説明

化粧料

【課題】カゼインナノ粒子を含有し、且つ、所望の増粘性を有する化粧料を提供する。
【解決手段】少なくとも、カゼインナノ粒子、及び、水に0.2質量%含有させた液を、B型粘度計(測定条件:25℃、30s、30rpm)を用いて測定したときの粘度値I(mPa・s)と、下記試験液Aに、100gに対する含有量が0.2質量%となるよう含有させ100gまで加水調整し、水酸化ナトリウム水溶液(1M)でpHを7.5に調整した液を、B型粘度計(測定条件:25℃、30s、30rpm)を用いて測定したときの粘度値II(mPa・s)と、の粘度比(I/II)が、10以下である増粘剤、を含有する化粧料。
試験液A:
水に、クエン酸ナトリウム 1.47g、カゼインナトリウム 1g、1,3−ブチレングリコール 5gを溶解させて全量を90gとした後、水酸化ナトリウム水溶液(1M)により、pHを7に調整した液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
微粒子材料は、バイオテクノロジー分野における幅広い利用について期待されている。特に、ナノテクノロジーの進展によって生み出されたナノ微粒子材料は、食品、化粧品、医薬品等に応用することが活発に検討され、ナノ微粒子材料に関する研究成果が数多く報告されている。
例えば、近年、化粧品分野では、より明確な肌への効果に対する顧客の需要が高まっている。そのため、化粧品会社は、ナノテクノロジーをはじめ様々な新しい技術を取り入れることによって、自社化粧品の機能性及び使用性の向上、他社の化粧品との差別化を計っている。
一般的に肌は角質層がバリアーとして存在するため、有効成分の皮膚への浸透性が低い。化粧品の肌への効果を十分に発揮させるためには、有効成分の皮膚浸透性の改善が不可欠である。また、有効成分が肌に対して高い有効性を持っていたとしても、その有効成分が、保存安定性が低かったり、肌に対して刺激を起こしやすかったりするために、製剤化に至らない有効成分も多い。これらを解決すべく、経皮吸収性の改善及び保存安定性の向上、皮膚刺激性の低減などを目的とした、様々な微粒子材料の開発が進められており、超微細乳化やリポソームなど各種微粒子材料が研究されている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
また、微粒子材料であるタンパク質ナノ粒子を、種々の皮膚外用組成物に用いることが提案されている。例えば、タンパク質の一種であるカゼインは、天然の界面活性分子であり、水溶性乳化剤として用いることができる。このため、水溶性乳化剤としてカゼインを用いた技術が種々知られている。
【0004】
特許文献1には、脂溶性の抗酸化剤等を内包(含有)するカゼインナノ粒子が開示されている。特許文献2には、カゼインナノ粒子等のタンパク質ナノ粒子を含む頭髪組成物が開示されている。有効成分がカゼインナノ粒子に内包されているため、頭髪及び頭皮への浸透性が高い頭髪組成物が得られると記載されている。また、特許文献3には、カゼインナノ粒子及びその製造方法が開示されており、界面活性剤や合成高分子を使用することなく、任意の粒子サイズを有するカゼインナノ粒子を製造することができると記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】西田 光広、フレグランスジャーナル、11月、p.17(2005)
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−179551号公報
【特許文献2】特開2008−201767号公報
【特許文献3】国際公開第2004/114262号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、化粧品には様々な剤形が存在するため、それぞれの剤形が有する欠点を補うために増粘性が必要となる化粧品が多く存在する。一方、化粧品に粘性を与える増粘剤は、化粧品を皮膚に適用し乾燥させると、皮膚上に残存することがある。また、ベタツキ又は皮膜感などの使用感の低下を来たすため、化粧品中に過度の増粘剤を含有させることは好ましくない。
【0008】
また、タンパク質ナノ粒子を含有する化粧品において、カルボキシビニルポリマー等の合成系の増粘剤を、化粧品として許容される含有量として配合する場合、化粧品の粘度を調整することが困難であるという知見を、本発明者らは得た。しかしながら、タンパク質ナノ粒子を含有した化粧品で、且つ、所望の粘性を有する化粧品は、未だに得られていない。
【0009】
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、タンパク質ナノ粒子であるカゼインナノ粒子を含有し、且つ、所望の粘性を有する化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 少なくとも、カゼインナノ粒子、及び、水に0.2質量%含有させた液を、B型粘度計(測定条件:25℃、30s、30rpm)を用いて測定したときの粘度値I(mPa・s)と、下記試験液Aに、100gに対する含有量が0.2質量%となるよう含有させ100gまで加水調整し、水酸化ナトリウム水溶液(1M)でpHを7.5に調整した液を、B型粘度計(測定条件:25℃、30s、30rpm)を用いて測定したときの粘度値II(mPa・s)と、の粘度比(I/II)が、10以下である増粘剤、を含有する化粧料。
試験液A:
水に、クエン酸ナトリウム 1.47g、カゼインナトリウム 1g、1,3−ブチレングリコール 5gを溶解させて全量を90gとした後、水酸化ナトリウム水溶液(1M)により、pHを7に調整した液。
[2] 前記増粘剤が、多糖類若しくはその誘導体である[1]に記載の化粧料。
[3] 前記カゼインナノ粒子の体積平均粒径が10nm以上100nm以下である[1]又は[2]に記載の化粧料。
[4] 前記増粘剤が、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アルカリゲネス産生多糖体、及び、これらの誘導体から選択された少なくとも1種である[1]から[3]のいずれか1項に記載の化粧料。
[5] 前記増粘剤の含有量が、化粧料の全質量に対して2質量%以下である[1]から[4]のいずれか1項に記載の化粧料。
[6] 前記カゼインナノ粒子が有効成分を含有する[1]から[5]のいずれか1
項に記載の化粧料。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カゼインナノ粒子を含有し、且つ、所望の粘性を有する化粧料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】キサンタンガム、ローカストビーンガム、アルカシーラン、ヒドロキシプロピルキサンタンガムについて、試験液Aに対する増粘性の添加量依存性を示すグラフである。
【図2】カルボキシビニルポリマーについて、水及び試験液Aに対する増粘性の添加量依存性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の化粧料について詳細に説明する。
なお、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても本工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
また、本発明において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
【0014】
本発明の化粧料は、少なくとも、カゼインナノ粒子、及び、水に0.2質量%含有させた液を、B型粘度計(測定条件:25℃、30s、30rpm)を用いて測定したときの粘度値I(mPa・s)と、下記試験液Aに、100gに対する含有量が0.2質量%となるよう含有させ100gまで加水調整し、水酸化ナトリウム水溶液(1M)でpHを7.5に調整した液を、B型粘度計(測定条件:25℃、30s、30rpm)を用いて測定したときの粘度値II(mPa・s)と、の粘度比(I/II)が、10以下である増粘剤、を含有する化粧料である。
【0015】
試験液A:
水に、クエン酸ナトリウム 1.47g、カゼインナトリウム 1g、1,3−ブチレングリコール 5gを溶解させて全量を90gとした後、水酸化ナトリウム水溶液(1M)により、pHを7に調整した液。
【0016】
試験液Aは、より具体的には、カゼインナノ粒子を分散質として含む分散液である。
【0017】
本発明の化粧料は、カゼインナノ粒子と共に、前記粘度比(I/II)が10以下である増粘剤(以下、適宜「特定増粘剤」と称する。)を含有することにより、カゼインナノ粒子を含有し、且つ、所望の粘性を有する。
【0018】
従来、化粧品に汎用されているカルボキシビニルポリマー等の合成系の増粘剤は、本発明者の知見によれば、タンパク質ナノ粒子を含有する処方系に溶解又は分散させることが困難であり、このため、タンパク質ナノ粒子を含有する化粧品においては所望の粘性が得られなかった。また、透明性が要求される化粧品における当該従来汎用の増粘剤の使用は、濁りなどが発生してしまい、透明性が損なわれる問題があった。
一方、本発明においては、特定の増粘剤を添加することで、タンパク質ナノ粒子であるカゼインナノ粒子を含有する化粧品であっても、系中に充分に溶解又は分散されることから、化粧品の所望の粘性が達成される。また、本発明における特定の増粘剤は、増粘剤の含有量を少なくした処方であっても、化粧品において所望の粘性が得られる。また、透明性が要求される化粧品に、本発明の化粧料を適用した場合においては、粘性と共に、濁りなどの発生の抑制された優れた透明性をも達成することができる。
【0019】
(カゼインナノ粒子)
本発明の化粧料は、カゼインナノ粒子を含有する。
カゼインナノ粒子に用いるカゼインは、その由来について特に限定されず、乳由来であっても、豆由来であってもよい。カゼインの例としては、α−カゼイン、β−カゼイン、γ−カゼイン、κ−カゼイン、及びこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。また、本発明の化粧料において。カゼインは、単独で存在していてもよく、アルカリ金属塩の形態で存在してもよい。カゼインは、アルカリ金属塩の形態であることが、分散性の観点から好ましく、中でも、水溶性が高いカゼインナトリウム塩(カゼインNa)であることがより好ましい。
【0020】
カゼインナノ粒子は、有効成分を含有することが好ましい。該有効成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
有効成分は、特に限定されるものではなく、化粧品用の有効成分として公知のものから選択することができる。有効成分の例としては、例えば、保湿剤、美白剤、抗シワ剤、紫外線吸収剤、活性酸素除去剤、抗酸化剤、抗炎症剤、血行促進剤、アンチエイジング剤、コラーゲン合成促進剤、ビタミン剤、ミネラル、又はアミノ酸類などが挙げられる。
【0021】
カゼインは等電点より高いpHでは酸として振る舞い、等電点より低いpHでは塩基として振舞うことがわかっている。このため、カゼインナノ粒子は、カゼインを塩基性水性媒体液に混合し、得られた混合液のpHを、用いたカゼインの等電点より0.5以上高いpHに攪拌しながら下降させることにより作製することができる。あるいは、カゼインを酸性水性媒体液に混合し、得られた混合液のpHを、用いたカゼインの等電点より0.5以上低いpHに攪拌しながら上昇させることにより作製することができる。
本発明にかかるカゼインナノ粒子の作製方法としては、例えば、カゼインを塩基性水性媒体液に混合し、得られた混合液を酸性水性媒体中に注入する方法、カゼインを塩基性水性媒体液に混合し、得られた混合液のpHを、攪拌しながら下降させる方法、及び、カゼインを酸性水性媒体液に混合し、得られた混合液のpHを、攪拌しながら上昇させる方法を挙げることができる。
また、有効成分を含有するカゼインナノ粒子は、例えば、前記塩基性水性媒体あるいは前記酸性媒体に有効成分を添加することにより作製することができる。
なお、得られたカゼインナノ粒子におけるカゼインの分解を抑制する観点から、得られたカゼインナノ粒子を含む分散液のpHを中性付近に調整することが好ましい。
【0022】
カゼインを塩基性水性媒体液に混合し、得られた混合液を酸性水性媒体中に注入する方法としては、シリンジを用いて行うことが簡便で好ましいが、注入速度、溶解性、温度、撹拌状態を満足する方法であれば特に限定しない。一般的には、注入速度は、1mL/min〜100mL/minとすることができる。
塩基性水性媒体の温度は、適宜設定することができるが、標準的には、0℃〜80℃にすることができ、好ましくは、25℃〜70℃にすることができる。酸性水性媒体の温度は、適宜設定することができるが、標準的には、0℃〜80℃にすることができ、好ましくは、25℃〜60℃にすることができる。
攪拌速度は、適宜設定することができるが、標準的には、100rpm〜3000rpmにすることができ、好ましくは、200rpm〜2000rpmである。
【0023】
カゼインを塩基性水性媒体液に混合し、得られた混合液のpHを、攪拌しながら下降させる方法としては、酸性水性媒体を滴下することが簡便で好ましいが、溶解性、温度、撹拌状態を満足する方法であれば特に限定されない。
【0024】
カゼインを酸性水性媒体液に混合し、得られた混合液のpHを、攪拌しながら上昇させる方法としては、塩基性水性媒体を滴下することが簡便で好ましいが、溶解性、温度、撹拌状態を満足する方法であれば特に限定されない。
【0025】
塩基性又は酸性水性媒体の温度は、適宜設定することができる。塩基性又は酸性水性媒体の温度は、標準的には、0℃〜80℃にすることができ、好ましくは、25℃〜70℃にすることができる。攪拌速度は、適宜設定することができるが、標準的には、100rpm〜3000rpmにすることができ、好ましくは、200rpm〜2000rpmにすることができる。
【0026】
カゼインナノ粒子を作製するために用いられる水性媒体の例としては、有機酸又は有機塩基の水溶液、無機酸又は無機塩基の水溶液、及び緩衝液を挙げることができる。具体的には、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、カルボン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、フタル酸、トリフルオロ酢酸、モルホリノエタンスルホン酸、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸のような有機酸;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アンモニアのような有機塩基;塩酸、過塩素酸、炭酸のような無機酸;燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムのような無機塩基を用いた水溶液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、製剤における安定性の観点から、有機酸又は有機塩基の水溶液が用いられることが好ましい。
上述した水性媒体の濃度は、約10mMから約1Mが好ましい。より好ましくは、約20mMから約200mMである。
【0027】
塩基性水性媒体のpHは、7以上が好ましく、8〜12が好ましい。より好ましくはpH8.5〜10である。pHが高すぎると加水分解の懸念や取り扱い上の危険性があるため、上述の範囲が好ましい。
【0028】
酸性水性媒体のpHは4以下が好ましく3.5以下が好ましく、正の電荷のカゼインナノ粒子を得るためには等電点を超えないことが望ましい。
【0029】
本発明において、カゼインを水性媒体に混合させる温度は、0℃〜80℃が好ましく、10℃〜70℃が好ましい。より好ましくは、30℃〜70℃である。
【0030】
カゼインナノ粒子を作製するために用いられる水性媒体のpHは、カゼイン又はその塩の等電点からpH0.5以上離れたpHであることが好ましい。前述の範囲外では、粒子サイズが大きくなる傾向が見られる。
【0031】
例えば、カゼインの等電点は一般的にpH4.6程度であるので、カゼインナノ粒子はpH4.1より低いpHの水性媒体、又はpH5.1より高いpHの水性媒体と混合することが好ましい。
【0032】
カゼインは、架橋処理されたものであってもよい。架橋処理は、カゼインナノ粒子の形成中及び/又は形成後に行なうことができる。架橋処理は、化学的架橋、物理的架橋、及び生物学的架橋のいずれの架橋処理であってもよい。
架橋処理には架橋剤を用いてもよい。該架橋剤としては、例えば、トランスグルタミナーゼ等の酵素、グルタルアルデヒド等の化合物が挙げられる。架橋処理に用いられる架橋剤量は、適宜設定することができる。また、架橋剤の添加量は、ナノ粒子が構成される量であれば限定されないが、カゼインの質量に対して、0.1〜100質量%の量で添加することが好ましい。
【0033】
本発明で用いるカゼインナノ粒子の体積平均粒径は、通常は1nm〜1000nmであり、好ましくは10nm〜1000nmであり、より好ましくは10nm〜200nmであり、さらに好ましくは10nm〜100nmであり、特に好ましくは20nm〜50nmである。このような体積平均粒径とすることによって、優れた皮膚浸透効果を発揮することができる。
【0034】
なお、カゼインナノ粒子の平均粒径は、市販の種々の粒度分布計等で計測可能であるが、粒径範囲及び測定の容易さから、本発明においては動的光散乱法を適用したものとする。動的光散乱を用いた市販の測定装置としては、ナノトラックUPA(日機装(株))、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550((株)堀場製作所)、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))、Nano−ZS(マルバーン(株))等が挙げられる。
【0035】
本発明におけるカゼインナノ粒子の粒径は、マルバーン(株)製「Nano−ZS」を用いて測定した値であり、具体的には、以下のよう計測した値を採用する。即ち、粒径の測定方法は、試料に含まれるカゼインの濃度が0.1質量%になるように純水で希釈を行い、石英セルを用いて測定を行う。粒径は、分散媒屈折率として1.333(純水)、分散媒の粘度として純水の粘度を設定したときの体積平均粒径として求めることができる。
【0036】
(特定増粘剤)
本発明の化粧料は、水に0.2質量%含有させた液を、B型粘度計(測定条件:25℃、30s、30rpm)を用いて測定したときの粘度値I(mPa・s)と、下記試験液Aに、100gに対する含有量が0.2質量%となるよう含有させ100gまで加水調整し、水酸化ナトリウム水溶液(1M)でpHを7.5に調整した液を、B型粘度計(測定条件:25℃、30s、30rpm)を用いて測定したときの粘度値II(mPa・s)と、の粘度比(I/II)が、10以下である増粘剤(特定増粘剤)を含有する。
【0037】
〜試験液A〜
試験液Aは、水に、クエン酸ナトリウム 1.47g、カゼインナトリウム 1g、1,3−ブチレングリコール 5gを溶解させて全量を90gとした後、水酸化ナトリウム水溶液(1M)により、pHを7に調整した液である。
【0038】
粘度値I及び粘度値IIを測定するために使用される水としては、MilliQ水が用いられることが好ましい。
【0039】
粘度値Iは、水に増粘剤を0.2質量%含有させた液を調製し、該液の粘度を、B型粘度計を用いて、測定条件(25℃、30s、30rpm)にて測定することにより得られた測定値である。また、粘度値IIは、試験液Aに増粘剤を、100gに対する含有量が0.2質量%となるよう含有させ100gまで加水調整し、水酸化ナトリウム水溶液(1M)でpHを7.5に調整させた液を調製し、該液の粘度を、B型粘度計を用いて、測定条件(25℃、30s、30rpm)にて測定することにより得られた測定値である。
【0040】
本発明におけるB型粘度計としては、ビスコメーター(製品名:TVB−10M、東機産業(株)製)を用いる。
【0041】
特定増粘剤における粘度比(I/II)は、上記により得られた粘度値Iを粘度値IIより除した値であり、本発明における特定増粘剤としては、粘度比(I/II)が10以下であるものを用いる。特定増粘剤の粘度比(I/II)としては、化粧料の安定性や使用感の悪化防止の観点から、5以下であることが好ましい。
【0042】
特定増粘剤は、1種又は2種以上を組み合わせ使用することができる。
【0043】
特定増粘剤としては、本発明における粘度比(I/II)を満足するものであれば、特に限定されるものではないが、より優れた増粘性を発揮できることから、糖や非イオン性基で修飾された高分子、多糖類若しくはその誘導体であることが好ましい。
【0044】
特定増粘剤として適用しうる多糖類若しくはその誘導体は、天然物由来のものであってもよいし、化学合成により得られたものであってもよい。
【0045】
天然物由来の多糖類若しくはその誘導体である特定増粘剤としては、動物系、植物系、及び微生物系に由来する多糖類若しくはその誘導体に大別され、いずれを用いてもよい。
【0046】
また、特定増粘剤は、多糖類における糖の一部に、アルキル基、ポリエチレンオキシド基、ポリプロピレンオキシド基、グルコース、ラクトース、スクロースの単体もしくはそれら糖を構成単位とする高分子を結合させたものであってもよい。
【0047】
特定増粘剤としては、アクリルポリマーやカルボキシビニルポリマーなど高分子化合物の主鎖に、糖やノニオン性基を結合させた化合物であってもよい。そのような化合物の例としては、例えば、ポリエチレンオキシド基、ポリプロピレンオキシド基、グルコース、ラクトース、スクロースの単体もしくはそれら糖を構成単位とする高分子を、アクリルポリマーやカルボキシビニルポリマーなど高分子化合物の主鎖に結合させたものが挙げられる。
【0048】
特定増粘剤として適用しうる増粘剤の具体例としては、例えば、キサンタンガム、アラビヤガム、アルカリゲネス産生多糖体(アルカシーランとも称される。)、トラガカントガム、カラヤガム、タマリンドガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、ジェランガム、ネイティブジェランガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、カラギーナン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、コラーゲン、キチン誘導体、ペクチン、ゼラチン、及び、これらの塩若しくは誘導体が挙げられる。
【0049】
本発明では、増粘剤が多糖類若しくはその誘導体である化粧料であることが好ましい。
【0050】
特定増粘剤としては、使用感の悪化防止の観点から、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アルカリゲネス産生多糖体、及び、これらの誘導体から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
【0051】
本発明の化粧料における特定増粘剤の含有量としては、粘性及び使用感の両立の観点から、化粧料の全質量に対して、2質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜2質量% であり、更に好ましくは0.05〜1.5質量%である。
【0052】
(その他の成分)
本発明の化粧料は、上記した各成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種の機能性油性成分(例えば、油脂類、脂肪酸類、高級アルコール類、油溶性色素類、鉱物油、ポリシリコン化合物など)、界面活性剤(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ベヘ
ントリモニウムクロリド、脂肪酸アミドプロピルベタイン等)、多価アルコール(例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、エチルヘキシルクグリセリンなど)、水溶性高分子化合物(例えば、メタクリル重合体など。なお、特定増粘剤は水溶性高分子化合物に含まない。)、アルコール類、無機物(例えば、酸化チタン、マイカ、シリカなど)、香料、などの他の成分を含有してもよい。
【0053】
その他、本発明の化粧料には、化粧品用成分又は医薬品成分として用いられる各種の公知成分を配合することができる。化粧品用成分としては、例えば、エモリエント剤、トリートメント剤、潤滑剤、保湿剤、育毛剤、養毛剤、発毛剤、抗白髪剤、アンチエイジング剤、抗酸化剤、コラーゲン合成促進剤、ビタミン剤、香料、色素剤、制汗剤、冷感剤、清涼剤、温感剤などを挙げることができる。また、医薬品用成分としては、育毛剤、養毛剤、発毛剤、抗生剤、殺菌剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤などを挙げることができる。
これらの他の成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0054】
(水)
本発明の化粧料は、水を含む水系化粧料であることが好ましい。
化粧料中の水の配合量は、水以外の成分の残量であって、60質量%〜90質量%である。
【0055】
本発明の化粧料のpHは、安定性、特に着色防止の観点から、pH5.0〜8.5であることが好ましく、pH5.5〜pH8.0あることがより好ましく、pH5.8〜pH7.5であることが特に好ましい。
【0056】
本発明の化粧料は、上述した各成分を常法により混合することに調製することができ、その製造方法に特に制限はない。
【0057】
本発明の化粧料の剤型としては、例えば、ローション、エッセンス、ゲル等が挙げられる。また、本発明の化粧料は、そのままで、あるいは懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、軟膏剤、クリーム剤などの剤型で適用することができる。
【実施例】
【0058】
以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。
【0059】
[試験例1]
試験例1では、特定増粘剤、比較用増粘剤の各増粘剤について、水、又は、カゼインナノ粒子含分散液に添加した際における粘度、粘度比、溶解又は分散性、及び、カゼインナノ粒子含分散液に対する増粘性の増粘剤の添加量依存性について確認した。詳細は以下の通りである。
【0060】
(1)カゼインナノ粒子含有分散液(試験液A)の調製
水に、クエン酸ナトリウム 1.47g、カゼインナトリウム 1g、1,3−ブチレングリコール 5gを60℃加熱溶解させて全量を90gとした後、水酸化ナトリウム水溶液(1M)により、pHを7に調整することにより、カゼインナノ粒子含有分散液(試験液A)を得た。
【0061】
試験液Aに含有されるカゼインナノ粒子の体積平均粒径を、光散乱光度計、マルバーン(株)製「Nano−ZS」を用い測定したところ、21nmであった。
【0062】
(2)増粘剤の添加
(2−1)水に増粘剤を添加した評価用試料の調製
水に増粘剤を添加した評価用試料(粘度値I評価用試料)を、以下の通り調製した。
粘度値I評価用試料の増粘剤の含有量が、0.05質量%、0.1質量%、0.2質量%、又は0.4質量%となるように、下記表1に示す特定増粘剤又は比較用増粘剤を、水と混合し、総量を100gとし、水酸化ナトリウム水溶液(1M)でpHを7.5に調整し、各評価用試料を得た。
【0063】
(2−2)試験液Aに増粘剤を添加した評価用試料の調製
試験液Aに増粘剤を添加した評価用試料(粘度値II評価用試料)を、以下の通り調製した。
粘度値II評価用試料の増粘剤の含有量が、最終濃度として0.05質量%、0.1質量%、0.2質量%、又は0.4質量%となるように、下記表1に示す特定増粘剤又は比較用増粘剤を、上記にて得られた90gの試験液Aと混合し、総量が100gとなるように、水を用いて調整し、水酸化ナトリウム水溶液(1M)でpHを7.5に調整し、各評価用試料を得た。
【0064】
【表1】

【0065】
表1に示される各増粘剤の詳細は、以下の通りである。
【0066】
<特定増粘剤>
〜多糖類〜
・キサンタンガム(三晶社製、製品名:ケルトロールCG−T)
・ローカストビーンガム(三晶社製、製品名:GENUGAMU RL−200J)
・アルカシーラン(伯東化学社製、多糖類)
〜多糖類誘導体〜
・ヒドロキシプロピルキサンタン(大日本製薬製、製品名:ラボールガムEX、多糖類誘導体)
【0067】
<比較用増粘剤>
〜合成高分子〜
・(メチルビニルエーテル/マレイン酸)クロスポリマー(三晶社製、製品名:スタビリーゼ QM)
・アクリロイルジメチルタウリン/VP(クラリアントジャパン製、製品名:Aristoflex AVC)
・アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体(日光ケミカルズ社製、製品名:カーボポール Ultrez20)
・カルボキシビニルポリマー(日光ケミカルズ社製、製品名:カーボポール981)
【0068】
(3)粘度値I、粘度値II、粘度比(I/II)
水に増粘剤を0.2質量%含有する各評価用試料のうち、特定増粘剤であるキサンタンガム、アルカシーラン、又は、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、比較用増粘剤であるカルボキシビニルポリマーを含有する各試料について、ビスコメーター(製品名:TVB−10M、東機産業(株)製)を用いて、測定条件(25℃、30s、30rpm)にて、粘度値Iを測定した。結果を下記表2に示す。
【0069】
試験液Aに増粘剤を0.2質量%含有する各評価用試料のうち、特定増粘剤であるキサンタンガム、アルカシーラン、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、比較用増粘剤であるカルボキシビニルポリマーを含有する各試料について、ビスコメーター(製品名:TVB−10M、東機産業(株)製)を用いて、測定条件(25℃、30s、30rpm)にて、粘度値IIを測定した。結果を下記表2に示す。
【0070】
更に、得られた粘度値I及び粘度値IIの測定結果に基づき、各増粘剤の粘度比(I/II)を算出した。結果を下記表2に示す。
【0071】
【表2】

【0072】
なお、表1に示した比較用増粘剤のうち、(メチルビニルエーテル/マレイン酸)クロスポリマー、アクリロイルジメチルタウリン/VP、及び、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体については、試験液Aに分散せずに分離してしまったため、粘度比(I/II)の算出ができなかった。
【0073】
(4)増粘剤の溶解性又は分散性
(4−1)水への溶解性
水に増粘剤を添加した各評価用試料を目視で観察することにより、特定増粘剤又は比較用増粘剤の溶解性を確認し、下記評価基準により評価した。表3に結果を示す。
OK:可溶(透明である)。
NG:不溶(増粘剤が試料中に溶解せずに分離している)。
【0074】
(4−2)試験液Aへの分散性
試験液Aに増粘剤を添加した各評価用試料を目視で観察することにより、特定増粘剤又は比較用増粘剤の試験液Aへの分散性を、下記評価基準により評価した。下記表3に結果を示す。
〜評価基準〜
A:透明である。
B:曇りが生じている。
C:不透明である、又は、増粘剤が試料中に分散せずに分離している。
【0075】
(5)試験液Aに対する増粘性(増粘剤の添加量依存性)
試験液Aに対する増粘剤の添加量が0.05質量%、0.1質量%、0.2質量%、又は0.4質量%の各評価用試料を用い、各評価用試料の増粘性について、増粘剤の添加量依存性に基づき下記評価基準により評価した。下記表3に結果を示す。
〜評価基準〜
A:増粘剤の添加量依存性が大きい。
B:増粘剤の添加量依存性が小さい。
C:増粘剤が不溶であるか、依存性が無い。
なお、増粘剤の添加量依存性が大きいことは、カゼインナノ粒子を含有する系における増粘性が増粘剤の添加量に比例し、増粘剤添加量の調整により所望の粘性が容易に得られることを示す。
【0076】
図1に、特定増粘剤であるキサンタンガム、ローカストビーンガム、アルカシーラン、ヒドロキシプロピルキサンタンガムについて、試験液Aに対する増粘剤の添加量依存性を示す。
図2に、比較用増粘剤のうち、水への増粘性は得られたものの、試験液Aに対する増粘性が得られなかったカルボキシビニルポリマーについて、水及び試験液Aに対する増粘剤の添加量依存性を示す。
【0077】
【表3】

【0078】
表2〜表3及び図1から明らかなように、本発明における粘度比(I/II)を満たす特定増粘剤は、水に対する溶解性及び試験液Aに対する分散性の双方に優れており、また、増粘性にも優れていることが分かる。
なお、試験例1で使用された特定増粘剤と試験液Aとの組み合わせは、化粧料としても使用されうる。
【0079】
[試験例2]
試験例1と同様にして、試験液Aを調製した。
水、又は、試験液Aに、下記表4に示す含有量となるように、増粘剤を添加した以外は、試験例1と同様にして、評価用試料を調製した。得られた各評価用試料について、ビスコメーター(製品名:TVB−10M、東機産業(株)製)を用いて、測定条件(25℃、30s、30rpm)にて、粘度を測定した。結果を下記表4に示す。
【0080】
【表4】

【0081】
表4に示される、表1に記載されていない各増粘剤の詳細は以下の通りである。
【0082】
<特定増粘剤>
・ヒドロキシエチルセルロースA(ダイセル化学工業社製、製品名:SE−900)
・ヒドロキシエチルセルロースB(ダイセル化学工業社製、製品名:SE−800)
・カルボキシメチルセルロース(信越シリコーン社製、製品名:メトローズ SM−4000)
・キサンタンガム(大日本製薬社製、製品名:ケルデント)
【0083】
<比較用増粘剤>
・カルボキシビニルポリマー(日光ケミカルズ社製、製品名:カーボポール981)
【0084】
表4に示されるように、本発明における粘度比(I/II)を満たす特定増粘剤は、水及び試験液Aのいずれに添加した場合においても、同じ添加量で同等の粘度が得られることが分かる。
一方、比較用増粘剤であるカルボキシビニルポリマーは、水に添加した場合には、大きな増粘性を示したが、試験液Aに対しては増粘性を発揮しないことが分かる。
なお、試験例2で使用された特定増粘剤と試験液Aとの組み合わせは、化粧料としても使用されうる。
【0085】
[実施例1〜6]
下記表5に示す組成を有する化粧料を常法により調製した。各実施例の組成は、全量100質量%である。なお、実施例1〜3、5の化粧料は美容液として、実施例4、6の化粧料は化粧水として適用することができる。
なお、組成中のカゼインナトリウムは、10nm〜50nmのカゼインナノ粒子として化粧料中に存在する。カゼインナノ粒子は有効成分としてアスタキサンチン、酢酸トコフェロールを含有する。なお、表5のショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖ステアリン酸エステルである。
【0086】
【表5】

【0087】
[実施例7]
下記組成を有する美白乳液を常法により調製した(全量100質量%)。

〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
・スクワラン 8.0
・ホホバ油 7.0
・パラアミノ安息香酸グリセリル 1.0
・リン酸アスコルビルマグネシウム 0.5
・アルブチン 0.3
・セチルアルコール 1.5
・グリセリンモノステアレート 2.0
・ポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0
・ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート 2.0
・1,3−ブチレングリコール 1.0
・グリセリン 2.0
・1,2−ペンタンジオール 3.0
・コラーゲン 1.0
・カゼイン 0.3
・キサンタンガム 0.05
・ヒドロキシエチルセルロースA 0.05
・クエン酸ナトリウム 1.0
・香料 適量
・精製水 残量
【0088】
[実施例8]
下記組成を有するクリームを常法により調製した(全量100質量%)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
・セトステアリルアルコール 3.0
・グリセリン脂肪酸エステル 2.0
・モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 1.0
・モノステアリン酸ソルビタン 1.0
・N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム 0.5
・ワセリン 5.0
・ジメチルポリシロキサン(100mPa・s) 3.0
・トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 20.0
・アスタキサンチン 0.05
・乳酸 1.0
・ジプロピレングリコール 10.0
・カゼインナトリウム 1.0
・ヒドロキシプロピルキサンタン 0.05
・クエン酸ナトリウム 0.5
・リン酸アスコルビルマグネシウム 0.1
・酸化チタン 0.1
・香料 適量
・エデト酸2ナトリウム 0.03
・パラオキシ安息香酸エチル 0.05
・精製水 残量
【0089】
[実施例9]
下記組成を有するジェリー様美容液を調製した(全量100質量%)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
・ブチレングリコール 5.0
・グリセリン 7.0
(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 1.0
・アスタキサンチン(ヘマトコッカス藻抽出物) 0.05
・セラミド 1.0
・コラーゲン 0.5
・水溶性コラーゲン 0.5
・パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム 0.01
・ダマスクバラ花油 適量
・PEG60水添ヒマシ油 適量
・ビタミンE 0.01
・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 0.1
・カゼインナトリウム 0.1
・リン酸Na 0.8
・キサンタンガム 0.01
・アルカシーラン 0.01
・水酸化ナトリウム 適量
・フェノキシエタノール 0.1
・精製水 残量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
カゼインナノ粒子、及び、
水に0.2質量%含有させた液を、B型粘度計(測定条件:25℃、30s、30rpm)を用いて測定したときの粘度値I(mPa・s)と、
下記試験液Aに、100gに対する含有量が0.2質量%となるよう含有させ100gまで加水調整し、水酸化ナトリウム水溶液(1M)でpHを7.5に調整した液を、B型粘度計(測定条件:25℃、30s、30rpm)を用いて測定したときの粘度値II(mPa・s)との粘度比(I/II)が、10以下である増粘剤、
を含有する化粧料。
試験液A:
水に、クエン酸ナトリウム 1.47g、カゼインナトリウム 1g、1,3−ブチレングリコール 5gを溶解させて全量を90gとした後、水酸化ナトリウム水溶液(1M)により、pHを7に調整した液。
【請求項2】
前記増粘剤が、多糖類若しくはその誘導体である請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記カゼインナノ粒子の体積平均粒径が10nm以上100nm以下である請求項1又は請求項2に記載の化粧料
【請求項4】
前記増粘剤が、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アルカリゲネス産生多糖体、及び、これらの誘導体から選択された少なくとも1種である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項5】
前記増粘剤の含有量が、化粧料の全質量に対して、2質量%以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項6】
前記カゼインナノ粒子が有効成分を含有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の化粧料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−82705(P2013−82705A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−217330(P2012−217330)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】