説明

化粧用ブラシ、これを製造する方法及び装置

【課題】従来の化粧用ブラシはブラシ自体が単一な色相を有するか又は、単一の材質で成されることにより、購買力増大、製品のイメージ改善又は広報の為の模様の具現に障碍となり、必要に応じて弾性や柔軟性、感触等の性質を部分的に異にすることができず、製作も亦容易でなかった。
【解決手段】化粧用ブラシにおいて、柄に使われる本体11と、本体11の一側に取り付けられるものの、相異する色相又は材質を有して配列されることにより、図形、記号、文字等の模様を有するか等で多数のブラシを含む。多数のブラシ12、13とは人造毛12と自然毛13からなり、好ましくは自然毛13が中心部に位置すると共に、人造毛12が自然毛13の周囲に位置するように配列し得る。従って、相異する色相又は材質を有する多数のブラシを配列して購買力増大、製品のイメージ改善又は広報の為の多様な模様の具現を可能ならしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧用ブラシ(メイクアップブラシ)、これを製造する方法及び装置に関わるものにして、より詳細には相異する色相又は材質を有する多数のブラシを配列して、多様な模様の具現及び部分的に異なる性質を有するようにする化粧用ブラシ、これを製造する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、化粧に用いられるブラシは化粧品を顔等に塗る為の道具として広く使われているものの、このような化粧用ブラシはその用途により多様な形状及び大きさで製作され、普通、小型の場合、アイシャドー等を塗る時に用いられ、大きさが大きい場合には顔の頬タッチやパウダーを塗る時に使われる。
【0003】
このような従来の技術に伴う化粧用ブラシは、合成樹脂又は木材等で成される柄にブラシを注込装置により注込み(入れ、充填し)、加圧又は接着剤等により固定することにより製造される。
【0004】
しかしながら、このような従来の化粧用ブラシはブラシ自体が単一な色相を有するか又は、単一の材質で成されることにより、購買力増大、製品のイメージ改善又は広報の為の模様の具現に障碍となり、必要に応じて弾性や柔軟性、感触等の性質を部分的に異にすることができず、このような問題点を改善する為の化粧用ブラシの製作も亦容易でないという問題点を有していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した従来の問題点を解決する為のものにして、本発明は相異する色相又は材質を有する多数のブラシを配列して購買力の増大、製品のイメージ改善又は広報の為の多様な模様の具現を可能ならしめ、必要に応じて弾性や柔軟性、感触等の性質を部分的に異にすることが可能な化粧用ブラシ、これを製造する方法及び装置を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成する為の本発明は、化粧用ブラシにおいて、柄に使用される本体と、本体の一側に取付けられるものの、相異する色相又は材質を有して配列されることにより、図形、記号、文字等の模様を有するか、又は部分的に異なる性質を有するようにする多数のブラシを含むことを特徴とする。
【0007】
さらに、本発明は相異する色相又は材質を有する多数のブラシを本体に配列(配置)させる化粧用ブラシの製造方法にして、本体の一側に外郭リングを設ける段階と、外郭リングの内側にブラシのそれぞれが挿入される空間を区画する空間区画部材を装着する段階と、外郭リングの内側に空間区画部材により区画される空間毎に相異する色相や材質を有するブラシ各々を注込み固定することにより、ブラシ等が図形、記号、文字等の模様を有するか、又は部分的に異なる性質を有するように配列する段階と、本体から外郭リングと空間区画部材を除去する段階を含むことを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明は相異する色相や材質を有する多数のブラシを本体に配列させる化粧用ブラシの製造装置にして、本体に挿入される外郭リングと、外郭リング内側に装着されてブラシの各々が挿入される為の空間を区画する空間区画部材を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上述した通り、本発明に伴う化粧用ブラシ、これを製造する方法及び装置は相異する色相や、材質を有する多数のブラシを配列して購買力増大、製品のイメージ改善又は広報の為の多様な模様の具現を可能にし、必要に応じて弾性、柔軟性、感触等の性質を部分的に異なるようにすることが可能な効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明の最も好ましい実施例を添付した図面を参照しながら、本発明の技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるようにより詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例に伴う化粧用ブラシを図示した斜視図である。図示した通り、本発明の第1実施例に伴う化粧用ブラシ(10)は本体(11)と、本体(11)の一側に配列される多数のブラシ(12、13)を含む。
【0011】
本体(11)は合成樹脂又は木材等で製作され柄に用いられるものの、必要に応じて内部に化粧品等が貯蔵される為の開閉自在な空間を形成することができ、ブラシ(12、13)が終端のみならず他側の終端又は側面等多数の位置に設けられ、本実施例で相異する色相や材質を有して配列される多数のブラシ(12、13)が上端と側面に多数設けられる。ブラシ(12、13)の各々は本体(11)の一側に配列されて取付けられるものの、相異する色相又は材質をそれぞれ有する。従って、ブラシ(12、13)が相異する色相を有するか又は、材質を異にすることにより、外側が図形、記号、文字等の模様、例えば、花、キャラクター、広報文句、企業マーク等を有するか又は部分的に異なる性質、例えば、弾性、柔軟性、感触等を有するようになる。
【0012】
一方、多数のブラシ(12、13)は人造毛(12)と自然毛(13)からなり、好ましくは自然毛(13)が中心部に位置すると共に、人造毛(12)が自然毛(13)の周囲に位置するように配列し得る。従って、中心部に位置する自然毛(13)により粉塗りが優れるようにし、その周囲の人造毛(12)により弾力を維持するようにすることにより、自然毛(13)が配列形態を維持できるようにする。
【0013】
図2は本発明の第2実施例に伴う化粧用ブラシを図示した斜視図である。図示した通り第2実施例に伴う化粧用ブラシ(30)は、第1実施例と同様に本体(31)と、本体(31)の一側に配列される多数のブラシ(32、33、34)を含む。唯、本実施例に伴う化粧用ブラシ(30)は第1実施例とは別に、本体(31)の上端に図形、記号、文字等の模様を有するように配列される多数のブラシ(32、33、34)が相異する色相を有する人造毛である。
【0014】
このように、人造毛の製造過程において、人造毛に対する着色が容易な為、ブラシ(32、33、34)各々に対する多様な色相の表現が可能であり、これにより望む色相の模様を有するブラシ(32、33、34)の配列を容易に得られる。
【0015】
図3は本発明に伴う化粧用ブラシの製造方法を図示したフローチャートである。図示された通り、本発明に伴う化粧用ブラシの製造方法は相異する色相や材質を有する多数のブラシ(12、13、32、33、34;図1及び図2に図示)を本体(11、31;図1及び図2に図示)に配列させる為に、外郭リング設置段階(S1)と、空間区画部材装着段階(S2)と、ブラシ各々の注込み及び配列段階(S3)と、外郭リング及び空間区画部材除去段階(S4)を含む。外郭リング設置段階(S1)は柄に使用される本体(11、31)に形成されるブラシ装着部に円形又は多角形等のリング形態を有する外郭リングを設けるようになる。
空間区画部材装着段階(S2)は外郭リングの内側を多数の空間に区画する空間区画部材を外郭リングの内側に挿入させ装着する。
【0016】
ブラシ各々の注込み及び配列段階(S3)は、外郭リングの内側で空間区画部材により区画される空間毎に相異する色相や材質を有するブラシ(12、13、32、33、34;図1及び図2に図示)の各々を、注込み装置等を用いて注込み及び固定させることにより、ブラシ(12、13、32、33、34)等が図形、記号、文字等の模様、例えば、花、キャラクター、広報文句、企業マーク等を有するか又は、部分的に異なる性質、例えば、弾性、柔軟性、感触等を有するように配列する。
【0017】
一方、ブラシ各々の注込み及び配列段階(S3)で使用されるブラシの各々は図1に図示した通り、人造毛(12)と自然毛(13)であるか又は、図2に図示した通り、相異する色相を有する人造毛(32、33、34)であることが好ましい。
【0018】
外郭リング及び空間区画部材除去段階(S4)は本体(11、31)にブラシ(12、13、32、33、34)が固定されると、ブラシ(12、13、32、33、34)各々に対する注込みの為に使用された外郭リングと空間区画部材を除去するようになり、これにより図1及び図2に図示された化粧用ブラシ(10、30)の製造を完了するようになる。
【0019】
図4及び図5は本発明に伴う化粧用ブラシの製造装置を図示した分解斜視図及び平面図である。本発明に伴う化粧用ブラシの製造方法に使用される装置(20)は、相異する色相や材質を有する多数のブラシ(12、13、32、33、34;図1及び図2に図示)を本体(11、31)に配列させる装置であって、外郭リング(21)と外郭リング(21)の内側に装着される空間区画部材(22)を含む。
【0020】
外郭リング(21)は円形又は多角形等のリングにして、本体(11、31)のブラシ装着部に挿入固定され、ブラシ(12、13、32、33、34)が全体的な外形を成すようにする。
空間区画部材(22)は外郭リング(21)の内側に装着され、ブラシ(12、13、32、33、34)各々が挿入される為の空間を多数区画するようになる。
【0021】
空間区画部材(22)は外郭リング(21)の内側に位置して図形、記号、文字等の模様、例えば、花、キャラクター、広報文句、企業マーク等の断面形状を有する区画片(23、24)と、外郭リング(21)又は区画片(23)に形成され、外郭リング(21)の内側に区画片(23、24)を固定させる固定片(26)を含む。
【0022】
固定片(26)は本実施例で区画片(23)の外周面に一体で形成され、外郭リング(21)の内周面に支持されることにより、外郭リング(21)の内側に区画片(23)が設置されるようにする。
【0023】
区画片(23、24)は相互内、外側に位置するように複数個でなることにより、ブラシ(12、13、32、33、34;図1及び図2に図示)各々が注込まれ固定される空間の個数を拡張させ、これらは連結片(25)により相互連結されることにより、外郭リング(21)内で定められた形態を維持するようにする。
【0024】
一方、外郭リング(21)と空間区画部材(22)は金型により望む形態で製作されるか又は鉄板等のカッティング、折曲げ、溶接等により製作することができ、これらの厚みはブラシ(12、13、32、33、34)の注込みに妨害を与えない範囲、例えば、0.3〜1.0mm、好ましくは0.5mmの厚みを有する。
【0025】
以上のように本発明の好ましい実施例によれば、相互異なる色相や材質を有する多数のブラシ(12、13、32、33、34;図1及び図2に図示)を配列して購買力増大、製品のイメージ改善又は広報の為の多様な模様の具現を可能ならしめ、必要に応じて弾性、柔軟性、感触等の性質を部分的に異ならしめることが可能である。
【0026】
以上で説明したのは本発明に伴う化粧用ブラシ、これを製造する方法及び装置を実施する為の1つの実施例に過ぎないものにして、本発明は前記の実施例に限定されず、特許請求範囲で請求する通り、本発明の要旨を逸脱することなく当該発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば、誰でも多様な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神があると言い得る。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明に伴う化粧用ブラシ、これを製造する方法及び装置は相異する色相や、材質を有する多数のブラシを配列して購買力増大、製品のイメージ改善又は広報の為の多様な模様の具現を可能にし、必要に応じて弾性、柔軟性、感触等の性質を部分的に異なるようにすることが可能な効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は本発明の第1実施例に伴う化粧用ブラシを図示した斜視図である。
【図2】図2は本発明の第2実施例に伴う化粧用ブラシを図示した斜視図である。
【図3】図3は本発明に伴う化粧用ブラシの製造方法を図示したフローチャートである。
【図4】図4は本発明に伴う化粧用ブラシの製造装置を図示した分解斜視図である。
【図5】図5は本発明に伴う化粧用ブラシの製造装置を図示した平面図である。
【符号の説明】
【0029】
10,30 化粧用ブラシ
11,31 本体
12,32,33,34 ブラシ(人造毛)
13 ブラシ(自然毛)
20 化粧用ブラシの製作装置
21 外郭リング
22 空間区画部材
23,24 区画片
25 連結片
26 固定片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧用ブラシにおいて、
柄に使用される本体と、
前記本体の一側に取付けられるものの、相異する色相又は材質を有して配列されることにより、図形、記号、文字等の模様を有するか又は部分的に別の性質を有するようにする多数のブラシを含む化粧用ブラシ。
【請求項2】
前記多数のブラシが、人造毛と自然毛からなることを特徴とする第1項記載の化粧用ブラシ。
【請求項3】
前記多数のブラシが、前記自然毛が中心部に位置すると共に、前記人造毛が前記自然毛の周囲に位置するように配列されることを特徴とする第2項記載の化粧用ブラシ。
【請求項4】
前記多数のブラシが、相異する色相を有する人造毛であることを特徴とする第1項記載の化粧用ブラシ。
【請求項5】
相異する色相や材質を有する多数のブラシを本体に配列させる化粧用ブラシの製造方法にして、
前記本体の一側に外郭リングを設ける段階と、
前記外郭リングの内側に前記ブラシ各々が挿入される空間を区画する空間区画部材を装着する段階と、
前記外郭リングの内側に前記空間区画部材により区画される、空間毎に相異する色相や材質を有するブラシの各々を注込み固定させることにより、前記ブラシ等が図形、記号、文字等の模様を有するか又は、部分的に異なる性質を有するように配列される段階と、
前記本体から前記外郭リングと前記空間区画部材を除去する段階を含むことを特徴とする化粧用ブラシの製造方法。
【請求項6】
前記ブラシの各々を注込み配列する段階は、
前記ブラシの各々が人造毛と自然毛であることを特徴とする第5項記載の化粧用ブラシの製造方法。
【請求項7】
前記ブラシの各々を注込み配列する段階は、
前記ブラシの各々が相異する色相を有する人造毛であることを特徴とする第5項記載の化粧用ブラシの製造方法。
【請求項8】
相異する色相や材質を有する多数のブラシを本体に配列させる化粧用ブラシの製造装置にして、
前記本体に挿入される外郭リングと、
前記外郭リングの内側に装着され前記ブラシ各々が挿入される為の空間を区画する空間区画部材を含む化粧用ブラシの製造装置。
【請求項9】
前記空間区画部材は、
前記外郭リングの内側に位置し、断面形状が図形、記号、文字等の模様を有する区画片と、
前記外郭リング又は前記区画片に形成され、前記外郭リングの内側に前記区画片を固定させる固定片を含む第8項記載の化粧用ブラシの製造装置。
【請求項10】
前記区画片は、
内、外側に位置する複数個からなり、連結片により互いに連結されることを特徴とする第9項記載の化粧用ブラシの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−168108(P2008−168108A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170022(P2007−170022)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(507217419)エフエスコリア インダストリー インク (2)
【Fターム(参考)】