説明

化粧料

【課題】 各種油剤への良好な相溶性と皮膚もしくは毛髪への密着性を同時に解決することができる共重合体を含む化粧料を提供することで、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好で持続性に優れた化粧料を提供することを目的とする。
【解決手段】 化粧料であって、少なくともモノマー単位(I):下記式(1)で示されるシリコーンマクロモノマーと、モノマー単位(II):(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマーと、モノマー単位(III):親水性モノマーと、モノマー単位(IV):ラジカル重合性疎水性モノマーとを必須成分として構成される共重合体(A)を含むものであることを特徴とする化粧料を提供する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用性及び持続性に優れた化粧料に関し、特に皮膜剤、増粘剤、界面活性剤、及び/又は分散剤等として共重合体を配合した化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーン重合体は、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高いことから、従来より化粧料に多用されている。例えば、ヘアケア用途で使用されている高分子量のシリコーン重合体は、毛髪の艶を向上させると共に、毛髪上に柔軟性のある皮膜を形成することで櫛どおり性を良くし、コンデショニング性にも優れている。さらに、汗等による化粧崩れを防止する目的で皮膜形成性のシリコーン重合体が使用されており、皮膜形成性のシリコーン重合体としては、固体状のトリメチルシリルシリルシリコートや、シリコーングラフトアクリル共重合体等があげられる。
【0003】
これらのシリコーン重合体には、皮膚もしくは毛髪への密着性の向上や、共存する油剤への相溶性が望まれている。密着性を向上させる方法としとて、シリコーン重合体に親水基を導入する方法が開示されている(特許文献1)。しかし、ここで開示されている重合体は、シリコーン油へは良好な溶解性を示したが、炭化水素系油剤への相溶性に乏しく、各種油剤に良好な相溶性を示すものではなかった。
【0004】
油剤としてシリコーン油のみを用いると、モイスチャー性などが不足するため、炭化水素油、エステル油、植物油などの有機溶剤が併用される。しかしながらシリコーン油、特にジメチルポリシロキサンは無極性の油剤であり、エステル油、天然動植物油や紫外線吸収剤など極性の高い油剤と併用すると安定性が損なわれやすい。そのため、化粧料に使用する上でシリコーン重合体の炭化水素系油剤等の各種油剤への相溶性が良好であることは重要である。
【0005】
共存する炭化水素系油剤への相溶性を向上させるため、シリコーン重合体に長鎖アルキル基を導入する方法開示されている(特許文献2及び3)。しかし、ここで示される組成物では炭化水素系油剤への溶解性は向上するものの、密着性の向上は達成されなかった。そのため、使用性の良い化粧膜を形成するためにはさらなる検討が望まれている。しかしながら、相溶性向上のためシリコーン重合体に長鎖アルキル基(疎水性基)を導入すれば親水性が失われ、密着性を向上させるために親水性基を導入すれば疎水性が失われるため、相溶性と密着性を同時に解決することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2005/094758
【特許文献2】特許2767633
【特許文献3】特許2976146
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、各種油剤への良好な相溶性と皮膚もしくは毛髪等への密着性を同時に解決することができる共重合体を含む化粧料を提供することで、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高い等の使用感良好で使用性及び持続性に優れた化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明では、
化粧料であって、少なくとも
モノマー単位(I):下記式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー;15〜50質量%と、
モノマー単位(II):炭素数12以上のアルコール化合物またはアミン化合物と、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル化合物、及び(メタ)アクリル酸ハロゲン化合物のいずれか1以上とを縮合反応させて得られる(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマー;15〜50質量%と、
モノマー単位(III):ラジカル重合性基を有する親水性モノマー;0.1〜25質量%と、
モノマー単位(IV):炭素数10以下の炭化水素基を有するラジカル重合性疎水性モノマー;10〜60質量%とを
必須成分として構成される重量平均分子量700〜300,000の共重合体(A)を含むものであることを特徴とする化粧料を提供する。
【化1】

[上記式(1)中、Xは炭素数6〜12の2価の芳香族基もしくは−COOR−であり、但しRはSiと結合されている脂肪族基であり、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは互いに同一もしくは異なる、フッ素置換された、または非置換の炭素数1〜30の1価アルキル基、もしくはアリール基であり、nは1〜100の整数を示す。]
【0009】
このように、本発明は、少なくともモノマー単位(I):式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー;15〜50質量%と、モノマー単位(II):炭素数12以上のアルコール化合物またはアミン化合物と、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル化合物、及び(メタ)アクリル酸ハロゲン化合物のいずれか1以上とを縮合反応させて得られる(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマー;15〜50質量%と、モノマー単位(III):ラジカル重合性基を有する親水性モノマー;0.1〜25質量%と、モノマー単位(IV):炭素数10以下の炭化水素基を有するラジカル重合性モノマー;10〜60質量%とを必須成分として構成される重量平均分子量700〜300,000の共重合体(A)を含む化粧料である。前記モノマー単位(I)〜(IV)を含む共重合体(A)であれば各種油剤への良好な相溶性と皮膚もしくは毛髪等への密着性を同時に解決することができるようになる。従って、共重合体(A)を含む化粧料、特に皮膜剤、増粘剤、界面活性剤、及び/又は分散剤として利用した化粧料は、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好で使用性及び持続性に優れた化粧料となる。
【0010】
また、前記モノマー単位(III)のラジカル重合性基を有する親水性モノマーは、1種または2種以上のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
【0011】
このように、前記モノマー単位(III)のラジカル重合性基を有する親水性モノマーは、1種または2種以上のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであれば、より皮膚もしくは毛髪への密着性が良好で臭いの少ない皮膜を形成することができる共重合体(A)となる。そのため、使用感良好で使用性及び持続性に優れた化粧料を提供することができる上、臭いの少ない皮膜を形成することができる化粧料となる。
【0012】
さらに、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのいずれかであることが好ましい。
【0013】
このように、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのいずれかであれば、より皮膚もしくは毛髪への密着性が良好で臭いの少ない皮膜を形成することができる共重合体(A)となる。そのため、使用感良好で使用性及び持続性に優れた化粧料を提供することができる上、より臭いが少ない皮膜を形成することができる化粧料となる。
【0014】
また、前記化粧料は油剤成分(B)を含むものであることが好ましい。
【0015】
このように、前記化粧料は油剤成分(B)を含むものとしても、共重合体(A)は均一に溶解し安定に化粧料中に分散するため、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用性に優れた化粧料とすることができる。
【0016】
さらに、前記油剤成分(B)は、1種または2種以上の極性油とすることができる。
【0017】
このように、前記化粧料は前記油剤成分(B)として、1種または2種以上の極性油、例えばエステル油・天然動植物油を含むものとしても、共重合体(A)は均一に溶解し安定に化粧料中に分散するため、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好で使用性に優れた化粧料とすることができる。
【0018】
また、前記油剤成分(B)は、1種または2種以上のシリコーン油とすることができる。
【0019】
このように、前記化粧料は、前記油剤成分(B)として、1種または2種以上のシリコーン油を含むものとしても、一般に無極性のシリコーン油と相溶性の高い共重合体(A)は均一に溶解し安定に化粧料中に分散するため、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好で使用性に優れた化粧料とすることができる。
【0020】
さらに、前記油剤成分(B)は、1種または2種以上のエステル油・天然動植物油と1種または2種以上のシリコーン油からなるものとすることができる。
【0021】
このように、前記化粧料は、前記油剤成分(B)として、1種または2種以上のエステル油・天然動植物油(高極性油剤成分)と1種または2種以上のシリコーン油(低極性油剤成分)からなるものを含むものとしても、共重合体(A)は均一に溶解し安定に化粧料中に分散するため、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好で使用性に優れた化粧料とすることができる。そのため、極性が異なる油剤成分が共存する状態であっても共重合体(A)を含む化粧料であれば好適に使用できるものとなる。
【0022】
また、前記化粧料は紫外線吸収成分(C)を含むことができる。
【0023】
このように、前記化粧料は紫外線吸収成分(C)を含むものとしても、共重合体(A)は紫外線吸収成分(C)と分離することなく相溶するため、安定に共重合体(A)と紫外線吸収成分(C)は化粧料中に分散する。それにより、さらに紫外線吸収成分(C)を含む前記化粧料は効果的に紫外線を吸収できる化粧料となる。
【0024】
さらに、前記化粧料は水(D)を含むことができる。
【0025】
このように、前記化粧料は水(D)を含むものとしても、共重合体(A)は均一に溶解し安定に化粧料中に分散させることができるため、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好で使用性に優れた化粧料とすることができる。
【0026】
また、前記化粧料は界面活性剤(E)を含むことができる。
【0027】
このように、前記化粧料は界面活性剤(E)を含むものとしても、共重合体(A)は均一に溶解し安定に化粧料中に分散させることができるため、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好で使用性に優れた化粧料とすることができる。
【0028】
さらに、前記化粧料は皮膜剤及び/又は増粘剤として前記共重合体(A)を配合したものとすることができる。
【0029】
このように、共重合体(A)は化粧料に配合することで、皮膜剤及び/又は増粘剤としての作用、効果を奏することができる。これにより、共重合体(A)を含む化粧料は、皮膜性、粘性が増大し、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好で使用性に優れたものとなることができる。
【0030】
また、前記化粧料が乳化状のものであり、前記共重合体(A)が界面活性剤として作用するものとすることができる。
【0031】
このように、化粧料が乳化状のものである場合に、共重合体(A)は界面活性剤としての作用、効果を奏することもできる。これにより、共重合体(A)を含む化粧料が乳化状のものであっても、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好で使用性に優れた化粧料とすることができる。
【0032】
さらに、前記化粧料が粉体(F)を含むものであり、前記共重合体(A)が前記粉体(F)の分散剤として作用するものとすることができる。
【0033】
このように、前記化粧料が粉体(F)を含むものである場合に、前記共重合体(A)は前記粉体(F)の分散剤としての作用、効果を奏することもできる。これにより、共重合体(A)を含む化粧料が粉体(F)を含むものであっても、粉体の分散性に優れべたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好で使用性に優れた化粧料とすることができる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本発明によれば、各種油剤への相溶性に優れ、皮膚もしくは毛髪への密着性が良好な共重合体(A)を含み、使用性及び持続性に優れた化粧料を提供することができる。すなわち、相溶性と密着性を同時に解決することができる共重合体(A)を含む化粧料は、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好なシリコーン重合体の特性を有しながらも、使用性及び持続性に優れた化粧料となる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前述のように、シリコーン重合体の特性を有しながらも、使用性及び持続性に優れた化粧料の開発が望まれており、その為には各種油剤への相溶性と皮膚もしくは毛髪への密着性を同時に解決することができるシリコーン重合体の開発が必要であった。
【0036】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好で、使用性及び持続性に優れた化粧料を提供するためには、皮膚もしくは毛髪への密着性が良好であり、共存する油剤への相溶性も良好である共重合体を開発する必要があることを知見した。そして、本発明者は、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富む性質を与えるモノマー単位(I):シリコーンマクロモノマーと、炭化水素油、エステル油、植物油などの有機系油剤と相溶性を付加するモノマー単位(II):(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマーと、皮膜の強度、柔軟性を調整し、親水性及び密着性を付与するモノマー単位(III):親水性モノマー及び皮膜の強度、柔軟性を調整するモノマー単位(IV):ラジカル重合性疎水性モノマーを特定の割合で必須成分として構成される重量平均分子量700〜300,000の共重合体であれば、皮膚もしくは毛髪への密着性が良好であり、共存する油剤への相溶性も良好である共重合体となることを見出した。以下、詳細に説明していく。
【0037】
共重合体(A)
本発明は、
化粧料であって、少なくとも
モノマー単位(I):下記式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー;15〜50質量%と、
モノマー単位(II):炭素数12以上のアルコール化合物またはアミン化合物と、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル化合物、及び(メタ)アクリル酸ハロゲン化合物のいずれか1以上とを縮合反応させて得られる(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマー;15〜50質量%と、
モノマー単位(III):ラジカル重合性基を有する親水性モノマー;0.1〜25質量%と、
モノマー単位(IV):炭素数10以下の炭化水素基を有するラジカル重合性疎水性モノマー;10〜60質量%とを
必須成分として構成される重量平均分子量700〜300,000の共重合体(A)を含むものであることを特徴とする化粧料を提供する。
【化2】

[上記式(1)中、Xは炭素数6〜12の2価の芳香族基もしくは−COOR−であり、但しRはSiと結合されている脂肪族基であり、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは互いに同一もしくは異なる、フッ素置換された、または非置換の炭素数1〜30の1価アルキル基、もしくはアリール基であり、nは1〜100の整数を示す。]
【0038】
モノマー単位(I):シリコーンマクロモノマー
共重合体(A)を構成するためのモノマー単位(I)は上記式(1)で示されるシリコーンマクロモノマーである。上記式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー由来の構成単位を含むことで、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高いというシリコーン重合体の性質を化粧料に付与する共重合体(A)となる。
【0039】
上記式(1)で示されるシリコーンマクロモノマーのRは、水素原子またはメチル基であるが、好ましくはメチル基である。
【0040】
また、Rは互いに同一もしくは異なる、フッ素置換された、または非置換の炭素数1〜30の1価アルキル基、もしくはアリール基であるが、皮膚に対してより好ましいのはフッ素置換された、または非置換の炭素数1〜6の1価のアルキル基、アリール基である、更に好ましくは皮膚に対する低刺激性、滑り性の観点からメチル基、フェニル基、トリフロロプロピル基であり、もっとも好ましいのはメチル基である。
【0041】
Xは、炭素数6〜12の2価の芳香族基もしくは−COOR−であり、好ましくは炭素数6〜8の2価の芳香族基もしくは−COOR−である。2価の芳香族基としては、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、メシチレン基等が例示され、好ましくはフェニレン基である。また、−COOR‐において、RはSiに結合されている脂肪族基であり、カルボニル基は共重合体主鎖の炭素原子に結合されている。Rは例えば−(CH−であり、ここでaは1〜9の整数、好ましくは2〜7の整数、より好ましくは3〜5の整数である。Xが2価の芳香族基もしくは−COOR−の場合の例を下記一般式(2)及び(3)に示す。これらのシリコーンマクロモノマーにおいて、R〜Rおよびa、nは既に述べたものと同じである。
【化3】

【化4】

【0042】
nは1〜100の整数、好ましくは3〜80の整数、より好ましくは5〜65の整数である。nが上限値100を超えると、共重合体(A)の製造時において重合反応の反応性が低下する場合がある。また、得られる共重合体(A)の密着性が低下する。さらに、化粧料中に炭化水素系油剤を配合する場合には油剤と共重合体の相溶性が悪くなる場合がある。一方、nが0であると、滑り性が不足したり、べたつき感が強くなったりする。
【0043】
上記一般式(1)、(2)、(3)で示されるシリコーンマクロモノマーは、代表的には(メタ)アクリレート置換クロロシラン化合物と、カルビノール変性シリコーンとを、常法により脱塩酸反応により得ることができるが、合成方法はこれに限定されるものではない。
【0044】
モノマー単位(II):(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマー
共重合体(A)を構成するためのモノマー単位(II)は、炭素数12以上のアルコール化合物またはアミン化合物と、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル化合物、及び(メタ)アクリル酸ハロゲン化合物のいずれか1以上とを縮合反応させて得られる(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマーである。モノマー単位(II)の(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマー由来の構成単位を含むことで、共重合体(A)は炭素数12以上の側鎖を有する共重合体となるため、各種油剤に良好な相溶性を示す共重合体(A)となる。モノマー単位(II)の(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマーは、例えば炭素数12以上のアルコールまたはアミンと、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物を縮合反応させてエステルまたは酸アミドすることにより容易に製造することができる。モノマー単位(II)として用いられる(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマーのうち、特に好適に用いられるものの具体例としては、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタアクリレート)の他、以下の化学式で示されるものが挙げられる。
CH=CHCOOCHCH(OH)CHO(CH17CH
CH=C(CH)COOCHCH(OH)CHO(CH29CH
CH=C(CH)CONH(CH17CH
CH=CHCONH(CH21CH
CH=C(CH)COO(CH15CH
CH=CHCOO(CH15CH
【0045】
モノマー単位(III):親水性モノマー
共重合体(A)を構成するためのモノマー単位(III)はラジカル重合性基を有する親水性モノマーである。ラジカル重合性基を有する親水性モノマー由来の構成単位を含むことで、皮膚もしくは毛髪への良好な密着性を示し、化粧料のべたつきを抑えることもでき、かつ臭いの少ない皮膜剤、増粘剤、界面活性剤、及び/又は分散剤となる共重合体(A)となる。モノマー単位(III)のラジカル重合性基を有する親水性モノマーとしては、1種または2種以上の(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリレートアルコール類、ポリオオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルが例示される。特に、臭いの少ない皮膜を形成するためには、1種または2種以上のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましい。共重合体(A)を構成するためのモノマー単位(III)として1種または2種以上のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを用いることで、本発明の化粧料に含まれる相溶性の高い共重合体(A)であれば、使用感良好で使用性及び持続性に優れた化粧料を提供することができる上、臭いの少ない皮膜を形成することができる化粧料となる。前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、1種または2種以上の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。これにより、使用感良好で使用性及び持続性に優れた化粧料を提供することができる上、より臭いが少ない皮膜を形成することができる化粧料となる。
【0046】
モノマー単位(IV):ラジカル重合性疎水性モノマー
共重合体(A)を構成するためのモノマー単位(IV)は炭素数10以下の炭化水素基を有するラジカル重合性モノマーである。炭素数10以下の炭化水素基を有するラジカル重合性モノマー由来の構成単位を含むことで、皮膜の強度や柔軟性を調整可能な共重合体(A)となる。モノマー単位(IV)のラジカル重合性モノマーが有する炭素数10以下の炭化水素基は、鎖状、環状、芳香族のいずれでもよく、例えば1種または2種以上のメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソポルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。モノマー単位(IV)のラジカル重合性モノマーはこれらの2種以上から選ばれることが特に好ましい。また、これらは皮膜の強度や柔軟性に寄与するところが多いため、メチル(メタ)アクリレートやイソポルニル(メタ)アクリレート等のようにポリマー化したときのTgが高くなるラジカル重合性モノマーであることが好ましく、さらに柔軟性のためにTgの低いラジカル重合性モノマーと組み合わせることがより好ましい。
【0047】
共重合体(A)を構成するためのモノマー単位(I)は、15〜50質量%であるが、好ましくは15〜40質量%、より好ましくは18〜38質量%である。15質量%より少ないと、シリコーン重合体としての特性が低下し、シリコーン油との相溶性が低下する。また、耐水性も低下して、皮膜に十分な撥水性を付与することができない。50質量%より多い場合は、有機系油との相溶性が低下する他、粘稠な皮膜となり、使用感が悪くなる。
【0048】
また、共重合体(A)を構成するためのモノマー単位(II)は、15〜50質量%であるが、好ましくは20〜40質量%、より好ましくは28〜38質量%である。15質量%より少ないと、有機系油との相溶性が低下する。50質量%より多いと柔軟性のある皮膜を形成することが困難となるため使用感が悪くなる。
【0049】
さらに、共重合体(A)を構成するためのモノマー単位(I)と(II)の割合は、選択される物質の種類にもよるが、モノマー単位(I)/モノマー単位(II)として3/1〜1/3(質量比)、とくに1.2/1〜1/1.2(質量比)の領域であることが好ましい。モノマー単位(I)と(II)の割合が3/1〜1/3(質量比)であればシリコーン油、極性油双方への相溶性により優れた共重合体(A)を得ることができるため好ましい。
【0050】
また、共重合体(A)を構成するためのモノマー単位(III)は、0.1〜25質量%であるが、好ましくは1〜20質量%、更に好ましくは5〜18質量%である。0.1質量%より少ないと密着性が低下し、化粧料の持続性が低下する。また、25質量%より多いと共存する油剤への相溶性が低下する。また、共重合体(A)を構成するためのモノマー単位(IV)は、10〜60質量%であるが、好ましくは15〜50質量%、より好ましくは20〜50質量%である。10質量%より低いと皮膜の強度や柔軟性が不十分となるため使用感が悪くなり、60質量%より高いと強度が強すぎたり柔軟性がなさ過ぎたりするため使用感が悪くなる。さらに、モノマー単位(III)及び(IV)の配合バランスにより、皮膜の強度、柔軟性などを調整することが可能であり、また、成分(III)は親水性の付与にも寄与している。
【0051】
なお、共重合体(A)を構成するための上記モノマー単位(I)〜(IV)の質量%の和は100%となるように調整される。
【0052】
共重合体(A)の重合は、上記モノマー単位(I)〜(IV)のモノマーとベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤の存在下に行なわれる。重合方法は、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、バルク重合法のいずれの方法の適用も可能である。これらの中でも、溶液重合法は、得られる重量平均分子量を調べる際のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)のグラフの分散と共重合体の重量平均分子量を適宜調製することが容易であることから好ましい方法である。重合の際、用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族系有機溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、デカノール等のアルコール系有機溶剤、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶剤中で重合反応を行っても良い。しかし、化粧品用途として用いる観点からは、無溶剤、エタノール、又はイソプロパノールを使用することが好ましい。
【0053】
このようにして製造される共重合体(A)のGPCにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量は700〜300,000であるが、好ましくは2000〜200,000、よりこのましくは3000〜100,000である。重量平均分子量が300,000より大きいと、各種油剤への相溶性が低下する。また重量平均分子量が700より小さいと皮膜剤、増粘剤、界面活性剤、及び/又は分散剤としての使用感が低下する。
【0054】
本発明の化粧料に含まれる共重合体(A)は、各種の化粧品に使用することができるが、特に皮膚や毛髪に外用されるすべての化粧料に好適である。好ましくは、本発明の化粧料は、皮膜剤及び/又は増粘剤として共重合体(A)を配合した化粧料とすることができる。共重合体(A)はシリコーン重合体としての特性を有する上、各種油剤への良好な相溶性と皮膚もしくは毛髪への密着性を同時に解決することができる共重合体であるため皮膜剤及び/又は増粘剤として好適に用いることができる。また、本発明の化粧料が乳化状のものである場合には、共重合体(A)を界面活性剤として用いた化粧料とすることができる。共重合体(A)はシリコーン部位、疎水性部位、親水性部位を有する共重合体であるため有効な界面活性剤として用いることができる。さらに、化粧料が粉体(F)を含むものである場合には、共重合体(A)を粉体(F)の分散剤として用いた化粧料とすることができる。多官能性の共重合体(A)は粉体(F)の分散剤として好適に用いることができる。皮膚や毛髪に外用される化粧料とは、たとえば、乳液、クリーム、クレンジング、パック、オイルリキッド、マッサージ料、美容液、洗浄剤、脱臭剤、ハンドクリーム、リップクリーム等のスキンケア化粧料、メイクアップ下地、白粉、リキッドファンデーション、油性ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメイクアップ化粧料、シャンプ−、リンス、トリートメント、セット剤等の毛髪化粧料、制汗剤、日焼け止め乳液や日焼け止めクリームなどの紫外線防御化粧料等である。本発明の化粧料に含まれる共重合体(A)の配合量は化粧料の剤形によって異なるが、化粧料全体の0.5〜99.0質量%の範囲で使用可能であり、好ましくは化粧料全体の1.0〜50質量%で配合される。
【0055】
本発明の化粧料は、上記共重合体(A)に加えて、化粧料に使用される種々の成分、油剤成分(B)、紫外線吸収成分(C)、水(D)、界面活性剤(E)、粉体(F)、分子構造中にアルコール性水酸基を有する化合物(G)、水溶性或いは水膨潤性高分子(H)、親水性基を有しない架橋型オルガノポリシロキサン重合物と液状油剤からなる組成物(I)、親水性基を有する架橋型オルガノポリシロキサン重合物と液状油剤からなる組成物(J)、シリコーン樹脂(K)、及び/又はシリコーンワックス(L)等を含むことができる。以下、各々の成分につき説明する。
【0056】
油剤成分(B)
上述のように本発明の化粧料は、1種または2種以上の油剤成分(B)を含むことができる。油剤成分(B)としては、通常の化粧料に使用される、固体、半固体、液状の何れの油剤も使用することができる。油剤成分(B)を含むとしても、本発明の化粧料に含まれる相溶性の高い共重合体(A)であれば、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好で使用性及び持続性に優れた化粧料を提供することができる。
【0057】
このような液状油剤としては、1種または2種以上のシリコーン油、炭化水素油、高級脂肪酸、エステル油や天然動植物油等の極性油、半合成油、及び/又はフッ素系油等を挙げることができ、極性油、シリコーン油が好ましい。さらに、油剤成分(B)は1種または2種以上のエステル油、天然動植物油と1種または2種以上のシリコーン油からなるものとすることもできる。このように、油剤成分(B)が比較的高極性のエステル油、天然動植物油と比較的低極性のシリコーン油からなるものであったとしても、本発明の化粧料に含まれる共重合体(A)であれば、いずれとも相溶性を有するので、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好で使用性及び持続性に優れた化粧料を提供することができる。
【0058】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、カプリリルメチコン、フェニルトリメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルヘキシルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度の直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン等の分岐状オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの環状シロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状オルガノポリシロキサン溶液、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、長鎖アルキル変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。
【0059】
炭化水素油としては、直鎖状、分岐状、さらに揮発性の炭化水素油等が挙げられ、具体的には、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、イソドデカン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリピロピレンワックス、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、流動パラフィン、流動イソパラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
【0060】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられ、高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0061】
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。
【0062】
また、天然動植物油類及び半合成油として、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、精製キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、スクワラン、スクワレン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、水添ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、メドウフォーム油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。但し、POEはポリオキシエチレンを意味する。
【0063】
フッ素系油剤としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。
【0064】
本発明の化粧料に含まれる油剤成分(B)の配合量は化粧料の剤系によっても異なるが、化粧料全体の1〜98質量%、好ましくは1〜50質量%の範囲が好適である。
【0065】
極性の低いシリコーン油と、高極性油であるエステル油、天然動植物油等を混合する場合、その混合油剤成分は、どちらか一方が大過剰に使用されるときは安定性を維持しやすいが、含有比率が近い場合には安定性が損なわれ分離などが起こりやすい。本発明の化粧料は共重合体(A)を含むものであるため、含有比率が近い場合においても混合油剤成分の安定性を維持できることが特徴である。具体的には、シリコーン油と高極性油であるエステル油、天然動植物油等の比率が、シリコーン油/エステル油、天然動植物油として、5/1〜1/5(質量比)、特に3/1〜1/3(質量比)の領域において優れた安定化効果を発揮する。
【0066】
紫外線吸収成分(C)
本発明の化粧料は、さらに1種または2種以上の紫外線吸収成分(C)を含むことができる。これにより、本発明の化粧料は使用感良好で使用性及び持続性に優れる上、紫外線を吸収することのできる化粧料となる。紫外線吸収成分(C)としては、紫外線吸収剤及び紫外線散乱剤が包含される。紫外線吸収剤(C)としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤等が例示される。また、先に述べた紫外線吸収性の官能基を備えるシリコーン誘導体を用いてもよい。紫外線吸収散乱剤としては、微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等、紫外線を吸収散乱する粉体が挙げられる。これらのうち、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、ジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、酸化チタン、及び酸化亜鉛が好ましい。
【0067】
水(D)
本発明の化粧料には、その目的に応じて水(D)を配合することができる。これにより、本発明の化粧料は使用目的に応じて水を配合することで、より使用性にすぐれた化粧料となる。水(D)の配合量は、化粧料全体の95質量%以下の範囲が好適である。
【0068】
界面活性剤(E)
本発明の化粧料は、さらに1種または2種以上の界面活性剤(E)を含むことができる。これにより、本発明の化粧料は使用目的に応じて界面活性剤を配合することで、より使用性にすぐれた化粧料となる。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤があるが、本発明の化粧料に含まれる界面活性剤(E)は特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。
【0069】
以下に具体的に例示すると、アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物塩、アルカンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等;カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0070】
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、直鎖或いは分岐状ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖或いは分岐状ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖或いは分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖或いは分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
【0071】
両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アミドアミン型等が挙げられる。
【0072】
これらの界面活性剤の中でも、分子中にポリオキシエチレン鎖を有する直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、分子中にポリグリセリン鎖を有する直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、或いはそれぞれのアルキル共変性オルガノポリシロキサンである界面活性剤が好ましい。市販品としては、特に限定されるものではないが、KF−6011、KF−6011P、KF−6043、KF−6012、KF−6013、KF−6015、KF−6016、KF−6017、KF−6028、KF−6028P、KF−6038、KF−6100、KF−6104、KF−6105(何れも信越化学工業(株)製)等がある。また、HLBが2〜10である界面活性剤が好ましく、配合量は、化粧料全体の0.1〜20質量%であることが好ましく、特に0.2〜10質量%の範囲が好適である。
【0073】
粉体(F)
本発明の化粧料に、さらに1種または2種以上の粉体(F)を含んでも良い。粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、タール色素、金属粉末顔料、天然色素、染料等の着色剤があげられる。
【0074】
無機粉体の具体例としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ、シリル化シリカ等が挙げられる。
【0075】
有機粉体の例としては、ポリアミドパウダー、ポリアクリル酸・アクリル酸エステルパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、ジメチルポリシロキサンを架橋した構造を持つ架橋型球状ジメチルポリシロキサン微粉末、架橋型球状ポリメチルシルセスキオキサン微粉末、架橋型球状オルガノポリシロキサンゴム表面をポリメチルシルセスキオキサン粒子で被覆してなる微粉末、疎水化シリカ、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、脂肪酸デンプン誘導体末、ラウロイルリジン等が挙げられる。
【0076】
界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)の例としては、ウンデシレン酸亜鉛、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸アルミニウム、ラウリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0077】
有色顔料の具体例としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等が挙げられる。
【0078】
パール顔料の具体例としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。
【0079】
タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体が挙げられる。
【0080】
これらの粉体のうち、本発明においては、少なくとも一部がジメチルポリシロキサンを架橋した構造を持つ架橋型球状ジメチルポリシロキサン微粉末、架橋型球状ポリメチルシルセスキオキサン微粉末、架橋型球状ポリシロキサンゴム表面をポリメチルシルセスキオキサン粒子で被覆してなる微粉末架橋型球状ジフェニルポリシロキサンゴム表面をポリメチルシルセスキオキサン粒子で被覆してなる微粉末、疎水化シリカが好ましく、また、フッ素基を有する粉体、着色剤も用いられる。市販品としては、KMP−590、KSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−105、KSP−300(何れも信越化学工業(株)製)等がある。
【0081】
これらの粉体は本発明の効果を妨げない範囲で、粉体の複合化や一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができる。例えば、フッ素化合物処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理などによって事前に表面処理されていてもいなくてもかまわない。必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。また、これらの粉体の配合量は、化粧料全体の99質量%以下の範囲が好適である。特に、粉末化粧料の場合の配合量は、化粧料全体の80〜99質量%の範囲が好適である。
【0082】
分子構造中にアルコール性水酸基を有する化合物(G)
本発明の化粧料は、さらに1種または2種以上の分子構造中にアルコール性水酸基を有する化合物(G)を含んでも良い。ただし上記共重合体(A)のモノマー単位(II)を構成するための炭素数12以上のアルコール化合物はアルコール性水酸基を有する化合物(G)には該当しない。かかる化合物としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、ソルビトール、マルトース等の糖アルコール等があり、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等のステロール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、ペンチレングリコール等の多価アルコール等があるが、通常は水溶性一価のアルコール、水溶性多価アルコールが多く用いられる。分子構造中にアルコール性水酸基を有する化合物(G)の配合量は、化粧料全体の98質量%以下の範囲が好適である。
【0083】
水溶性或いは水膨潤性高分子(H)
本発明の化粧料は、さらに1種または2種以上の水溶性或いは水膨潤性高分子(H)を含んでも良い。これら水溶性或いは水膨潤性高分子としては、例えば、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロイルジメチルタウリン塩コポリマー等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなど他の合成水溶性高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子などがある。また、これらの水溶性高分子には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。水溶性或いは水膨潤性高分子(H)の配合量は、化粧料全体の25質量%以下の範囲が好適である。
【0084】
親水性基を有しない架橋型オルガノポリシロキサン重合物と液状油剤からなる組成物(I)
本発明の化粧料は、さらに1種または2種以上の親水性基を有しない架橋型オルガノポリシロキサン重合物と液状油剤からなる組成物(I)を含んでも良い。該架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、アルキルハイドロジェンポリシロキサンを分子鎖末端に反応性ビニル性不飽和基を有する架橋剤と反応することによって得られる。アルキルハイドロジェンポリシロキサンとしては直鎖ないし一部分岐単位を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン、炭素数が6〜20のアルキル鎖がグラフトされたメチルハイドロジェンポリシロキサン等をあげることができる。ケイ素原子に結合した水素原子は、分子中に平均で二つ以上必要である。架橋剤は、メチルビニルポリシロキサンやα、ω−アルケニルジエン等のように、分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持つものがあげられる。これらの例として特許第1925781号、特許1932769号、国際公開WO03−24413、特開2009−185296の各公報に記載されている組成物が挙げられる。該架橋型メチルポリシロキサンを、例えば自重以上の0.65mm/秒(25℃)〜100.0mm/秒(25℃)の低粘度シリコーン、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、エステル油で膨潤させる。また、これらの架橋型オルガノポリシロキサンは市販品としては、特に限定されるものではないが、シリコーン油でペースト状にしたKSG−15、KSG−16、KSG−18、KSG−1610、USG−103、炭化水素油やトリグリセライド油でペースト状にしたUSG−106、KSG−41、KSG−42、KSG−43、KSG−44、KSG−810(何れも信越化学工業(株)製)等がある。該親水性基を有しない架橋型オルガノポリシロキサンと液状油剤からなる組成物(I)の配合量は、化粧料の総量に対して0.1〜50質量%であることが好ましく、更に好ましくは1〜30質量%である。
【0085】
親水性基を有する架橋型オルガノポリシロキサン重合物と液状油剤からなる組成物(J)
本発明の化粧料は、さらに1種または2種以上の親水性基を有する架橋型オルガノポリシロキサン重合物と液状油剤からなる組成物(J)を含んでも良い。該親水性基としては、ポリエーテル基、ポリグリセリン基が好ましい。該ポリエーテル基及び/又はポリグリセリン基を有する架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、アルキルハイドロジェンポリシロキサンを分子鎖末端に反応性ビニル性不飽和基を有する架橋剤と反応することによって得られる。アルキルハイドロジェンポリシロキサンとしてポリオキシエチレン鎖がグラフトされたメチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリグリセリン鎖がグラフトされたメチルハイドロジェンポリシロキサン等をあげることができ、ケイ素原子に結合した水素原子は、分子中に平均で二つ以上必要である。架橋型オルガノポリシロキサン重合物を、自重以上の0.65mm/秒(25℃)〜100.0mm/秒(25℃)の低粘度シリコーン、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、エステル油に膨潤させる。架橋剤は、メチルビニルポリシロキサンやα、ω−アルケニルジエン、グリセリントリアリルエーテル、ポリオキシアルキニル化グリセリントリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ポリオキシアルキニル化トリメチロールプロパントリアリルエーテル等のように、分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持つものがあげられるが、これらを反応させた架橋物は、少なくとも1つの親水基を有するものである。組成物(J)としては、特許2631772号、特開平9−136813号、特開2001−342255号、国際公開WO03/20828、特開2009−185296の各公報に記載されているものが好ましい。また、これらの架橋型オルガノポリシロキサンは市販品としては、特に限定されるものではないが、シリコーン油でペースト状にしたKSG−210、KSG−240、KSG−710、炭化水素油やトリグリセライド油でペースト状にしたKSG−310、KSG−320、KSG−330、KSG−340、KSG−820、KSG−830、KSG−840(何れも信越化学工業(株)製)等がある。また、該親水性基を有する架橋型オルガノポリシロキサンと液状油剤からなる組成物(J)の配合量は、化粧料の総量に対して0.1〜50質量%であることが好ましく、更に好ましくは1〜30質量%である。
【0086】
シリコーン樹脂(K)
本発明の化粧料は、さらに1種または2種以上のシリコーン樹脂(K)を含んでも良い。シリコーン樹脂は、SiO単位及び/又はRSiO1.5(Rはアルキル基)を含むシリコーン網状化合物、直鎖状のアクリル/シリコーングラフト、又はこれらのブロック共重合体からなる群より選ばれるものであることが好ましい。直鎖状のアクリル/シリコーングラフト又は前記ブロック共重合体は、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、カルボン酸などのアニオン部分の中から選択される少なくとも1種を有していてよい。市販品としては、特に限定されるものではないが、シリコーン油や炭化水素油、アルコールに溶解したKP−541、KP−543、KP−545、KP−549、KP−550、KP−571、KP−575、KP−581(何れも信越化学工業(株)製)等が例示される。
【0087】
前記シリコーン網状化合物は、MQ、MDQ、MT、MDT、MDTQと表されるシリコーン網状化合物であることが好ましい。但しM、D、T、Qは、それぞれ、RSiO0.5単位、RSiO単位、RSiO1.5単位、SiO単位を表す。シリコーン網状化合物は、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、アミノ部分の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有していてよい。市販品としては、特に限定されるものではないが、KF−7312J、KF−7312K、KF−7312T(何れも信越化学工業(株)製)等が例示される。
【0088】
前記シリコーン樹脂は、低粘度シリコーン油や揮発性シリコーン油、及びその他の溶剤に溶解させたものでもよい。何れも、前記シリコーン樹脂の配合量は、本発明の化粧料の総量に対して樹脂量が0.1〜20質量%であることが好ましく、更に好ましくは1〜10質量%である。
【0089】
シリコーンワックス(L)
本発明の化粧料は、その目的に応じてシリコーンワックス(L)を含むこともできる。このシリコーンワックスは、5員環以上のラクトン化合物の開環重合物であるポリラクトンを結合させたポリラクトン変性ポリシロキサンであることが好ましい。あるいは、このシリコーンワックスは、ピロリドン基、長鎖アルキル基、ポリオキシアルキレン基、フルオロアルキル基、カルボン酸などのアニオン基の中から選択された少なくとも一つの官能基を分子中に含有するアクリル変性ポリシロキサンであることが好ましい。市販品としては、長鎖アルキル基を有するワックスとして、KP−561P、KP−562P(何れも信越化学工業(株)製)等が例示される。
【0090】
あるいは、このシリコーンワックスが、オレフィンワックスと1分子中1個以上のSiH結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させることによって得られるシリコーン変性オレフィンワックスであることが好ましい。また、オレフィンワックスは、エチレンと少なくとも1種のジエンを共重合して得られるもの、または、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンと少なくとも1種のジエンを共重合して得られるものであり、このジエンとしては、ビニルノルボルネンが好適である。
【0091】
何れのシリコーンワックスを選択するにせよ、シリコーンワックスを用いる場合、その配合量は、本発明の化粧料の総量に対して0.1〜20重量%であることが好ましく、特に1〜10重量%であることが好ましい。
【0092】
その他の成分
更に本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の化粧料に使用される成分、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、樹脂、制汗剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物、毛髪用固形化剤等を添加することができる。
【0093】
前記油溶性ゲル化剤としては、例えばアルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2−エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等から選ばれる1種または2種以上の油溶性ゲル化剤が挙げられる。
【0094】
前記制汗剤としては、例えばアルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等から選ばれる1種または2種以上の制汗剤が挙げられる。
【0095】
前記保湿剤としては、例えばグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等から選ばれる1種または2種以上の保湿剤が挙げられる。
【0096】
前記防菌防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等から選ばれる1種または2種以上の防菌防腐剤が挙げられる。
【0097】
前記塩類としては、例えば無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、たとえば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩;アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等から選ばれる1種または2種以上の塩類が挙げられる。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等や、更には、化粧品処方の中で使用される酸−アルカリの中和塩等も使用することができる。
【0098】
前記酸化防止剤としては、例えばトコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等、pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等、抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等から選ばれる1種または2種以上の酸化防腐剤が挙げられる。
【0099】
前記美肌用成分としては、例えば胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等から選ばれる1種または2種以上の美肌用成分が挙げられる。
【0100】
前記ビタミン類としては、例えばビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンH、ビタミンP、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等から選ばれる1種または2種以上のビタミン類が挙げられる。
【0101】
前記アミノ酸類としては、例えばグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等、核酸としては、デオキシリボ核酸等、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等から選ばれる1種または2種以上のアミノ酸類が挙げられる。
【0102】
前記毛髪固定用高分子化合物としては、例えば両性、アニオン性、カチオン性、非イオン性の各高分子化合物が挙げられ、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等の、ポリビニルピロリドン系高分子化合物、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体等の酸性ポリ酢酸ビニル系高分子、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート/アルキルアクリルアミド共重合体等の酸性アクリル系高分子化合物、N−メタクリロイルエチル−N、N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート/アクリル酸オクチルアミド共重合体等の両性アクリル系高分子化合物から選ばれる1種または2種以上の毛髪固定用高分子化合物が挙げられる。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチンおよびコラーゲンまたはその誘導体等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0103】
また、本発明における化粧料としては、上記化粧料成分を配合してなる、乳液、クリーム、クレンジング、パック、マッサージ料、美容液、美容オイル、洗浄剤、脱臭剤、ハンドクリーム、リップクリーム、しわ隠し等のスキンケア化粧料、メイクアップ下地、コンシーラー、白粉、リキッドファンデーション、油性ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメイクアップ化粧料、シャンプ−、リンス、トリートメント、セット剤等の毛髪化粧料、制汗剤、日焼け止めオイルや日焼け止め乳液、日焼け止めクリームなどの紫外線防御化粧料等が挙げられる。
【0104】
また、これらの化粧料の形状としては、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状等、種々の形状を選択することができる。
【0105】
さらに、これらの化粧料の形態としては、水性、油性、油中水型エマルション、水中油型エマルション、非水エマルション、W/O/WやO/W/Oなどのマルチエマルション等、種々の形態を選択することができる。
【実施例】
【0106】
以下、共重合体(A)の合成例、比較合成例、及び本発明の化粧料の実施例、比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。尚、特に断らない限り、以下に記載する「%」は「質量%」を意味し、各例の全体の質量を100%として各成分の質量%を表す。粘度は25℃での数値である。比較合成例(2)は、WO2005/094758の合成例を参考に合成した。
【0107】
合成例(1)〜(4),比較合成例(1)
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたガラス製フラスコに、イソプロパノール140.0g、下記表1の各モノマーと、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4.0gを入れ、窒素気流下にて攪拌しながら加熱還流した。5時間重合を行った後、減圧下で揮発性成分を留去してシリコーン共重合体(合成例(1)〜(4)、比較合成例(1))を得た。GPCにて重量平均分子量(ポリスチレン換算)を求めた。
【0108】
【表1】

【0109】
【化5】

【化6】

【0110】
合成例(5)
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたガラス製フラスコにイソプロパノール120.0gを入れ、下記式(6)のシリコーンマクロモノマー25.0g、イソポルニルメタクリレート20.0g、イソブチルメタクリレート10.0g、ベヘニルメタクリレート25.0g、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート20.0g、アゾビスイソブチロニトリル3.5g、イソプロパノール40.0gの混合物を滴下し、窒素気流下にて攪拌しながら加熱還流した。5時間重合を行った後、減圧下で揮発性成分を蒸留留去して固体状のシリコーン重合体(合成例(5))を得た。GPCによる重量平均分子量(ポリスチレン換算)は98,000であった。
【化7】

【0111】
比較合成例(2)
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたガラス製フラスコに、モノマー単位(II)以外の、上記式(4)で示されるオルガノポリシロキサン36.0g、下記式(7)で示される2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン4.0g、メチルメタクリレート60.0g、イソプロパノール120.0g、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)2.0gを入れ、上記合成例と同様にしてシリコーン共重合体(比較合成例(2))を得た。該共重合体は透明な固体であり、GPCによる重量平均分子量(ポリスチレン換算)は60,000であった。
【化8】

【0112】
比較合成例(3)
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたガラス製フラスコに、モノマー単位(II)以外の、イソプロパノール140.0gを入れ、上記式(4)のシリコーンマクロモノマー20.0g、メチルメタクリレート40.0g、イソブチルメタクリレート20.0g、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート20.0g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4.5g、イソプロパノール40.0gの混合物を滴下し、窒素気流下にて攪拌しながら加熱還流した。5時間重合を行った後、減圧下で揮発性成分を蒸留留去して固体状のシリコーン共重合体(比較合成例(3))を得た。GPCによる重量平均分子量(ポリスチレン換算)は38,000であった。
【0113】
比較合成例(4)
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたガラス製フラスコに、モノマー単位(III)以外の、トルエン100.0gを入れ、下記式(4)のシリコーンマクロモノマー50.0g、メチルメタクリレート10.0g、ベヘニルメタクリレート40.0g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4.5g、トルエン40.0gの混合物を滴下し、窒素気流下にて攪拌しながら加熱還流した。5時間重合を行った後、減圧下で揮発性成分を蒸留留去して固体状のシリコーン共重合体(比較合成例(4))を得た。GPCによる重量平均分子量(ポリスチレン換算)は28,000であった。
【0114】
(評価1)
得られたシリコーン共重合体をトルエンに溶解させ濃度30%溶液を調製した。この溶液を長さ15cm、幅5cmのガラスプレートに塗布し、トルエンを揮発させて厚さ50ミクロンの被膜を形成した。ガラスプレートの下半分を水中に1時間浸せきさせ、乾燥被膜部分と濡れた被膜部分を指で擦り、被膜の密着性を評価した。また、目視にて皮膜の透明性を評価し、指の触感で皮膜のべたつきを評価した。その結果を表2上欄に示す。また、シリコーン共重合体の濃度10%溶液(シリコーン共重合体1gを、下記溶媒9gに溶解させる)、濃度30%溶液(シリコーン共重合体3gを、下記溶媒7gに溶解させる)を調整し、相溶性を確認した。その結果を表2下欄に示す。
【0115】
【表2】

透明性:○透明性あり,×透明性なし
べたつき:◎なし、○ややあり,△あり,×非常にべたつく
密着性:○良好,△僅かに剥離あり
相溶性:○溶解,×不溶
【0116】
表2に記載の合成例(1)〜(5)の結果より、本発明の化粧料に含まれる共重合体(A)は、炭素数12以上の長鎖アルキル基を有しながら、ベタツキのない透明性な皮膜を形成することが分かった。また、親水部を有しながら、皮膜が濡れた状態においても密着性が損なわれることはなかった。さらに、各種溶剤に可溶であることが確認された。その上、30%程度の濃度でゲル状となる場合があることが確認された。一方で表2に記載の比較合成例(1)〜(4)の結果より、比較合成例(1)、(4)は親水性モノマーを構成成分として含まないため非常にべたつきのある皮膜を形成し、比較合成例(2)、(3)は炭素数12以上の長鎖アルキル基を有するモノマーを構成成分として含まないため相溶性に乏しいものとなった。これにより、所定の質量%のモノマー単位(I)〜(IV)を必須成分として構成される共重合体(A)は、各種油剤への良好な相溶性と皮膚もしくは毛髪への密着性を同時に解決できることが示された。以下、共重合体(A)を含む化粧料について説明する。
【0117】
(評価2)
合成例(1)、(2)、(5)により合成された共重合体(A)を用いて、下記の表3に示す各組成の油性ファンデーションを製造した。製造方法は下に示す。以下ようにして製造した油性ファンデーションの使用性について評価した。
(製造方法)
A:成分1〜12を加熱溶解した。
B:成分13〜16をAと混合した。
C:Bを三本ローラーにて均一分散した。
D:Cを加熱溶解し、次いで脱泡した後、金皿に充填し、冷却して得た。
【0118】
【表3】

(注17)信越化学工業(株)社製 KP−545
(注26)信越化学工業(株)社製 KF−7312J
【0119】
女性50名のパネルにより使用性のテストを行ない、塗布時の艶、肌への延び、密着感、おさまりの良さ、べたつきのなさ、しっとり感、仕上がりの美しさ、化粧持ちの良さについて下記表4の評価基準で評価し下記表5の採点基準で採点し、その平均点で油性ファンデーションの使用性について評価した。それらの結果を表6に示す。表6の結果から明らかなように、本発明の共重合体(A)を配合した実施例1〜3の油性ファンデーションは、比較例1〜4に比べ、製品表面の艶、肌への延び、密着感、おさまりに優れ、べたつきがなく、しっとりとした仕上がりの美しい油性ファンデーションであり、また、化粧持ちも非常に良いものであった。
【0120】
【表4】

【0121】
【表5】

【0122】
【表6】

【0123】
(評価3)
下記の表7に示す各組成のW/O型シェイキングタイプの乳液を製造し、塗布時のさらさら感、肌への延び、密着感、おさまりの良さ、べたつきのなさ、しっとり感、透明性、化粧持ちの良さ、紫外線防止効果について上記と同様に評価した。
【0124】
【表7】

(注5)信越化学工業(株)社製 KF−6019
(注17)信越化学工業(株)社製 KP−545
(注26)信越化学工業(株)社製 KF−7312J
【0125】
【表8】

【0126】
【表9】

【0127】
【表10】

【0128】
表10に示すように、比較例5、6より、比較合成例(2)の共重合体を乳化剤といて用いようとすると、全体的な使用感が悪くなってしまった。比較例7、8では、紫外線吸収剤であるメトキシケイヒサンオクチル及び、水への溶解性が低いことから、全体的な使用感、特に化粧持ちが良くなかった。これに対し、実施例4、5、6は、紫外線防止効果、感触ともに優れた乳液であった。
【0129】
(評価4)
表11に示す各組成の口紅(実施例7、8)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、製品表面のツヤが非常にあり、塗布時、塗布後のべたつきがなく、色移り、色落ち、にじみもない化粧持ちの良い口紅であった。また、合成例(1)の共重合体(A)と比較合成例(1)で合成した共重合体を併用することにより、同等またはそれ以上のツヤと、密着感のある口紅となった。
(製造方法)
工程A:成分1〜13、15を加熱混合する。
工程B:成分16〜20を均一混合する。
工程C:AにBを加え、14を添加して均一にする。
【0130】
【表11】

(注13)信越化学工業(株)社製 KF−6105
(注22)信越化学工業(株)社製 KP−561P
(注60)信越化学工業(株)社製 KF−9909処理
【0131】
(評価5)
また、表12に示す組成の口紅(実施例9)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下ようにして得られた化粧料は、製品表面のツヤが非常にあり、塗布時、塗布後のべたつきがなかった。また、密着感に優れ、色移り、色落ち、にじみがなく、化粧持ちの良い口紅となった。
(製造方法)
A:成分1〜11を加熱溶解した。
B:脱泡させた後、成分12、13を加えて充填し、成形した。
【0132】
【表12】

【0133】
(評価6)
また、表13に示す各組成のW/O型クリーム(実施例10〜14)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、どれも油っぽさ、べたつきがなく、のび広がりも軽くさっぱりとした、しかも、密着感に優れ、おさまりも良く、マットでしっとりした仕上がりが得られるW/O型クリームとなった。
(製造方法)
A:成分1〜13を均一に混合する。
B:成分14〜22を混合溶解し、Aに加えて攪拌乳化する。
【0134】
【表13】

(注13)信越化学工業(株)社製 KF−6105
(注35)信越化学工業(株)社製 KSG−44
(注36)信越化学工業(株)社製 KSG−310
(注39)信越化学工業(株)社製 KSG−710
(注40)信越化学工業(株)社製 KSG−810
(注41)信越化学工業(株)社製 KSG−840
(注50)信越化学工業(株)社製 KSP−100
【0135】
(評価7)
また、表14に示す各組成のサンカットクリーム(実施例15、16)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、べたつきがなく、のび広がりも軽くさっぱりとして化粧持ちも良いサンカットクリームとなった。
(製造方法)
A:成分1〜11を均一に混合する。
B:成分12〜15を混合溶解し、Aに加えて攪拌乳化する。
【0136】
【表14】

(注9)信越化学工業(株)社製 KF−6028P
(注27)信越化学工業(株)社製 KSG−15
(注31)信越化学工業(株)社製 KSG−210
(注44)信越化学工業(株)社製 SPD−T3
(注45)信越化学工業(株)社製 SPD−Z3
(注48)信越化学工業(株)社製 SPD−T6
(注49)信越化学工業(株)社製 SPD−Z6
【0137】
(評価8)
また、表15に示す組成のサンカット乳液(実施例17)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のび広がりが良く、べたつきもなくさっぱりとして化粧持ちも良いサンカット乳液となった。
(製造方法)
A:成分1〜6を均一に混合する。
B:成分9〜12を混合溶解する。
C:Aに加えて攪拌乳化し、成分7,8を加える。
【0138】
【表15】

(注9)信越化学工業(株)社製 KF−6028P
(注27)信越化学工業(株)社製 KSG−15
(注31)信越化学工業(株)社製 KSG−210
(注46)信越化学工業(株)社製 SPD−T5
(注47)信越化学工業(株)社製 SPD−Z5
【0139】
(評価9)
また、表16に示す組成のサンカット乳液(実施例18)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、べたつきがなくのび広がりが軽く、油っぽさがなくてさっぱりとした使用感を与えると共に、持ちも良好なサンカット乳液となった。
(製造方法)
A:成分5の一部に成分7を加えて均一にし、成分8を添加してビーズミルにて分散した。
B:成分1〜4及び成分5の残部、6を均一に混合した。
C:成分9〜11を混合して、均一にした。
D:CをBに添加して乳化し、A及び成分12を加えてサンカット乳液を得た。
【0140】
【表16】

(注10)信越化学工業(株)社製 KF−6038
(注21)信越化学工業(株)社製 KP−575
(注27)信越化学工業(株)社製 KSG−15
(注32)信越化学工業(株)社製 KSG−240
(注61)信越化学工業(株)社製 AES−3083処理
【0141】
(評価10)
また、表17に示す各組成のサンケア化粧料(実施例19〜21)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は温度や経時による変化がなく安定性にも優れていることが確認された。また、合成例(2)の共重合体(A)と比較合成例(1)で得た共重合体を併用することにより、よりキメが細かく、のび広がりが軽く、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や化粧持ちも良いサンケア化粧料となった。
(乳化剤組成物の混合割合)
a.KF6017(信越化学工業社製、ポリエーテル変性シリコーン):10.0質量%
b.ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト:10.0質量%
c.エタノール:40.0質量%
(乳化剤組成物の調整方法)
イ.成分aをcに溶解し、成分bを添加し混合物イ)とする。
ロ.混合物イ)をディスパーで1時間攪拌した後、エバポレーターでエタノールを除去し混合物ロ)とする。
ハ.混合物ロ)を50℃で一昼夜乾燥し、乳化剤組成物を得る。
(製造方法)
A:成分1〜21を均一混合する。
B:成分22〜30を均一混合し、Aに加えて攪拌乳化し、サンケア化粧料を得る。
【0142】
【表17】

(注9)信越化学工業(株)社製 KF−6028P
(注13)信越化学工業(株)社製 KF−6105
(注22)信越化学工業(株)社製 KP−561P
(注31)信越化学工業(株)社製 KSG−210
(注42)信越化学工業(株)社製 SPD−T1S
(注43)信越化学工業(株)社製 SPD−Z1S
【0143】
(評価11)
また、表18に示す各組成のW/O型化粧料を各種(実施例22〜26)製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料はのびが軽く、清涼感があってさっぱりとして、べたつきや油感がなく、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れているW/O型の各種化粧料となった。
(製造方法)
A:成分1〜18を加熱混合する。
B:成分19〜27を均一溶解する。
C:AにBを加え攪拌して乳化する。
【0144】
【表18】

(注3)信越化学工業(株)社製 KF−6017
(注5)信越化学工業(株)社製 KF−6019
(注12)信越化学工業(株)社製 KF−6104
(注19)信越化学工業(株)社製 KP−549
(注27)信越化学工業(株)社製 KSG−15
(注31)信越化学工業(株)社製 KSG−210
(注39)信越化学工業(株)社製 KSG−710
(注46)信越化学工業(株)社製 SPD−T5
(注47)信越化学工業(株)社製 SPD−Z5
(注58)信越化学工業(株)社製 メトローズ 65‐SH4000
(注60)信越化学工業(株)社製 KF−9909処理
(注63)千葉製粉社製 レオパールTT
(注64)千葉製粉社製 レオパールISK
【0145】
(評価12)
また、表19に示す各組成のO/W型のクリーム(実施例27〜29)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがない上しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に化粧持ちも非常に良く、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れているO/W型クリームとなった。
(製造方法)
A:成分1〜8を混合した。
B:成分9〜21を混合溶解した。
C:AをBに加えて攪拌乳化した。
【0146】
【表19】

(注11)信越化学工業(株)社製 KF−6100
(注28)信越化学工業(株)社製 KSG−16
(注29)信越化学工業(株)社製 KSG−18
(注34)信越化学工業(株)社製 KSG−43
(注59)信越化学工業(株)社製 メトロースSM400
(注65)SEPIC社製 セピゲル305
(注66)クライアント社製 アリストスレックスAVC
【0147】
(評価13)
また、表20に示す各組成のヘアクリーム(実施例30〜32)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、毛髪に光沢と滑らかさを与え、毛髪に対する優れたセット効果を有するヘアクリームとなった。
(製造方法)
工程A:成分1〜17を加熱混合する。
工程B:成分18〜27を加熱溶解する。
工程C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分28を添加し、ヘアクリームを得た。
【0148】
【表20】

(注3)信越化学工業(株)社製 KF−6017
(注8)信越化学工業(株)社製 KF−6026
(注11)信越化学工業(株)社製 KF−6100
(注16)信越化学工業(株)社製 MK−15H
(注25)信越化学工業(株)社製 KF−7312T
(注27)信越化学工業(株)社製 KSG−15
【0149】
(評価14)
また、表21に示す各組成の各種化粧料(実施例33〜36)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、髪に対して使用すると髪はツヤがあって非常になめらかとなり、持続性にも優れていた。又、使用時の粉の分散性に優れ、櫛通りが良くツヤのある非常に良いものとなった。
(製造方法)
工程A:成分1〜15を混合した。
工程B:成分16〜24を溶解し、Aに均一分散させる。エアゾール缶に詰めた後、成分25(n−ブタン、イソブタン、プロパンからなる混合物)を充填し、ブラッシング剤スプレー、ヘアスプレー、脱臭剤、及びコンディショニングムースを得た。
【0150】
【表21】

(注3)信越化学工業(株)社製 KF−6017
(注28)信越化学工業(株)社製 KSG−16
【0151】
(評価15)
また、表22に示す各組成のO/W/O型化粧料(実施例37〜38)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、さっぱりとしてべたつきや油感がなく、透明感があり化粧持ちが良く、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れているO/W/O型化粧料となった。
(製造方法)
工程A:成分1〜7を均一に混合した。
工程B:成分8〜14を加熱混合し、均一にした。
工程C:成分15〜19を加熱混合した。
工程D:Bを攪拌しながらCを加えて乳化し、冷却した。
工程E:Aを攪拌しながらDを加えて乳化した。
【0152】
【表22】

(注12)信越化学工業(株)社製 KF−6104
(注31)信越化学工業(株)社製 KSG−210
(注34)信越化学工業(株)社製 KSG−43
【0153】
(評価16)
また、表23に示す各組成のW/O/W型クリーム(実施例39〜40)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料はさっぱりとしてべたつきや油感がなくて化粧持ちが良く、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れているW/O/W型クリームとなった。
(製造方法)
工程A:成分10〜12を均一に混合する。
工程B:成分1〜9を混合し、Aに加えて乳化する。
工程C:成分13〜16を混合し、攪拌しながらBを添加して乳化する。
工程D:Cに成分17を加えて均一にする。
【0154】
【表23】

(注31)信越化学工業(株)社製 KSG−210
(注38)信越化学工業(株)社製 KSG−340
【0155】
(評価17)
また、表24に示す各組成の制汗剤(実施例41〜42)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しかもあまり白くならず、さっぱりとした使用感を与えると共に、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れている制汗剤となった。
(実施例41の製造方法)
工程A:成分1〜8を混合した。
工程B:Aに成分9、16を加え、均一に分散し、ロールオンタイプの制汗剤を得た。
(実施例42の製造方法)
工程A:成分10〜14を混合する。
工程B:成分15を16に溶解する。
工程C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、乳化タイプの制汗剤を得た。
【0156】
【表24】

(注8)信越化学工業(株)社製 KF−6026
(注27)信越化学工業(株)社製 KSG−15
(注31)信越化学工業(株)社製 KSG−210
【0157】
(評価18)
また、表25に示す各組成の各種洗浄剤(実施例43〜47)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、口紅やファンデーションの汚れや、毛髪用セット剤等に対してなじみも早く、汚れ落ちも非常に良好で、さらに塗布時ののび広がりも良く、後肌もしっとりして非常に使用感の良い洗浄剤となった。
(製造方法)
工程A:成分1〜4を均一に溶解した。
工程B:成分5〜21を均一に溶解した。
工程C:Bを攪拌しながらAを加え、均一に分散した。
【0158】
【表25】

(注6)信越化学工業(株)社製 KF−6011
【0159】
(評価19)
また、表26に示す組成のW/Oほほ紅(実施例48)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、後肌のしっとりした、安定性の良いW/Oほほ紅となった。
(製造方法)
工程A:成分1〜11を均一に混合した。
工程B:成分12〜14を均一に混合した。
工程C:攪拌下、B)をA)に加えて均一に乳化した。
【0160】
【表26】

(注2)信越化学工業(株)社製 KF−6013
(注9)信越化学工業(株)社製 KF−6028P
(注18)信越化学工業(株)社製 KP−545L
(注62)信越化学工業(株)社製 KP−574処理
【0161】
(評価20)
また、表27に示す組成の油中多価アルコール型クリーム(実施例49)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、後肌のしっとりした、安定性の良い非水油中多価アルコール型クリームとなった。
(製造方法)
工程A:成分1〜7を均一に混合した。
工程B:成分8〜10を均一に混合した。
工程C:攪拌下、B)をA)に加えて均一に乳化した。
【0162】
【表27】

(注3)信越化学工業(株)社製 KF−6017
(注27)信越化学工業(株)社製 KSG−15
【0163】
(評価21)
また、表28に示す各組成のクリーム状化粧料(実施例50〜52)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。実施例50で得られた口紅は、化粧持続性に優れたW/O型のクリーム状口紅であり、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがないことが確認された。実施例51で得られたクレンジングクリームはキメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、クレンジング効果も高く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることが確認された。実施例52で得られたクリームファンデーションは、べたつきがなく、のび広がりも軽く、しかも、密着感に優れ、おさまりも良く、マット感のある仕上がりが得られるクリームファンデーションとなった。
(製造方法)
工程A:成分1〜17を均一混合した。
工程B:成分18〜25を混合し加温した。
工程C:B)をA)に加えて乳化した。
【0164】
【表28】

(注3)信越化学工業(株)社製 KF−6017
(注13)信越化学工業(株)社製 KF−6105
(注21)信越化学工業(株)社製 KP−575
(注31)信越化学工業(株)社製 KSG−210
(注34)信越化学工業(株)社製 KSG−43
(注52)信越化学工業(株)社製 KSP−200
(注63)千葉製粉社製 レオパールTT
【0165】
(評価22)
また、表29に示す各組成のアイシャドウ(実施例53〜55)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のび広がりが軽くて油っぽさや粉っぽさがなく、みずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくく、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れているアイシャドウとなった。
(製造方法)
A:成分1〜10を混合し、成分11〜19を添加して均一に分散する。
B:成分20〜26を均一溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、アイシャドウを得た。
【0166】
【表29】

(注1)信越化学工業(株)社製 KF‐6009
(注12)信越化学工業(株)社製 KF−6104
(注20)信越化学工業(株)社製 KP−550
(注22)信越化学工業(株)社製 KP−561P
(注60)信越化学工業(株)社製 KF−9909処理
(注69)NLインダストリー社製 ベントン38
【0167】
(評価23)
また、表30に示す各組成のファンデーション(実施例56〜58)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、マット感のあるさっぱりとした使用感を与えると共に、化粧持ちも良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れているファンデーションとなった。
(製造方法)
工程A:成分1〜17を均一混合し、成分18〜30を添加して均一に分散させる。
工程B:成分31〜40を加熱溶解する。
工程C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分41を添加しファンデーションを得た。
【0168】
【表30】

(注3)信越化学工業(株)社製 KF−6017
(注9)信越化学工業(株)社製 KF−6028P
(注21)信越化学工業(株)社製 KP−575
(注27)信越化学工業(株)社製 KSG−15
(注31)信越化学工業(株)社製 KSG−210
(注51)信越化学工業(株)社製 KSP−101
(注55)信越化学工業(株)社製 FL−5
(注56)信越化学工業(株)社製 FPD−6131
(注60)信越化学工業(株)社製 KF−9909処理
(注69)NLインダストリー社製 ベントン38
(注70)疎水化処理:粉体に対して2%のメチルハイドロジェンポリシロキサン添加後、加熱処理したもの
(注71)フッ素化合物処理:パーフルオロアルキルエチルリン酸ジエタノールアミン塩にて5%被覆したもの
【0169】
(評価24)
また、表31に示す各組成のクリーム(実施例59〜61)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のび広がりも軽く、みずみずしくさっぱりとしてべたつきがなく、温度や経時による変化もない、使用性も安定性にも非常に優れているクリームとなった。
(製造方法)
工程A:成分1〜16を均一に混合する。
工程B:成分18〜26を均一に溶解する。
工程C:BをAに徐添して乳化した後冷却し、成分27を加えてクリームを得た。
【0170】
【表31】

(注3)信越化学工業(株)社製 KF−6017
(注14)信越化学工業(株)社製 KF−8108
(注27)信越化学工業(株)社製 KSG−15
(注28)信越化学工業(株)社製 KSG−16
(注31)信越化学工業(株)社製 KSG−210
(注36)信越化学工業(株)社製 KSG−310
(注50)信越化学工業(株)社製 KSP−100
(注53)信越化学工業(株)社製 KSP‐300
(注54)信越化学工業(株)社製 KMP−590
(注67)日本アエロジル社製 アエロジルR97
【0171】
(評価25)
また、表32に示す各組成の化粧料(実施例62〜64)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のび広がりも軽く、みずみずしくさっぱりとしてべたつきがなく、温度や経時による変化もない、使用性も安定性にも非常に優れている化粧料となった。
(製造方法)
工程A:成分1〜11を均一混合する。
工程B:成分12〜20を均一溶解する。
工程C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分21を添加し、化粧料を得た。
【0172】
【表32】

(注3)信越化学工業(株)社製 KF−6017
(注4)信越化学工業(株)社製 KF−6018
(注7)信越化学工業(株)社製 KF−6043
(注24)信越化学工業(株)社製 KF−7002
(注30)信越化学工業(株)社製 KSG−21
(注50)信越化学工業(株)社製 KSP−100
【0173】
(評価26)
また、表33に示す各組成の化粧料(実施例65〜68)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、べたつきがなく、のび広がりも軽く、しかも、密着感に優れ、おさまりも良く、つやのある仕上がりが得られる化粧料となった。
(製造方法)
工程A:成分16〜25を均一分散する。
工程B:成分1〜15、及び26を均一に混合し、Aに加えて均一にする。
工程C:Bに成分27を添加し、容器に充填し(必要に応じてプレス成形して)化粧料を得る。
【0174】
【表33】

(注13)信越化学工業(株)社製 KF−6105
(注23)信越化学工業(株)社製 KP−562P
(注50)信越化学工業(株)社製 KSP−100
(注53)信越化学工業(株)社製 KSP‐300
(注54)信越化学工業(株)社製 KMP−590
(注60)信越化学工業(株)社製 KF−9909処理
(注63)千葉製粉社製 レオパールTT
(注68)日本アエロジル社製 アエロジルRY200
【0175】
(評価27)
また、表34に示す各組成のアイライナー(実施例69〜71)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のびが軽くて描きやすく、清涼感があってさっぱりとし、べたつきがない使用感である上、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れており、耐水性、耐汗性も共に優れ、化粧持ちも非常に良いアイライナーとなった。
(製造方法)
工程A:成分1〜11を混合し、均一に分散する。
工程B:成分12〜16を混合する。
工程C:BをAに徐添して乳化した後冷却し、アイライナーを得た。
【0176】
【表34】

(注3)信越化学工業(株)社製 KF−6017
(注25)信越化学工業(株)社製 KF−7312T
(注70)疎水化処理:粉体に対して2%のメチルハイドロジェンポリシロキサン添加後、加熱処理したもの
【0177】
(評価28)
また、表35に示す各組成のW/Oクリーム(実施例72〜76)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や撥水性が良好で持ちも良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れているW/Oクリームとなった。
(製造方法)
工程A:成分1〜17を加熱混合する。
工程B:成分17〜29を加熱溶解する。
工程C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分30を添加し、クリームを得た。
【0178】
【表35】

(注3)信越化学工業(株)社製 KF−6017
(注12)信越化学工業(株)社製 KF−6104
(注13)信越化学工業(株)社製 KF−6105
(注36)信越化学工業(株)社製 KSG−310
(注38)信越化学工業(株)社製 KSG−340
(注57)信越化学工業(株)社製 KF−56
【0179】
(評価29)
また、表36に示す各組成のW/Oクリーム(実施例77〜81)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や撥水性が良好で持ちも良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れているW/Oクリームとなった。
(製造方法)
工程A:成分1〜20を加熱混合する。
工程B:成分21〜34を加熱溶解する。
工程C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分35を添加し、クリームを得た。
【0180】
【表36】

(注1)信越化学工業(株)社製 KF‐6009
(注3)信越化学工業(株)社製 KF−6017
(注12)信越化学工業(株)社製 KF−6104
(注25)信越化学工業(株)社製 KF−7312T
(注33)信越化学工業(株)社製 KSG−42
(注36)信越化学工業(株)社製 KSG−310
(注37)信越化学工業(株)社製 KSG−320
(注57)信越化学工業(株)社製 KF−56
【0181】
(評価30)
また、表37に示す各組成のW/Oクリーム(実施例82〜84)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や撥水性が良好で持ちも良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れているW/Oクリームとなった。
(製造方法)
工程A:成分1〜19熱混合する。
工程B:成分20〜30を加熱溶解する。
工程C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分31を添加し、クリームを得た。
【0182】
【表37】

(注1)信越化学工業(株)社製 KF‐6009
(注3)信越化学工業(株)社製 KF−6017
(注12)信越化学工業(株)社製 KF−6104
(注17)信越化学工業(株)社製 KP−545
(注24)信越化学工業(株)社製 KF−7002
(注54)信越化学工業(株)社製 KMP−590
(注57)信越化学工業(株)社製 KF−56
(注60)信越化学工業(株)社製 KF−9909処理
(注61)信越化学工業(株)社製 AES−3083処理
(注67)日本アエロジル社製 アエロジルR97
【0183】
(評価31)
また、表38に示す各組成の乳液(実施例85〜87)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、低粘度でキメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、化粧持ちも非常に良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れている乳液となった。
(製造方法)
工程A:成分1〜19を加熱混合する。
工程B:成分20〜28を加熱溶解する。
工程C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分29を添加し乳液を得た。
【0184】
【表38】

(注3)信越化学工業(株)社製 KF−6017
(注47)信越化学工業(株)社製 SPD−Z5
(注51)信越化学工業(株)社製 KSP−101
(注57)信越化学工業(株)社製 KF−56
(注62)信越化学工業(株)社製 KP−574処理
(注63)千葉製粉社製 レオパールTT
(注67)日本アエロジル社製 アエロジルR97
(注68)日本アエロジル社製 アエロジルRY200
【0185】
(評価32)
また、表39に示す各組成の各種化粧料(実施例88〜91)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、化粧持ちも非常に良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れる化粧路となった。
(製造方法)
工程A:成分1〜8を加熱混合する。
工程B:成分9〜19を加熱溶解する。
工程C:攪拌下、AにBを徐添して均一分散し、20を添加して化粧料を得た。
【0186】
【表39】

(注3)信越化学工業(株)社製 KF−6017
(注11)信越化学工業(株)社製 KF−6100
(注27)信越化学工業(株)社製 KSG−15
(注31)信越化学工業(株)社製 KSG−210
【0187】
(評価33)
また、表40に示す組成の透明クレンジングローション(実施例92)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のび広がりが軽く、しっとりとしてみずみずしい使用感を与え、クレンジング効果も高い透明クレンジングローションとなった。
(製造方法)
工程A:成分1〜4を均一に混合する。
工程B:成分4〜10を均一に混合する。
工程C:攪拌下、BにAを徐添して乳化し、透明クレンジングローションを得た。
【0188】
【表40】

(注2)信越化学工業(株)社製 KF−6013
(注6)信越化学工業(株)社製 KF−6011
【0189】
(評価34)
また、表41に示す組成のキューティクルコート(実施例93)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のび広がりが軽く、毛髪のぱさつきを抑え、光沢と滑らかさを与えるキューティクルコートとなった。
(製造方法)
工程A:成分1〜3を均一に混合する。
工程B:成分4〜10を均一に混合する。
工程C:攪拌下、BにAを徐添して乳化し、キューティクルコートを得た。
【0190】
【表41】

(注2)信越化学工業(株)社製 KF−6013
(注6)信越化学工業(株)社製 KF−6011
(注15)信越化学工業(株)社製 KF−9028
【0191】
(評価35)
また、表42に示す組成のネイルエナメル(実施例94)を製造し、その使用性について評価した。製造方法は下に示す。以下のようにして得られた化粧料は、のび広がりが軽く、爪に光沢与え持ちも優れているネイルエナメルとなった。
(製造方法)
工程A:成分2と成分5の一部、成分10を混合する。
工程B:成分1の一部と成分8の一部、成分9を混合し、十分に練り込む。
工程C:成分1の残部と、成分3、成分4、成分5の残部、成分6〜7、成分8の残部を混合し、均一に溶解する
工程D:混合物AとBをCに加え、均一になるまで混合する。
【0192】
【表42】

【0193】
上記実施例1〜94において示される本発明の化粧料は各種油剤への良好な相溶性と皮膚もしくは毛髪への密着性を同時に解決することができる共重合体(A)を含む。そのため、べたつきが少なく、なめらかに伸び、さっぱりとした使用感を与え、撥水性に富むと共に皮膚安全性が高く使用感良好で持続性に優れた化粧料となることが明らかとなった。一方で、比較例1〜8に示されるように、共重合体(A)を含まない化粧料は使用感および、化粧持ちが良くない化粧料となった。さらに、共重合体(A)を含む本発明の化粧料は各種スキンケア化粧料、各種メイクアップ化粧料、各種毛髪化粧料、各種紫外線防御化粧料等に好適に用いられることが示された。
【0194】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料であって、少なくとも
モノマー単位(I):下記式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー;15〜50質量%と、
モノマー単位(II):炭素数12以上のアルコール化合物またはアミン化合物と、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル化合物、及び(メタ)アクリル酸ハロゲン化合物のいずれか1以上とを縮合反応させて得られる(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマー;15〜50質量%と、
モノマー単位(III):ラジカル重合性基を有する親水性モノマー;0.1〜25質量%と、
モノマー単位(IV):炭素数10以下の炭化水素基を有するラジカル重合性疎水性モノマー;10〜60質量%とを
必須成分として構成される重量平均分子量700〜300,000の共重合体(A)を含むものであることを特徴とする化粧料。
【化1】

[上記式(1)中、Xは炭素数6〜12の2価の芳香族基もしくは−COOR−であり、但しRはSiと結合されている脂肪族基であり、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは互いに同一もしくは異なる、フッ素置換された、または非置換の炭素数1〜30の1価アルキル基、もしくはアリール基であり、nは1〜100の整数を示す。]
【請求項2】
前記モノマー単位(III)のラジカル重合性基を有する親水性モノマーは、1種または2種以上のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の化粧料。
【請求項4】
さらに、油剤成分(B)を含むものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項5】
前記油剤成分(B)は、1種または2種以上の極性油であることを特徴とする請求項4に記載の化粧料。
【請求項6】
前記油剤成分(B)は、1種または2種以上のシリコーン油であることを特徴とする請求項4に記載の化粧料。
【請求項7】
前記油剤成分(B)は、1種または2種以上のエステル油・天然動植物油と1種または2種以上のシリコーン油からなるものであることを特徴とする請求項4に記載の化粧料。
【請求項8】
さらに、紫外線吸収成分(C)を含むものであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項9】
さらに、水(D)を含むものであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項10】
さらに、界面活性剤(E)を含むものであることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の化粧料
【請求項11】
皮膜剤及び/又は増粘剤として前記共重合体(A)を配合したものであることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項12】
前記化粧料が乳化状のものであり、前記共重合体(A)が界面活性剤として作用するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項13】
さらに、前記化粧料が粉体(F)を含むものであり、前記共重合体(A)が前記粉体(F)の分散剤として作用するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の化粧料。


【公開番号】特開2012−72081(P2012−72081A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217726(P2010−217726)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】