説明

化粧料

【課題】 紫外線による紅斑、日焼け肌荒れの抑制改善効果に優れた化粧料を提供する。
【解決手段】 ヘチマ水とゲンチアナ抽出物を配合することにより紫外線による紅斑、日焼け肌荒れの抑制改善効果および使用感の良好な化粧料を得た

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヘチマ水とゲンチアナ抽出物を含有し、紫外線による紅斑、日焼け、肌荒れの抑制、改善効果に優れ、かつ良好な使用感を有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚は紫外線を浴びると一時的に紅斑と呼ばれる炎症が発生し、これが消失した後、日焼けを生成することが知られている。この紫外線による紅斑は皮膚の健常な生理現象であるが、必要以上の紫外線を浴びるとしばしば炎症を起こし、肌のトラブルの原因となる。表皮においては肌荒れによるかさかさ感、ヒリヒリ感、痛みなどの症状が起こり、ターンオーバーの異常、角層水分保持能の低下などの現象が見られる。これら皮膚のトラブル改善のため、消炎効果をもつ酸化亜鉛、グリチルリチン酸、アロエエキスなどや、保湿効果のあるヒアルロン酸、ヘチマ水などを配合した化粧料が開発されてきた。なかでもヘチマ水は、古くから種々に応用されており、肌荒れを防止、改善する化粧料が開発されてきた。しかしながら、ヘチマ水は単独配合では満足な保湿効果が得られないことが知られている。そのため、特開平10−279427号公報にはヘチマ水に酵母エキスを加えることで皮膚に対する保湿効果が強化されると記載されている。一方、ゲンチアナ抽出物は抗炎症効果をもつと特許1331358号に記載されているが、保湿力が十分でなく、肌荒れの改善効果は満足いくものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、紫外線による皮膚の紅斑や日焼けを抑制し、かつ皮膚の肌荒れを改善する化粧料を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ヘチマ水とゲンチアナ抽出物の両者を含有する製剤が紫外線による炎症を効果的に抑制し、皮膚に対する保湿効果により肌荒れを効果的に改善させ、それらの効果が相乗的に現れることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、ヘチマ水とゲンチアナ抽出物の両者を配合する化粧料を提供するものである。以下、本発明を詳しく説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いるヘチマ水はウリ科(Cucurbitaccae)のヘチマの実または茎から浸出する液汁であり、公知の方法により採取する。本発明におけるヘチマ水の配合量は、組成物全量中の5〜95重量%、好ましくは5〜70重量%、さらに好ましくは5〜30%である。ヘチマ水の配合量が5重量%に満たないと十分な保湿性が発現せず、一方95重量%を超えて配合すると組成物に対して好ましくない影響をあたえる。
【0006】本発明に用いるゲンチアナ抽出物はリンドウ科の多年草ゲンチアナ(Gentiana lutea )を常法により抽出することによって得られる。ゲンチアナは花・茎・葉・根のいずれを用いてもよい。抽出溶媒としては、水やエタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなど有機溶剤が使用できる。ゲンチアナ抽出物の配合量は、0.0001〜30重量%、好ましくは0.01〜20重量%、さらに好ましくは1%〜10%である。
【0007】本発明の化粧料は、軟膏、乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パウダー、パック、化粧水、美容液、クレンジング、スプレー等任意の製剤として提供できる。本発明の化粧料には、必要に応じて、抗炎症剤、酸化防止剤、紫外線吸収素材あるいは紫外線散乱剤、美白剤、油剤、界面活性剤、動物エキス、植物エキス、コラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、多価アルコールやアミノ酸などの水溶性保湿剤、pH調整剤、増粘剤、着色剤、香料、防腐剤、キレート剤、界面活性剤などを発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0008】
【実施例】つぎに、実施例および比較例をあげて、本発明をさらに詳しく説明する。言うまでもなく本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、また、特にことわらない限り[%]は重量%を示す。
【0009】紫外線紅斑抑制試験Hartley系モルモット(雌)の背部を剃毛して紫外線(UVB強度:5J/cm2)を照射した。つぎに、それぞれの照射部位に比較例1〜3もしくは実施例1のジェルを塗布し、翌日、色差計(ミノルタCR−200)を用いて赤み(a)を測定し、照射前の赤み(a)を差し引き、赤みの変化(Δa)を算出した。サンプル未塗布のときのΔaを100%とし、各比較例、実施例の紅斑度を求めた。また、目視により次の基準で紅斑抑制を判定した。
○:紅斑を抑制した△:わずかに紅斑を抑制した×:紅斑を抑制しなかった
【0010】
【表1】


【0011】
実施例2 化粧水(成分) 配合量(%)
エタノール 8.0濃グリセリン 10.01,3−ブチレングリコール 5.0ヒアルロン酸ナトリウム 0.2ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60.E.O.) 0.6ヘチマ水 70.0ゲンチアナ抽出物 1.0アラントイン 0.01香料 0.15パラオキシ安息香酸メチル 0.1クエン酸 0.06クエン酸ナトリウム 0.08精製水 残部合計 100.0
【0012】
実施例3 クリーム(成分) 配合量(%)
濃グリセリン 8.01,3−ブチレングリコール 5.0モノステアリン酸ポリグリセリル 3.5親油性モノステアリン酸グリセリル 2.5ヘチマ水 40.0ゲンチアナ抽出物 1.0ステアリン酸 1.5スクワラン 12.0マカデミアナッツ油 1.0パルミチン酸イソプロピル 4.0メチルポリシロキサン 0.3セタノール 2.0L−アルギニン 0.2シクロデキストリン 0.01香料 0.2パラオキシ安息香酸メチル 0.3パラオキシ安息香酸プロピル 0.1精製水 残部合計 100.0
【0013】
実施例4 乳液(成分) 配合量(%)
ポリエチレングリコール400 5.01,3−ブチレングリコール 5.0カルボキシビニルポリマー 0.2自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1.4モノステアリン酸 ポリオキシエチレンソルビタン(20EO) 1.5ヘチマ水 50.0ゲンチアナ抽出物 1.0ステアリン酸 1.0セタノール 0.3オリブ油 5.0植物性スクワラン 2.0水酸化カリウム 0.2香料 0.1パラオキシ安息香酸メチル 0.3精製水 残部合計 100.0実施例2〜4についても、それぞれ紫外線紅斑抑制効果が認められた。
【0014】
【発明の効果】本発明の化粧料はすぐれた保湿効果により、紫外線による紅斑および日焼けを抑制し、かつ紫外線によって発生する肌荒れの改善効果に著しく優れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヘチマ水及びゲンチアナ抽出物を配合することを特徴とする化粧料。
【請求項2】 ヘチマ水の配合量が5〜95重量%である請求項1の化粧料。

【公開番号】特開2001−233752(P2001−233752A)
【公開日】平成13年8月28日(2001.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−42242(P2000−42242)
【出願日】平成12年2月21日(2000.2.21)
【出願人】(000106324)サンスター株式会社 (200)
【Fターム(参考)】