説明

化粧料組成物

【課題】 化粧品等の抗菌剤として利用されるパラベン類に対して、アレルギー反応を起こす人が増加する中、パラベン類の代わりにアルキルグリセリルエーテルを使用することが提案されている。しかし、アルキルグリセリルエーテルの抗菌性はその種類によって大きく違うため、最も効果的に効果を発揮するアルキルグリセリルエーテルを提供することにある。
【解決手段】 本発明の化粧料組成物は、アルキルグリセリルエーテルの中でも最も効果のある2−エチルヘキシルグリセリルエーテルを配合したものである。2−エチルヘキシルグリセリルエーテルは、他のアルキルグリセリルエーテルに比べその抗菌力が大きいため、パラベンと同等以上の抗菌力を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料には様々な成分が、乳化剤や保湿剤、殺菌剤等の効果を期待して使用されている。しかし、従来使用されている化合物の中には、例えば、パラベン類等の殺菌剤のように、人体に対して安全性が高くない化合物も存在している。そこで、人体に対して安全性の高い化合物としてアルキルグリセリルエーテルが注目され、乳化剤、保湿剤、抗菌剤等の用途で広く化粧料に使用されてきた(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
しかしながら、アルキルグリセリルエーテルは、アルキル基の違いによってその性能が大きく変化するため、化粧料に使用するのに最適なアルキル基を持つアルキルグリセリルエーテルが求められていた。
【0004】
【特許文献1】特開平12−191488
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、化粧料に最も適したアルキルグリセリルエーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者等鋭意検討し、特定のアルキル基を持つアルキルグリセリルエーテルに、特異的な性能を見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルを使用した化粧料組成物である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の効果は、化粧料に最も適したアルキルグリセリルエーテルを提供したことにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明で使用できる2−エチルヘキシルグリセリルエーテルは、下記構造式(1)で表わされる化合物である。
【0009】
【化1】

【0010】
一般式(1)で表わされる化合物を製造する方法としては、公知のいずれの方法を用いてもよく、例えば、2−エチルヘキサノールとグリセリンを脱水縮合反応させる方法、2−エチルヘキシルクロライドや2−エチルヘキシルブロマイドとグリセリンを脱塩酸反応させる方法、2−エチルヘキサノールと1−クロロ−2,3−プロパンジオールを脱塩酸反応させる方法、2−エチルヘキサノールとエピクロルヒドリンを反応させた後、得られた2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを加水分解する方法、2−エチルヘキサノールとグリシドールを反応させる方法、2−エチルヘキサノールとアリルクロライドを脱塩酸反応させた後、過酸化水素等で酸化させ、得られた2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを加水分解する方法等が挙げられる。また、グリセリンを使用する反応においては、グリセリンを低級脂肪酸で部分的にエステル化したものを使用して上記の反応を行い、反応終了後にケン化する方法や、グリセリンの部分ケタール化物を使用して上記の反応を行い、反応終了後にケタールをはずす方法を行えば、純度の高いものが得られる。
【0011】
これらの中でも、副生成物が少なく、工業的に製造しやすいことから、2−エチルヘキサノールとエピクロルヒドリンを反応させた後、得られた2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを加水分解する方法で製造するのが好ましい。
【0012】
上記のような方法で製造された2−エチルヘキシルグリセリルエーテルは、いずれの方法で製造したものにも不純物や副生成物が含まれる。不純物や副生成物の中には、例えば、2−エチルヘキサノールやグリセリン等の原料の残りや、2−エチルヘキシルポリグリセリルエーテル等の重合物、不快な臭いの原因となる微量成分等が挙げられる。これらの不純物や副生成物は除去することが好ましく、例えば、蒸留、再結晶、減圧による除去、吸着処理、水や有機溶剤との共沸等の方法で除去することができる。
【0013】
これらの不純物や副生成物の中でも、不快な臭いの原因となる微量成分の除去が最も難しい。化粧料に配合する場合、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルに不快な臭いがあっても、香料等で臭いをマスキングすることにより問題なく使用することもできるが、近年は無香料の化粧料も多く、不快な臭いの原因となる微量成分を除去することが好ましい。
【0014】
不快な臭いの原因となる微量成分を除去する方法としては、例えば、蒸留、再結晶、減圧による除去、吸着処理、水や有機溶剤との共沸等の方法が挙げられるが、これらの微量成分は除去することが難しいため、これらの方法を繰り返して行うか、複数の方法を組み合わせて行うことが好ましい。
【0015】
本発明で使用できる2−エチルヘキシルグリセリルエーテルは、本発明の化粧料組成物に対して、0.001〜30質量%添加することができるが、好ましくは0.005〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%、更に好ましくは0.05〜3質量%である。
【0016】
アルキルグリセリルエーテルは主に、乳化剤、湿潤剤(保湿剤)、殺菌剤として、いずれか1つ、若しくは2つ以上の効果を期待して化粧料に添加されていることが多いが、その他に、泡安定剤、増泡剤、低温安定性向上剤等の効果を期待して使用されることもある。
【0017】
乳化剤は、例えば、乳液、美容液、クリーム等の乳化を必要とする化粧料に使用されるが、アルキルグリセリルエーテルを乳化剤として使用した場合、アルキル基の炭素数が8未満の場合は乳化能力が弱くなり、炭素数が8より大きくなるにしたがって乳化能力が弱くなるのに加え、水への溶解度が小さくなるため経時での製品安定性が悪くなる。また、炭素数が8の直鎖のアルキル基は、分岐のアルキル基と比較して融点が高くなるため、経時での製品安定性が悪くなる。よって乳化剤としては炭素数8の分岐のアルキル基が最も良好な性能を示し、中でも2−エチルヘキシル基は工業的に安価であるため、アルキルグリセリルエーテル系の乳化剤としては、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルが最も良好な乳化剤である。
【0018】
湿潤剤は、例えば、クリーム、ローション、化粧水等のスキンケア製品に使用されるが、アルキルグリセリルエーテルを湿潤剤として使用した場合、アルキル基の炭素数が8未満の場合はべたつき感が出てしまい、炭素数が8より大きくなると湿潤剤としての効果が少なくなる。また、炭素数が8の直鎖のアルキル基は、分岐のアルキル基と比較して融点が高くなるため、経時での製品安定性が悪くなる。よって湿潤剤としては炭素数8の分岐のアルキル基が最も良好な性能を示し、中でも2−エチルヘキシル基は工業的に安価であるため、アルキルグリセリルエーテル系の湿潤剤としては、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルが最も良好な湿潤剤である。
【0019】
殺菌剤は、意図して殺菌剤を使用しない製品を除いて、全ての化粧料に使用されるが、アルキルグリセリンエーテルを殺菌剤として使用した場合、アルキル基の炭素数が8のものが、最も高い殺菌能力を示す。また、炭素数が8の直鎖のアルキル基は、分岐のアルキル基と比較して融点が高くなるため、経時での製品安定性が悪くなる。よって殺菌剤としては炭素数8の分岐のアルキル基が最も良好な性能を示し、中でも2−エチルヘキシル基は工業的に安価であるため、アルキルグリセリルエーテル系の殺菌剤としては、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルが最も良好な殺菌剤である。
【0020】
また、泡安定剤、増泡剤、低温安定性向上剤等の用途においても、2−エチルヘキシルグリセリンエーテルは良好な性能を示すことから、アルキルグリセリルエーテルを化粧料に使用する場合は、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルを使用するのが最適である。
【0021】
本発明の化粧料とは、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルを含有した化粧料である。こうした化粧料としては、例えば、洗顔クリーム、洗顔フォーム、クレンジングクリーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、マッサージクリーム、コールドクリーム、モイスチュアクリーム、日焼け止めクリーム、養毛剤、ヘアクリーム、ヘアリキッド、セットローション、ヘアブリーチ、カラーリンス、パーマネントウェーブ液、ハンドクリーム、口紅、各種パック、ファンデーション、化粧水、化粧液、乳液、オーデコロン、爪用化粧品、シャンプー、リンス等が挙げられる。これらの中でも、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルの人体への安全性が高いことから、洗顔クリーム、洗顔フォーム、クレンジングクリーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、マッサージクリーム、コールドクリーム、モイスチュアクリーム、日焼け止めクリーム、ハンドクリーム、口紅、各種パック、ファンデーション、化粧水、化粧液、乳液等のスキンケア製品が好ましい。2−エチルヘキシルグリセリルエーテルの配合量は、使用する用途によって変わるが、これらの化粧料に対して、0.001〜30質量%であり、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%である。
【0022】
本発明の化粧料には、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば、皮膚に塗布した場合に何らかの生理活性を与える物質(美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、血行促進剤、多価アルコール又は糖類以外の保湿成分、乾燥剤、冷感剤、温感剤、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等)、界面活性剤、油剤、粉体(顔料、色素、樹脂)、フッ素化合物、粘剤、防腐剤、香料、抗菌剤、殺菌剤、塩類、溶媒、保湿剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤等の成分を適宜配合することができる。
【0023】
生理活性を与える物質としては、動植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分等の天然由来成分の生理活性成分が挙げられ、例えば、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、油溶性甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プラセンタエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。これらの中には香料として使用できるものもある。
【0024】
また、天然由来成分等の好ましい生理活性成分の具体例としては、デオキシリボ核酸、ラフィノース、ムコ多糖類、ヒアルロン酸又はヒアルロン酸ナトリウム等のその塩、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子;アミノ酸、ザルコシン、N−メチル−L−セリン等のアミノ酸誘導体;エチルグルコース、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ等の多価アルコール又は糖類以外の保湿成分;スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質等の油性成分;ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤;ビタミンA,B2,B6,D、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンE等のビタミン類;アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロ酢酸、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分;カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤;α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、メバロン酸等の細胞賦活剤、γ−オリザノール等の血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤;アスコルビン酸類、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤;セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコルチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤、βグルカン等が挙げられる。
【0025】
上記のアスコルビン酸類としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸硫酸エステル、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸高級脂肪酸エステル、及びそれらの塩である。それらの塩とは、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩等が挙げられる。上記のアスコルビン酸硫酸エステルとしては、例えば、アスコルビン酸−2−硫酸エステル、アスコルビン酸−3−硫酸エステルであり、アスコルビン酸リン酸エステルとしては、例えば、アスコルビン酸−2−リン酸エステル、アスコルビン酸−3−リン酸エステルであり、これらは公知の物質であって特公昭44−31237号公報、特公昭54−21415号公報に記載されている。また、アスコルビン酸高級脂肪酸エステルとしては、例えば、アスコルビン酸−2−パルミチン酸モノエステル、アスコルビン酸−2,6−パルミチン酸ジエステル、アスコルビン酸−2−ステアリン酸エステル等である。
【0026】
上記した皮膚に塗布した場合に何らかの生理活性を与える成分の本発明の化粧料組成物への配合量は、その活性成分の効果発現濃度によるが、本発明の化粧料組成物全量に対して、0.01〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜50重量%である。これらの生理活性を与える成分と2−エチルヘキシルグリセリルエーテルを配合すると、相乗効果により、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルの持つ殺菌・抗菌効果を上げる場合もある。
【0027】
界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、硫化オレフィン塩、高級アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、硫酸化脂肪酸塩、スルホン化脂肪酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、グリセライド硫酸エステル塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩、スルホコハク酸エステルの塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸塩、N−アシル−N−メチルタウリンの塩、N−アシルグルタミン酸又はその塩、アシルオキシエタンスルホン酸塩、アルコキシエタンスルホン酸塩、N−アシル−β−アラニン又はその塩、N−アシル−N−カルボキシエチルタウリン又はその塩、N−アシル−N−カルボキシメチルグリシン又はその塩、アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、及びアルキル又はアルケニルアミノカルボキシメチル硫酸塩等が挙げられる。このようなアニオン性界面活性剤の塩の対イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウム;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、モノイソプロパノールアンモニウム、ジイソプロパノールアンモニウム、トリイソプロパノールアンモニウム等の有機アンモニウム等が挙げられる。
【0028】
上記高級脂肪酸塩としては、炭素数12〜18の脂肪酸の塩が好ましく、ヤシ油脂肪酸塩、ドデカン酸塩、テトラデカン酸塩、ヘキサデカン酸塩、オレイン酸塩が更に好ましい。同様に、高級アルキル硫酸エステル塩としては、アルキルが炭素数10〜18のものが好ましく、炭素数12〜16のものが更に好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、アルキルが炭素数10〜18のものが好ましく、炭素数12〜16のものが更に好ましい。又、ポリオキシエチレン基の平均重合度は、1〜12が好ましく、2〜10がよりに好ましく、3〜8が更に好ましい。
【0029】
又、ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(アルキル又はアルケニル)エーテル(エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加形態は、ランダム状、ブロック状の何れでもよい。)、ポリエチレングリコールプロピレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸モノエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸−N−メチルモノエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸ジエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキル(ポリ)グリセリンエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸メチルエステルエトキシレート、N−長鎖アルキルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0030】
カチオン界面活性剤としては、例えば、下記の一般式(2)で表わされる化合物が挙げられる。
【0031】
【化2】

(R1〜R4はそれぞれ独立した、水酸基、エステル基、アミド基、エーテル基を含んでもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表わし、Xは陰イオンを表わす。)
一般式(2)において、R1〜R4はそれぞれ独立した、水酸基、エステル基、アミド基、エーテル基を含んでもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表わす。これらの炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、2級ブチル基、ターシャリブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2級ペンチル基、ネオペンチル基、ターシャリペンチル基、ヘキシル基、2級ヘキシル基、ヘプチル基、2級ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、2級オクチル基、ノニル基、2級ノニル基、デシル基、2級デシル基、ウンデシル基、2級ウンデシル基、ドデシル基、2級ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、2級トリデシル基、テトラデシル基、2級テトラデシル基、ヘキサデシル基、2級ヘキサデシル基、ステアリル基、エイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、トリアコンチル基、2−ブチルオクチル基、2−ブチルデシル基、2−ヘキシルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルデシル基、2−ヘキシルドデシル基、2−オクチルドデシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、イソペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、オレイル基等のアルケニル基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等のアリール基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、メチルシクロヘプテニル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
【0032】
又、水酸基を含む基としては、上記のアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基の1つ又は2つ以上の水素原子を水酸基で置換した基が挙げられ、例えば、エタノール基、n−プロパノール基、イソプロパノール基、n−ブタノール基、2級ブタノール基、t−ブタノール基、フェノール基等が挙げられる。
【0033】
又、エステル基やアミド基を含む基としては、例えば、−R5OCOR6、−R7COOR8、−R9NHCOR10、−R11CONHR12で表わされる基が挙げられる(R5〜R12は炭化水素基)。
【0034】
5、R7、R9、R11は、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、例えば、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等が挙げられる。これらの中でも、原料の入手のし易さから、炭素数3〜4のアルキレン基がより好ましい。
【0035】
6、R8、R10、R12は、炭素数4〜20の脂肪族炭化水素基が好ましく、例えば、ブチル基、イソブチル基、2級ブチル基、ターシャリブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2級ペンチル基、ネオペンチル基、ターシャリペンチル基、ヘキシル基、2級ヘキシル基、ヘプチル基、2級ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、2級オクチル基、ノニル基、2級ノニル基、デシル基、2級デシル基、ウンデシル基、2級ウンデシル基、ドデシル基、2級ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、2級トリデシル基、テトラデシル基、2級テトラデシル基、ヘキサデシル基、2級ヘキサデシル基、ステアリル基、エイコシル基等のアルキル基;イソブテニル基、ペンテニル基、イソペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、オレイル基等のアルケニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、メチルシクロヘプテニル基等のシクロアルキル基やシクロアルケニル基が挙げられる。また、Xは陰イオンを表わし、Xがクロル原子やブロム原子等のハロゲン原子、水酸基、モノメチル硫酸、モノエチル硫酸のいずれかが好ましく、ハロゲン原子がより好ましく、クロル原子が更に好ましい。
【0036】
更に、両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン系活性剤、アミドベタイン系活性剤、スルホベタイン系活性剤、ヒドロキシスルホベタイン系活性剤、アミドスルホベタイン系活性剤、ホスホベタイン系活性剤、イミダゾリニウムベタイン系活性剤、アミノプロピオン酸系活性剤、アミノ酸系活性剤等が挙げられる。より具体的には、例えば、N−デシルベタイン、セチルベタイン、ステアリルベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドメチルベタイン、ミリスチン酸アミドメチルベタイン、パルミチン酸アミドメチルベタイン、ステアリン酸アミドメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミノメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、ミリスチルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルアミノメチル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−スルホプロピルベタイン、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−カルボキシメチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N',N'−ビス(カルボキシエチル)エチレンジアミン、N−ラウロイル−N'−カルボキシメチル−N'−カルボキシメトキシエチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N'−カルボキシエチル−N'−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン、N−ラウロイル−N'−カルボキシエトキシエチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N'−カルボキシエチル−N'−カルボキシエトキシエチルエチレンジアミン、2−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等を挙げることができる。
【0037】
これらの界面活性剤は、洗浄、乳化、分散、湿潤、消泡、潤滑、抗菌等の効果を期待して添加されるが、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルと併用することによって、例えば、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルの持つ殺菌効果を大きくしたり、界面活性剤の泡立ちをよくしたりする等の相乗効果がでる場合がある。これらの界面活性剤は、本発明の化粧料組成物全体に対して、0.01〜90質量%添加することが好ましく、0.1〜60質量%添加することがより好ましい。
【0038】
粉体の例としては、赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素;ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子;黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料;タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料;雲母チタン等のパール顔料;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩;シリカ、アルミナ等の無機粉体;ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状としては、球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等である。
【0039】
これらの粉体は、従来公知の表面処理、例えば、フッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
【0040】
これらの粉体の内、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、シリコーンゴム、ウレタンパウダー、ポリアルキルシルセスキオキサン、ナイロン、シリカビーズ、アルミナビーズ、アパタイト、アリル化アクリルビーズ等の球状粉体(中空樹脂粉末を含む)は、生理活性成分を保持し、徐放する効果に優れることから配合されていることが好ましい。これらの粉体は、本発明の化粧料組成物全体に対して、0.001〜60質量%添加することが好ましい。
【0041】
油剤としては、通常皮膚化粧料に用いられる揮発性及び不揮発性の油剤及び溶剤及び樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体であっても構わないが、ハンドリングに優れる液体が好ましい。油剤としては、例えば、セチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール;イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸;グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールや糖類;ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類;流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素;ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ;ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂;エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー等が挙げられる。
【0042】
また、上記とは別の油剤の例としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等のシリコーン化合物;パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール等のフッ素化合物が挙げられる。これらの油剤は、本発明の化粧料組成物全体に対して、0.1〜80質量%添加することが好ましい。
【0043】
溶媒としては、例えば、精製水、環状シリコーン、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【0044】
粘剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、セルロースエーテル、アルギン酸カルシウム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体、窒素置換アクリルアミド系ポリマー、ポリアクリルアミド、カチオン化ガーガム等のカチオン系ポリマー、ジメチルアクリルアンモニウム系ポリマー、アクリル酸メタクリル酸アクリル共重合体、POE/POP共重合体、ポリビニルアルコール、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、ガーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン、セルロース、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコール、カチオン化シリコーン重合体、合成ラテックス、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、βグルカン等が挙げられる。これらの粘剤は、本発明の化粧料組成物全体に対して、0.01〜10質量%添加することが好ましい。
【0045】
香料としては、例えば、イランイラン油、スペアミント油、サンダルウッド油、ローズ油、オレンジ油、ライム油、レモン油、レモングラス油等の植物精油、ムスク、シベット、アンバーグリス、カストリウム等の動物性香料、或いはアセトフェノン、アミルサリシレイト、ベンジルアセテート、ボロネオール、エウゲノール、ジェラニオール、α−ピネン、リモネン、ゲラニオール、ベチベロール、アニスアルコール、アニソール、n−オクチルアルデヒド、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、アニスアルデヒド、酢酸ボルニル、メチルセドリロン、メントン、メントール、サフロール、リナロール、メチルサリシレート、メチルフェニルグリシド酸エチル(アルデヒドC−16)等の公知の合成香料が挙げられる。これらの香料は、本発明の化粧料組成物全体に対して、0.0001〜0.1質量%添加することが好ましい。
【0046】
抗菌剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン系抗菌剤;オクタンジオール等のアルカンジオール系抗菌剤;チアベンダゾール、2−ベンツイミダゾリルカルバミン酸メチルプリベントール等のイミダゾール系抗菌剤;トリクロロカルバニリド、クロフルカルバン等のカーバニリド系抗菌剤;ベンゾチアゾール等のチアゾール系抗菌剤;デブコナゾール、カビノン等のトリアジン系抗菌剤;ヒノキチオール等の天然系抗菌剤;クロルヘキシジン塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアナイド等のビグアナイド系抗菌剤等が挙げられる。また、香料ではあるが抗菌性を持つ化合物も知られており、これら抗菌性をもつ香料としては、例えば、Anise、Bergamot、Bois de rose、Cananga、Cassia、Cedar wood、Cinnamon leaf、Clove、Eucalyptus、Geranium bourbon、Lavender、Lemon、Orange、Orris root、Palmarosa、Rose、Rosemary、Sandal wood、Spearmint、Thyme、White camphor、Winter green、Ylang ylang等の精油系香料、Acetophenone、Amylsalicylate、Anisaldehyde、Benzyl acetate、Borneol、Camphor、Cinnamic aldehyde、Citral、Citronellal、Citronellol、Coumarin、Eugenol、Geraniol、Heliotropine、α-Ionone、Isosafrol、Linalool、Linalyl acetate、Menthol、Methyl anthranilate、Methyl salicylate、Safrol、Thymol、Vanillin等の合成香料が挙げられる。本発明で使用できる2−エチルヘキシルグリセリルエーテルには殺菌効果があるため、他の殺菌剤を添加する必要はないが、より殺菌効果を高める必要がある場合は、これらの抗菌剤を、本発明の化粧料組成物全体に対して、0.001〜10質量%添加することが好ましい。
【0047】
保湿剤としては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ソルビトール、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、オクタンジオールに代表されるアルカンジオール、αオレフィンオキシドとグリセリン等のポリオールとの反応物等が挙げられ、上記保湿剤のアルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド等)付加物でもよい。これらの保湿剤は、本発明の化粧料組成物全体に対して、0.01〜60質量%添加することが好ましい。
【0048】
キレート剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸等のアルカリ金属塩もしくは低級アミン塩等のポリカルボン酸類;ニトリロトリ酢酸及びそのアルカリ金属塩、エチレンジアミン四酢酸及びそのアルカリ金属塩、エチレンジアミン二酢酸及びそのアルカリ金属塩、トリエチレンテトラミン六酢酸及びそのアルカリ金属塩等のアミノカルボン酸類;リンゴ酸、クエン酸、グリコン酸、グルコヘプトン酸等のオキシカルボン酸類及びそのアルカリ金属塩や低級アミン塩等が挙げられる。これらのキレート剤は、本発明の洗浄剤組成物に対して、0.01〜10質量%添加するのが好ましい。
【0049】
本発明の化粧料組成物には、紫外線防御効果を付与することも好ましい。この場合は、以下に示すような紫外線防御剤(紫外線吸収剤ともいう)を用いることが好ましい。紫外線防御剤の配合量としては、化粧料組成物全量に対して、0.005〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜40重量%である。
【0050】
紫外線防御剤(有機系、無機系を含む。UV−A、Bのいずれに対応していても構わない)としては、無機系では微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛等が挙げられる。有機系紫外線防御剤としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルPABA、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエタノールアミン、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、これらの高分子誘導体、シラン誘導体等が挙げられる。さらに、これらをポリマー中に封止したものでもよい。
【0051】
本発明の化粧料組成物としては、例えば、化粧水、乳液、スキンミルク、クリーム、軟膏、ローション、カラミンローション、サンスクリーン剤、サンタン剤、アフターシェーブローション、プレシェーブローション、化粧下地料、パック料、クレンジング料、洗顔料、アクネ対策化粧料、エッセンス等の基礎化粧料;ファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロー、チーク、口紅、ネイルカラー等のメイクアップ化粧料;シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアカラー、ヘアトニック、セット剤、整髪料、育毛料、ボディパウダー、デオドラント、脱毛剤、石鹸、ボディシャンプー、ハンドソープ、香水、歯磨き、口腔ケア製品、入浴剤等が挙げられる。
【0052】
本発明の皮膚化粧料の剤型は、特に限定されるものでなく、クリーム状、乳液状、ローション状、軟膏状、ジェル状、スプレー、ムース状、油中水型エマルション、水中油型エマルション、固型状、シート状、パウダー状等々の通常の医薬品、医薬部外品、化粧料の剤型に適用することができる。
【実施例】
【0053】
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。尚、以下の実施例等において%及びppmは特に記載が無い限り質量基準である。
(保湿性試験)
<試験方法>
被験者10人の左前腕部を石鹸洗浄した後、25℃、65%に保たれた恒温恒湿室に入ってもらい、30分後に洗浄した左前腕部の角質中の水分含量を高周波インピーダンスメーター(SKICON−100、IBS社製)を使用して電気伝導度で測定した。次に、表1内に示された物質の0.5%水溶液を調製し、左前腕部に1μl/cm2の条件で塗布し、60分後に塗布前と同条件で角質内の水分含量を測定した。塗布前後の角質内水分量の差を出して10人の平均値を出した。値が大きいほど皮膚に対する保湿効果が高いことを示す。
表1

【0054】
以上の結果より、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルは、他のグリセリルエーテルより高い保湿効果をしめした。また、公知の保湿剤である尿素やグリセリンより、高い保湿効果を示すこともわかった。
(抗菌性試験)
<試験方法>
ブイヨン培地で前培養した菌液を用いて、10レベルに調整した菌液を、0.27mlマイクロプレートに入れ、10240〜0.625μg/mlの間で各種濃度に調整した上記化合物を0.03ml添加してよく撹拌した。この混合溶液を37℃で24時間培養し、培養終了後、マイクロプレートの濁度を測定し、被験菌の生育を阻止した防腐剤の最低濃度を最小発育濃度(MIC)とした。MICが小さいほど抗菌性が高いことを示す。なお、使用した菌類は以下の通りであり、菌1〜菌4が細菌類、菌5と菌6が真菌類である。結果を表2に示した。
【0055】
菌1:Bacillus subtilis (枯草菌)
菌2:Escherichia coli (大腸菌)
菌3:Pseudomonas aeruginosa (緑膿菌)
菌4:Staphylococcus aureus (黄色ブドウ球菌)
菌5:Candida albicans (カンジタ菌)
菌6:Aspergillus niger (クロコウジカビ)
表2

【0056】
ND:評価濃度(細菌類:20000ppm以下、真菌類:5000ppm以下)で抗菌性を示さなかった。
【0057】
以上結果より、アルキルグリセリルエーテルの中でも炭素数8のアルキル基をもつものの抗菌性が高く、中でも、2-エチルヘキシル基を持つものは、既存の抗菌剤であるメチルパラベンと同等以上の結果を示した。
(配合試験)
本発明の化粧料組成物を配合し、10名のパネラーに使用してもらい、使用感を調査した。以下にその配合を記す。なお、配合比率の単位は質量%であり、それぞれの値は組成物全体に対する割合である。
<化粧水1>
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 0.30
水酸化カリウム 0.05
グリセリン 5.00
ジプロピレングリコール 3.00
パラアミノ安息香酸 0.01
ビタミンA 0.10
グルコース 0.10
ヒアルロン酸 0.01
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
アミノ酸類 1.00
コラーゲン 0.30
クエン酸 0.10
クエン酸ナトリウム 0.05
精製水 残部

<化粧水2>
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 0.30
ジプロピレングリコール 3.00
エタノール 5.00
ポリオキシエチレン(20)ラウリルエーテル 1.00
ポリオキシプロピレン(3)ポリオキシエチレ
ン(9)ラウリルエーテル 0.30
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 0.02
グルコース 3.00
ソルビトール 0.20
ヒアルロン酸 0.01
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
アミノ酸類 2.00
コラーゲン 0.20
クエン酸 0.10
精製水 残部

<クリーム1>
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 0.50
スクワラン 10.00
流動パラフィン 15.00
ワセリン 20.00
ポリオキシエチレン(20)ラウリルエーテル 4.00
モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビトール 2.00
パラアミノ安息香酸 0.30
パルミチン酸セチル 4.00
ラノリン 3.00
ソルビトール 3.00
コラーゲン 2.00
ステアリン酸マグネシウム 0.20
精製水 残部

<クリーム2>
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 1.00
ポリグリセリンオレイン酸エステル 5.00
ポリオキシエチレン(20)ラウリルエーテル 1.00
トリカプリン酸グリセリル 4.50
トリカプリル酸グリセリル 4.50
セタノール 0.80
トコフェノール 0.05
スクワラン 4.00
グリセリン 10.00
酸化チタン 5.00
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 10.00
アルギニン 2.00
1、3−ブチレングリコール 5.00
精製水 残部

<乳液>
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 0.50
ステアリン酸 3.50
セタノール 0.50
ラノリン 0.50
流動パラフィン 3.00
スクワラン 2.00
トリエタノールアミン 0.80
ジプロピレングリコール 3.00
ソルビトール 2.00
カルボキシビニルポリマー1%液 8.00
ヤシジエタノールアミド 1.00
ヒアルロン酸ナトリウム 0.20
アミノ酸類 0.50
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
トコフェノール 0.03
精製水 残部

<ファンデーション>
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル 1.05
タルク 45.00
セリサイト 15.00
酸化チタン 10.00
ナイロンパウダー 10.00
流動パラフィン 2.00
ミリスチン酸オクチル 3.50
イソステアリン酸ソルビタン 0.50
セタノール 4.00
ジメチルポリシロキサン 9.00

配合した化粧料を10人のパネラーが使用したが、いずれも問題なく使用できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−エチルヘキシルグリセリルエーテルを含有した化粧料組成物。
【請求項2】
不快な臭いの原因となる微量成分を除去した2−エチルヘキシルグリセリルエーテルを含有した化粧料組成物。
【請求項3】
化粧料組成物に対して、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルの添加量が0.001〜30質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料組成物。


【公開番号】特開2007−84464(P2007−84464A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−273135(P2005−273135)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(000000387)株式会社ADEKA (987)
【Fターム(参考)】