説明

化粧料

【課題】自然さを保持し、かつ、新しいカバー力を有する化粧料を提供する。
【解決手段】本発明に係る化粧料は、金属酸化物微粒子を内包するフレーク状ガラスを含む化粧料であって、フレーク状ガラスが650nmにおける直線透過率T(650)が0.7〜1.5、550nmにおける直線透過率(550)が0.6〜1.4、450nmにおける直線透過率T(450)が0.5〜1.1であって、かつ、T(450)<T(550)≦T(650)の関係にあり、入射角を45度、受光角を0度としたときの光沢度をG(45−0)とし、入射角を45度、受光角を45度としたときの光沢度をG(45−45)としたとき、2.0≦G(45−45)/G(45−0)≦5.0で表される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーク状ガラスを配合した化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
フレーク状ガラスを配合した化粧料としては、例えば特許文献1〜3に記載されたものがある。
【0003】
特許文献1には、含水酸化チタンコロイドTiO(OH)から由来し、平均粒径10μm、含有量が9.5重量%の二酸化チタンをガラス中で凝集することなく実質的に単粒子の形で分散させ、かつ、波長が400〜800nmの可視光に対する透過率がその全域にわたって95%以上である表面が平滑な金属酸化物微粒子分散フレーク状ガラスを配合させたパウダーファンデーションが記載されている。このような化粧料によれば、酸化チタン微粒子分散フレーク状ガラスの可視光透明性が高く、経時的な変化もないので、発色性の良い安定な製品となるとされている。
【0004】
特許文献2には、平均厚みが0.3μm、アスペクト比が117で、かつ、表面粗さRaが11nmで、550nmの波長の光の透過率が94%であるフレーク状ガラスを配合させたパウダーファンデーションが記載されている。また、特許文献2には、平均厚みが0.7μm、アスペクト比が14で、かつ、表面粗さRaが11nmで、550nmの波長の光の透過率が94%であるフレーク状ガラスを配合させたパウダーファンデーションも記載されている。特許文献2では、表面が非常に平滑であり、可視光に対する透明性が高く、厚みが非常に薄いフレーク状ガラスを化粧料に配合することにより、伸展性(のび)やつきが良く、使用触感に優れた製品となり、透明感が良く、また、くすみのない自然な仕上がりになる、とされている。
【0005】
特許文献3には、シュードブルッカイト(FeTiO)の微粒子を2重量%含有するフレーク状ガラスを配合したパウダーファンデーションが記載されている。このような化粧料によれば、色むらがなく発色性の良い安定な製品となり、少量で高い紫外線遮蔽が可能であり、さらに、伸展性(のび)が良く、使用触感に優れた製品となるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−315859号公報
【特許文献2】特開平9−110452号公報
【特許文献3】特開平7−330542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1、2記載の技術では、透明性が高い一方で、肌色のむらや毛穴などの凹凸を補正することができず、カバー力に改善の余地があった。一方、特許文献3記載の技術によれば、黄色〜赤褐色を呈するシュードブルッカイトを顔料として用いるため、肌を肌色に着色することはできると考えられた。しかしながら、特許文献3では、こうした顔料を用いて自然なカバー力を実現できる技術は開示されていない。
【0008】
したがって、上記文献の技術では、カバー力とナチュラルさとを両立する化粧料は得られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、肌色に着色しつつ肌に透過した光を肌内で散乱させ、かつ、適度な光沢を示す顔料を得ることができれば、この顔料を配合させることで、自然さを保持し、かつ新しいカバー力を有する化粧料が実現可能になると考えた。
【0010】
本発明によれば、
金属酸化物微粒子を内包するフレーク状ガラスを配合した化粧料であって、
前記フレーク状ガラスが下記(i)及び(ii)を満たす、化粧料が提供される。
(i)650nmにおける直進透過率T(650)が0.7〜1.5であり、
550nmにおける直進透過率T(550)が0.6〜1.4であり、
450nmにおける直進透過率T(450)が0.5〜1.1であって、かつ、
(450)<T(550)≦T(650)の関係にある。
(ii)入射角を45度、受光角を0度としたときの光沢度をG(45−0)とし、入射角を45度、受光角を45度としたときの光沢度をG(45−45)としたとき、2.0≦G(45−45)/G(45−0)≦5.0で表される。
【0011】
本発明の化粧料は、含まれるフレーク状ガラスが、短中波長の透過を吸収し、かつ、長波長を透過するように各波長における直進透過率を所定範囲に規定する。これにより、皮膚を肌色に着色するとともに、透過距離の長い長波長の光を肌内で散乱させて毛穴や肌むらのぼかし効果を得ることができる。また、光沢度を所定範囲としているため、角度依存性が高すぎない適度な光沢を示すことができる。したがって、本発明によれば、自然さを保持する新しいカバー力を有する化粧料が実現可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、自然さを保持し、かつ、新しいカバー力を有する化粧料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明と関連する技術との違いを説明する図である。
【図2】本発明と関連する技術との違いを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の化粧料は、金属酸化物微粒子を内包するフレーク状ガラスを含む化粧料である。
本発明に係る化粧料に含まれるフレーク状ガラスは、下記(i)及び(ii)を満たすものである。
(i)650nmにおける直進透過率T(650)が0.7〜1.5であり、
550nmにおける直進透過率T(550)が0.6〜1.4であり、
450nmにおける直進透過率T(450)が0.5〜1.1であって、かつ、
(450)<T(550)≦T(650)の関係にある。
(ii)入射角を45度、受光角を0度としたときの光沢度をG(45−0)とし、入射角を45度、受光角を45度としたときの光沢度をG(45−45)としたとき、2.0≦G(45−45)/G(45−0)≦5.0で表される。
本発明において、直進透過率T(650)、T(550)、T(450)は、1μm厚のフレーク状ガラスを用いて、10×15cmの微粘着フィルム(エクシールコーポレーション社製)上にスポンジにて15mgを塗布して試料を調製し、変角分光反射率測定器GCMS−4(村上色彩研究所社製)を用い、透過計測モードで、オパール板を標準校正板として調整し、入射角0度、透過角15度の測定条件で測定した値である。
また、光沢度は、変角分光測定システム(村上色彩技術研究所製、GCMS−4)を用いて測定されたものをいう。
【0015】
以下、本発明の化粧料に含まれるフレーク状ガラスについて、詳細に説明する。
上記(i)について、短中波長側は光が吸収され、長波長の光を肌内で散乱させる点から、好ましくは、T(650)が0.75〜1.20であり、T(550)が0.75〜1.20であり、T(450)が0.60〜0.90である。
【0016】
また、上記(ii)について、G(45−45)/G(45−0)の下限は、角度依存性との兼ね合いにより3.5以上であるとより好ましく、上限は、4.8以下であるとより好ましい。
【0017】
フレーク状ガラスの表面は、平滑であると好ましい。「平滑」の程度は、このフレーク状ガラスの表面粗さRaで表すことができる。表面粗さRaは、好ましくは100nm以下、特に20nm〜1nmである。この範囲にあると、凹凸による散乱が抑制されるため、光沢を損なわない。表面粗さRaは、フィールドエミッション電子線三次元粗さ解析装置ERA−8900FE(エリオニクス社製)を用いて測定することができる。
【0018】
フレーク状ガラスの形状は、限定されないが、板状であることが好ましい。フレーク状ガラスの厚みは、0.4〜2μmであることが好ましく、0.7〜1.5μmであることがより好ましい。また、平均粒径は1〜500μm、平均アスペクト比は10〜100であることが好ましい。平均粒径は、レーザー散乱法によって測定された粒度分布の体積累積50%の粒径を意味する。粒径は、フレーク状ガラスを平面視したときの面積Sの平方根で表される値である。平均厚さは、n=50のサンプルを走査電子顕微鏡で測定した平均であり、平均アスペクト比は(平均粒径/平均厚さ)で表される値である。
【0019】
また、本発明で使用するフレーク状ガラスは、全透過率(Tt)が60%以上、ヘイズ値(H)が60%以上であると好ましい。ここで、全透過率(Tt)は、フレーク状ガラスとアミノ変性シリコーン(SF8417、東レダウコーニング)とをフーバーマーラーにて混合することで、フレーク状ガラスを20質量%含有する粉体分散媒を調製し、この粉体分散媒をガラス板上にコーターで15μmになるように成膜して、得られた粉体分散膜をISO13468−1に準拠して測定したものである。また、ヘイズ値は、上記の粉体分散膜をISO14782に準拠して測定したものである。ヘイズ値(H)は、70%以上であるとより好ましく、80%以上であると特に好ましい。このようなフレーク状ガラスを含む化粧料では、毛穴や肌の色むらに対して、より高いぼかし効果を得ることができる。したがって、ぎらつかない適度なふんわりしたやわらかい光沢を示すことができる。上記ヘイズ値の上限は特にないが、例えば、95%以下とすることができる。
【0020】
フレーク状ガラスの色相角は、50度以上75度以下とすることができ、55度以上70度以下とするとより好ましい。これにより、肌を自然な肌色に着色することができる。なお、本発明において、色相角は、専用セル(ミノルタ社製、粉体セル CR−A50)に入れ、色差計(ミノルタ社製CR−300)でa値およびb値を測定し、得られたa値およびb値を用い、下記式(1)に基づいて算出したものをいう。
色相角(h)=tan-1(b/a) (1)
【0021】
フレーク状ガラスに含まれる金属酸化物微粒子は、Ti、Sn、Si,Fe、Zr、Al、Zn及びCeからなる群から選択される1又は複数の金属を酸化させた金属酸化物であることが好ましく、特に、(A)酸化チタン(TiO)、(B)酸化鉄(Fe)、及び、(C)チタン・鉄複合酸化物をフレーク状ガラスに内包させることがより好ましい。また、成分(C)のチタン・鉄複合酸化物は、成分(A)と成分(B)とが焼成してなるシュードブルッカイト(FeTiO)、ウルボスピネル(FeTiO)、イルメナイト(FeTiO)などの複合酸化物からなることが好ましく、特にシュードブルッカイトからなることがより好ましい。これにより、成分(A)の白色と、成分(B)の赤色と、成分(C)の黄色とを組み合わせることで、入射光のBG成分を吸収しながら、肌色を呈する透過性を向上させることができる。したがって、自然な肌色に着色しながら、ぼかし効果によるカバー力を肌に付与することができる。
【0022】
金属酸化物微粒子の形状は、特に限定されず、例えば、球状、中空状、多孔質状、棒状、繊維状、板状、または不定形状等が挙げられるが、中でも球状が好ましい。平均粒径は、10〜300nmであることが好ましい。これらの存在は、X線回折法により知ることができる。
【0023】
フレーク状ガラスは、以下のように製造することができる。まず、フレーク状ガラスの原料を配合する。具体的には、フレーク状ガラス中のチタン(Ti)含有量が酸化チタンに換算して7質量%以上38質量%以下、フレーク状ガラス中の鉄(Fe)の含有量が酸化鉄に換算して、2質量%以上13質量%以下となるように、母材となる(D1)シリカ原料に粒子状の(A1)チタン原料と(B1)鉄原料とを配合する。フレーク状ガラス中におけるチタン含有量と鉄含有量との比率は、酸化チタンと酸化鉄との質量比に換算して、2.5:1〜10:1とすることが好ましい。(A1)チタン原料は、アルコキシド等のチタン化合物や酸化チタン微粒子、チタニアゾルを用いることができる。また、(B1)鉄原料は、硝酸塩等の鉄イオン、アルコキシド等の鉄化合物、鉄含有コロイド、酸化鉄コロイド、又は酸化鉄微粒子を用いることができる。(A1)チタン原料の平均粒径は、1〜100nm、特に10〜100nmであることが好ましい。また、(B1)鉄原料の平均粒径が100〜300nmであることが好ましい。(A1)チタン原料や(B1)鉄原料の平均粒径は、レーザー散乱法によって測定された粒度分布の体積累積50%の粒径を意味する。
【0024】
成分(D1)のシリカ原料には、シリカゾルを用いると好ましい。例えば、成分(D1)としてシリカゾルを用い、成分(A1)としてチタンニアゾルと、成分(B1)として酸化鉄微粒子とを配合してゾル液を調製することができる。
【0025】
ゾル液には、水、有機溶媒及び触媒のいずれかを含むことができる。有機溶媒としては、水溶性の有機溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、ケトン、およびエステルが挙げられる。また、触媒としては、酸触媒や塩基触媒が用いられる。酸触媒としては、プロトン酸が好ましく、具体的には、硝酸、塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、クエン酸、硫酸、リン酸およびトルエンスルホン酸が挙げられる。酸の添加量は特に限定されないが、成分(D1)のシリカ原料に対してモル比で0.001〜2が好ましい。塩基触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムを用いることができる。
【0026】
その他、上記ゾル液の特性を変化させるために、有機増粘剤等を添加しても良い。
【0027】
ついで、公知の技術(例えば、特許文献3の実施例など)を用いて、基材、好ましくは表面が平滑な基板の表面に、上記調製したゾル液を塗布する。このとき、基板上に0.06〜50μmのゾル液の薄膜を形成するように塗布すればよい。基板の材質は金属、ガラスあるいはプラスチック等とすることができる。このように形成したシリカゾルの薄膜は、乾燥すると収縮するが、基板は収縮しない。したがって、膜に亀裂が発生して、未焼成のフレーク状ガラスを得ることができる。
【0028】
その後、未焼成のフレーク状ガラスを熱処理する。熱処理の温度及び時間は、成分(A1)のチタン原料の表面に成分(B1)の鉄原料が反応して成分(C)のチタン・鉄複合酸化物、特にシュードブルッカイトが生成し、かつ、成分(D1)のシリカ原料を含むマトリックスがガラスへ転移する条件であればよい。具体的には、700〜1200℃で10分間〜24時間加熱することができ、900〜1100℃で5〜10時間加熱するとより好ましい。
【0029】
このように焼成することで、成分(D1)のシリカ原料が焼成した(D)シリカガラスとなり、成分(A1)のチタン原料の表面に成分(B1)の鉄原料が反応して成分(C)のチタン・鉄複合酸化物が形成され、成分(B1)とは反応しなかった成分(A1)のチタン原料が、成分(A)の酸化チタンとなり、成分(A1)とは反応しなかった成分(B1)の鉄原料が、成分(B)の酸化鉄となる。そして、成分(A)の酸化チタンと、成分(B)の酸化鉄と、成分(C)のチタン・鉄複合酸化物とが、成分(D)のシリカガラスによって内包された、表面が平滑なフレーク状ガラスが得られる。フレーク状ガラス全体に対する金属酸化物の内包率(成分(A)の内包率と成分(B)の内包率と成分(C)の内包率との合計)は、自然さとカバー力の点から、10質量%以上が好ましく、特に20質量%以上とすることが好ましい。また、製造容易性の観点から、55質量%以下とすると好ましく、50質量%がより好ましい。フレーク状ガラス中の(D)シリカガラスの含有量は、例えば、50質量%以上90質量%以下とすることができる。なお、酸化チタン及び酸化鉄の平均粒径は、焼成前後でほぼ同じであることが確認されている。
【0030】
得られたフレーク状ガラスは、化粧料全体に1〜50質量%含有させることが好ましい。フレーク状ガラスは、含有させる化粧料の目的に応じて適宜疎水化処理をして使用することができる。上記疎水化処理の方法としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高粘度シリコーンオイル、シリコーン樹脂等のシリコーン化合物による処理、アニオン活性剤、カチオン活性剤等の界面活性剤による処理、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、テフロン(登録商標)、ポリアミノ酸等の高分子化合物による処理、パーフルオロ基含有化合物、レシチン、コラーゲン、金属石鹸、親油性ワックス、多価アルコール部分エステル又は完全エステル等による処理等の方法が挙げられる。但し、一般に粉末の疎水化処理に適用できる方法であれば良く、これらの方法に限定されるものではない。
【0031】
本発明の化粧料は、常法により種々の剤型で使用され、その剤型は特に制限されないが、油中水型化粧料であってもよいし、水中油型化粧料であってもよい。また、粉末固形や油性固形であってもよい。また、化粧料の形態としては、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、エアゾール化粧料、下地化粧料、リキッドファンデーション、パウダーファンデーション、白粉、パウダーアイシャドー、口紅等のメーキャップ化粧料等として使用される。
【0032】
本発明の化粧料は、油性成分、界面活性剤、必要に応じて水を加える構成を基本構成とし、さらに前述のフレーク状ガラスを含有させたものとすることができる。フレーク状ガラスの含有量は、化粧料の形態によって適宜変更することが好ましく、例えば、パウダーファンデーション、アイシャドウのような粉末固形の場合は、粉末固形全体にフレーク状ガラスを0.5〜40質量%含有させることが好ましい。また、油中水型乳化物または水中油型乳化物の場合は、乳化物全体にフレーク状ガラスを0.1〜20質量%含有させることが好ましい。
【0033】
また、本発明の化粧料は、上述のフレーク状ガラスと着色顔料内包ポリマー粉体とを組み合わせて含むものであるとより好ましい。こうすることで、光の短波長側をカットして、毛穴が目立たないようにさせてカバー力をさらに向上させた化粧料を得ることができる。フレーク状ガラスも着色顔料内包ポリマー粉体もいずれも着色顔料が内包されているため、直接着色顔料を添加した化粧料に比較して、十分なカバー力と自然な仕上がりを兼ね備えることができる。特に、乳化化粧料中にこれらの粉体を併用することにより、フレーク状ガラスと着色顔料内包ポリマーが肌の皮丘や皮溝に均一に付着し、特にフレーク状ガラスが皮丘と皮溝キワ付近に付着するため、十分なカバー力と自然な仕上がりを兼ね備えることができる。特に、乳化型化粧料の形態であると、フレーク状ガラスと着色顔料内包ポリマー粉体との組み合わせ効果が高くなる。このような乳化型化粧料である場合、化粧料全量中にフレーク状ガラスを0.1〜10質量%、着色顔料内包ポリマー粉体を0.3〜15質量%含むことが好ましい。
【0034】
着色顔料内包ポリマー粉体は、ポリマーを母材として、その中に着色顔料を内包した平均粒径1〜15μmであるポリマー粉体であり、例えば、特開2008−162941号公報記載のものを広く用いることができる。
母材となるポリマーとしては、疎水的な性質を有するものが好ましく、例えば、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン樹脂等が挙げられ、特に粒子強度及び耐溶剤性の観点から架橋ポリマーが好ましく、ラウリル(メタ)アクリレート−エチレングリコールジ(メタ)アクリレートコポリマーが特に好ましい。
【0035】
また、着色顔料としては、(a)白色無機顔料、(b)赤色無機顔料、(c)黄色無機顔料が挙げられる。具体的には、成分(a)の白色無機顔料としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、酸化亜鉛/二酸化チタン複合酸化物などが挙げられる。また、成分(b)の赤色無機顔料としては、(b)ベンガラ、酸化鉄/酸化チタン焼結物などが挙げられる。また、成分(c)の黄色無機顔料としては、黄酸化鉄、酸化セリウムなどが挙げられる。中でも、成分(a)の白色無機顔料として酸化チタンと、成分(b)の赤色無機顔料として酸化鉄/酸化チタン焼結物と、成分(c)の黄色無機顔料として黄酸化鉄をポリマーに内包させた、酸化チタン・酸化鉄内包ポリマーが特に好ましい。
【0036】
着色顔料内包ポリマー粉体中における、成分(a)〜(c)の着色顔料の含有量の合計は、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、特に10〜20質量%であるのが、粉体の光透過性と光散乱性のバランス面で好ましい。ポリマー中の上記着色顔料の質量割合は、(a):(b):(c)=70〜97:1〜10:2〜20、特に90〜97:1〜3:2〜7であることが好ましい。
【0037】
着色顔料内包ポリマー粉体は、例えば、(I)モノマーとして(メタ)アクリル酸エステル、重合開始剤としてのラウロイルパーオキサイドを混合して溶解する;(II)得られた混合液に、所望量の無機顔料(成分(a)、(b)、(c)を含む)を分散させ、さらにポリビニルアルコール水溶液に添加して、撹拌しながら加熱して重合(懸濁重合)して粒子を得る;(III)得られた粒子を濾別、水洗、乾燥すること、等により得ることができる。
【0038】
また、本発明の化粧料には、フレーク状ガラスや上記着色顔料内包ポリマーの他に、例えば、上記以外の無機および有機粉体、油性成分、界面活性剤、水溶性多価アルコール、酸化防止剤、防腐剤、増粘剤、紫外線吸収剤、香料などの通常化粧料に用いられる他の成分を必要に応じて適宜配合することができる。以下に列挙する。
【0039】
無機粉体としては、例えば、タルク、カオリン、セリサイト、シリカ、窒化ホウ素、セラミックスパウダー等の体質顔料;酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料;べンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カーボンブラック、群青等の着色顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、着色酸化チタン被覆雲母等のパール顔料などが挙げられる。
【0040】
有機粉体としては、例えば、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ベンゾグアナミン樹脂パウダー、ポリ四弗化エチレンパウダー、ジスチレンベンゼンポリマーパウダー、エポキシ樹脂パウダー、アクリル樹脂パウダー、微結晶性セルロース等が挙げられる。
【0041】
油性成分としては、例えば、スクワラン、パラフィンワックス、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、セレシン、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセロール、オレイン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセロール、トリヤシ油脂肪酸グリセロール、オリーブ油、アボガド油、椿油、ホホバ油、ミツロウ、鯨ロウ、カルナウバロウ、ミリスチン酸ミリスチル、ミンク油、ラノリン等の各種炭化水素、高級脂肪酸類、油脂類、エステル類、高級アルコール類、ロウ類、揮発性シリコーンや不揮発性シリコーン油等のシリコーン油類などが挙げられる。
【0042】
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、脂肪酸アルカリ金属塩、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0043】
水溶性多価アルコールとしては、分子内に水酸基を2個以上含有する水溶性多価アルコールで、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、及びジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリンなどのポリグリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトース、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、デンプン分解糖還元アルコール等が挙げられる。
【0044】
また、α−トコフェロール等の酸化防止剤;ブチルパラベン、メチルパラベン等の防腐剤;キサンタンガム、カラギーナン等の増粘剤等も適宜配合することができる。
【0045】
つづいて、本発明の化粧料の作用効果について説明する。本発明の化粧料は、フレーク状ガラスを含み、このフレーク状ガラスの450nmにおける直線透過率T(450)が0.5〜1.1であり、550nmにおける直線透過率T(550)が0.6〜1.4であり、650nmにおける直線透過率T(650)が0.7〜1.5であって、各波長における直線透過率の関係が、T(450)<T(550)≦T(650)である。すなわち、本発明の化粧料は、波長の増加に伴い段階的に透過率が変化するフレーク状ガラスを配合している。したがって、青色や緑色を呈する短中波長の透過を抑制し、かつ、赤色を呈する長波長を透過することができ、皮膚を肌色に着色するとともに、毛穴や肌むらのぼかし効果を得ることができる。
【0046】
金属酸化物微粒子とガラスフレークとを分離して化粧料に配合させた場合、粉っぽい印象を与えたり、厚ぼったい印象を与えたりする。しかしながら、本発明では、フレーク状ガラスを金属酸化物微粒子を内包しているため、化粧料に配合させたときにこのような粉っぽい印象を与えることは少ない。また、透明感、透け感を与えるため、よりナチュラルな仕上がりを得ることが可能になる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【実施例】
【0048】
製造例1〜4(フレーク状ガラスの製造)
下記、製造例1〜4に従いフレーク状ガラスを作製した。チタニアゾル、酸化鉄の粒径は、マイクロトラック(日機装株式会社)により測定した平均粒径である。
(製造例1)
シリカゾル(SiO、日本化学工業社製)233g(70.0質量%)、チタニアゾル(TiO、粒径30nm)75g(22.5質量%)、酸化鉄(Fe、粒径200nm)7.5g(7.5質量%)を混合し、50℃で18時間養生して塗布液とした。幅10cmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにバーコーターを用いて塗布した。次に、PETフィルムを雰囲気温度120℃の乾燥炉に1分間入れ、PETフィルム上に形成された薄膜を乾燥させた。次に、PETフィルムに室温の水を噴霧しながら、薄膜をフェルトまたはスクレーパーで軽く擦り、PETフィルムから剥離させた。剥離した薄膜を80℃で24時間乾燥させて、1000℃で7時間焼結した。
【0049】
(製造例2)
シリカゾル(SiO)200g(60.0質量%)、チタニアゾル(TiO2。粒径30nm)100g(30質量%)、酸化鉄(Fe、粒径200nm)10g(10質量%)を混合した以外は、製造例1と同じくした。
【0050】
(製造例3)
シリカゾル(SiO)167g(50.0質量%)、チタニアゾル(TiO2。粒径30nm)125g(37.5質量%)、酸化鉄(Fe、粒径200nm)12.5g(12.5質量%)を混合した以外は、製造例1と同じくした。
【0051】
(製造例4)
シリカゾル(SiO)233g(70.0質量%)、チタニアゾル(TiO2。粒径30nm)100g(30.0質量%)を混合した以外は、製造例1と同じくした。
【0052】
(評価1)
製造例1〜4で得られたフレーク状ガラスを以下のように分析した。
1.平均厚み、平均粒径
簡易型電子顕微鏡(キーエンス社製)により測定した。
2.色相角
専用セル(ミノルタ社製、粉体セル CR−A50)に入れ、色差計(ミノルタ社製CR−300)でa値およびb値を測定し、得られたa値およびb値を用い、式(1)に基づいて色相角を算出した。
色相角(h)=tan-1(b/a) (1)
3.直進透過率
1μm厚のフレーク状ガラスを用いて、10×15cmの微粘着フィルム(エクシールコーポレーション社製)上にスポンジにて15mgを塗布して試料を調製し、変角分光反射率測定器GCMS−4(村上色彩研究所社製)を用い、透過計測モードで、オパール板を標準校正板として調整して入射角0度、透過角15度の測定条件で測定した。波長650nmにおける直進透過率をT(650)とし、波長550nmにおける直進透過率をT(550)とし、波長450nmにおける直進透過率をT(450)とした。
4.ヘイズ値(H%)、全透過率(Tt%)
フレーク状ガラスとアミノ変性シリコーン(SF8417、東レダウコーニング)とをフーバーマーラーにて、フレーク状ガラスの含有量が20質量%になるように混合した粉体分散媒を、ガラス板上にコーターで15μmになるように製膜した。この粉体分散膜をヘイズメータHM−150(村上色彩研究所社製)にて、ISO14782に準拠してヘイズ値(H)を計測し、ISO13468−1に準拠して全透過率(Tt)を計測した。
5.光沢度
光沢度は、変角分光測定システム(村上色彩技術研究所製、GCMS−4)を用いて、入射角を45度、受光角を0度としたときの光沢度G(45−0)、入射角を45度、受光角を45度としたときの光沢度をG(45−45)をそれぞれ測定し、G(45−45)/G(45−0)を求めた。
6.表面粗さ(Ra)
フィールドエミッション電子線三次元粗さ解析装置ERA−8900FE(エリオニクス社製)により測定した。
【0053】
製造例1〜4の評価結果を表1にまとめた。表1には、比較品として、体質顔料であるマイカ(Y−2300、株式会社ヤマグチマイカ)、及び、着色顔料である酸化チタン(CR−50、石原産業株式会社)についても併せて示した。
【0054】
【表1】

【0055】
図1は、製造例1、4、上記のマイカ50mg、及び、酸化チタン50mgをそれぞれ縦50×横50のシリコーンゲルシート上に、化粧用スポンジで均一に塗布して作製した試料を、濃い肌色(L61、a21、b33)と薄い肌色(L68、a7、b25)との格子模様の印刷紙の上に置いて観察した結果を示すものである。
【0056】
表1で示すように、マイカでは、短中長波長の直線透過率がすべて1.5を超えている。そのため、透明性は高いが、透過した光を散乱させることができない。したがって、ぼかし効果を得ることができず、図2(c)に示すように、肌色の格子模様がすけてみえてしまう。また、酸化チタンでは、短中長波長の直線透過率がすべてが0.5未満と低くなっている。そのため、こうした着色顔料では、光が反射してしまい、カバー力はあるものの透明性が低い(図2(d))。一方、製造例1のフレーク状ガラスでは、短波長から長波長になるにつれて段階的に直進透過率が増加する(図1の製造例1を参照)ため、図2(a)で示すように、適度な透感を与えつつ、肌色に着色するとともに、透過率の高い長波長の光を物体の中で散乱させてぼかし効果を与える。製造例4のフレーク状ガラスでも、適度な透感を与えつつ、ぼかし効果を与えることができるが、肌色に着色させることができない(図2(b))。
【0057】
また、表1で示すように、マイカの光沢度は6.0であり、ぎらぎらした光沢を示し(図2(c))、酸化チタンの光沢度は1.1であり、のっぺりした印象を与える(図2(d))。一方、製造例1のフレーク状ガラスの光沢度は、4.3であるため、ぎらつかず適度なふんわりしたやわらかい光沢を示すことができる(図2(a))。なお、製造例4のフレーク状ガラスの光沢度は3.0であり、製造例1のフレーク状ガラスと同程度の柔らかな光沢を有する(図2(b))。
【0058】
(実施例1〜2および比較例1〜2)
表2に示す組成のパウダーファンデーションを常法で調整し、下記<評価1>にしたがって評価した。評価結果は、合わせて表2に示した。
【0059】
【表2】

【0060】
表2中、*1〜10で示す各成分の詳細を以下に示す。粉体の表面処理は、シリコーン処理はメチルハイドロジェンポリシロキサンの2質量%処理であり、フッ素処理はパーフルオロアルキルリン酸の5質量%処理である。
*1:Y−2300、株式会社ヤマグチマイカ
*2:HK−5000、住化エンビロサイエンス株式会社
*3:KSP−300、信越化学工業株式会社
*4:パルソールMCX、DSM ニュートリションジャパン株式会社
*5:JA−46R、浅田製粉株式会社
*6:MT600B、テイカ株式会社
*7:ZnO−510(H)、住友大阪セメント株式会社
*8:フラメンコサテンバイオレット、BASF社製
*9:TSG30、日本板硝子株式会社
*10:CT−50 、石原産業株式会社
【0061】
<評価1>
仕上がりとして、凹凸(毛穴)の目立ち難さ、素肌感(ナチュラルさ)、肌の色むらのぼかし効果(肌ムラのぼかし)、およびカバー力(色の均一さ)を評価した。
評価方法は、専門パネラー10名が実施例1、2、及び、比較例1、2のパウダーファンデーションを使用し、仕上がり(毛穴の目立ち難さ、ナチュラルさ、肌むらのぼかし、カバー力)について官能評価し、以下の基準で示した。
A:8人以上が効果ありと評価した。
B:6〜7人が効果ありと評価した。
C:4〜5人が効果ありと評価した。
D:3人以下が効果ありと評価した。
【0062】
(実施例3〜6および比較例3〜4)
表3に示す組成のW/O型リキッドファンデーションを以下の手順で製造した。
粉体成分をアトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕し、別途混合した油相成分Iに添加してディスパーで分散した。その後、水相成分、油相成分IIの順で添加し、ホモミキサーで攪拌してW/O型液状ファンデーションを得た。表3中、各成分は、リキッドファンデーション全体に対する質量%を示す。粉体の表面処理は、シリコーン処理はメチルハイドロジェンポリシロキサンの2質量%処理であり、フッ素処理はパーフルオロアルキルリン酸の5質量%処理である。
実施例3、4、及び、比較例3のW/O型リキッドファンデーションは、下記<評価2>にしたがって評価した。評価結果は、合わせて表3に示した。
【0063】
【表3】

【0064】
<評価2>
仕上がりとして、凹凸(毛穴)の目立ち難さ、肌の色むらのぼかし効果(目立ち難さ)、素肌感(ナチュラルさ)、カバー力(色の均一さ)、および使用感(のびの良さ)を評価した。
評価方法は、専門パネラー10名が実施例3、4、及び、比較例3のW/O型リキッドファンデーションを使用し、仕上がり(凹凸の目立ち難さ、素肌感、色むらの目立ち難さ、色の均一さ)、使用感(のびの良さ)について官能評価した。評価基準は、評価1と同じとした。
【0065】
表4に示す組成のO/W型下地料を以下の手順で製造した。
水相成分Iを溶解し、さらに水相成分IIを添加して混合し、水溶液Aを得た。別途、粉体成分を油相成分に加え、ディスパーを用いて強分散させ、分散体Bを得た。水溶液Aをアジホモミキサーに移し変え、室温にて7500rpmの高速回転を行いながら、分散体Bをゆっくり添加した後、20分攪拌してO/W型下地料を得た。表4中、各成分は、下地化粧料全体に対する質量%を示す。粉体の表面処理は、フッ素処理はパーフルオロアルキルリン酸の5質量%処理である。
実施例5、6、及び、比較例4のO/W型化粧下地は、上記<評価2>にしたがって評価した。評価結果は、合わせて表4に示した。
【0066】
【表4】

【0067】
表3、4中、*1〜13で示す各成分の詳細を以下に示す。
*1:SH3775M、東レ・ダウコーニング株式会社
*2:パルソールMCX、DSM ニュートリションジャパン株式会社
*3:下記式(A−4)に示す。特開平7−277914号公報の製造例6に準じて製造したもの
*4:特開平7−133352号公報の合成例6に準じて製造したもの
*5:特開2008−162941号公報の実施例1の粉体No.8に準じて製造したもの
*6:フラメンコサテンバイオレット、BASF社製
*7:トスパール145、東レ・ダウコーニング株式会社
*8:MT600B、テイカ株式会社
*9:MZ504R3M、テイカ株式会社
*10:ポイズ310、花王株式会社
*11:ペネトールGE−IS、花王株式会社
*12:FOMBLIN HC/K、アウジモント社製
*13:CR−50 石原産業株式会社
【0068】
【化1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物微粒子を内包するフレーク状ガラスを含む化粧料であって、
前記フレーク状ガラスが下記(i)及び(ii)を満たす、化粧料。
(i)650nmにおける直線透過率T(650)が0.7〜1.5であり、
550nmにおける直線透過率T(550)が0.6〜1.4であり、
450nmにおける直線透過率T(450)が0.5〜1.1であって、かつ、
t(450)<Tt(550)≦Tt(650)の関係にある。
(ii)入射角を45度、受光角を0度としたときの光沢度をG(45−0)とし、入射角を45度、受光角を45度としたときの光沢度をG(45−45)としたとき、2.0≦G(45−45)/G(45−0)≦5.0で表される。
【請求項2】
前記フレーク状ガラスは、表面が平滑である、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記フレーク状ガラスは、前記金属酸化物微粒子として下記成分
(A)酸化チタン
(B)酸化鉄
(C)チタン・鉄複合酸化物
を内包する、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
前記フレーク状ガラス中のチタン含有量は、酸化チタンに換算して、7質量%以上38質量%以下であり、
前記フレーク状ガラス中の鉄含有量は、酸化鉄に換算して、2質量%以上13質量%以下である、請求項3に記載の化粧料。
【請求項5】
前記成分(C)のチタン・鉄複合酸化物がシュードブルッカイトである、請求項4に記載の化粧料。
【請求項6】
前記フレーク状ガラス全体に対する前記金属酸化物微粒子の内包率が10質量%以上55質量%以下である、請求項1乃至5いずれか1項に記載の化粧料。
【請求項7】
前記フレーク状ガラスとアミノ変性シリコーンとを混合することで、フレーク状ガラスを20質量%含有する粉体分散媒を調製し、前記粉体分散媒をガラス板上にコーターで15μmになるように成膜して、得られた粉体分散膜をISO14782に準拠して測定したヘイズ値(H)が60%以上であり、
前記粉体分散膜をISO13468−1に準拠して測定した全透過率(Tt)が60%以上である、請求項1乃至6いずれか1項に記載の化粧料。
【請求項8】
前記フレーク状ガラスの色相角が50度以上75度以下である、請求項1乃至7いずれか1項に記載の化粧料。
【請求項9】
前記フレーク状ガラスとともにさらに着色顔料内包ポリマー粉体を含む、請求項1乃至8いずれか1項に記載の化粧料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−121817(P2012−121817A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271562(P2010−271562)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】