説明

化粧玩具および化粧玩具用装着体

【課題】 より多くの種類の演出を楽しめると共に、より面白い演出を楽しむことができる化粧玩具および化粧玩具用装着体を提供する。
【解決手段】 化粧玩具10は、化粧料容器を模した玩具本体20と、化粧用パフを模して形成され玩具本体20に収納可能な模型体60と、を有してなり、識別情報を有する装着体11が玩具本体20に装着可能なものである。玩具本体20は、装着体11が着脱される着脱部40と、着脱部40に装着された装着体11の識別情報を検知する突起検知部47と、を有する。模型体60は、突起検知部47により取得された識別情報に基づいて発光する発光部73を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧玩具および化粧玩具用装着体に関し、より詳細には、装着体を玩具に装着することで、光などによる演出を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、装着体を玩具に装着することにより、音や光による演出を行う技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されるコンパクト玩具は、音声発生手段および発光手段と、これらの音声発生手段および発光手段を作動させる2種類のスイッチと、玩具本体に着脱可能な指輪を模した装飾品と、を有する。2種類のうち一方のスイッチは、使用者の手によって直接操作され、他方のスイッチは、装飾品の着脱によってON・OFFされる。
【0004】
このコンパクト玩具によれば、使用者は、一方のスイッチを直接操作することに加え、装飾品の着脱により他方のスイッチを操作することでも、音声発生手段および発光手段を作動させることができ、複数種の演出を楽しむことができる。
【0005】
ところで、近年、面白い玩具が求められる中、より多くの種類の演出が得られ、しかも、より楽しい演出が得られる技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公平7−30069号公報(第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述した特許文献1のコンパクト玩具においては、複数種の演出が得られるものの、演出の種類は、玩具本体に設けられるスイッチの個数に応じた程度にとどまる。このため、より多くの種類の演出が楽しめる玩具が望まれる。
【0008】
また、特許文献1のコンパクト玩具は、演出を行う手段についても、単に電球と発音器を玩具本体に設けただけの構成であり、より楽しい演出を求める使用者には、面白味に欠ける。
【0009】
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、より多くの種類の演出を楽しめると共に、より面白い演出を楽しむことができる化粧玩具および化粧玩具用装着体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下に示す構成によって把握される。
(1)本発明の化粧玩具は、化粧料容器を模した玩具本体と、化粧用具を模して形成され、前記玩具本体に収納可能な模型体と、を有してなり、識別情報を有する装着体が前記玩具本体に装着可能な化粧玩具であって、前記玩具本体は、前記装着体が着脱される着脱部と、前記着脱部に装着された前記装着体の識別情報を検知する情報検知部と、を有し、前記模型体は、前記情報検知部により取得された前記識別情報に基づいて演出を行う演出部を有することを特徴とする。
【0011】
(2)本発明の化粧玩具では、(1)の構成において、前記玩具本体は、前記情報検知部により取得された前記識別情報を送信する送信部を有し、前記模型体は、前記送信部により送信された前記識別情報を受信する受信部を有することを特徴とする。
(3)本発明の化粧玩具は、(2)の構成において、前記玩具本体は、前記識別情報に基づいて発光する複数の発光部を有することを特徴とする。
【0012】
(4)本発明の化粧玩具は、(1)〜(3)のいずれかの構成において、前記玩具本体は、前記模型体を収納する凹状の収納部と、前記収納部の周縁に沿って設けられ前記収納部に収納された模型体を保持する複数の保持部と、を有することを特徴とする。
(5)本発明の化粧玩具は、(1)〜(4)のいずれかの構成において、前記着脱部に装着される前記装着体を挟んで一側および他側に形成され、使用者の指が挿入可能な窪み部を有することを特徴とする。
(6)本発明の化粧玩具では、(2)〜(5)のいずれかの構成において、前記装着体は、装飾部と、前記装飾部の裏側に設けられる嵌合部と、を有し、前記着脱部は、前記嵌合部が嵌合される嵌合穴を有し、前記玩具本体は、第1の部材と、前記第1の部材に取り付けられる第2の部材と、を有するものであり、前記嵌合穴の深さは、前記嵌合部が前記嵌合穴に嵌合された状態で、前記装飾部の上面と前記第1の部材の表面とをほぼ同一平面上に位置させる大きさに設定されることを特徴とする。
【0013】
(7)本発明の化粧玩具では、(2)〜(6)のいずれかの構成において、前記送信部は、前記装着体が前記着脱部に装着されたとき、前記識別情報を送信することを特徴とする。
(8)本発明の化粧玩具は、(2)〜(6)のいずれかの構成において、前記玩具本体は、前記模型体により押圧可能な押圧部を有し、前記送信部は、前記装着体が前記着脱部に装着され、かつ、前記押圧部が押圧されたとき、前記識別情報を送信することを特徴とする。
【0014】
(9)本発明の化粧玩具では、(8)の構成において、前記送信部および前記押圧部は、前記第1の部材の表面のほぼ中央に設けられることを特徴とする。
(10)本発明の化粧玩具では、(6)〜(9)のいずれかの構成において、前記第2の部材は、一方側に鏡部および前記凹状の収納部が設けられることを特徴とする。
【0015】
(11)本発明の化粧玩具では、(1)〜(10)のいずれかの構成において、前記模型体は、使用者に把持される把持部と、前記把持部の裏側に設けられ化粧用パフを模したパフ部と、を有し、前記把持部は、使用者の指によって挟まれる軸部を有し、前記軸部は、使用者の指の太さに合わせて軸方向の長さが調整可能であることを特徴とする。
(12)本発明の化粧玩具では、(11)の構成において、前記演出部は、前記模型体に内蔵される発光部であり、前記発光部からの光は、前記パフ部を通して外部から視認可能であることを特徴とする。
【0016】
(13)本発明の化粧玩具用装着体は、(1)〜(12)のいずれかに記載の化粧玩具に装着される装着体であって、複数の突起を有し、前記複数の突起のうち、少なくとも1個の突起は、前記装着体の位置を規制する位置決め用突起であり、少なくとも1個の突起は、前記識別情報を構成する識別用突起であることを特徴とする。
(14)本発明の化粧玩具用装着体では、(13)の構成において、前記着脱部は、前記位置決め用突起を案内する案内部と、前記案内部の周囲に出没可能に設けられ前記装着体に係合可能な係合部と、を有するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、玩具本体とは別体の模型体において演出が行われるため、従来の玩具にはない面白い演出を楽しむことができる。また、この模型体における演出は、装着体の識別情報に基づいて行われるため、装着体を交換することで、使用者は、より多くの種類の演出を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる実施形態の化粧玩具の外観を示す斜視図である。
【図2】蓋体を開けた形態の化粧玩具の斜視図である。
【図3】化粧玩具の底面図である。
【図4】(a)は装着体の側面図、(b)は(a)のA矢視図である。
【図5】(a)は着脱部の斜視図、(b)は(a)のB矢視図である。
【図6】(a)は装着体および着脱部の平面図、(b)は(a)のC−C線断面図である。
【図7】模型体の平面図である。
【図8】把持部およびパフ部の側面図である。
【図9】図8のD矢視図であり、把持部の裏面図である。
【図10】模型体の収納形態を示す図であり、蓋体の裏面図である。
【図11】基体および模型体の内部の構成例を示すブロック図である。
【図12】化粧玩具の動作例を説明する図であり、(a)は装着体の作用を説明する図、(b)は模型体の電源スイッチの操作を説明する図、(c)は軸部の作用を説明する図である。
【図13】化粧玩具の動作例を説明する図であり、(a)は押圧部の作用を説明する図、(b)は模型体の発光部の作用を説明する図である。
【図14】発光した模型体の使用例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0020】
図1に示すように、本実施形態にかかる化粧玩具10は、本発明の化粧玩具の一例であり、テレビ番組等の主人公のヒロインが携帯している化粧用コンパクトを模したものである。当該ヒロインは、番組上、化粧用コンパクトに様々な装着体を装着することで、化粧用コンパクトや化粧用パフから、装着体の種類に応じた音や光を出したり、発光した化粧用パフで体をたたいて変身したりする設定となっている。ここで、「変身」とは、ヒロインの化粧や髪型、衣服、靴、アクセサリー等が変化することを言う。使用者は、この化粧玩具により、当該ヒロインになりきる、いわゆる「なりきり遊び」をすることが可能である。
【0021】
このような化粧玩具10の全体構成を図2、図3に基づいて詳細に説明する。
図2に示すように、化粧玩具10は、携帯型の化粧料容器(いわゆるコンパクト)を模して形成される玩具本体20と、化粧用パフ(化粧用具の一例)を模して形成され、玩具本体20に収納可能な模型体60と、を有する。また、化粧玩具10には、それぞれが異なる識別情報を有し、かつ、色や形、模様等の異なる複数の装着体(化粧玩具用装着体)11が選択的に装着可能である。この例では、色(たとえば、赤、橙、黄、緑、青等)が互いに異なる7種の装着体11A〜11Gのいずれか1個を化粧玩具10に装着する。
【0022】
玩具本体20は、基体(第1の部材)21と、基体21にヒンジ部22によって回動可能に取り付けられ、基体21の表面23側に開閉可能に合わさる蓋体25と、を有する。
【0023】
基体21は、円盤状に形成される。円形の表面23の奥側(ヒンジ部22寄り)には、装着体11が着脱される着脱部40が設けられる。また、表面23の中央部には、押圧部(たとえば、押しボタン式のスイッチ)26と、装着体11の識別情報を無線(たとえば、赤外線)で送信する送信部27と、が設けられる。表面23の中央部に押圧部26と送信部27とが設けられることから、化粧料容器内の仮想の化粧料を模型体60のパフ部62に付着させる動作により、確実にパフ部62による押圧部26への押圧操作と送信部27からの識別情報の受信とを行うことができる。さらに、送信部27および押圧部26の周囲には、複数の発光部(たとえば、LED(発光ダイオード))(第1の発光部)28A〜28Gが表面23の外周に沿って等間隔に設けられる。ここでは、発光する色が互いに異なる7個の発光部28A〜28Gが設けられる。7個の発光部28A〜28Gの色は、7個の装着体11A〜11Gの色に対応している。
【0024】
蓋体25は、腕状に形成されており、一方面側(裏側)に凹曲面状の収納部31が形成される。収納部31の底部には、円形の鏡部32が設けられる。また、収納部31の周縁には、所定の幅および高さを有する複数(ここでは、周方向に4個)の保持部33が設けられる。保持部33は、収納部31の周縁から底部に向けて延びる。
【0025】
図3に示すように、基体21の底部には、電池(たとえば乾電池)35が収納される。また、基体21の底部には、メロディや音声を発生する発音部36および電源スイッチ37が設けられる。なお、発音部36を設ける位置は、基体21の底部に限定されるものではなく、化粧玩具10を構成する部位であれば、任意である。
【0026】
次に、装着体11の構成を図4に基づいて説明する。
装着体11(11A〜11G)は、図4(a)および(b)に示すように、装飾部12と、装飾部12の裏側に設けられる嵌合部13と、を有する。装飾部12と嵌合部13との間には、装飾部12および嵌合部13よりも外形の小さい小径部15が形成される。装飾部12は、固有の形態(たとえば、リボンや果実等を模した形態)、あるいは、固有の色や模様によって構成される。
【0027】
嵌合部13は、小径部15に連なる上壁部13aと、上壁部13aに連なる所定の外形形状の周壁部13bと、からなる。周壁部13bの外形は、全ての装着体11において共通の形状であり、非円形等の異形(ここでは、ハート形)に形成される。周壁部13bの外形を異形に形成することで、嵌合部13には方向性が付与される。これにより、子供でも、装着体11の装着向きを容易に認識することができる。この周壁部13bの内周面には、対向する左右1対の位置決め用突起16が設けられる。また、周壁部13bの内周面には、装着体11の識別情報を構成する識別部17が設けられる。
【0028】
識別部17は、複数の識別箇所17aから構成される。各識別箇所17aでは、識別用突起18が形成されるか、または、識別用突起18が形成されないかのいずれかの形態が選択される。すなわち、複数の識別箇所17aにおける識別用突起18の有無の組み合わせが、各装着体11の識別情報となる。得られる識別情報の数は、識別箇所17aの個数によって決まる。たとえば、6個の識別箇所17aを設けた場合、2=64(種類)の識別情報を得ることができ、64種類の装着体11を設定することができる。ただし、本実施形態では、識別情報の設定の一例として、これら64種類の装着体11のうち、7種類の装着体11A〜11G(図2参照)を使用する。また、識別用突起18を周壁部13bに連ねて形成したことにより、識別用突起18の破損を低減することができる。
【0029】
次に、着脱部40の構成を図5に基づいて説明する。
着脱部40は、図5(a)および(b)に示すように、表面23から凹んだ凹部41と、凹部41の底面と表面23との間に形成される棚部42と、凹部41の底面中央に設けられる嵌合穴43と、を有する。棚部42は、凹部41を挟んで奥側および前側のそれぞれに設けられ、装着体11の装飾部12(図4参照)を支持可能である。凹部41は、装着体11よりも左右方向に幅広に形成される。これにより、凹部41の左右両端部は、装着体11が着脱部40に装着された状態において、使用者の指が挿入可能な窪み部45を形成する。
【0030】
嵌合穴43は、装着体11の嵌合部13(図4参照)と嵌合可能である。嵌合穴43の底部には、装着体11の位置決め用突起16(図4参照)を案内する案内部46と、装着体11の識別用突起18(図4参照)の有無を検知可能な複数(ここでは6本)の棒状の突起検知部47(情報検知部)と、が設けられる。また、嵌合穴43の内周面には、装着体11に係合可能な係合部48が設けられる。
【0031】
案内部46は、1対の壁部51の間に形成される溝であり、左右方向に延びる。複数の突起検知部47は、識別用突起18(図4参照)の配置に対応するように、案内部46の奥側および前側に配置される。ここでは、6個の突起検知部47のうち、3個を奥側の壁部51の近傍に配置し、残る3個を前側の壁部51の近傍に配置する。また、壁部51には、隣接する2つの突起検知部47の間を仕切り、識別用突起18(図4参照)の上下動を案内する仕切り部52が設けられる。
【0032】
次に、係合部48の作用と突起検知部47の作用を図6に基づいて説明する。
図6(a)および(b)に示すように、係合部48は、嵌合穴43の内周面の奥側および前側のそれぞれに出没可能に設けられ、ばね等(図示省略)によって嵌合穴43の中心に向けて常時付勢され、通常は突出している。係合部48は、着脱される嵌合部13の上下動に合わせて移動し(矢印(1))、装着体11が装着された状態では、突出して装飾部12と嵌合部13との間に係合する。この係合部48により、装着体11は、しっかりと嵌合穴43に保持される。したがって、使用者が化粧玩具10(図1参照)を携帯して持ち歩いても、装着体11が着脱部40から外れることを防ぐことができる。なお、係合部48の構成は、装着体11の着脱に合わせて装着体11に係合・離脱できる構成でれば、任意である。
【0033】
突起検知部47は、嵌合穴43の底部に出没可能に設けられると共に、ばね等(図示省略)によって上方に常時付勢され、通常は突出している。各突起検知部47は、装着体11が装着されたとき、対応する識別用突起18が無い場合は、嵌合穴43の底面から突出したままである。一方、対応する識別用突起18が有る場合は、突起検知部47は、識別用突起18に押し下げられて没入し(矢印(2))、識別用突起18の存在を検知する。このようにして、各識別箇所17a(図4参照)における識別用突起18の存否が検知されることで、装着体11の識別情報が基体21側に取得される。
【0034】
なお、図6(b)に示すように、嵌合穴43の深さdは、嵌合部13が嵌合穴43に嵌合された状態で、装飾部12の上面12aと表面23とをほぼ同一平面上に位置させる大きさに設定される。
【0035】
次に、模型体60の構成を図7〜図10に基づいて説明する。
図7に示すように、模型体60は、使用者に把持される把持部61と、把持部61の裏側に設けられ化粧用パフを模したパフ部62と、を有する。把持部61は、円盤形状であり、表面側に電源スイッチ63を有する。
【0036】
図8に示すように、把持部61のほぼ中央部には、使用者の指で挟まれる軸部65が設けられる。軸部65は、把持部61の表面に対して出没可能であり、使用者の指の太さに合わせて、軸方向の長さが調整可能である(矢印(3))。また、軸部65の先端には、使用者の指を軸部65に保持するための鍔部66が設けられる。また、把持部61の外周面には、周溝67が設けられる。
【0037】
パフ部62は、柔軟性を有する素材で袋状に形成される。パフ部62は、縮径した開口縁68を拡げて周溝67に掛け止めることにより、把持部61の裏面側に被着される。また、パフ部62は、発光部(後述)の光を透過可能な材料および厚みで構成される。パフ部62の材質としては、たとえば、表面が起毛した繊維材料が好適であるが、スポンジ、ゴム等を含む任意の材料から選択可能である。
【0038】
図9に示すように、把持部61の裏面材71は、透明性を有する材料で構成される。裏面材71の内側には、制御部(後述)、受信部72および発光部73(演出部の一例)(第2の発光部)を有する回路基板75と、電池76と、が設けられる。
【0039】
受信部72は、基体の送信部27(図2参照)から送信される情報を受信する機能を有する。発光部73は、LED等の発光体であり、ここでは、7色の光を発光できる、いわゆるマルチLEDで構成される。
【0040】
このように構成される模型体60は、図10に示すように、たとえば、パフ部62を手前に向けた状態で、鏡部32を覆うようにして蓋体25の収納部31に収納される。複数の保持部33は、弾性変形するパフ部62の外周部を局所的に押え、模型体60を収納部31に保持する。
【0041】
次に、化粧玩具10の内部の構成例を図11に基づいて説明する。
図11に示すように、基体21の内部には、制御部77が設けられる。制御部77と電池35は、電源スイッチ37を介して接続される。これにより、電源スイッチ37をONにすると、制御部77に電流が流れて制御が開始される。
【0042】
制御部77には、突起検知部47、送信部27、押圧部26が接続される。また、制御部77には、メモリ78が接続されており、予め、装着体11(11A〜11G)の各々の識別情報に対する演出が設定されている。突起検知部47で検知した装着体11の識別情報は、制御部77に送られ、制御部77は、この識別情報に基づいて、発光部28A〜28Gによる光の演出あるいは発音部36による音の演出を行う。また、制御部77は、押圧部26が押圧されたとき、識別情報を送信部27から送信する。また、制御部77は、装着体11が取り外されたときは、発光部28A〜28Gあるいは発音部36による光や音の演出を停止する。
【0043】
なお、この例では、押圧部26が押圧されたときに、送信部27が識別情報を送信する設定としたが、押圧部26の動作に関わらず、装着体11が着脱部40(図2参照)に装着されたときに、または、装着された後の任意の時期に、送信部27が識別情報を送信するように設定してもよい。
【0044】
模型体60には、制御部81が設けられる。制御部81と電池76は、電源スイッチ63を介して接続される。これにより、電源スイッチ63をONにすると、制御部81に電流が流れて制御が開始される。また、制御部81には、メモリ82が接続されており、予め、装着体11(11A〜11G)の識別情報に対する演出が設定されている。受信部72は、送信部27から送信される識別情報を受信し、制御部81に送る。制御部81は、この識別情報に基づいて、発光部73による光の演出を行う。
【0045】
次に、化粧玩具10の動作例を図12、図13に基づいて説明する。
まず、使用者は、基体21の電源スイッチ37(図3参照)をONにして、図12(a)に示すように、基体21の着脱部40に任意の装着体(ここでは、装着体11A)を装着する。すると、装着体11Aの識別情報に基づいて、光の演出およびメロディや音声の演出が行われる。たとえば、装着体11Aの外観が赤色である場合、赤色の発光部28Aを発光したり、赤色の装着体11Aに関連するメロディや音声を基体の発音部36(図3参照)から流したりする。
【0046】
また、使用者は、任意のタイミングで、図12(b)に示すように、模型体60の電源スイッチ63をONにし、図12(c)に示すように、軸部65を延ばして指83の太さに調整し、軸部65を指83で挟んで把持部61を持つ。
【0047】
そして、図13(a)に示すように、模型体60のパフ部62で基体21の押圧部26を押す。この動作は化粧料容器内の仮想の化粧料を模型体60のパフ部62に付着させる動作を模したものである。これにより、装着体11A(図12(a)参照)の識別情報が送信部27から受信部72(図9参照)に送られる。すると、基体の発音部36(図3参照)からメロディや音声の演出が再度行われると同時に、装着体11Aの識別情報に基づいて、図13(b)に示すように、模型体60の発光部73により、光の演出が行われる。たとえば、装着体11Aが赤色である場合、マルチLEDの発光部73が赤色に発光する。このとき、パフ部62が光を透過するため、使用者は、手に持った模型体60の光を視認でき、その演出を楽しむことができる。
【0048】
図14に示すように、使用者85は、発光した模型体60のパフ部62を使って、体を軽くたたくなどして、テレビ番組等の主人公のヒロインが行う変身を疑似体感し、「なりきり遊び」をすることができる。
【0049】
以上に述べた本実施形態によれば、玩具本体20とは別に構成される模型体60から、光による演出が行われるため、従来の玩具にはない面白い演出を楽しむことができる。また、この模型体60の演出は、装着体11の識別情報に基づいて行われるため、装着体11を交換することで、使用者は、より多くの種類の演出を楽しむことができる。
【0050】
また、装着体11の上面12aと基体21の表面23とをほぼ同一平面上に位置させたので、基体21の押圧部26がパフ部62で押し易くなる。これに対し、装着体11の上面12aが基体21の表面23よりも大きく張り出している場合、装着体11によって、押圧部26の操作が妨げられてしまう。この点、本実施形態では、装着体11が押圧部26の操作を妨げる心配がなく、子供でも容易にパフ部62で押圧部26を押すことができる。
【0051】
また、装着体11の左右両側には窪み部45が形成されるので、使用者は、窪み部45に指を入れて装着体11を容易に摘まむことができる。よって、子供でも容易に装着体11の着脱を行うことができる。
【0052】
さらに、本実施形態では、模型体60の軸部65の軸方向の長さを調整可能とした。子供の指の太さは様々である。このため、軸部65の長さが一定であると、軸部65の長さが指に合わず、子供によっては、模型体60をうまく把持できない場合がある。この点、本実施形態では、軸部65の長さを指の太さに合わせることができ、模型体60をしっかりと把持することができる。また、軸部65が把持部61から一定の長さで突出している場合、模型体60を蓋体25の収納部31に収納しにくい。この点についても、実施形態では、軸部65を把持部61の中に没入させることで、模型体60を収納部31に容易に収納することができる。加えて、収納部31も小さく構成できる。
【0053】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0054】
たとえば、装着体、発光部および発音部のそれぞれの個数や配置は、実施形態における構成に限定されるものではなく、玩具に求められる仕様に応じて任意に変更可能である。また、模型体における演出は、光による演出に格別に限定されるものではなく、音による演出あるいは音と光による演出を含め、任意の演出から選択可能である。
【符号の説明】
【0055】
10 化粧玩具
11,11A〜11G 装着体
12 装飾部
12a 上面
13 嵌合部
16 位置決め用突起
18 識別用突起
20 玩具本体
21 基体(第1の部材)
23 表面
25 蓋体(第2の部材)
26 押圧部
27 送信部
28A〜28G 発光部
31 収納部
32 鏡部
33 保持部
40 着脱部
43 嵌合穴
45 窪み部
46 案内部
47 突起検知部(情報検知部)
48 係合部
51 壁部
60 模型体
61 把持部
62 パフ部
65 軸部
72 受信部
73 発光部(演出部)
83 使用者の指
85 使用者
d 嵌合穴の深さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料容器を模した玩具本体と、化粧用具を模して形成され前記玩具本体に収納可能な模型体と、を有してなり、識別情報を有する装着体が前記玩具本体に装着可能な化粧玩具であって、
前記玩具本体は、前記装着体が着脱される着脱部と、前記着脱部に装着された前記装着体の識別情報を検知する情報検知部と、を有し、
前記模型体は、前記情報検知部により取得された前記識別情報に基づいて演出を行う演出部を有することを特徴とする化粧玩具。
【請求項2】
前記玩具本体は、前記情報検知部により取得された前記識別情報を送信する送信部を有し、
前記模型体は、前記送信部により送信された前記識別情報を受信する受信部を有することを特徴とする請求項1に記載の化粧玩具。
【請求項3】
前記玩具本体は、前記識別情報に基づいて発光する複数の発光部を有することを特徴とする請求項2に記載の化粧玩具。
【請求項4】
前記玩具本体は、前記模型体を収納する凹状の収納部と、
前記収納部の周縁に沿って設けられ前記収納部に収納された模型体を保持する複数の保持部と、を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧玩具。
【請求項5】
前記着脱部に装着される前記装着体を挟んで一側および他側に形成され、使用者の指が挿入可能な窪み部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧玩具。
【請求項6】
前記装着体は、装飾部と、前記装飾部の裏側に設けられる嵌合部と、を有し、
前記玩具本体は、第1の部材と、前記第1の部材に取り付けられる第2の部材と、を有し、
前記着脱部は、前記嵌合部が嵌合される嵌合穴を有するものであり、
前記嵌合穴の深さは、前記嵌合部が前記嵌合穴に嵌合された状態で、前記装飾部の上面と前記第1の部材の表面とをほぼ同一平面上に位置させる大きさに設定されることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の化粧玩具。
【請求項7】
前記送信部は、前記装着体が前記着脱部に装着されたとき、前記識別情報を送信することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の化粧玩具。
【請求項8】
前記玩具本体は、前記模型体により押圧可能な押圧部を有し、
前記送信部は、前記装着体が前記着脱部に装着され、かつ、前記押圧部が押圧されたとき、前記識別情報を送信することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の化粧玩具。
【請求項9】
前記送信部および前記押圧部は、前記第1の部材の表面のほぼ中央に設けられることを特徴とする請求項8に記載の化粧玩具。
【請求項10】
前記第2の部材は、一方側に鏡部および前記凹状の収納部が設けられることを特徴とする請求項6〜9に記載の化粧玩具。
【請求項11】
前記模型体は、使用者に把持される把持部と、前記把持部の裏側に設けられ化粧用パフを模したパフ部と、を有し、
前記把持部は、使用者の指によって挟まれる軸部を有し、
前記軸部は、使用者の指の太さに合わせて軸方向の長さが調整可能であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の化粧玩具。
【請求項12】
前記演出部は、前記模型体に内蔵される発光部であり、
前記発光部からの光は、前記パフ部を通して外部から視認可能であることを特徴とする請求項11に記載の化粧玩具。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の化粧玩具に装着される装着体であって、
複数の突起を有し、
前記複数の突起のうち、少なくとも1個の突起は、前記装着体の位置を規制する位置決め用突起であり、少なくとも1個の突起は、前記識別情報を構成する識別用突起であることを特徴とする化粧玩具用装着体。
【請求項14】
前記着脱部は、前記位置決め用突起を案内する案内部と、前記案内部の周囲に出没可能に設けられ前記装着体に係合可能な係合部と、を有するものであることを特徴とする請求項13記載の化粧玩具用装着体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−111086(P2013−111086A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256756(P2011−256756)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【特許番号】特許第4971520号(P4971520)
【特許公報発行日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】