説明

化粧料

【課題】かさつき感を感じることなく、さらさら感に優れ、かつ再分散性に優れる化粧料の提供。
【解決手段】(A)シリコーン樹脂粉体、(B)両性ポリマー、(C)ノニオン性界面活性剤、及び(D)水を含有し、前記(A)シリコーン樹脂粉体と前記(B)両性ポリマーとの質量比〔(A)/(B)〕が5〜40である化粧料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料分野においては、かさつき感がなく、かつ、さらさら感を付与できるような化粧料の需要が高まっている。従来、水系の化粧料において、該化粧料を皮膚に適用した際にさらさら感を付与する目的で粉体が配合されており、該粉体としては、シリコーン樹脂粉体が好ましく用いられている。
【0003】
例えば、平均粒径0.1μm〜100μmのシリコーン樹脂粉末等の粉末と、制汗有効成分及び殺菌剤から選ばれる少なくとも1種と、カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子とを含有するジェル状化粧料が提案されている(特許文献1参照)。
このジェル状化粧料によれば、汗をかいてべたついた肌などに塗布した際にも、べたつきに寄与する渇きの遅さを改善し、さらさらとした使用感を与えることができる。
【0004】
また、皮膚に適用した場合に、なめらかで、かつ、さらさらとした使用感と、べたつきのない良好な使用感とを併せ持つ化粧料として、球状シリコーンゴム粉末とポリメチルシルセスキオキサン粉末等を含有する皮膚化粧料も提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
しかし、これらの提案の化粧料では、水系の化粧料にシリコーン樹脂粉体を適用することにより、該シリコーン樹脂粉体が沈殿した際に凝集しやすく再分散性が悪くなり、使用感が悪いという問題がある。また、これを噴霧容器等に充填して用いる場合は、噴霧の際に目詰りを起こし、使用性も悪いという問題がある。
【0006】
そこで、粉体の再分散性を向上させた化粧料として、シリコーンゴム粉体等の球状粉末と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、及び化粧料全量に対して50質量%以上のアルコールを含有する化粧料が提案されている(特許文献3参照)。
また、粉体の凝集を防止した制汗粉末成分として、制汗粉末成分と、ノニオン性界面活性剤と、を含有する制汗組成物が提案されている(特許文献4参照)。
【0007】
しかし、これらの提案の化粧料や制汗組成物の再分散性は十分なものではなく、噴霧容器等に充填して用いると目詰りが生じるという問題がある。
【0008】
したがって、かさつき感を感じることなく、さらさら感に優れ、かつ再分散性に優れる化粧料の提供が強く求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−139451号公報
【特許文献2】特開2001−139444号公報
【特許文献3】特開2001−163725号公報
【特許文献4】特開2001−348317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、再分散性に優れ、かさつき感がなく、かつ、さらさら感に優れる化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。即ち、(A)シリコーン樹脂粉体、(B)両性ポリマー、(C)ノニオン性界面活性剤、及び(D)水を含有し、前記(A)シリコーン樹脂粉体と前記(B)両性ポリマーとの質量比〔(A)/(B)〕が5〜40である化粧料が、粉体の凝集を抑制することができ、これにより、たった数回〜十数回振盪するだけで沈殿した粉体を再分散させることができ、噴霧容器に充填して用いる場合であっても目詰りが生じることがないなどの使用性が良好であり、更に、かさつき感がなく、かつ、さらさら感に優れるという使用感も良好であることを知見し、本発明の完成に至った。
【0012】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)シリコーン樹脂粉体、(B)両性ポリマー、(C)ノニオン性界面活性剤、及び(D)水を含有し、前記(A)シリコーン樹脂粉体と前記(B)両性ポリマーとの質量比〔(A)/(B)〕が5〜40であることを特徴とする化粧料である。
<2> (B)両性ポリマーが、重量平均分子量30,000〜500,000である前記<1>に記載の化粧料である。
<3> (C)ノニオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル(EO平均付加モル数10〜25)、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル(EO平均付加モル数10〜25)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO平均付加モル数15〜50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO平均付加モル数40〜100)、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(EO平均付加モル数15〜60)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(EO平均付加モル数50〜60)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(EO平均付加モル数70〜90)、及びイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO平均付加モル数50〜60)から選ばれる少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載の化粧料である。
<4> (E)制汗防臭成分を更に含む前記<1>から<3>のいずれかに記載の化粧料である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、かさつき感を感じることなく、さらさら感に優れ、かつ再分散性に優れる化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(化粧料)
本発明の化粧料は、シリコーン樹脂粉体(以下、「(A)成分」と称することがある。)と、両性ポリマー(以下、「(B)成分」と称することがある。)と、ノニオン性界面活性剤(以下、「(C)成分」と称することがある。)と、水(以下、「(D)成分」と称することがある。)とを少なくとも含有し、更に制汗防臭成分(以下、「(E)成分」と称することがある。)を含有することが好ましく、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
【0015】
<(A)シリコーン樹脂粉体>
前記(A)成分は、シリコーン樹脂を粉体化したシリコーン樹脂粉体である。また、前記(A)成分は、シリコーンゴムを粉体化したものであってもよい。
【0016】
前記(A)成分の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、球状、棒状、板状、不定形などが挙げられる。これらの中でも、かさつき感がなく、かつ、さらさら感に優れる点で、球状が好ましい。
なお、本発明において球状とは、真球だけでなく、断面が楕円のものであってもよいが、真球が好ましい。
【0017】
前記(A)成分は、シロキサン骨格を有する化合物であり、その構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖状構造、環状構造、分枝状構造、網状構造、架橋構造などが挙げられる。これらの中でも、網状構造、架橋構造が、さらさら感に優れる点で好ましい。
【0018】
前記(A)成分は、前記シロキサン骨格が、ポリエーテル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、アラルキル基、メチル基、フェニル基等の1つ又は複数の置換基で置換されていてもよい。これらの中でもメチル基が好ましく、メチル基を有するシルセスキオキサンが好ましい。
【0019】
また、前記(A)成分は、前記シリコーン樹脂単独でなるものであってもよいが、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄等の無機粉体や、シリコーン樹脂等で被覆されたものであってもよい。
【0020】
これらの中でも、前記(A)成分は、網状構造を有するポリメチルシルセスキオキサンゴムからなる粉体(網状型シリコーン樹脂粉体)、架橋構造を有するポリメチルシルセスキオキサンゴムからなる粉体(架橋型シリコーン樹脂粉体)、これらのブロック共重合体(架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体)及び/又はこれらの表面をポリメチルシルセスキオキサン粒子で被覆してなる粉体などが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0021】
前記(A)成分の体積平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、4μm〜30μmが好ましく、さらさら感及びその持続性に優れる点で、4μm〜12μmがより好ましい。前記体積平均粒子径が、30μmを超えると、さらさら感及びその持続性が悪くなることがあり、4μm未満であると、さらさら感が低下することがある。
前記体積平均粒子径は、レーザー回折散乱粒度分布測定装置(例えば、LS 13 320、ベックマン・コールター社製)で測定することができる。
【0022】
前記(A)成分の入手方法としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(A)成分の市販品の具体例としては、商品名で、KSP−100(体積平均粒子径5μm)、KSP−101(体積平均粒子径12μm)、KSP−102(体積平均粒子径30μm)(以上、信越化学株式会社製)等の(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体);トスパール145A(体積平均粒子径4.5μm)、トスパール2000B(体積平均粒子径6μm)、トスパール1110A(体積平均粒子径11μm)(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等の網状構造を有するポリメチルシルセスキオキサンゴムからなる粉体(網状型シリコーン樹脂粉体);トレフィルE−506S(体積平均粒子径4μm、東レ・ダウコーニング社製)等の架橋構造を有するポリメチルシルセスキオキサンゴムからなる粉体(架橋型シリコーン樹脂粉体)などが挙げられる。
これらの中でも、KSP−100、KSP−101、トスパール145A、トスパール2000B、トスパール1110Aが、さらさら感及びその持続性に優れる点で特に好ましい。
【0023】
前記(A)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05質量%〜10質量%が好ましく、白残りが生じにくい点で0.2質量%〜10質量%がより好ましく、再分散性に優れ、噴霧容器に充填して用いる場合であっても目詰りが生じにくい点で0.25質量%〜5質量%が更に好ましく、再分散性に優れる点で1質量%〜3質量%が特に好ましい。前記(A)成分の含有量が、0.05質量%未満であると、さらさら感が低下することがあり、10質量%を超えると、再分散性が悪くなること、噴霧容器に充填した場合に目詰りが生じること、かさつき感や白残りが生じることなどがある。一方、前記(A)成分の含有量が、前記より好ましい範囲であると、再分散性に優れ、噴霧容器に充填した場合でも目詰りが生じない点や、さらさら感に優れる点で有利であり、前記更に好ましい範囲であると、かさつき感がなく、白残りが生じない点で有利である。
【0024】
<(B)両性ポリマー>
本発明において両性ポリマーとは、分子内にアニオン性基とカチオン性基とを併せ持つポリマーをいい、分子内に酸性基と塩基性基をそれぞれ一つ以上有し、実質的にカチオン性基とアニオン性基として存在し、それらが分子内塩を形成しているポリマーを含むものとする。
【0025】
前記(B)成分としては、両性ポリマーであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン性基を有するモノマーとカチオン性基を有するモノマーとの重合体又は共重合体、ベタイン型モノマーの重合体又は共重合体、アニオン性基をカチオン性ポリマーに導入したもの、カチオン性基をアニオン性ポリマーに導入したものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アニオン性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基などが挙げられる。
前記カチオン性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基、アンモニウム基などが挙げられる。
【0026】
前記(B)成分の具体例としては、(メタクリロイルオキシエチルカルボベタイン/メタクリル酸アルキル)共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリル酸共重合体、アクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリルアミド共重合体などが挙げられる。
これらの中でも、(メタクリロイルオキシエチルカルボベタイン/メタクリル酸アルキル)共重合体が、再分散性に優れる点で特に好ましい。
【0027】
前記(B)成分の重量平均分子量(Mw)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30,000〜1,600,000が好ましく、再分散性に優れ、噴霧容器に充填した場合でも目詰りが生じない点で、30,000〜500,000がより好ましい。前記重量平均分子量が、30,000未満であると、再分散性が悪くなることや、噴霧容器に充填した場合に目詰りが生じることがあり、1,600,000を超えると、再分散性が悪くなること、噴霧容器に充填した場合に目詰りが生じること、さらさら感が低下することなどがある。
本発明において、前記(B)成分の重量平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィー−多角度光散乱(GPC−MALLS)分析を用いて下記条件で測定したものである。
[測定条件]
測定装置:Gel Permeation Chromatography System(株式会社島津製作所製)
測定試料溶液:前記(B)成分の純分濃度が約1,000ppm(移動相で希釈)
カラム:極性有機溶媒用カラム(TSK−GELαカラム、東ソー株式会社製)
移動相:0.5mol/Lの過塩素酸ナトリウム溶液
測定波長:約633nm
検出器:多角度光散乱検出器(MALLS)
標準品:分子量既知のポリエチレングリコール
【0028】
前記(B)成分の入手方法としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(B)成分の市販品の具体例としては、商品名で、ユカフォーマー75M−SM(重量平均分子量30,000)、ユカフォーマー75M−201(重量平均分子量70,000)、ユカフォーマー75M−202(重量平均分子量70,000)、ユカフォーマー75M−204WL(重量平均分子量70,000)、ユカフォーマー75M−205(重量平均分子量70,000)(以上、三菱化学株式会社製)等の(メタクリロイルオキシエチルカルボベタイン/メタクリル酸アルキル)共重合体;MERQUAT 295(重量平均分子量190,000)、MERQUAT 280(重量平均分子量450,000)(以上、ナルコ社製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリル酸共重合体;MERQUAT 3940(重量平均分子量150,000)、MERQUAT Plus 3330(重量平均分子量1,500,000)、MERQUAT Plus 3331(重量平均分子量1,600,000)(以上、ナルコ社製)等のアクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリルアミド共重合体などが挙げられる。
これらの中でも、ユカフォーマー75M−SM、ユカフォーマー75M−204WL、ユカフォーマー75M−205、MERQUAT 280、MERQUAT 295、MERQUAT 3940が、再分散性に優れ、噴霧容器に充填した場合でも目詰りが生じない点で特に好ましい。
【0029】
前記(B)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜2質量%が好ましく、再分散性に優れ、噴霧容器に充填して用いる場合であっても目詰りが生じることがなく、さらさら感に優れ、白残りが生じない点で0.05質量%〜1質量%がより好ましい。前記(B)成分の含有量が、0.01質量%未満又は2質量%を超えると、再分散性が悪くなること、噴霧容器に充填した場合でも目詰りが生じること、さらさら感が低下すること、白残りが生じることなどがある。
【0030】
<(C)ノニオン性界面活性剤>
前記(C)成分としては、ノニオン性界面活性剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルエーテル類、硬化ヒマシ油類、脂肪酸グリセリル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、脂肪酸ポリエチレングリコール類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、又はこれらのアルキレン付加物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルキレン付加物が好ましい。
【0031】
前記アルキレン付加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレン(以下、「POE」と略記することがある。)付加物、ポリプロピレン(以下、「POP」と略記することがある。)付加物などが挙げられる。これらの中でも、前記(C)成分は、POE付加物であることが好ましく、POEアルキルエーテル類、POE硬化ヒマシ油類、POE脂肪酸グリセリル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類がより好ましい。
【0032】
前記(C)成分がPOE付加物である場合、そのエチレンオキサイド(以下、「EO」と略記することがある。)の平均付加モル数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜100が好ましく、15〜80がより好ましく、25〜60が特に好ましい。前記EOの平均付加モル数が、10未満であると、再分散性が悪くなることや、噴霧容器に充填して用いる場合に目詰りが生じることがあり、100を超えると、再分散性が悪くなること、噴霧容器に充填して用いる場合に目詰りが生じること、さらさら感が低下することなどがある。
【0033】
前記POEを有するノニオン性界面活性剤の具体例としては、POEイソステアリルエーテル(EO平均付加モル数10〜25、好ましくは20〜25)、POEオクチルドデシルエーテル(EO平均付加モル数10〜25、好ましくは16〜25)、POEオレイルエーテル(EO平均付加モル数15〜50)等のPOEアルキルエーテル類;POE硬化ヒマシ油類(EO平均付加モル数40〜100);イソステアリン酸POEグリセリル(EO平均付加モル数15〜60)、トリイソステアリン酸POEグリセリル(EO平均付加モル数50〜60)等のPOE脂肪酸エステル類;POEソルビタン脂肪酸エステル類(EO平均付加モル数70〜90、好ましくは80);イソステアリン酸POE硬化ヒマシ油(EO平均付加モル数50〜60)等のPOE硬化ヒマシ油脂肪酸エステル類などが挙げられる。
【0034】
前記(C)成分のHLB値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、再分散性に優れ、噴霧容器に充填した場合に目詰りが生じない点で、12以上が好ましく、14〜16がより好ましい。前記HLB値が12未満であると、再分散性が悪くなることや、噴霧容器に充填した場合に目詰りが生じることなどがある。
【0035】
本発明において、前記HLB値は、有機概念図におけるIOB×10で示されるものである。前記有機概念図におけるIOBとは、有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、即ち、「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。前記有機概念図とは、藤田穆により提案されたものであり、その詳細は、“Pharmaceutical Bulletin”, 1954, vol.2, 2, pp.163−173、「化学の領域」, 1957, vol.11, 10, pp.719−725、「フレグランスジャーナル」, 1981, vol.50, pp.79−82、「有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生著、三共出版、1984)などで詳述されている。
具体的には、全ての有機化合物の根源をメタン(CH)とし、他の化合物は、全てメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、変態部、環などにそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値、無機性値を求め、この値を、有機性値をX軸、無機性値をY軸にとった図上にプロットしていくものである。
【0036】
前記(C)成分の入手方法としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(C)成分の市販品の具体例としては、EMALEX 1810(HLB11)、EMALEX 1820(HLB13)、EMALEX 1825(HLB14)等のPOEイソステアリルエーテル(EO平均付加モル数10〜25);EMALEX OD−10(HLB10)、EMALEX OD−16(HLB12)、EMALEX OD−20(HLB13)、EMALEX OD−25(HLB14)等のPOEオクチルドデシルエーテル(EO平均付加モル数10〜25);EMALEX 515(HLB12)、EMALEX 520(HLB13)、EMALEX 523(HLB14)、EMALEX 550(HLB16)等のPOEオレイルエーテル(EO平均付加モル数15〜50);EMALEX HC−40(HLB12)、EMALEX HC−50(HLB13)、EMALEX HC−60(HLB14)、EMALEX HC−80(HLB15)、EMALEX HC−100(HLB15)等のPOE硬化ヒマシ油(EO平均付加モル数40〜100);EMALEX GWIS−115(HLB12)、EMALEX GWIS−120(HLB13)、EMALEX GWIS−125(HLB14)、EMALEX GWIS−130(HLB15)、EMALEX GWIS−140(HLB15)、EMALEX GWIS−150(HLB16)、EMALEX GWIS−160(HLB16)等のイソステアリン酸POEグリセリル(EO平均付加モル数15〜60);EMALEX GWIS−350(HLB12)、EMALEX GWIS−360(HLB13)等のトリイソステアリン酸POEグリセリル(EO平均付加モル数50〜60);EMALEX RWIS−150(HLB12)、EMALEX RWIS−158(HLB12)等のイソステアリン酸POE硬化ヒマシ油(EO平均付加モル数50〜58);EMALEX HC−80(HLB15)等のPOE硬化ヒマシ油(EO平均付加モル数80)(以上、日本エマルジョン株式会社製)などが挙げられる。
これらの中でも、再分散性に優れ、噴霧容器に充填した場合でも目詰りが生じない点で、EMALEX 1825、EMALEX OD−25、EMALEX HC−60、EMALEX 550が特に好ましい。
【0037】
前記(C)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜3質量%が好ましく、再分散性に優れ、噴霧容器に充填して用いる場合に目詰りが生じない点で0.02質量%〜2質量%がより好ましい。前記(C)成分の含有量が0.01質量%未満又は3質量%を超えると、再分散性が悪くなることや、噴霧容器に充填した場合でも目詰りが生じることなどがある。また、前記含有量が3質量%を超えると、さらさら感が低下することがある。一方、前記(C)成分の含有量が、前記より好ましい範囲であると、再分散性に優れ、噴霧容器に充填した場合でも目詰りが生じない点で有利である。
【0038】
<(D)水>
前記(D)成分としては、水であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水道水、蒸留水、精製水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記(D)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0039】
<(E)制汗防臭成分>
本発明の化粧料は、更に前記(E)成分を含有することが、防臭効果の持続性に優れる点で好ましい。
前記(E)成分としては、制汗防臭成分であれば、特に制限はなく、公知の制汗防臭成分の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、乳酸、エチレンジアミン四酢酸、ピロリドンカルボン酸、パラフェノールスルホン酸等の有機酸又は有機酸塩、酸化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム等の無機化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、防臭効果の持続性に優れる点で、クロルヒドロキシアルミニウム、
パラフェノールスルホン酸亜鉛が好ましい。
【0040】
前記(E)成分の入手方法としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品の具体例としては、商品名で、MICRO−DRY 3115(Summit Research Labs社製、)等のクロルヒドロキシアルミニウム;スルホ石炭酸亜鉛(マツモトファインケミカル社製)等のパラフェノールスルホン酸亜鉛などが挙げられる。
【0041】
前記(E)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.2質量%〜15質量%が好ましく、白残りが生じにくく、防臭効果の持続性を効果的に発揮する点で2質量%〜10質量%がより好ましい。前記(E)成分の含有量が、0.2質量%未満であると、防臭効果の持続性が不十分となることがあり、15質量%を超えると、白残りが生じることがある。
【0042】
<その他の成分>
前記化粧料における前記その他の成分としては、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲で、通常化粧料に添加される任意成分の中から適宜選択して用いることができる。例えば、油脂類、ワックス類、前記(A)成分以外のシリコーン類、炭化水素油、高級脂肪酸、エタノール等の炭素数が4以下の低級アルコール、炭素数が5以上の高級アルコール、合成エステル油、前記(B)成分以外の高分子化合物、前記(C)成分以外の界面活性剤、酸化防止剤、色素、乳化安定剤、pH調整剤、収斂剤、防腐剤、紫外線吸収剤、キレート剤、保湿剤、増粘剤、清涼剤、抗炎症剤、アミノ酸、ビタミン剤、各種植物抽出エキスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の含有量としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0043】
<(A)/(B)〔質量比〕>
前記(A)成分と前記(B)成分との質量比〔(A)/(B)〕としては、5〜40であるが、再分散性に優れ、噴霧容器に充填した場合でも目詰りが生じない点で10〜30が好ましい。前記質量比が、5未満又は40を超えると、再分散性が悪くなることや、噴霧容器に充填した場合でも目詰りが生じることなどがある。
【0044】
<物性>
前記化粧料の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃における粘度が、10mPa・s以下が好ましい。前記粘度が、10mPa・sを超えると、再分散性が悪くなることや、噴霧容器に充填した場合でも目詰りが生じることなどがある。一方、前記粘度が、10mPa・s以下であると、再分散性に優れ、噴霧容器に充填した場合でも目詰りが生じない点で有利である。
前記25℃における粘度は、例えば、B型粘度計(商品名:LV T、ブルックフィールド社製)を用いて測定することができる。
【0045】
前記化粧料のpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3〜7が好ましく、4〜6がより好ましい。
【0046】
<容器>
本発明の化粧料を充填する容器としては、特に制限はなく、該化粧料の剤形等に応じて適宜選択することができる。
【0047】
<用途>
本発明の化粧料は、再分散性に優れ、かさつき感がなく、かつ、さらさら感に優れ、更に噴霧容器に充填して用いる場合であっても目詰りが生じることがなく、必要に応じて、防臭効果の持続性にも優れるため、例えば、デオドラント剤、ウォータースプレー、ジェル状化粧料、ローション状化粧料などに好適に利用可能である。
【実施例】
【0048】
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0049】
(実施例1〜39、比較例1〜9)
下記表1〜7の組成及び配合量に従い、常法により化粧料(デオドラント剤)を調製し、下記に示す方法で、再分散性、目詰り、さらさら感、かさつき感、及び白残りの評価を行った。結果を下記表1〜7に併せて示す。
なお、表1〜7において、(C)成分の「POE」は、ポリオキシエチレンの略記であり、「EO」は、「エチレンオキサイドの平均付加モル数」を表し、(C)成分又は(C’)成分の「HLB」は、有機概念図におけるIOB×10で示されるHLB値を表す。
【0050】
<体積平均粒子径の測定>
表1〜7において、(A)成分又は(A’)成分の「粒子径」は、「体積平均粒子径」を表す。前記体積平均粒子径は、レーザー回折散乱粒度分布測定装置(LS 13 320、ベックマン・コールター社製)で常法に従い測定した。
【0051】
<重量平均分子量の測定>
表1〜7において、(B)成分又は(B’)成分の「Mw」は、「重量平均分子量」を表す。前記重量平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィー−多角度光散乱(GPC−MALLS)分析を用いて下記条件で測定した
[測定条件]
測定装置:Gel Permeation Chromatography System(株式会社島津製作所製)
測定試料溶液:前記(B)成分の純分濃度が約1,000ppm(移動相で希釈)
カラム:極性有機溶媒用カラム(TSK−GELαカラム、東ソー株式会社製)
移動相:0.5mol/Lの過塩素酸ナトリウム溶液
測定波長:約633nm
検出器:多角度光散乱検出器(MALLS)
標準品:分子量既知のポリエチレングリコール
【0052】
<粘度の測定>
実施例1〜39及び比較例1〜9の各化粧料の25℃における粘度を、B型粘度計(商品名:LV T、ブルックフィールド社製)を用いて測定した。
その結果、実施例1〜39及び比較例1〜9の各化粧料の粘度は、いずれも2mPa・sであった。
【0053】
<再分散性の評価>
ポリエチレン製容器(PH−100、直径40mm、高さ100mm)に各化粧料を100mL入れ、3,000rpmで10分間遠心分離して化粧料中の粉体成分を沈降させた後、40℃で1ヶ月間静置した。これを測定試料とし、容器ごと15cmの振り幅で1秒間に1回の条件で振盪を繰返し、容器底面の粉体が完全に分散するまでの回数(以下、「分散回数」と称することがある。)を測定した。粉体が完全に分散したことは、目視にて判断した。各化粧料についてそれぞれ10本の試験を実施し、その平均値を算出し、下記評価基準に基づき評価した。
[評価基準]
◎◎:分散回数の平均値が5回未満
◎ :分散回数の平均値が5回以上10回未満
○ :分散回数の平均値が10回以上15回未満
△ :分散回数の平均値が15回以上20回未満
× :分散回数の平均値が20回以上
【0054】
<目詰りの評価>
トリガー型スプレー容器(スプレー孔部の平均径:0.45mm、トリガー:Z−305、株式会社三谷バルブ製、ポリエチレンテレフタレート製ボトル:F−1223、株式会社吉野工業所製)に各化粧料を100mL入れ、3,000rpmで10分間遠心分離して化粧料中の粉体成分を沈降させた。これを、前記再分散性の評価と同様の条件で5回振盪させた後に3プッシュ噴霧し、3プッシュの合計吐出量(質量)を電子天秤で測定した(以下、「初期吐出量」と称する)。
次に、初期吐出量測定後の各化粧料を40℃で1ヶ月間静置した。これを測定試料とし、1日おきに、前記再分散性の評価と同様の条件で5回振盪させてから3プッシュ噴霧することを繰返し、3プッシュの合計吐出量(質量)を電子天秤で測定した(以下、「試験吐出量」と称する)。
下記式1で表される「相対吐出量」が50以下になった場合、目詰りが発生したと判断し、試験開始から目詰りが発生するまでの日数を算出した。各化粧料についてそれぞれ10本の試験を実施し、その平均値(平均日数)を算出し、下記評価基準に基づき評価した。
相対吐出量=試験吐出量/初期吐出量×100 ・・・〔式1〕
[評価基準]
◎◎:目詰りが発生した日数が試験開始後180日以上
◎ :目詰りが発生するまでの日数が試験開始後150日以上180日未満
○ :目詰りが発生するまでの日数が試験開始後120日以上150日未満
△ :目詰りが発生するまでの日数が試験開始後90日以上120日未満
× :目詰りが発生するまでの日数が試験開始後90日未満
【0055】
<さらさら感の評価>
トリガー型スプレー容器(トリガー:Z−305、株式会社三谷バルブ製、ポリエチレンテレフタレート製ボトル:F−1223、株式会社吉野工業所製)に各化粧料を100mL入れた。これを用い、男女20名の専門パネリストが、胸元、腋窩部、及び腕に3プッシュ噴霧(塗布)した。噴霧1時間後に、化粧料の噴霧部(塗布部)が無噴霧部(無塗布部)よりもさらさら感があるかどうかについて官能評価を行った。この官能評価の結果より、下記評価基準に基づき評価した。
[評価基準]
◎:「塗布部が無塗布部よりもさらさら感がある」と回答した人が、16名〜20名
○:「塗布部が無塗布部よりもさらさら感がある」と回答した人が、11名〜15名
△:「塗布部が無塗布部よりもさらさら感がある」と回答した人が、6名〜10名
×:「塗布部が無塗布部よりもさらさら感がある」と回答した人が、5名以下
なお、本発明において、「さらさら感」とは、指や手の平で肌をこすった際の滑沢性を意味する。
【0056】
<かさつき感の評価>
トリガー型スプレー容器(トリガー:Z−305、株式会社三谷バルブ製、ポリエチレンテレフタレート製ボトル:F−1223、株式会社吉野工業所製)に各化粧料を100mL入れた。これを用い、男女20名の専門パネリストが、胸元、腋窩部、及び腕に3プッシュ噴霧(塗布)した。噴霧10分間後に、化粧料の噴霧部(塗布部)にかさつき感があるかどうかについて官能評価を行った。この官能評価の結果より、下記評価基準に基づき評価した。
[評価基準]
◎:「かさつき感がない」と回答した人が、16名〜20名
○:「かさつき感がない」と回答した人が、11名〜15名
△:「かさつき感がない」と回答した人が、6名〜10名
×:「かさつき感がない」と回答した人が、5名以下
なお、本発明において、「かさつき感」とは、指や手の平で肌をこすった際に感じる肌の乾いた感じを意味する。
【0057】
<白残りの評価>
トリガー型スプレー容器(トリガー:Z−305、株式会社三谷バルブ製、ポリエチレンテレフタレート製ボトル:F−1223、株式会社吉野工業所製)に各化粧料を100mL入れた。これを用い、男女20名の専門パネリストが、胸元、腋窩部、及び腕に3プッシュ噴霧(塗布)した。噴霧10分間後に、化粧料の噴霧部(塗布部)に白残りがあるかどうかについて目視にて観察し、下記評価基準に基づき評価した。
[評価基準]
◎:「白残りがない」と回答した人が、16〜20名
○:「白残りがない」と回答した人が、11〜15名
△:「白残りがない」と回答した人が、6〜10名
×:「白残りがない」と回答した人が、5名以下
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
【表3】

【0061】
【表4】

【0062】
【表5】

【0063】
【表6】

【0064】
【表7】

なお、比較例1の再分散性及び目詰まりは、化粧料中に粉体成分が含まれておらず、評価できなかったため、表7において「−」で示した。
【0065】
(実施例40〜45)
実施例1〜39において、(E)成分として制汗防臭剤を更に添加し、下記表8の組成及び配合量に従ったこと以外は、実施例1〜39と同様の方法で実施例40〜45の化粧料(デオドラント剤)を調製した。
実施例40〜45の化粧料について、実施例1〜39と同様の方法で、再分散性、目詰り、さらさら感、かさつき感、及び白残りの評価を行った。また、下記に示す方法で、防臭効果の持続性の評価を行った。結果を下記表8に併せて示す。
なお、表8において、(A)成分の「粒子径」、(B)成分の「Mw」、(C)成分の「POE」、「EO」及び「HLB」は、表1〜7と同じ意味を表す。
また、実施例40〜45の各化粧料の粘度を、実施例1〜39と同様の方法で測定した結果、実施例40〜45の各化粧料の粘度は、いずれも2mPa・sであった。
【0066】
<防臭効果の持続性の評価>
男女被験者20名が、片方の腋窩部に化粧料0.1gを塗布し(以下、「塗布部側」と称することがある)、もう片方の腋窩部には何も塗布せず(以下、「無塗布部側」と称することがある)、予め洗浄して乾燥させたガーゼを両腋窩部に縫い付けたシャツを着用した。着用開始から8時間後に、ガーゼに付着した臭気について、専門パネリストが官能評価を行い、下記評点で判定した。この評点の平均値から下記評価基準に基づき防臭効果の持続性を評価した。
[評点]
3点:塗布部側のガーゼは、無塗布部側のガーゼよりも臭気強度が非常に弱かった
2点:塗布部側のガーゼは、無塗布部側のガーゼよりも臭気強度がかなり弱かった
1点:塗布部側のガーゼは、無塗布部側のガーゼよりも臭気強度がやや弱かった
0点:塗布部側のガーゼは、無塗布部側のガーゼと同等であった
[評価基準]
◎:20人の被験者の平均点が2.5点以上3点以下
○:20人の被験者の平均点が2点以上2.5点未満
△:20人の被験者の平均点が1点以上2点未満
×:20人の被験者の平均点が1点未満
【0067】
【表8】

【0068】
(実施例46:ウォータースプレー)
下記組成及び配合量に従い、常法により化粧料を調製した。この化粧料の粘度を実施例1〜39と同様の方法で測定したところ、2mPa・sであった。また、この化粧料を用いて、実施例1〜39と同様の方法で、再分散性の評価を行った。
更に、この化粧料100mLをトリガー型スプレー容器(スプレー孔部の平均径:0.45mm、トリガー:PT−200、株式会社吉野工業所製、ポリエチレンテレフタレート製ボトル:F−1223、株式会社吉野工業所製)に入れて、ウォータースプレーとした。
このウォータースプレーを用いて、実施例1と同様の方法で、目詰り、さらさら感、かさつき感、及び白残りの評価を行った。結果下記に示す。
[組成及び配合量]
シリコーン樹脂粉体B〔(A)成分〕 3.0質量%
(体積平均粒子径:5μm、KSP−100、信越化学株式会社製)
両性ポリマーB〔(B)成分〕 0.1質量%
(Mw:70,000、ユカフォーマー75M−204WL、三菱化学株式会社製)
ノニオン性界面活性剤〔(C)成分〕 0.2質量%
(POEオレイルエーテル、EO平均付加モル数:50、HLB:16、EMALEX 550、日本エマルジョン株式会社製)
パラフェノールスルホン酸亜鉛〔(E)成分〕 2.5質量%
塩化ベンザルコニウム 0.1質量%
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.3質量%
メンチルグリセリルエーテル 0.05質量%
香料 0.3質量%
エタノール 45.0質量%
精製水〔(D)成分〕 残部
合計 100.0質量%
(A)成分/(B)成分〔質量比〕:30
[評価結果]
再分散性 :◎◎
目詰り :◎◎
さらさら感 :◎
かさつき感 :◎
白残り :◎
防臭効果の持続性:◎
【0069】
(実施例47:ジェル状化粧料)
下記組成及び配合量に従い、常法により化粧料(ジェル状化粧料)を調製した。このジェル状化粧料の粘度を実施例1〜39と同様の方法で測定したところ、10mPa・sであった。更に、このジェル状化粧料100mLを容器(HDPE製ボトル:B−5935、株式会社吉野工業所製)に入れ、実施例1〜39と同様の方法で、再分散性、さらさら感、かさつき感、及び白残りの評価を行った。結果下記に示す。
[組成及び配合量]
シリコーン樹脂粉体C〔(A)成分〕 2.0質量%
(体積平均粒子径:6μm、トスパール2000B、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
両性ポリマーC〔(B)成分〕 0.2質量%
(Mw:70,000、ユカフォーマー75M−205、三菱化学株式会社製)
ノニオン性界面活性剤〔(C)成分〕 0.1質量%
(POEイソステアリルエーテル、EO平均付加モル数:25、HLB:14、EMALEX 1825、日本エマルジョン株式会社製)
クロルヒドロキシアルミニウム〔(E)成分〕 5.0質量%
イソプロピルメチルフェノール 0.1質量%
カルボキシビニルポリマー 0.05質量%
架橋型メチルポリシロキサン含有エマルジョン 0.5質量%
(KM−9729、信越化学株式会社製)
トリエタノールアミン 0.2質量%
香料 0.1質量%
エタノール 30.0質量%
精製水〔(D)成分〕 残部
合計 100.0質量%
(A)成分/(B)成分〔質量比〕:10
[評価結果]
再分散性 :◎◎
さらさら感 :◎
かさつき感 :◎
白残り :◎
防臭効果の持続性:◎
【0070】
(実施例48:ローション状化粧料)
下記組成及び配合量に従い、常法により化粧料(ローション状化粧料)を調製した。このローション状化粧料の粘度を実施例1〜39と同様の方法で測定したところ、2mPa・sであった。また、このローション状化粧料を用いて、実施例1〜39と同様の方法で、再分散性、目詰り、さらさら感、かさつき感、及び白残りの評価を行った。結果下記に示す。
[組成及び配合量]
シリコーン樹脂粉体B〔(A)成分〕 1.0質量%
(体積平均粒子径:5μm、KSP−100、信越化学工業株式会社)
両性ポリマーE〔(B)成分〕 0.1質量%
(Mw:190,000、MERQUAT 295、ナルコ社製)
ノニオン性界面活性剤〔(C)成分〕 0.05質量%
(POE硬化ヒマシ油、EO平均付加モル数:60、HLB:14、EMALEX HC−60、日本エマルジョン株式会社製)
パラフェノールスルホン酸亜鉛〔(E)成分〕 3.0質量%
ポリエーテル変性シリコーン 0.5質量%
(SH3772、信越化学工業株式会社)
香料 0.2質量%
エタノール 20.0質量%
精製水〔(D)成分〕 残部
合計 100.0質量%
(A)成分/(B)成分〔質量比〕:10
[評価結果]
再分散性 :◎◎
目詰り :◎
さらさら感 :◎
かさつき感 :◎
白残り :◎
防臭効果の持続性:◎
【0071】
実施例1〜48及び比較例1〜9において使用した各成分について下記表9に示す。
なお、表9において、(A)成分又は(A’)成分の「粒子径」、(B)成分又は(B’)成分の「Mw」、(C)成分の「POE」、「EO」及び「HLB」は、表1〜7と同じ意味を表す。
【0072】
【表9】

【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の化粧料は、再分散性に優れ、かさつき感がなく、かつ、さらさら感に優れるため、例えば、デオドラント剤、ウォータースプレー、ジェル状化粧料、ローション状化粧料などに好適に利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)シリコーン樹脂粉体、(B)両性ポリマー、(C)ノニオン性界面活性剤、及び(D)水を含有し、前記(A)シリコーン樹脂粉体と前記(B)両性ポリマーとの質量比〔(A)/(B)〕が5〜40であることを特徴とする化粧料。
【請求項2】
(B)両性ポリマーが、重量平均分子量30,000〜500,000である請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
(C)ノニオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル(EO平均付加モル数10〜25)、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル(EO平均付加モル数10〜25)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(EO平均付加モル数15〜50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO平均付加モル数40〜100)、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(EO平均付加モル数15〜60)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(EO平均付加モル数50〜60)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(EO平均付加モル数70〜90)、及びイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO平均付加モル数50〜60)から選ばれる少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載の化粧料。
【請求項4】
(E)制汗防臭成分を更に含有する請求項1から3のいずれかに記載の化粧料。

【公開番号】特開2013−112680(P2013−112680A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263528(P2011−263528)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】