説明

化粧料組成物及びその製造方法

【課題】高い保湿性能を有すると共に皮膚への使用感にも優れる化粧料組成物を提供する。
【解決手段】本発明の化粧料組成物は、親水性アミノ酸と中性アミノ酸とを含むアミノ酸単量体が重合されてなるポリアミノ酸と、ヒドロキシ酸アンモニウム塩とを含む。また、本発明の化粧料組成物の製造方法は、親水性アミノ酸及び中性アミノ酸を含むアミノ酸単量体と、ヒドロキシ酸アンモニウム塩とを準備し、前記ヒドロキシ酸アンモニウム塩の存在下、このヒドロキシ酸アンモニウム塩の融解温度以上の温度で前記アミノ酸単量体を重縮合する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品等の添加剤として使用することができる化粧料組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は、乾燥から身を守るバリアとしての重要な役割を果たすものであるが、皮脂、細胞間脂質や天然保湿因子が減少すると、角質層の水分量が10%以下に低下してしまい、いわゆるドライスキンの状態となってしまう。このドライスキンは、皮膚がざらざらして見た目が悪くなるという問題だけでなく、皮膚疾患を引き起こす前段階であるという点で重要な病的意義も有する。
【0003】
ドライスキンを予防するためのスキンケア用品には、保湿剤を含む化粧料組成物が添加されており、皮膚を構成する表皮や角質層に水分を保留させ、皮膚の保湿性、柔軟性を保つ作用をもたらすことができる。代表的な保湿剤としては、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸、ヒアルロン酸、乳酸、又はこれらの塩等の天然保湿因子からなるもの、あるいは、グリセリン、1、3−ブチレングリコール等の多価アルコールからなるもの等が知られている。これらの他にも、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンやカルボキシビニルポリマー等の重合体で形成されるような合成高分子等が用いられることも知られている。
【0004】
また、最近では、酸性アミノ酸と中性アミノ酸との共重合体のポリマー側鎖に、金属塩やモノエタノールアミン塩を導入したポリアミノ酸を保湿剤として使用することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2890834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来から知られている化粧料組成物では、高い濃度で保湿剤が含まれる場合には、優れた保湿効果が得られるものであるが、皮膚に塗布したときにべた付き感があり、使用感が損なわれてしまうことがあった。一方、使用感を損なわないようにするために保湿剤の濃度を低くしてしまうと(例えば、化粧料組成物に対して1質量%以下の濃度)、逆に高い保湿効果が得られにくいという問題があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高い保湿性能を有すると共に皮膚への使用感にも優れる化粧料組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る化粧料組成物は、親水性アミノ酸と中性アミノ酸とを含むアミノ酸単量体が重合されてなるポリアミノ酸と、ヒドロキシ酸アンモニウム塩とを含むことを特徴とする。
【0009】
また、前記親水性アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン及びリジンの群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
【0010】
また、前記中性アミノ酸は、アラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、バリン、グリシンの群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
【0011】
また、前記ポリアミノ酸は、前記親水性アミノ酸及び前記中性アミノ酸を含むアミノ酸単量体と、ヒドロキシ酸アンモニウム塩とを準備し、前記ヒドロキシ酸アンモニウム塩の存在下、このヒドロキシ酸アンモニウム塩の融解温度以上の温度で前記アミノ酸単量体を重縮合して得られることが好ましい。
【0012】
また、前記ヒドロキシ酸アンモニウム塩は、乳酸アンモニウムを含むことが好ましい。
【0013】
本発明に係る化粧料組成物の製造方法は、親水性アミノ酸及び中性アミノ酸を含むアミノ酸単量体と、ヒドロキシ酸アンモニウム塩とを準備し、前記ヒドロキシ酸アンモニウム塩の存在下、このヒドロキシ酸アンモニウム塩の融解温度以上の温度で前記アミノ酸単量体を重縮合する工程を含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記親水性アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン及びリジンの群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【0015】
また、前記中性アミノ酸は、アラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、バリン、グリシンの群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
【0016】
また、前記ヒドロキシ酸アンモニウム塩は、乳酸アンモニウムを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の化粧料組成物によれば、化粧料組成物中に含まれる保湿剤の含有量が少なくても保湿性能が損なわれにくいものであると共に、皮膚への使用感にも優れるものである。
【0018】
また、本発明の化粧料組成物の製造方法によれば、より簡便なプロセスで化粧料組成物を製造でき、また、得られる化粧料組成物は高い保湿性能を有すると共に皮膚への使用感にも優れるものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【0020】
本発明の化粧料組成物は、ポリアミノ酸と、ヒドロキシ酸アンモニウム塩とを含んでなるものである。そして、ポリアミノ酸は、親水性アミノ酸と、中性アミノ酸とを含むアミノ酸単量体が重合されてなるものである。アミノ酸は、光学活性の炭素原子に水素原子、カルボキシル基、アミノ基並びに置換基Rが結合した有機化合物であり、RCH(NH)COOHという構造で表される。
【0021】
親水性アミノ酸は、水に対する溶解性が高いアミノ酸であって、水に溶解して酸性または塩基性のいずれかを示すもの、すなわち、酸性アミノ酸あるいは塩基性アミノ酸のいずれかである。具体的には、上記のRCH(NH)COOHにおいて、置換基Rが酸性を示す官能基(例えば、カルボキシル基)や塩基性を示す官能基(例えば、アミノ基)であるアミノ酸である。このような親水性アミノ酸の具体例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン等が挙げられる。これらの親水性アミノ酸は、1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。また、親水性アミノ酸としては、通常L体のものを使用するが、D体を使用してもよいし、D、Lの混合体(ラセミ体も含む)であってもよい。本発明では、上記親水性アミノ酸の中でも、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニンのいずれか1種または2種以上であることが好ましく、この場合、高い吸水性により肌へ水分を供給し易いものとなり、結果として高い保湿性を示すものとなる。
【0022】
中性アミノ酸は、水に溶解した場合に中性を示すアミノ酸、すなわち、上記置換基Rが酸性を示す官能基及び塩基性を示す官能基のいずれでもないアミノ酸である。このような中性アミノ酸の具体例としては、アスパラギン、セリン、グルタミン、トレオニン、グリシン、チロシン、トリプトファン、システイン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン等が挙げられる。これらの中性アミノ酸は、1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。また、中性アミノ酸としては、通常L体のものを使用するが、D体を使用してもよいし、D、Lの混合体(ラセミ体も含む)であってもよい。本発明では、上記中性アミノ酸の中でも、アラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、バリン、グリシンのいずれか1種または2種以上であることが好ましく、この場合、肌の閉塞効果が高くなるために表皮からの水分蒸発が抑制され、結果として高い保湿効果を示すものとなる。
【0023】
本発明での化粧料組成物に含まれるポリアミノ酸は、上記親水性アミノ酸と、上記中性アミノ酸とを含むアミノ酸単量体が重合されてなるものであるが、本発明の効果が阻害されない程度であれば、アミノ酸単量体には、上記以外のアミノ酸や、その他の添加物が含まれていてもよい。具体的には、化粧品原料と使用され得るものを用いることができ、例えば、アミノカプロン酸、アミノ酪酸、オルニチン、カルノシン、クレアチン、シスチン、システイン酸、シトルリン、シルクアミノ酸、テアニン、乳アミノ酸、ヒドロキシプロリン、ホホバアミノ酸等、あるいはこれらの塩が挙げられる。
【0024】
ここで、アミノ酸単量体中の親水性アミノ酸の含有量は、アミノ酸単量体全量に対して1〜99質量%であることが好ましく、この範囲であれば高い保湿効果が発揮されるやすい。より好ましい親水性アミノ酸の含有量は、アミノ酸単量体全量に対して10〜90質量%、特に好ましくは25〜75質量%である。一方、アミノ酸単量体中の中性アミノ酸の含有量は、アミノ酸単量体全量に対して1〜99質量%であることが好ましく、この範囲であれば肌の閉塞効果が優れるものとなる。より好ましい中性アミノ酸の含有量は、アミノ酸単量体全量に対して10〜90質量%、特に好ましい中性アミノ酸の含有量は、25〜75質量%である。
【0025】
本発明の化粧料組成物に含まれるポリアミノ酸は、例えば、上記アミノ酸単量体をヒドロキシ酸アンモニウム塩の存在下で重合して得ることができる。具体的には、親水性アミノ酸及び中性アミノ酸を含むアミノ酸単量体と、ヒドロキシ酸アンモニウム塩とを準備し、ヒドロキシ酸アンモニウム塩の存在下、このヒドロキシ酸アンモニウム塩の融解温度以上の温度でアミノ酸単量体を重縮合するものである。そして、この場合、ヒドロキシ酸アンモニウム塩は、アミノ酸単量体の重合の反応触媒として作用するものであると共に、反応溶媒として使用するものである。以下、この製造方法の詳細について説明する。
【0026】
上記ヒドロキシ酸アンモニウム塩は、その融解温度が75〜150℃であることが好ましく、この範囲であれば、ヒドロキシ酸アンモニウム塩が融解しやすくなり、また、反応温度を適切な範囲に調整しやすくなる。より好ましいヒドロキシ酸アンモニウム塩の融解温度は、75〜100℃である。
【0027】
また、上記ヒドロキシ酸アンモニウム塩の種類としては、特に制限されるものではないが、ヒドロキシ酸アンモニウム塩の具体例としては、乳酸アンモニウム、グリコール酸アンモニウム等の脂肪族ヒドロキシ酸アンモニウム塩の他、芳香族ヒドロキシ酸アンモニウム塩等も使用可能である。これらの中でも、特に皮膚に対する安全性が高く、且つ多官能性重合体とアミノ酸単量体との反応を促進させやすいという点、並びに化粧料組成物の保湿効果をより向上させることができるという点、更に工業原料として入手することが容易である点で、乳酸アンモニウムを使用することが特に好ましい。
【0028】
上記ヒドロキシ酸アンモニウム塩の使用量は、アミノ酸単量体100質量部に対して、100〜1000質量部であることが好ましい。ヒドロキシ酸アンモニウム塩がこの範囲であれば、アミノ酸単量体の重縮合反応が進行しやすくなると共に、未反応のアミノ酸単量体の発生が抑制され、また、反応溶媒としての役割も充分に果たせるものであり、加えて、化粧料組成物の保湿効果が損なわれてしまうおそれもない。
【0029】
上記ポリアミノ酸の製造方法では、ヒドロキシ酸アンモニウム塩の存在下、このヒドロキシ酸アンモニウム塩の融解温度以上の温度に加熱してアミノ酸単量体を重縮合するものである。加熱の温度を融解温度以上とすることで、ヒドロキシ酸アンモニウム塩が融解しやすいものとなるし、また、アミノ酸単量体の重縮合反応が進行しやすくなる。具体的な温度は、75〜150℃であることが好ましく、より好ましい温度は、100〜145℃である。そして、ヒドロキシ酸アンモニウム塩として乳酸アンモニウム(融解温度91〜94℃)を使用した場合は、加熱の温度が120〜145℃であることが好ましい。
【0030】
上記ポリアミノ酸の製造方法において、上記温度における加熱時間は、特に制限されるものではないが、例えば、2〜20時間とすることができ、この範囲であれば未反応のアミノ酸単量体が残存するのを防止しやすくなる。
【0031】
上記ポリアミノ酸の製造方法では、親水性アミノ酸と中性アミノ酸とを含むアミノ酸単量体及びヒドロキシ酸アンモニウム塩の各原料を反応容器に一括若しくは順次投入してから所定の温度に加熱して、ヒドロキシ酸アンモニウム塩を融解させ、反応を進行させることができる。あるいは、まず、ヒドロキシ酸アンモニウム塩を反応容器に投入して加熱し、このヒドロキシ酸アンモニウム塩が融解してから、アミノ酸単量体を投入してヒドロキシ酸アンモニウム塩に溶解させ、重縮合反応を進行させても良い。
【0032】
ヒドロキシ酸アンモニウム塩は固体状のものを使用しても良いが、ハンドリング性等の観点から水溶液の状態で使用することが好ましい。このような水溶液で使用の場合、重縮合を行う温度よりも低い温度であらかじめ加熱することでヒドロキシ酸アンモニウム塩水溶液の水分を蒸発させてから、その後、重縮合反応の温度まで加熱して反応させることが好ましい。重縮合反応時に水分が存在すると反応の進行が遅くなることがあるからである。例えば、重縮合の反応温度が140℃であれば、それよりも低い110℃あたりであらかじめヒドロキシ酸アンモニウム塩水溶液の水分を蒸発させれば良い。
【0033】
上記ポリアミノ酸の製造方法では、反応系全体が均一になるように攪拌させながら反応を進行させるようにしてもよい。
【0034】
尚、反応後はろ過、遠心分離等により精製して、ヒドロキシ酸アンモニウム塩を除去しても良いが、精製せずにヒドロキシ酸アンモニウム塩が含まれた状態であることが好ましい。後述のように、反応に用いられたヒドロキシ酸アンモニウム塩と生成したポリアミノ酸とを含む化粧料組成物の方が保湿効果に優れるためである。
【0035】
ポリアミノ酸の製造方法において、重縮合反応してポリアミノ酸が得られたかどうかは、例えば、赤外分光法による赤外吸収スペクトルから判断することができる。すなわち、ポリアミノ酸由来のアミド結合による吸収ピークの出現から、ポリアミノ酸が生成したかどうかを判断することができる。
【0036】
本発明で使用するポリアミノ酸は、上記製造方法の他、もちろんその他公知の方法で製造されるものであってもよい。例えば、アミノ酸単量体からアミノ酸−N−カルボン酸無水物(アミノ酸NCA)を合成し、このアミノ酸NCAを開環重合することで、ポリアミノ酸を製造する方法が挙げられる。
【0037】
しかし、アミノ酸NCA等を使用する場合に比べると、上記のように融解したヒドロキシ酸アンモニウム塩中でアミノ酸単量体を重合させる方法では、汎用的な原料のみを使用することができ、より簡便な方法でポリアミノ酸が製造されるものである。従って、ヒドロキシ酸アンモニウム塩存在下で製造する方法では、アミノ酸NCA等のような原料を別途製造するといったような手間を省けるものであり、出発原料として市販のものをそのまま使用することができるので、反応にかかる工程数を減らすこともできる。従って、上記方法では、製造プロセスが簡略化されて生産性が向上するものであり、その上、皮膚への刺激性や毒性の強い有機溶剤等を反応溶媒として使用する必要もないので、安全性という点でも優れる。
【0038】
本発明で使用するポリアミノ酸の数平均重合度は2〜20であることが好ましく、この場合、化粧料組成物の保湿効果が優れるものとなる。より好ましいポリアミノ酸の数平均重合度は2〜10である。特に、ポリアミノ酸の数平均重合度が10未満であれば、上記効果に加え、ポリアミノ酸の皮膚角層への浸透性も高まり、水分の吸収性も早まるし、保湿の持続性にも優れるものとなる。
【0039】
ポリアミノ酸の数平均重合度については、アミノ酸単量体を重合させる際の、アミノ酸単量体、触媒、溶媒等の配合条件、反応条件を調節することで制御が可能である。尚、ポリアミノ酸の数平均重合度は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いてプルラン換算により算出した数平均分子量から概算することができる。
【0040】
本発明の化粧料組成物は、上記ポリアミノ酸に加えて、ヒドロキシ酸アンモニウム塩を含むものである。化粧料組成物に含まれるポリアミノ酸は、既述したポリアミノ酸であれば、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、化粧料組成物に含まれるヒドロキシ酸アンモニウム塩は、ポリアミノ酸の製造方法で使用するものと同じものであり、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明では、ヒドロキシ酸アンモニウム塩は乳酸アンモニウムであることが好ましく、この場合、保湿効果がさらに向上するものとなる。
【0041】
上記化粧料組成物は、既述のようなヒドロキシ酸アンモニウム塩の存在下でヒドロキシ酸アンモニウム塩の融解温度以上の温度でアミノ酸単量体を重縮合する工程を含んだ製造方法により得ることができる。この工程によれば、反応生成物中にポリアミノ酸が含まれると共に、反応後に精製を行なわないか、精製回数を減らす等して製造した場合には、ヒドロキシ酸アンモニウム塩も同時に含まれる。そのため、このようにポリアミノ酸及びヒドロキシ酸アンモニウム塩を含んだ生成物を得た後、所望の添加剤等を加えるなどすれば、化粧料組成物を調製することができる。従って、化粧料組成物を製造するにあたって上記工程を含む場合は、ポリアミノ酸を重縮合した後の精製等の手間が省けるものであり、全体として簡便なプロセスで化粧料組成物を製造することができる。更に、上記工程を含む製造方法で得られた化粧料組成物は、精製されたポリアミノ酸と、ヒドロキシ酸アンモニウム塩とをそれぞれ別々に準備して、これらを配合させることで化粧料組成物を調製した場合に比べて、優れた保湿効果が現れるものとなり、この点においても、化粧料組成物は、上記工程を含んだ製造方法により製造されることが好ましいものとなる。
【0042】
本発明の化粧料組成物は、溶媒等に溶解又は分散したものであってもよく、この場合、溶媒としては、水やアルコール等の有機溶媒を使用することができる。溶媒が水である場合には、水酸化ナトリウム等の任意の塩基を適宜添加することで、ポリアミノ酸及びヒドロキシ酸アンモニウム塩を水に溶解させることが可能となる。化粧料組成物がこのような水溶液である場合には、ポリアミノ酸及びヒドロキシ酸アンモニウム塩の溶解性が優れるという点で、pHは4〜10であることが好ましい。
【0043】
本発明の化粧料組成物では、親水性アミノ酸と中性アミノ酸とを含むアミノ酸単量体が重合されてなるポリアミノ酸及びヒドロキシ酸アンモニウム塩が保湿剤として含まれるものであり、上記保湿剤の含有量が少なくても充分な保湿効果を与えることができる。そして、化粧料組成物中の保湿剤の含有量を多くする必要がないので、皮膚に塗布した際のべた付き感による不快感も抑制しやすくなり、特に皮膚に塗布してから乾燥した後の皮膚のべた付きや滑らかさが改善されるものである。
【0044】
ポリアミノ酸の含有量は、化粧料組成物全量に対して0.000003〜3質量%であることが好ましく、この範囲であれば保湿効果を充分発揮することができ、皮膚に塗布した際のべた付き感が悪くなってしまうおそれはない。より好ましいポリアミノ酸の含有量は、化粧料組成物全量に対して0.000015〜1.5質量%であり、特に好ましくは0.00003〜0.3質量%である。
【0045】
また、ヒドロキシ酸アンモニウム塩の含有量は、化粧料組成物全量に対して0.000007〜7質量%であることが好ましく、この範囲であれば化粧料組成物の保湿効果をさらに高めることができる。より好ましいヒドロキシ酸アンモニウム塩の含有量は、化粧料組成物全量に対して0.000035〜3.5質量%であり、特に好ましくは0.00007〜0.7質量%である。
【0046】
従って、化粧料組成物中のポリアミノ酸及びヒドロキシ酸アンモニウム塩の総量は、化粧料組成物全量に対して0.00001〜10質量%であることが好ましく、0.00005〜5質量%であることがより好ましく、0.0001〜1質量%であることが特に好ましい。
【0047】
尚、化粧料組成物には、ポリアミノ酸及びヒドロキシ酸アンモニウム塩の他、本発明の効果を阻害しない程度であれば、例えば、グリセリンなどが添加されていてもよく、さらに必要に応じて各種界面活性剤、可溶化剤、油剤等も併用することもできる。
【0048】
本発明の化粧料組成物は、高い保湿効果を有すると共に皮膚に塗布した場合でも使用感に優れるものであるため、各種化粧剤への添加剤として好適である。そのため、本発明の化粧料組成物は、例えば、美容液、化粧水、乳液、保湿クリーム、洗顔料(クリーム、フォーム、ローション、乳液)、ボディーシャンプー、クレンジング料(クリーム、フォーム、ローション、乳液)、マッサージクリーム、コールドクリーム、パック、ファンデーション、口紅、リップクリーム、リップジェル剤、メークアップ剤、アフターシェービングクリーム、日焼け止めクリーム、ネイル剤(マニキュア、ペディキュア)、ハンドクリーム、ボディーローション(又はクリームやフォーム)、入浴剤、ふき取りシート、制汗剤、ヘアシャンプー、リンス、ヘアトリートメント、ヘアクリーム等に適用することができる。
【実施例】
【0049】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。尚、以下に記載される%は、特に示さない限り全て質量基準である。
【0050】
(実施例1)
300mL容量のセパラブルフラスコに、L−アスパラギン酸4.66gと、L−アラニン3.12g、66%乳酸アンモニウム(融解温度:91〜94℃)水溶液22.72gを入れ、フラスコ内を窒素置換した。次いで、フラスコ内を撹拌しながら110℃まで加熱し、上記乳酸アンモニウム水溶液の水分を蒸発させた後、140℃まで昇温した。そして、反応中に生成する水をフラスコ外に除去しながら4時間加熱して反応をすることで、反応生成物を得た。
【0051】
このように得られた反応生成物の赤外吸収スペクトルを確認したところ、アミノ酸単量体由来の吸収バンドは消失すると共に、1651cm−1及び1572cm−1にアミド結合のC=O結合由来の強い吸収が観察された。同時に、3200cm−1付近に水素結合由来のブロードな吸収がみられたため、上記反応により、アミノ酸単量体の重縮合が起こり、ポリアミノ酸が生成していることが示された。また、1708cm−1にカルボキシル基由来の吸収がみられことから、L−アスパラギン酸分子中の一部のカルボキシル基が重縮合反応に関与せず、生成したポリアミノ酸分子中の側鎖や末端に存在しているものと考えられる。
【0052】
上記反応で得られた生成物は、本発明の化粧料組成物に含まれるポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの混合固体であり、その収量は約15gであった。生成したポリアミノ酸の数平均重合度は8であった。
【0053】
この反応生成物のうちの10gを、20%水酸化ナトリウム水溶液5gと、水85gとを添加することで溶解させ、ポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの10質量%水溶液を得た。
【0054】
(実施例2)
L−アラニン3.12gをL−フェニルアラニン5.78gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。得られた反応生成物は、赤外吸収スペクトルから目的とするポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの混合固体であることを確認し、また、その収量は約15gであった。生成したポリアミノ酸の数平均重合度は8であった。
【0055】
この反応生成物のうちの10gを、20%水酸化ナトリウム水溶液5gと、水85gとを添加することで溶解させ、ポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの10質量%水溶液を得た。
【0056】
(実施例3)
L−アラニン3.12gをL−イソロイシン4.59gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。得られた反応生成物は、赤外吸収スペクトルから目的とするポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの混合固体であることを確認し、また、その収量は約15gであった。生成したポリアミノ酸の数平均重合度は7であった。
【0057】
この反応生成物のうちの10gを、20%水酸化ナトリウム水溶液5gと、水85gとを添加することで溶解させ、ポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの10質量%水溶液を得た。
【0058】
(実施例4)
L−アラニン3.12gをL−ロイシン4.59gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。得られた反応生成物は、赤外吸収スペクトルから目的とするポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの混合固体であることを確認し、また、その収量は約15gであった。生成したポリアミノ酸の数平均重合度は7であった。
【0059】
この反応生成物のうちの10gを、20%水酸化ナトリウム水溶液5gと、水85gとを添加することで溶解させ、ポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの10質量%水溶液を得た。
【0060】
(実施例5)
L−アラニン3.12gをL−バリン4.10gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。得られた反応生成物は、赤外吸収スペクトルから目的とするポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの混合固体であることを確認し、また、その収量は約15gであった。生成したポリアミノ酸の数平均重合度は8であった。
【0061】
この反応生成物のうちの10gを、20%水酸化ナトリウム水溶液5gと、水85gとを添加することで溶解させ、ポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの10質量%水溶液を得た。
【0062】
(実施例6)
L−アラニン3.12gをグリシン2.63gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。得られた反応生成物は、赤外吸収スペクトルから目的とするポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの混合固体であることを確認し、また、その収量は約15gであった。生成したポリアミノ酸の数平均重合度は6であった。
【0063】
この反応生成物のうちの10gを、20%水酸化ナトリウム水溶液5gと、水85gとを添加することで溶解させ、ポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの10質量%水溶液を得た。
【0064】
(実施例7)
L−アスパラギン酸4.66gをL−グルタミン酸5.15gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。得られた反応生成物は、赤外吸収スペクトルから目的とするポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの混合固体であることを確認し、また、その収量は約15gであった。生成したポリアミノ酸の数平均重合度は8であった。
【0065】
この反応生成物のうちの10gを、20%水酸化ナトリウム水溶液5gと、水85gとを添加することで溶解させ、ポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの10質量%水溶液を得た。
【0066】
(実施例8)
L−アスパラギン酸4.66gをL−アルギニン6.10gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。得られた反応生成物は、赤外吸収スペクトルから目的とするポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの混合固体であることを確認し、また、その収量は約15gであった。生成したポリアミノ酸の数平均重合度は6であった。
【0067】
この反応生成物のうちの10gを、20%水酸化ナトリウム水溶液5gと、水85gとを添加することで溶解させ、ポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの10質量%水溶液を得た。
【0068】
(実施例9)
L−アスパラギン酸4.66gをL−リジン塩酸塩6.39gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。得られた反応生成物は、赤外吸収スペクトルから目的とするポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの混合固体であることを確認し、また、その収量は約15gであった。生成したポリアミノ酸の数平均重合度は6であった。
【0069】
この反応生成物のうちの10gを、20%水酸化ナトリウム水溶液5gと、水85gとを添加することで溶解させ、ポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの10質量%水溶液を得た。
【0070】
(実施例10)
L−アスパラギン酸4.66gを2.33gに変更し、L−アラニン3.12gを4.68gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。得られた反応生成物は、赤外吸収スペクトルから目的とするポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの混合固体であることを確認し、また、その収量は約15gであった。生成したポリアミノ酸の数平均重合度は7であった。
【0071】
この反応生成物のうちの10gを、20%水酸化ナトリウム水溶液5gと、水85gとを添加することで溶解させ、ポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの10質量%水溶液を得た。
【0072】
(実施例11)
L−アスパラギン酸4.66gを6.99gに変更し、L−アラニン3.12gを1.56gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。得られた反応生成物は、赤外吸収スペクトルから目的とするポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの混合固体であることを確認し、また、その収量は約15gであった。生成したポリアミノ酸の数平均重合度は9であった。
【0073】
この反応生成物のうちの10gを、20%水酸化ナトリウム水溶液5gと、水85gとを添加することで溶解させ、ポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの10質量%水溶液を得た。
【0074】
(実施例12)
66%乳酸アンモニウム水溶液22.72gを11.36gに変更し、反応時間を8時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。得られた反応生成物は、赤外吸収スペクトルから目的とするポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの混合固体であることを確認し、また、その収量は約11gであった。生成したポリアミノ酸の数平均重合度は19であった。
【0075】
この反応生成物のうちの10gを、20%水酸化ナトリウム水溶液5gと、水85gとを添加することで溶解させ、ポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの10質量%水溶液を得た。
【0076】
(比較例1)
L−アスパラギン酸4.66gを9.32gに変更し、L−アラニンを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。得られた反応生成物は、赤外吸収スペクトルからポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの混合固体であることを確認し、また、その収量は約15gであった。生成したポリアミノ酸の数平均重合度は18であった。
【0077】
この反応生成物のうちの10gを、20%水酸化ナトリウム水溶液5gと、水85gとを添加することで溶解させ、ポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの10質量%水溶液を得た。
【0078】
(比較例2)
L−アラニン3.12gを6.24gに変更し、L−アスパラギン酸を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。赤外吸収スペクトルからポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの混合固体であることを確認し、また、その収量は約15gであった。生成したポリアミノ酸の数平均重合度は6であった。
【0079】
この反応生成物のうちの10gを、20%水酸化ナトリウム水溶液5gと、水85gとを添加することで溶解させ、ポリアミノ酸及び乳酸アンモニウムの10質量%水溶液を得た。
【0080】
(比較例3)
実施例1と同様にして別途得た反応生成物10gをエタノール中に分散させ、析出した沈殿をろ取し、エタノールで洗浄して乾燥させることで精製ポリアミノ酸の粉末1.55gを得た(精製収率52%)。得られた粉末の赤外吸収スペクトルを測定し、乳酸アンモニウム由来である1000、1100cm−1付近のピークが消失したことを確認した。そのため、反応生成物中の乳酸アンモニウムは精製により除去されたと考えられる。
【0081】
得られた粉末を20%水酸化ナトリウム水溶液0.78gと水13.17gに溶解させることで精製ポリアミノ酸の10質量%水溶液を得た。
【0082】
(比較例4〜7)
参考として、グリセリン(比較例4)、重量平均分子量100万のヒアルロン酸ナトリウム(比較例5)、重量平均分子量5000の低分子量ヒアルロン酸ナトリウム(比較例6)、乳酸アンモニウム(比較例7)の10質量%水溶液(20%水酸化ナトリウム水溶液で調製)を作製した。
【0083】
上記実施例及び比較例で調製した各10質量%水溶液を用いて所定濃度の水溶液を調製し、皮膚角層における保湿性評価、並びに皮膚に塗布した際の使用感評価を行った。保湿性評価及び使用感評価の結果をそれぞれ表1及び表2に示す。
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】

【0086】
尚、本実施例、比較例の各評価は以下の方法で行った。
【0087】
(赤外吸収スペクトル)
反応生成物の水溶液をPETフィルム上に広げ、55℃で乾燥させることによって得られた皮膜の赤外吸収スペクトルを、パーキンエルマー株式会社製Spectrum One FT−IR Spectrometerを用いて測定した。
【0088】
(皮膚角層における保湿性評価)
評価に先だって、各実施例と比較例で得た10質量%水溶液から、試料として1質量%、0.1質量%、及び0.01質量%の水溶液を調製した。被験者の前腕屈側部の評価部位(2cm×2cm)を洗浄し、馴化させた後、角層水分量を測定した(この水分量を以下、「適用前水分量」という)。同評価部位に10μLの上記試料を塗布し、5時間静置した後、洗浄、馴化させて、再び角層水分量を測定した(この水分量を以下、「適用後水分量」という)。
【0089】
そして、適用後水分量を適用前水分量で割った値を指標として、各試料の保湿性を評価した。この値が大きいほど、皮膚角層に対して高い保湿効果を与えるものであり、保湿性能に優れることを示す。尚、角層水分量はSKICON−200EX(アイ・ビイ・エス株式会社製)を用いて測定した。
【0090】
(皮膚に塗布した際の使用感評価)
評価に先だって、各実施例と比較例で得た10質量%水溶液から、試料として1質量%水溶液を調製した。上記各試料を5人の被験者の前腕屈側部に塗布し、水溶液由来の水分が乾くまでの使用感(塗布時のなじみ感、塗布時のベタ付き、乾燥後のベタ付き及び乾燥後の滑らかさ)を、各被験者が以下に示す評価基準に従って判断した。
[評価基準]
2 :非常に良い
1 :良い
0 :普通
−1:やや悪い
−2:悪い
この評価基準による各被験者の評価の平均値を算出し、平均値が1以上〜2以下の場合を非常に良い(◎)、0以上〜1未満の場合を良い(○)、−1以上〜0未満の場合をやや悪い(△)、−2以上〜−1未満の場合を悪い(×)と判定し、その結果を次の表2に示す。
【0091】
(ポリアミノ酸の数平均重合度測定)
水系のゲル浸透クロマトグラフィーを用いて以下の条件で測定した数平均分子量からポリアミノ酸の数平均重合度を算出した。
・カラム:Shodex OHpak SB806M−HQ及びOHpak SB802−HQの2本直列
・移動相:0.1mol/L塩化ナトリウム及び0.01mol/L尿素水溶液
・流量:1mL/min
・カラム温度:37℃
・検出器:RI
・換算:プルラン
尚、測定には昭和電工株式会社製GPCsystem−21Hを用いた。
【0092】
表1から明らかなように、実施例1〜12は親水性アミノ酸と中性アミノ酸とを含むアミノ酸単量体単位で構成されるポリアミノ酸と、ヒドロキシ酸アンモニウム塩とを含む化粧料組成物であるので、汎用的な保湿剤(比較例4〜7)やポリアミノ酸単独(比較例3)に比べて、角層水分量を増加させる効果が十分に高かった。加えて、親水性アミノ酸または中性アミノ酸単位のみで構成されるポリアミノ酸を含有する比較例1及び2よりも、実施例1〜12の方が保湿効果が高く、保湿性能に優れることがわかった。
【0093】
また、表2から明らかなように、各実施例の化粧料組成物は、皮膚に使用したときにベタ付きが少なく、ヒアルロン酸ナトリウム(比較例5、6)に匹敵する使用後の肌の滑らかさを皮膚に与え、皮膚へのなじみも良好であった。以上より、本発明の化粧料組成物は、高い保湿性能を有すると共に皮膚への使用感にも優れるものであることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親水性アミノ酸と中性アミノ酸とを含むアミノ酸単量体が重合されてなるポリアミノ酸と、ヒドロキシ酸アンモニウム塩とを含むことを特徴とする化粧料組成物。
【請求項2】
前記親水性アミノ酸がアスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン及びリジンの群から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項3】
前記中性アミノ酸がアラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、バリン、グリシンの群から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料組成物。
【請求項4】
前記ポリアミノ酸が、前記親水性アミノ酸及び前記中性アミノ酸を含むアミノ酸単量体と、ヒドロキシ酸アンモニウム塩とを準備し、前記ヒドロキシ酸アンモニウム塩の存在下、このヒドロキシ酸アンモニウム塩の融解温度以上の温度で前記アミノ酸単量体を重縮合して得られることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項5】
前記ヒドロキシ酸アンモニウム塩が乳酸アンモニウムを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項6】
親水性アミノ酸及び中性アミノ酸を含むアミノ酸単量体と、ヒドロキシ酸アンモニウム塩とを準備し、前記ヒドロキシ酸アンモニウム塩の存在下、このヒドロキシ酸アンモニウム塩の融解温度以上の温度で前記アミノ酸単量体を重縮合する工程を含むことを特徴とする化粧料組成物の製造方法。
【請求項7】
前記親水性アミノ酸がアスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン及びリジンの群から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項6に記載の化粧料組成物の製造方法。
【請求項8】
前記中性アミノ酸がアラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、バリン、グリシンの群から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の化粧料組成物の製造方法。
【請求項9】
前記ヒドロキシ酸アンモニウム塩が乳酸アンモニウムを含むことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の化粧料組成物の製造方法。

【公開番号】特開2013−112627(P2013−112627A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258677(P2011−258677)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000166683)互応化学工業株式会社 (57)
【Fターム(参考)】