説明

化粧料

【課題】パラヒドロキシベンジルアルコールの配糖体を有効成分とし、優れた美白効果を有する化粧料を提供することを目的とする。
【解決手段】パラヒドロキシベンジルアルコールの配糖体、好ましくは、パラヒドロキシベンジルアルコールのα−グルコシド、β−グルコシド、α−ガラクトシド、又はβ−ガラクトシドを有効成分として化粧料に配合することで、チロシナーゼ活性抑制作用に基づく、優れた美白効果を有する化粧料が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関し、特に、パラヒドロキシベンジルアルコール(別名:4−ヒドロキシベンジルアルコール)の配糖体を有効成分として含み、優れた美肌効果、特に、美白効果を奏する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、美白効果を奏する化粧料の必要性が高まるにつれ、種々の研究が行われ、各種化粧料が提案されている。しかし、従来の化粧料に配合する美白成分によっては、美白効果、生体に対する安全性、及び保存安定性のいずれをも充分に満足させることは困難であり、新たな成分の開発、提供が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは、かかる目的達成するために、新規な化粧料配合成分を開発すべく、鋭意研究、検討を重ねた結果、パラヒドロキシベンジルアルコール(p-Hydroxy benzyl alcohol、以下、p-HBAと称する)の配糖体が強い美白作用を有し、かつ、生体に対する安全性及び保存安定性に優れていることを見出した。p−HBAの配糖体及びその合成方法については、非特許文献1〜3に開示されているが、本発明に云う化粧料用途に使用することについては、何ら開示されていない。
【非特許文献1】Hirofumi Nakano, SumioKitahata, Hironobu Ohgaki and Shigeyuki Takenishi, “Transglycosylationof Phenols by Endo-1,4-β-galactanase from Penicilliumcitrinum and Several β-Galactosidases” Denpun Kagaku, Vol.39, No.1, p.1〜6(1992)
【非特許文献2】Nicoals Bridiau, Selma Taboubi,Nejib Marzouki, Marie Dominique Legoy, and Thierry Maugard, “β-Galactosidase Catalyzed Selective Galactosylation of AromaticCompounds” Biotechnol. Prog. 2006, 22, 326-330
【非特許文献3】Shigeharu Mori, Masataka Goto,Hiroji Tsuji, Tamio Mase, Akira Matsuura, Takaichi Oya, and Sumio Kitahata, “Acceptor Specificity of Cyclodextrin Glucanotransferase fromBrevibacterium sp. No. 9605 to Monosaccharides and Phenolic Compounds” Oyo Toshitsu Kagaku (J.Appl.Glycosci.), Vol. 44, No.1, p.23〜32(1997)
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、下記式1で示されるパラヒドロキシベンジルアルコールの配糖体(但し、式(1)中のRは単糖類残基である)を有効成分とする化粧料である。
【化2】

(1)

なお、本明細書において化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品までも含む広義で用いる。
【発明の効果】
【0005】
p−HBAの配糖体を配合してなる本発明の化粧料は、有効成分として含む当該配糖体の示す強いチロシナーゼ活性抑制作用により、シミ、ソバカスなど皮膚の色素沈着を顕著に抑制又は軽減し、特に、美白用化粧料として優れた効果を発揮する。加えて、本発明で用いるp−HBAの配糖体は皮膚刺激がほとんどなく、又、長期間保管しても安定である。従って、本発明によれば、生体に対する安全性と保存安定性に優れた化粧料が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明に係る化粧料はp−HBAの配糖体を含有している。p−HBAの配糖体の構造を以下に示す。
【0007】
【化3】

(1)
【0008】
p−HBAのアルコール性水酸基(OH基)に結合する単糖類(R)としては、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース等が挙げられる。単糖類の中でもグルコース、又はガラクトースが特に好ましい。
【0009】
以下に、p−HBAの配糖体の合成方法について説明する。p−HBAの配糖体は化学合成法や、糖転移酵素を用いる方法など、種々の方法により合成できるが、酵素を用いて合成する方法が好ましい。この方法の場合、p−HBAと、式(1)の単糖類(R)の供与体である糖類とを、用いる糖転移酵素の至適pH付近の緩衝溶液中で、糖転移酵素の作用よって反応させることにより、式(1)の配糖体が生成される。例えば、糖供与体のグルコシド結合又はガラクトシド結合等を酵素により加水分解し、さらに、加水分解により得られた単糖をp−HBAのOH基に転移させることより、p−HBAの配糖体を合成する。また、デキストリン等の糖類を糖供与体として、糖転移酵素により、グルコース等をp−HBAのOH基に転位させて、p−HBAの配糖体を合成する方法も挙げられる。以上のように合成されたp−HBAの配糖体を分離・精製して、化粧料に配合する。
【0010】
上記糖供与体としては、酵素によって加水分解されて単糖残基(R)を生じるものであればよく、例えば、マルトース、セロビース、メリビオース、ラクトース、ゲンチオビオース、スクロースなどの二糖類、ラフィノース、メレジトース、マルトトリオース、アガロオリゴ糖などのオリゴ糖、デキストリン、寒天由来の低分子の糖などを用いることができる。それらのうちでも、特に、二糖類が好ましい。グルコシド又はガラクトシドの製造に当たっては、マルトース、セロビオース、メリビオース、ラクトース等のαもしくはβ−グルコース、又はαもしくはβ−ガラクトースを含む二糖類を用いるのが好ましい。
【0011】
上記酵素としては、αもしくはβ−グルコシダーゼ活性、αもしくはβ−ガラクトシダーゼ活性、αもしくはβ−フルクトシダーゼ活性、αもしくはβ−マルノシターゼ活性、又は、トランスフェラーゼ活性等、単糖残基(R)をp−HBAのOH基に転位させる活性を有するものであればよく、例えば、αもしくはβ-グルコシダーゼ、セルラーゼ、α-ガラクトシダーゼ、ラクターゼ(β−ガラクトシダーゼ)、αもしくはβ−フルクトシダーゼ、αもしくはβ−マンノシターゼ、又はデキストリントランスフェラーゼなどが挙げられる。
【0012】
上記酵素による加水分解反応及び糖転移反応における温度は、αもしくはβ−グルコシダーゼ活性、α−ガラクトシダーゼ活性、αもしくはβ−フルクトシダーゼ活性、又はトランスフェラーゼ活性を有する酵素については20〜60℃の範囲が好ましく、さらに、30〜50℃の範囲がより好ましい。また、β−ガラクトシダーゼ活性を有する酵素については、30〜50℃の範囲が好ましく、さらに、37〜45℃の範囲がより好ましい。
【0013】
上記酵素による加水分解反応及び糖転移反応におけるpHは、αもしくはβ−グルコシダーゼ活性、又はα−ガラクトシダーゼ活性を有する酵素についてはpH5〜7の範囲が好ましく、さらに、pH5.5〜6.0がより好ましい。また、β−ガラクトシダーゼ活性を有するものについては、pH6.0〜7.5が好ましく、さらに、pH6.5〜7.0がより好ましい。また、αもしくはβ−フルクトシダーゼ活性を有する酵素については、pH4〜8の範囲が好ましい。また、トランスフェラーゼ活性を有する酵素については、pH5〜9の範囲が好ましい。
【0014】
p−HBAの配糖体を分離・精製する方法としては、イオン交換樹脂(例えば、三菱化学(株)製のUBK530)のみを用いる方法、イオン交換樹脂と合成吸着樹脂(例えば、三菱化学(株)製のSP207,
SP850)とを組み合せて用いる方法、合成吸着樹脂による分離操作後に、p−HBAの配糖体を再結晶化する方法、イオン交換樹脂及び合成吸着樹脂による分離操作後に、p−HBAの配糖体を再結晶化する方法が挙げられる。
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態であるp−HBAの配糖体について例示するが本発明はこれらに限るものではない。
【0016】
1.p−HBA−α−グルコシド
糖としてマルトースを使用し、酵素としてα−グルコシダーゼを使用する。マルトースをα−グルコシダーゼで処理することにより、マルトースのα−グルコシド結合を加水分解してα−グルコースを生成させる。さらに、糖転移反応により、p−HBAのOH基にα−グルコースを転移させる。当該反応により、下記式(2)のp−HBA−α−グルコシドが合成される。なお、p−HBA−α−グルコシドの合成方法は、これに限るものではなく、α−グルコシダーゼを用いて、α−グルコースを含む糖類(好ましくは、二糖又はオリゴ糖)を加水分解し、p−HBAのOH基にα−グルコースを転移させることで合成可能である。また、糖としてデキストリンを使用し、酵素としてデキストリントランスフェラーゼを使用して、α−グルコースをp−HBAのOH基に転移させることでも合成可能である。
【0017】
【化4】

(2)
【0018】
2.p−HBA−β−グルコシド
糖としてセロビオースを使用し、酵素としてβ−グルコシダーゼを使用する。セロビオースをβ−グルコシダーゼで処理することにより、セロビオースのβ−グルコシド結合を加水分解してβ−グルコースを生成させる。さらに、糖転移反応により、p−HBAのOH基にβ−グルコースを転移させる。当該反応により、下記式(3)のp−HBA−β−グルコシドが合成される。なお、p−HBA−β−グルコシドの合成方法は、これに限るものではなく、β−グルコシダーゼで、β−グルコースを含む糖類(好ましくは、二糖又はオリゴ糖)を加水分解し、p−HBAのOH基にβ−グルコースを転移させることで合成可能である。また、糖としてセロビオースを使用し、酵素としてセルラーゼを使用して、β−グルコースをp−HBAのOH基に糖転移させることでも生成可能である。また、糖としてデキストリンを使用し、酵素としてデキストリントランスフェラーゼを使用して、β−グルコースをp−HBAのOH基に転移させることでも合成可能である。
【0019】
【化5】

(3)
【0020】
3.p−HBA−α−ガラクトシド
糖としてメリビオースを使用し、酵素としてα−ガラクトシダーゼを使用する。メリビオースをα−ガラクトシダーゼで処理することにより、メリビオースのα−ガラクトシド結合を加水分解してα−ガラクトースを生成させる。さらに、糖転移反応により、p−HBAのOH基にα−ガラクトースを転移させる。当該反応により、下記式(4)のp−HBA−α−ガラクトシドが合成される。なお、p−HBA−α−ガラクトシドの合成方法は、これに限るものではなく、α−ガラクトシダーゼで、α−ガラクトースを含む糖類(好ましくは、二糖やオリゴ糖(例えば、ラフィノース))を加水分解し、p−HBAのOH基にα−ガラクトースを転移させることで合成可能である。
【0021】
【化6】

(4)
【0022】
4.p-HBA−β−ガラクトシド
糖としてラクトースを使用し、酵素としてβ−ガラクトシダーゼを使用する。ラクトースをβ−ガラクトシダーゼで処理することにより、ラクトースのβ−グルコシド結合を加水分解してβ−ガラクトースを生成させる。さらに、糖転移反応により、p−HBAのOH基にβ−ガラクトースを転移させる。当該反応により、下記式(5)のp−HBA−β−ガラクトシドが合成される。なお、p−HBA−β−ガラクトシドの合成方法は、これに限るものではなく、β−ガラクトシダーゼで、β−ガラクトースを含む糖類(好ましくは、二糖又はオリゴ糖(例えば、アガロオリゴ糖)を加水分解し、p−HBAのOH基にβ−ガラクトースを転移させることで合成可能である。
【0023】
【化7】


(5)
【0024】
以上のようにして得られるp−HBAの配糖体を配合してなる化粧料としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、メイクアッププレスパウダーなどのメイクアップ化粧料、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、コンディショナー、染毛料、整髪料などの頭髪化粧料、洗顔料、ボディシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
本発明の化粧料中におけるp−HBAの配糖体の配合量は、該配糖体の固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲、清浄用化粧料の場合は、一般に0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲、又浴剤の場合は、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%の範囲である。
【0026】
本発明の化粧料には、上記の必須成分の他に、通常化粧料に用いられる配合成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、色素、香料、抗酸化剤、生理活性成分などを必要に応じて適宜配合することができる。
【0027】
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシルなど)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類などが挙げられる。
【0028】
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤などを使用することができる。
【0029】
また、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌発酵米、乳酸菌発酵発芽米、乳酸菌発酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジュアゼイロ(Rhamnaceae zizyphus joazeiro)抽出物などを配合することもできる。
【0030】
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどがあり、さらにトレハロースなどの糖類、乳酸菌発酵米、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、加水分解シルク蛋白質、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、フィトステロール、大豆リン脂質、イソステアリン酸コレステリル、海藻抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体(例えばトリメチルグリシンなど)、ビャッキュウ抽出物、豆乳発酵液、納豆エキス、米由来抽出物及びその発酵物などが挙げられる。
【0031】
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダンなどの褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体などの多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガムなどのガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体などの合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体、グルコシルトレハロースと加水分解水添澱粉を主体とする糖化合物などが挙げられる。
【0032】
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物、プロポリスエキス、メチルイソチアゾリノンなどがある。
【0033】
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、6−又は12−ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダーなどがある。
【0034】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物などがある。
【0035】
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、ユビデカキノン(ユビキノン)、ルチン、ルチングルコシド、白芥子抽出物、イネ抽出物、ムラサキシキブ抽出物、シラカバ抽出物、ハマメリス抽出物、ウーロン茶抽出物、黒豆加水分解抽出液、ハゴロモグサ抽出液などがある。
【0036】
さらに必要ならば、本発明で用いる発酵物の作用効果及び特長を損なわない範囲で、他の生理活性成分(美白剤、皮膚老化防止・肌荒れ改善剤など)を配合してもよく、かかるものとしては、例えば美白剤であれば、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、胎盤抽出物、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌発酵米、乳酸菌発酵発芽米、乳酸菌発酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子抽出物、白芥子加水分解抽出物、ムラサキシキブ抽出物、ハスの種子発酵物、党参抽出物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、ヒカゲノツルニンジン(Codonopsis
pilosula)抽出物、カミツレ抽出物(商品名:カモミラET)、ジンコウ抽出物、ハマメリス抽出物、イタドリ抽出物、サワヒヨドリ抽出物、甘草抽出物、フキタンポポ抽出物、アルテア抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ユキノシタ抽出物、ナツメ抽出物、シャクヤク抽出物、トウキ抽出物、モモ抽出物、コンブなどの海藻の抽出物、アマモなどの海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体などが、又皮膚老化防止・肌荒れ改善成分であれば、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、セラミドなどの細胞間脂質、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩など)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体(d,l−α−トコフェリルリン酸ナトリウムなど)、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、コエンザイムQ−10、α−リポ酸、エルゴチオネイン、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米糠抽出物加水分解物、米抽出物加水分解物、低アレルゲン米抽出物加水分解物、米発酵エキス、ミツイシコンブ抽出物、アナアオサ抽出物、アマモなどの海草の抽出物、ソウハクヒエキス、ジュアゼイロ(Rhamnaceae zizyphus joazeiro)抽出物、ブナ抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、イチョウ抽出物、スギナ抽出物、ベニバナ抽出物、オタネニンジン抽出物、セイヨウニワトコ抽出物、ハゴロモグサ抽出物、レンゲ抽出物、マンゴー抽出物、チェリモヤ抽出物、マンゴスチン抽出物、タベブイア・インペティギノーサ抽出物、酵母抽出物、卵殻膜抽出蛋白質、デオキシリボ核酸カリウム塩、ハス発酵液、水ナス抽出物、紫蘭根抽出物、ムラサキシキブ抽出物、イネ抽出物、サンゴ草抽出物、花粉荷エキスなどが挙げられる。
【0037】
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体などが、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、3−O−エチルアスコルビン酸などのO−アルキルアスコルビン酸類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウムなどが、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)などが、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノールなどが、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸などが、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジルなどが、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレートなどが、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸などがある。
【0038】
次に、製造例、実施例(化粧料の処方例)、及び試験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0039】
製造例1.
p−HBA−α−グルコシドの製造
1)試料の調製
まず、p−HBA(和光純薬工業(株)製)3gを酢酸緩衝液(pH5.5)90mLに、50℃に加温しながら溶解させた。次に、緩衝液にさらにマルトース(和光純薬工業(株)製)20gを添加して、加温溶解し、その後、塩化マグネシウム(最終濃度10mM)を添加した。
2)酵素反応
上記1)で調製した溶液を50℃になるようにプレインキュベートし、該溶液に、α−グルコシダーゼ(天野エンザイム(株)製、終濃度0.1%)を溶解させた緩衝液10mLを添加し、約15時間反応させた。
3)反応停止
反応終了後、反応液を80℃で、約30分間インキュベートし、酵素を失活させた。
4)濾過
酵素失活処理後、反応液を室温まで下げ、反応液をメンブランフィルター(0.2μm)で濾過して不溶物を取り除いた。
5)分離・精製
濾過処理後の反応液を精製して、p−HBA−α−グルコシドを、合成吸着樹脂カラム及びイオン交換樹脂を用いて分離し、分離液を再結晶化し、p−HBA−α−グルコシドのみを得た。以下に、分離・精製方法について詳述する。
まず、合成吸着樹脂(三菱化学(株)製のSP207樹脂)を充填したカラムに濾過処理後の反応液を添加し、当該樹脂を通過させた分画物を得た。反応液の添加終了後、精製水を溶離液として、カラムに添加した。次に、得られた分画物を薄層クロマトグラフィー(TLC)で確認し、p−HBA−α−グルコシドが確認されたら、溶離液を10%メタノール水溶液に置き換えてカラムに添加した。次に、p−HBA−α−グルコシドと、p−HBA−α−グルコシド及びp−HBAを含む混合分画物とをTLCにて確認し、回収した。
次に、上記回収した混合分画物を、イオン交換樹脂(三菱化学(株)製のUBK530)を充填したカラムに添加し、当該樹脂を通過した分画物を得た。混合分画物の添加終了後、精製水を溶離液として、カラムに添加した。次に、得られた分画物をTLCで確認をし、p−HBA−α−グルコシドのみが含まれる分画物を回収した。p−HBA−α−グルコシドと、p-HBAとが含まれる混合分画物については、濃縮後、再度、上記カラムに添加して、p−HBA−α−グルコシドを分離した。
最後に、回収した分画物を、濃縮乾固した後、任意の有機溶媒を用いて再結晶化し、p−HBA−α−グルコシドのみを得た。
6)乾燥、粉末化
上記5)の処理により得られた再結晶物を、濃縮乾固、又はフリーズドライ法により粉末化した。
【0040】
製造例2.
p−HBA−β−グルコシド
1)試料の調製
まず、p−HBA(和光純薬工業(株))3gを酢酸緩衝液(pH5.5)90mLに、50℃に加温しながら溶解させた。次に、緩衝液にさらにセロビオース20g(Alfa Aesar社製)を添加して、加温溶解させ、その後、塩化マグネシウム(最終濃度10mM)を添加した。
2)酵素反応
上記1)で調製した溶液を50℃になるようにプレインキュベートし、該溶液に、β−グルコシダーゼ(新日本化学工業(株)製、終濃度0.1%)を溶解させた緩衝液10mLを添加し、約15時間反応させた。
以下、上述した製造例1の3)〜6)と同様の操作を行い、p−HBA−β−グルコシドを得た。
【0041】
製造例3.
p−HBA−α−ガラクトシド
1)試料の調製
まず、p−HBA(和光純薬工業(株)製)3gを酢酸緩衝液(pH5.5)90mLに、50℃に加温しながら溶解させた。次に、緩衝液にさらにメリビオース(和光純薬工業(株)製)20gを添加して、加温溶解させ、その後、塩化マグネシウム(最終濃度10mM)を添加した。
2)酵素反応
上記1)で調製した溶液を50℃になるようにプレインキュベートし、該溶液に、α−ガラクトシダーゼ(新日本化学工業(株)、終濃度0.1%)を溶解させた緩衝液10mLを添加し、約2時間反応させた。
以下、上述した製造例1の3)〜6)と同様の操作を行い、p−HBA−α−ガラクトシドを得た。
【0042】
製造例4.
p−HBA−β−ガラクトシド
1)試料の調製
まず、p−HBA(和光純薬工業(株)製)3.0gをリン酸緩衝液(pH6.5)90mLに、50℃に加温しながら溶解させた。次に、緩衝液にさらにラクトース(和光純薬工業(株)製)20gを添加して、加温溶解させ、その後、塩化マグネシウム(最終濃度10mM)を添加した。
2)酵素反応
上記1)で調製した溶液を45℃になるようにプレインキュベートし、該溶液に、β−ガラクトシダーゼ(novozyme社製、終濃度0.1%)を溶解させた緩衝液10mLを添加し、約1.5時間反応させた。
以下、上述した製造例1の3)〜6)と同様の操作を行い、p−HBA−β−ガラクトシドを得た。
【0043】
実施例1.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン (注1)
4.0
パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート
6.0
ブチルパラベン 0.1
(注1)株式会社テクノーブル製 トリオクタン酸グリセリル
[B成分]
製造例1のp−HBA−α−グルコシド溶液
10.0
グリセリン 5.0
カルボキシメチルモノステアレート
0.1
モイストン・C (注2) 1.0
精製水 全量が100部となる量
(注2)株式会社テクノーブル製 NMF成分
[C成分]
香料
適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
【0044】
実施例2.クリーム
実施例1のB成分中の製造例1のp−HBA−α−グルコシド溶液に代えて製造例2のp−HBA−β−グルコシド溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0045】
実施例3.クリーム
実施例1のB成分中の製造例1のp−HBA−α−グルコシド溶液に代えて製造例3のp−HBA−α−ガラクトシド溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0046】
実施例4.クリーム
実施例1のB成分中の製造例1のp−HBA−α−グルコシド溶液に代えて製造例4のp−HBA−β−ガラクトシド溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0047】
実施例5.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン
1.5
メチルパラベン
0.15
エチルパラベン
0.04
[B成分]
製造例1のp−HBA−α−グルコシド溶液 10.0
グリセリン
3.0
1、3−ブチレングリコール
2.0
カルボキシメチルセルロース
0.3
ヒアルロン酸ナトリウム
0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0048】
実施例6.乳液
実施例5のB成分中の製造例1のp−HBA−α−グルコシド溶液に代えて製造例2のp−HBA−β−グルコシド溶液を用いるほかは実施例5と同様にして乳液を得た。
【0049】
実施例7.乳液
実施例5のB成分中の製造例1のp−HBA−α−グルコシド溶液に代えて製造例3のp−HBA−α−ガラクトシド溶液を用いるほかは実施例5と同様にして乳液を得た。
【0050】
実施例8.乳液
実施例5のB成分中の製造例1のp−HBA−α−グルコシド溶液に代えて製造例4のp−HBA−β−ガラクトシド溶液を用いるほかは実施例5と同様にして乳液を得た。
【0051】
実施例9.ローション
[成分] 部
製造例4のp−HBA−β−ガラクトシド溶液 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
【0052】
実施例10.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例4のp−HBA−β−ガラクトシド溶液 10.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
【0053】
実施例11.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例4のp−HBA−β−ガラクトシド溶液 10.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0054】
実施例12.乳液
実施例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム2.0部を用いるほかは実施例11と同様にして乳液を得た。
【0055】
実施例13.乳液
実施例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム2.0部を用いるほかは実施例11と同様にして乳液を得た。
【0056】
実施例14.乳液
実施例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン2.0部を用いるほかは実施例11と同様にして乳液を得た。
【0057】
実施例15.乳液
実施例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは実施例11と同様にして乳液を得た。
【0058】
実施例16.乳液
実施例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて白芥子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ−WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは実施例11と同様にして乳液を得た。
【0059】
実施例17.乳液
実施例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは実施例11と同様にして乳液を得た。
【0060】
実施例18.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例4のp−HBA−β−ガラクトシド溶液 10.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
コエンザイムQ−10
0.1
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0061】
実施例19.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例4のp−HBA−β−ガラクトシド溶液 10.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
豆乳乳酸菌発酵エキス 1.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0062】
実施例20.リクイドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
製造例4のp−HBA−β−ガラクトシド溶液 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
【0063】
実施例21.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
流動パラフィン 5.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 2.0
プロピルパラベン 0.1
[B成分]
製造例4のp−HBA−β−ガラクトシド溶液 5.0
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
トリエタノールアミン 1.5
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適

[D成分]
香料 0.3
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却してクリームファンデーションを得た。
【0064】
実施例22.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例4のp−HBA−β−ガラクトシド溶液 10.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
【0065】
実施例23.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
製造例4のp−HBA−β−ガラクトシド溶液 5.0
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
【0066】
試験例1.細胞内チロシナーゼ活性抑制作用
製造例1〜4のp−HBAの配糖体を試料として用い、その細胞内チロシナーゼ活性抑制作用を調べた。
[試験方法]
培養B16マウスメラノーマ細胞を、96穴マイクロプレートに8×10個/穴播種し、10%仔牛血清(FBS)含有イーグル最少必須培地(MEM)中、37℃、5%COの条件下に1日間プレ培養した後、10%FBS含有イーグルMEMで、製造例1〜4で得られたp−HBAの配糖体を0.01%、及び0.1%の濃度(溶液として)となるように希釈した液に置換し、同条件で2日間培養した。
次に培養液を除去し、0.3mg/mLのMTT溶液を添加するか、又は、界面活性剤(Triton X-100)と5mMのLドーパ溶液を添加して37℃で反応を行った後、マイクロプレートリーダー(Model 450、バイオラッド社製)を用い、570−630nmでMTT値を、波長490nmでドーパ値をそれぞれ測定した。
なお、比較のため、試料無添加の場合(対照)及びコウジ酸の添加の場合(陽性対照)についても同様の試験を行った。
[結果]
上記試験により得られた結果を表1に示した。
【0067】
【表1】

【0068】
表1から、特に、製造例4の0.01%、及び0.1%のp−HBA−β−ガラクトシドにおいて、培養B16マウスメラノーマ細胞の活性を殆ど低下・阻害することなく、試料無添加の場合と比較して、強いチロシナーゼ活性の抑制効果が示された。製造例1〜3で得られたp−HBAの配糖体においても、0.1%の濃度の場合、培養B16マウスメラノーマ細胞の活性を殆ど低下・阻害することなく、試料無添加の場合と比較して、強いチロシナーゼ活性の抑制効果が示された。
なお、本試験で陽性対照として用いたコウジ酸も顕著にチロシナーゼ活性を阻害していることから、試験系が正常であったことが判る。
【0069】
試験例2.チロシナーゼ活性直接阻害作用
マッシュルーム由来のチロシナーゼを用いて、製造例1〜4のチロシナーゼ活性に対する直接阻害作用を調べた。
[試験方法]
製造例1〜4で得られたp−HBAの配糖体の溶液1.0mLに、マックイルベイン緩衝液0.9mL、0.03%のL−チロシン溶液1.0mL、及びマッシュルーム由来のチロシナーゼ溶液を混合し、37℃で30分間反応させ、波長475nmにおける吸光度を測定した。なお、比較のため、製造例1〜4で得られたp−HBAの配糖体の代わりに、1mM,2mM,4mMのHBA溶液を添加した場合、1mM,2mM,4mMのアルブチン溶液を添加した場合(陽性対照)、及び試料無添加の場合(ブランク)についても同様の試験を実施した。
【0070】
[試験結果]
上記試験の結果を表2に示す。
【0071】
【表2】

【0072】
表2の結果から、製造例1〜4のp−HBAの配糖体は、試料無添加の場合と比較して、顕著なチロシナーゼ活性阻害作用を有することが判る。
なお、陽性対照として用いたアルブチンも顕著にチロシナーゼ活性を阻害したことから、試験系が正常であることが確認された。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式1で示されるパラヒドロキシベンジルアルコールの配糖体(但し、式(1)中のRは単糖類残基である)を有効成分とする化粧料。
【化1】

(1)
【請求項2】
上記式(1)中のRで示される単糖類残基がα−グルコース残基、β−グルコース残基、α−ガラクトース残基、及びβ−ガラクトース残基から選ばれる1種であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。


【公開番号】特開2011−74044(P2011−74044A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230001(P2009−230001)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(000162021)共栄化学工業株式会社 (42)
【Fターム(参考)】