上記平坦な接続部に、上記係合用延長片屈曲時の反発力を調整するための反発調整手段が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧料容器。
【請求項6】
上記化粧料容器の形状が平面視略円形状である請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧料容器。
【請求項7】
上記中蓋トレイの厚みが0.15mm〜1.5mmの範囲にある請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧料容器。
【請求項8】
上記中蓋トレイが、樹脂シートの真空成形加工品である請求項1〜7のいずれか一項に記載の化粧料容器。
【請求項1】
化粧料収容凹部を有する容器本体と、上記容器本体を蓋する蓋体と、上記容器本体と蓋体との間に位置する中蓋トレイとを備え、上記容器本体の後端部の一部が切り欠かれ、その切り欠き部に上記蓋体の後端部から突出する連結用部が嵌入されヒンジ連結されて容器本体に対して蓋体が開閉自在に取り付けられた化粧料容器であって、上記中蓋トレイが、樹脂シートを賦形してなる薄肉成形品からなるとともに、その後端部から後方に延びる係合用延長片を有し、この係合用延長片が上記容器本体の切り欠き部と蓋体の連結用部との隙間に挿入されることにより、上記中蓋トレイが、容器本体と蓋体との間で開閉自在に取り付けられていることを特徴とする化粧料容器。
【請求項2】
上記中蓋トレイが、上記化粧料収容凹部を覆う浅皿状の本体部と、その後端部から後方に、上記容器本体の切り欠き部と略同じ幅で延びる係合用延長片とを有し、上記係合用延長片には凹凸が設けられており、上記中蓋トレイの係合用延長片が上記容器本体の切り欠き部と蓋体の連結用部との隙間に挿入され、上記係合用延長片の凹凸の少なくとも一部が上記ヒンジ連結部と係止することにより、上記中蓋トレイの本体部が、容器本体と蓋体との間で開閉自在に取り付けられている請求項1記載の化粧料容器。
【請求項3】
上記係合用延長片が二つ以上の凹部を有し、上記中蓋トレイを取り付けた状態で、上記凹凸のうち少なくとも一部が容器本体の上面に当接するとともに、他の少なくとも一部が容器本体の側面に当接するようになっている請求項2記載の化粧料容器。
【請求項4】
上記中蓋トレイの係合用延長片が、断面が下向き円弧状の接続部を介して浅皿状の本体部に一体的に形成されており、上記断面下向き円弧状の接続部において、上記係合用延長片屈曲時に反発力が発現されるようになっている請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧料容器。
【請求項5】
上記中蓋トレイの係合用延長片が、平坦な接続部を介して浅皿状の本体部に一体的に形成されており、上記平坦な接続部に、上記係合用延長片屈曲時の反発力を調整するための反発調整手段が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧料容器。
【請求項6】
上記化粧料容器の形状が平面視略円形状である請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧料容器。
【請求項7】
上記中蓋トレイの厚みが0.15mm〜1.5mmの範囲にある請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧料容器。
【請求項8】
上記中蓋トレイが、樹脂シートの真空成形加工品である請求項1〜7のいずれか一項に記載の化粧料容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−31553(P2013−31553A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169217(P2011−169217)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
[ Back to top ]