説明

化粧用パフ類及び化粧用ブラシ類の干し具

【課題】化粧用パフ類及び化粧用ブラシ類を形態安定性良くまとめて乾燥させることができる干し具を提供する。
【解決手段】通気性の良いネット状素材でかつ折畳み自在な素材を用いた平板状本体の少なくともその一面に複数個の大小のポケットを形成し、その上端部側にハンガーを着脱可能に取り付けるもので、その上端部側に一体に形成された、折曲げ線を介して折返す同じ素材の折返し片を具備し、この折返し片を開いた状態で、ハンガーのフックを折曲げ線中央に設けられた挿通孔から挿通し、折返し片を折返して、係止部材で係止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【0002】
本発明は化粧用パフ類及び化粧用ブラシ類を形態安定性良く乾燥させることができる干し具に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、洗浄後の化粧用パフ、スポンジ、アイシャドーチップ等の乾燥に際しては、それらを手洗いした後、皿やティッシュの上に置き乾燥させたり、洗濯ばさみ等で吊し陰干しすることにより乾燥させていた。また、リップブラシ、チークブラシ等の化粧用ブラシの乾燥に際しては、それらを手洗いした後、コップ等の容器に立てかけ陰干しすることにより乾燥させていた。
【0004】
また、化粧用パフの干し具として、例えば特許文献1に開示されたように枠の上に網を張り、その上にパフを置いて乾燥させるものが提案されている。
【特許文献1】特開2003−326099号公報
更に、化粧用パフの干し具ではないが、特許文献2に開示されたハンガー付き洗濯ネットが提案されている。
【特許文献2】特開平11−319369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、化粧用パフ等の乾燥に際して、皿やティッシュの上に置くだけでは、パフの下面は通気性が悪く乾きにくく、パフに雑菌が増える恐れがある。そもそも、化粧用パフやリップブラシ等を洗浄するのは、使い続けているうちに雑菌の温床になりやすいからであり、これでは洗浄しても意味がなくなる。また、パフ、スポンジを洗濯ばさみで吊す方法では、洗濯ばさみのバネの力でパフ、スポンジに跡がつき、これをそのまま使用し化粧するとファンデーションや白粉を顔面に均一に塗りにくくするという問題が発生する。また、アイシャドーチップは軽く個体が小さいので、皿やティッシュの上で乾燥している間に紛失を招きやすいという問題があった。
【0006】
また、仕事を持つ女性や多忙な女性の中には、週末にまとめて化粧用パフ類を洗浄する場合も多く、1〜2週間に一度まとめて洗浄する場合には、干さなければならないパフ類の数も多くなり、それらをまとめて乾燥させるのは容易ではなかった。
【0007】
更に、特許文献1に開示された化粧用パフの干し具は、使用後に折畳むことができず、収納性が必ずしも良いとはいえない。また、洗浄後のパフ類に直接ふれる干し具本体は衛生的に保つ必要があるが、この干し具本体が汚れた場合、洗浄がしにくいという問題がある。さらにこの干し具はパフ専用の干し具であって、アイシャドーチップやリップブラシ、チークブラシ等の他の化粧用小物類やブラシ類を一緒に干すことは想定されていない。
【0008】
また、特許文献2に開示された洗濯ネットを干し具として使用し、化粧用パフ、ブラシ等を乾燥させようとすると、化粧用パフ、スポンジ、アイシャドーチップ等はネットに収納することができるが、リップブラシ、チークブラシ等の化粧用ブラシ類はブラシの毛先を上向きに固定して収納できないため、毛先を形態安定性良く乾燥させることができない。また、洗浄後の化粧用パフ類が数多くある場合は、横長の収納室に数個のパフ類を収容することになるが、風に吹かれるとこの収納室の中でパフ類が左右に移動し、すれ合ったり重なったりして乾きにくくなる恐れがある。更に、この洗濯ネットのハンガーは、袋本体の背面上部に取り付けられているため、ハンガーの一部が収納室の背後に密着し、このハンガーが密着している部分の収納室に化粧用スポンジ類を入れた場合、スポンジ類の裏面にハンガーの一部が重なり、スポンジ類の裏面の通気性が悪くなる恐れがある。
【0009】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、パフ類の変形を阻止して均一に乾燥させ、ハンガーは着脱自在で、不使用時には本体の折畳みが可能で汚れれば容易に手洗いでき、化粧用パフ、スポンジのみならず、アイシャドーチップやリップブラシ、チークブラシ等の化粧用小物類やブラシ類も、形態安定性良くまとめて乾燥させることが可能な、化粧用パフ類及び化粧用ブラシ類の干し具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、通気性の良いネット状素材でかつ折畳み自在な素材を用いた平板状本体の少なくともその一面に複数個の大小のポケットを形成し、その上端部側にハンガーを着脱可能に取り付けるもので、その上端部側に一体に形成された、折曲げ線を介して折り返す同じ素材の折返し片を具備し、この折返し片を開いた状態で、ハンガーのフックを折曲げ線中央に設けられた挿通孔から挿通し、折返し片を折返して、係止部材で係止することを特徴とした化粧用パフ類及び化粧用ブラシ類の干し具である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、化粧用パフ類のみならず、アイシャドーチップやリップブラシ、チークブラシ等の化粧用小物類やブラシ類も、形態安定性良く均一に乾燥させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1に示す本発明の干し具は、複数個の大小のポケット2a、2bを一面に形成した平板状本体1aと、その平板状本体1aの上端部側に一体に形成された折曲げ線3を介して折り返す折返し片4と、ハンガー5から成っている。さらに、折曲げ線3の中央には、ハンガーのフックを挿通する挿通孔7が設けられており、折返し片4には複数の係止部材8が取付けられている。
【0014】
本体1の構成素材については、十分な通気性を有し、不使用時には折畳み可能にするため、可撓性を有するネット状素材とする。このネット状素材は、ポリエステル系繊維や他の合成繊維等、様々な素材から形成されるものでよい。
【0015】
図1は、使用済み化粧用パフ類を1〜2週間に一度まとめて洗浄した後に、それらを乾燥するのに適した干し具である。仕事を持つ女性や多忙な女性の中には、週末にまとめて化粧用パフ類を洗浄する場合も多く、パフ類を収納するポケット数が多い構造は、これらのまとめ干しに好適である。
【0016】
その使用方法を説明する。まず、図3で示すように、平板状本体1aの上端部側に一体に形成された折返し片4を開いて、ハンガーのフック5aを挿通孔7から挿通し、折返し片4を折返してハンガー肩部5bを包み込むように係止部材8で係止する。係止部材8は面ファスナーを使用したが、これに限らず、ホックやスナップ等種々の係止部材を使用できる。次に、ハンガー5のフック5aを干し竿等へ掛け、図2に示すように、大きなポケット2aには洗浄後の化粧用パフ9、スポンジ10、アイシャドーチップ11等を収納し、小さなポケット2bには洗浄後のリップブラシ12、チークブラシ13等のブラシ類を収納した後、陰干しする。そして乾燥後は、ハンガー5のフック5aを挿通孔7から取り外し、本体1は折畳んで収納可能である。また、本体1が汚れれば簡単に手洗いできる。
【0017】
図4の干し具は、使用済み化粧用パフ類を、その都度こまめに洗浄した後に、それらを乾燥するのに適した干し具である。この場合、干すべきパフ類、ブラシ類の数は少ないので、それらを収納するポケットの数は少なく、気軽に干すことのできるコンパクトなサイズの干し具となっている。
【0018】
その使用方法は、折返し片4を開いてハンガー5のフック5aを挿通孔7から挿通する等、図3の干し具と同様であり、大きなポケット2aには化粧用パフ9、スポンジ10、アイシャドーチップ等を収納し、小さなポケット2bにはリップブラシ12、チークブラシ等のブラシ類を収納し、陰干しする。乾燥後に本体1は折畳んで収納可能であり、本体1が汚れれば手洗いできることも、図3の干し具と同様である。
【0019】
なお、これらの干し具に取付けるハンガーの形状には特に制限がなく、例えば図1に示すハンガー5のように、肩部5bだけが棒状に伸びているものの他、図5に示すような、家庭内にある一般的なハンガー6を取付けてもよい。この場合のハンガー6の取付け方法は、図6に示すように、挿通孔7にハンガーのフック5aを挿通するのではなく、折り返し片4を開いた状態で、折曲げ線3に沿わせるようにハンガーの水平な掛け杆6aを置き、折返し片4を折返して掛け杆6aを包み込むようにして係止部材8で係止する。このような使用方法では、例えば旅行に行く時など、滞在先のハンガーに本体を装着するだけで目的が達成できるので、本体1のみ折畳んで持ち歩けばよく、携帯に便利である。
【0020】
もちろん、上記のように家庭内にある一般的なハンガー6をはじめから使用することを想定して干し具を作成するならば、ネット状の本体1のみを作成するだけで、図1に示したハンガー5を作成する必要はなく、また、挿通孔7も設けなくてよいので、作成の工程が少なく、より安価に本発明の干し具を作成することができる。
【0021】
また、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明のポケットについては図2や図4に示した形状に限らず、パフ類やブラシ類が形態安定性良く乾燥でき収納できる形状である限り、種々の形状のものを取付けることができる。またポケットの数、大きさ、縦横の列数についても、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の斜視図である。
【図2】本発明の使用状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の使用状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の使用状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の使用状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0023】
1 本体
1a 平板状本体
2a ポケット(大)
2b ポケット(小)
3 折曲げ線
4 折返し片
5 ハンガー
5a フック
5b ハンガー肩部
6 家庭用ハンガー(家庭内にある一般的なハンガー)
6a 掛け杆
7 挿通孔
8 係止部材(面ファスナー)
9 パフ
10 スポンジ
11 アイシャドーチップ
12 リップブラシ
13 チークブラシ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気性の良いネット状素材でかつ折畳み自在な素材を用いた平板状本体の少なくともその一面に複数個の大小のポケットを形成し、その上端部側にハンガーを着脱可能に取り付けるもので、その上端部側に一体に形成された、折曲げ線を介して折返す同じ素材の折返し片を具備し、この折返し片を開いた状態で、ハンガーのフックを折曲げ線中央に設けられた挿通孔から挿通し、折返し片を折返して、係止部材で係止することを特徴とした化粧用パフ類及び化粧用ブラシ類の干し具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−102458(P2006−102458A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−322908(P2004−322908)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(504410239)