説明

化粧料

【課題】 粒径25〜35μmの球状粒子により顔の凹凸を平滑に整えることで、光輝性粉体の光輝感や干渉効果を存分に発揮させ、顔に立体感を付与することで、自然な仕上がりの小顔効果が得られ、しかもなめらかな使用感や化粧膜の均一性が良好である化粧料を提供すること。
【解決手段】 次の成分(A)及び(B);(A)粒径25〜35μmの球状粒子、(B)光輝性粉体、を含有することで自然な仕上がりの小顔効果が得られる化粧料を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒径25〜35μmの球状粒子と光輝性粉体を組み合わせることにより、顔の凹凸を平滑にして、光輝性粉体の光輝感や干渉効果を存分に発揮して、顔に立体感を付与することで、自然な仕上がりの小顔効果が得られる化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、小顔に憧れる女性が増えている。このため、小顔効果を謳うメイク製品やメイク方法が市場で好評を得ている。そして、小顔に見せるために必要な、メリハリがある立体感を出すために、顔のサイドやフェイスラインに陰影をつけるシェーディングという方法や、Tゾーンや頬に明るくするハイライトがよく使われている。
【0003】
従来のシェーディングやハイライト方法では、顔のサイドやフェイスラインには、肌より濃い色を用いて影を付けて顔の輪郭を小さくするように見せて、Tゾーンや頬には、白色や光を反射する明るい色を用い高く見せて、小顔効果を得て作っていた。しかし、ナチュラルメイクが求められる近年では、特にシェーディングの方法は近くで見た場合、不自然になってしまっていた。
【0004】
そこで、特定の4層干渉顔料と別な干渉顔料とを組み合わせて用いることにより、輪郭を強調するシャドーイング効果が得られる化粧料組成物が検討されてきた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2003−519644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、角度によって見える色が異なるという光の干渉効果を用いて立体感を得る技術は、肌の凹凸に沿って干渉顔料が並ぶため、干渉顔料の立体効果を十分に発揮できず、小顔効果が得られていないのが現状である。
そこで、自然な仕上がりの小顔効果が得られる化粧料が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記実情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、粒径25〜35μmの球状粒子を用いることにより、凹凸を失くした肌を作り、その上に光輝性顔料を平滑に並べることができる。そして、顔の正面になる部分は明度が上がり前に出てきたように見え、顔のサイドやフェイスラインの側面になる部分は明度が下がり奥に下がったように見えることにより、自然に陰影を際立たせ、立体感のある顔になり小顔効果のある化粧料が得られ、前記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の成分(A)及び(B);
(A)粒径25〜35μmの球状粒子、
(B)光輝性粉体、
を含有することで自然な仕上がりの小顔効果が得られる化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の化粧料は、顔の凹凸を平滑に整えることで、光輝性粉体の光輝感や干渉効果を存分に発揮させ、顔に立体感を付与することで、自然な仕上がりの小顔効果が得られ、しかもなめらかな使用感や化粧膜の均一性が良好である化粧料に関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明に用いられる成分(A)粒径25〜35μmの球状粒子は、一般的に幅100〜300μmで深さ20〜100μmと言われている人の毛穴や皮溝に対し、選択的に蓋をし、顔の凹凸を平滑に整えることができるものである。
【0012】
粒径が35μmを超える球状粒子は、肌上で安定して留まる場所が無く、塗布時に肌から落下するか、塗布体や指に付着するもの以外は、転がり続け、化粧膜によれを生じやすい。また、この現象は経時的にも生じるため、経時的に顔の凹凸を平滑に整える効果の持続性が低下するため、好ましくない。
【0013】
粒径が25μm未満の球状粒子は、毛穴や皮溝に選択的に存在しない、つまり皮丘にも存在するために、顔の凹凸を平滑に整える効果が低く、逆に本来皮丘に存在すべき成分(B)の光輝性粉体を毛穴や皮溝に落ち込ませるといった現象も引き起こす場合もあり、好ましくない。
【0014】
尚、本発明における粒径は、肌上に塗布された際の粒子の大きさを表すものであり、例えば、本発明の化粧料に油剤等を配合する場合、これらと接触すると膨潤や収縮等の変形を生ずる粒子については、変形後の粒子の大きさを表すものである。
【0015】
このような成分(A)の球状粒子は、その組成は特に限定はされず、通常化粧料に用いられる粉体であれば、多孔質、無孔質等の粒子構造等に限定されず、無機粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、セルロースパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、ポリスチレンパウダー、ウレタンパウダー等の有機粉体類、シリカ、ケイ酸マグネシウム等の無機粉体類、シラスバルーン、ガラスバルーン、(メタクリル酸メチル/アクリロニトリル)コポリマー等の中空粉体類、前記有機粉体・無機粉体・中空粉体等の複合化粉体類等が挙げられ、これらより一種又は二種上を用いることができる。これらの中でも、シリコーンパウダー、ウレタンパウダー等の弾性を有する粒子や、ナイロンパウダー、セルロースパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、シリカ等の光散乱性の高い粒子が特に好ましい。
【0016】
本発明の成分(A)の粒子における球状なる意味は、真球状のみを意味するものではなく、楕円、球状等を含むものである。また、成分(A)の球状粒子は、表面が平滑のものでも、表面に孔が開いているものや、表面に微小の凹凸があるものでも良い。
【0017】
本発明の化粧料における成分(A)球状粒子の含有量は、特に限定されないが、0.1〜50質量%(以下、単に「%」と略す。)が好ましく、例えば、本発明が油性化粧料の場合は、1〜50%がより好ましく、油中水型化粧料や水中油型化粧料の場合は、0.1〜15%がより好ましく、粉末化粧料の場合は、0.1〜30%がより好ましい。成分(A)をこの範囲で配合すると、自然な仕上がりの小顔効果、なめらかな使用感、化粧膜の均一性の点で優れたものが得られるため好ましい。
【0018】
本発明に用いられる成分(B)の光輝性粉体は、鏡面反射の反射光が得られるもので、母粉体に材質の違う素材で被覆した板状粉体でる。被覆層は1層以上から数層であってもよく、通常化粧料に用いられるものであれば、いずれのものも使用することができる。更に、立体感を与える性質上、干渉光を有する粉体が好ましい。また、平均粒径は1〜150μmが好ましく、更に5〜100μmが好ましい。
母粉体の材質としては、無機類、有機類、いずれのものも使用することができ、具体的には、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、酸化チタン、シリカ、酸化セリウム、硫酸バリウム、タルク、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、ガラス等の無機板状粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機板状粉体、アルミニウム等の金属粉体を挙げることができる。
被覆層の材質としては、酸化チタン、酸化鉄、鉄・チタン酸化物(チタン酸鉄)、シリカ、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化錫、金、銀等が挙げられる。
【0019】
この中でも、干渉光を得られやすく、化粧料に含有させることが容易であるという観点から、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイトを母粉体とする板状粉体に酸化チタンを被覆した物が好ましい。
具体的には、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆板状アルミナ、酸化チタン被覆板状シリカ、酸化チタン被覆板状硫酸バリウム、シリカ被覆雲母、シリカ被覆オキシ塩化ビスマス、シリカ被覆板状アルミナ、シリカ被覆板状硫酸バリウム等を例示する事ができ、さらに、これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
更に、光輝性粉体の中でも、薄片状基材に被覆する被覆層として屈折率が2以上の着色層を少なくとも2種積層被覆した複合粉体であって、当該着色層の間又は最外層に、屈折率が1.3〜1.8である光散乱層を有する複合粉体が特に高い効果を発揮することができより好ましい。当該着色層が酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛から選ばれる二種以上であると立体効果の点で更に好ましい。そして、当該光散乱層が無水ケイ酸、酸化アルミニウムから選ばれる一種以上であると立体効果の点で更に好ましい。
本発明の光輝性粉体は、鏡面反射の反射光と拡散反射の反射光の両者が得られ、その明度差が大きいものが特に好ましい。明度差が大きいと、ハイライトとなる部分と陰影を与える部分の差が大きくなり、その結果化粧膜に立体感を与え、小顔効果をより得ることができるためである。
【0020】
このような成分(B)の光輝性粉体は、市販品として、例えば、雲母を母体に赤酸化鉄、無水ケイ酸、酸化チタンを被覆した光輝性粉体は、RELIEF COLOR RED、RELIEF COLOR YELLOW、RELIEF COLOR BLUE、RELIEF COLOR BEIGE、RELIEF COLOR PINK(以上、日揮触媒化成社製)等を挙げることができる。
雲母を母体に酸化チタンを被覆した光輝性粉体は、TIMIRON SUPER RED、TIMIRON SUPER GOLD(以上、メルク社製)や、FLAMENCO RED 420C、FLAMENCO GOLD 220C,FLAMENCO ORANGE 320C(以上、BASF社製)等を挙げることができる。
雲母を母体に酸化チタン、無水ケイ酸を被覆した光輝性粉体は、TIMIRON SPLENDID RED、TIMIRON SPLENDID GOLD、TIMIRON SPLENDID GREEN、TIMIRON SPLENDID BLUE、TIMIRON SPLENDID VIOLET(以上、メルク社製)等を挙げることができる。
雲母を母体に赤酸化鉄を被覆した光輝性粉体は、CLOISONNE CERIESE FLAMBE 550Z(BASF社製)、XIRONA INDIAN SUMMER(メルク社製)等を挙げることができる。また、雲母を母体に黒酸化鉄を被覆した光輝性粉体は、COLORONA BLACKSTAR RED、COLORONA BLACKSTAR BLUE、COLORONA BLACKSTAR GREEN、COLORONA BLACKSTAR GOLD(メルク社製)等を挙げることができる。
雲母を母体に酸化チタン、赤酸化鉄を被覆した光輝性粉体は、DUOCROME YR(BASF社製)等を挙げることができる。
ガラスを母体に酸化チタンを被覆した光輝性粉体は、マイクログラス メタシャイン MT1080RR、マイクログラス メタシャイン MT1080RR、マイクログラス メタシャイン MT1080RG、マイクログラス メタシャイン MT1080RB、マイクログラス メタシャイン MT1080RS、マイクログラス メタシャイン MT1080RY、MT1120RR、マイクログラス メタシャイン MT1120RG、マイクログラス メタシャイン MT1120RB、マイクログラス メタシャイン MT1120RS、マイクログラス メタシャイン MT1120RY、(日本板硝子社製)等を挙げることができる。
【0021】
本発明の化粧料における成分(B)の光輝性粉体の含有量は、特に限定されないが、0.1〜50%が好ましく、例えば、本発明が油性化粧料の場合は、1〜50%がより好ましく、油中水型化粧料や水中油型化粧料の場合は、0.1〜15%がより好ましく、粉末化粧料の場合は、0.1〜30%が好ましい。
成分(B)をこの範囲で配合すると、自然な仕上がりの小顔効果、なめらかな使用感、化粧膜の均一性の点で優れたものが得られるため好ましい。
【0022】
本発明の化粧料には、上記必須成分に加え、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲において、成分(A)、(B)以外の粉体、油剤、水性成分、水溶性高分子、界面活性剤、ゲル化剤、保湿剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、キレート剤、香料、美容成分等の通常化粧料に汎用される成分を含有することができる。
前記必須成分(A)(B)以外の粉体としては、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に制限はない。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、微粒子酸化チタン、針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、薄片状酸化亜鉛等の紫外線遮断粉体、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、タール色素等の着色顔料、タルク、雲母、セリサイト、合成雲母、カオリン、シリカ、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料、ナイロン粉末、ポリスチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、カーボンブラック、炭化珪素、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、スメクタイト、オルガノポリシロキサンエラストマー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダーやポリメチルシルセスキオキサンパウダーといった有機樹脂粉末、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−ラウロイルリジン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を複合化したものを用いてもよい。
【0023】
油剤としては、エモリエント剤、感触調整剤等の目的で含有されるものであり、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィシャトロプスワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0024】
水性成分としては、感触調整剤、保湿剤、清涼剤、防腐剤等の目的で用いられるものであり、水の他に、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0025】
水溶性高分子としては、粘度調整剤、感触調整剤等の目的で用いられるものであり、ペクチン、寒天、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0026】
本発明に用いられる界面活性剤は、乳化剤、湿潤剤、感触調整剤等の目的で用いられるものであり、グリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、グリセリン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンシリコーン共変性シリコーン等の非イオン性界面活性剤類、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩等の陰イオン性界面活性剤類、アルキルアミン塩、ポリアミンおよびアルカノイルアミン脂肪酸誘導体、アルキルアンモニウム塩、脂環式アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤類、レシチン、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0027】
本発明の化粧料の剤型は、特に限定されないが、油性型、粉末型、水中油型や油中水型、水中油中水型等の乳化剤型、溶液剤型、多層型、可溶化型等が挙げられる。
また、本発明のメーキャップ化粧料の形態は、固形状、液状、乳液状、ゲル状、クリーム状、粉末状等の何れでも良い。
【0028】
更に、本発明の化粧料は、ファンデーション、下地料、白粉、頬紅等に適用可能であり、更には、紫外線吸収剤や微粒子酸化チタンを含有することにより、日焼け止め効果を併せ持つ化粧料や、保湿効果や美白効果のある美容成分を含有することにより、肌荒れ防止や美白作用を併せ持つ化粧料にも適用可能である。
【実施例】
【0029】
以下に実施例をもって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
【0030】
実施例1〜7、比較例1〜2:油中水乳化型ファンデーション
表1に示す組成のファンデーションを以下に示す製法により調製し、「(イ)自然な仕上がりの小顔効果」、「(ロ)化粧膜の均一性」、「(ハ)なめらかな使用感」について、以下に示す評価方法及び判断基準により評価し、その結果を併せて表1に示した。
【0031】
【表1】

【0032】
*1:ジメチルポリシロキサン 2%処理
*2:シリコンKF−6028P(信越化学工業社製)
*3:MX−3000C(綜研化学社製)
*4:KSP−102(信越化学工業社製)
*5:シリカ
*6:KSP−100(信越化学工業社製)
*7:RELIEF COLOR BEIGE(日揮触媒化成社製)
*8:TIMIRON SUPER GOLD(メルク社製)
*9:CLOISONNE CERIESE FLAMBE 550Z(BASF社製)
【0033】
(製法)
A.成分1〜9を3本ローラーにて2回処理する。
B.〔A〕、成分10〜20を均一に混合する。
C.成分21〜26を均一に混合する。
D.〔B〕に〔C〕を徐々に添加し、分散乳化する。
E.〔D〕を脱泡し、容器に充填する。
【0034】
〔評価方法及び判定基準〕
前記実施例1〜7の油中水乳化型ファンデーションを化粧品専門パネル20名に使用してもらい、「(イ)自然な仕上がりの小顔効果」、「(ロ)化粧膜の均一性」、「(ハ)なめらかな使用感」の各々の項目について、以下に示す評価基準にしたがって、各ファンデーション毎に評点を付し、全パネルの評点の平均点により以下に示す判定基準にしたがって判定した。尚、「(イ)自然な仕上がりの小顔効果」については、ハイライトやシェーディング効果により、立体感が得られ、実際より小顔に見えるかどうかを基準とした。
【0035】
(評価基準)
評価結果:評点
非常に良好:5点
良好:4点
普通:3点
やや不良:2点
不良:1点
【0036】
(判定基準)
全パネルの評点の平均点:判定
4.5点以上:◎
3.5以上〜4.5点未満:○
2.0以上〜3.5点未満:△
2.0点未満:×
【0037】
表1に示すように、本発明である実施例1〜7の油中水乳化型ファンデーションは、「(イ)自然な仕上がりの小顔効果」、「(ロ)化粧膜の均一性」、「(ハ)なめらかな使用感」の全ての項目に優れた化粧料であった。
一方、25〜35μmの球状粒子の替わりに5μmの球状粒子を含有した比較例1では肌が平滑にならず小顔効果が得られず、粉っぽく伸び広がりが悪く重いため、化粧膜が崩れ、使用感も良いものが得られなかった。また光輝性粉体の替わりにダルクを含有した比較例2では立体感が強調されないため、小顔効果が得られず、塗布時の軽さがなく、化粧膜の均一性やなめらかな使用感も良いものが得られなかった。
【0038】
実施例8:陰影強調水中油乳化型化粧料(下地)
(成分) (%)
1.リン脂質処理酸化チタン(0.5%処理) 20
2.微粒子酸化チタン 5
3.リン脂質処理タルク(1%処理) 残量
4.赤酸化鉄 0.5
5.黄酸化鉄 3
6.黒酸化鉄 0.2
7.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3
10.ジメチルポリシロキサン(6mm/s、25℃) 1
11.平均粒径約30μmの球状粉体 *3 10
12.光輝性粉体 *7 5
13.ステアリン酸 1.5
14.セトステアリルアルコール 1
15.ベヘニルアルコール 0.5
16.1,3−ブチレングリコール 5
17.グリセリン 3
18.精製水 残量
19.エタノール 5
20.アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.3
21.キサンタンガム 0.1
22.ラベンダー水 10
【0039】
(製法)
A:成分1〜10を3本ローラーにて2回処理する。
B:〔A〕に成分11、12を添加し、70℃に加熱して均一に混合する。
C:成分13〜22を均一に70℃に溶解し混合する。
D:〔B〕に〔C〕を徐々に添加し、分散乳化する。
E:〔D〕を冷却してから脱泡し、充填する。
本発明である実施例8の陰影強調水中油乳化型化粧料は、「(イ)自然な仕上がりの小顔効果」、「(ロ)化粧膜の均一性」、「(ハ)なめらかな使用感」の全ての項目に優れた化粧料であった。
【0040】
実施例9:陰影強調粉末剤型ファンデーション
(成分) (%)
1.フッ素化合物処理酸化チタン *10 10
2.シリコーン処理タルク *1 20
3.シリコーン処理セリサイト *1 残量
4.合成金雲母 15
5.リン脂質処理赤酸化鉄 (0.5%表面被覆) 0.5
6.リン脂質処理黄酸化鉄 (0.5%表面被覆) 3
7.リン脂質処理黒酸化鉄 (0.5%表面被覆) 0.2
8.平均粒径約30μmの球状粉体 *3 5
9.平均粒径約25μmの球状粉体 *11 5
10.光輝性粉体 *7 5
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 4
13.メチルポリシロキサン(6mm/s、25℃) 4
14.コハク酸ジ2−エチルヘキシル 4
*10:トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理
*11:ナイロンパウダー
【0041】
(製法)
A:成分1〜11をヘンシェルミキサーで混合分散する。
B:〔A〕をヘンシェルミキサーで攪拌しながら、成分12〜14を添加し、均一分散する。
C:〔B〕をパルベライザーで粉砕する。
D:〔C〕を金皿に充填し、圧縮成形し、パウダーファンデーションを得られる。
本発明である実施例9の陰影強調粉末剤型ファンデーションは、「(イ)自然な仕上がりの小顔効果」、「(ロ)化粧膜の均一性」、「(ハ)なめらかな使用感」の全ての項目に優れた化粧料であった。
【0042】
実施例10:陰影強調油性コンシーラー
(成分) (%)
1.親水処理酸化チタン *12 25
2.シリコーン処理セリサイト *1 残量
3.親水処理ベンガラ *12 0.5
4.親水処理黄酸化鉄 *12 3
5.親水処理黒酸化鉄 *12 0.2
6.ポリエチレンワックス 3.5
7.キャンデリラロウ 0.5
8.架橋型メチルポリシロキサン混合物 *13 15
9.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
10.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 4
11.ジカプリン酸プロピレングリコール 20
12.平均粒径約30μmの球状粉体 *3 10
13.光輝性粉体 *14 5
*12:メチルシラノールトリ/ヤシ脂肪酸PEG−8グリセリル、ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル、ポリクオタニウム−7の混合物で4%処理
*13:KSG−16(信越化学工業社製)
*14:RELIEF COLOR PINK(日揮触媒化成社製)
【0043】
(製法)
A:成分1〜11を溶解し、混合分散する。
B:〔A〕に、成分12、13を添加し、溶解混合する。
C:〔B〕を再度110℃に加熱し、金皿に充填成形し、陰影強調油性コンシーラーを得た。
本発明の実施品である実施例10の陰影強調油性コンシーラーは、「(イ)自然な仕上がりの小顔効果」、「(ロ)化粧膜の均一性」、「(ハ)なめらかな使用感」の全ての項目に優れた化粧料であった。
【0044】
実施例11:陰影強調粉末状白粉(粉末状)
(成分) (%)
1.セリサイト 20
2.タルク 残量
3.合成金雲母 10
4.球状ナイロン粉末 *15 1
5.平均粒径25μmの球状粉体 *16 3
6.平均粒径約30μmの球状粉体 *3 10
7.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
8.窒化ホウ素 5
9.赤酸化鉄 0.05
10.黄酸化鉄 0.3
11.黒酸化鉄 0.001
12.無水ケイ酸 3
13.光輝性粉体 *17 1
14.光輝性粉体 *18 3
15.光輝性粉体 *19 10
16.香料 0.01
*15:平均粒径5μm
*16:(メタクリル酸メチル/アクリロニトリル)コポリマー
*17:XIRONA INDIAN SUMMER(メルク社製)
*18:マイクログラス メタシャイン MT1080RR(日本板硝子社製)
*19:RELIEF COLOR YELLOW(日揮触媒化成社製)
【0045】
(製法)
A:1〜16をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一分散する。
B:Aをパルベライザーにて粉砕し、容器に充填する。
本発明の実施例11の陰影強調粉末状白粉は、「(イ)自然な仕上がりの小顔効果」、「(ロ)化粧膜の均一性」、「(ハ)なめらかな使用感」の全ての項目に優れた化粧料であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(B):
(A)粒径25〜35μmの球状粒子
(B)光輝性粉体
を含有することを特徴とする化粧料。
【請求項2】
前記成分(A)がシリコーンパウダー、ウレタンパウダー、ナイロンパウダー、セルロースパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー及びシリカから選ばれる一種又は二種以上の粒径25〜35μmの球状粒子であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記成分(B)の光輝性粉体の母体が雲母で、酸化鉄及び酸化チタンが被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料。

【公開番号】特開2012−250914(P2012−250914A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122350(P2011−122350)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】