説明

化粧用パックシート

【課題】スキンケアの手間を格段に削減することができる化粧用パックシートの提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、ゲル層を備え、このゲル層が、融点が15℃以上40℃以下のゲル体からなるマトリックスと、このマトリックスに含まれる化粧用有効成分とを有する化粧用パックシートである。上記化粧用パックシートが上記ゲル層のみからなるとよい。上記ゲル体のゲル化剤として、ゼラチンが用いられているとよい。上記ゼラチンの平均分子量が5000以上60000以下であるとよい。上記ゲル層が複数のマイクロ層からなる積層体であるとよい。上記複数のマイクロ層がそれぞれ異なる化粧用有効成分を含有するとよい。上記化粧用有効成分として化粧水成分、美容液成分及び乳液成分が用いられ、上記複数のマイクロ層が、これらの化粧水成分、美容液成分及び乳液成分を内側からこの順に含有するとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧用有効成分を含有した化粧用パックシートに関し、詳細には、スキンケアの手間を格段に削減することができる化粧用パックシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、スキンケアには、化粧水、美容液、乳液等の化粧料が用いられる。これらの化粧料は、通常1種類ずつ不織布等に含浸されパッティング等によって顔等の肌部に塗布され、肌部に浸透される。このような化粧料塗布の手間を低減するために、予め化粧料を不織布等に含浸させた化粧用パックシートが発案されている(特開2010−222320号公報等参照)。
【0003】
上記化粧用パックシートは、直接肌部に貼付させることで化粧料の浸透又は付着を行うことができるが、不織布等に化粧用成分が含浸されているため、使用後にこの不織布等が肌部に残る。そのため、このような残存物を肌部から離脱させる手間が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−222320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、スキンケアの手間を格段に削減することができ、且つ美容等の効果を高めることができる化粧用パックシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた発明は、
ゲル層を備え、
このゲル層が、
融点が15℃以上40℃以下のゲル体からなるマトリックスと、
このマトリックスに含まれる化粧用有効成分と
を有する化粧用パックシートである。
【0007】
当該化粧用パックシートは、ゲル層を備え、このゲル層が、融点が15℃以上40℃以下のゲル体からなるマトリックスと、このマトリックスに含まれる化粧用有効成分を有することによって、顔等の肌部に当該化粧用パックシートの内面(貼付面)を貼付すると、肌部からの熱によってゲル層が融解し、ゲル層に含有される化粧用有効成分を肌部に浸透又は付着させることができる。また、顔等の肌部に当該化粧用パックシートを貼付した場合に、使用後に肌部から残存物を離脱させる手間が削減され、従来の化粧用パックシートに比して手間を低減させることができる。
【0008】
また、当該化粧用パックシートは、貼付時に弾力を有するゲル層が肌部と接触するため、肌部へのフィット性が向上し、このゲル層が融解する際に肌部から熱を吸収するため、清涼感を使用者に与えることができる。
【0009】
当該化粧用パックシートが、上記ゲル層のみからなるとよい。このように化粧用パックシートが、ゲル層のみからなることによって、当該化粧用パックシートを肌部に貼付する際に基材シート等を剥離する手間が不要となり、従来の化粧用パックシートに比して手間を低減させることができる。
【0010】
上記ゲル体のゲル化剤として、ゼラチンが用いられているとよい。このようにゲル体のゲル化剤として、ゼラチンが用いられていることで、ゲル層の保水性及び生体に対する安全性を高くすることができる。
【0011】
上記ゼラチンの平均分子量としては5000以上60000以下が好ましい。ゼラチンの平均分子量を上記範囲とすることで、マトリックスの融点を15〜45℃の範囲に調節することができ、融解後の成分の肌部への浸透性を高めることができる。
【0012】
上記ゲル層が複数のマイクロ層からなる積層体であるとよい。このようにゲル層が複数のマイクロ層からなる積層体であることによって、これらの各マイクロ層に任意の化粧用有効成分を含有させることができ、様々な用途に当該化粧用パックシートを用いることができる。
【0013】
上記複数のマイクロ層がそれぞれ異なる化粧用有効成分を含有するとよい。このように複数のマイクロ層がそれぞれ異なる化粧用有効成分を含有することによって、顔等の肌部に当該化粧用パックシートの内面を貼付すると、肌部からの熱によって内側のマイクロ層から順に融解し、それぞれのマイクロ層が含有している化粧用有効成分が肌部に浸透又は付着される。結果として、各マイクロ層に含有される化粧用有効成分を肌部へ順次浸透又は付着させることができ、美容効果を向上させることが可能となる。
【0014】
上記化粧用有効成分として化粧水成分、美容液成分及び乳液成分が用いられ、上記複数のマイクロ層が、これらの化粧水成分、美容液成分及び乳液成分を内側からこの順に含有するとよい。このように複数のマイクロ層が上記化粧用有効成分を内側から順に含有することで、当該化粧用パックシートの内面を肌部へ貼付することによって、化粧水、美容液、乳液をこの順に肌部に浸透又は付着させ、通常のスキンケアの手順を一度に行うことができ、スキンケアの手間を削減することができる。
【0015】
上記複数のマイクロ層を構成する各マトリックスの融点が、内側のマイクロ層から外側のマイクロ層に行くに従って高くなるとよい。このように複数のマイクロ層を構成するマトリックスの融点が、内側のマイクロ層から外側のマイクロ層に行くに従って高くなることで、当該化粧用パックシートの内面を肌部に貼付した後、内側にあるマイクロ層よりも先に外側にあるマイクロ層が融解することを防止することができる。その結果として、当該化粧用パックシートは、各マイクロ層が含有する化粧用有効成分を内側のマイクロ層から順に肌部へ浸透又は付着させることができ、上述のスキンケアを確実に行うことができる。
【0016】
上記マイクロ層の平均厚さとしては1μm以上100μm以下が好ましい。マイクロ層の平均厚さを上記範囲とすることで、上記化粧用有効成分の保有量及び肌部への浸透効果を担保しつつ、当該化粧用パックシートの使用後の肌部への残存物を削減することができる。
【0017】
また、上記マイクロ層のうち、最も外側に積層されるマイクロ層の平均厚さを100μm以上500μm以下として、その他のマイクロ層の平均厚さを1μm以上100μm以下としてもよい。このように最も外側に積層されるマイクロ層の平均厚さ及びその他のマイクロ層の平均厚さをそれぞれ上記範囲とすることによって、上記化粧用有効成分の保有量及び肌部への浸透効果を担保しつつ、当該化粧用パックシートのハンドリング性を高めることができる。
【0018】
ここで、「化粧用」とは、文字通りの化粧のほか、美容用途やスキンケア用途、肌を本来の状態に戻す用途等を含む概念である。「内側」とは、当該化粧用パックシートの両表面のうち、被着体へ貼付する面側を意味する。「外側」とは、上記内側つまり当該化粧用パックシートの両表面のうち、被着体へ貼付する面側と反対の側を意味する。また、「融点」とは、ゲル体からなるマトリックスが加熱によってゾル化する温度を意味し、JIS K6503に準拠して測定される値である。「ゼラチン」とは、コラーゲンを加水分解したタンパク質であり、その誘導体も含む概念である。「厚さ」は、JIS K7130に準拠して測定される値である。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明の化粧用パックシートは、スキンケアの手間を格段に削減することができ、且つ美容等の効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る化粧用パックシートを示す模式的断面図である。
【図2】図1の化粧用パックシートとは異なる形態に係る化粧用パックシートを示す 模式的断面図である。
【図3】図1及び図2の化粧用パックシートとは異なる形態に係る化粧用パックシー トを示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳説するが、まず本発明の第一実施形態の化粧用パックシートを図1を参酌しつつ説明する。
[第一実施形態]
図1の化粧用パックシート1は、3層のマイクロ層(第一マイクロ層3、第二マイクロ層4、第三マイクロ層5)が積層されたゲル層2からなる。このゲル層2は、肌部へ貼付する側(内側)から順に第一マイクロ層3、第二マイクロ層4、第三マイクロ層5が積層された積層体である。第一マイクロ層3、第二マイクロ層4、第三マイクロ層5は、それぞれ溶媒にゲル化剤及び化粧用有効成分を添加したものをゲル化したゲル体からなるマトリックスで構成されている。
【0022】
<第一マイクロ層3>
第一マイクロ層3は、溶媒にゲル化剤及び化粧用有効成分を添加したものをゲル化したゲル体からなるマトリックスで構成されている。このマトリックスは、肌部からの熱によって融解する。そのため、この第一マイクロ層3は、肌部からの熱によって液状化する。従って、第一マイクロ層3が含有する化粧用有効成分を第一マイクロ層3の融解によって当該化粧用パックシートを貼付した肌部に浸透又は付着させることができる。
【0023】
上記ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン、寒天、アルブミン、カラギーナン、ファーセレラン、タマリンド、ペクチン、マルメロ、澱粉等を用いることができ、これらの中から1種もしくは2種以上を組み合せて用いることができる。これらの中でも、弾力性が高く、保水性及び生体への安全性を有するゼラチンが特に好ましい。
【0024】
上記ゼラチンはコラーゲンを加水分解したタンパク質であり、原料としては、例えば、牛骨、牛皮、豚皮、魚鱗等を用いることができる。これらの中でも、豚皮、魚鱗が生体への親和性と肌部への化粧用有効成分を有するため好ましい。ゼラチンの製造方法については特に限定されず、公知のものを使用することができ、例えば、塩酸や硫酸などの無機酸に数十時間浸漬させて前処理した後にゼラチンを抽出する酸処理法、消石灰の懸濁液中に数ヶ月含浸させて前処理した後にゼラチンを抽出するアルカリ処理法等を用いることができる。また、上記酸処理法又はアルカリ処理法で製造したゼラチンを酵素処理によって低分子化したゼラチンを用いることもできる。
【0025】
また、上記ゼラチンとしては、ゼラチン誘導体を用いることもできる。このゼラチン誘導体としては、公知の誘導体を使用することができ、例えば、酸無水物付加体(フタル化ゼラチン、コハク化ゼラチン、トリメリット化ゼラチン等)、ラクトン付加体(グルコノ−δ−ラクトン付加ゼラチン等)、アシル化ゼラチン(アセチル化ゼラチン等)、メチエステル化ゼラチン(ルエステル化ゼラチン等)、ゼラチン有機酸塩等(ゼラチン−酢酸塩、ゼラチン−ステアリン酸塩、ゼラチン−安息香酸塩等)を挙げることができる。これらの中でも、生体への親和性の点から、コハク化ゼラチン、フタル化ゼラチン、トリメリット化ゼラチンが好ましい。
【0026】
第一マイクロ層3は、ゲル化剤として上記ゼラチン又はその誘導体を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることが好ましい。また、ゼラチンとその誘導体とを混合して用いてもよく、さらにコラーゲンを含有してもよい。
【0027】
第一マイクロ層3を構成するゼラチンの重量平均分子量の下限としては、5000が好ましく、10000がより好ましく、20000が特に好ましい。一方、ゼラチンの重量平均分子量の上限としては、60000が好ましく、50000がより好ましく、40000が特に好ましい。ゼラチンの重量平均分子量が上記範囲より小さいと、ゲル層2の肌部への定着性、強度等が低下する。逆に、ゼラチンの重量平均分子量が上記範囲より大きいと、融解したゼラチンの肌部への浸透性が低下し、また、第一マイクロ層3の強度が高くなって当該化粧用パックシート1の肌部への貼付時の感触が悪化するおそれがある。なお、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される値である。
【0028】
第一マイクロ層3を構成するマトリックスの融点の下限としては、15℃が好ましく、20℃がより好ましく、25℃がさらに好ましく、30℃が特に好ましい。一方、マトリックスの融点の上限としては、40℃が好ましく、35℃がより好ましく、34℃がさらに好ましく、33℃が特に好ましい。マトリックスの融点が上記範囲より低いと、第一マイクロ層3が融解し易くなり、取扱い性が低下する。逆に、マトリックスの融点が上記範囲より高いと、第一マイクロ層3が肌部に接触しても第一マイクロ層3が融解せず、含有されている化粧用有効成分を肌部に浸透又は付着させることができないおそれがある。なお、マトリックスの融点はゲル化剤の含有量又は2種以上のゲル化剤の混合によって調節することができる。
【0029】
第一マイクロ層3を形成する溶媒に対する上記ゲル化剤の含有量の下限としては、0.1質量%が好ましく0.5質量%がさらに好ましく、1質量%が特に好ましい。一方、ゲル化剤の含有量の上限としては、50質量%が好ましく、40質量%以下が特に好ましく、30質量%以下が特に好ましい。ゲル化剤の含有量が上記範囲より小さいと、第一マイクロ層3の強度が低くなり、溶媒及び化粧用有効成分を安定に保つことが困難になるおそれがある。逆に、ゲル化剤の含有量が上記範囲より大きいと、融解時に肌部に浸透せずに付着するゲル化剤の量が増え、肌部からの拭き取りの手間が生じるおそれがある。加えて、第一マイクロ層3が十分な量の化粧用有効成分を含有できなくなるおそれや、第一マイクロ層3の強度が高くなって当該化粧用パックシート1の肌部への貼付時の感触が悪化するおそれがある。
【0030】
上記第一マイクロ層3には、化粧用有効成分として、肌部に浸透又は付着させることで皮膚を保湿し、滑らかにする働きを奏する化粧水成分を含有させることができる。
【0031】
上記化粧水成分としては、一般に化粧水に用いられている化粧用有効成分を用いることができる。具体的には、例えば、多価アルコール類(グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸類(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エチルヘキサン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、イソトリデカン酸、イソノナン酸、ペンタデカン酸等)、糖類(ヒアルロン酸、マルチトール等)、増粘剤類(アルギン酸塩、セルロース誘導体、クインスシードガム、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸系ポリマー等)、防腐剤類(パラベン、フェノキシエタノール、サリチル酸、ソルビン酸、イソプロピルメチルフェノール等)、収斂剤類、紫外線吸収剤類、アミノ酸類、グリチルリチン酸誘導体類、植物エキス類、pH調整剤、香料、脂溶性ビタミン等を用いることができる。また、皮膚用外用剤として利用される成分も用いることができ、例えば、美白剤、血行促進剤等をあげることができる。
【0032】
上記pH調整剤としては、例えば、有機酸又はその塩を用いることができる。特に、防腐効果を有する有機酸又はその塩を用いることにより、防腐剤の使用量を低減することができる。
【0033】
上記化粧用有効成分はその種類に応じて必要量が異なるため、第一マイクロ層3における化粧用有効成分の含有量は適宜決定することが望ましい。一般的には、例えば、第一マイクロ層3を形成する溶媒に対する化粧用有効成分の含有量の下限としては、0.001質量%が好ましく、0.03質量%がさらに好ましく、0.05質量%が特に好ましい。一方、化粧用有効成分の含有量の上限としては、80質量%が好ましく、50質量%がさらに好ましく、30質量%が特に好ましい。化粧用有効成分の含有量が上記範囲より小さいと、十分な効果を奏する量の化粧用有効成分を肌部に浸透又は付着させることができないおそれがある。逆に、化粧用有効成分の含有量が上記範囲より大きいと、過度の化粧用有効成分が肌部に浸透又は付着するおそれや、第一マイクロ層3の融解時に液だれが生じるおそれがある。
【0034】
第一マイクロ層3を形成する溶媒としては、水、有機溶剤等を用いることができるが、水が特に好ましい。第一マイクロ層3を形成する溶媒が水であることによって、化粧用パックシート1の肌部への貼付時に第一マイクロ層3を肌部になじみ易くすることができ、また、第一マイクロ層3の融解時には肌部へ水分を浸透又は付着させることができる。
【0035】
第一マイクロ層3の形成材料(溶媒、化粧用有効成分及びゲル化剤)に対する上記溶媒の含有量の下限としては、20質量%が好ましく、40質量%がさらに好ましく、50質量%が特に好ましい。一方で、溶媒の含有量の上限としては、99質量%が好ましく、95質量%がさらに好ましく、85質量%が特に好ましい。溶媒の含有量が上記範囲より小さいと、第一マイクロ層3が十分な量の化粧用有効成分を保持できないおそれがある。逆に、溶媒の含有量が上記範囲より大きいと、第一マイクロ層3の強度が低くなり、溶媒及び化粧用有効成分を安定に保つことが困難になるおそれがある。
【0036】
第一マイクロ層3の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、5μmがさらに好ましく、10μmが特に好ましい。一方、第一マイクロ層3の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく50μmがさらに好ましく、30μmが特に好ましい。第一マイクロ層3の平均厚さが上記範囲より小さいと十分な量の化粧用有効成分を第一マイクロ層3に含有させることができないおそれや、化粧用パックシート1の肌部への貼付時のハンドリングが困難になるおそれがある。逆に、第一マイクロ層3の平均厚さが上記範囲より大きいと、融解時に肌部に浸透せずに付着するゲル化剤の量が増え、肌部からの拭き取りの手間が生じるおそれがある。加えて、化粧用パックシート1の重量が増し、化粧用パックシート1を肌部への貼付した際の違和感が大きくなるおそれがある。
【0037】
なお、第一マイクロ層3の平均厚さは、JIS K7130に準拠して測定される。具体的には、厚さ計を用いて、第一マイクロ層3の幅方向に等間隔で10箇所の厚さを測定し、その平均値を計測する。
【0038】
<第二マイクロ層4>
第二マイクロ層4は、上記第一マイクロ層3と同様に、溶媒にゲル化剤及び化粧用有効成分を添加したものをゲル化したゲル体からなるマトリックスによって構成されている。このマトリックスを形成するゲル化剤及び溶媒の材料及び含有量、第二マイクロ層4の厚さ等については、上記第一マイクロ層3と同様である。
【0039】
この第二マイクロ層4は、肌部からの熱によって第一マイクロ層3が融解して含有していた化粧用有効成分(化粧水成分)が肌部に浸透又は付着した後、同じく肌部からの熱により融解する。第二マイクロ層4が融解することによって、第二マイクロ層4が含有している化粧用有効成分が、第一マイクロ層3が含有していた化粧水成分が浸透又は付着した後の肌部に浸透又は付着される。
【0040】
第二マイクロ層4を構成するマトリックスの融点の下限としては、15℃が好ましく、20℃がより好ましく、25℃がさらに好ましく、30℃が特に好ましい。一方、マトリックスの融点の上限としては、40℃が好ましく、35℃がより好ましく、34℃がさらに好ましく、33℃が特に好ましい。マトリックスの融点が上記範囲より低いと、第二マイクロ層4が融解し易くなり、取扱い性が低下する。逆に、マトリックスの融点が上記範囲より高いと、第二マイクロ層4が肌部と接触しても第二マイクロ層4が融解せず、含有されている化粧用有効成分を肌部に浸透又は付着させることができないおそれがある。なお、マトリックスの融点はゲル化剤の含有量又は2種以上のゲル化剤の混合によって調節することができる。
【0041】
さらに、第二マイクロ層4を構成するマトリックスの融点は第一マイクロ層3を構成するマトリックスの融点より高いことが好ましい。第二マイクロ層4を構成するマトリックスの融点が第一マイクロ層3を構成するマトリックスの融点より高いことで、当該化粧用パックシート1の内面を肌部に貼付した後、第一マイクロ層3よりも先に第二マイクロ層4が融解することを防止することができる。結果として、各マイクロ層が含有する化粧用有効成分を各マイクロ層が積層された順に肌部へ浸透又は付着させることができる。
【0042】
上記第二マイクロ層4には、化粧用有効成分として、保湿効果、美白効果、血行促進効果、しわ改善効果等の肌質を改善する効果を奏する美容液成分を含有することができる。
【0043】
上記美容液成分としては、一般に美容液に用いられている化粧用有効成分を用いることができる。具体的には、例えば、コラーゲン、蜂蜜、セラミド、トレハロース、コエンザイムQ10、スクワラン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンK、アルジレリン、リコピン、油溶性肝草エキス、水溶性プラセンタエキス、アラントイン、海草エキス、アシル化ケフィライン水溶液、麦芽エキス、N−アセチル−L−チロシン、カッコン、ヒアルロン酸又はその塩類、トラネキサム酸、アイプライトエキス、ゴールデンシール、ローズ油、アミノ酸類、有機ゲルマニウム、マトリカイン、アロエエキス、ヨーグルトの乳清成分、カフェイン、ハイドロキノン等を用いることができる。また、これ以外の美白剤、血行促進剤、しわ防止剤、肌荒れ防止剤、消炎剤等の成分を含有させることができる。
【0044】
上記美白剤としては、例えば、フェルラ酸、L−アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体(アルブチン等)、コウジ酸及びその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、グリチルリチン酸ジカリウム、胎盤抽出物のほか、茶、丁子、営実、地楡、甘草、枇杷、橙皮、高麗人参、芍薬、山査子、麦門冬、生姜、松笠、桑白皮、厚朴、デイオスコレアコンポジタ根、インチンコウ、阿仙薬、黄ゴン、アロエ、アセロラ、アルテア、シモツケ、オランダガラシ、キナ、オリーブ葉、コンフリー、サクラ、ローズマリー、ロート等の植物抽出液等を挙げることができ、これらの中から1種もしくは2種以上を組み合せて用いることができる。
【0045】
上記血行促進剤としては、例えば、ニコチン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸アミド、米胚芽油、ボダイジュエキス、マロニエエキス、ユズエキス等を挙げることができ、これらの中から1種もしくは2種以上を組み合せて用いることができる。
【0046】
上記しわ防止剤としては、一般に化粧料に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリウレタン、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリビニル系樹脂等の皮膜剤等を挙げることができる。
【0047】
上記肌荒れ防止剤としては、ヒアルロン酸産生促進、コラーゲン合成促進、グリコサミノグリカン合成促進等の効果を有し、一般に化粧料に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、レチノール、レチノイン酸、α−ヒドロキシ酸等を挙げることができる。
【0048】
上記消炎剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体(グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸ステアレート等)、グアイアズレン及びその誘導体(グアイアズレンスルホン酸エチル、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム等)、酸化亜鉛、植物エキス(シソ、アロエ、コンフリー、ゲンチアナ、カミツレ、ムラサキ、キンギンカ、セージ、バーチ、トウキンセンカ、ニワトコ、ガマ、オトギリソウ等)等を挙げることができ、これらの中から1種もしくは2種以上を組み合せて用いることができる。
【0049】
上記化粧用有効成分はその種類に応じて必要量が異なるため、第二マイクロ層4における化粧用有効成分の含有量は適宜決定することが望ましい。一般的には、例えば、第二マイクロ層4を形成する溶媒に対する化粧用有効成分の含有量の下限としては、0.001質量%が好ましく、0.03質量%がさらに好ましく、0.05質量%が特に好ましい。一方、化粧用有効成分の含有量の上限としては、80質量%が好ましく、50質量%がさらに好ましく、30質量%が特に好ましい。化粧用有効成分の含有量が上記範囲より小さいと、十分な効果を奏する量の化粧用有効成分を肌部に浸透又は付着させることができないおそれがある。逆に、化粧用有効成分の含有量が上記範囲より大きいと、過度の化粧用有効成分が肌部に浸透又は付着するおそれや、第二マイクロ層4の融解時に液だれが生じるおそれがある。
【0050】
<第三マイクロ層5>
第三マイクロ層5は、上記第一マイクロ層3及び第二マイクロ層4と同様に、溶媒にゲル化剤及び化粧用有効成分を添加したものをゲル化したゲル体からなるマトリックスによって構成されている。このマトリックスを形成するゲル化剤及び溶媒の材料及び含有量、第三マイクロ層5の厚さ等については、上記第一マイクロ層3及び第二マイクロ層4と同様である。
【0051】
この第三マイクロ層5は、肌部からの熱によって第二マイクロ層4が融解して含有していた化粧用有効成分(美容液成分)が肌部に浸透又は付着した後、同じく肌部からの熱により融解する。第三マイクロ層5が融解することによって、第三マイクロ層5が含有している化粧用有効成分が、第二マイクロ層4が含有していた美容液成分が浸透又は付着した後の肌部に浸透又は付着される。
【0052】
第三マイクロ層5を構成するマトリックスの融点の下限としては、15℃が好ましく、20℃がより好ましく、25℃がさらに好ましく、30℃が特に好ましい。一方、マトリックスの融点の上限としては、40℃が好ましく、35℃がより好ましく、34℃がさらに好ましく、33℃が特に好ましい。マトリックスの融点が上記範囲より低いと、第三マイクロ層5が融解し易くなり、取扱い性が低下する。逆に、マトリックスの融点が上記範囲より高いと、第三マイクロ層5が肌部と接触しても第三マイクロ層5が融解せず、含有されている化粧用有効成分を肌部に浸透又は付着させることができないおそれがある。なお、マトリックスの融点はゲル化剤の含有量又は2種以上のゲル化剤の混合によって調節することができる。
【0053】
さらに、第三マイクロ層5を構成するマトリックスの融点は第二マイクロ層4を構成するマトリックスの融点より高いことが好ましい。第三マイクロ層5を構成するマトリックスの融点が第二マイクロ層4を構成するマトリックスの融点より高いことで、当該化粧用パックシート1の内面を肌部に貼付した後、第二マイクロ層4よりも先に第三マイクロ層5が融解することを防止することができる。結果として、各マイクロ層が含有する化粧用有効成分を各マイクロ層が積層された順に肌部へ浸透又は付着させることができる。
【0054】
上記第三マイクロ層5には、化粧用有効成分として、化粧水で補った水分の蒸発を防ぐ保湿作用を奏する乳液成分を含有させることができる。この乳液成分としては、一般に乳液に用いられている化粧用有効成分を用いることができ、例えば、保湿剤、油剤及び非イオン性界面活性剤の組合せからなる成分を用いることができる。
【0055】
上記保湿剤としては、例えば、多価アルコール類(ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、糖及び糖アルコール類(グルコース、果糖、蔗糖、ソルビトール、マンニトール等)、アミノ酸類(アスパラギン酸、アルギニン等)、ムコ多糖類又はその塩(ヒアルロン酸(ナトリウム)、コンドロイチン硫酸(ナトリウム)、デルマタン硫酸(ナトリウム)等)、タンパク質又はその分解物(コラーゲン、エラスチン等)、ピロリドンカルボン酸(ナトリウム)等のほか、天然物として、アロエ、アルニカ、イラクサ、イリス、ウスベニアオイ、オトギリソウ、カミツレ、サルビア、シラカバ、スギナ、セイヨウサンザイシ、セイヨウノコギリソウ、タイム、ニンジン、ハマメリス、パンジー、ヒナゲシ、ラベンダー、ローズマリー、レモン、ユーカリ、ダイズ等の植物抽出エキス、ビフィズス菌等の発酵エキス等を挙げることができる。これらの中でも、しっとり感、エモリエント効果を有する点から、多価アルコール(グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール等)、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、水溶性コラーゲン、アロエ抽出エキス、ローズマリー抽出エキス等が特に好ましい。これらの保湿剤は、単独で使用してもよいが、しっとり効果を増強するために2種以上を組み合せて用いることが好ましい。
【0056】
上記油剤としては、例えば、炭化水素、油脂、脂肪酸、高級アルコール、合成エステル、シリコーン類等を用いることができる。具体的には、例えば、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、固形パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、オリーブ油、アーモンド油、カカオ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、アボガト油、ヒマワリ油、月見草油、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘニル酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデシルアルコール、コレステロール、イソプロピルミリステート、セチルパルミテート、ペンタエリスリトールテトラ脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、コレステリルエステル、ネオペンチルグリコール脂肪酸エステル、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、シクロメチコン等を挙げることができる。これらの中でも、流動パラフィン、オリーブ油、アーモンド油、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ペンタエリスリトールテトラ2−エチルヘキサン酸エステル、ネオペンチルグリコールジカプリル酸エステル、ジメチルポリシロキサン等が特に好ましい。これらの油剤は、単独で使用してもよいが、使用感を向上させるために2種以上を組み合せて用いることが好ましい。
【0057】
上記非イオン性界面活性剤としては、例えば、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体等を挙げることができる。これらの中でも、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル等が特に好ましい。これらの非イオン性界面活性剤は、単独で使用してもよいが、二種以上を組み合わせて使用してもよく、特にソルビタン脂肪酸エステルとポリオキシエチレン脂肪酸エステルとを組み合わせて使用するのが好ましい。
【0058】
上記乳液成分のpHは、25℃で3以上9以下が好ましく、5以上7.5以下が特に好ましい。このpHは、クエン酸、乳酸等の有機酸、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等の塩基で調整することができる。
【0059】
上記化粧用有効成分はその種類に応じて必要量が異なるため、第三マイクロ層5における化粧用有効成分の含有量は適宜決定することが望ましい。一般的には、例えば、第三マイクロ層5を形成する溶媒に対する化粧用有効成分の含有量の下限としては、0.001質量%が好ましく、0.03質量%がさらに好ましく、0.05質量%が特に好ましい。一方、化粧用有効成分の含有量の上限としては、80質量%が好ましく、50質量%がさらに好ましく、30質量%が特に好ましい。化粧用有効成分の含有量が上記範囲より小さいと、十分な効果を奏する量の化粧用有効成分を肌部に浸透又は付着させることができないおそれがある。逆に、化粧用有効成分の含有量が上記範囲より大きいと、過度の化粧用有効成分が肌部に浸透又は付着するおそれや、第三マイクロ層5の融解時に液だれが生じるおそれがある。
【0060】
<化粧用パックシート1>
当該化粧用パックシート1は、肌部へ貼付する側から順に上記第一マイクロ層3、第二マイクロ層4、第三マイクロ層5が積層されたゲル層2からなる。
【0061】
当該化粧用パックシート1の平均厚さの下限としては、10μmが好ましく、20μmがさらに好ましく、35μmが特に好ましい。一方、化粧用パックシート1の平均厚さの上限としては、300μmが好ましく、250μmがさらに好ましく、100μmが特に好ましい。当該化粧用パックシート1の平均厚さが上記範囲より小さいと、十分な量の化粧用有効成分を含有させることができないおそれや、肌部への貼付時のハンドリングが困難になるおそれがある。逆に、化粧用パックシート1の平均厚さが上記範囲より大きいと、化粧用パックシート1の重量が増し、化粧用パックシート1を肌部へ貼付した際の違和感が大きくなるおそれがある。
【0062】
第一実施形態に係る化粧用パックシート1は、使用者が顔等の肌部に貼付することにより、多層に積層された第一マイクロ層3、第二マイクロ層4及び第三マイクロ層5が肌部からの熱によってこの順に融解し、それぞれのマイクロ層が含有している化粧用有効成分(化粧水成分、美容液成分、乳液成分)が順次に肌部に浸透又は付着される。結果として、当該化粧用パックシート1を肌部へ貼付する作業のみで、上記化粧用有効成分を順次肌部に浸透又は付着させることができ、スキンケアの手間を格段に削減することができる。また、ゲル層が融解した後、融解したゼラチンが肌部に浸透又は付着する。このため、顔等の肌部に当該化粧用パックシートを貼付した場合に、使用後に肌部から残存物を離脱させる手間が削減され、従来の化粧用パックシートに比してさらに手間を低減させることができる。さらに、当該化粧用パックシート1は、厚さが小さいため、肌部へ貼付した際の違和感が少ない。また、肌部に接触するゲル層2が高いフィット性を有し、融解時には肌部から熱を吸収することで清涼感を使用者に与えることができる。特に、使用者が入浴後に使用することにより、ゲル層2が効果的に融解し、化粧水成分の浸透又は付着を好適に行うことができるほか、使用者が得る清涼感も増幅される。
【0063】
<化粧用パックシートの製造方法>
当該化粧用パックシート1の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、各層のマイクロ層形成材料をそれぞれ配合する形成材料配合工程と、各層の形成材料を順次塗布してゲル層2を形成するゲル層形成工程とを有する方法を挙げることができる。
【0064】
形成材料配合工程は、溶媒にゲル化剤及び化粧用有効成分を添加してマイクロ層形成材料を配合する工程であり、当該化粧用パックシート1が備えるマイクロ層ごとに実施される。この形成材料配合工程は、例えば、熱した溶媒に粉末状のゲル化剤及び化粧用有効成分を配合する方法等を用いることができる。
【0065】
ゲル層形成工程は、形成材料配合工程で化粧用有効成分を配合したマイクロ層形成材料をシート状にゲル化させて、複数のマイクロ層を積層する工程である。具体的には、工程シートの上に第一マイクロ層形成材料を塗布しゲル化させて第一マイクロ層3を形成し、この第一マイクロ層3の外面に第二マイクロ層形成材料を塗布しゲル化させて第二マイクロ層4を形成し、この第二マイクロ層4の外面に第三マイクロ層形成材料を塗布しゲル化させて第三マイクロ層5を形成する方法等を用いることができる。また、上記とは逆に、工程シートの上に第三マイクロ層5、第二マイクロ層4、第一マイクロ層3をこの順番で形成する方法も用いることができる。上記工程シートは、製造工程で使用され、製造工程終了後にゲル層2から剥離されるシートである。
【0066】
上述の工程シートの上に第一マイクロ層3又は第三マイクロ層5を積層する方法としては、工程シートの上に加熱されて融解した第一マイクロ層形成材料又は第三マイクロ層形成材料を薄膜状に塗布し、冷却ドラム等によって冷却して凝固させる方法を用いることができる。また、マイクロ層の上に別のマイクロ層を積層する方法としても同様の方法を用いることができる。例えば、加熱されて融解した第二マイクロ層形成材料をゲル化した第一マイクロ層3の外面に塗布すると、第一マイクロ層3の外面の表層が熱により融解する。その後、第二マイクロ層形成材料を塗布したゲル層2を冷却することで、塗布した第二マイクロ層形成材料がシート状にゲル化して第二マイクロ層4が形成されると供に、第一マイクロ層3と第二マイクロ層4とが第一マイクロ層3の外面の表層部で接合される。このように工程シート又はゲル層2に融解したゲル化剤を塗布する手段としては周知の方法が使用でき、例えば、スリットコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、フローコート法、グラビアコート法、スプレー法、バーコート法等を用いることができる。さらには、ゲル層の形成材料を塗布する手段としては、例えばゲル層の形成材料を充填機から基材層に滴下し、さらにゲル層の形成材料が滴下された基材層を振動させて形成材料を均一な層状に形成することも可能である。
【0067】
<その他の実施形態>
本発明の化粧用パックシートは、上述の実施形態に限定されるものではなく、以下のような実施形態とすることもできる。
【0068】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態の化粧用パックシートについて以下説明する。
【0069】
第二実施形態の化粧用パックシート1は、図1に示される上述の第一実施形態に係る化粧用パックシート1と略同様の構成を有する。すなわち、第二実施形態に係る化粧用パックシート1は、3層のマイクロ層(第一マイクロ層3、第二マイクロ層4、第三マイクロ層5)が積層されたゲル層2からなり、第一マイクロ層3、第二マイクロ層4、第三マイクロ層5は、それぞれ溶媒にゲル化剤及び化粧用有効成分を添加したものをゲル化したゲル体からなるマトリックスで構成されている。このマトリックスを形成するゲル化剤及び溶媒の材料及び含有量、マトリックスの融点等については、上述の第一実施形態に係る化粧用パックシート1と同様である。
【0070】
第二実施形態における第三マイクロ層5の平均厚さは、300μmとされている。ここで、第三マイクロ層5の平均厚さの下限としては、100μmが好ましく、150μmがさらに好ましく、200μmが特に好ましい。一方、第三マイクロ層5の平均厚さの上限としては、500μmが好ましく、450μmがさらに好ましく、400μmが特に好ましい。第三マイクロ層5の平均厚さが上記範囲より小さいと、肌部への貼付時に十分なハンドリング性を有することができない。逆に、第三マイクロ層5の平均厚さが上記範囲より大きいと、化粧用パックシート1の重量が増し、化粧用パックシート1を肌部へ貼付した際の違和感が大きくなるおそれがある。
【0071】
第二実施形態におけ第一マイクロ層3及び第二マイクロ層4の平均厚さは、第一実施形態と同様である。
【0072】
当該化粧用パックシート1の平均厚さの下限としては、102μmが好ましく、120μmがさらに好ましく、130μmが特に好ましい。一方、化粧用パックシート1の平均厚さの上限としては、550μmが好ましく、400μmがさらに好ましく、300μmが特に好ましい。当該化粧用パックシート1の平均厚さが上記範囲より小さいと、十分な量の化粧用有効成分を含有させることができないおそれや、肌部への貼付時のハンドリングが困難になるおそれがある。逆に、化粧用パックシート1の平均厚さが上記範囲より大きいと、化粧用パックシート1の重量が増し、化粧用パックシート1を肌部へ貼付した際の違和感が大きくなるおそれがある。
【0073】
第二実施形態に係る化粧用パックシート1は、使用者が顔等の肌部に貼付することにより、第一マイクロ層3及び第二マイクロ層4が肌部からの熱によってこの順に融解し、その後第三マイクロ層5の一部が融解し、それぞれのマイクロ層が含有している化粧用有効成分(化粧水成分、美容液成分、乳液成分)が順次に肌部に浸透又は付着される。結果として、当該化粧用パックシート1を肌部へ貼付する作業のみで、上記化粧用有効成分を順次肌部に浸透又は付着させることができ、スキンケアの手間を格段に削減することができる。これに加えて、第二実施形態に係る化粧用パックシート1は、最も外側に積層された第三マイクロ層5が一定の厚みを有することによって、当該化粧用パックシートの肌部等への貼付時におけるハンドリング性を向上させることができる。
【0074】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態の化粧用パックシートについて、図2を参酌しつつ以下説明する。
【0075】
図2の化粧用パックシート11は、2層のマイクロ層(第一マイクロ層13、第二マイクロ層14)が積層されたゲル層12からなる。このゲル層12は、肌部へ貼付する側(内側)から順に第一マイクロ層13、第二マイクロ層14が積層された積層体である。第一マイクロ層13、第二マイクロ層14は、それぞれ溶媒にゲル化剤及び化粧用有効成分を添加したものをゲル化したゲル体からなるマトリックスで構成されている。
【0076】
第一マイクロ層13は、溶媒にゲル化剤及び化粧用有効成分を添加したものをゲル化したゲル体からなるマトリックスで構成されている。このマトリックスを形成するゲル化剤及び溶媒の材料及び含有量、マトリックスの融点、第一マイクロ層13の厚さ等については、上述の第一実施形態に係る化粧用パックシート1の第一マイクロ層3と同様である。
【0077】
第一マイクロ層13は、化粧用有効成分として化粧水成分を含有している。この化粧水成分は、上述の第一実施形態に係る化粧用パックシート1の第一マイクロ層3と同様である。この第一マイクロ層13は、肌部からの熱によって融解し、上記化粧水成分が肌部に浸透又は付着される。第一マイクロ層13における上記化粧水成分の含有量は、第一実施形態に係る化粧用パックシート1の第一マイクロ層3における化粧水成分の場合と同様である。
【0078】
第二マイクロ層14は、溶媒にゲル化剤及び化粧用有効成分を添加したものをゲル化したゲル体からなるマトリックスによって構成されている。このマトリックスを形成するゲル化剤及び溶媒の材料及び含有量、マトリックスの融点、第二マイクロ層14の厚さ等については、第一実施形態に係る化粧用パックシート1の第三マイクロ層5と同様である。
【0079】
第二マイクロ層14は、化粧用有効成分として美容液成分と乳液成分とを含有している。第二マイクロ層14は、第一マイクロ層13が肌部からの熱によって融解し、含有していた化粧水成分が肌部に浸透又は付着した後、同じく肌部からの熱により融解する。第二マイクロ層14が融解することによって、含有していた美容液成分及び乳液成分が、化粧水成分が浸透又は付着した後の肌部に浸透又は付着され、美容液成分の有する美容効果及び乳液成分の有する保湿効果が肌部に奏される。第二マイクロ層14における上記美容液成分及び乳液成分の含有量は、第一実施形態に係る化粧用パックシート1の第二マイクロ層4における美容液成分及び第三マイクロ層5における乳液成分の場合と同様である。
【0080】
上記第二マイクロ層14を構成するマトリックスの融点は上記第一マイクロ層13を構成するマトリックスの融点より高いことが好ましい。各マイクロ層を構成するマトリックスの融点がこのような関係にあることで、当該化粧用パックシート11の内面を肌部に貼付した後、第一マイクロ層13よりも先に第二マイクロ層14が融解することを防止することができる。結果として、各マイクロ層が含有する化粧用有効成分を各マイクロ層が積層された順に肌部へ浸透又は付着させることができる。
【0081】
当該化粧用パックシート11の平均厚さは、第一実施形態に係る化粧用パックシート1と同様である。
【0082】
第三実施形態に係る化粧用パックシート11は、使用者が顔等の肌部に貼付することにより、多層に積層された第一マイクロ層13及び第二マイクロ層14が肌部からの熱によってこの順に融解し、第一マイクロ層13が含有している化粧水成分が肌部に浸透又は付着した後、第二マイクロ層14が含有している美容液成分及び乳液成分が肌部に浸透又は付着される。結果として、当該化粧用パックシート11を肌部へ貼付する作業のみで、上記化粧用有効成分(化粧水成分、美容液成分、乳液成分)を肌部に浸透又は付着させることができ、スキンケアの手間を格段に削減することができる。また、使用後には不織布等の層状の残存物が残らず、残存物を離脱させる手間を無くすことができる。加えて、当該化粧用パックシート11は、融解するゲル層12が2層構造であるため、化粧用有効成分の浸透又は付着に掛かる時間を縮減することができる。
【0083】
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態の化粧用パックシートについて、図3を参酌しつつ以下説明する。
【0084】
図3の化粧用パックシート21は3層のマイクロ層(第一マイクロ層3、第二マイクロ層4及び第三マイクロ層5)が積層されたゲル層2と、ゲル層2の外面に配設された基材層6からなる。このゲル層2は、肌部へ貼付する側(内側)から順に第一マイクロ層3、第二マイクロ層4、第三マイクロ層5が積層された積層体である。第一マイクロ層3、第二マイクロ層4、第三マイクロ層5は、それぞれ溶媒にゲル化剤及び化粧用有効成分を添加したものをゲル化したゲル体からなるマトリックスで構成されており、上述の第一実施形態に係る化粧用パックシート1と同様である。
【0085】
上記マイクロ層(第一マイクロ層3、第二マイクロ層4及び第三マイクロ層5)のそれぞれの平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、5μmがさらに好ましく、10μmが特に好ましい。一方、各マイクロ層の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく50μmがさらに好ましく、30μmが特に好ましい。各マイクロ層3の平均厚さが上記範囲より小さいと十分な量の化粧用有効成分を各マイクロ層に含有させることができないおそれがある。逆に、各マイクロ層の平均厚さが上記範囲より大きいと、融解時に肌部に浸透せずに付着するゲル化剤の量が増え、肌部からの拭き取りの手間が生じるおそれがある。加えて、化粧用パックシート21の重量が増し、化粧用パックシート21を肌部への貼付した際の違和感が大きくなる。
【0086】
基材層6は、第三マイクロ層5の外面に配設され、第一マイクロ層3、第二マイクロ層4及び第三マイクロ層5からなるゲル層2を支持する。基材層6の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シート、金属箔、又はこれらのラミネート体等からなる適当なフィルム状体等を用いることができる。
【0087】
なお、上記基材層6は、ゲル層2に対して剥離性を有することが好ましい。具体的には、この基材層6の内面(第三マイクロ層5と面接する側の面)にシリコーン樹脂を塗布する等の方法によって基材層6に離型性を持たせ、当該化粧用パックシート21の肌部への貼付後に基材層6がゲル層2から剥離できるように構成されていることが好ましい。
【0088】
当該化粧用パックシート21のゲル層2の平均厚さの下限としては、10μmが好ましく、20μmがさらに好ましく、35μmが特に好ましい。一方、ゲル層2の平均厚さの上限としては、200μmが好ましく、150μmがさらに好ましく、100μmが特に好ましい。ゲル層2の平均厚さが上記範囲より小さいと十分な量の化粧用有効成分を含有させることができないおそれや、肌部への貼付時のハンドリングが困難になるおそれがある。逆に、ゲル層2の平均厚さが上記範囲より大きいと、化粧用パックシート21の重量が増し、化粧用パックシート21を肌部へ貼付した際の違和感が大きくなる。
【0089】
第四実施形態に係る化粧用パックシート21は、使用者が顔等の肌部に貼付することにより、多層に積層された第一マイクロ層3、第二マイクロ層4及び第三マイクロ層5が肌部からの熱によってこの順に融解し、それぞれのマイクロ層が含有している化粧用有効成分(化粧水成分、美容液成分、乳液成分)がこの順に肌部に浸透又は付着される。結果として、当該化粧用パックシート1を肌部へ貼付する作業のみで、上記化粧用有効成分を順次肌部に浸透又は付着させることができ、スキンケアの手間を格段に削減することができる。さらに、当該化粧用パックシート21は、ゲル層2の内面に配設される基材層6を有するため、当該化粧用パックシート21を肌部に貼付する際のゲル層2の型崩れを防止することができる。
【0090】
当該化粧用パックシート21の製造方法は上述の第一実施形態に係る化粧用パックシート1と同様の製造方法を用いることができる。つまり、上記製造方法で各マイクロ層形成材料を配合した後、上述のマイクロ層形成材料の塗布方法を用いて、基材層6の内面に第二マイクロ層形成材料を塗布しゲル化させて第三マイクロ層5を形成し、その後第三マイクロ層3及び第一マイクロ層3を化粧用パックシート1の場合と同様の手順で積層することによって当該化粧用パックシート21を形成することができる。
【0091】
なお、上記各実施形態においては、ゲル層の内面に他の部材が積層されていないものについて説明したが、本発明はこれらの形態に限定されるものではなく、例えばゲル層の内面に、使用時まで化粧用有効成分や水分の保持性を維持する保護用剥離シート等が積層されるものも本発明の意図する範囲である。具体的には、例えば第一実施形態に係る化粧用パックシート1において、第一マイクロ層3の内面に積層され剥離可能な保護用剥離シートをさらに有する構成を採用することができる。このように保護用剥離シートを備えている場合は、化粧用パックシートを肌部へ貼付する際にゲル層からこの保護用剥離シートを剥離し、表出するゲル層の内面を肌部へ貼付して使用することができる。なお、この保護用剥離シートとしては、例えば、合成樹脂フィルムを用いることができ、具体的には、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタラートフィルム等を挙げることができる。さらに、剥離性を高めるためにシート外面(第一マイクロ層3と面接する側の面)にシリコーン樹脂を塗布することが好ましい。
【0092】
上述の当該化粧用パックシートの製造工程において、この保護用剥離シートを上記工程シートの代わりに用いることができる。また、上記保護用剥離シートは、上述のマイクロ層形成材料の塗布方法と同様の方法を用いて、ゲル層の外面又は内面に積層させることができる。
【0093】
なお、第一実施形態では、第一マイクロ層3が含有する化粧用有効成分を化粧水成分、第二マイクロ層4が含有する化粧用有効成分を美容液成分、第三マイクロ層5が含有する化粧用有効成分を乳液成分としたが、ゲル層2を構成する各マイクロ層に含有される化粧用有効成分はこれに限定されるものではない。例えば、第一マイクロ層3が含有する化粧用有効成分を、第二マイクロ層4が含有する美容液成分とは別種の美容液成分とすることができる。この場合、パッティングや他の化粧用パックシート等によって予め肌部に化粧水を浸透又は付着させた後で、当該化粧用パックシート1を肌部に貼付することで、2種の美容液成分及び乳液成分を肌部に浸透又は付着させることができる。また、第三マイクロ層5が含有する化粧用有効成分も美容液成分とすることができる。この場合、上述のように予め肌部に化粧水を浸透又は付着させた後で、当該化粧用パックシート1を貼付することで、3種の美容液を効果的に肌部に浸透又は付着させることができる。また、第三実施形態においても同様に、第一マイクロ層13及び第二マイクロ層14が含有する化粧用有効成分は上述の組合せに限定されるものではない。
【0094】
さらに、第一実施形態又は第四実施形態において、第三マイクロ層5の外側にさらにマイクロ層を積層して、ゲル層2を4層以上のマイクロ層からなる積層体とすることもできる。このようにマイクロ層の数を増やすことで、1枚の化粧用パックシートの貼付によって順次肌部へ浸透又は付着させる化粧用有効成分の種類を増やすことができ、スキンケアの手間を格段に削減することができる。
【0095】
また、上記各実施形態においては、ゲル層が複数のマイクロ層からなる積層体であるものについて説明したが、本発明はこれらの形態に限定されるものではなく、例えば化粧用パックシートが備えるゲル層が単層であるものも本発明の意図する範囲である。例えば、単層のゲル層のみからなる化粧用パックシートを顔等の肌部に貼付すると、肌部からの熱によってゲル層が融解し、ゲル層に含有される化粧用有効成分を肌部に浸透又は付着させることができる。また、使用後には不織布等の層状の残存物が残らず、残存物を離脱させる手間を無くすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
以上のように、本発明の化粧用パックシートは、スキンケアの手間を格段に削減することができる。また、使用者の違和感を低減し、清涼感を与えることができ、スキンケアに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0097】
1 化粧用パックシート
2 ゲル層
3 第一マイクロ層
4 第二マイクロ層
5 第三マイクロ層
6 基材層
11 化粧用パックシート
12 ゲル層
13 第一マイクロ層
14 第二マイクロ層
21 化粧用パックシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲル層を備え、
このゲル層が、
融点が15℃以上40℃以下のゲル体からなるマトリックスと、
このマトリックスに含まれる化粧用有効成分と
を有する化粧用パックシート。
【請求項2】
上記ゲル層のみからなる請求項1に記載の化粧用パックシート。
【請求項3】
上記ゲル体のゲル化剤として、ゼラチンが用いられている請求項1又は請求項2に記載の化粧用パックシート。
【請求項4】
上記ゼラチンの平均分子量が5000以上60000以下である請求項3に記載の化粧用パックシート。
【請求項5】
上記ゲル層が複数のマイクロ層からなる積層体である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の化粧用パックシート。
【請求項6】
上記複数のマイクロ層がそれぞれ異なる化粧用有効成分を含有する請求項5に記載の化粧用パックシート。
【請求項7】
上記化粧用有効成分として化粧水成分、美容液成分及び乳液成分が用いられ、
上記複数のマイクロ層が、これらの化粧水成分、美容液成分及び乳液成分を内側からこの順に含有する請求項6に記載の化粧用パックシート。
【請求項8】
上記複数のマイクロ層を構成するマトリックスの融点が、内側のマイクロ層から外側のマイクロ層に行くに従って高くなる請求項5、請求項6又は請求項7に記載の化粧用パックシート。
【請求項9】
上記マイクロ層の平均厚さが1μm以上100μm以下である請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の化粧用パックシート。
【請求項10】
上記マイクロ層のうち、最も外側に積層されるマイクロ層の平均厚さが100μm以上500μm以下であり、その他のマイクロ層の平均厚さが1μm以上100μm以下である請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の化粧用パックシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−32314(P2013−32314A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169561(P2011−169561)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000165088)恵和株式会社 (63)
【Fターム(参考)】