説明

化粧料

【課題】 本発明の課題は、安全性が高く、また皮膚、粘膜に対しての刺激が少なく、かつ皮膚に潤いを与えると共に皮膚を滑らかにする作用や毛髪保護作用等を有する化粧料を提供する。
【解決手段】 蜂蜜由来タンパク質または蜂蜜由来タンパク質加水分解物を使用した化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蜂蜜由来タンパク質または蜂蜜由来タンパク質加水分解物を使用した化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
蜂蜜はミツバチが各種の花から吸い集めた甘みの強い物質であり、組成的には糖質が約80%程度と最も多く、約20%の水分を含むほか、およそ0.2%程度のタンパク質及び0.1%程度の灰分が含まれている。このわずかに含まれるタンパク質は蜂蜜の透明度を低下させることや、飲料に蜂蜜を添加する際に澱を生じることから、多くの蜂蜜では除去されている。蜂蜜自体は全世界で日常的に食されているほか、化粧品分野(非特許文献1)にも利用されているのに対し、この蜂蜜由来タンパク質はこれまでほとんど利用されることが無く、廃棄されているのが現状である。一方、新規で安全性の高い有効な保湿剤、皮膚保護剤、毛髪保護剤、美白剤、コラーゲン産生促進剤が求められている。ここで、コラーゲン産生促進剤とは繊維芽細胞に働きかけ、細胞が産生するコラーゲン量を増大させる効果を有する剤のことをいう。コラーゲン産生促進剤を化粧料に配合することにより、たるみ、しわを防止し、ハリのある肌を維持することが可能となる。皮膚保護剤とは、刺激物質が皮膚に与える刺激を緩和する剤のことを言う。また毛髪保護剤とは、刺激物質が毛髪に与える刺激を緩和する剤のことを言う。
【0003】
【非特許文献1】日本公定書協会編「化粧品原料基準 第二版注解」p.780〜782、薬事日報社発行(1984)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、新規で安全性の高い有効な保湿剤、皮膚保護剤、毛髪保護剤、美白剤、コラーゲン産生促進剤等の化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記目的を達成するために利用方法・作用の検討、追求を試み鋭意研究を進めた結果、蜂蜜由来タンパク質あるいは蜂蜜由来タンパク質加水分解物は、皮膚に有効な成分を多く含むと同時に高い安全性を有し、さらに保湿作用、皮膚保護作用、毛髪保護作用、美白作用、コラーゲン産生促進作用を有し、化粧品組成物に応用することが非常に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は蜂蜜由来タンパク質を含有することを特徴とする化粧品組成物である。
【0007】
さらに、本発明は蜂蜜由来タンパク質加水分解物を含有することを特徴とする化粧品組成物である。
【0008】
上記化粧品組成物としては、例えば保湿剤、毛髪保護剤、皮膚保護剤、コラーゲン産生促進剤、美白剤等が挙げられる。
【0009】
さらに、本発明は蜂蜜由来タンパク質を保湿剤、毛髪保護剤、コラーゲン産生促進剤または美白剤の成分として含有することを特徴とする化粧品組成物である。
【0010】
さらに、本発明は蜂蜜由来タンパク質加水分解物を保湿剤、毛髪保護剤、コラーゲン産生促進剤または美白剤の成分として含有することを特徴とする化粧品組成物である。
【0011】
上記蜂蜜由来タンパク質としては、例えば蜂蜜から限外ろ過法により調製されたものが使用され、さらに、上記蜂蜜由来タンパク質加水分解物は前記蜂蜜から限外ろ過法により調製されたタンパク質を加水分解したものが使用される。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、安全性が高く、また皮膚、粘膜に対しての刺激が少なく、かつ皮膚に潤いを与えると共に皮膚を滑らかにする作用や毛髪保護作用を有する化粧料を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の化粧料の有効成分である蜂蜜由来タンパク質は、蜂の種類にかかわらず蜂蜜中のタンパク質を含有する物質であれば特に限定されないが、蜂蜜の精製過程でタンパク質を限外ろ過法により除去する際に排出されるろ液を原料として使用するのが、タンパク含量が高く、不純物を含まない点から好ましい。ここで得られる限外ろ過法により排出される液は甘水と呼ばれ、甘水中には、タンパク質が通常0.3〜0.6%程度含まれる。タンパク質濃度をさらに高めるには、限外ろ過法、タンニンなどの薬品を添加してタンパク質を凝集させる凝集法などを用いる。その濃縮方法は特に限定されないが、化粧料に使用する際に、不純物が混合しない限外ろ過法を使用するのが好ましい。限外ろ過法は、通常、溶液中の高分子物質と低分子物質を分離する方法であり、分離のために分離膜としてセラミック製、合成高分子製、天然高分子製の膜状物質を用いている。本法で使用される限外ろ過法は特に限定されないが、分画分子量3000〜100000の分離膜を使用することが好ましく、分画分子量5000〜30000の分離膜を使用することが特に好ましい。蜂蜜をこの限外ろ過装置に通すことにより、低分子物質は膜を通過するが、タンパク質などの高分子物質は膜を通過せず、濃縮されることになる。限外ろ過操作は繰り返し実施してタンパク質濃度を高めることが可能であり、濃縮後のタンパク質含量は好ましくは0.5 %〜20%であり、特に好ましくは1%〜10%である。限外ろ過法で濃縮された蜂蜜由来タンパク質はそのままでも化粧品として使用できる。また、化粧品用の保湿剤、毛髪保護剤、皮膚保護剤、コラーゲン産生促進剤、美白剤として使用することができる。
【0014】
この蜂蜜由来タンパク質は、さらに加水分解することにより、水に対する溶解性を高めて使用することができる。蜂蜜由来タンパク質の加水分解はプロテアーゼなどのタンパク質加水分解酵素、塩酸、硝酸、硫酸などの酸溶液で行うことが可能であり、特に限定されないが、例えばプロテアーゼで加水分解する場合は、水に分散・溶解した蜂蜜由来タンパク質に、市販のアルカリプロテアーゼ、中性プロテアーゼまたは酸性プロテアーゼを加えて、pH調整後、酵素反応に適した温度で反応させることにより蜂蜜由来タンパク質加水分解物を得ることができ、さらに酵素反応後に不溶解分を除去して、蜂蜜由来タンパク質加水分解物を得る。
【0015】
ここで得られた溶液は、そのまま化粧品に使用することもできるが、これを乾燥して得られる粉体状の製品も化粧品に使用することもできる。さらに、化粧品用の保湿剤、毛髪保護剤、皮膚保護剤、コラーゲン産生促進剤、美白剤として使用することができる。
【0016】
本発明の蜂蜜由来タンパク質または蜂蜜由来タンパク質加水分解物が配合される化粧品としては、化粧水、乳液、美容液、一般クリーム、クレンジングクリーム等の洗顔料、パック、髭剃り用クリーム、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、日焼け止めローション、日焼けローション、化粧石鹸、ファンデーション、おしろい、パウダー、口紅、リップクリーム、アイライナー、アイクリーム、アイシャドウ、マスカラ、浴用化粧品、シャンプー、リンス、染毛料、頭髪用化粧品等、各種化粧品に利用可能である。その配合量は化粧品組成物中、0.001〜100%含むことができるが好ましくは0.01〜10%である。
【0017】
本発明の皮膚外用剤には、以下に示すような通常、化粧品など皮膚外用剤において使用されている各種成分や添加剤の中から用途に適したものを任意に選択、併用して製造することができる。
【0018】
蜂蜜由来タンパク質または蜂蜜由来タンパク質加水分解物の化粧料への配合量は化粧品組成物中、0.001〜100%とすることが例示される。
【0019】
本発明の蜂蜜由来タンパク質または蜂蜜由来タンパク質加水分解物を配合する化粧料に併用して配合できる成分としては、化粧品、医薬部外品や浴用剤で一般に使用される基剤や薬剤などであれば特に限定はされない。例えば、コラーゲン、コラーゲン加水分解物、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、エラスチン、エラスチン加水分解物、ラクトフェリン、ケラチン、ケラチン加水分解物、カゼイン、アルブミン、ローヤルゼリー由来タンパク加水分解物等の蛋白質および蛋白質の加水分解物。
【0020】
ヒアルロン酸ナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、アルギン酸およびその塩、ペクチン、コンドロイチン硫酸およびその塩、水溶性キチン、キトサン誘導体およびその塩、デオキシリボ核酸、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然高分子及びそれらの誘導体。
【0021】
甘草エキス、アロエエキス、カモミラエキス、シソエキス等の植物抽出物。酵母エキス等の微生物由来物。海藻末や海藻エキス。プラセンタエキス等の動物由来物。
カルボキシビニルポリマーおよびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシメチルセルロースおよびその塩等の酸性ポリマー、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロースポリビニルメチルエーテル等の中性ポリマー。
【0022】
カチオン化セルロース、ポリエチレンイミン、カチオン化グアーガム等のカチオン性ポリマー。
エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類。
パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、アントラニエール酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤。
【0023】
ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、リン酸L−アスコルビルマグネシウムおよびその誘導体、ビタミンD群、酢酸d−α−トコフェノール、ビタミンE群、葉酸類、β−カロチン、γ−オリザノール、ニコチン酸、パントテン酸類、ビオチン類、フェルラ酸等のビタミン類。
【0024】
グリチルリチン酸及びその塩類、グアイアズレン及びその誘導体、アラントイン等の抗炎症剤。
ステアリン酸エステル、ノルジヒドログアセレテン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、パラヒドロキシアニソール、没食子プロピル、セサモール、セサモリン、ゴシポール等の抗酸化剤。
【0025】
パラ安息香酸メチル、パラ安息香酸エチル、パラ安息香酸プロピル、パラ安息香酸ブチル等のパラ安息香酸エステル類、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、フェノキシエタノール、安息香酸等の防腐剤。
【0026】
エデト酸、エデト酸二ナトリウム等のエデト酸及びその塩類、フィチン酸、ヒドロキシエタンジスルホン酸等の金属イオン封鎖剤。
【0027】
グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類。
L−アスパラギン酸、DL−アラニン、L−アルギニン、L−システイン、L−グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸類およびその塩。
【0028】
マルチトール、ソルビトール、キシロビオース、N−アセチル−D−グルコサミン、蜂蜜等の糖類。
クエン酸、乳酸、α−ヒドロキシ酢酸、ピロリドンカルボン酸等の有機酸類およびその塩類。
【0029】
アンモニア水、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基類。
流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類。
【0030】
オリーブ油、ヤシ油、月見草油、ホホバ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油等の油脂類。
ラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸類。
【0031】
ミリスチルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類。
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、トリオクタン酸グリセリン、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル等のエステル類。
レシチンおよびその誘導体等のリン脂質類。
【0032】
ウシ骨髄脂やウシ脳脂質などの動植物由来脂質。ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸エタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミンなどのアルキル硫酸塩。
【0033】
ポリオキシエチレン(2EO)ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン(なお、EOはエチレンオキサイドでEOの前の数値はエチレンオキサイドの付加モル数を示す。)、ポリオキシエチレン(3EO)アルキル(炭素数11〜15のいずれかまたは2種以上の混合物)エーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキル硫酸塩。
【0034】
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩。
【0035】
ポリオキシエチレン(3EO)トリデシルエーテル酢酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩。
【0036】
ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ラウロイルメチル-L-グルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸-L-グルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸-L-グルタミン酸トリエタノールアミン。ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩、エーテル硫酸アルカンスルホン酸ナトリウム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム、ウンデシノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウム、オクチルフェノキシジエントキシエチルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸アミノスルホコハク酸二ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル(炭素鎖12〜15)エーテルリン酸(8〜10EO)、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤。
【0037】
塩化ステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジ(ポリオキシエチレン)オレイルメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤。
【0038】
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムラウリル硫酸、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩などの両性界面活性剤。
【0039】
ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エーテル(7EO)、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオレイン酸グリセリン、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルステアリルジエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール・ラノリン(40EO)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル等のノニオン性界面活性剤。
【0040】
イソステアリン酸ジエタノールアミド、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、牛脂脂肪酸モノエタノールアミド、硬化牛脂脂肪酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸エタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ラウリン酸エタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラノリン脂肪酸ジエタノールアミドなどの増粘剤。
【0041】
鎖状または環状メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンポリエチレングリコール共重合体、ジメチルポリシロキサンポリプロピレン共重合体、アミノ変性シリコンオイル、第四級アンモニウム変性シリコンオイルなどのシリコンオイル。チオグリコール酸及びその塩。システアミン及びその塩。過酸化水素、過硫酸塩、過ほう酸塩、過酸化尿素などの過酸化物。臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウムなどの臭素酸塩。
【0042】
その他、pH調整剤、着色料、香料、安定化剤、清涼剤、血流促進剤、角質溶解剤、収斂剤、創傷治療剤、増泡剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤、抗アレルギー剤、細胞賦活剤と共に配合し、併用して用いることも出来る。
【0043】
製造例1 蜂蜜由来タンパク質の製造
蜂蜜30Lを限外ろ過装置(分画分子量13000)に加えて、除タンパク操作を行った。除タンパク操作により排出されるタンパク質を含む液5L(Brix42、タンパク質濃度0.4%)に同量の水を加えて、限外ろ過操作を行い、タンパク質を濃縮した。濃縮操作を4回実施し、Brix4.8、タンパク質濃度1.0%の液2Lを得た。
【0044】
製造例2 蜂蜜由来タンパク質加水分解物の製造
製造例1で調製した蜂蜜タンパク質を含む液1000mlに10%水酸化ナトリウム溶液を加え、pH8.7に調整した。アルカラーゼ2.4L(ノボザイム)をタンパク質の5%となるように加え、55℃で1時間反応させた。反応終了後、90℃で2時間加熱処理した後、室温まで冷却した。得られた分散液の不溶解部分をろ過して除き、清澄な蜂蜜由来タンパク加水分解液800mlを得た。
【0045】
実験例1
<美白試験>
表面積25cm2の細胞培養用ボトルに10%FBSを含むDMEM培地10mL、B16細胞懸濁液(2.5×10個/mL、10%FBSを含むDMEM培地)1mLを添加し、CO濃度5%、37℃で24時間培養した。製造例2で調製した蜂蜜由来タンパク質加水分解物を培地に対して溶質濃度が0.5、0.1、0.05%となるように添加し、3日間培養し、同量の培地及び試料を取り換えた後、更に3日間培養した。トリプシン−EDTA処理によって細胞を剥離し、得られた細胞を、遠心分離(1000ppm、1分)して上澄液を取り除いた後、細胞の色相を観察した。試験液を加えないものをコントロールとした。
【0046】
(試験結果)
結果を表1に示した。表1から明らかなように蜂蜜由来タンパク質加水分解物に優れた美白効果が認められた。
【0047】
【表1】

【0048】
実験例2
<コラーゲン産生促進作用>
直径35mmの細胞培養用プラスチックシャーレに、ヒト由来正常線維芽細胞懸濁液2mL(細胞数4×105個/dish、10%FBSを含むDMEM培地)を添加し、5%CO2濃度、37℃で24時間培養した。細胞がコンフルエントになったのを確認後、細胞をリン酸緩衝液で十分に洗浄し蜂蜜由来タンパク質加水分解物を所定濃度含むDMEM培地(無血清)を添加して72時間培養した。細胞のコラーゲン生成は、タカラバイオメディカル製PIP EIA Kitを用いて、培養上清中のコラーゲン量を測定することにより判定した。試料を加えないものをコントロールとした。結果を表2に示した。蜂蜜由来タンパク質加水分解物には、強いコラーゲン産生促進作用が認められた。
【0049】
【表2】

【0050】
実験例3
<細胞賦活作用>
直径35mmの細胞培養用プラスチックシャーレに、ヒト由来正常線維芽細胞懸濁液3mL(細胞数1.5×105個/dish、10%FBSを含むDMEM培地)を添加し、5%CO2濃度、37℃で24時間培養した。細胞の伸展と定着を確認した後、培地を捨て、細胞をリン酸緩衝液で3回洗浄し、蜂蜜由来タンパク質を所定濃度含むDMEM培地(10%FBSを含むDMEM培地)を添加して48時間培養した。トリプシン−EDTA処理により細胞を剥離し、細胞数を血球計算盤を用いて計測した。結果を表3に示した。蜂蜜由来タンパク質には明らかな細胞増殖促進作用が認められたことから、蜂蜜由来タンパク質の細胞賦活作用が明らかになった。
【0051】
【表3】

【0052】
実験例4
<保湿作用>
被験者の前腕部に種々濃度の蜂蜜由来タンパク質加水分解物の水溶液を塗布し、2時間後の水分量を表皮角質層水分測定装置(SKICON 200, アイビィエス社製)を用いて測定した。
【0053】
結果を表4に示す。蜂蜜由来タンパク質加水分解物を塗布した処理区では明らかに水だけを塗布した対照区に比較してコンダクタンス値が大きく、明らかな保湿作用が認められた。
【0054】
【表4】

【実施例】
【0055】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によってその技術的範囲が限定されるものではない。
実施例1
化粧水の製造
【0056】
【表5】

【0057】
表5の処方に従い、(1)〜(10)を80℃で撹拌、溶解後室温に冷却し、化粧水を得た。得られた化粧水はいずれも清澄であり、40℃、RH75% の条件下において3か月間白濁を生じることもなく安定であった。
【0058】
なお、蜂蜜由来タンパク質加水分解物を添加しないこと以外は上記の実施品と全く同様に行って化粧水を調製し、これを比較例1とした。
【0059】
これらの化粧水について、専門パネラー10名による官能試験を行なった。評価は下記の項目について5段階の評点評価を実施した。
(1)肌のしっとりさ
1.かさつく
2.ややかさつく
3.普通
4.ややしっとりする
5.しっとりする
(2)肌の滑らかさ
1 ざらつく
2 ややざらつく
3 普通
4 やや滑らか
5 滑らか
(3)肌のべたつき
1 べたつく
2 ややべたつく
3 普通
4 ややさっぱり
5 さっぱり
パネラー10名の評点の平均を表6に示す。
【0060】
【表6】

【0061】
表6から明らかなように、蜂蜜由来タンパク質加水分解物を配合した実施品の製品は、比較例1の蜂蜜由来タンパク質加水分解物無配合のものより優れた保湿性と皮膚平滑性を示した。
【0062】
実施例2
シャンプー剤の製造
【0063】
【表7】

【0064】
表7の処方に従い、(1)〜(8)を70℃で混合撹拌し、室温まで冷却させてシャンプー剤を得た。
得られた製品を用いて洗髪したところ、髪の感触が滑らかで、髪に潤いを与えるものであった。
【0065】
実施例3
クリーム剤の製造
【0066】
【表8】

【0067】
表8に示す処方に従い、(1)〜(7)を80℃で混合撹拌したものに、別途(8)〜(12)を80℃で混合攪拌したものを加え、ホモジナイズし、攪拌しながら室温まで冷却し、クリーム剤を得た。
得られた製品は使用中にべたつかず、肌をしっとりとさせるものであった。
【0068】
実施例4
ボディジェル剤の製造
【0069】
【表9】

【0070】
表9の処方に従い、(1)〜(8)を撹拌、溶解する。
得られた製品は使用中にべたつかず、肌をしっとりとさせるものであった。
【0071】
実施例5
ヘアパック剤の製造
【0072】
【表10】

【0073】
表10に示す処方に従い、(1)〜(2)を80℃混合撹拌したものに、別途(3)〜(13)を80℃で混合撹拌したものに加え、80℃にて混合攪拌しながら(14)、(15)をさらに添加し混合攪拌してヘアパック剤を得た。
【0074】
得られた製品を用いて髪のトリートメントをしたところ、髪の感触が滑らかで、髪に潤いを与えるものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蜂蜜由来タンパク質を含有することを特徴とする化粧品組成物。
【請求項2】
蜂蜜由来タンパク質が蜂蜜から限外ろ過法により調製したものであることを特徴とする請求項1記載の化粧品組成物。
【請求項3】
蜂蜜由来タンパク質加水分解物を含有することを特徴とする化粧品組成物。
【請求項4】
蜂蜜由来タンパク質加水分解物が蜂蜜から限外ろ過法により調製した蜂蜜由来タンパク質を加水分解したものであることを特徴とする請求項3記載の化粧品組成物。
【請求項5】
化粧品組成物が保湿剤であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
化粧品組成物が毛髪保護剤であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
化粧品組成物が皮膚保護剤であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
化粧品組成物がコラーゲン産生促進剤であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
化粧品組成物が美白剤であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
蜂蜜由来タンパク質を保湿剤、毛髪保護剤、コラーゲン産生促進剤または美白剤の成分として含有することを特徴とする化粧品組成物。
【請求項11】
蜂蜜由来タンパク質が蜂蜜から限外ろ過法により調製したものであることを特徴とする請求項10記載の化粧品組成物。
【請求項12】
蜂蜜由来タンパク質加水分解物を保湿剤、毛髪保護剤、コラーゲン産生促進剤または美白剤の成分として含有することを特徴とする化粧品組成物。
【請求項13】
蜂蜜由来タンパク質加水分解物が蜂蜜から限外ろ過法により調製した蜂蜜由来タンパク質を加水分解したものであることを特徴とする請求項12記載の化粧品組成物。

【公開番号】特開2006−290844(P2006−290844A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117338(P2005−117338)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000240950)片倉チッカリン株式会社 (24)
【出願人】(399084753)日新蜂蜜株式会社 (2)
【Fターム(参考)】